KDKAの設立時  パレード

音楽は当初、コンサートでのお披露目の機会、ないしは、楽譜の出版という形で一般的な人々に伝わってきた。20世紀までは、音楽は必ずライブ演奏という性質を伴っていた。人々はまったく見ず知らずの音楽にリアルな形で触れきたのである。それらの接し方が変化したのが、レコードの時代であった。20世紀の時点で、レコードの録音が一般的に始まり、 1877年に、トーマス・エジソンが開発した円筒式の蓄音機を発表し、さらに1987年になると、円盤式が開発され、現在のレコードの基礎が出来上がった。1890年代に入ると、蓄音機が一般的に認知されるに至った。

 

レコードのビジネスを最初に確立させたのが、イギリスのグラモフォン社であった。 まさしくイギリスは、工業的な性質を前面に打ち出して、近代的な覇権を獲得したのである。当社が1900年に発表したカタログには、ヨーロッパの諸言語に加え、ペルシア、ヒンディ、ウルドゥ、ヘブライ、アラビア語ほかの言語による5,000枚のレコードがリストアップされていた。レコード会社は、この時代からレコードそのものを世界的に普及させるべく計画を練っていたのである。それから1920年代に入ると、レコードが一分間78回転で約三分間のスタンダードプレイに規格が統一され、1940年代の終わりになると、LPや17センチ45回転盤が流通するようになった。

 

さて、1920年代のレコードの発展と合わせて、音楽の伝え方にも変化が生じた。無線技術の発展により、音声の伝え方の範囲が広がり、それほどタイムラグもなく遠くに音を無線で伝えられるようになった。この年代になると、マスメディアの発達の過程で、ラジオが急速に発達した。ラジオは無線の電信機器であるが、当初は、海上の船舶のやり取りなどで使われていた。続いて、機械工学の趣味となり、その後、新聞の宣伝の代替的なツールとして使用されるようになる。この後の二十年でラジオは急速に一般市民に普及し、暮らしに欠かせぬものとなった。

 

世界初のラジオ局の開設が行われたのは、1920年11月のことだ。アメリカのピッツバーグで認可されたフランク・コンラッドが経営するKDKA局であった。これが公式のラジオ曲の出発である。当時の視聴者数は、2000人。あまり多くはなかったのだが、まだ一般的にラジオが普及していない時代に、数千人もの注目を集めたのはお見事。KDKAの前身は創業者のコンラッドが自宅のガレージに作った8XK局で、コンラッドはお気に入りのレコードをオンエアしていたという。その後、ラジオでオンエアするレコードが枯渇し、そのことを訴えかけると、提供したいと申し出るレコードショップが出てきた。その時、レコードショップはラジオ番組のなかで店の宣伝を行ってほしいと、コンラッドに依頼した。これがCMなどの広告宣伝の始まりだった。

 


 

KDKAが開局された後、アメリカでは驚異的なスピードでラジオ局が設立されていった。1922年には、全米各地で30のラジオ曲が国の放送権の認可を受け、さらに、翌年になると、556局にまでその総数は膨れ上がり、文字通り''ラジオ局開設ブーム''が到来する。当初のラジオでは、音楽のレコードがかけることが多く、ニュースなど、昨今のメインコンテンツは比較的控えめだった。

 

1922年は、世界中でラジオ局開設が活発に行われた。例えば、イギリスでBBCが開設されたのを皮切りに、その後数年の間に、ヨーロッパ諸国で放送局が次々に開設されていった。

 

日本では、NHKの前身である東京放送局(JOAK)が1925年に開局された。アメリカでも続いて、メジャーレコード会社として知られているRCAが初の全国ネットワークを設立する。これが、ラジオ局NBC(National Broadcasting Company)の始まりでもあった。ラジオから流れてくる音声に、当時の人々は驚きと感動を覚えたに違いない。それらは少なくとも、戦前戦後にかけて、一般市民の生活に浸透していくようになったのである。 報道やニュースが紙面やかわら版での文字から音声に変化していった時代であるが、そこには音楽がいつも中心的な存在を担った。

 

1930年の全米国勢調査によると、1,200万もの家庭にラジオ受信機が設置されたという。総数を見るかぎりでは、すでに、この時代には、多くの家庭にはラジオが普及していた。これらの報道局がラジオを重視しているのは、その創設時の伝統性を重んじているからでもあるのだろう。

 

ラジオの普及は、世界的に音声と音楽の伝え方に大きな変化を及ぼした。それ以前まで、一般家庭では、ピアノによる楽譜の演奏が主流であった。各家庭でピアノを演奏しながら、それにあわせて歌うというのが音楽ファンの嗜みであった。


例えば、アメリカでは20世紀に数百万規模の家庭がアコースティックピアノを所有し、楽譜を購入し、当世風のポピュラーソングを演奏していた。ラジオの普及は、リアルタイムでの音楽の普及の流れを促進させ、必ずしもそれらを演奏者として再現する必要がなくなった。ピアノロールによる自動演奏も流行ったが、1923年が最大の売上を記録し、その後少しずつ衰退していく。また、それ以前主流だった楽譜出版(シート・ミュージック)も、売れ行きが下落し始めた。

 

当初、ラジオの各家庭への普及は、レコード業界にとって脅威を意味していた。何しろ、アンテナを設置すれば、音楽が簡単に楽しめてしまう。しかし、レコード業界がラジオ局と提携を結び、協力関係を築き上げ、商業的な構造を盤石たらしめた。当時、ラジオの番組内で、ラジオパーソナリティによって華々しく紹介される楽曲群は、視聴者にとってこの上なく魅力的に聞こえたに違いない。 これらは音楽産業の重要な基盤となり、音楽の楽しみ方を能動的なものから受動的なものへと変化させた。そして、これらが音楽を爆発的に普及させる契機となった。

・Acne Studio 2026年春夏シーズンよりアイウェアコレクションを発表

2026年春夏に向けて、Acne Studios(アクネ ストゥディオズ)はアイウェアの表現を原型的なフォルムの研究を通じて洗練させました。4月20日に発売された本コレクションは、親しみのあるシルエットを精緻でありながら革新的なデザインへと昇華しています。


すべてがイタリア製で、各デザインはヴィンテージから着想を得ながら、現代的で研ぎ澄まされた表現へと再構築されています。




メタルフレームのモデルは、1970年代のアビエーターを再解釈したもので、メンズのルックブックで初めて登場し、その後ウィメンズのランウェイにも登場しました。軽やかでありながら存在感のあるデザインで、ナイロンレンズとミニマルなフレームを組み合わせ、ブラック、ブラウン/オレンジ、ヴィンテージシルバー(クリアレンズ)の展開です。


一方、ウィメンズのランウェイで発表された彫刻的なアセテートフレームは、日常的なクラシックフォルムを大胆なプロポーションで強調したデザインで、ブラックとブラウンゴールドで展開されます。


本コレクションは2026年4月20日より、Acne Studiosの店舗およびオンラインサイトにて世界同時発売されます。コレクションの一例は以下よりご覧ください。


スクエアフレームサングラス

ブラウン / ゴールド

¥53,900(税込)



メタルアビエイターサングラス
ブラウン / オレンジ
¥59,400(税込)

スクエアフレームサングラス
ブラック / ブラック
¥53,900(税込)





メタルアビエイターサングラス

ヴィンテージシルバー 

トランスペアレント

¥59,400(税込



メタルアビエイターサングラス

ブラック / ブラック

¥59,400(税込)


【クレジット】

Acne Studios | アクネ ストゥディオズ

 

【お問い合わせ先】

Acne Studios Aoyama | アクネ ストゥディオズ アオヤマ

Tel: 03-6418-9923

 

Momoko Ohori /大堀桃子

Head of Communication & Marketing APAC

m.ohori@acnestudios.com



ポートランドのプロデューサー、Elijah Knutsenによるニューアルバム『Music For Vending Machines 2』がリリースされました。本作は「Music For Vending Machines」プロジェクトの続編となっています。彼の住むポートランドの風景、そして春の訪れを感じさせる作品となっている。


アルバムの四曲は、それぞれ雰囲気の異なるトラックが収録されている。テープディレイを用いた曲からこのプロデューサーが得意とする清涼感のある曲まで様々な環境音楽を楽しめる。


