イタリア・クレモナ


ヴァイオリンは16世紀に登場した楽器である。その後、17世紀から18世紀にかけて器楽として発展していった。ヴァイオリンは、小さなヴィオラという意味。最初の時期に制作されたものを、オールドヴァイオリンといい、その後、改良が加えられたものをモダンヴァイオリンと呼びます。

 

ヴァイオリンのルーツには諸説あるが、西アジアのラバーブやカマーンチェが原型であるという説が一般的です。これは弓奏楽器の一つで、動物の皮張りを施したリュートのことを言います。


この楽器は、アフガニスタンやウズベキスタン、タジキスタンの地域に存在し、他の多くの楽器と同じように、海上貿易によって西洋にもたらされたと見るのが妥当でしょう。ちなみに、スペイン王宮のアルフォンソは、イスラムやアジア圏の楽器に拠るエキゾチックな音楽を作曲している。これが数世紀を経て、職人たちの手により、ヨーロッパ独自の楽器となったと推測されます。

 

一般的な楽器は原型が存在し、それに似せて作られることが多い。しかし、問題は、北イタリアの名工アマティ家の職人たちがどのような楽器を参考にしたのかという点に不分明な箇所が残されていることでしょう。それゆえ、まったくのオリジナル制作だと言われる場合もあります。

 

ヴァイオリンの最初の名産地となったのが、イタリア北部のクレモナという地域。現在は、ポー川の近郊に博物館もある。ヴァイオリンの制作の黄金期は、17世紀から18世紀のイタリアに到来した。一般的にはストラディヴァリが有名ですが、それ以前にアマティ家の職人達が活躍した。彼らはカエデ材などを用い、ほとんど高級な家具のような楽器、そして、魂柱を仕上げ、器楽の歴史に革新をもたらしました。世界最古と言われるヴァイオリンは、アンドレア・アマティが考案した1565年頃の作品です。アンドレア・アマティの出身地である北イタリアのクレモナにヴァイオリンの工房を設立し、ここから彼の弟子たちが数々の名器を生み出しました。

 

ニコロ・アマティ

 

アマティ家の中で最も優れた名工として名を馳せたのが孫のニコロ・アマティでした。彼が活躍した時代には、ジュゼッペ・ガルネリ、そしてアントニオ・ストラディヴァリなど名工が次々に登場し、ヴァイオリンの黄金時代が到来。その後、ヴァイオリンは16世紀ごろまでは、伴奏楽器として使用されていました。

 

17世紀以降になると、ヴァイオリンは器楽の支柱的な存在となり、華やかな地位を獲得するようになった。この頃、コレッリ、トレッリ、ヴィヴァルディ、ジェミアーニ、タルティーニが、トリオソナタ、合奏協奏曲、独奏協奏曲を作曲し、バロック/古典の最盛期が形成された。より美しい音色を音楽に込めたいという作曲家や演奏家の願望が、実際の器楽に取り入れられたことで、新しい楽器が生み出され、そして新しい演奏法や楽器の発声法が発展していく契機ともなった。

 

 

初期のヴァイオリンは現在のような音量が出なかった。その後、16世紀から19世紀にかけて、楽器の改良が行われ、コンサートホールのような大きな会場での音響性にふさわしい音量を得るようになった。ピアノの音階が時代の経過と合わせて増加していったように、指板が長くなり、駒の位置が高くなり、豊かな響きと華麗な音色が導き出せるように工夫が施されました。

 

また、楽器の発展に即して、優れた演奏家や作曲家が登場し、ヴァイオリニストは花形の演奏家になった。改良されたバイオリンを活かして、超絶技法を駆使する演奏家パガニーニが登場し、その後、ヴァイオリン教本を記したルイ・シュポーア、ブラームスと親交を持ったヨーゼフ・ヨアヒム、『トィゴイネルワイゼン』など名曲を残したサラサーテなどが活躍するようになった。音楽としてもヴァイオリンは全般的な表現性を押し広げた。風のように微細なアンビエントのような内容から、陶然とした美しい音色、また、落ち着いた平和な音色、それとは対照的な激しい感情性、より深遠な響きにいたるまで幅広い音楽的な表現をもたらすことになった。

 

一般的に、古い時代に生産されたヴァイオリンに高価な値段が付けられるのは、その作品に希少性があり、現在の素材で再現することが難しいからです。また、伝統的な歴史が込められているというのも要因でしょう。また、ギターやピアノなどのヴィンテージの楽器は、新品に比べると、その個体しか持たない独自の音色を生み出すことがある。

 

