Interview:  Midori Hirano

 

Midori Hirano & Bruder Selke ©Sylvia_Steinhäuser
 

 

互いの異質さや存在感をぶつけ合うのではなく、逆に互いの最大公約数を見出し、そこにフォーカスする- Midori Hirano

 

 

ベルリンを拠点に活動するピアニスト、シンセ奏者、作曲家として世界的に活躍するMidori Hiranoは、2025年に入り、ポツダムの兄弟デュオ、Bruder Selke(ブルーダー・ゼルケ)とのコラボレーションアルバム『Spilit Scale(スピリット・スケール)』をThrill Jockeyから1月末に発表しました。エレクトロニック、チェロ、ピアノを組み合わせたアルバムで、スケールの配置をテーマに制作された。

 

らせん階段のように、GからAのスケールが配置され、旧来のバロック音楽、現代的なエレクトロニックのメチエを組み合わせ、変奏曲、連曲、組曲ともつかない、珍らかな構成を持つモダンクラシカル、エレクトロニック作品に仕上がった。Yoshimi O、灰野敬二、Boredoms、石橋英子をはじめとする、日本のアンダーグランドの象徴的な実験音楽家を輩出するスリル・ジョッキーからのリリースは、ミュージシャンにとって象徴的なレコードの誕生を意味するでしょう。


今年は続いて、ロシア出身でスウェーデンを拠点に活動するミュージシャン、CoH(Ivan Pavlov)とのアルバム『Sudden Fruit』がフランスのレーベル”ici,d'alleurs”から4月に発売予定。エレクトロニックとピアノの融合した、オランダのKettelを彷彿とさせるアルバム。また、アーティストは今年4月に日本でライブを行う予定です。こちらの詳細についてもご確認下さい。

 

今回、平野さんはご旅行中でしたが、『Spilt Sacale』の制作全般について、最近のベルリンの暮らしや政治情勢について教えていただくことが出来ました。お忙しい中、お答えいただき、本当にありがとうございました。今後の活躍にも期待しています。以下よりインタビューをお読みください。

 

 

ーー1月24日にコラボレーションアルバム『Spilit Scale』がThrill Jockeyから発売されました。この作品の大まかな構想についてあらためて教えて下さい。



平野みどり: このアルバムの構想は最初にゼルケ兄弟から提案されたのですが、一曲ごとのキーを西洋音階のピアノでいうところの白鍵にあたるAからGまでに設定して作るというとてもシンプルなものでした。ですので、一曲目がA-Minorで始まって、最後にまたA-Minorで終わる形になっています。マイナーキーにするかメジャーキーにするかまでは決めてなかったのですが、互いの音楽の内省的な傾向が影響したのか、自然にFとG以外は全部マイナーキーになりました。



このアルバムは、全てファイル交換のみで制作したのですが、段取りを明確にする為に、A, C, E, Gは私発信で、それ以外のB, D, F, AAはゼルケ発信で始める事にしました。


アイデアとしてはとてもシンプルだし、新鮮さは特にありませんが、私は自分の作品を作るときはこんなに分かりやすいルールを決めてから始めるという事はあまりなかったです。私に取っては決められたルールの中で、彼らの作る音も尊重しながら、どれだけ自由に表現を広げられるかという点では、とても新鮮な試みでしたね。



ーーゼルケ兄弟との親交は、いつ頃から始まったのでしょうか? 実際に一緒に制作を行ってみていかがでしたか。



平野: 最初にゼルケ兄弟と知り合ったのは、彼らの拠点でもあるポツダムで主催している「Q3Ambientfest」というフェスティバルに呼んでくれたのがきっかけでした。2017年の春で、その年が彼らにとっても第一回目のフェス開催でした。その当時は彼らは”CEEYS”というユニット名で活動していましたが、数年前からブルーダー・ゼルケと名乗るようになっていました。


その後にも何度か同じフェスだけでなく、別の主催イベントにも対バンで何度も呼んでくれるようになって、それを通じて次第に仲良くなっていったという感じです。

 

それから2021年に彼らの”Musikhaus”というリミックスアルバムの為に、一曲リミックスを依頼されて制作したのですが、そのリミックスを気に入ってくれたみたいで、その後に割とすぐコラボレーションをしないかと誘われたのが、このアルバムを作る事になったきっかけですね。

 

最初に調性などのルールは決めたものの、それ以外は自分の直感に従い、自由に音を重ねていったように思います。ゼルケ兄弟の2人は本当に人が良くて平等精神に溢れた人達ですので、お互いに尊重するべきポイントもとても把握しやすく、最後まで気持ち良く作る事が出来ました。




ーー最新作ではピアノ、チェロ、シンセサイザーを中心にモダンクラシカル/アンビエントミュージックが展開されます。作曲から録音に至るまで、どのようなプロセスを経て完成したのでしょうか。



平野: 彼らが住んでいるポツダムから私の住むベルリンまでは電車で1時間弱と近いので、一緒にスタジオに入って録音する事も物理的には可能ではありましたが、3人のスケジュールを合わせるのはなかなか大変ですし、それぞれ自分のペースでゆっくり考えながら制作したいという思いもありましたので、先に話したように、全てファイル交換のみで仕上げました。途中、何ヶ月か中断しながらでしたが、2年ほどかけて丁寧に作りました。

 

録音したファイルは、毎回、4曲ずつをまとめてお互いに送り合って進めましたが、ファイルが往復した回数は2年の間で合計3回ぐらいだったと思います。

 

最終的な仕上げとミックスは私に任せるとゼルケ兄弟が言ってくれたので、最後の調整は私が1人で数ヶ月かけてやりました。最後の段階では曲によって10分以上あるものも多く、ちょっと長すぎるかなと思ったところを私の判断でいくつか切って短くしたり、さらに私が追加でピアノとパッド系のシンセを入れた曲も結構あります。



最終調整作業は、なかなか大変でしたが、結果的には満足のいくものに仕上がったと思っています。私は自分のソロでは結構実験的なアプローチで作っていたり、ピアノがメインの曲でもピアノの音自体を大きく加工して作ることも多いので、こんなに直球なモダンクラシカル的な作品をアルバム単位で作ったのは、私にとっては実は初めてかもしれませんね。




ーー今回のアルバムでは、ピアノ/シンセサイザー奏者が二人いるわけですが、それぞれの演奏パートをどのように割り振ったのか教えていただけますか? また、ゼルケさんと平野さんの演奏者としての性質の違いのようなものはあるのでしょうか?



平野: 3人の中でチェロを演奏するのはセバスチャンだけなので、ここの割り振りは初めからはっきりしていました。ピアノに関してはダニエルと私で特別最初に申し合わせをした訳ではないのですが、ダニエルがピアノを弾いているのは「Scale C」と「E」だけで、それ以外の曲のピアノはほぼ全て私が担当しました。


最初に彼らから送られてきた曲のファイルにあまりピアノが入っていなかったので、あえて私の為に入るスペースを残してくれていたのかなとも思いました。逆に、私も自分発信の4曲の中の「Scale C」と「E」には、ダニエルがもしかしたらピアノを弾くかもしれないと思い、シンセしか使いませんでした。


段取りについては最初に明確にルールを決めたものの、楽器の割り振りについては毎回録音する度にお互いに探り合いをしながら、慎重に選んでいったように思います。最終ミックスの段階で、初めて何か足りないと思ったところを、私がシンセやピアノで一気に追加したような感じですね。



ピアノとパッド系のシンセや「Scale C」のイントロに出てくるようなデジタル感の強い音は主に私で、ダニエルはエレクトロニックパイプで控えめなノイズっぽい音と、時折シンセベースを出したりしています。


あと、「Scale AA」でのシンセのアルペジオもダニエルが演奏しています。アナログ機器とチェロの音がメインのゼルケ兄弟の音と、ピアノ以外ではデジタルシンセを多く使っている私の音をミックスするのはなかなか難しかったですが、その割には意外とうまくまとまったなと思っています。



ーー『Split Scale』は、インプロヴァイゼーション(即興演奏)の性質が強いように感じられました。トリオでの制作において、共通するイメージやコンセプトのようなものはありましたか。そして、そのイメージが通じる瞬間はありましたか?



平野: ゼルケ兄弟も私も最初の録音の際には即興に近いスタイルで演奏したと思いますが、あとはお互いの音を聞きながら録音を重ねていっているのと、後から編集も結構加えているので、厳密に言えば、即興と作曲の中間のようなものです。



それでも、3人ともクラシック音楽のバックグラウンドがあるからなのか、ハーモニー構成の癖が似ている部分もあるかもしれません。ステージで一緒に演奏する時でもほぼ全部即興であるにもかかわらず、横も縦もはまりやすい。即興演奏として、それが面白いかどうかというと、人それぞれの意見があるとは思いますが......。でも、お互いの異質さや存在感をぶつけ合うのではなく、逆に互いの最大公約数を見出し、そこにフォーカスするような控えめな「即興演奏」を、私達はこの作品で繰り広げたのだと思ってますし、そこから生まれる美しさもあると思います。

 

 

Photo:Sylvia Steinhäuser

 



 

ーー最近のベルリンの生活はいかがでしょう? 現在の現地のミュージックシーンがどうなっているのかについてお聞きしたいです。



平野: ベルリンに住んでもう16年が経ちますので、最初に引っ越してきた頃に感じていたような新鮮さは薄れかけていますが、私個人の印象では日本と比べると、風通しの良い人間関係を築きやすい気がします。そして、女性が自信を持って生きやすい場所だとも思えるところは変わらないです。ベルリンというのは、いろいろな人達が移住してきてはまた去っていく都市ですので、長く住んでいる身としては、たまに”部活の先生”みたいな気持ちになる事があります。



音楽シーンは変わらず活発です。地元のアーティストもそうですが、世界各地から頻繁にさまざまなミュージシャンがベルリンにツアーのために訪れますし、毎日のように、いつもどこかで大小様々なライブイベントが開かれています。運営側からすると、客取り合戦みたいになりがちです。それでも、この活発さがベルリンの特色だと思っています。例えば、エクスペリメンタル・ミュージックのような、ニッチなジャンルのイベントでも、日本の数倍規模の集客がある場合が多いです。そこはベルリンの文化助成が支えて育ててきた部分も大きい気がしますね。



とはいえ、2024年の暮れから、ベルリンの文化助成予算が大幅に削減される事になりましたので、少しずつ運営が難しくなるライブハウスやイベントも出てきているようです。当然、この政治的な変化に対する反対運動も大きく、今後どうなっていくのかなとは思っています。色々な意味で、今後、アーティストとして、どう生きていくかが問われてきているように思います。



ーー女性が自信を持って生きやすいということですが、日本や他のヨーロッパの国々と何か異なる文化的な背景や慣例があるのでしょうか?
 