「(4つの)環境を音のパレットへと凝縮し、まるで自動販売機で買ったもののように気軽に楽しめる、ミニチュア化されたアンビエント体験。このプロジェクトの第2弾は、パステル調の春を映し出した、抽象的で境界的な作品です」 作者による楽曲の解題は以下の通りとなっています。




1 - Peach Blossom Sound

 

洗い流すような、清らかな息吹。孤独な桃の花の木の花びらをくぐり抜け、柔らかな電子パルスがちらつき、ドローン音を奏でる。ピンク色の和音とメロディーが彩りを添え、トラックは増減を繰り返す。その間も、人々や記憶が木から漂い、まるで繊細な花びらが地面に舞い落ちるように。


2 - Coastal City at Night Sound

 

夜鳥の鳴き声、奇妙な風景の中を歩く心地よい散歩。空気は海風で冷やされ、闇に包まれている。この記憶は、暖炉の上の高い場所に置かれた、薄暗い黒い宝石の中に封じ込められている。ひらめくようなギターのコードが、孤独で馴染みのない、あの奇妙な都市の音と共に膨らんでいく。


3 - Empty Rose Garden Sound

 

忘れ去られた時と場所の音。洞窟のようなピアノの和音が、時の刻まれた雲の間を響き渡る。この場所は今や空っぽで、存在するのはあなたの記憶だけ。それは次第に薄れていく。


4 - Crystal Pink Aqua Cavern Sound 

 

地球の奥深く、ピンク色の石でできた、きらめき、眩い洞窟。この場所では時間が反射し、収縮する。唯一の具体的な音は、水の滴る音だけだ。あなたは、ただ自分の思考だけを伴い、ここに何生も閉じ込められてきたのだろうか? ドローンと響く周波数だけが存在し、そして、眩いばかりの春色の結晶が……。




ベイエリアのヒーリングミュージックのアーティスト、及び瞑想ガイドを務めるRina Rainによる、7曲入りの新作アルバム『Whispers of Rain』は、音楽の内的な治癒に焦点を絞っている。

 

近年ではセラピーなどにも取り入れられる音楽療法。また、特定の音の周波数が心身に与える効果を研究するグループもいるようです。さらに、少なからずヒーリングミュージックは需要があり、疲れを癒やし、本来の自分を取り戻す端緒を作る。自然との接触が不足しがちな現代人の心に温もりと潤いを与えてくれるのは事実でしょう。


「『Whispers of Rain』は、心の安らぎを求めて内面へと向かい、そこでマントラを見出したことから生まれました」とリナ・レインは述べている。


「各楽曲は、古代の叡智と心を癒す現代的なサウンドの力を借りて、私たちを癒しと変容へと導くよう、意図的に選ばれ、作曲されました。これらのサウンドスケープに宿るものは、私たち一人ひとりの内にも息づいています。これは、ペースを落とし、深く内面に耳を傾け、あなた自身の光、あなた自身の宇宙へと戻る道を見つけるための招待状です。私たちは皆、この旅を共に歩んでいるのです」




リナ・レインは、ベイエリアを拠点とする瞑想トレーナーであり、マインドフルネス、キャリア開発、自己啓発の分野で20年以上の経験を持っています。また、マントラ・アーティスト(Rina Rain)および瞑想ガイドとしても活動し、音楽を通じて平和、献身、そして癒やしを分かち合おうとしている。

 

魂を揺さぶるボーカルと古代のマントラ、そして現代的なサウンドスケープを融合させ、内なる静寂とつながりを呼び起こす楽曲を生み出しています。彼女の声には静寂の本質が宿っており、それぞれの詠唱は柔らかな祈りのように、今この瞬間に立ち返るように広がっていきます。 

 

神聖な反復と音と音の間の沈黙に根ざしたリナの歌声は、聴く人をゆったりとさせ、呼吸を整え、自分自身へと帰還するよう誘います。シンプルで広々とした音と導きを通じて、彼女は平和、記憶、そして静かな変容の周波数を伝えます。彼女の音は単なるパフォーマンスではなく、一つの境界線なのです。

 

 

 

▪EN

 “Whispers of Rain,” a new seven-track album by Rina Rain—a healing music artist and meditation guide—focuses on the inner healing power of music.

 
In recent years, music therapy has been incorporated into various forms of therapy. There are also groups researching the effects that specific sound frequencies have on the mind and body. Furthermore, there is significant demand for healing music, which soothes fatigue and provides a starting point for rediscovering one’s true self. It is undeniable that it brings warmth and comfort to the hearts of modern people, who often lack contact with nature.



Rina Rain is a Bay Area-based meditation trainer with over twenty years of experience in mindfulness, career and personal development. She is also a mantra artist (Rina Rain) and meditation guide sharing peace, devotion, and healing through music. Blending soulful vocals and ancient mantras and modern soundscapes, she creates songs that inspire inner stillness and connection. Her voice carries the essence of tranquility, each chant unfolding like a soft prayer, a return to presence. Rooted in sacred repetition and silence between the notes, Rina’s voice invites listeners to slow down, breathe, and come home to themselves. 

 

Through simple, spacious sound and guidance, she channels frequencies of peace, remembrance, and quiet transformation. Her sound is not performance, it is a threshold.


Her debut seven track mediation and mantra album "Whispers of Rain" is "born from seeking refuge that led me inward to finding a mantra within." She continues, "Each piece was intentionally chosen and composed to guide us toward healing and transformation — with the power of ancient wisdom and soothing modern sound. What lives in these soundscapes is alive in all of us. It's an invitation to slow down, listen deeply, and find your way back to your own light, your own universe. We are all on this journey together.

For over two decades, Rina has held space for healing through mindfulness, coaching, and creative expression. Her music is a meditation. It’s an invitation to slow down, breathe, and return to the heart.




Luby Sparksが2026年2月11日に世界発売されるゲーム「ROMEO IS A DEAD MAN」(対応ハード: PS5/Xbox Series X|S/Steam)のために書き下ろした新曲をリリース。4曲入りのEP「ROMEO IS A DEAD MAN」が本日リリース。先行公開されたライブ動画等と配信リンクからEPを視聴可能です。


▪︎EN

Luby Sparks has released a new song written specifically for the game ‘ROMEO IS A DEAD MAN’, which will be released worldwide on 11 February 2026. The four-track EP “ROMEO IS A DEAD MAN” is released today.


Luby Sparks「ROMEO IS A DEAD MAN」-EP




Digital | LSEP-13 | 2026.04.17 Release | Released by AWDR/LR2


配信URL:

[ https://lubysparks.lnk.to/RIDM ]


Luby Sparksが2026年2月11日に世界発売されるゲーム「ROMEO IS A DEAD MAN」(対応ハード: PS5/Xbox Series X|S/Steam)のために書き下ろした新曲をリリース。


「ROMEO IS A DEAD MAN」は、世界に熱心なファンを持つ、ゲームディレクターの須田 剛一が代表を務めるGRASSHOPPER MANUFACTURE INC.による新作でLuby Sparksは、オープニング、ゲーム内、エンディング用に4曲を提供した。


ゲームのオープニングに起用されている「Liar」は、ゾンビゲームにあわせたインダストリアル・オルタナティヴ・サウンド。2月13日にデジタルリリース。続いて、3月06日にリリースされる「nothing left, we don’t know why」は、ゲーム内の各章の最後で流れる。オープニング「Liar」とは対極にあるドリーミーなインディポップ。「Romeo」は、ゲームのエンディングに起用されている楽曲で、メロディ、ヴォーカルラインがしっかりありながらもヘビーなサウンドと融合したヘビーシューゲイズ、オルタナティヴ・サウンドとなっており、3月27日にリリースされる。


そして、3曲に加え、「nothing left, we don’t know why」のシューゲイザー・ヴァージョンと言えそうな「nothing left, we don’t know why (Distorted Version)」を加えた全4曲のEP「ROMEO IS A DEAD MAN」が4月17日にリリース。


▪︎EN

Luby Sparks has released a new song written specifically for the game ‘ROMEO IS A DEAD MAN’, which will be released worldwide on 11 February 2026.

‘ROMEO IS A DEAD MAN’ is a new title from GRASSHOPPER MANUFACTURE INC., led by game director Goichi Suda, who boasts a fervent global fanbase. Luby Sparks provided four tracks for the opening, in-game, and ending sequences.