例えば、同じ楽器でも、演奏したり、使い込んでいくうちに、新品の時期とは異なる響きが出てくることがあります。ヴィンテージ楽器ならではの特性でしょう。これが俗に言われるように、”味のある音色”を象徴づけるのかもしれません。こういった理由により、物理的には、再現可能であろうとも、ヴィンテージ楽器には、説明しがたい神秘的な音色が宿ると広く信じられている。21世紀でも、16世紀に制作されたクレモナのヴァイオリンが最も優れていると言われます。ただ、現在市場に出回っているヴァイオリン楽器もそのほとんどが改良が施されています。

 

ぜひ、ヴァイオリンの演奏を聞くときには、 こういった数世紀に及ぶ歴史に思いを馳せてみて下さい。下記にご紹介しますのは、Voice of  Musicによる「四季」。小規模の室内楽ながら迫力のある演奏をお楽しみいただけます。

 



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ブライトンの作曲家/プロデューサー、ジャスティン・バーノンのソロ・プロジェクト、The Vernon Springによる『Under a Familiar Sun』のリワークプロジェクト『UnFamiliar Sun』。2025年秋から単独シングルが続々とリリースされてきましたが、ついにリリース。本作は2025年に発売されたオリジナル・アルバムのリワーク作品となっている。


The Vernon Springの幽玄で静謐なアンビエント・サウンドを、エレクトロニック・ミュージック、アンビエント・シーンの注目のアーティスト、Rosie Lowe、Oliver Coates、H.Takahashiなどが再構築しました。

 

この作品では、最近のアーティストの制作に頻繁に取り入れられるミュージック・コンクレートの手法が発見出来るはずです。また、ボーカリストはこのアルバムに、現代的なネオソウルのテイストを添えています。どことなくおしゃれで、スタイリッシュなサウンドに仕上がっています。

 

再構成アルバム『UnFamiliar Sun』には、ハロルド・バッドのようなピアノのリサンプリング、アトモスフェリックなエレクトロニックのシークエンス、そして、女性ボーカルの配置など、新鮮味のある音楽性を楽しめる。それぞれのミュージシャンによる編曲のアレンジの多彩な魅力に触れることが出来るはずです。


リリースから丸1年となるアルバム『Under a Familiar Sun』を加えたデラックスエディション仕様。デジタルのみでのリリースです。

 



【リワーク作品:デラックスエディション仕様】

 


アーティスト:The Vernon Spring (ザ・ヴァーノン・スプリング)

タイトル: UnFamiliar Sun(アンファミリア・サン)

発売日:2026年5月8日(金)

フォーマット:デジタルダウンロード/ストリーミング(デジタルオンリー)

ジャンル: ポスト・クラシカル / ジャズ / アンビエント

レーベル:p*dis


<トラックリスト>

Disc 1: Under a Familiar Sun

1. Norton

2. The Breadline (feat. Max Porter)

3. Mustafa (feat. Iko Niche)

4. Other Tongues (feat. aden)

5. Under a Familiar Sun

6. Fume

7. In The Middle

8. Fitz

9. Esrever Ni Rehtaf (feat. aden)

10. Counted Strings (feat. aden)

11. Requiem For Reem

12. Known


Disc 2: UnFamiliar Sun

1. ⁠Roaring Flame of The Sun (Under a Familiar Sun - Saoirse-Juno Rework)

2. Fitz (Dot Never Rework)

3. Say Her Name (Requiem for Reem - Loa Rework)

4. The BL II - feat. Max Porter & Confucius MC (The Breadline - Iko Niche Rework)

5. Esrever Ni Rehtaf (Rosie Lowe Rework)

6. Other Tongues (Oliver Coates Rework)

7. Counted Strings feat. aden (Sweet Bandit Rework)

8. Norton (H.Takehashi Rework) 


・ストリーミングURL: https://pdis.lnk.to/UnFamiliarSun

 



カーディフ出身のシンガー、ドナ・ルイス、作曲家兼プロデューサー、デヴィッド・ロウによる共同制作が行われたニューアルバムが5月8日についに発売された。『Wanderlust』の楽曲はすでに70万回以上ストリーミング再生され、人気を博し、世界中のリスナーの心に共鳴し続けている。

 

『Wanderlust』は、優しさ、失恋後の自己覚醒、再会、自由、そして絆といったテーマを織り交ぜた、輝かしいドリームポップとインディー・エレクトロニカが融合した楽曲集となっています。ドナ・ルイスのニューアルバム『Wanderlust』は、エレクトロ・ポップを中心に構成され、ダイナミックな力強さと叙情的な繊細さを併せ持つ。清涼感のあるダンス・ポップでは、今後暑くなる季節に最適である。80年代のニューウェイブやディスコポップのバブリーでノスタルジックな雰囲気も漂っている。幅広い年代に親しまれるであろうアルバムとなっている。


