ギリシャ/アテネを拠点に活動するアメリカ人の作曲家/マルチ奏者、John Also Benette(JAB)が、新作アルバム『Music For Save Rooms 1 & 2』を発表した。本作は3月8日にリリースされる。


John Also Bennett (JAB)の『Music for Save Rooms 1 & 2』は、ビデオゲームのマップ内の一時的な安全空間である「セーブルーム」のため、無限にループしモーフィングするミニマル・ミュージックを2枚組のアルバムにまとめた。アルバムにはAlvo Partの楽曲や任天堂の名作RPG「ゼルダの伝説」のサントラの再構成も収録されている。


マルチメディア・アーティストであり、ベネットの頻繁なコラボレーターでもあるピーター・バー(これらのアルバムに収録されている曲のいくつかは、当初このアーティストのために作曲されたものである)に刺激され、サンフランシスコのすぐ北にあるマリン・ヘッドランズの元軍用納屋で過ごした1週間が、作曲の主なきっかけとなった。


ベネットは、人里離れた誰もいない納屋で何日も一人で延々とループを作曲し、フェイジングのテクニックを試しながら、周囲の雰囲気と融合させることで、楽々と静止した感覚を生み出し、決して正確に繰り返すことのない音楽というアイデアに没頭した。


JABは音楽的なパートナーでもあるクリスティーナ・ヴァンゾーとのユニットやライブ活動で知られている。昨年、イギリス/ロンドンのバービカンセンターでパフォーマンスを行った。以前はシンセ奏者のイメージが強かったが、最近、フルートの演奏を駆使した実験音楽に取り組んでいる。


昨年10月にJAB/CVは最新作『KLIMA』をリリースした。また、JABはニューヨークのインディペンデントレーベル、RVNGに所属するサトミ・マガエさんの親友でもある。Satomimageのインタビューはこちらより






John Also Benette 『Music For Save Rooms 1 & 2』



Music for Save Rooms 1


01. Still Inside the Deku Tree (5:37) 
02. Save Room 3 (11:21) 
03. Utopia and Oblivion (8:44) 
04. Save Room 6 (9:55) 
05. Utopia and Oblivion (Return) (9:24) 
06. Spiegel im Spiegel (8:08) 


Music for Save Rooms 2 

01. Sky Music (5:26) 
02. Power Plant (5:35) 
03. Desolation (5:18) 
04. Glass Castle (3:44) 
05. Out Back (2:40) 
06. Embarkation (3:20) 
07. Computer Terminal (2:15) 
08. Letter from Home (5:33) 
09. Ambling (2:58)  


Pre-order(INT):



Keeley Forsyth(キーリー・フォーサイス)が5月10日にニューアルバム「The Hollow」をリリースする。


英国出身のキーリー・フォーサイスは、女優業でも既に高評価を得ているが、そのソングライティングにも力強さがある。現在、ファット・キャット・レコードのインプリント130701で活動している彼女のニュー・アルバム「The Hollow」は、彼女の作品を新鮮な方向へと導いている。


5月10日にリリースされるこのアルバムは、美しい新曲「Horse」を筆頭に、灼熱のサウンドとディテールのセンスで構成されている。重厚なオルガン、そしてわずかな言葉で物語を構成できるキーリー・フォーサイスの陰鬱なヴォーカルは、美しさと分裂した領域の間を危うく行き来する。


この曲は、ベラ・タールの遺作となった映画『トリノの木馬』のプリズムを通して見た、家庭内の義務、貧困、愛、思いやりといったテーマから生まれた。実際、キーリーはこの映画の作曲家ミハーイ・ヴィグに連絡を取り、自身の美的観点から彼のスコアを「再構築」する許可を求めた。


キーリー・フォーサイスはコメントしている。


「この曲では、私は歩き回り、さまざまな空間でヴォーカルをとらえ、歌いながらつながりを作っていった。目に見えない力と戦い、困難に立ち向かい、この中で呼吸することを決意し、押し進めることを想像した。私はここで、言葉の鎖に縛られることを拒否し、代わりに身体の衝動の原始的なダンスに身を委ねることを選んだ。私の口は腸の浅い呼吸と同調して動き、衝動が私の言葉のない発話のすべてを導く」



「Horse」




Keeley Forsyth「The Hollow」


Label: Fat Cat

Release: 2024/05/10


Tracklist:

1. Answer 

2. The Hollow 

3. Come And See 

4. Eve 

5. Turning (feat. Colin Stetson) 

6. A Shift 

7. Slush 

8. Drag Me Down 

9. Do I Breathe 

10. In The Corner 

11. Horse 

12. Creature (feat. Matthew Bourne)



ビルボードが主催する優れた功績を残した女性ミュージシャンを表彰するイベント、Woman In Musicが来月上旬に開催される。現在、項目別のファン投票が実施されている。


このイベントはロサンゼルスで3月7日に開催される。このレセプションのホスト役はTRACEE ELLIS ROSSが務める。


Woman of TheYear 2024にはKarol Gが選ばれている。他にも各部門別の受賞者が発表される予定である。ノミネートアーティストにはCHARLI XCX、ICE SPICE、KYLIE MINOGUE、LUÍSA SONZA、MAREN MORRIS、NEWJEANS、PINKPANTHERESS、TEMS、SARAH GERONIMO、VICTORIA MONÉT、YOUNG MIKOとアメリカ国内外の話題のアーティストがずらりと並んでいる。


ビルボード・ウーマン・イン・ミュージックは、ビルボードが毎年開催するイベントです。雑誌によると、その主な賞は「ウーマン・オブ・ザ・イヤー」と題され、「ビジネスに多大な貢献をし、仕事と継続的な成功を通じて、何世代にもわたる女性が分野で増加する責任を担うよう促す音楽業界の女性」を表彰するために設立された。これまでにピンク、レディーガガをはじめ名だたるアーティストが表彰されている。