The game's opening track ‘Liar’, features an industrial alternative sound tailored to the zombie game. It will be released digitally on 13th February. Subsequently, ‘nothing left, we don’t know why’, released on 6th March, is the track that plays at the end of each chapter within the game. It is a dreamy indie pop piece, seemingly the polar opposite of the opening track ‘Liar’. ‘Romeo’ is the track featured in the game's ending. It blends a distinct melody and vocal line with a heavy sound, creating a heavy shoegaze, alternative sound. It will be released on 27th March.

And on 17th April, the four-track EP ‘ROMEO IS A DEAD MAN’ will be released, comprising the three original songs plus ‘nothing left, we don’t know why (Distorted Version)’, which could be described as a shoegaze version of the track.




Credit:

1. Romeo

Music : Natsuki Kato

Lyrics : Natsuki Kato


Vocal : Erika Murphy

Backing Vocal, Bass, Synthesizers & Programming : Natsuki Kato

Electric Guitar : Tamio Sakuma

Electric Guitar & Shaker : Sunao Hiwatari

Drums : Shin Hasegawa


Luby Sparks - Romeo (ROMEO IS A DEAD MAN) Official Lyric Video [ https://youtu.be/T7BjetHU-ps ]

Luby Sparks - Romeo (ROMEO IS A DEAD MAN Opening Theme) Live at SUPER DOMMUNE [ https://youtu.be/XLOkJuOmF6w ]


2. Liar

Music : Tamio Sakuma, Erika Murphy, Natsuki Kato

Lyrics : Erika Murphy


Vocal : Erika Murphy

Backing Vocal, Bass, Synthesizers & Programming : Natsuki Kato

Electric Guitar & Programming : Tamio Sakuma

Electric Guitar : Sunao Hiwatari

Drums & Programming : Shin Hasegawa


Luby Sparks - Liar (ROMEO IS A DEAD MAN Opening Theme) [ https://youtu.be/X5fduxfnz9E ]

Luby Sparks - Liar (ROMEO IS A DEAD MAN Opening Theme) Official Lyric Video [ https://youtu.be/sroFQ5rcmgk ]

Luby Sparks - Liar (ROMEO IS A DEAD MAN Opening Theme) Live at SUPER DOMMUNE [ https://youtu.be/LLXuiqO5iT4 ]


3. nothing left, we don’t know why

Music : Natsuki Kato

Lyrics : Natsuki Kato


Vocal : Erika Murphy

Backing Vocal, Synthesizers & Programming : Natsuki Kato

Electric Guitar & Acoustic Guitar : Tamio Sakuma

Electric Guitar : Sunao Hiwatari

Programming : Shin Hasegawa


Luby Sparks - nothing left, we don’t know why (ROMEO IS A DEAD MAN) Official Lyric Video [ https://youtu.be/kK35WXdNlhQ ]

Luby Sparks - nothing left, we don’t know why (ROMEO IS A DEAD MAN) Live at SUPER DOMMUNE [ https://youtu.be/mRuInrA-2qI ]


4. nothing left, we don’t know why (Distorted Version)

Music : Natsuki Kato

Lyrics : Natsuki Kato


Vocal : Erika Murphy

Vocal, Bass & Organ : Natsuki Kato

Electric Guitar & Acoustic Guitar : Tamio Sakuma

Electric Guitar : Sunao Hiwatari

Drums : Shin Hasegawa


All songs arranged by Luby Sparks (Erika Murphy, Natsuki Kato, Tamio Sakuma, Sunao Hiwatari & Shin Hasegawa)


Recorded by Kentaro Kikuchi, Shun Otaki at TSUBASA Studio

Assistant Engineer : Misaki Masuda

Mixed by Zin Yoshida at Garden Wall

Mastered by Kentaro Kimura (Kimken Studio)


Produced by Luby Sparks & Zin Yoshida


Artwork by Max Bloom



▪︎Luby Sparks

Natsuki (ba/vo)  Erika (vo)  Sunao (gt)  Tamio (gt)  Shin (dr)。2016年3月結成。2018年1月、Max Bloom (Yuck) と全編ロンドンで制作したデビューアルバム「Luby Sparks」を発売。2019年9月に発表したシングル「Somewhere」では、Cocteau TwinsのRobin Guthrieによるリミックスもリリースされた。2022年5月11日にMy Bloody Valentine、Rina Sawayamaなどのプロデュース/エンジニアを手掛けるAndy Savoursを共同プロデューサーに迎え、セカンド・アルバム「Search + Destroy」をリリース。


同年6月には、初のワンマンライブ「Search + Destroy Live」(WWW X) も行い、ソールドアウトとなった。10月にはタイでの海外公演、2023年3月全米7都市にて「US Tour 2023」、9月「Strawberry Music Festival 2023」を含む中国全7都市「China Tour 2023」、10月韓国、11月インドネシア「Joyland Festival」へ出演を行うなど海外での展開も積極的に行なっている。2024年5月にリリースした「Songs for The Daydreamers」EPに続き、2025年1月24日にも「Songs of The Hazy Memories」EPをリリース。


▪︎EN

Luby Sparks is a Japanese alternative rock band formed in 2016. The band’s current lineup is Natsuki (bass, vocals), Erika (vocals), Tamio (guitar), Sunao (guitar), and Shin (drums). The band’s self-titled debut album, Luby Sparks (2018), was recorded in London with Max Bloom (Yuck/Cajun Dance Party) as a co-producer. In 2019, they released a single titled “Somewhere,” which was remixed by Robin Guthrie (Cocteau Twins). In May 2022, Luby Sparks released their second album, Search + Destroy, which is produced by Andy Savours, a Mercury Prize-shortlisted producer and engineer in London, who is known for working with My Bloody Valentine, Black Country, New Road, and Rina Sawayama. 


The album launch show at WWW X in Shibuya held in June was successfully sold out. In October, they performed in Bangkok, Thailand. In March 2023, Luby Sparks were actively expanding overseas with their first headline US tour around seven cities (New York, Boston, Philadelphia, San Francisco, Seattle, San Diego, and Los Angeles). In September of the same year, they were touring in seven cities in China, including a show at Strawberry Music Festival 2023, followed by a performance in Korea, and the worldwide festival Joyland Festival 2023 in Indonesia. Following the release of the last EP Song for The Daydreamers released in May 2024, new EP Song of The Hazy Memories will be released on January 24th, 2025.


[ https://lubysparks.lnk.to/bio_top ]



▪︎ROMEO IS A DEAD MAN(ロミオ・イズ・ア・デッドマン)


2026年2月11日(水)発売 画面を覆わんばかりの血飛沫が飛び交う「ブラッディアクション」のカタルシス!

宇宙を舞台にプレイヤーの混乱を誘なうストーリー!

GRASSHOPPER MANUFACTURE INC.(グラスホッパー・マニファクチュア)が突きつける完全新作アクション・アドベンチャー、名付けて“ウルトラ・バイオレント・サイエンス・フィクション”!


本作は、主人公ロミオ・スターゲイザーの後方から見た三人称視点のアクションバトルを軸に、章仕立てで進む1人プレイ専用のアクション・アドベンチャーゲーム。

予測のつかないストーリーと激しいアクションバトル、さまざまなサイドミッションがプレイヤーを待ち受ける。


・時空を超えた冒険活劇ストーリー


物語の舞台は、とある事件によって分断され、消失してしまった宇宙。巻き込まれ、半死半生となった主人公ロミオは、強烈なテクノロジーによって復活。FBIの通称「時空警察」捜査官となり、時空を跨いで跋扈する凶悪犯たちと対峙する。同時に前触れもなく姿を消した恋人ジュリエットの足跡を追ううちに、ふたつの事象は重なりはじめ……。「デッドギア」と呼ばれる多機能マスクを被り、時空を駆け巡るロミオがたどり着く先は?


