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6月9日にNinja Tuneからリリースされるニューアルバム『Guy』に先駆けて、Jayda Gが最新シングル「Blue Lights」を公開しました。このアルバムはレーベルの次なる大作になる可能性が極めて高い。

 

次作アルバム『Guy』の中において、Jayda Gは父親のルーツについて、ラップやソウルという観点から解きほぐそうとしている。


1968年のワシントン人種暴動に巻き込まれた「父の非常識な話」にインスパイアされたJayda Gは、過去から現代に通じる普遍的な考えを学び取っている。「父にとって、とても大きな転機だったと思うんです。当時は誰にとってもターニングポイントだったと思います」と彼女は述べている。

 

ベトナム戦争があって、人々はなぜ、そこに人を送るのかさえわからず、国内では黒人のコミュニティ内で恐ろしいことが起こり、人々はそれにうんざりしていたのです。黒人であること、男性であること、貧困であること、人種差別への対応、警察への対応、警察の横暴など、この社会が抱える問題を改めて考えさせられたよ。


「Blue Lights」

 


ボルチモアのアブストラクト・ヒップホップシーンを牽引するJPEGMAFIA、及びデトロイトのラップシーンの象徴的存在であるDanny Brownは、シングル「Lean Beef Patty」に続いて、近日発売予定のコラボレーション・アルバムのセカンドシングル「Scaring the Hoes」を公開しました。Logan Fields監督によるミュージックビデオが公開されています。以下よりご覧ください。


JPEGMAFIAとDanny Brownの新作アルバム「Scaring the Hoes」は3月24日(金)に発売される予定です。


 


UKのラップアーティスト、Little Simzは、サプライズアルバム「NO THANK YOU」リリース後のヨーロッパ各地を追った40分に及ぶツアードキュメンタリー「On Stage Off Stage」を公開しました。「On Stage Off Stage」は、Abu Dumbuyaによって撮影・編集され、Little Simzがヨーロッパ各地で行ったパフォーマンスや、休日にショーの合間にリトル・シムズを追う様子が映し出されています。


この新しいツアードキュメンタリーを公開するとともに、Little Simzは、12月にリリースしたサプライズアルバム『NO THANK YOU』が6月16日にフィジカルリリースされることを発表、現在予約受付中。


先月、Joan ArmatradingはBAFTAsでLittle Simzと一緒に「Heart on Fire」を演奏しました。同月、Little SimzとCleo Solは、Moncler London Fashion WeekのイベントでAlicia Keysと共演している。



先日、フルカタログをストリーミングで全公開した伝説的なヒップホップトリオ、De La Soul。今回、ストリーミングでの公開もあり、長い時を経て、デ・ラ・ソウルのリバイバルが到来しつつあるようです。

 

今週、メンバーであるMaseoとPosdnuosは、米国の深夜トーク番組”The Tonight Show Starring Jimmy Fallon”に出演し、同じくヒップホップの象徴的な存在であるThe Rootsと共に「Stakes Is High」をライブパフォーマンスしました。

 

De La Soulは、今年2月に54歳で亡くなったトゥルゴイ・ザ・ダヴの訃報に続き、待望のストリーミング・サービスでのバックカタログのリリースについてジミー・ファロンとトークしています。実際のパフォーマンスもまったく年齢を感じさせない躍動的なフロウを披露しています。

 

 

 

©Samuel Valdivia

フロリダ州タンパのラッパー兼シンガーのDoechii(ドエチイ)が、2023年最初のシングルをドロップしました。「What It Is (Block Boy)」というタイトルで、Kodak Blackをフィーチャーしています。


「この曲はノスタルジーとポップなヴァイブスの融合です」とDoechiiは声明の中で新曲について述べています。

 

「この曲は、私のファンがまだ見ていない私の声域の一面を披露しているように感じる。”No Scrubs”と”Some Cut”の古いサンプルを使って、遊び心のあるエネルギーも混ぜているのが気に入っています」


Doechiiは昨年、最新EP『she / her / black bitch』をリリースしています。

 


JPEFGAMIAとDanny Brownは、長らく待ち望んでいたコラボレーションLP『Scaring the Hoes』を発表した。このアルバムの発売日は3月24日。JPEGMAFIAがプロデュースしたリード・シングル「Lean Beef Patty」で、このアルバムのプレビューを発表しました。以下、チェックしてみてください。


JPEGMAFIAは、2021年に最新のソロ作品『LP!』をリリースしています。Danny Brownの最新アルバム『uknowhatimsayin¿』は、2019年に発売されました。


 