昨年の受賞者、テイラー・スウィフトは、このイベントで最も受賞した女性で、3つの賞(2つのウーマン・オブ・ザ・イヤー賞とウーマン・オブ・ザ・ディケイド賞)がある。


音楽の女性には、作曲家、ソングライター、インストゥルメンタルパフォーマー、歌手、指揮者、音楽学者、音楽教育者、音楽評論家/音楽ジャーナリスト、その他の音楽専門職の女性が含まれる。ソングライターは、通常、ポップ、ロック、カントリーミュージックなどのポピュラー音楽ジャンルの曲の歌詞、メロディー、コード進行を書く個人が対象となる。ソングライターは作曲家とも呼ばれるが、後者の用語は主にクラシック音楽ジャンルの個人に使用される傾向がある。


詳細についてはビルボードの公式サイトでご確認下さい。

 

©Ebru Yildiz

6枚目のアルバム『Half Divorced』のリリースに先駆け、Pissed Jeansがもう1曲シングル「Cling to a Poisoned Dream」を公開した。Bad Religionを彷彿とさせる疾走感のあるパンクロックソング。考えられるかぎり最もクールなメロディックハードコアでヤワなゲス野郎共を縦横無尽に蹴散らす。

 

Pissed Jeansは、マット・コルベット(ヴォーカル)、ブラッドリー・フライ(ギター)、ランディ・フート(ベース)、ショーン・マクギネス(ドラムス)。ユーモアのセンスはかつてないほど鋭く、現代の大人の生活がもたらす喜びのいくつかを彼らのデニムのように痛快に切り裂く。


『Half Divorced』は、MOJO(★★★★)やUNCUT(8/10)から賞賛を得た。UNCUTのレビューでは次のように評されている。

 

「デビューから20年近く経った今でも、この連中は、ポストパンク、ハードパンクの猛烈なハイブリッドで、ゲス野郎どもを蹴散らす。「アンチ・サピオ」や「毒の夢にしがみついて」といったトラック・タイトルは、彼らの現状に対する見方が残酷なまでに現実的であることを示唆している。それはいつものように、曲調とダークなユーモアで味付けされている。マット・コルヴェットは人間嫌いの力を持っている」


「ボストンからローマまで、現代の主要都市のネガティブな面を列挙している(「Everywhere Is Bad」)。「エブリウェア・イズ・バッド」であれ、「ヘリコプター・ペアレント」であれ、ボブ・モールドのようなキメの激しさを取り入れた「Moving On」であれ、80年代のハードコアパンクがかなり支配的だ。キリング・ジョーク風の大曲「Junktime」では、特にそうかもしれない」


『God Is In the TV』誌は、「喉をかき鳴らすような強迫観念と紛れもない軽快さが勝利のコンビネーションを呼び込む」と評している。『Record Collector』誌は、「最高の作品だ」と付け加えている。

 


「Cling to a Poisoned Dream」

 

  

『Half Divorced』はSUB POPから3月1日に発売されます。アルバムからは前作「Sixty-Two Thousand Dollars in Debt」「Moving On」「Cling to a Poisoned Dream」先行シングルとして公開済み。  

 

©Taylor Clark


テキサス/オースティンのインディーロックデュオ、Hovvdyはニューシングル「Meant」を発表した。この新曲は4月下旬に発売予定のセルフ・タイトル・アルバムに収録されます。Hoovdyはエモ寄りのポピュラーソングを特徴としている。曲全体にエバーグリーンな感覚が漂う。

 

ニューシングル「Meant」はループサウンドを基本とし、ダイナミックなリズムトラックにキャッチーなボーカルが乗せられる。ボーカルのフレーズを取り巻くループ・サウンドが連続したストーリーの変遷を描くかのよう。アウトロにかけては、ドラマティックな展開へ繋がり、叙情的な余韻をもたらす。この曲名がアメリカン・フットボールの曲にちなむのかは不明。


新曲についてHoovdyは次のように述べています。「"Meant”は、人が提供できる最も衝撃的な愛がいかに一貫したものであるかを反映しています。この曲は、そのような愛を受けたことへの感謝の歌なのです」

 

 

 

セルフタイトル・アルバム『Hovvdy』には19曲が収録され、デュオにとって最も野心的なプロジェクトと呼べるかもしれない。本作はArts & Craftsから4月26日にリリース。以前、バンドはこのアルバムから先行シングル「Forever」、「Jean」、「Bubba」、「Portrait」を公開しています。




アーマンド・ハマーがベンジャミン・ブッカーと組んだ「Doves」は、ラップ・デュオの最新アルバム『We Buy Diabetic Test Strips』のボーナス・トラックとしてリリースされた。ケニー・シーガルのプロデュースによる没入感は、まさにトリップそのものであり、ソングライターのベンジャミン・ブッカーによるゲスト・ヴォーカルは異なるエネルギー感覚を注入する。


今回のアブストラクトヒップホップのトラックはブッカーとケニー・シーガルの共同プロデュースで、丹澤遼介監督のショート・フィルムが付属している。9分間のトラックを以下でチェック。


ショートフィルムの映像監督を努めた丹澤はこのミュージックビデオについて次のように語っている。


「ネイビー・ブルーとして知られるセイジ・エルシーザーが昨年、woodsを紹介してくれて、アーマンド・ハマー(「Tabula Rasa」と「Stone Fruit」は私にとって大切な曲)のビデオを作るのをとても楽しみにしていました」