 

平野: 私は、日本以外ではベルリンにしか住んだことがないので、あくまでも個人的な体感に過ぎませんが、ドイツのみならずヨーロッパは全体的に、社会における女性の存在感が大きいように思います。勿論、もっと厳密に分析すれば、北欧、東欧、西欧と南欧では、文化的背景がそれぞれ異なってくるため、一概には定義できませんが、自由と平等、人権の扱い方や平和構築など、いわゆる大義としての西洋の理念みたいなものは欧州全体で共有されているという実感はあります。
 

女性に限らず、男性同士でもおそらくそうだと思うのですが、日本に比べると年齢によって作られるヒエラルキーをあまり感じなくて済むし、何歳になったからと言って、こうであるべきだ、みたいな固定観念も無くはないんですけど、日本よりはその意識がかなり薄いという気がします。
 

また、メルケル元首相が、2005年にドイツで女性として初めての首相に就任し、その後16年も政権を築いてきたことも、ドイツにおける女性の地位向上を目指す気運をさらに高めたと思います。
 
 
それでも、3年ほど前にメルケルさんが引退してからショルツ首相に変わり、この数年の間に国際情勢も大きく変わってしまった。ドイツ政治崩壊の危機と言われてしまうぐらいに状況も変わってしまいましたが……。先に挙げた文化助成予算の削減もその一つの影響でしょう。今月下旬にドイツで総選挙が行われますが、移民排除を掲げた右派政党も台頭してきています。今まで”正義”とされてきた西洋の理念がドイツでも少しづつ揺らいできているように思います。
 

イタリアのメローニ首相もイタリア初の女性首相なのは喜ばしいことですが、相当の保守派で、ドイツの右翼政党AfDの共同党首も女性です。アリス・ヴァイデルという人物なのですが、この間、ヒトラーを擁護するような発言をし、ドイツのメディアがひっくり返るような大騒ぎでした。
 
 
ですので、女性が地位さえ持てば、かならずしも良い結果に繋がるとは私も思っていませんが、ジェンダーバイアスにとらわれず、一人一人の思想や資質が可視化されるような時代になってきているのだと思いますし、それはそれで社会としての一つの進歩に繋がっていると思います。
 
 

CoH&Midori Hirano Photo: Markus Wambsganss



ーー今年4月には、グリッチサウンドを得意とするロシア出身のエレクトロニック・プロデューサー、CoH(Ivan Pavlov)とのアルバムがフランスのレーベル”Ici d’ailleurs”からリリースされます。

 

さらに、同月に日本でのCoHとのライブも決定していますが、新作とライブについて簡単に教えていただければと思います。また、セットリストは決まっていますか。楽しみにしていることはありますか?



平野: CoHのイヴァンとのアルバム「Sudden Fruit」は、ゼルケ兄弟とのアルバムと同じように途中中断しながらも、2022年から2年近くかけて、ファイル交換だけで完成させました。

 

私が仕上げをした「Split Scale」とは違って、次のアルバムでは、私が先にピアノとシンセだけで録音した全曲のファイルを一曲ずつイヴァンに送り、その後の仕上げは全てイヴァンにお任せでした。一曲だけ私の方でピアノを追加録音したものがあるくらいで、他の曲はファイルが往復する事なく、彼が私が最初に送ったピアノの全録音を再構築する形で出来上がっています。


 

ピアノの録音時に、各曲それぞれ、高音域、中音域、低音域と、いくつかのレイヤーに分割して録音したものを送っているので、イヴァンの方で、低音だけベースラインらしく人工的な音に作り変えたり、さらに、そこにビートが加えられたりしながらも、元のメロディラインやハーモニーは、最初の構想がそのまま生かされている場合が多いです。ですので、録音の時点では、BPMなどが明瞭ではなかったピアノの曲が、CoHの手を通して明確なBPMとグルーブが付与されたような感じになり、結果的にはとても上品でかっこいい作品になったと思いますね。

 


4月の日本でのイヴァンとのライブは私達にとって初めての経験となります。今頑張って準備中です。セットリストはライブ用にアレンジし直していますが、基本的にアルバムの曲を再現するような形でやろうと思っています。

 

イヴァンがラップトップ(PC)、MIDIコントローラー、私がピアノを担当するという、シンプルなセットアップですが、シンプルなので、原曲のハーモニー感とリズミックなパートが実際のステージで映えて聴こえると理想的であると考えています。おそらく、2月中には、ツアーの詳細を発表できる予定です。また、京都の公演では、ロームシアターのノースホールでマルチチャンネルシステムを使用してのライブになりますので、とてもスペシャルな体験になりそうです。

 

ちなみに、ゼルケ兄弟とも、そのうち日本でライブが出来ればと考えています。こちらのセットは使用する楽器の数が多くなりそうです。CoHとのセットのように、フットワークを軽くとはいかないかもしれませんが、ロジスティック(輸送)の問題さえクリアできるならいつか実現したいですね。

 

 

 

【アルバム情報】Brueder Selke & Midori Hirano 『Split Scale』:  Thrill Jockeyから1月24日に発売

 




 

Tracklist:

1.Scale A
2.Scale B
3.Scale C
4.Scale D
5.Scale E
6.Scale F
7.Scale G
8.Scale AA 

 


「Scale A」

 

 

 


 

Midori Hirano & CoH 『Sudden Fruit』   マインド・トラベルズ・コレクション、Ici d'Ailleurs レーベル  2025年4月発売予定




陰で熟した果実のように、『Sudden Fruit(突然の果実)』は2人のアーティストのユニークな錬金術を表現している。


日本人ピアニストで作曲家の平野みどりと、CoHとして知られるサウンド・アーキテクトのイヴァン・パブロフ。 この2人のコラボレーションは、アコースティックとデジタルの間に宙吊りにされた作品を生み出し、自然と人工物が融合する繊細な瞬間をとらえ、まるで時間そのものが開花と消滅の間で逡巡しているかのようだ。


京都に生まれ、現在はベルリンを拠点に活動する平野みどりは、アコースティック・ピアノとエレクトロニック・テクスチャーがシームレスに融合した、ミニマルで幽玄な音楽を創作している。 坂本龍一の後期の作品(『Async』、『12』)に倣い、平野はクラシック音楽の伝統的な枠組みを探求、解体、再発明し、ピアノの一音一音を内省的で没入感のある旅へと変える。 彼女はまた、MimiCofという別名義で、よりエレクトロニックでアンビエントなテクノ/IDM志向の作品も制作している。 そのため、ミドリがイヴァン・パブロフと交わるのは、ほぼ必然的なことだった。


現在フランス在住のこのロシア人アーティストは、過去30年にわたるエクスペリメンタル・エレクトロニック・ミュージックの重要人物である。 数学と音響学のバックグラウンドを持つ元科学者のCoHは、外科的な鋭さを持つ自由な精神を持っている。 1990年代後半、前衛的で精密なポスト・テクノで頭角を現した後、グリッチに傾倒し、後に音響やアンビエント・サウンドを音の彫刻に取り入れた。 


ピーター・クリストファーソン(COIL)、コージー・ファンニ・トゥッティ、アブール・モガード(COH Meets Abul Mogard)とのコラボレーションや、ラスター・ノトーン、エディションズ・メゴといった高名なレーベルからのリリースは、アヴァンギャルドなエレクトロニック表現への彼の影響力と、コラボレーションにおける彼の卓越した能力の両方を裏付けている。


『Sudden Fruit』で、CoHと平野みどりは没入感のあるキメラ的な作品を発表した。 1曲目の「Wave to Wave」から、オーガニックとデジタルの微妙なバランス、自然の流動性、そして平野のピアノが体現する詩情と、イワン・パブロフの機械の低周波の重厚さが並置されているのが感じられる。 


アルバム3曲目の "Mirages, Memories "は、平野が奏でる一音一音が、ゆっくりとこの新しい空間に没入するよう誘う。 タイトル曲「Sudden Fruit」のように、アンビエントというよりインテリジェント・ダンス・ミュージック寄りの曲もあり、アルバムが進むにつれて、パブロフの音のテクスチャーは驚くべき物語性を発揮し、作品に思いがけない深みを与えている。


『Sudden Fruit』は、『Mind Travels』コレクションの理念と完璧に合致しており、ジャンルの枠を超え、分類にとらわれない。 調和のとれた共生の中で、平野みどりとCoHは、唯一無二でありながら普遍的なハイブリッド作品を作り上げた。 『Sudden Fruit』は大胆な音の探求であり、その領域に踏み込む勇気を持つ人々に深く共鳴することを約束する未知の領域である。

 

 

 


Midori Hirano:

 

京都出身の音楽家。ピアニスト、作曲家、シンセ奏者、そしてプロデューサーとして世界的に活躍する。現在はベルリンを拠点に活動している。”MimiCof”という別名義で作品を発表することもある。音楽的な蓄積を活かし、ドイツの電子音楽の系譜を踏まえたエレクトロニック、ポストクラシカルの系譜にある静謐なピアノ作品まで広汎な音楽を制作し発表しつづけている。 


平野みどりは、現代のデジタルサウンドをベースにし、モジュラーシンセを中心とする電子音楽、フィールドレコーディングを用いた実験的な作風で知られている。ピアノ作品としては、『Mirrors In Mirrors』(2019)、『Invisible Island』(2020)がある。ハロルド・バッドの音楽にも通じる澄んだ響きを持つ作品集。

 