©︎Berwn

トリニダード・トバゴ出身、現在はイースト・ロンドンを拠点にするヒップホップ・アーティスト、Berwynが2023年最初のニューシングル「Bulletproof」をリリースしました。

 

「Bulletproof」は、2022年12月にリリースされた「3450」と「Chasing Lights (Demo)」に続いて、2023年最初のニューシングルとなります。

 

Berwynは新曲について、「"Bulletproof "は自分のことよりも、自分の周りの人たちのことを考えているんだ。私の性格のもう一つの部分です。私は周りの人のために何でもするつもりです。また、私の仕事の危険性を浮き彫りにし、悩みを抱えた一人の人間であることを露呈しています。人間関係はギブアンドテイク。私の背中を押してくれたら、私もあなたの背中を押してあげる」

 

昨年10月、バーウィンはシングル「Path To Satisfaction」を発表し、続く11月にはFred again.の「Berwyn (all that i got is you)」に出演しました。また、昨年12月にはDebbieの 「Cousin's Car」にも参加しました。

 slowthai 『UGLY』

 


Label: Method Interscope

Release Date: 2023年3月3日

 


 

UGLYは、Dan Careyがサウスロンドンの自宅スタジオで、頻繁にコラボレーションを行っているKwes Darkoと共に制作した。また、Ethan P. Flynn、Fontaines D.C.、JockstrapのTaylor Skye、beabadoobeeのギタリストJacob Bugden、ドラムのLiam Toonが参加している。

 

「このアルバムは、バンドが持つ兄弟愛の精神を僕が模倣しようとしたものだ。音楽は、そこに込められた気持ちや感情が大事なんだ」とslowthaiは語っている。


「アーティストが絵を描くように、その刹那の表現なんだ。以前はラップが自分の持っているツールで表現できる唯一の方法だったのに対し、ラップはやりたくないという気持ちがすごくありました。今はもっと自由に作れるし、やれることも増えたのに、なんで変えないんだろう?」


「人にどう思われようが、誰だろうが関係ない、ただ真実であり続けること、自分を尊重することなんだ」と彼は付け加える。


「私が顔にUGLYのタトゥーを入れているのは、常に自分を卑下したり、人が持つ印象が私という人間を決めるべきだと感じるのではなく、自分自身を愛することを思い出させるためなのです。結局のところ、僕が作るアートは自分のためのものだし、僕が作る音楽も自分のためのもので、僕が楽しめればそれでいいんだ。だから、自分の生き方というのは、誰にも期待されないものでなければならない。なぜなら、誰にでも笑顔が必要だし、誰にでもちょっとした喜びが必要で、それを本当に感じるためには自分の内面を見つめる必要があるから。"誰も本当の気持ちを与えてはくれないから」 


イングランド中東部にあるノーザンプトンの労働者階級出身のラップ・アーティスト(彼は単純に「ラッパー」と呼ばれるのを嫌うという)は、これまでヒップホップの潜在的な可能性を探ってきた。


もちろん、革靴の生産(高級革靴ブランド、JOHN LOBB、Dr.Martensの別ラインの革靴メーカー、Solovairが有名)に象徴されるノーザンプトン出身という土地柄は、彼の音楽にまったく無関係であるはずがない。スロウタイの政治的主張はノッティンガムのポスト・パンク・デュオ、スリーフォード・モッズと同じくらい苛烈であり、2019年のマーキュリー賞の授賞式では、当時の首相だったボリス・ジョンソンの人形の首をぶらさげて過激なパフォーマンスを行った。これは相当、センセーショナルな印象をもたらしたものと思われる。

 

今回、上記のアートワークにも見られるように、顔に『UGLY』のタトゥーをほったスロウタイ。そこにはヒップホップアーティストのプライドとそして何らかの強い決意表明が伺えるような気もする。そして、先週末にMethodから発売となった新作アルバム『UGLY』を聴くと、あらためてスロウタイというヒップホップ・アーティスト(ラッパーではない)が自分がどのような存在であるのかをイギリス国内、あるいは海外のファンに知らしめるような内容となっている。

 

UKの独自のミュージックカテゴリーであるグライム、そしてヒップホップのトラップの要素についてはそれ以前の作風を踏襲したものであろうと思う。しかし、 そこには近年、現代的なヒップホップアーティストがそうであるようにNirvanaをはじめとするグランジ、オルタナティヴ・フォーク、ポスト・パンク、そのほかそれ以前のメロディック・パンクを織り交ぜ、ヒップホップという音楽があらためて広範なジャンルを許容するものであることを対外的に示している。