【ゲーム作品詳細】https://romeo-is-a-dead-man.grasshopper.co.jp/



このアルバムを聴くたびに、私が作り上げた世界へと続く切符を手にすることになる。その感覚をあなたにも感じてほしい。あの雨の降る冬に私がそうだったように、あなたもそこに逃げ込めることを願っている。


私が10代の少女から大人へと変わった、その瞬間をはっきり覚えている。女性へと。あるいは、少なくとも、初めて「女性になりたい」と願った瞬間。あの秋の間ずっと、私はただ「スランプ」に陥り、「音楽が好きじゃなくなった」と感じていた。みんなが心配してくれた。あんなに落ち込んだことは今までなかった。それは化学的な理由からじゃなかったから――人生で初めて、本当に「すべてうまくいく」と信じられなくなった。自分の未来が全く見えなくなった。書く気になれなかった。書く時間が「足りない」ように、毎日を気晴らしで埋め尽くした。


夜遅くまで起きて、自分を受け入れてくれる地元の修道院をググっていた。聞かれる前に言っておきたいけど、そう、私は昔からこんなにドラマチックな人間だった。12月4日、エリザベス・フレイザーの曲を聴いた後、ようやくまた良い曲が書けた。その夜遅く、テレビを見ながら姉と母と話した直後に、きちんと書き上げたんだ。たぶん、私はこう言ったと思う。「でも、もう怒りの曲は書けない、ヒットソングも書けない。ただ、美しい曲にしたいだけなんだ」


私は全然怒ってなんかいなかった。狂おしいほど恋に落ちていて、「女の子」じゃなくて「女性」になった気がしていた。怒りや子供っぽさではなく、美しく、知的な音楽を作りたかった。ステージに上がっても、何をすべきか、どう振る舞えばいいのか分からなくてうんざりしていた。フィオナ・アップルやPJハーヴェイ、ケイト・ブッシュ、ジェーンズ・アディクション――そんな名手たちの音楽を聴いていた。それがずっと私の使命だったことを忘れていたんだ。私もそうなるということが。


すると彼らは言った。「でも、それでいい! そういう曲を書いてもいい! 何を書こうと自由なんだ!」それは本当に私が忘れていたことだった。何を書こうと自由だ、と。私は小屋へ駆け込み、『Ropeburn』のリフを書いた。そしてこの曲がすべてを変えた。何かが解き放たれ、私は再び正しい道に戻った。あの未完成の曲こそが、文字通り私のすべてだった。そして私はその曲に絶大な自信を持っていたため、すぐにレーベルのチームミーティングを招集した。


私たちはパブにいたが、私は水しか飲まなかった。自分がどれほど真剣かを示したかったのだ。私は言った。「次のEPをキャンセルして。(すべてをキャンセル。)」「今、私は世界を創りたいんだ」


彼らは驚いていた。あんなに真剣な自分の姿を見たことがないと言い、すごくすごく興奮していた。私には、何か良いことを成し遂げそうなオーラが漂っていたらしい。私は準備万端だった。小屋も整えていた。中のソファを捨て、友達とのセッションは禁止にした。そこは音楽のためだけの場所であり、私は音楽と再び恋に落ちなければならなかった。再び音楽を尊重し直さなければならなかった。自分へのルールを定めた。- これは良いか?- 気に入っているか?- 真実か?


あれから、二度と、ミドルエイトやリフのない曲は書かないと決めた。うねるベースラインやドローン、巨大なギター、ハーモニー、繰り返されるコーラス、そして容赦なく加速していくような展開を盛り込むことに決めた。同時に、陽光や霧、きらめき、陶酔感のような要素も取り入れることにした。


その後の3ヶ月は、英国史上最も雨の多い記録となった。私は引きこもり、引きこもり、実験に実験を重ね、お茶を何杯も飲み続け、ついにこのアルバムを完成させた。私がこれまで見てきた、デビューアルバム制作を題材にしたロック・ドキュメンタリーはどれも、女の子たちやコカイン、それからバンド内の喧嘩ばかりだったが、このアルバムは違った。ホルモン全開の女の子一人、かなりの量のマリファナ、そして自分の意志通りに操ろうとするLogic Proのエレクトロニック・ドラマーとの戦い――カイルは、結構な小悪党になることもあるんだ。


このアルバム全体を通して、ある特定の世界が見えてきた。それは、『大草原の小さな家』を読みふけった私の子供時代、あの広大さによって強く形作られていた。私の名前の由来でもあるローラ・インガルス・ワイルダーが、広大な大草原を歩いた時、自分がその一部だと感じたと言っていた。その広大さが、彼女自身も大きく感じさせてくれた。私は彼女のように感じた。自分はちっぽけだと感じ、大きくありたかった。


海や山、平原や雲のようでありたかった。それらにはすべて明確な目的があったが、私にはもうなかった。私は神経衰弱に陥っていたわけではなく、旋風を巻き起こすハリケーンだったのだ。私は頑固なわけじゃない、山なのだ。泣くことが情けないことではない。雲がそうではないのだから。


だから、自分が誰なのかもわからずに小屋に入った私は、一年後、アルバムを手に持ち、自分が誰なのかをはっきりと知って出てきた。大人になる方法を、自分の中に世界を築き、それを外へと押し出す方法を学んだ。人からではなく、空や雨や山や音楽から、どうすれば大きくあり続けられるかを。もしあなたがホルモンバランスの乱れや神経の多様性を持っているなら、正直なところ、これらはあなたにとってはるかに優れ、より正確なロールモデルになるはずだ。--(Eaves Wilder)
 


Eaves Wilder 『Little Miss Sunshine』- Secretly Canadian

 

最初はチープなアルバムのような気がしていた。けれども、他方、このデビューアルバムには、イーヴズ・ワイルダーのただならぬ意気込みと熱量が感じられる。気負いもあるかもしれない。しかし、小賢しさはデビューアルバムには必須ではない。そんなものは、二作目か三作目、それ以降でも十分出来ることではないか。上手いか下手かは二の次だ。それをやりたいという心からの熱望がちょっとした状況を揺り動しもする。聞き手は、その衝動や熱量に釣り込まれるようにし、独特な雰囲気を持つインディーロック、あるいはインディーポップのワンダーランドにいざなわれる。何度か聴き続けると、印象がだいぶ変わって来る。意外にも聴き応え十分のアルバムだ。結局、アルバムというのは、どれくらい熱量を詰め込めるのかに尽きる。そういった独特なエネルギーに欠けるものは、聞き手の心を揺り動かすことが難しい。結局、上手いか下手かは二の次。何らかの熱量がこもっているアルバムは聴き応えがある。

 

『Little Miss Sunshine』は、当初はEPになる予定だったというが、フルアルバムに変更された。レーベルのチームミーティングの際のスタッフの驚きの様子が浮かんでくる。ミニアルバムで、音楽市場の様子を伺ったほうが良いのではないでしょうか......。フルレングスはもう少し経験を積んでからでも良いのでは....。しかし、才能は出し惜しみしていると、何も出てこなくなる。ワイルダーは結局フルレングスを完成させた。誰しもそれが出来るという確信があったから出来るのではなく、一つずつ挑戦していっただけである。


たしかにこのアルバムはボリュームがある。スランプを経てから、それでも曲を書きたいという熱望は、明確にイギリスのシンガーのデビュー作に宿り、独特な輝きを放つ。今作の冒頭から、女性シンガーらしからぬ強度を持ったアルトロックソングが始まる。デビューアルバムとはミュージシャンやバンドにとって最初の物語である。しかし、すでにその序章は、ワイルダーにしてみれば、何年も前から始まっていた。その思いがドッと溢れ出た形だ。良い曲かどうかはわからない。しかし本当に気持ちのこもった音楽は、たしかに誰かの心を動かす力がある。

 

世間の評判を意識すれば、軽率なインディーポップアルバムになっていたかもしれない。怪しげなインタリュードを取り入れた、いかにもつまらない冗長なアルバムになっていただろう。しかしながら、何が好きかという自問自答は、多少ありきたりだが、アンセミックなロックアルバムを完成させる要因になった。ロックはすでにダサくなったのか、自分の好きという感情を無視してまでトレンドを取り入れるべきなのか。しかし、このアルバムを聴くかぎり、答えは否であろう。戦略などははっきり言えば、ほとんどなんの役にも立たない。音楽は資格試験ではないのだから。結局のところ、他者からどう見られるかという意識をかなぐり捨て、奏でられたり、歌われるロックソングの威力は偉大である。一般的な常識人が持つ固定観念を乗り越えることに成功したのだから。固定観念を打ち破る、これこそが、ロックソングの命題でもある。ロックだけにかぎらず、すべてのジャンルのミュージシャンはそうであったほしいものだ。

 