「私は最初、この曲のスケールの大きさに少し怖気づいてしまい、このプロジェクトに私が監督としてふさわしいかどうか考える時間をくれるようにウッズに頼みました。自分のモノクロ写真のアーカイブを調べ、トラックの歌の部分に重ねてテストし始めたとき、よし、これはいけるぞと感じた」


「それでウッズに電話し、やってみようと伝えた。彼とElucidをどこでどのように撮影するかについては、同じ考えを持っていたことがわかった。結局、僕とプロデューサーのショーンは、スーパー8からiphoneまで様々なカメラを持っていき、1月の雪の降る週に3日間かけてニューヨークで撮影で行いました」



「Doves」

 

©Hannah Clark


ポートランドのパワーポップシンガー、Mo Troper(モー・トルーパー)が『Svengali』を発表した。新作アルバムはLame-O Recordsから5月3日に発売される。Troperの新曲は以下をチェック。

 

Mo TroperはYoung Guv、The Lemon Twigsと並んでパワーポップシーンの最重要アーティストである。


昨年、モー・トルーパーは最新作『Troper Sings Brion』でジョー・ブリオンをトリビュートした。このアルバムはトルーパーがいかにビートルズからの音楽的な薫陶を受けているかを明らかにするものだった。もちろん、ボーカルについてはポールマッカートニーの系譜にある。昨年、ミュージシャンはイギリスのラフ・トレードが主催するライブ・イベントにも出演している。

 

アルバムのリードシングル「The Billy Joel Fan Club」についてトルーパーは次のように話している。現在の音楽的なアウトプットが若い時代の抑圧からくる反動であることを明らかにした。


「子供の頃、食卓でビートルズの話をすることを文字通り禁じられていた。地下室かヘッドフォンでしか音楽を聴けなかった。結果、何かに熱中していることが明らかになるたび、恥ずかしく感じるようになった。物事に興奮していること自体を反省したり。『ビリー・ジョエル・ファンクラブ』は、特定の興味を共有し、熱意を育んでくれる人と恋に落ちることがテーマなんだ。これは実話でもある。”ビリー・ジョエル・ファンクラブ”を設立し、私に参加を求めた人の話だよ。それを丸く収めるため、1967年のポール・マッカートニーの曲そっくりにしてみた」

 

アルバム・ジャケットに表されているのは、アーティストの子供の頃の恐怖である。トルーパーはそのモンスターを打破するべく試みる。

 

 

 「The Billy Joel Fan Club」

  

 

 

Mo Troper 『Svengali』


Label: Lama- O

Release: 2024/05/03


Tracklist:


1. Bleach

2. The Billy Joel Fan Club

3. Too Far Gone (Chainman’s Theme)

4. Spark World

5. You Always Loved Me

6. The Face of Kindness

7. You Called Me Your Baby

8. For You To Sing

9. A Piece of You Broken Through My Heart

10. Recipe For Loving

11. Good Hair

12. Before I Went Bad

13. Push Around


Bnnyは、Fire Talkから4月5日にリリースされるアルバム『One Million Love Songs』の新曲「Crazy, Baby」を発表した。


ゆったりしたミドルテンポのインディーロックソングで、ペダルスティールこそ使用されないが、エレクトリックギターでカントリー/フォークのメロウさを表現しようとしている。この曲を聴いても分かる通り、現代のアメリカーナの概念の核心にはニール・ヤングの音楽的影響が含まれている。ヤングの名曲「Harvest Moon」は若いミュージシャンのお手本となるに違いない。


Bnnyはジェシカ・ヴィスキウスを中心にするバンドで、双子の姉妹、アレクサ・ヴィスキウスをメンバーに擁する、シカゴの魅力的なインディーロック・アウトフィットだ。同レーベルから、今年はじめに、PACKSの「Melt The Honey」がリリースされたが、それに続いて楽しみなアルバムである。


Bnnyの前作のデビュー・アルバムは、Pitchforkにもレビューで取り上げられた。このアルバムは、ヴィスキウスのパートナーでバンドメイトでもあった愛する人をオーバードーズにより失ったことに対する喪失感がテーマに縁取られていた。それに続くアルバム『One Million Love Songs』もその延長線上にあり、ラブソングを中心として構成され、ラフなインディーロックの形で紡がれる。ジェシカ・ヴィスキウスは音楽制作や歌詞を介し、愛とは何であるのかを探求する。

 

リード・カット「Good Stuff」に続くセカンドシングル「『Crazy, Baby』は、恋愛の歴史や自分自身の行動パターンを認識することについて歌っている」とバンドのジェシカ・ヴィスキウスは説明している。アルバムのジャケットはアレクサ・ヴィスシウスがアラスカで撮影したものだ。

 


「Crazy, Baby」



柴田聡子のニューアルバム「Your Favorite Things」遂に本日発売。柴田聡子と岡田拓郎からコメントが到着しました。先行シングルとして、「白い椅子」「素直」「Side Step」をご紹介しています。


ついに『Your Favorite Things』発売しました。自分はこのアルバムが大好きです。皆さまに聴いていただける日が待ち遠しかった、ほんとうにうれしいです。できればすぐに聴いて欲しいけれども、いつ聴いてもらってもうれしいです。たくさん聴いてもらえますように!一緒に作ってくださったみなさま、ほんとうにありがとうございました。ツアーも、今のメンバーで演奏できる貴重な機会で、楽しくなりそうです。ぜひ遊びに来てください! ー柴田聡子


だいたい同期で気づけば同志。20代の前半で早々にバンドを辞めたばかりで、この先の人生をどうしようかと思ってる時に、初めて雇われギタリストして声を掛けてくれたのは柴田さんでした。そして音楽の仕事も少しずつ増えて、バイトを続けながら音楽を続けるか迷っていた時に「とっとと辞めちゃえ〜!」と背中を押してくれたのも柴田さんでした。そんな事を思い出しながら昨年末、締切のギリギリまで一緒に『Your Favorite Things』のミキシングをしながら、何度も込み上げてくるものがありました。