 

もちろん、スロウタイは常に健康的な表現やリリック、フロウを紡ぎ出すわけではない、時としてそれは荒々しく、乱雑な表現性を赤裸々に表現するのだ。何か心の中にわだかまる激しいいらだちや虚無感、それらを一緒くたにし、ドラッグ、セックス、そしてアルコールへの溺愛を隠しおおそうともせずすべて表側にさらけ出す。そしてそれらはフロウとして激しいアジテーションを擁している。このアルバム全編にはスロウタイの動的な迫力満点のエネルギーに充ちているのである。

 

若い時代には、エミネム、ノートリアス、BIG、2Pacといったアーティストに親しんでいたスロウタイ。それらのラップミュージックの影響をベースに、ポストパンクのようなドライブ感のあるビートを交え、痛快な音楽を展開させていく、オープニングトラック「Yum」を聴くと分かる通り、表向きには危なっかしく、どこへいくのかわからないような感じに充ちている。


しかし、これらの乱雑かつ過激なアジテーションに充ちた音楽、その裏側にはこのアーティストの実像、実は気の優しいフレンドリーな姿も伺う事ができる。表向きには近づきがたい、しかし少し打ち解けると、誰よりも真正直な笑顔を覗かせる。そのような温和さをこの音楽の中に垣間見ることができる。それはスロウタイというアーティストが言うように、誰もがインターネットや表向きの情報を通して、そうであると決めつけているその人物の印象、その裏側には一般的なイメージとは全然別のその人物の本当の姿があると思う。どのような有名な人物でさえも。


その全面的なイメージをその人と決めつけることの危険性、そしてそれはその人物の幻想にすぎないことをスロウタイは知り尽くしていて、それらをあらためてこれらの楽曲を通じて表明していくのである。


そして、これまでのスロウタイのイメージとは異なる、またこのラップアーティストの親しみやすい姿を伺わせる楽曲もこのアルバムにはいくつか収録されている。その筆頭となるのが「Feel Good」となるだろうか。


2000年代のメロディック・パンクやエレクトロニックの影響を織り交ぜて彼はこのアルバムの楽曲の中で比較的爽やかなボーカルを披露している。  この楽曲こそ、スロウタイのアーティストとしての成長を伺わせるものであり、今作のアルバムがより革新的な音楽として組み込まれる理由で、より多くのファンを獲得しそうな気配もある。

 

その他、全体的に過激なイメージの中にあって、爽やかな印象を持つ曲も数多く収録されている。「Never Again」も聴き逃がせない。ここでトラップを始めとするヒップホップをグライムと織り交ぜ、繊細なフロウを披露する。また、エミネムの時代を彷彿とさせる「Fuck It Puppet」もヒップホップファンにとって痛快な感覚を与えるだろう。


そのほか表題曲「UGLY」は普通のインディーロックとしても楽しむことができる。これらのバリエーション豊かな楽曲は、依然としてスロウタイがイギリスのミュージックシーンのトップランナーである事を示している。




90/100

 

 

Featured Track 「Feel Good」

 

©︎Ryo Mitamura

 

日本のヒップホップMC/トラックメイカーであるOMSBが昨年の『ALONE』の発売を記念んしたライブパフォーマンスを収録したアルバム『ALONE LIVE』をSUMIITから3月1日に発売しました。アートワークの原案はOMSB作品としてお馴染みの俳優の浅野忠信が手掛けています。このアルバムは、スタジオ録音にはない熱気を克明に捉えている。あらためてチェックしてみてほしい。
 
 
OMSBの何がすごいのか。もちろん、ラップの祖国である米国生まれで、現地の音楽を体に浸透させていること、それに加え、日本語と日本的な感性を駆使し、米国にも、イギリスにもない日本語のラップ・ワールドを展開しようとしている。さらにそれに加えて、ヒップホップのDIYのカルチャーを踏襲し、比較的小さなスペースでのDJセットを交えたライブを開催し、観客との近さを重点に置く。歌詞の中には、日本文化の中での他者との相違についてマイルドに言及されています。昨年発売となった『ALONE』は、Music Magazineの年末号で日本のラップ部門で一位に輝くなど着実に実績を積み上げています。今後の活躍を楽しみにしていきたい。
 
 

2022年に発表した3rd Album「ALONE」が、2022年のミュージック・マガジン誌「JAPANESE HIPHOP」部門において年間一位を獲得し、2023年にも最新シングル「Vision Quest」を発表したOMSB。
 
 
 