そういった意味では、ロンドンのシンガーソングライター、イーヴス・ワイルダーは見事に固定観念をぶち破り、ハリケーンガールになった。ミュージシャンになるというのは、新しい自分を見つけたり、生まれ変わるということなのだ。「Hurricane Girl」はアコースティックギターで始まり、 その後、90年代のブリットポップの流れを汲みながら、どことなく夢想的な感じがするロックソングに移行していく。旧来は、男性ボーカルが主流だったスタイルだったが、今では女性シンガーにこの形が受け継がれた。ロックンロールのギターが静けさを打ち破る。典型的なロックソングのギターリフ。イーヴス・ワイルダーのボーカルは、アルトポップの雰囲気を残しつつ、エリザベス・フレイザーのような夢想的な感覚を呼び起こす。ロックとポップの中間にある巧みな歌唱法により、見事にこのオープニング曲を先導していく。早くもこの曲では、ミドルエイトの効果が発揮され、三分以降でアンセミックなサウンドを呼び覚ます。


「Just Say No!」では、ガレージロックにちなんだ荒削りなギターリフで始まり、 ダンスロックやダンスパンクを意識したサウンドが続いている。この曲は、Primal Scream、Gorillaz、KASABIAN、The Killersといったダンスロックを女性的な雰囲気を持つ音楽性に組み替えており、新鮮味が感じられる。スタジアムロック調のロックソングはドリームポップに近い夢想的なボーカルと合致し、ダンスミュージックの流れを踏まえながら、エネルギッシュでアンセミックなロックソングへと移ろい変わっていく。

 

こうした中で、早くもアルバムの象徴的な楽曲が出てくる。三曲目の「Everybody Talks」は、ダンスミュージック(ハウス)風のキックの4つ打ちから徐々に音楽が華やかになり、サビで最高潮に達する。いわば基本的なポップ/ロックソングである。

 

イントロでは、夢想的なボーカルが優しげな印象を放つが、効果的なセクションを交えつつ、ダイナミクスを増し、爽快感に満ちたサビに繋がっていく。特に、ボーカルの側面では、繰り返しのフレーズを効果的に使用して、掴みや取っ掛かりを作っている。歌詞は、結局、リズムと連動するので、語感の側面で何らかの取っ掛かりのような箇所を用意しておくに越したことはない。そして言葉の語感によって、一定のグルーヴを生み出すことが大切である。この曲の場合、「everybody talks」と対句をなす「I can never win」というフレーズが呼応するような形となっている。結局のところ、この対句のボーカルが出て来たときに、奇妙なカタルシスが得られる。

 

この曲が、魅力的に聞こえるのは、サビでタイトルを何度も繰り返しながら、ディストーションギターの迫力あるサウンドを背景に、文字通りアンセミックな嵐を呼び起こすからである。アンセミックとはシンプルに言えば、メロディーを口ずさめること、ついつい歌ってしまうことに尽き、その見本や模範例が示されている。この曲では、メタルやハードロックに近いエネルギッシュなサウンドがサビで形作られ、力強い音楽的な印象を生み出している。サビの後に訪れるギターソロも良いバイブレーションがあり、爽やかな印象を生み出す。旧来の日本のポップソングの構成に近く、二つ目の間奏では、転調するシークエンスがある。全体的には、構成的な力量と良質なメロディーが合致し、素晴らしいハイライトが生み出される要因となった。

 

 「Everybody Talks」

 

 

 

曲の収録曲の順序も練られていて、激しい曲の後には、比較的穏やかな印象を持つ曲が並置される。「Mountain Sized」は、ブリット・ポップをベースにした一曲で、UKロックの自家薬籠中とも呼ぶべき典型的なボーカルの節回しや旋律進行が登場する。オアシスはもとより、ザ・スミスの系譜にあるといえ、それらをアルトポップに置き換えている。この曲では、スポークンワードほどではないが、オアシスのようにボーカルの旋律を暈したりしながら、クールな雰囲気のサウンドを作り出す。轟音と静寂の対比を用いながら、流れに富んだ一曲を作り上げる。特に、ボーカルからシンセサイザーへと主旋律が受け渡される瞬間、カタルシスが得られる。ボーカリストとしても、制作者が語るように、少女から大人への転身を感じさせる瞬間もある。

 

異色の一曲「The Great Plains」のイントロは、ミステリードラマや映画を思わせる。映画的なポップソングで、エレクトリック・ピアノの演奏から始まり、スコットランドのアノラックやネオ・アコースティックを彷彿とさせる軽やかなインディーフォークサウンドへと移行していく。この曲でも、The Smithsのようなサウンドが登場し、それはギターとベースの兼ね合いが強い印象を放つからなのかもしれない。憂いと哀愁にみちあふれたサウンドから、最終的にはボーカルの性質も相まって、シンディ・ローパーのような軽やかでカラフルな風味を持つポップサウンドが出てくる。特に、イーヴス・ワイルダーは特異な声質を持つが、その辺りの個性的な性質がセクションごとに反映されている。また、歌詞の世界はシリアスになりすぎず、「I Wanna Be Cowboy Mama」のようなユニークな節回しを用いながら、特異なポップセンスを発揮する。音楽そのものは多彩であり、ポップに傾倒したかと思えば、ロックに傾倒することもある。こういった中間層にあるバランスの取れたサウンドと、ボーカリストとしての個性が絡み合う。

 

日常的な一コマを描写した「English Tea」は、ジャズやブルースに近いポップソングである。息の漏れるようなワイルダーのボーカルはゆったりしたリズムや、ジプシー風の音楽性の中で、夢想的な音の構成を作り出す。 この曲はThe Style Councileのようなジャズポップの流れを汲む。ポール・ウェラーのようなクールさは、アンニュイでファンシーな音楽性に変化している。最終的にはダブのベース、ドリーミーなボーカルが連動しながら、幻想的なアウトロへと向かっていく。 

 

アルバムの制作の最初の原動力となった「Ropeburn」は80年代のカルチャー・クラブのようなサウンドを彷彿とさせつつも、力強さを持つ楽曲に生まれ変わっている。憂いや物悲しさといった雰囲気を込めて、その中でロックソング的な力強さを発揮している。サイドストーリーとしてはシンガーがスランプの悲しみの底から立ち上がる瞬間を描き出した痛切な一曲でもある。この曲に漂う歌謡的な雰囲気は、アルバムの副次的な主題に位置づけられる。悲しみをモチベーションとし、そこからシンガーが生まれ変わるプロセスを描き出している。曲にほんのりと漂うゴシック的なボーカルのセンスにも注目したい。アルバム全般は、ブリットポップの次世代の音楽に位置づけられ、基本的にはUKミュージックの典型的なスタイルが示されている。

 

しかし、それだけではない。「LA」では、ラナ・デル・レイのようなサウンドが立ち上ってくることもある。これらはポップスターへの憧れともいうべきもの。しかし、中盤の収録曲におけるマイナー調の曲の中から、オーケストラ・ポップのようなサウンドが立ち上ってくるとき、心が洗われるような清冽なポップサウンドを捉えることが出来る。中盤以降の曲の中で、ワイルダーは効果的なコーラスの歌唱を披露しているが、それらがより神聖な雰囲気を持つ瞬間が出てくる。女性シンガーの魅力とは、世の中の環境に翻弄される中で、こういった清らかな雰囲気を持つ空気感が出てきて、その人が自らの神聖な一面に触れる瞬間である。結局、それらは生きていく中で、身にまとわりついた埃塵を払うような、言ってみれば、浄化のような瞬間でもある。この曲ではそういった女性シンガーならではの神聖な空気感を感じることが出来る。また、それはやはり少女ではなく、大人になった段階で生み出されるものなのかもしれない。しかし、反面、そういった大人の中から少女性のようなものが汲み取れる瞬間でもある。


ありふれた日常から特異な感覚を見つけ出そうとする。それが『Little Miss Sunshine』の本質でもあり、ミステリアスなベールを身に纏うイーヴス・ワイルダーの文学者的な実像でもある。それは言い換えれば、どこかにいそうでいない、ミステリアスなタイプのシンガーとも言える。アルバムの終盤の2曲は、80年代のダンスポップに傾倒しているが、それぞれに雰囲気が異なる。「Daisy Chain Reaction」ではシンガーが影響に挙げるJanes Addictionからのヘヴィネスや、グランジのようなサウンドのフィードバックを活かし、両極的なサウンドを生み出している。

 