思わず口ずさみたくなるようなメロディ。ふと耳にしたら頭から離れなくなるリリック。胸にグッと来る音楽はなんだか昔のエモーションを思い起こさせる。ああ、こんなポップ・ミュージックが聴きたかったんだ。柴田さんの魅力が詰まった1枚に仕上がったと思います。ー岡田拓郎


この新作リリースを記念するツアーが決定。「Tour 2024 "Your Favorite Things"」と銘打たれたツアーは、恵比寿 LIQUID ROOM、梅田 CLUB QUATTRO、名古屋 JAMMIN'にて行われる。


 今回の東名阪ツアーは、バンドセットで開催される。新作アルバム『Your Favorite Things』に参加している岡田拓郎(G)、まきやまはる菜(B)、浜公氣(Dr.)といった主要なメンバーに加え、谷口雄(Key)、Dub Master X FOHもステージに登場する予定。


上記公演のソールドアウトを受けて、5月31日(金)にSpotify O-Eastの追加公演が決定。こちらもお見逃しなく。。。



・柴田聡子「Your Favorite Things」



CD/Digital | DDCB-12121 | 2024.02.28 Release | 3,000Yen+Tax | Released by AWDR/LR2


配信リンク:  https://ssm.lnk.to/YFT


01. Movie Light

02. Synergy

03. 目の下 / All My Feelings are My Own

04. うつむき / Look Down

05. 白い椅子 / Sitting

06. Kizaki Lake

07. Side Step

08. Reebok

09. 素直 / Selfish

10. Your Favorite Things



作詞・作曲:柴田聡子|All Lyrics & Music by Satoko Shibata


プロデュース、アレンジ:柴田聡子、岡田拓郎|Produced & Arranged by Satoko Shibata & Takuro Okada

ストリングス・アレンジ:香田悠真 (M1, M10)|Strings Arrangement: Yuma Koda (M1, M10)

コード・レスキュー:谷口雄|Chord Rescue: Yu Taniguchi


レコーディング・エンジニア:宮﨑洋一、岡田拓郎、柴田聡子|Recording Engineer: Yoichi Miyazaki, Takuro Okada & Satoko Shibata

レコーディング・スタジオ:IDEAL MUSIC FABRIK、DUTCH MAMA STUDIO、抹茶スタジオ、studio Aoyama、 OKD Sound Studio|Recorded at IDEAL MUSIC FABRIK, DUTCH MAMA STUDIO, Matcha Studio, studio Aoyama & OKD Sound Studio

ミキシング・エンジニア:岡田拓郎|Mixing Engineer: Takuro Okada

ミキシング・スタジオ:OKD Sound Studio|Mixed at OKD Sound Studio

マスタリング・エンジニア:Dave Cooley (Elysian Masters, LA)|Mastering Engineer: Dave Cooley (Elysian Masters, LA)


写真:守本勝英|Photograph: Katsuhide Morimoto

メイクアップアーティスト:UDA|Make-up Artist: UDA

ヘアスタイリスト:Nori Takabayashi|Hair Stylist: Nori Takabayashi

アートディレクション、デザイン:坂脇慶|Art Direction, Design: K



ソールドアウトとなったリリース・ツアー東京編の追加公演が5月31日(金)にSpotify O-EASTにて決定。


・柴田聡子「Tour 2024 "Your Favorite Things"」



岡田拓郎 (G) / まきやまはる菜 (B) / 浜公氣 (Dr) / 谷口雄 (Key) / Dub Master X (FOH)


2024.03.02 (Sat) 東京 恵比寿 LIQUIDROOM OPEN 17:00 / START 18:00 *SOLDOUT

2024.03.19 (Tue) 大阪 梅田 CLUB QUATTRO OPEN 18:15 / START 19:00

2024.03.22 (Wed) 愛知 名古屋 JAMMIN’ OPEN 18:15 / START 19:00


柴田聡子「Tour 2024 "Your Favorite Things"」追加公演

岡田拓郎 (G) / まきやまはる菜 (B) / 浜公氣 (Dr) / 谷口雄 (Key) / Dub Master X (FOH)


2024.05.31 (Fri) 東京 渋谷 Spotify O-EAST OPEN 18:00 / START 19:00

///Pre-order/// 2024.02.21 [Wed] 12:00_2024.03.03 [Sun] 23:59


チケットの詳細:    https://eplus.jp/shibatasatoko 



柴田聡子 SATOKO SHIBATA



シンガー・ソングライター/詩人。北海道札幌市出身。武蔵野美術大学卒業、東京藝術大学大学院修了。

2010年、大学時代の恩師の一言をきっかけに活動を始める。

2012年、三沢洋紀プロデュース多重録音による1stアルバム「しばたさとこ島」でアルバムデビュー。以来、演劇の祭典、フェスティバル/トーキョー13では1時間に及ぶ独白のような作品「たのもしいむすめ」を発表するなど、歌うことを中心に活動の幅を広げ、2022年、6枚目のオリジナルアルバム「ぼちぼち銀河」をリリース。

2016年には第一詩集「さばーく」を上梓。同年、第5回エルスール財団新人賞<現代詩部門>を受賞。詩やエッセイ、絵本の物語などの寄稿も多数。2023年、足掛け7年にわたる文芸誌「文學界」での連載をまとめたエッセイ集「きれぎれのダイアリー」を上梓。

自身の作品発表以外にも、楽曲提供、映画やドラマへの出演、ミュージックビデオの撮影・編集を含めた完全単独制作など、その表現は形態を選ばない。

 