彼が昨年6月に開催した自身初のワンマンライブの模様をマルチ録音し、The Anticipation Illicit Tsuboiが今回のパッケージに向けて全編ミックスを施したライブアルバムが配信決定しました。OMSBとHi'Specによるコンビネーションでのパフォーマンスに加え、この日サプライズゲストとして登場した、小袋成彬、PUNPEE、VaVaによる参加楽曲などもライブ収録している。
 
 
 
カバーは浅野忠信氏が描きおろしたイラストを、OMSB作品のデザインを1stアルバムから手掛けているMA1LLが今回の為にリアレンジした仕様となっている。最新アルバム「ALONE」の全収録楽曲のライブパフォーマンスに加え、今までのOMSBの活動を集約する新旧織り交ぜた全23曲のセットリストであり、会場の熱量を十分に体感できる作品となっている。 

 



OMSB 『ALONE LIVE』



Label: SUMMIT

Release Date:2023年3月1日

 

 

Tracklist:

1. 祈り | Welcome Back (Live ver.)
2. Kingdom (Homeless) [Live ver.]
3. Fellowship (Live ver.)
4. Nowhere (Live ver.)
5. New Jack (Live ver.)
6. 波の歌 (Live ver.)
7. Hush (Live ver.)
8. Scream (Live ver.)
9. 大衆 (Live ver.)
10. Life Goes On (あんじょうやっとります) [feat. OMSB] [Live ver.]
11. Naruhodo (Live ver.)
12. 黒帯(Black Belt Remix) [Live ver.]
13. Think Good (Live ver.)
14. Season 2 (Live ver.)
15. A Few Flames (Live ver.)
16. One Room (Live ver.)
17. OMSBから君へ (Live ver.)
18. LASTBBOYOMSB (Live ver.)
19. Standalone | Stallone (Live ver.)
20. Wheels feat. 吉田沙良(モノンクル) [Live ver.]
21. HULK (Live ver.)
22. CLOWN (Live ver.)
23. Childish Wu (Live ver.)



 未清算のサンプルやライセンス契約をめぐる長年の法廷闘争を経て、De La Soulのカタログがついにストリーミング・サービスで解禁されました。

 

デ・ラ・ソウルのヒップホップは今日の文脈からいうと、少し古めかしいスタイルではあるものの、サンプリング、DJのスクラッチ、引用元の楽曲のチョイスの的確さ、明らかにR&Bの影響が現在のアーティストより色濃いことを見ると、現在のラッパーにとって教科書のような素晴らしい音源ばかり。

 

デ・ラ・ソウルは、前所属レーベルのトミーボーイとストリーミング配信の権利をめぐって10年にわたる争いを繰り広げていたが、同レーベルがレザボアメディアに買収されたことで解決した。

 

ストリーミングへの復帰は、トゥルーゴイ(トルゴイ・ザ・ダヴ)が54歳で死してから数週間後に起こった。

 

残されたメンバーのMaseoとPosdnuosは、ソーシャルメディア上で亡くなったバンドメイトと友人に賛辞を送った。

 

「私はあなたのお母さんがあなたをダヴと呼んでいたのを覚えています、だからあなたはいつも翼を持っていました、だから行って、光に向かって飛んでください、マースと私はあなたの遺産がよく保存されていることを確認します」Maseoは書いています。「私たちはデ・ラ・ソウルです。人生のために、そして人生の後に、しかし明らかに、それは決して同じではありません。一方では、あなたがもう病状の痛みに苦しむ必要がないことを嬉しく思っていますが、他方では、私たちが一生懸命働き、戦ったことを祝い、楽しむためにあなたがここにいないという事実に非常に動揺しています」


Posdnuosは報道発表の中で、次のように述べています。「私たちは、ついに私たちのフルバックカタログをすべてのストリーミングプラットフォームで利用できるようになったことに興奮しています。同時に、私たちの兄弟であるデイヴの喪失に深い悲しみを感じています。彼のユニークな声と才能は惜しまれますが、彼の精神は常に我々の音楽を通して生き続けるでしょう」

 

 De La Soulの旧カタログの全音源は現在こちらで公開されています。

 

「The Magic Number」

 


 

Channel Tres


ロサンゼルスのコンプトンを拠点に活動するアーティスト/プロデューサー、Channel Tres(チャンネル・トレス)は、Tyler, the Creator、Robyn、JPEGMafiaとのコラボを経て、デビューフルレングス『Real Cultural Shit』をリリースする予定だった。しかし、数日前、当初のフルアルバムの計画からEPに縮小され、RCA Recordsの傘下である”Godmode”からの最初のプロジェクトとして2月24日に急遽リリースされた。(ストリーミングはこちら