2006年にデビューアルバム『LushRush』を発表。2008年、セカンドアルバム『klo:yuri』を発表し、TIME、BBC Radio、FACT Magazine(The Vinyl Factory)から称賛を受けた。2000年代後半からベルリンに拠点を移し、ドイツのシーンに関わってきた。ベルリンのレーベル、Sonic Piecesから二作のアルバム『Minor Planet』、『Invisible Island』 を発表している。


平野みどりは、ソロ名義と別名義の作品を発表する中で、音楽という枠組みにとらわれない多角的な活動を行う。ドキュメンタリー音楽や映画音楽のスコアを制作し、著名なアートレジデンスに音楽作品を提供している。


ベルリン国際映画祭、クラクフ映画祭、SXSW映画祭で上映されたダンス・パフォーマンス、ビデオ・インスタレーション、映画音楽を担当した。2024年には、第40回ワルシャワ国際映画祭で初演された長編ドキュメンタリー映画「Tokito」のスコアを手掛けたほか、プレミアリーグのドキュメンタリーのサントラも制作している。Amazonで配信されたフットボールのドイツ代表に密着したドキュメンタリーの音楽も手掛けおり、ドイツ国内では著名な音楽家と言える。

 

さらに、リミックス作品も数多く手掛けている。Rival Consoles(Erased Tapes)、Robert Koch,Foam And Sand、Liarsなどのリミックス制作し、プロデュースの手腕も高い評価を受けている。

 



Midwest(中西部)というのは、テキサスと並んで、アメリカの中でも最もワイアードな地域ではないかと思う。それは異なる文化や生活スタイルが折り重なる地域だからなのではないだろうか。ワイアードというのは、変わってはいるが、魅力的な面も大いにあるということ。ミッドウェストは、都市的な気風を持ちながらも、田舎性を併せ持ち、独特のコミュニティがおのずと構築される。先日、Cap n’ Jazzのメンバーが「Still Living(まだ生きている!!)」というカットソーのシャツを着て、写真に写っていたのを見たとき、なにか安堵するものがあった。音楽ファンとしては、元気でいるぜと対外的にアピールしてくれることが一番の幸せだからだ。

 

グランジやスロウコアを生み出したシアトル/アバディーンとならび、中西部のシカゴは、Tortoise,Cap N' Jazz,Ministry、スティーヴ・アルビニを輩出したことからも分かる通り、アメリカのアンダーグラウンドミュージックの発信地でありつづけてきた。古くはTouch & Go、現在はPolyvinlの本拠地だ。他でもなく、近年、自分が最も注目してきたのは中西部である。また、その中には、地理的には異なる北部に該当するが、(ボストンや)ペンシルベニアなどのラストベルトの地帯にも注目していた。この地域は、工業地帯で、NINなどインダストリアルな響きを持つ音楽が出てくる。ただ、印象としては、工業的な生産などが下火になるにつれて、トレント・レズナーのような天才は出てこなくなった。そして、アイオワなどのより田舎の地域に音楽のシーンは変遷していった。なぜなら、工業的な音が街から徐々に消えてしまったからである。

 

シカゴのFacsは、志を同じくするシカゴのユニット''Disappears''の後進ともいえるバンドである。彼らの音楽性はアートパンク、もしくはイギリス風に言うなら、ポストパンクに属するが、少なくとも、ボストンやワシントンDCのハードコア、シカゴのポスト世代のパンクを受け継ぐトリオである。ニューヨークをはじめとする、従来のハードコアパンクは激情的であったが、時代を経ると、インテリジェンスの側面を押し出すようになった。語弊はあるかもしれないが、頭脳がおろそかでは、パンクやオルトロックソングは出来ないのである。とくに、Facsは、ミニマリズムと空間を駆使し、アブストラクトでモダンなアートロックを創り出し、ポストパンクとポストロックの交差点に立つダークで推進力のある音楽を奏でる。彼らは、2018年のデビューアルバム『Negative Houses』において、音楽を最も強固なリズムの基盤まで削ぎ落とし、2020年の『Void Moments』と翌年の『Present Tense』では、より実験的でメロディを付け加えた。


Disappearsのベーシスト、デイモン・カルルエスコが自身のビジュアル・アートとエレクトロニック・プロジェクト、Tüthに専念するために脱退し、バンドは2016年後半に結成された。たが、 残されたギタリスト/ヴォーカリストのブライアン・ケース、ギタリストのジョナサン・ヴァン・ヘリック、ドラマーのノア・レガーは一緒に音楽を作り続けたいと考えた。ケースはベースに転向し、プロジェクト名をFacsに改めた。 ウェブオンラインでデモを投稿後、バンドはトラブル・イン・マインドと契約し、2017年6月にシカゴのエレクトリカル・オーディオ・スタジオでジョン・コングルトンとデビュー・アルバム『Negative Houses』をレコーディングした。


2018年3月の『Negative Houses』リリース直前に、ヴァン・ヘリックがFacsを脱退。 その後、ケースはギターに戻り、バンドは旧友である元We Regazziのドラマー、アリアンナ・カラバにベースの後任を頼んだ。セカンド・アルバムを制作するため、Facsはジョン・コングルトンと再会し、ブライアン・ケースのエレクトロニック・プロジェクト”Acteurs”のメンバーであるジェレミー・レモスとも仕事をした。 カラバとレジェのインタープレイに焦点を当て、ケースのメルヘンチックなギターのテクスチャーも加えた『Lifelike』は、2019年3月にリリースされた。 Trouble in Mindから2020年3月にリリースされた『Void Moments』では、バンドのメロディックな側面が顕在化した。 この年末、Facsのメンバーはスタジオに戻り、Electrical Audioのエンジニア、サンフォード・パーカーと一緒に仕事をし、一連の創作のプロセスを通じて自発的なアプローチをとった。続いて、4枚目のアルバム『Present Tense』は2021年5月にリリースされた。




今回、2018年にデビューアルバム『Negative Houses』をリリースする直前にグループから離れたオリジナルメンバー、ジョナサン・ヴァン・ヘリックが、長年のベーシスト、アリアンナ・カラバに代わってカムバックしたことによって、新たな活力と観点がもたらされた。ヴァン・ヘリックが在籍していた頃と、ブライアン・ケースや強力なプレイで知られるドラマー、ノア・レガーとともにDisappearsに在籍していた頃とでは、役割分担が明らかに変わっている。 この役割の逆転は、バンドのダイナミズムを強調し、さらに以前とは異なる音楽的視点を提供し、現在ではトリオの長年のコラボレーションを、ある程度の距離と時間をおいて下支えしている。


ブライアン・ケースは、「Wish Defense」の歌詞はドッペルゲンガーや 「替え玉」をテーマにしていて、自分自身と向き合い、自分の考えや動機を観察するというアイデアに取り組んでいると述べている。テーマは内的な闘いで、自分ともう一人の自分のせめぎ合いでもある。ブライアン・ケースによれば、最終的な感情は次のような内容に尽きるのだという。「......ろくでなしに負けるんじゃない、この瞬間の向こうに何かがある、それは希望のようなものだ」


「Wish Defense 」のアートワークは、原点回帰を意味する。これは「Negative Houses」のアートワークへのさりげない言及でもあり、アルバムのモノクロの暗さとミニマリズムに回帰している。本作のチェッカーボードは、ジャケットの前面と中央に印刷された歌詞と鏡のように映し出され、いたるところに自己を映し出している。


『Wish Defence』は二人の著名なエンジニアのリレーによって完成に導かれた。シカゴの代表的なミュージシャン、スティーヴ・アルビニが生前最後にエンジニアを務めた作品である。 スティーブが早すぎる死を遂げる直前の2024年5月初旬、シカゴのエレクトリカル・オーディオ・スタジオで2日間レコーディングされ、その24時間後、著名なエンジニアでデビュー当時からの友人でもあるサンフォード・パーカーがセッションの仕上げに入り、ヴォーカルとオーバーダブの最後の部分をトラッキングした。 

 

スティーヴ・アルビニはご存知のとおり、昨年5月7日に亡くなった。このアルバムは半ば忘れ去られかけたが、ジョン・コングルトンがそのバトンを受け継いだ。長年の共同制作者のコングルトンは、アルビニの遺志を引き継ぎ、エレクトリカル・オーディオのAルームで、テープから外し、セッションに関するアルビニのメモを使い、アルバムをミックスして、このアルバムを完成させた。



FACS 『Wish Defence』/  Trouble In Mind






スティーヴ・アルビニのサウンドは1980年代から一貫しているが、少しずつ変化している。例えば、Big Blackのようなプロジェクトは、ほとんどデモテープのような音質であり、MTRのマルチトラックのようなアナログ形式でレコーディングが行われていたという噂もある。アルビニのギターは、金属的な響きを持ち、まるでヘヴィメタルのようなサウンドのテイストを放っていた。その後、ルイヴィルのSlintのアルバムでは、ギタートラックのダイナミック・レンジを極限まで拡大させ、他のベースやドラムが埋もれるほどのミキシング/マスタリングを施した。また、ベースに激しいオーバードライヴを掛けるのも大きな特徴なのではないか。

 

こういったアンバランスなサウンドスタイルが俗に言う「Albini Sound」の基礎を形成したのだ。その後、アルビニは、Nirvanaの遺作『In Utero』で世界的なプロデューサー(生前のアルビニは、プロデューサーという言葉を嫌い、エンジニアという言葉を好んだ。「自分は業界人ではなく、専門的な技術者」という、彼なりの自負であろうと思われる)として知られるようになった。この90年代のレコーディングでは、ギターの圧倒的な存在感は維持されていたが、デイヴ・グロールのドラムも同じくらいの迫力を呈していた。90年代に入り、楽器ごとの音圧のバランスを重視するようになったが、依然として「ロックソングの重力」が強調されていた。アルビニのサウンドは、聴いていると、グイーンと下方に引っ張られるような感覚がある。以後、アルビニは、ロバート・プラントの作品を手掛けたりするうち、シカゴの大御所から世界的なエンジニアとして知られるようになった。最近では、アルビニは、MONOのアルバムも手掛けているが、ポストパンクというジャンルに注目していただろうと推測される。まだ存命していれば、この後、イギリスのポストパンクバンドの作品も手掛けていたかもしれない。