最終曲では、女性的な激しさの感情性をインディーポップソングの中に上手く落とし込んでいる。あるいは、「Summer Rolls」では、何かしら名残り惜しいような空気感を残し、ララバイに属するインディーポップソングを発露させ、アルバムを締めくくっている。全般的に感じるのは、全10曲は、単なる音源ではなく、感情の発露をどのように音楽形態と結びつけるかという試作の経過だったのだろう。それらは、フィオナ・アップル、PJ Harvey、ベス・ギボンズのような象徴的な歌手が探ってきた。だから、部分的には不格好で、洗練されていない箇所もある。このデビューアルバムには、典型的なポップソング集とは対象的に、意図的に欠点のような箇所が残されている。しかし、もし、未だ洗練されていない荒削りな部分がその人の才能だとしたら.......。イーヴス・ワイルダーのソングライターとしての潜在能力はまだまだ底知れない。

 

 


84/100

 

 

「LA」

 

 

▪  Eaves Wilder 『Little Miss Sunshine』は本日、Secretly Canadianから発売。ストリーミングはこちら

▪Shane Sato × Coastal × Glen Turner IIが描く夕暮れの海岸線を駆け抜けるダンスチューン スムースジャズの質感とハウスのエネルギーが交差する新曲「Pulse」



「Pulse」は、Shane Satoが2026年5月にリリース予定のニューアルバム『Wavelength』へ向けた第5弾にして最終シングル。プロデューサー/DJ/アーティストのCoastal、そしてLAを拠点とするテナーサックス奏者Glen Turner IIとのコラボレーションによって生まれた本作は、スムースジャズの質感とハウスのエネルギーが溶け合う一曲となっている。


四つ打ちの安定したグルーヴを軸に、パンチの効いたエレクトロニックドラムと生のアコースティックドラムが重なり合い、Glen Turner IIの伸びやかなテナーサックスが楽曲の抑揚を導いていく。楽曲がクライマックスへと向かうにつれ、Turnerによる力強いサックスソロが感情の頂点を描き出す。ダンスフロアの高揚感と海辺の白昼夢が交差する「Pulse」は、夕暮れの波に乗るような開放感と躍動感をまといながら、『Wavelength』の核にあるジャンル横断のスピリットを象徴する作品となっている。また、この曲は、シティ・ポップや西海岸のチルウェイブの系譜にあるインストのジャズ曲。爽やかな印象に縁取られている。ドライブのBGMとしても最適かもしれない。

 


 

Shane Sato:



LAを拠点に活動する日系アメリカ人のマルチインストゥルメンタリスト、プロデューサー、ソングライター。南カリフォルニアで育ち、5歳でドラムを始めた後、ギターやピアノへと演奏の幅を広げ、ロックバンドやジャズグループなど多様な現場で音楽的基盤を築いてきた。2017年にLAへ移住後はセッションミュージシャンとしてキャリアを重ねながら、自身のオリジナル作品にも注力。

 

Coastal:



10年以上にわたりエレクトロニックビートとメロディックなグルーヴを磨き続けてきたアーティスト/プロデューサー。サンディエゴ出身で、カリフォルニアの海岸沿いの空気感を映し出すような、スムースでリズミックなサウンドを特徴とする。


Glen Turner II:



ロサンゼルス南部サウスベイを拠点に活動するサックス奏者、マルチインストゥルメンタリスト、コンポーザー。自身のプロジェクトやスタジオワークと並行して、Marcus Miller、Billy Idol、Poncho Sanchez、Kamasi Washington、Bill Cunliffe、Arthur Verocaiなど多彩なアーティストと共演し、現代ジャズシーンにおいて存在感を放っている。


三者の個性派のミュージシャンが織りなす海風のように軽やかで、ダンスフロアの鼓動のように力強い「Pulse」は、『Wavelength』へと続く物語を鮮やかに予感させる。

 


Shane Sato 「Pulse feat. Coastal, Glen Turner II」- NEW SINGLE


アーティスト:Shane Sato

タイトル:Pulse feat. Coastal, Glen Turner II

ジャンル:Jazz House, Nu Jazz, Acid Jazz

発売元・レーベル:SWEET SOUL RECORDS 

配信URL: https://lnk.to/shane-sato-pulse

Squarepusher 『Kammerkonzert』 


Label: Warp

Release: 2026年4月10日

 

Review

 

Squarepusherによる新作アルバム『Kommekonzert』 は、四の五の言わずに聴いておいたほうが良い作品。1990年代からイギリスのエレクトロニックシーンを牽引してきたスクエアプッシャーは今回、ソロ演奏を中心とするオーケストラアルバムに挑戦した。カマーコンツェルトは室内楽の意味で、エレクトロニック、ジャズ、モダンクラシカルをクロスオーバーする作品である。

 

中心的な役割を担うのが、ドラムやシンセサイザーのWurlizerのような鍵盤楽器である。 トム・ジェンキンソンは、2000年以降はジャズベーシストとしてのソロアルバムも残しているが、ご存知の通り、スクエアプッシャーを名乗る前、アートスクールの在籍時から手作りのドラムを制作し演奏していたことを考えると、ドラム奏者でもあるわけである。このアルバムは、オリヴィエ・メシアンやブーレーズのようなミュージック・セリエル(シェーンベルクほどには厳格でない十二音技法)、半音階法、モダンジャズをかけあわせた作品である。また、Wurlizerのような鍵盤楽器は電子音楽のチェンバロのような効果を生み出し、独創的な音楽世界が構築される。近年のWarpのカタログの中では随一の作品で、スクエアプッシャーの代表作がここに誕生した。これまでのスクエアプッシャーの作品中でも最高傑作の一つでははないかと思う。

 

このアルバムはシンプルに言えば、電子音楽とオーケストラの仮想的な共演がポイントとなる。また、メシアンやシュトックハウゼン以降の現代音楽の協奏曲、あるいは交響曲である。明確にコンセプト・アルバムの一貫としての狙いがあり、作品は簡潔なタイトルに数字が加えられたのみ。まるでこのアルバムは、スクエアプッシャーが作り上げた壮大な建築の中に入り込み、その中で、いくつかのエポックメイキングな出し物やアトラクションを楽しむような趣がある。しかし、それは単なる演出のようなものではない。一つ一つが緻密であり、精密機械のように精巧な音の作り。音の職人として90年代以降名を馳せてきたミュージシャンは、およそ30年間の音楽的な蓄積と経験を駆使して、一つの高みへと上り詰めた。 

 

アルバム全体の曲に共通しているのは、無調のスケールや旋法であり、それらの音形の連なりがまるで建築やプログラミングの設計図のように縦横無尽に駆け巡り、音の建造物を作り上げていく。


スクエアプッシャーは、調性音楽が出来ないというわけではないので、これらは明らかの緻密に計算されたミュージック・セリエルの手法である。シロフォン、マリンバなどの打楽器系統の音階がセリエル音楽を作り上げたかと思うと、やはりシンセサイザーのスケールや旋法が無調音階のスケールを作り上げる。その中で、ジャズドラムが一定/変則のリズムを刻むが、ティンパニーのようなオーケストラ楽器とは異なり、細かなダイナミクスの変化やレゾナンスの変化を用いながら、奇妙な音楽空間を構築していく。まるでそれらはバルセロナのサグラダ・ファミリアの建築を眺めるようなものである。中央に巨大な尖塔がそびえるかと思えば、微細な箇所には驚くべき精密な音のデザインや装飾が施されている。しかも、それらはフーガやカノンのような音階の追走形式を取ることもある。そして一見散らばっているように思える音階の連なりが、ユニゾンで結合する時、迫力に満ちた音の大スペクタクルが生み出される。このアルバムを聴いて思うのは、かつてこのような音楽がどこかに存在したかということである。スクエアプッシャーは間違いなく、ゼロから一を生み出す現代の正真正銘の天才音楽家である。

 

 

 「K1 Advance 」では、冒頭からシロフォンの演奏が導入され、シンセとドラムを中心にミュージックセリエルの形が示される。シンセサイザーの使用法が面白く、サックスや吹奏楽器のような使い方で無調音階のユニゾンが流れていく。何か奇妙な現代絵画に接するような形でシュールレアリスティックな音楽が示される。音楽だけではなく、絵画や芸術的な趣が感じられる。


一方、「K2 Central」は先行シングルとして公開された曲である。従来のスクエアプッシャーの音楽性の延長線上にあり、エレクトリックベース、生と打ち込みのドラム、シンセを用いたジャズ風のパッセージが主な特徴である。しかし、2000年代以降のスクエアプッシャーの主要な楽曲とは異なり、 激しさやノイズではなく、静けさに焦点が置かれている。特に、ピンと張り詰めたような緊張感を持つ静寂がシークエンスの中で、どのポイントに出現するのかに注目したい。