昨晩、このリリースを最初に報じたのはSPINで、チャンネル・トレスが同誌の取材に語ったところによると、デビュー・アルバムに向けた新しい音楽が煮詰まっており、彼はまだ取り組んでいる最中で、ミニアルバムでステップアップを図るつもりだという。

 

「この曲群は、今すぐリリースするのに適していると感じたんだ」と、クラシック音楽のトレーニングを受け、深い声を持つアーティスト、シェルドン・ヤングは同誌の取材を通じて回答している。「EPをリリースしたのは、コンセプト的に、ちょうど今、アルバムの準備をしようとしてるからなんだ。僕のキャリアは2018年に始まったんだけど、それ以前は人のためにプロデュースしていただけだった。ただ、自分に全ての注目を集めることに慣れるまでにかなり時間がかかった。音楽や芸術の世界に足を踏み入れたとき、それが本当に自分のやるべきことなのかどうか、とても不安になるんだ。この音楽は、まだそれを十分理解していなかったんだ」


『Real Cultural Shit』では、それほど派手なゲスト参加はなく、プロデュースと作曲の面で長年のコラボレーターと再びチームを組むことを意味する。

 

ホーンが鳴り響き、ファットグルーブな "Sleep When Dead "は、チャンネル・トレスが裏方のビートメイカーから自身のプロジェクトで注目される存在へと進化し続けていることを反映している。"Big Time "はリック・ジェームスの1980年の同曲を、アウトキャストやプシャ・テイストのクラシック・ヒップで華麗にアレンジ。さらにリード・シングル "Just Can't Get Enough "は、R&Bのスーパースター、故テディ・ペンダーグラスの "The More I Get the More I Want "をサンプリングし、チャンネルが音楽を探求する上で影響を受けたことに敬意を表している。


「私はテディのキャリアをよく勉強しています」とチャンネルは言います。「彼は、私の家庭や家族の集まりで演奏されることを通して、私の人生の大部分を占めていたのです。彼は、グループの中でリード・ヴォイスでありながら、なかなか認めてもらえなかったが、一人前になるまでになった。その点に共感しています。パフォーマンス的にも、この1年で主役に躍り出ましたし、特にサンプルを使ってクリアできたのは、テディ・ペンダグラスの存在が大きかったですね」


同様に、"Sleep When Dead "は、チャンネルがキャリア初期にフルタイムのプロデューサーとして生活費を稼ぐため「サバイバルモード」だった時期の、ほとんど別れの歌のようなものである。「私はどんなセッションでもやる気満々だった。当時はまだ食料品会社のImperfect Foodsの配送ドライバーとして働いていた」そして、彼は、「モニターとスタジオ機材をダッフルバッグに入れて、人の家に行ってセッティングしてビートを作っていた」と語っている。「次の小切手がいつ来るか分からないと、眠れなくなるんだ。でももし、私がベッドにいたとして、真夜中に誰かに呼ばれて何かすることになったら、私はすぐ起き上がって向かうだろう」


「6am」

 


チャンネル・トレスは現在、米国内にとどまらず、国外へと活躍の領域を広げつつある。今年3月10日に開催されるストックホルム公演を筆頭に、ヨーロッパでの大規模なヘッドライナーツアーを控えているチャンネル・トレスは、今後、タイトル未定のフルアルバムの前哨戦として新曲を発表しつづける予定であるという。「明らかな予定表はまだないんだけれど、すでに完成している曲や制作途中の曲、ビデオ撮影中の曲もあるんだ」とチャンネルは言う。ロサンゼルスのジャズ界の巨匠、テラス・マーティンとのコラボレーションも期待される。テラス・マーティンは今月初めにチャンネルとの熱いニューシングル「Ducks」をリリースしています。


「これらのレコードを制作している間、僕はとんでもない人生の変化を経験したんだよ」と彼は、「パンデミックが起きたことで、健康的になったんだ。音楽の作り方も以前とは変わったよ。私はだいぶ成長したのさ。レーベル的にも新しい状況になったわけだし。プロジェクトが完成する前にツアーに出て、さまざまなものに触れたり、また、他のプロデューサーと積極的に仕事をするようになったんだ。ソングライターとの接触も以前より増えています。その分、アルバムには違う観点から取り組んでいきたいと思っているんだ」と同誌の取材を通じて述べている。

 

 「All My Friends」

 

©Starling Smith

Hannah Jadagu(ハナー・ジャダグ)は、デビュー・アルバム『Aperture』をSub Popより5月19日にリリースすることを発表した。アルバムのカバーアートワークとトラックリストは以下よりご覧ください。