 

シカゴのFacsのアルバムは、 アルビニのお膝元である同地のエレクトリカル・オーディオ・スタジオで録音されたというが、奇妙な緊張感に充ちている。何かしら、真夜中のスタジオで生み出されたかのようで、人が寝静まった時間帯に人知れずレコーディングされたような作品である。トリオというシンプルな編成であるからか、ここには遠慮会釈はないし、そして独特の緊張感に満ちている。Facsはおそらく馴れ合いのために録音したのではなく、プロの仕事をやるためにこのアルバムを録音し、作品として残す必要があったのである。まるでこのアルバムがアルビニの生前最後の作品となるものとあらかじめ予測していたかのように、ケースを中心とするトリオはスタジオに入り、たった二日間で7曲をレコーディングした。これは驚愕である。『Wish Defense』は、80年代のTouch & Goの最初期のカタログのようなアンダーグラウンド性とアヴァンギャルドな感覚に充ちている。どれにも似ていないし、まったく孤絶している。

 

 

『Wish Defense』は、シンプルに言えば、イギリスの現行のポストパンクの文脈に近い。例えば、今週、奇しくもリリース日が重なったブリストルのSquid、ないしは、Idlesのデビュー当時のようなサウンドである。また、カナダのインディーロックバンド、Colaを思い浮かべる方もいるかもしれないし、日本のNumber Girlのセカンドアルバム『Sappukei』を連想する人もいるかもしれない。いくらでも事例を挙げることは出来るが、Facsは誰かのフォロワーにはならずに、オリジナルサウンドを徹底して貫いている。なぜなら、かれらの音楽は、中西部の奥深い場所から出てきたスピリットのようなものであり、上記のバンドに似ているようでいて、どれにも似ていないのである。もちろんサウンドの側面で意図するところも異なる。先にも述べたように、まるで四人目のメンバーにスティーヴ・アルビニが控えているかのようで、しかも、いくつかの曲のボーカルでは、アルビニ風の「Ha!」という特異なシャウトも取り入れられている。

 

そして、今回のアルビニ/コングルトンのサウンドは、ミックスの面でバランスが取れている。どの楽器が主役とも言えず、まさにトリオの演奏全体が主役となっていて、ボーカル、ギター、ベース、ドラムというシンプルな編成があるがゆえ、一触即発の雰囲気に満ちている。たとえば、オープナー「Taking Haunted」は、アルビニのShellac、ヨウのJesus Lizardに近く、グランジ・サウンドがベースラインを中心に構築される。ダークであり、90年代のアリス・イン・チェインズのような重力があるが、これらにモダンな要素をもたらすのが、ギターのピックアップの反響を増幅させ、倍音の帯域のダイナミクスを増強させたサウンドである。アトモスフェリックなギター、タムを中心とする音の配置を重視したタイトなドラム、それから、ケースのスポークンワードに近いボーカルが幾重にも折り重なっていく。ボーカルは重苦しく、閉塞感があり、ダークだが、その中にアルビニの最初期のボーカルからの影響も捉えられる。ニヒリズムを濃縮させたようなブライアン・ケースのボーカル、これは現実主義者が見た冷ややかなリアリズムであり、彼は決して目の前にある真実をごまかしたりしない。これらのストイックな風味を持つサウンドは、アルバムの序盤の独特な緊迫感にはっきりと乗り移っている。

 

2曲目の「Ordinary Voice」は画期的である。モグワイの最新作では惜しくも示しきれなかったポストロック/マスロックの新機軸を提示する。Big Blackの音楽性を彷彿とさせるメタリックなギターは、Dave Fridmann(デイヴ・フリッドマン)のマスタリングをはっきりと思い起こさせる。テープサチュレーターのような装置で最初の音源を濾過したようなサウンドで、ギターのフィードバックを強調させながら、アトモスフェリックなサウンドを組み上げていく。ざっくりとしたハイハットの4カウントが入ると、Facsのライブを間近で聴いているような気分になる。アトモスフェリックなギター、基音と対旋律を意識したベース、そして、和音的な影響を及ぼすドラム(ドラムは、リズムだけの楽器ではなく、和音や旋律の側面でも大きな影響をもたらす場合がある)そして、スロウテンポのタムが、これらのサウンドをぐるぐる掻き回していくような感じである。その中で、マイナー調のギターの分散和音が登場し、この曲のイメージをはっきりと決定づける。まさしくこの瞬間、オルタナティヴの音楽の魅力が真価をあらわすという感じなのである。そのあと、ドラムスティックでカウントを取り、曲はスムーズに転がっていく。ここにも、ケースのボーカリストとしてのニヒリスティックな性質が滲んでいる。そして、それは最終的に、バンドサウンドのタイトさと相まって、クールな印象をもたらす。

 

 

 「Ordinary Voice」

 

 

 

その後、このアルバムの音楽の世界は、シカゴの最深部に向かうのではなく、シアトルのアバディーンに少し寄り道をする。三曲目の「Wish Defense」では、例えば、Jesus Lizard、Melvins、それよりも古い、Green River、Mother Love Boneといったハードロックやメタルの範疇にある最初期のグランジを踏襲して、ベースを中心に構成が組み上げられていく。この曲では、例えば、デイヴィッド・ヨウのような90年代のメタリックなシャウトは登場しないが、楽節の反復ごとに休符を強調させる間の取れたミニマリズムの構成の中に、一貫して怜悧で透徹したブライアンのスポークンワードがきらめく。それは、暗闇の中に走る雷の閃光のようなものである。


そして、同じフレーズを繰り返しながら、バンドサウンドとしての熱狂的なポイントがどこかを探ろうとする。結果的には、昨年の秋頃、当サイトのインタビューバンドとして紹介したベルリンのバンド、Lawns(Gang of Fourのドラマー、トビアス・ハンブルが所属している)に近いサウンドが組み上げられていく。これらは、アルビニ/コングルトンという黄金コンビのエンジニアリングによって、聴いているだけで惚れ惚れしてしまうような艶やかな録音が作り上げられている。デイヴ・グロールのドラムのオマージュも登場し、バス、タムの交互の連打という、Nirvanaの曲などでお馴染みのドラムのプレイにより、曲のエナジーを少しずつ引き上げていく。少なくとも、このバンドの司令塔はドラムであり、アンサンブルを巧みに統率している。



アルバムの多くの曲は、似通った音楽のディレクションが取り入れられている。また、FACSのメンバーにせよ、録音の仕上げに取り組んだエンジニアにせよ、楽曲自体のバリエーションを最重視しているわけではないと思う。ところが、同じタイプの曲が続いたとしても、飽きさせないのが不思議である。そして、最も大切なのは、バンドのメンバーの熱量がレコーディングに乗り移っているということ。「A Room」では、Fugaziのようなサウンドをモチーフにし、ポストロックの曲が組み上げられる。しかし、Fugaziやその前身であるOne Last Wish、Rites Of Springに近いテイストがある一方、ギターのアルペジオにはミッドウェスト・エモや、それ以前のオリジナル・エモの影響が感じられる。従来のセンチメンタルな感覚ではなく、それとは対極的なNINのようなダークなフィーリングによってエモーショナルな質感が生みだされる。さらにバンドサウンド全般は、Sonic Youthの最初期のようにアヴァンギャルドということで、アメリカの多角的な文化的な背景や音楽観が無数にうごめくような一曲となっている。まさに、ワシントンDC、シカゴ、ニューヨークの従来のミュージックシーンが折り重なったような瞬間だ。

 

アルバムの序盤では、表向きには、不協和音、ミュージック・セリエル、ミュージック・コンクレートの要素がことさら強調されることはない。ただ、不協和音や歪みが強調されるのが、続く「Desire Path」となる。これはまた、Number Girl(向井秀徳/田淵ひさこのサウンド)を彷彿とさせる。あいかわらず、曲調そのものは、ダークで重苦しさに充ちているが、ある意味では、これこそが”オルタナティヴ・ロックの本質”を示唆している。イントロの後、ギターの波形を反復させながら、そこに、フェーザー、ディレイ、リバーブをかけ、グルーヴを作り出す。曲全体のイメージとしては、アブストラクトなアートパンクに変わるが、情報量の多いサウンドをまとめているのが、ドラムのリムショットを強調させたしなやかなビート。これらは、ドラムのダイナミックレンジを強調させ、ドラムの圧倒的な存在感を引き出し、ライヴサウンドに近づけるという、スティーヴ・アルビニの特徴的なサウンドワークを楽しむことが出来ると思う。

 

こういった曲が続けば、このアルバムは佳作の水準に留まったかもしれない。しかし、それだけでは終わらないのがすごい。その点がおそらく、今後の評価を二分させる要因ともなりえるかもしれない。「Sometimes Only」は、アンダーグランドのレベルの話ではあるが、オルタナティヴの稀代の名曲だ。本作の二曲目に収録されている「Ordinary Voice」と並んで、2020年代のオルタナティヴロック/ポストロックのシンボリックな楽曲となるかもしれない。2000年代以降は、オルタナティヴという言葉が宣伝のキャッチコピーみたいに安売りされるようになってしまい、結局、明らかにそうではない音楽まで”オルタナティヴ”と呼ばれることが多くなった。


断っておくと、このジャンルは、ミーハーな気分で出来るものではないらしいということである。どちらかといえば、求道者のような資質が必要であり、本来は気楽に出来るようなものではない。なぜなら、王道ができないのにもかかわらず、亜流が出来るなんてことはありえない。曲の土台を支えるのは、アルビニの系譜にあるニヒリスティックなボーカル、ハードコアパンクの派生ジャンルとして登場したエモである。曲の最後の仕上げには、Don Caballeroが使用したアナログ機器によりBPMを著しく変速させる本物のドリルが登場する。まさしく、シカゴ出身のバンドにしかなしえない偉業の一つ。この曲は、ミッドウェストらしい気風を感じさせる。

 

「Albini Sound」の不協和音の要素である「調和というポイントから遠ざかる」というのは、西洋美学の基礎である対比の概念に根ざしていて、調和がどこかに存在するからこそ、不調和が併存するということである。ここにあるのは、単なる音の寄せ集めのようなものではなく、ユング的な主題を通して繰り広げられる実存の探求である。そして、調和がどこかに存在しつつも、不協和音が力強く鳴り響くという側面では、''現代のアメリカ''という国家の様相を読み解くことも出来る。それは、中西部からの叫びのようなもので、苛烈なディストーションギターの不協和音が本作のエンディングに用意されている。そして、その”本物の音”に接した時、一般的な報道では見ることの叶わない中西部の実像のようなもの、そして、そこにリアルな感覚を持って力強く生きぬく市井の人々の姿が、音楽の向こうからぼんやりと浮かび上がってくるのだ。

 

 

 

94/100 

 

 


Elliot Galvin ©︎Areppo



英国ジャズ界のスーパー・グループ、ダイナソーのメンバーで、マーキュリー賞にもノミネート経験をもつピアニスト、Elliot Galvin(エリオット・ガルビン)が、Shabaka Hutching(シャバカ・ハッチングス)も参加したニューアルバム『The Ruin(ザ・ルイン)』を本日デジタル・リリースした! 