ベルギーのアンビエント・プロデューサー、Adam Wiltzie(アダム・ウィルツィー)が新作アルバム「Eleven Fugues For Sodium Pentothal」を発表しました。アルバムはシカゴのクランキーから4月5日にリリースされる。


アダム・ウイルツィーはStars of  The Lid、A Winged Victory For The Sullenのプロジェクトで知られている他、クリスティーナ・ヴァンゾーとのデュオ、Dead  Texanとしてもクランキーからアンビエントのリリースを行っている。アダム・ウィルツィーの作品はアンビエントの名盤でもご紹介しています。


Stars of  The Lidのもう一人のメンバーであり、傑出したプロデューサー、ブライアン・マクブライドは昨年、53歳の若さでこの世を去り、現在、プロジェクトの続行が困難となっている。今作はアダムの渾身の一作であり、亡き盟友へのレクイエムである。


作曲家(Stars Of The Lidの共同創設者でもある)アダム・ウィルツィーの最新組曲は、ベルギー/ブリュッセルから北へ移動し、フランダースの田園地帯で制作された。


このアルバムは、美と廃墟の間で永遠に解決されぬ悲鳴を上げながら、忘却の魅力をユニークに呼び起こし、現実性を適度に回避している。アダム・ウィルツィーは、タイトルにもなっているバルビツールをミューズであり、神聖な逃避先として挙げている。


「人生という日々の感情的な肉挽き機に正面を向いて座っているとき、私はいつも、ただ自動的に眠りに落ちることができるように、そして、その感覚がもうそこに存在しないかのように、もしくは、もう少しだけそこにあればいいのにと思っていたんだ」


ウィルジーの自宅スタジオで録音され、ブダペストの旧ハンガリー国営ラジオ施設(Magyar Radio)でストリングスを加えたトラックは、親密さと同時に無限の広がりを感じさせ、内的な空間で垣間見える景色を展開している。イギリスのドローン・ロック・アイコン、ループの名工、ロバート・ハンプソンがミックスを担当、音楽に映画に比する広がりと斜に構えたような催眠感を与える。これらは、文字通りのクラシック音楽的なフーガと同じように、不確かな記憶と空間的なズレにまみれたエピファニーが無意識から引き出され、宙に浮いているかのような不可思議な状態を生み出す。





アルバムの予約はこちら



Adam Wiltzie 「Eleven Fugues For Sodium Pentothal」



Label: kranky
Release: 2024/04/05

 Tracklist:

1.Buried At Westwood Memorial Park, In An Unmarked Grave, To The Left Of Walter Matthau

2.Tissue Of Lies 

3.Pelagic Swell

4.Stock Horror

5.Dim Hopes

6.As Above Perhaps So Below

7.Mexican Helium

8.We Were Vaporised

9.(Don't Go Back To) Boogerville

ウィリー・ネルソンはこの夏、毎年恒例のアウトロー・ミュージック・フェスティヴァル・ツアーを敢行する。ボブ・ディランも全26公演に参加する。さらに、2人はこのフェスで共同ヘッドライナーを務める。


第1弾にはロバート・プラント&アリソン・クラウス、第2弾にはジョン・メレンキャンプが同行する。ビリー・ストリングス、ブリットニー・スペンサー、セリス、サザン・アヴェニューも道中の様々な場所で彼らと共演する。ツアーは6月21日、ジョージア州アルファレッタでスタートする。


「今年のアウトロー・ミュージック・フェスティバル・ツアーは、伝説的なアーティストのラインナップにより、これまでで最大かつ最高のものになることを約束しよう」とネルソンはローリングストーン誌に述べた。「家族や友人たちと共に、愛するファンのために愛する音楽を演奏する旅に再び戻れることにとても興奮しているんだ」


ディランは2017年にいくつかの公演でアウトロー・フェスティバルに参加したが、ツアー全体に参加するのは今回が初めてのことである。しかし、ネルソンとの友情は数十年前にさかのぼる。彼らは1993年に「Heartland」という曲を一緒に共作している。


「ウィリーは哲学者の詩人のようだ。彼はすぐに核心を突いてくる。彼は聴き手に考える余地を残す。彼のギター演奏は驚異的だ。彼をミュージシャンとして評価している人を見たことがない。私の中では、彼はトップレベルだ。彼は何を歌っても自分のものにする。それができる人はあまりいない」


「アウトロー・ミュージック・フェスティバル・ツアー」に参加する前に、ボブ ・ディランは3月から4月にかけて南東部でヘッドライナー公演を行う。一方、ネルソンは、来月カリフォルニア州インディオで開催されるステージコーチ・ミュージック・フェスティバルに出演し、クリス・ステイプルトンの"All-American Road Show"に参加する。


昨年、ディランはネルソンが毎年開催しているチャリティ・コンサート『Farm Aid』にサプライズ出演し、「Maggie's Farm」、「Positively 4th Street」、「Ballad of a Thin Man」を披露した。

Guts World  Tour


2024年の注目のアクトはオリヴィア・ロドリゴの『Guts』ワールド・ツアー。今年最もホットなチケットのひとつと言われていたが、先週金曜日にカルフォルニアのパーム・スプリングスでワールドツアーが幕を開けたとき、観客の期待は裏切られなかったというのが総意のようだ。とくにステージ演出のスケールが群を抜いており、エラス・ツアーに匹敵すると断言しよう。


パームスプリングスの公演での22曲のセットリストでは、ロドリゴの最大のヒット曲だけでなく、彼女の2枚目のアルバムでありツアー名にもなっている『Guts』の赤盤からの「シークレット・トラック」であるObsessedのようなディープなカットも演奏された。