 

ハナー・ジャダグは、サウンド・クラウドを通じて着実に人気を獲得し、シアトルのサブ・ポップとの契約を結ぶに至った。アーティストの最初の音楽体験は、姉の背中を追い、地元の児童合唱団に行き、そこで合唱の訓練を受けたことである。テキサスの高校を卒業後、ニューヨークの大学に通った。デビューEP『What Is Going On?』は、iPhone7だけで録音され、人生の過渡期に書かれたベッドルーム・ポップの楽曲集として機能していた。前作ではアーティストいわく「クラシックなポップ」を志向して制作が行われた。サブ・ポップからの2作目となる今回のフルレングスで、SSWとしてどのような進化を遂げるのかに期待したいところである。

 

アーティストにとって最初のフルレングスとなる12曲収録の新作アルバム『Aperture』には、先行公開されたシングル「Say It Now」と、今回、ご紹介するGreasy Studios ParisでMax Robert Babyと共同プロデュースした新曲「What You Did」が収録されている。

 

「Say It Now」


「"Admit It "を除いて新作アルバムの楽曲のすべてはギターで書かれており、インストゥルメンタルのスルーラインになっている」とハナー・ジャダグはプレスリリースを通じて説明している。

 

「だけど、全体を通して使っているシンセのブランケットは、私が感性の間を行き来するのを助けてくれるの。ロック・ハンナがあり、ヒップホップ・ハンナがあり、といった具合にね。どの曲もあまり似たような音にはしたくなかったのよ」

 

 「What You Did」



Hannah Jadagu 『Aperture』

 


 
Label: Sub Pop
Release Date: 2023年5月19日
 
 
Tracklist:
 

1. Explanation
2. Say It Now
3. Six Months
4. What You Did
5. Lose
6. Admit It
7. Dreaming
8. Shut Down
9. Warning Sign
10. Scratch The Surface
11. Letter To Myself
12. Your Thoughts Are Ur Biggest Obstacle
 

 

イギリスのラップ・アーティスト、Little Simz(リトル・シムズ)は”The Late Show With Stephen Colbert”の音楽ゲストとして招かれ、素晴らしいパフォーマンスを披露している。

 

リトル・シムズは、Harlem Gospel Choir、B String Quartet、The Late Showのバンドと「Heart on Fire」をステージで演奏しています。またリトル・シムズは昨年の英国、アイルランド圏の当年度の最優秀アーティスト/作品を選出するマーキュリー・プライズを受賞している。

 

今回、アーティストがステージで披露した「Heart on Fire」は2022年12月に発売されたリトル・シムズの最新アルバム『No Thank You』に収録されています。レビューはこちらからお読み下さい。

 


 

©Brandon Dudley


LAのオルタナティヴポップ・アーティスト、Deb Neverがニューシングル「Momentary Sweetheart」を公開しました。

 

デブ・ネヴァーは、グランジ、エレクトロ、ヒップホップをかけ合わせたニュー・オルタナティヴとして近年シーンで注目を集めつつあるようです。Hana Vuを始めLAには若い有望なアーティストが数多く活躍しており、Deb Neverもまたそのシーンで力強い存在感を放っています。


2022年2月にリリースされた「Crutches」に続く「Momentary Sweetheart」は甘口のバラードと思いきや、終盤にかけてディストーションギターが炸裂。アウトロではシューゲイザーのような轟音性による陶酔的な雰囲気が漂う。昨年、Deb Neverはマイケル・パーシーやジャム・シティとのコラボを収録したEPは『Where Have All The Flowers Gone?」を発表しています。


「Momentary Sweetheart」

 

©Jheyda McGarrell

 

米国の歌手/女優、Janelle Monáe(シャネール・モネイ)が、アフロ・ビートの始祖/Fela Kutiの息子であるSeun Kutiと彼のバンド”Egypt 80”をフィーチャーしたニューシングル「Float」を発表しました。現代的なラップとアフロ・フューチャリズムを融合させた画期的な楽曲と言えそうです。Nate "Rocket" Wonder、Nana Kwabena、Sensei Buenoが共同プロデュースを行っています。


プレスリリースによると、このニュー・シングルは「1974年のザイールでのMuhammed Ali talking shit、Janeの進化、Mary Poppinsの傘、Aladdinの魔法のじゅうたん、Ja MorantのOpsでダンクしながらリムに浮くことからインスピレーションを得ている」という。「サラ・エリスのロープ、パラマ・ニティアナンダの空中浮遊に関する講演の抜粋、12月1日のラウルの乾杯、ブルース・リーの「形もなく、形もなく」、水のように周囲と一体になるための強大な哲学.........」