グラミー賞、マーキュリー賞、MOBOにノミネートされたレコーディング&ミキシング・エンジニア、ソニー・ジョンズ(トニー・アレン、アリ・ファルカ・トゥーレ、ローラ・ジャード)との3回のセッションでレコーディングされた今作『The Ruin(ザ・ルイン)』は、エリオットの新たな出発点となる作品だ。

 

「このアルバムは、ジャンルや位置づけを気にすることなく、僕に影響を与えたすべての音楽を組み合わせた、これまでで最もパーソナルな作品だ。自分という人間を最もピュアに表現したアルバムだと思う」とエリオットは話している。



アルバムには、著名なベーシスト兼ヴォーカリストのルース・ゴラー、ポーラー・ベアのドラマーでパティ・スミス/デーモン・アルバーンのコラボレーターでもあるセバスチャン・ロックフォード、そして長年のコラボレーターであるリゲティ弦楽四重奏団といったUK音楽シーンの錚々たるミュージシャンたちが参加している。

そして今回、収録曲の中から友人でありバンドメイトでもあるシャバカ・ハッチングスがフルートで参加した「Gold Bright」が公開された。

 

Gold Bright (Feat. Shabaka Hutchings)
 

 

 

同楽曲についてエリオットは、こうコメントしている。「アルバムの中でメンバー全員が参加しているのはこの曲だけだよ。ただ、この曲のために全員が同じ部屋に集まることができなかったから、ストリングスとシャバカはオーバーダビングした。シャバカは事前に音楽を聴かずにソロを1テイクで録音したんだけど、彼がトラック、特にセブのドラミングと完璧にシンクロする素晴らしい瞬間がいくつもある。この2人には長い付き合いがあり、それがこの曲で如実に表れている。今回のアルバムのクライマックスのような曲だよね」



なお、シャバカ・ハッチングスはさらにもう1曲「High and Wide」にも尺八で参加している。


アルバムからはすでに「A House, A City」のミュージック・ビデオが公開されている。同楽曲は、エリオットにとっての最初のピアノで弾いた最後の即興演奏をiPhoneで録音したものから始まり、その後、彼の家と成長期の思い出にインスパイアされた個人的で繊細なソロ曲へと発展していく。



エリオットと映像作家のアレポとジェイムス・ホルコムが古いアップライトピアノに火をつけるというドラマティックなビデオはアナログのボレックスカメラで撮影され、出来上がったフィルムは化学的に劣化させられ、ピアノの火がフィルムそのものを燃やしているように見える。

 

このコンセプトは、アルバム全体に流れる廃墟と記憶の劣化(ruin)というテーマと結びついており、エリオットが新しい何かを求めて、これまでやってきたことをすべて解体するということを表している。



「A House, A City」

 

 

 【アルバム情報】



アーティスト名:Elliot Galvin(エリオット·ガルビン)
タイトル名:The Ruin(ザ・ルイン)
品番:GB4005CD (CD) / GB4005 (LP)
発売日:2025年2月26日(水)発売 予定
レーベル:Gearbox Records



<トラックリスト>


Side-A

1. A House, A City
2. From Beneath
3. Still Under Storms
4. Gold Bright (Feat. Shabaka Hutchings)
5. Stone Houses
Side-B

1. High And Wide (Feat. Shabaka Hutchings)
2. In Concentric Circles
3. As If By Weapons
4. Giants Corrupted
5. Fell Broadly
6. These Walls

 

◆デジタル・アルバム『The Ruin』配信中! 


https://bfan.link/the-ruin


Credits:


Elliot Galvin – Piano, Synthesizers and Electronics
All Tracks
 
Ruth Goller – Bass and Voice
Tracks 2, 3, 4, 5, 7, 10
 
Sebastian Rochford – Drums
Tracks 2, 3, 4, 5, 7, 8
 
Ligeti Quartet
Freya Goldmark – Violin I
Patrick Dawkins – Violin II
Richard Jones – Viola
Val Welbanks – Cello
Tracks 3, 4, 5, 7, 9


Shabaka Hutchings – Bamboo Flute Track 4, Shakuhachi Track 6


 
Recorded at Giant Wafer Studios, Powys 


Recorded, Mixed and Co-produced by Sonny Johns


Mastered by Caspar Sutton-Jones


Co-produced by Sebastian Rochford


Produced by Elliot Galvin
 
All Music Composed by Elliot Galvin


All Music Published by Gearbox Music Publishing

 

 

【Elliot Galvin : バイオグラフィー】

 
受賞歴のある作曲家、ピアニスト、即興演奏家。作品は主に、即興演奏の取り入れと、様々な環境と文脈における音の折衷的な並置の使用で知られている。

 

Downbeat誌とJazzwise誌の両方で2018年の年間最優秀アルバムに選ばれ、2014年には栄誉ある"ヨーロピアン・ヤング・ミュージシャン・オブ・ザ・イヤー"を受賞した。

 

これまでシャバカ・ハッチングス、ノーマ・ウィンストン、マリウス・ネセット、マーク・ロックハート、エマ・ジーン・サックレイ、マーキュリー賞ノミネート・バンドのダイナソーなどとのレコーディングや国際的なツアーを数多くこなしてきた。

 

即興演奏家としては、マーク・サンダース、ビンカー・ゴールディングとのアルバムや、パリのルイ・ヴュイトン財団でのコンサートで録音された全曲即興のソロ・ピアノ・アルバムをリリースしており、Guardian誌の"アルバム・オブ・ザ・マンス"やBBCミュージック誌の"アルバム・オブ・ザ・イヤー"に選ばれている。

 

作曲家としては、ロンドン・シンフォニエッタ、リゲティ弦楽四重奏団、アルデバーグ・フェスティバル、ジョンズ・スミス・スクエア、ロンドン・ジャズ・フェスティバルなど、一流のアンサンブルやフェスティバルから委嘱を受けている。

 

また、オーディオ・アーティストとしても活動し、ターナー・コンテンポラリー・ギャラリーや、最近ではオックスフォード・アイデア・フェスティバル等でインスタレーションを展示している。2024年10月、Gearbox Recordsからの初リリースとなるシングル「From Beneath」を、12月には「A House, A City」を発表。2025年2月にはアルバム『ザ・ルイン』を発売。

 


クラシックからポップスまで幅広いシーンでヴァイオリニストとして活動し、haruka nakamuraの過去作品やライブで印象深いヴァイオリンのパートを担ってきたRie Nemotoが、前作『小さな灯りと鉛筆で描いた線と』から約4年ぶりとなる2ndアルバムを完成させた。
 

本作は、2022-2023年の2年間に渡り、Rie Nemotoが全8回出演してきた赤坂「白読」の定期演奏会で公演のたびに発表してきた新曲の作品集。

 

アルバムのタイトル『言葉をもたない歌』は、白読を主催する惠川麗子氏考案の演奏会のタイトルから名付けられている。 


日々の暮らしや、旅の途中で見た風景からインスパイアされて生まれた溢れる 1曲1曲丁寧に紡ぎ上げた全12曲。本作では、可憐な音色のピアノを基調にした楽曲も増え、Rie Nemotoのシグネチャーである凛とした優美なヴァイオリンの旋律と共に、彼女の心象風景を繊細に美しく描き出している。


ゲストミュージシャンに徳澤青弦(チェロ)、田辺玄 (ギター)、《いろのみ》
磯部優(十七絃箏)が参加し、Rie Nemotoの音の風景により魅力的な深みを与えている。 録音、ミックス、マスタリングも田辺玄(Studio Camel House)が手掛けた。ジャケットのアートワークはドイツ在住のイラストレーター、ムラタトモコが手掛けた。パッケージはA5サイズ冊子仕様で発売される。

 

 

 

【新作アルバム情報】


 

Rie Nemoto 『言葉をもたない歌』

発売日: 2025年3月7日(金)


アーティスト: Rie Nemoto
タイトル: 言葉を持たない歌
品番 : PDIP-6614
フォーマット: 国内CD / デジタル配信
CD本体価格:  3,080円(税込)
レーベル: p*dis / Inpartmaint Inc.
*A5サイズ冊子仕様


トラックリスト:
1. 春立つ
2. 雨をくぐる
3. yoin
4. 翠
5. 在りし日
6. 順光
7. 琥珀色
8. 雨露
9. 言葉をもたない歌
10. 秋ひかり
11. soyoca
12. ibuki

 

◆アルバム収録曲「Soyoca」が先行シングルで配信中♪

https://youtu.be/Mx4ejfzzQho?si=PZh19WeHRQsR2WGQ


 

 【イベント情報】

 


Rie Nemotoの2ndアルバム『言葉をもたない歌』の発売を記念したリリースコンサートがプラネタリウム(コニカミノルタプラネタリアTOKYO)で開催。

 

アルバムのレコーディングに参加した田辺玄、徳澤青弦、磯部優(いろのみ)、そして共にポストクラシカル・トリオadagioのメンバーとして活躍する小松陽子もアンサンブルのメンバーとして出演。プラネタリウムという非日常空間で紡がれる、この日限りの特別なアンサンブルを是非お楽しみください。

