日常生活における音楽の楽しみ方の実態調査が英国で実施される

 


ドイツ・ハンブルグに本社を置くモビリティサービス・プロバイダー、FREE NOWは、人々が音楽とどのような関係を築き、生活にどのような影響を与えているかについて、英国で行われた新しいレポートを共有しました。

 

この調査によると、参加した人々の85.7%が、音楽は日々の心の健康を保つために重要な要素であると考えていることが判明しました。さらに、今回の調査に参加した人のうち、音楽を聴く頻度が”週1回以下”という人はわずか2%で、65.2%が毎日音楽を聴いていると答えています。

 

また、83.6%の人が、映画鑑賞よりも音楽を聴き、57.8%の人が友人/家族との付き合いよりも音楽を優先していることが明らかとなっている。また、参加者の61.9%が「運動するよりも音楽を聴く」と回答し、74.1%が「運動するためには音楽が欠かせない」と回答する。この数字を受け、レポートは、音楽が "イギリス国内で最も人気のあるエンターテインメント "であると主張しています。


さらに、新しい音楽の発見方法について尋ねたところ、この調査に参加した人の60.1%がストリーミングサービスを音楽の発見ツールとして挙げています。その他、55.1%の人がラジオを、44.9%の人がソーシャルメディアを選択しています。また、36.7%の人が新しい音楽を直接(レコードショップ等で)発見すると回答しています。


このレポートに参加した人の66.8%が、独立した音楽会場のサポートが不可欠だと答え、独立した会場でライブを観たことがある人の33.6%が、そうした会場はもうほとんど存在しないと回答しています。


英国の都市で最も音楽シーンが充実している都市は、ロンドンがトップ、マンチェスター、リバプール、バーミンガム、グラスゴーと続いています。依然としてイギリス国内で最も音楽文化が盛んな土地はロンドンということになります。


Music Venue TrustのCEOであるMark Davyd氏は、このレポートについて、「この調査結果は、音楽が私たちのコミュニティで、人々にとって非常に個人的なレベルでいかに重要であるかを改めて示しています」と述べています。

 

この調査において、3分の2の人が、地元の草の根の音楽施設は、自分の町や都市にとって不可欠なものだと答えています。この見解は、音楽コミュニティがパンデミックの際に会場を支援し、Covidの危機によって会場が永久に閉鎖されないように直接行動を起こした実際的な方法にも反映されています。

 

欧州でのエネルギー供給の危機、さらにインフレーションによる物価高、それに次いで発生した生活費の抜き差しならない問題がパンデミック後のヨーロッパの人々の日常生活における影響を長引かせている。小麦をはじめとする原材料の高騰、さらにウクライナ侵攻の余波ともいえるエネルギー価格の急激な高騰、さらに市場における株価の変動等の影響により、日常必需品の供給が滞れば、自然と音楽が後回しになってしまうことはやむをえないことです。それらの差し迫った日常生活から切り離されて考えられがちな音楽文化もまたこういった時流の影響を被っており、2000年代頃まで文化そのものを活性化させてきたイギリス国内の草の根の音楽セクターは後回しにならざるをえなく、昨今において信じられないほど厳しい局面に立たされているといいます。

 

今回、ドイツハンブルグのFree Now社がイギリスで実施した、音楽をどのように聴くのかという一般調査は、これらの独立した会場がいかに重要であるか、そして、音楽文化を日常生活そのものであると考えるイギリス国内の人々にとってどれほど重要であるかを改めて示唆するものとなっています。

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