「K2 Central」

 



現代音楽とジャズの中間にある音楽がアルバムの序盤では続いていくが、その中には熟練のエレクトロニックプロデューサーらしい曲が出てくる。「K4 Fairyland」は、おそらくドラムンベースを基本とする曲で、ドラム、シンセサイザー、ストリングスを交えて展開される。エイフェックス・ツイン風のドラムンベースのドライブ感に満ちた曲であるが、唐突な休符を織り交ぜ、意外な音の印象を作り上げる。これもまた音の要素の飽和という局面をよく知る音楽家としての蓄積が、どこで音を消すのか、という新しい境地に向かわせたといえる。 この曲では、音形の調を移行させるカデンツァ進行によって、終止形の解決を後に引き伸ばし、それを延々と続けていくという特異な作曲技法が取り入れられている。クラシック音楽では、オスティナートと呼ばれる箇所で、それらの技法を用いながら、摩訶不思議な音の印象を作り上げていく。ゲーム音楽のサントラのような印象を持つ曲で、BGMの制作者の手腕が発揮された瞬間。

 

続く「K5 Fremanle」は、スクエアプッシャーとしては珍しく、アコースティックピアノをイントロに配置している。ダブのような奇妙な音響効果を施し、音がドローンのように変調していくミステリアスな印象を持つ導入部。それからこの曲は急激な展開を織り交ぜ、弦楽器のドローン奏法などを織り交ぜながら、メシアンやブーレーズのような現代音楽へと傾倒していく。ブーレーズと制作を行ったことがあるフランク・ザッパもおそらく驚愕するであろう一曲だ。メシアンや武満徹の作風を彷彿とさせるピアノと弦楽器による協奏曲として成立している。

 

特に、曲の後半での弦楽器の無調の音階を基にしたハーモニーには独特な美しさが宿っている。ピアノの演奏は短音階とアルペジオを中心に展開されるが、ドローン奏法の弦楽の重奏とどのような音響効果を及ぼすのかに着目したい。ここには間違いなく新しい音の響きが発見できる。アルバムの冒頭から張り詰めたような独特な緊張感が続くが、「K6 Headquarters」はどことなく平穏な境地を感じさせる。 フルートのような管楽器(もしかするとシンセかもしれない)とシンセをユニゾンさせ、その背後でジャズドラムの前衛的な演奏が繰り広げられる。時折、弦楽器の演奏を織り交ぜながら、全体的な音のダイナミクスが最高潮に達する。相変わらず、シュールな一曲で電子音楽とオーケストラ曲の中間にある個性的なサウンドが構築されている。

 

「K7 Museum」はモスキート音のイントロで始まり、Wurlizerのような音色の楽器が登場し、華麗なパッセージが繰り広げられる。スクエアプッシャーの代名詞とも言えるクールな主題が中心となり、ジャズとクラシックの中間点にある新鮮味のあるクロスオーバー音楽が展開される。背景となるエレクトリックベースの演奏はファンクを基礎にし、曲の主旋律となるWurlizerのような楽器のパッセージを背後で支えている。この曲に宿るフリージャズのような即興性や計算され尽くした音の配置や曲展開は、本作の聞き所やハイライトになるに違いない。間違いなくスリリングな音の楽しみがある。また、それらは計算されたものと即興性の間に作り出される。特に計算されたものの中では、バロック音楽や古典音楽からの影響であり、演奏の中にはカノンやフーガのような追走形式の箇所も登場する。これらは、結局、ジャズやエレクトリック、そしてプログレッシヴロックを通過し、最終的に現代の音楽という形でアウトプットされる。特に、複数の楽器がユニゾンで強調される瞬間、新しい音響性を発見することが出来る。

 

 

このアルバムはミュージシャンとしての総決算とも言える内容で、それはまたミュージシャンとしての半生を描いたようなものである。ドラマティックな表現をそれほど好まない印象もあるが、つまり、これらの楽曲はミュージシャンとしてのポートレイト代わりでもある。「K8 Park」ではベーシストとしての豊富な経験を活かし、清涼感のあるジャズソングを制作している。


「K9 Reliance」ではグラウンドベースの音楽的手法を駆使し、ミニマルミュージックをジャズと結びつける。シロフォンの演奏はやはり、ミュージックセリエルの一貫である無調音階を作り上げる。これらの広汎な作曲の知識は後発のミュージシャンにとって大いに学ぶべき点があるに違いない。また、無調音楽でもこれほどに自由闊達な音楽、あるいは精細感のある音楽が作れるというのは驚きである。これらはどちらかと言えば、おそらく楽譜のような下地を用意した上での即興的な録音がこういった精細感のあるレコーディングを質感をもたらしているのではないか。

 

かなりのボリュームで聴き通すのも一苦労だったが、それ相応の価値があるアルバムである。次々に移り変わるフレーズ、それらが強調されたり、縮小されたり、引き伸ばされたりする。これらの流れの中で、プログレッシヴロックをクラシックやエレクトロニック側から見た「K10 Terminius」、「K11 Tideaway」、「K13 Vigilant」は本作の最もエキサイティングな箇所でもある。

 

「K11 Tideaway」では、管楽器やシンセサイザーの音色を中心にスクエアプッシャーの音楽的な美学のようなものが反映されている。それは音楽が必ずしも和声法から作り出されるのではなく、もう一つの旋法やスケールの連続が重層的な音の空間を作り上げ、予め想定できなかったような偶発的なサウンドが生み出される瞬間である。その偶然性の中に、スリリングな音の響きが生まれ、これまでになかった新しい表現が出てくる。「K11 Tideway」「K13 Vigilant」は、やはりセリエリズムを中心に構成され、 お世辞にも聞きやすい曲とは言えないが、音楽そのものが持つスリリングな響きが宿っている。曲を平面的に捉えず、立体的に考えるという点において、スクエアプッシャーの音楽はどことなくストラヴィンスキーに近い印象がある。この曲では、音形が組み合わされ、全方向からそれらの旋律が別の楽器によって登場したりする。

 

しかし、先述したように、音楽的な激しさや刺激性も示されつつも、全体的にはそういった轟音性の中から汲み出される静寂が大きなポイントとなっている。アルバムの最後を飾る「K14 Welbeck」は、ミシェル・ウェルベックに因んでいるのだろうか。パイプ・オルガンによるバロック音楽で、このアルバムは締めくくられる。このアルバムの中で、唯一、調性音楽を用いて演奏されるが、部分的には、無調の音階が混在する。Kit Dowesの系譜にある一曲とも言えるだろう。この曲は、宗教音楽を意識していて、癒しや安らぎすら感じさせる。これはミュージシャンとしての新たな冒険が始まったことを示唆する。2000年代の最高傑作『Ultravisitor』から大きく音楽性は変化したが、やはり、スクエアプッシャーの天才性は今なお健在である。そう、ミュージシャンとして年を重ねるということは、幸福なひとときが増える場合もあるのだろう。 

 

 

96/100

 

 

 

「K7 Museum」


オーストラリアのポップ界で注目を集める新星、ジョーダン・アンソニー(Jordan Anthony)の新曲「Wrong Impression」がリリース。

 

「Wrong Impression」では、ジョーダンは内省し、人生で初めての真剣な別れがもたらした感情の余波を赤裸々に綴っています。心の独白として書かれたこの曲は、誰かが自分の世界のすべてだと信じていた状態から、実はその人を全く理解していなかったかもしれないと気づくまでの、混乱を極める変化を描いています。 

 

「この曲は、初めての別れを経験した後に自分の中で繰り広げた内なる独白のようなものです」とジョーダンは語ります。「『どうしてこんなに間違えてしまったんだろう?』という気づきと、すべてがあっという間に変わってしまうという現実を描いた曲です」

 

 サウンド面では、「Wrong Impression」は胸が張り裂けるような脆さと爆発的なポップ・プロダクションを融合させ、ベンソン・ブーンやルイス・キャパルディといったアーティストの影響を感じさせる。その結果、静かな内省から始まり、やがて感情が爆発的に解き放たれるような楽曲が完成した。涙を誘う名曲であり、アンセムでもある。