 


■日時: 

 

2025年3月1日(土) 開場 17:30 / 開演 18:00


■会場:

 

コニカミノルタプラネタリアTOKYO DOME1 (有楽町マリオン9階)


詳細: https://planetarium.konicaminolta.jp/planetariatokyo/access/
 

■料金: 

一律 6,600円(税込)(※整理番号付き自由席)


※おみやげ付き(公演終了後に本人より配布予定)



■出演:

 
Rie Nemoto (根本理恵) / Violin, Piano, Chorus
Yoko Komatsu (小松陽子) / Piano, Chorus
Gen Tanabe (田辺玄) / Guitar, Flute, Sound Effects
Seigen Tokuzawa (徳澤青弦) / Cello
Yu Isobe (磯部優) / 17 String Koto, Programming

 


■チケット販売


ticket board:
https://ticket.tickebo.jp/show/event.html?info=13158

 
 
■MORE INFO:


コニカミノルタプラネタリアTOKYO
https://planetarium.konicaminolta.jp/event/rienemoto/



[Rie Nemoto /根本理恵]

 

ヴァイオリニスト、作・編曲家。茨城県水戸市出身。ピアノ教師である母の手ほどきを受け、4歳よりピアノを、6歳よりヴァイオリンを始める。高校1年時に合唱との出会いがあり、音楽観が一変する。日本大学藝術学部音楽学科ヴァイオリン専攻卒業。

現在、白読Solo定期演奏会への出演を始め、ジャンルを問わずにアーティストのサポート演奏を務め、コニカミノルタプラネタリアTOKYOにて弦楽四重奏の生演奏×映像のコラボ公演に毎週出演、スタジオ録音、TV収録等、幅広いジャンルで演奏活動を行うとともに、後進の指導にもあたる。

ヴィオラ、コーラス、作・編曲も積極的に行う。岩井俊二プロデュースのラジオドラマ(SEEDS OF MOVIES)「虹の女神」「東京安息日」にて楽曲を提供。NHK土曜ドラマ「ひきこもり先生シーズン2」の劇伴収録に、ストリングスアレンジ、根本理恵ストリングスにて演奏で参加。


ソロ活動のほか、太田美帆、小松陽子とのポストクラシカル・トリオadagioや弦楽四重奏Kokon Quartetのメンバーとしても活動。2021年、1st solo album『小さな灯りと鉛筆で描いた線と』リリース。2025年、2nd solo album『言葉をもたない歌』リリース。

 

©Holly Witaker

カリフォルニア州ロサンゼルスのロックバンド、Rocket(ロケット)は、Transgressive Records / Canvasbackとのライセンス契約を発表し、ニューシングル 「Take Your Aim」を公開した。

 

この衝撃的な新曲は、2023年に自主制作盤として発売されたデビューEP『Versions of You』のリリース直後に書かれた。同名のEPのリイシュー・バージョンに収録される。 海外盤の予約はこちらから。


この曲は、「誰かに誤解されたり利用されたりしていると感じながらも、そのことを相手にぶつけられないときの憤り」について歌っている。 「ヴァースでは、その人が言ったことはそのままで、誰もその人の考えを変えることはできないという関係の本質が描かれている。 コーラスは考えすぎの繰り返しに陥る。あなたが言うように、これがすべて私のせいなら、あなたの狙いをつけて」


Rocketのメンバーは、Tuttle(ベース、ヴォーカル)、Baron Rinzler(ギター)、Cooper Ladomade(ドラムス)、Desi Scaglione(ギター)の4人からなる、幼稚園の頃からの長い付き合いで、高校生の時に結成された。 

 

「私たちはほとんど毎日一緒に過ごしているから、バンドをやることに何の疑問もなかった」と彼らは説明する。 2021年初頭、グループはわずかな資金をかき集めて、一番安いロックアウト・スペースを借り、初ライブまで数ヶ月間、熱心にリハーサルを行った。


初公演の成功に触発されたバンドは、クーパーの実家に集まり、小学校に寄贈された1970年代の「ヤマハ PM-1000 レコーディング・コンソール」を使用し、初のEPをレコーディングした。 彼らの若さにもかかわらず、これらの曲にはデビュー曲には自信と力強いビジョンが込められている。


8曲入りのコレクション(新しくリパッケージされた『Take Your Aim』)は、Pitchfork、Rolling Stone、Stereogum、Brooklyn Vegan、Paste、Consequenceから賞賛を受け、バンドはNMEで初のカバーストーリーを獲得した。

 

その勢いのまま、バンドは2024年の多くをツアーに費やした。RIDE、Sunny Day Real Estate、Silversun Pickupsといった象徴的なバンドや、Julie、Bar Italia、Hotline TNTといった同業者のオープニングを務めた。 バンドは、Pitchfork London & Paris、Bumbershoot、Best Friends Foreverなど、世界中のフェスティバルのステージに出演した。


先月、ピクシーズのフランク・ブラックのオープニングアクトをカリフォルニアで務めた後、ロケットは「Take Your Aim」のリリースを記念し、今週末(2月8日)にロサンゼルスのZebulonでライヴを開催する。

 

 週末のライヴの収益金はカリフォルニア・コミュニティ財団の山火事復興基金とパサディナ・ジョブ・センターに寄付される。 今年の夏、バンドは”Outbreak Fest”のためにイギリスに向かう。

 

「Take Your Aim」


 

 

ロケットの新曲「Take Your Aim」は、オルタナティヴロックの普遍性を思わせるものがある。90年代のヘヴィロック、2000年代以降のメロディックパンクを下地に、現代的なロックのテイストを付け加えている。彼らのサウンドはロックソングの永遠性が込められている。

 

バンドのサウンドには、Pearl Jam、Alice In Chiansに象徴されるグランジのオリジナル世代の幻影がちらつく。全体的なサウンドはストーナーの影響下にあり、トニー・アイオミの系譜にある重厚なギターリフ、それとは対象的なエモーショナルなボーカルがロケットのサウンドの土台になっている。バンドの象徴的なナンバーが登場したと言っても過言ではないかもしれない。

 

 

Rocket 『Versions of You』 EP



Tracklist:

 

1. On Your Heels

2. Sugarcoated

3. Pipe Dream

4. Portrait Show

5. Trial Run

6. Normal To Me

7. Future Memory

8. Take Your Aim


 

Sparks(ロンとラッセルのメイル兄弟)がニューアルバム『MAD!』を発表し、そのファーストシングル 「Do Things My Own Way」をリリースした。


『MAD!』はTransgressiveから今年後半にリリース予定。発売日は未定で、トラックリストとジャケットのアートワークも未定。ニューシングル、バンドの今後のツアー日程をご覧下さい。


スパークスはプレスリリースの中で、ニューシングルについて「1972年以来の我々のマントラを2025年に増幅させた」とシンプルに語っている。


バンドのラストアルバムは2023年の『The Girl Is Crying In Her Latte』で、アイランド・レコードから47年ぶりのアルバムとなった。バンドは1974年の名作『Kimono My House』を含む数枚のアルバムを1970年代に同レーベルからリリースしている。アルバムのタイトル曲「The Girl Is Crying In Her Latte」のMVは、オスカー女優ケイト・ブランシェットが主演している。


2021年には、エドガー・ライトがスパークス・ブラザーズのドキュメンタリーを監督。2021年、彼らはレオス・カラックス監督とミュージカル映画『Annette』を共同執筆し、すべての音楽も担当した。2022年、再発シリーズを発表。

 

 「Do Things My Own Way」



 

Sparks Tour Date:


6月8日(日) - 京都、JP @ ロームシアター 

6月10日(火) - 大阪、JP @ Zepp Namba 

6月12日(木)-6月13日(金) - 東京、JP @ EXシアター 

6月18日(水) - 6月19日(木)イギリス、ロンドン @イベンティム・アポロ

6月21日(土)イギリス、ロンドン @イベンティム・アポロ

6月21日 - 22日 6月22日(火) 英国、マンチェスター @ O2アポロ 

6月24日(火) - イギリス、グラスゴー @ ロイヤル・コンサートホール 

6月26日(木) - オランダ、ハールレム @ PHIL Haarlem 

6月28日(土) - ブリュッセル、ベネズエラ @ Cirque Royal 

6月30日(月)- パリ、フランス @ ラ・ラ・コンサートホール 

6月30日(月) - パリ、フランス @ La Salle Pleyel 

7月1日(火)- ケルン、デトロイト @ Gloria-Theater 

7月3日(木) - デンマーク、コペンハーゲン @ The Koncerthuset 

7月4 日(金) - ストックホルム、SE @ Grona Lund Tivoli 

7月6日(日) - ベルリン、DE @ Uber Eats 

7月8日(火) - イタリア、ミラノ @ Teatro degli Arcimboldi



*スパークスの来日公演の詳細につきましてはクリエイティブマンの公式サイトをご確認ください。

 


米国のオルタナティヴロックの先駆的な存在でもあるロバート・ポラード率いるGuided By Voicesは、メンバーチェンジを繰り返しながら、40年以上に及ぶ息の長い活動をつづけている。


GBVは、1984年以来、40枚のフルアルバム(過去10年だけで18枚)をリリースしている、近年最も多作なバンドのひとつ。 もはや、ギネス記録の認定も間近だ。2025年も挨拶代わりに、GBVは新作アルバム『Universe Room』をファンに捧げる。本作は明日(2/7)に発売予定。

 

彼らのレーベルであるロッカソン・レコーズによれば、このアルバムは「これまで発見されていなかったサウンドの星座」を提供し、宇宙的なニューウェイヴの風景からクラシックなインディーロックのくまなく探求している。 フロントマンのロバート・ポラードによると、アルバム自体は音の多様性に重点を置いて書かれたようで、あらゆる種類の繰り返しを極力避けている。


残響とギターが支配する5枚目のシングル「I Will Be A Monk」は、わずか90秒にもかかわらず、アンセミックなスローバーンだ。 ほとんど80年代風のアルペジオで始まるこの曲は、フォーリナー・スタイルだが、すぐに70年代のクラシックなギター・リックとドラムラインに入り、ポラードが「科学者であることに満足せず、これからは修道士になる」というタイトルのフレーズを根拠のある確信を持って歌っている。 この曲は間違いなくGuided By Voicesらしい曲だが、ユニバース・ルームの他のシングル曲の中で独自のニッチを切り開くことに成功している。