ロドリゴは昨年、『Obsessed』はセント・ヴィンセントことアニー・クラークと一緒に作った曲であることを明かしており、彼女がギターでこの曲を演奏する際、カスタムメイドの紫色のミュージック・マン・セント・ヴィンセント・ゴールディ・シグネチャー・モデルを取り出し、友人に敬意を表したのはふさわしいことだった。


パフォーマンス後、クラークは自身のインスタグラム・ストーリーでロドリゴを称賛した。「オリヴィア、ガッツ・ツアー初日を楽しませてくれたわ。「パープルのカスタムSTV Goldieを弾いている!ギター。とても誇らしい!!」



Obsessedとセント・ヴィンセントの参加について、ロドリゴはVariety誌に次のように語っている。「ちょっとロックで楽しい曲だよ。友人のアニー・クラーク(セント・ヴィンセント)と一緒に作った。わたしは彼女を人として尊敬しているし、わたしの音楽的ヒーローのひとりなのです。そしてこの曲は、とても錯乱した、怒れる女の子のような曲で、わたしはそれが好きなんです」





アニー・クラークは昨年、彼女にバラエティ・ストーリーテラー賞を贈った際、ロドリゴを喜んで称賛した。「オリビアは私にとって、なんと言ったらいいのか...。貴重な天使のマフィンちゃんのようです。彼女は衝撃的な才能があり、とても賢く、そして私にとって最も重要な組み合わせ、好奇心旺盛で親切なのです」


ロドリゴとクラークはまだステージを共にしていないが、『Guts』ツアーは8月中旬まで続くので、ゲスト出演のチャンスは十分にある。パームスプリングスのステージのセットリストは以下の通り。




スポティファイが2023年に独立系権利者に支払った金額は約45億ドルで、これはストリーミング・サービスが昨年全レーベルと出版社に支払った90億ドル以上の金額の約半分に相当する。これは以前、一定数の再生数を記録するアーティストを優遇しているという指摘もあった同社のイメージを払拭するものである。


同社によると、45億ドルという総額はインディーズ部門(DIYアーティストを含む)の新記録であり、2017年にインディーズがスポティファイで生み出した金額の4倍増となる。スポティファイは、45億ドルは米国を除く世界のすべての国のレコード音楽産業全体よりも大きいと、IFPIの2023年世界音楽レポート(2022年の数字に基づく)を引用して指摘している。


スポティファイが発表した数字は、インディーズ勢の市場シェアが年々拡大していることを考えれば、驚くべきことではない。ルミネートが発表した数字によると、レーベルの所有者別では、インディーズ部門が2023年には音楽ビジネス全体の3分の1以上を占め、そのシェアは35.74%で、ユニバーサル・ミュージック・グループの29.35%を軽々と上回っている。


アップル・ミュージックやアマゾン・ミュージックのような資金力のあるライバルとの競争にもかかわらず、スポティファイは世界最大の音楽配信プラットフォームであり続けている。MIDiA Researchが今月初めに発表した2023 Global Music Subscription Marketレポートによると、スポティファイの世界ストリーミング市場全体のシェアは31.7%で、全世界の加入者数は2億2600万人である。


これは、テンセント・ミュージック・エンタテインメント(1億270万人)、アップル・ミュージック(8,980万人)、アマゾン・ミュージック(7,890万人)、ユーチューブ・ミュージック(6,910万人)などのライバルを大きく引き離している。スポティファイ側は、2月6日の第4四半期決算報告で2億3600万人の加入者を報告した。

イギリスの音楽賞、BRITアワードは、出演者、司会者、部門、ノミネーションなど、次々と発表され、週末の大舞台に向けて盛り上がりをみせている。この賞はイギリスのグラミー賞に該当する。最も華やかなアワードで、これまでアークティックモンキーズ、The 1975など錚々たるバンドが受賞してきた。


おそらくBRITsによる最も注目すべき動きは、音楽部門全体に影響を与えることが証明され得る持続可能性のための包括的な戦略である。これは音楽業界から環境保護に率先して取り組んでいこうと試みるものだ。


新たなパートナーシップ "Music Declares Emergency "と提携し、BRITsの観客に対して、公共交通機関を利用してイベントに参加することで、CO2排出量と大気汚染の削減に協力するよう呼びかけている。


これは、3月2日(土)にBRITsを開催するThe O2がThe 1975と組み、同会場で初のカーボン・リムーヴド・ショーを行ったことを受けて発表された。キャッチコピーは''No Music On A Dead Planet''である。


主要な音楽会社は排出削減について野心的な目標を掲げており、ライブ部門も二酸化炭素排出量を追跡調査している。しかし、2050年(ロンドン市長が提唱する計画では2030年)までのネット・ゼロに向けて、英国の産業界全体ではまだ多くの進展がある。


BRIT Awards 2024 with Mastercardは、より環境的に持続可能なセレモニーを目指す長期的な目標をサポートするため、新たなパートナーシップと継続的なパートナーシップを結び、年々改善する道筋を作ることで、環境持続可能性へのコミットメントを概説している。


声明によると、この長期的なビジョンにより、BRITsは常に「賞の持続可能性の目標を達成するために見直し、革新し、適応する」ことになる。


BRITsの持続可能性を向上させるため、環境保護活動団体ジュリーズ・バイシクルによって、2024年の授賞式に関わる膨大なデータが収集される。


この作業は、炭素計算会社のLowrとInspired Efficiency、BRITs TVの環境保護団体Albert、BRITs DigitalのAdGreen、そしてO2独自のエネルギーと廃棄物に関するデータによってサポートされる。これらの重要な集計はすべて今後のイベント開催に活用される。


BRITsは、Music Declares Emergencyとのパートナーシップを発表し、世界的なNo Music On A Dead Planetキャンペーンの最初の公募を開始した。