このシングルは、2026年後半にリリース予定のデビューEPの展開に完全に移行する前の、最後の単独リリースの一つとなる。このシンガーは、『アメリカン・アイドル』のトップ14入りを果たして注目を集め、その後100万回以上の再生回数を記録し、Spotifyの「Peaceful Pop」「Fresh Finds Pop」「Next Gen Singer Songwriters」といったプレイリストにも選出されるなど、成功を収めている。


ジョーダン・アンソニーはオーストラリア生まれ、ロサンゼルスを拠点とするポップアーティストで、その音楽は成長、恋に落ちる、そして再出発といった感情の激動を捉えています。『アメリカン・アイドル』を通じて世界的な注目を集めたジョーダンは、テレビでのブレイクから急速に成長し、独自の声と深く個人的な視点を持つアーティストへと進化を遂げた。

 

「Hurt Me Sooner」「Reckless」「Lost in LA」といった楽曲を通じて、ジョーダンは感情をありのままに綴るストーリーテリング、高らかに響くボーカル、そして失恋をアンセムへと昇華させる才能によって、独自の道を切り拓いてきた。「Lost in LA」、「Existing」(Chloé Carolineとの共演)、そして今回の「Wrong Impression」を含む2026年のリリース作品は、新たな章の始まりを告げている。それは、さらなる脆弱性をさらけ出しつつ、サウンドをより壮大で映画的な、そして紛れもなく普遍的なものへと昇華させた章である。


ベンソン・ブーンやルイス・キャパルディといったアーティストからインスピレーションを得たジョーダンの音楽は、内面的な告白とアリーナ級の解放感の交差点に位置しており、ヘッドホンで聴くのも、大声で歌い上げるのも同じように心地よい楽曲となっている。


現在はロサンゼルスを拠点とするジョーダンは、過去1年半をかけて自身のサウンドとアイデンティティを磨き上げ、ブレット・クーリックやテイラー・スパークスといったコラボレーターと緊密に連携し、2026年後半にリリース予定のデビューEPに向けて準備を進めてきた。このプロジェクトは、彼にとってこれまでで最も完成度の高い作品であり、個人的な経験、クリエイティブな成長、そして人々とつながろうとするたゆまぬ情熱の集大成となっている。


深夜のドライブのBGMとして、あるいはロサンゼルス、シアトル、シカゴ(ヌール・コドルのサポートアクトとして)など各地でのライブパフォーマンスを通じて、ジョーダン・アンソニーは単なる楽曲のコレクション以上のものを築き上げている。それは、リスナーが自分を見てもらえていると感じ、理解され、孤独を少しでも和らげられるような世界を創り上げている。

 

 

 

 


 

Oneohtrix Point Neverが、2026年初のダブルシングル「Dim Stars / For Residue (Extended)」をWarpからリリースした。これらの曲は、アシッド・ハウスのようなトリッピーな響きもあるが、やはりイギリスらしいダンス/エレクトロニックの工業的な音響性に満ちあふれている。

 

「Dim Stars / For Residue (Extended)」は、昨年リリースされたOneohtrix Point Neverの11枚目のアルバム『Tranquilizer』および映画『Marty Supreme』のサウンドトラックに続く作品となる。「Dim Stars / For Residue (Extended)」は、『Tranquilizer』が表現した「感情の漂流」を、より親密で瞑想的な形で引き継ぐ作品となっており、「For Residue (Extended)」は同アルバムの日本盤にボーナストラックとして初収録された。


『Tranquilizer』のサポートツアーとしてアジアでの全公演を完売させたばかりのOneohtrix Point Neverは、引き続きイギリスおよびヨーロッパでのツアーを予定しており、4月17日にはバービカンでの完売公演も予定されている。


 

 

 

スコットランド出身のシンガーソングライター、アレックス・アモール(Alex Amor)がVERO Musicとの契約を発表、新曲「Meet On The Moon」をリリースした。「Meet On The Moon」は、これまでのシングル「Seeing Angels」や「Desire」、アモールの2023年のデビューアルバム『Super Sonic』に続く作品となる。

 

このオルタナティブ・ポップ・トラックは、アモールとカーマ・キッド(ジェシー・ウェア、ジャレン・ンゴンダ)が共同プロデュースを手掛け、アモールが悲しみと女性的な神秘性を探求した作品となっている。本曲は、今年後半にVERO Musicよりリリース予定の、まだ発表されていないフルアルバム・プロジェクトの最初のプレビューとして公開された。


この曲について、アモールは次のように語っている。「『Meet On The Moon』は数年前に書いた曲です。当時、何か違うものを創り出し、全く新しい音の世界へと踏み込みたいと切望していました。私は1ヶ月間グラスゴーに戻り、運命を自分の手に委ね、自分でプロデュースを始めました。それは何かを取り戻すような感覚でした。『Meet On The Moon』は、そこで書いた2曲目の曲です。


「この曲は、歌詞の中で私が歌っている神秘的で魔法のような女性の原型を、まさに体現していた友人のことを歌ったものです。曲を書く数ヶ月前に、彼女は亡くなりました。私は彼女の持つ魅力――その魂の大きさ、本質的な力――について考えずにはいられませんでした。そして、奇妙なことに、地球は彼女を包み込むには小さすぎるように感じられたのです。


「様々な理由から、このアルバムの中でこの曲を最初に収録しなければなりませんでした。これは、輝く乳白色の満月が常に象徴してきた『神聖なる女性性』へのオマージュです。女性は月のリズムと周期的に結びついており、その美しくも捉えどころのない月の引力が、この曲の儚いサウンドの鼓動となったのです」


「Meet On The Moon」



ドナ・ルイス(Donna Lewis)が「I Love You Always Forever」の30周年を記念して新たなライブパフォーマンス映像を公開。さらにリメイク版アルバム『In a Minute Now』を発表しました。


2026年4月16日 — 時代を超えて愛され、世界中でプラチナディスクを獲得したヒット曲「I Love You Always Forever」の30周年を記念し、 アメリカのシンガー、ドナ・ルイスは、ニューヨーク州ウッドストックの歴史ある会場ベアーズヴィル・シアターで新たに撮影されたライブパフォーマンス映像を公開するとともに、近々リリース予定のライブアルバム『In a Minute Now』を発表した。

 

「I Love You Always Forever」は世界的な大ヒットとなり、時を経ても色褪せることなく、リリース以来、多世代にわたって大きな共感を呼び続けている。Japanese Breakfast、Betty Whoといったアーティストがこの曲をカバーし、Romy、Fred Againは同曲の新たな音楽的解釈を披露している。


デビューアルバム『Now in a Minute』からプラチナディスクを獲得したシングルを再解釈したドナ・ルイスは、甘美な重なり合うハーモニー、息遣いの感じられるボーカル、徐々に盛り上がるシンセのテクスチャーによって、この愛される楽曲を親密で映画的な体験へと昇華させている。紫、青、緑の光に包まれたパフォーマンスは、ノスタルジーを雰囲気へと昇華させ、この曲の不朽の情感を引き立てる、生き生きとした現代的な再解釈を提示している。


流れるようなカメラワーク、幽玄なオーバーレイ、没入感のあるクローズアップで捉えられた映像は、サウンドの進化を映し出し、90年代のラジオ定番曲を新たな高みへと引き上げている。


ドナ・ルイスには、オリジナル・コラボレーターであるジェリー・レナード(ギター)とハーヴェイ・ジョーンズ(キーボード)に加え、ゲイル・アン・ドーシー(ベース、バックボーカル)とダグ・ヨウェル(ドラムス)からなるバンドが参加している。彼らは一体となって、この楽曲の象徴的なサウンドに新たな深みをもたらし、脈打つようなエレクトロニクスと表現力豊かな楽器演奏を、雰囲気のある輝きと共に重ね合わせている。


今回のリリースは、ベアーズヴィル・シアターで撮影されたライブ録音シリーズの第一弾であり、『Now in a Minute』の全編パフォーマンスを収録している。これらのセッションは、ドナ・ルイスの近刊アルバム『In a Minute Now』へとつながるもので、彼女のブレイク期を現代的な視点で再訪した、再構築された作品集となっている。


1996年にリリースされた「I Love You Always Forever」は世界的な大ヒットとなり、その世代を象徴するラブソングの一つとして、30年近く経った今もなお、多くのリスナーの心に響き続けている。


「I Love You Always Forever」