ユニバース・ルームのジャンルとサウンドの試みは、41枚ものアルバムをリリースしているガイデッド・バイ・ヴォイセズの新鮮さを保つための賢い戦術であり、バンドはその1秒1秒を楽しんでいる。

 

 ドラマー、ケヴィン・マーチはこう語っている。 「70年代初頭にドラムを叩き始めて以来、ずっと憧れていたバンドなんだ! ありがとう、ロバート・ポラード ユニバース・ルーム』は、9年間も一緒にいて、まだ元気なこのラインナップのパワーを示すアルバムだ!」


ギタリストのダグ・ギラードは、このアルバムに対するバンドのユニークで繰り返しを避けるアプローチについて、さらに詳しく説明している。

 

「このアルバムでは、ボブは各メンバーに1曲ずつ割り当て、ボブの歌に合わせて音楽部分のすべての要素を自分でレコーディングした。 このアルバムでは、ボブは各メンバーに1曲ずつ割り当て、ボブの歌に合わせて音楽部分のすべての要素を自分でレコーディングした」

 

実際には5曲だが、ボブは何曲かひとりで歌っている。「Dawn Believes」では、ボブは声と基本的なコードでデモを作った。 私は2本のエレキ・リズム・ギターを弾き、メロトロン、ピアノ、アコースティック・ギターを加えた。 後半はベースもドラムも入れずに作り上げた。 また、このLPではワウ・ペダルを少し多用した」

 


「I Will Be A Monk」

◆ 世界中の音楽ファンを魅了する音楽家、青葉市子。最新アルバム『Luminescent Creatures』より、先行シングル「SONAR」をリリース! 小林光大監督によるMVも公開!



本日(2月6日)、日本のシンガーソングライター、青葉市子がニューシングル「SONAR」の配信を開始しました。本作は、最新アルバム『Luminescent Creatures』の3作目のシングルとなります。同時に小林光大監督によるミュージックビデオが公開されているので、下記よりご覧ください。


いよいよ今月末(2/28(金))に発売される8枚目のオリジナル・アルバム『Luminescent Creatures』から3枚目のシングルとなる「SONAR」はエレクトリックピアノで弾き語りされた静謐なバラード。レコーディングとミックスを葛西敏彦、マスタリングを’’オノセイゲン’’(Saidera Mastering)、アートディレクションとアートワーク撮影を小林光大がそれぞれ手がけています。


そして、本日2/6(木) 24:00から、青葉市子のYouTubeのオフィシャルチャンネルにて、小林光大監督による「SONAR」ミュージック・ビデオがプレミア公開されます。どうぞお楽しみに!!

 

今月末からは2/24(月)香港公演を皮切りに、キャリア最大規模となるワールド・ツアー <Luminescent Creatures World Tour>が開催されます。アジア、ヨーロッパ、北米にて38公演(本日時点)が予定されています。ワールド・ツアーの詳細につきましてもご確認ください。

 

「SONAR」

 

 

 

■リリース情報


 

青葉市子 シングル「SONAR」※読み「ソナー」
2/6(木)配信開始


https://ichiko.lnk.to/SONAR


録音/ミックス : 葛西敏彦

マスタリング : オノ セイゲン(サイデラ・マスタリング)

アートワーク : 小林光大

Synthesizer:梅林太郎

作詞・作曲 : 青葉 市子

 

歌詞:

 

やみのむこうに 点滅してるだれかのうたごえ

わたしたちは ここに ここがどこなのかわからない 

でもただきこえてるずっと昔に 

おちてきたあかりがたましいのふりしてきみのからだで 

息をしてるなないろのしづく ふるえてる ゆりおきるあした 

世界がとじても まだやみのむこうに 点滅してるさいしょの うたごえ

 

■MV


青葉市子「SONAR」ミュージックビデオ: https://ichiko.lnk.to/SONAR_YT


※2/6(木)24:00より上記URLにてプレミア公開


青葉市子 8thアルバム『Luminescent Creatures』
2025/2/28(金) 全世界同時発売(配信/CD/Vinyl)


【収録曲】


01. COLORATURA
02. 24° 03' 27.0" N, 123° 47' 07.5" E
03. mazamun
04. tower
05. aurora
06. FLAG
07. Cochlea
08. Luciférine
09. pirsomnia
10. SONAR
11. 惑星の泪

 

 

【先行シングル情報】

 

 ◆ 青葉市子、最新アルバム『Luminescent Creatures』を発表 先行シングル「Luciférine」をリリース!  キャリア最大規模のワールド・ツアーの開催も決定!

 

青葉市子  ニューシングル「FLAG」をリリース!  オランダのフェスティバル「Into The Great Wide Open 2024」のライブ映像も公開! 




■Luminescent Creatures World Tour

 

Asia

 
Mon. Feb. 24 - Hong Kong, CN @ Xi Qu Centre, Grand Theatre [with Musicians from HK Phil]
Wed. Feb. 26 - Seoul, KR @ Sky Arts Hall (SOLD OUT)
Thu. Feb 27- Seoul, KR @ Sky Arts Hall (NEW SHOW)
Thu. March 6 - Taipei, TW @ Zhongshan Hall (LOW TICKETS)

 


・Europe

 
Mon. March 10 - Barcelona, ES @ Paral.lel 62
Tue. March 11 - Valencia, ES @ Teatro Rambleta
Thu. March 13 - Milan, IT @ Auditorium San Fedele (LOW TICKETS)
Sat. March 15 - Zurich, CH @ Mascotte
Tue. March 18 - Hamburg, DE @ Laiszhalle
Wed. March 19 - Berlin, DE @ Urania (Humboldtsaal)
Fri. March 21 - Utrecht, NL @ TivoliVredenburg (Grote Zaal) (LOW TICKETS)
Sun. March 23 - Groningen, NL @ Oosterpoort
Tue. March 25 - Antwerp, BE @ De Roma
Thu. March 27 - Paris, FR @ La Trianon (LOW TICKETS)
Mon. March 31 - London, UK @ Barbican [with 12 Ensemble] (SOLD OUT)
Wed. April 2 - Manchester, UK @ Albert Hall
Fri. April 4 - Gateshead, UK @ The Glasshouse
Sat. April 5 - Glasgow, UK @ City Halls

 

 

・North America

 
Thu. April 17 - Honolulu, HI @ Hawaii Theatre
Sat. April 19 - Vancouver, BC @ Chan Centre (LOW TICKETS)
Sun. April 20 - Portland, OR @ Revolution Hall
Mon. April 21 - Seattle, WA @ The Moore
Wed. April 23 - Oakland, CA @ Fox Oakland
Sat. April 26 - Los Angeles, CA @ The Wiltern [with Wordless Music Quintet] (LOW TICKETS)
Sun. April 27 - Los Angeles, CA @ The Wiltern [with Wordless Music Quintet]
Tue. April 29 - Scottsdale, AZ @ Scottsdale Center
Thu. May 1 - Denver, CO @ Paramount Theatre
Sat. May 3 - St. Paul, MN @ Fitzgerald Theatre (LOW TICKETS)
Sun. May 4- St Paul, MN @ Fitzgerald Theatre (NEW SHOW)
Tue. May 6 - Chicago, IL @ Thalia Hall
Wed. May 7 - Chicago, IL @ Thalia Hall
Fri. May 9 - Detroit, MI @ Masonic Cathedral Theatre
Sat. May 10 - Cleveland, OH @ Agora Theatre
Mon. May 12 - Boston, MA @ Berklee Performance Center
Wed. May 14 - New York, NY @ Kings Theatre [with Wordless Music Quintet]
Sat. May 17 - Philadelphia, PA @ Miller Theatre
Sun. May 18 - Washington, DC @ Warner Theatre
Thu. May 22 - Mexico City, MX @ Teatro Metropolitan

 

ツアー日程の詳細: https://ichikoaoba.com/live-dates/


■青葉市子/ICHIKO AOBA

 
音楽家。自主レーベル "hermine" 代表。2010年デビュー以降、これまでに7枚のオリジナル・アルバムをリリース。クラシックギターと歌を携え、世界中を旅する。"架空の映画のためのサウンドトラック" 『アダンの風』はアメリカ最大の音楽アーカイブ "Rate Your Music" にて2020年の年間アルバム・チャート第1位に選出されるなど、世界中で絶賛される。

 

2021年から本格的に海外公演を行い、これまで、Reeperbahn Festival, Pitchfork Music Festival, Montreal International Jazz Festival 等の海外フェスにも出演する。今年6月にはフランスの音楽家 "Pomme" と2020年にリリースされた「Seabed Eden」のフランス語カヴァーをリリース。

 

FM京都 "FLAG RADIO" で奇数月水曜日のDJを務め、文芸誌「群像」での連載執筆、TVナレーション、CM・映画音楽制作、芸術祭でのパフォーマンス等、様々な分野で活動している。


チケットマスターUKのアンドリュー・パーソンズMDが、英国議会の特別委員会の公聴会でダイナミック・プライシングの制度を擁護した。ダイナミックプライシングとは変動制のチケット購入制度のことを言い、近年チケット料金の高騰を受けて、批判の的にさらされることがある。例えば、オアシスの再結成ツアーがその事例に当たり、高い価格でチケットが購入されるケースもある。


この制度の概要は、''変動する価格を確認した上でチケットの購入者が入札を選択する''という比較的新しい販売方法だ。購入者が自発的にチケットを入札するという方法であるため、売買契約には違反していない。ところが、有名アーティストのツアーで価格が高騰し、主催側が消費者から金銭的な搾取を行なっているのではないかとの意見も見受けられる。今回、証言者として議会の公聴会に出席したのは、世界的なライブプロモーターのチケットマスターUKの代表だった。


''Business and Trade Select Committee''の公聴会は、現在進行中のセカンダリー・チケッティングに関する協議と時を同じくして行われ、ダイナミック・プライシングに関するエビデンスの提示も求められている。この諮問委員会は変動制の購入方法の妥当性を再検討するために行われた。