「Float」は、Monáeにとって2021年のシングル「Say Her Name (Hell You Talmbout)」と「Stronger」以来の新曲となる。前作、2019年の『Dirty Computer』のリリース以降、彼女は2022年の映画『Glass Onion』、さらに『A Knives Out Mystery』にも出演している。


「Float」

 


イギリスのスポークンワード・アーティスト/ラッパー/詩人/小説家/劇作家であり、マーキュリー賞にノミネートされたKae Tempest(ケイト・テンペスト)がニューシングル『Nice Idea』を発表しました。各種ストリーミングの視聴はこちら

 

この新作EPはレコードストア・デイに合わせてリリースされ、Dan Careyがプロデュースし、Kojey Radicalとのコラボレーション曲「Move (Rework)」と2022年のアルバム『The Line Is A Curve』に続く作品となる。昨日、リリースされたEPのタイトル曲は、彼らの幼なじみであるKwake Bassが南東ロンドンで撮影したオフィシャル・ビデオと同時に公開されています。


「この曲は、好きな人と一日中ベッドにいたいという歌なんだ」とTempestはこの曲についてソーシャルで語っている。「全世界をシャットアウトして、お互いを楽しむことができると想像して。いいアイデアだね」

 


シカゴのクローズド・セッションズに所属するラップ・アーティスト、Defcee(デフシー)が2023年最初のニューシングル「Learning Gravity」をドロップしました。(各種ストリーミングはこちら)


前作アルバムに見られた前のめりのフロウやビート、グルーヴ感抜群の重低音の凄みは相変わらずですが、今回のシングルはホーンのサンプリングがフロウをガンガン引っ張っていき、そこにデフシーらしいパワフルなリリックが重なる。シンセを中心に構成されるバックトラックにジャズとR&Bの影響がみられ、従来の作風よりも若干メロウな雰囲気が加わっています。さらにアウトロにかけて琴のサンプリングが入っているのにも注目しておきたい。リリックにはダンテについての言及もあり、アーティストの直情的な感覚が断片的ではあるもののかなり見事に捉えられています。


Defceeは、自らが敬愛してやまないNYのブロックヘッドがビートを担当したクールな新曲について次のように説明しています。


Blockheadは、高校生の時に「Daylight」を聞いて以来、その作品が大好きになった伝説的な人物なんです。それ以来、彼がやってきた仕事は伝説的なものであり、彼と一緒に仕事ができることを光栄に思っています。

 

昨年、Defceeは、シカゴのオープンマイク・シーンの盟友とも言えるBoathouseをゲスト・ボーカルに迎えて制作されたフル・アルバム『For AIl Dept Pablic and Plivate』を発表している。その後、単発のシングル「Cash」、同アルバムのImport Editionをクローズド・セッションズからリリースしています。ミック・ジェンキンスと共に注目しておきたいラップ・アーティストです。



 

©George Muncey

イギリスのラッパー、slowthaiがサード・アルバム『UGLY』からニュー・シングルを公開した。Shygirlのバックヴォーカルをフィーチャーした「Feel Good」は、長年のコラボレーターであるTHE RESTが、ファンから寄せられた映像をもとに企画・監督したミュージック・ビデオで登場します。下記よりご覧ください。


2021年の『TYRON』に続く『UGLY』は、Method Recordsから3月3日にリリースされます。


Young Fathers 『Heavy Heavy」


 

Label: Ninja Tune

Release : 2023/2/4



 

Review 

 

リベリア移民、ナイジェリア移民、そして、エジンバラ出身のメンバーから構成されるスコットランドのトリオ、ヤング・ファーザーズは、一般的にはヒップホップ・トリオという紹介がなされるが、彼らの持つ個性はそれだけにとどまらない。MOJO Magazineが指摘している通り、多分、このトリオの音楽性の核心にあるのはビンテージのソウル/レゲエなのだろう。またそれは”近作でトリオが徹底的に追究してきたことでもある”という。そして最新作『Heavy Heavy』では、多角的な観点からそれらのコアなソウル/レゲエ、ファンクの興味を掘り下げている。

 

しかし、ヒップホップの要素がないといえばそれも嘘になる。実際、ヒップホップはビンテージ・レコードをターンテーブルで回すことから始まり、その後、ソウルミュージックをかけるようになった。ヤング・ファーザーズの最新作は一見、ロンドンのドリルを中心とする最近のラップ・ミュージックの文脈からは乖離しているように思えるが、必ずしもそうではない。トラップの要素やギャングスタ・ラップの跳ねるようなリズムをさりげなく取り入れているのがクールなのだ。