No Music On A Dead Planet』キャンペーンでは、ファンが積極的に行動を起こし、音楽イベントでのボランティア活動に参加し、賞品を獲得するチャンスを得ることを奨励している。トニーズ・チョコロンリーとのブランド・パートナーシップにより、BRITsで限定版のバーが配布される。


今年採用されたその他の取り組みとしては、生産車両と会場前でのケータリングによる排出量の5%削減目標がある。ヘッドライン・スポンサーのマスターカード、放送パートナーのITV、The O2、BRITsの企業やパートナーも、自社の計画に持続可能性を取り入れるとの公約を支持している。BRITsは3月2日午後8時30分(現地時間)からITV1、STV、ITVX、STV Playerで放送される。

 Whitelands 『Night-bound Eyes Are Blind To The Day』

 


 

 

Label: Sonic Cathedral 

Release: 2024/02/23


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Review

 

「黒人のミュージシャンがシューゲイズをやってはいけない」などと考えるのは、Whitelandsの音楽を聴けば、迷妄であり、アナクロニズムや過去への埋没に過ぎないとわかる。ロンドンから登場したホワイトラインズは、ポリティカル・コネクトネスが持つ意味合いとは裏腹に、音楽そのものがもつ未知の可能性を呼び込み、将来のロックバンドの理想像がどうあるべきかを示す。

 

スペシャルズ、リバティーンズ、ブロック・パーティを筆頭に、ロンドンのロックミュージックは、いつも人種の融和によって新しい表現性が生み出されてきたということを、彼らはありありと思い出させてくれる。上記の偉大なロックバンドが示したのは排他ではなく、融和だった。ホワイトランズもまた無限の可能性に充ちている。


驚くべきことに、ホワイトランズは四人組で活動しているというが、そのうち3人が黒人のミュージシャンだ。彼らの音楽は、実際の音そのものが持つ響き以上に何らかの共鳴を呼び起こし、そして、何らかのメッセージ性を孕み、示唆に富んでいる。もちろん、すでにその予兆は見られる。ニューヨークのLutaloのような優れたソロアーティストの台頭はオルタナティヴロックがすでに白人だけのものではなく、人種的に開かれた音楽になりつつあることを示している。


ヴァネッサはオルタナティブ・ロックに隠されたレイシズムに関して言及する。「白人男性がロマンチックで、繊細で、感情的で、ドリーミーな音楽を作るのはOKなのに、対照的に、若い黒人男性は怒りに満ちた音楽を作るべきという物語が根底にある。私たちは皆、このようなステレオタイプで育ってきたから、ホワイトランドを目にした時、人々は不思議に思うのだと思う」

 

「私は多くのメディアを消費している」とエティエンヌは幅広い影響について言う。「テレビゲーム、音楽、ニュース、絵画、漫画、アニメ、映画、特に、アニメが私のお気に入り。表現の重みを理解し、感じたい欲求がある。だから、曲は、他の曲、絵、美学、「バイブス」であるべきで、誰かが感じた感情をベースにしている。基本的にあなた自身はあなたが食べたもので出来ているのです」

 

ヴァネッサは続ける。「私たちは、建前主義、微々たる行動、妬み、憤りを経験してきた。だから私たちは、自分たち自身を証明し続けなければならないと感じています。自分たちが良い影響を与えていることは分かっていますが、ホワイトランズには本当に壁を打ち破ってほしいのです」

 


オープニングを飾る「Setting Sun」が示すように、ボーカルそのものは失意や哀愁を元にして、JAPANの音楽性を思わせるようなニューロマンティック調の夢想的なメロディーがゆるやかな速度で流れていく。

 

ボーカルは、理想的な高所に手をのばすかのように歌われ、その合間をシューゲイズ・ギターがぼんやりと彷徨う。しかし、それらの空白や隙間は、ため息をつくほど深く、どれほど手を伸ばそうとも、理想的な領域には近づきがたい。一見すると、出発点の失意や絶望を生み出すように思えるが、必ずしもそうではない。理想的な場所に近づこうとするリスナーの心に、それらの哀愁のあるボーカルが定着して、共鳴的な感覚を呼び起こす。何より頼もしいのは、彼らの音楽が、高い場所から見下ろすのではなしに、自分たちと同じ立場にいる人々に向けて発信されていることである。このことは、モグワイがその才覚を見出したbdrmmと共通している。

 

繊細かつきらびやかなギターラインと甘美的なボーカルのメロディーの融合は「Prophet &Ⅰ」にも共通している。一曲目と比べると、ポピュラーな印象があり、ジョニー・マーのギターのように抒情的なフレーズが光っている。しかし、それらは必ずしも80年代に埋没することもなく、はたまたアナクロニズムに堕することもなく、比較的モダンな印象に彩られている。それはアンセミックなボーカルのフレーズを配し、そして、リズムに重心を置いているからである。


バンドは、時々、ハウス・ミュージックの要素を取り入れ、バスドラムのシンプルな4つ打ちを織り交ぜ、効果的なビートを生み出す。これはMBVが志向していたギターロックとハウスの融合という、このジャンルの重要な核心を受け継いでいるといえる。ただ、ホワイトランズの場合は、轟音性は少しだけ控え目である。アイルランドのNew Dadのような夢想的な旋律性を擁しながらも、アンダーワールドのようなクラブ・ミュージックを基調としたリズムを取り入れることにより、楽曲そのものに、親しみやすさやわかりやすさを付与している。良いメロディーだけではなく、曲の節々に溜めを作ることで、トラック全体に起伏をもたらそうとしている。

 