オアシスのUKツアーでもこのモデルが使用され、一部のファンがチェックアウト時にチケット代が予想よりも大幅に高く、1枚あたり最大約350ポンドと予想の2倍以上を支払ったとして物議を醸したことが議題に上った。チケットの価格は、アーティスト・チームとプロモーターによって決定される。


委員長のリアム・バーン議員から「基本的にファンから金をむしり取っているのではないか」と質問されたチケットマスターの代表を務めるパーソンズ氏は、そのようなことはないと完全に否定した。


「いいえ、そうは思いません。私たちが提供するサービスは、イベント主催者と密接に協力し、彼らが事前に決定した価格でチケットを販売できるようにすることです。チケットを販売し、必要な会場を満席にすることができるという点で、それは明らかに彼らが持つ大きなレバーのひとつだ。彼らはまた、アーティストの長期的なキャリアにも非常に投資しており、彼らがツアーに出ることができるようにしている。


バーンは、ハリー・スタイルズのショーで、ファンがレジで予想以上の金額を支払った例を挙げ、それを「おとり商法」と批判した。しかしパーソンズ氏は、ダイナミック・プライシングがオンライン・チェックアウトの過程でファンが異なる価格を支払っているという "幻想 "に異議を唱えた。 彼は、チケットマスターのテクノロジーが、彼らのプラットフォームで販売されるチケットの市場に反応していることを否定した。これはシステム上やむをえないという弁明である。


パーソンズは国会議員に対して、「自動的あるいはアルゴリズム的な方法で価格を変更することはありません。 価格は、イベント主催者やそのチームが希望する価格で事前に設定されます。 そのため、必然的に安いチケットはすぐに売り切れてしまい、後日ファンが目にするチケットの値段は高くなる。 しかし、そのようなことはありません。私たちは、価格変更の原動力となるテクノロジーは一切存在しないことを明確にしている。 チケットマスターのウェブサイトに表示される価格は、イベント主催者が希望した価格であり、すべての手数料を含んだものです」とダイナミックプライシングの正当性をあらためて強調している。


 


Patrick Wolf(パトリック・ウルフ)が7枚目のスタジオアルバム「Crying The Neck」を発表し、ニューシングル「Dies Irae」をシェアした。


ウルフにとって13年ぶりとなるこのアルバムは、ゾラ・ジーザス、セラフィナ・スティア、ドラマーのセブ・ロッチフォード、そしてウルフの妹ジョー・アプリとのコラボレーションを収録している。 このアルバムは、予定されている4枚のアルバム・シリーズの第一弾となる。


「Dies Irae」はラテン語で「怒りの日」と訳され、死と家族愛というテーマを探求している。 


「この曲は、愛する人を失いかけていることを知る最後の数日間における人生の肯定であり、残された時間をお互いの愛や喜びを深めるために使うという、不幸に対する勇気ある--ほとんど反抗的な--選択であると考えた。歌詞は、母のアート・スタジオで、そして夕暮れの庭で、母との最後の会話を想像しながら書き上げたんだ」


ケント州ラムズゲートで書かれレコーディングされた'Crying The Neck'は、地元の民話、東ケント地方の風景、そしてウルフの個人的な経験からインスピレーションを得ている。 アルバムの作詞、作曲、プロデュース、アレンジはすべてウルフが手がけ、制作の最後の3年間はブレンダン・コックスが共同プロデューサー兼エンジニアとして参加した。


このアルバムでウルフは、ヴィオラ、アパラチアン・ダルシマー、バリトン・ウクレレ、カンターレ、アタリなど、初期のキャリアの楽器に戻っている。 全13曲からなるこのアルバムには、ウルフが16歳の時に書き始めたオープニング曲「Reculver」や、ケント州の風景や民話にインスパイアされた新曲が収録される。



「Dies Irae」





Patrick Wolf 『Crying The Neck』



Label: Virgin
Release: 2025月4月25日


Tracklist:


Reculver
Limbo (ft. Zola Jesus)
The Last of England
Jupiter
On Your SIde
Oozlum
Dies Irae
The Curfew Bell
Lughnasa (ft. Serafina Steer)
Song of the Scythe
Better or Worse
Hymn of the Haar
Foreland


 

 

米国政権の掲げる関税政策はアメリカの代表的なメーカーのギター生産にも影響を及ぼしている。フェンダー社は本来、USAで制作されるギターのクラフトを特徴としていたが、近年ではメキシコの工場でも生産を行っていた。

 

フェンダー社は、インドネシアの工場ラインで製造される「スタンダードシリーズ」を発表した。これまで、同社はこのモデルをメキシコで生産していたが、米国の新政権の掲げる関税政策の影響もあってか、インドネシアに生産工場を移転する。メキシコに多くの工場を持つ自動車産業への余波が大きいが、結果的には自社の楽器メーカーの生産にも影響を及ぼすことになった。

 

しかし、結果的には、アジアへの工場移転により、製造の生産コストが軽減され、一般的なモデルが廉価での提供が可能になった。モデルはメキシコで生産されているプレーヤーシリーズを凌ぐほどの人気がある。


「ファンダースタンダードシリーズは、ミュージシャンの元来、初心者むけのフェンダー製品として製造されている。手頃な価格のプレイアビリティと刺激的な音色を提供し、ブランドをロックンロールのアイコンにした」と同社は製品に関して説明している。この生産ラインには、ストラトキャスター、テレキャスター、ジャズベース、プレシジョンベースモデルが含まれており、海外の店舗では600ドル(正確には590ドル〜600ドル)の価格帯で販売される予定だ。


このギターには、ポプラボディ、デマップルアーム、インドのローレルスケール、セラミックピックアップなどの特徴がある。商品のカラーバリエーションには、オリンピックホワイト、バタースコッチブロンド、サンバーストなどのクラシックカラーがあり、あまり一般的なモデルではないようだ。

 


ワクサハッチー(Waxahatchee)が、グラミー賞にノミネートされたアルバム「Tigers Blood」のセッションからの新曲「Mud」を公開した。バンジョーの演奏がフィーチャーされた素晴らしいアメリカーナ。この曲はシングル「Much Ado About Nothing」のリリースに続く。


最新アルバムではミュージシャンの南部のルーツをテーマとし、インディーロックとカントリーの融合に取り組んでいる。 今年、ケイティ・クラッチフィールドは、ANTI-からリリースされた最新作の宣伝を兼ねたツアーを開催する予定だ


ケイティ・クラッチフィールドにとって、昨年はグラミー賞にノミネートされ、ミュージシャンとして印象的な一年となったが、今年以降の活躍も非常に楽しみである。この夏、ロンドンのハマースミス・アポロでのUK最大のヘッドライン・ライヴを含む、ヨーロッパとUKのツアーを開催する。また、バルセロナとポルトで開催されるプリマヴェーラ・サウンド・フェスティバルにも出演予定である。これらの公演に続き、9月には、ウィリー・ネルソン&ファミリー、ボブ・ディラン、シェリル・クロウとともにアウトロー・フェストでアメリカ公演を行う。

 

 


「Mud」

 

 

 

Tour Dates:

2/21 - Inglewood, CA @ Kia Forum *
3/14 - Spicewood, TX @ Willie Nelson’s Luck Ranch #
3/29 - Knoxville, TN @ Big Ears Festival
4/26 - Tallahassee, FL @ Adderley Amphitheater at Cascades Park ^
4/27 - North Charleston, SC @ High Water Festival
4/29 - Miami Beach, FL @ The Fillmore ^
4/30 - St. Augustine, FL @ The St. Augustine Amphitheater ^
5/2 - Birmingham, AL @ Avondale Brewing Company ^
5/3 - New Orleans, LA @ Saenger Theatre ^
5/4 - Houston, TX @ White Oak Music Hall (Lawn) ^
5/6 - San Antonio, TX @ The Espee ^
5/7 - Irving, TX @ The Pavilion at Toyota Music Factory ^
5/9 - Nashville, TN @ The Pinnacle ^
5/10 - Atlanta, GA @ Cadence Bank Amphitheatre at Chastain Park ^
5/11 - Chattanooga, TN @ Soldiers and Sailors Memorial Auditorium ^
5/13 - Wilmington, NC @ Live Oak Bank Pavilion ^
5/14 - Durham, NC @ Durham Performing Arts Center &
5/15 - Charlotte, NC @ The Amp Ballantyne ^
5/16 - Asheville, NC @ Asheville Yards Amphitheater ^
6/1 - Denver, CO @ Outside Festival
6/6 - Barcelona, ES @ Primavera Sound
6/8 - Glasgow, SCT @ Barrowland Ballroom $
6/9 - Manchester, UK @ Albert Hall $
6/10 - Bristol, UK @ SWX $
6/11 - London, UK @ Hammersmith Apollo $
6/13 - Porto, PT @ Primavera Porto
6/20 - Nelsonville, OH @ Nelsonville Music Festival
6/21 - Lafayette. NY @ Beak & Skiff Apple Orchards %
6/22 - Greenfield, MA @ Green River Festival
6/23 - Shelburne, VT @ Shelburne Museum on The Green =
7/29 - Columbia, MD @ Merriweather Post Pavilion ~
7/30 - New York, NY @ Madison Square Garden ~
9/5 - Bangor, ME @ Maine Savings Amphitheatre +
9/6 - Hartford, CT @ Xfinity Theatre +
9/7 - Mansfield, MA @ Xfinity Center +
9/12 - Camden, NJ @ Freedom Mortgage Pavilion +
9/13 - Holmdel, NJ @ PNC Bank Arts Center +
9/19 - East Troy, WI @ Alpine Valley Music Theater +

* w/ Nathaniel Rateliff & The Night Sweats and Iron & Wine

# w/ Lucinda Williams & Special Guests

^ w/ Wilco

& w/ Cameron Winter

% w/ MJ Lenderman & Hurray For The Riff Raff

= w/ Kevin Morby

$ w/ Merce Lemon

~ w/ Lord Huron

+ w/ Willie Nelson & Family, Bob Dylan, Sheryl Crow & Madeline Edwards