バンコール、ヘイスティングス、マッサコイの三者は、自分たちが面白そうと思うものがあるならば、それが何であれ、ヤング・ファーザーズの音楽の中に取り入れてしまう。その雑多性については、他の追随を許さない。もちろん、彼らのボーカルやコーラス・ワークについては、ソウル・ミュージックの性質が強いのだが、レコードをじっくり聴いてみると、古典的なアフリカの民族音楽の影響がリズムに取り入れられていることがわかる。また、UKのドラムン・ベースやクラブ・ミュージックに根ざしたロックの影響を組み入れている。これが時にヤング・ファーザーズが商業音楽を志向しつつも、楽曲の中に奥行きがもたらされる理由なのだろう。

 

『Heavy Heavy』は、トランス、ユーロ・ビート、レイヴ・ミュージックに近い多幸感を前面に押し出しながらも、その喧騒の中にそれと正反対の静けさを内包しており、ラウドに踊れる曲とIDMの要素がバランス良く配置されている。さらにアフリカのアフロ・ソウルを始めとするビート、ゴスペル音楽に近いハーモニーが加わることで新鮮な感覚に満ちている。ヤング・ファーザーズが志す高み、それは、ザ・スペシャルズのスカ・パンク世代の黒人音楽と白人音楽の融合がそうであったように、国土や時代を越えた文化性に求められるのかもしれない。実際、歌詞やレコードのコンセプトの中には、人種的な主張性を交えた楽曲も含まれている。

 

この最新作で注目しておきたいのは、ジェイムス・ブラウンに対する最大限のリスペクトをイントロで高らかに表明している#3「Drum」となるか。アンセミックな響きを持つこの曲は、ラップに根ざしたフレーズ、ダブ的な音響効果、ソウル・ミュージックを中心に、パンチ力やノリを重視し、アフリカの音楽の爽やかな旋律の影響が取り入れられている。ループの要素を巧みに取り入れることにより、曲の後半ではレイヴ・ミュージックのような多幸感が生み出される。


続く#4「Tell Somebody」は、この最新作の中にあって癒やされる一曲で、最後に収録されているしっとりしたソウル・バラード、#10「Be Your Lady」と合わせて、クラブ的な熱狂の後のクールダウン効果を発揮する。他にも、ドリル、ギャングスタ・ラップをDJのスクラッチの観点から再構築し、エレクトロと劇的に融合させた#6「Shoot Me Down」も個性的な一曲である。その他、ドラムン・ベースの影響を打ち出した#9「Holy Moly」も強烈なインパクトを放つ。

 

この新作において、ヤング・ファーザーズは、ブラック・カルチャーの特異な思想であるアフロ・フューチャリズムのひとつの進化系を提示しようとしており、また、同時に既存の枠組みに収まるのを拒絶していて、ここに彼らの大きな可能性がある。ヤング・ファーザーズの一貫した姿勢、ご機嫌な何かを伝えようとするクールな心意気を今作から読み取っていただけるはずだ。

 

 

82/100

 

 


Dr. Dre (ドクター・ドレー) は、1992年に発表した大作「The Chronic (ザ・クロニック)」の発売30周年を記念し、ストリーミング配信を開始しました。


シングル 「Nuthin' But a "G" Thang」でトップ10入りを果たし、ビルボード200で最高位3位、その後97週連続チャートイン。歴史上最も影響力のあるヒップホップ・アルバム『The Chronic』は、Stereogumが指摘するように、スヌープ・ドッグがBillboard 200にランクインした頃、ストリーミングから姿を消した。しかし、スヌープ・ドッグがこのアルバムをリリースしたレーベルであるデス・ロウ・レコードを買収し、ストリーミング配信から姿を消してしたのである。The Chronicの不在は、おそらくその後の著作権に関する騒動のせいだと思われる。


しかし、ドクター・ドレーとスヌープ・ドッグが長きにわたる時空のねじれを解消したように見える。『クロニック』は、現在、インタースコープによって配布され、ストリーミングに復帰を果たしている。「私は、その元の配布パートナー、インタースコープレコードにクロニカルな意味合いをもたらすことにとても興奮している」とドクター・ドレーはプレスリリースで述べています。「私の長年の同僚であるSteve BermanとJohn Janickと共に、アルバムを再リリースし、世界中のファンに提供するために働くことは、私にとって刺激的な瞬間です」