「Cheer」はよりドリーム・ポップに近いアプローチが敷かれ、その中にニューロマンティックやブリット・ポップ前夜の雰囲気が漂う。どちらかと言えば、ノスタルジックな楽曲となっているが、冒頭の2曲と同じく、Mewのような透き通るようにクリアなボーカルの声質が存在感を放つ。スロウバーナーのタイプの曲であるが、注目すべきは、そこには90年代から00年代のクラブ・ミュージックからのリズム的な引用が精彩な感覚の揺れ動きを反映させていることだろう。

 

続く「Tell Me About It」は、アルバムのハイライトで、ポストシューゲイザーの名曲である。ハウスを反映したイントロから始まり、4ADの幻のドリーム・ポップバンド、Pale Saintsの「Kinky Love」を彷彿とさせる夢想的な感覚へ続く。ホワイトランズは、この曲でツインボーカルのスタイルを取っているが、これがより抽象的な音像の領域に差し掛かる。それはリスニングの背後にある音楽の源に近づくことであり、それは人種的な超越と性別の超越によって発生している。曲は、Cocteau Twinsのドリーム・ポップの核心に迫るかのようで、RIDEのダンスミュージックの影響も反映されている。混合のボーカルのユニゾンは、声の性質の違いにより、むしろその美しさが強調され、冬の夜空を舞う粉雪を眺めるような美しさが留められている。


「How It Feels」はシューゲイズのメインストリームにある曲で、アルバムの中では、フィードバック・ノイズと、シャリシャリとしたパーカッションの硬質な響きが強調される。ただ、他に比べると、ギターノイズは苛烈なのだが、効果的なサウンド・デザインには至っていない。メロディーや音像は一見するとクリアなようだが、音の流れが相殺されてしまっている。これはもしかすると、作曲よりもミックスやマスタリングソフトの選別に原因があるかもしれない。

 

しかし、続く「Chosen Light」では、美しいメロディー性とギターサウンドの幻惑が還ってくる。フィードバックノイズをベースにしたギターラインはアイルランド的な哀愁に彩られており、他方、ボーカルのフレーズは、現行のロンドンのポストパンクバンドに比する才気煥発さがある。そして、その中にはバンドやアーティストとしての奇妙に光るセンスも含まれている。しかし、それはまだはっきりした完成形になったとまでは言いがたいものがある。シューゲイズバンドとしての本領発揮とまでは至らず、暗闇の向こうに、かすかにぼんやりと揺らめくに過ぎない。一方で、その弱点を補って余りあるのが、「Tell Me About It」と同じように男女混合のボーカルである。これらは二人のボーカリストの声質も相まって、見事なハーモニーを作り出す。それはもちろん、このジャンルの重要な要素である聞き手を酔わせる情感を擁している。

 

「Born In Understanding」は、ハルのbdrmmがデビューアルバムで示したようなポストシューゲイズの範疇にある音として楽しめる。これらはモダンなUKロックの一角を捉え、それらをキュアーやライドのような象徴的なバンドのフォロワー的な立場を示そうとしている。夢想的なメロディー、浮遊感のある、ふわりと浮き上がるような感覚には心惹かれる。バンドは、以上のように、シューゲイズ/ドリーム・ポップを主体とする幾つかの手法を示した上で、クローズ曲「Now Here's The Weather」で目の覚めるようなナンバーを書いている。このことは注目に値する。

 

ミニマルなフィードバックギター、夢想的でアンセミックなボーカル、そして、重力を備えるベースラインという、バンドの中核を担う3つの要素はそのままに、ホワイトランズはこの曲で彼らにしかなしえないキャラクター性を発現させる。現在のポストシューゲイズ・シーンは世界的に見ても飽和状態にあるため、頭一つ抜けるのは相当困難となっている。しかしそれでも、このバンドは、ロンドンやイギリスのシーンにたいして良いエフェクトを及ぼす可能性が高い。それが憎しみや怒りではなく、より融和的な考えであったら、とても理想的なのだが。。。

 

 

85/100


 

 

Best Track- 「Tell Me About It」


米国のシンガーソングライター、BECKの来日公演が発表。4月6日にEX THEATER ROPPONGIでのスペシャル・アコースティック・セット公演が急遽決定した。


本公演はBECK本人のソロ・アコースティック・パフォーマンスとなる。ぜひチェックしてみてください。



ライヴ情報:

「BECK」

4月6日(土)東京 EX THEATER ROPPONGI ※1日2回公演

[チケット]

スタンディング:16,000円 / 指定席:18,000円

※未就学児入場不可

※別途1ドリンク オーダー



さらなる詳細についてはクリエイティヴマンの公式サイトをご覧下さい。



BECK:


1990年代から現在に至るまで第一線で活躍を続け、グラミー賞を7度受賞、名実ともに音楽界を代表するアーティストとして確固たる支持を集めるベック。


1994年、シングル「Loser」が全米モダン・ロック・チャートで5週連続1位を獲得し大ブレイク。1996年の5thアルバム『オディレイ』でグラミー賞2部門を受賞。2008年の11thアルバム『モダン・ギルト』が第51回グラミー賞「最優秀オルタナティヴ・アルバム」にノミネート。


2014年、6年ぶりとなる12thアルバム『モーニング・フェイズ』をリリース。同作は第57回グラミー賞で「最優秀アルバム賞」ほか計3部門を獲得した。2018年8月、"SUMMER SONIC 2018"のヘッドライナーとしても来日。


アルバム『カラーズ』は2019年2月開催の第61回グラミー賞で「最優秀オルタナティヴ・アルバム賞」と「最優秀アルバム技術賞(ノン・クラシカル部門)」の2つを受賞。2019年にはアルバム『ハイパースペース』を発表。2020年代に入ってからも世界各国へのツアーやフェニックスとのコラボ・シングル「Odyssey」のリリースなどコンスタントに活動を続けている。