伝説的な歌手、ドナ・ルイスは、ウェールズ出身の歌手として異例の成功を収めた。1995年にアトランティックからデビューしたあと、アメリカのビルボード・チャートで9週連続で一位を記録した。デビュー・アルバム『Love Always』がミリオン・セラーを記録し、イギリスとアメリカでは著名なミュージシャンとなった。ルイスは、1990年代後半からおよそ30年にわたり、優雅さと確固たる信念を持って独自の道を切り拓いてきた。彼女の象徴的なラブソング『I Love You, Always Forever』は、世代を超えて人々の心に響き続けている。

 

『I Love You, Always Forever』は、米国と英国の両チャートで1位を獲得し、今もなお歴史上最も愛される普及の名曲としての地位を不動のものにしている。最近では、英国のダンス・ミュージックシーンの象徴的な存在、The xxのROMYがFred Againと協力し、同楽曲をサンプリングした。これにより『I Love You, Always Forever』は再び注目を集めることになった。

 

今日のドナの物語はかつてないほどパワフルなものになり、乳がんとの闘病を乗り越えた彼女の人間的なたくましさと不屈のスピリットは、楽曲の一つ一つの音から滲み出ている。『THE SUN』紙から「エイジレス・ビューティー」と称されたほか、『People』誌でも特集された彼女のアルバム『Rooms With a View』(2024年)は、今なお人々にインスピレーションを与え続けている。ホームズ・アイヴスと共同制作された『Rooms With a View』は、人生最大の試練を乗り越えるために必要な勇気を親密かつありのままの姿で聴き手に伝えています。


今回のアルバムも同じコンセプトが受け継がれているが、友情の記憶や対話という要素が加わった。全体的に感じられる温かな雰囲気は、このテーマが反映されているからだろう。ルイスは、BBCラジオのパートタイマーから、その後象徴的な存在となった、伝説的な作曲家兼プロデューサー、デヴィッド・ロウ(BBCニュースのテーマ曲「Touch and Go」などを制作)とタッグを組み、最新作『Wanderlust』の制作に取りかかった。彼女は次のように明かす。

 

「『Wanderlust』の各楽曲には、デヴィッドと私の長年の友情によって紡がれた瞬間が形作った記憶が込められています。これらの曲は、私たちが創造的かつ感情的に交わった場所の痕跡です。強要されたわけではなく、それぞれの曲が独自の道を見出したわけです」


「それは私たちの間で決して終わることのない対話であり、ただ異なる形で響き渡っているだけです。このレコードは、私たちがその中に身を置いた旅の地図なのです」

 

ドナ・ルイスの楽曲は、過去の栄光を物語るものではなく、現在の生きる力を反映する。メロディアスなダンスポップ集は、依然として、シンガーソングライターの力が健在であることを物語る。

 

ルイスのボーカルはきっと、多くの人に勇気と活力を与えてくれるはずだ。同じような健康上の闘いに直面する数百万の人々にとって、ドナ・ルイスの物語は単なるフィクションではない。それは希望の灯台であり、ありきたりな瞬間でも強さを見出せることを思い出させてくれる。世界が従来以上に回復力と美しさの物語を必要としている今、ルイスの歌声はかつてないほど輝かしい。

 

「Meet Me」 




NYのクラブシーンで存在感を放つ808 BEACH(ジョン・“J-C”・カー&ビル・コールマン)と、マルチソングライター、ホリスティック・サウンド・プラクティショナーでもあるベル・ハンブルによる『Here's Where The Story Ends』のデラックス・バージョンが5月8日にリリースされた。本作は、一つのシングルになんと16ものアレンジやリミックスが施された異例の作品だ。

 

本作は、イギリスのオルタナティヴロック・バンド、The Sundaysの大ヒット作を、ベル・ハンブルの魅惑的でカラフルなボーカルと、808 BEACHの高揚感あふれる魅力的なプロダクションで再構築した圧倒的でアンセム的なダンス/EDMリワークだ。The Sundaysは、1980年代後半から1997年まで活動し、三作のアルバムをリリースした。ちなみに「Here's Where The Story Ends」は、本国のUKのヒットチャートでは圏外だったが、US ALTチャートで一位を記録した。

 

デラックス・バージョンには、ザック・サミュエル、808 BEACH、バイロン・ザ・アクエリアス、DANK & GLADIUS、スローズ、フアン・フォン・カルロスによる複数のリミックスが収録されています。808 BEACHのビル・コールマンは次のように語っています。

 

「ザ・サンデーズは、私がこれまでで最も好きなバンド。彼らの1990年のデビューアルバム『Reading, Writing and Arithmetic』は、紛れもないオルタナティブ・ブリット・ポップの傑作なんだ。前回のシングル『WHATEVER DADDY SAYS』の続編を考える際、ジョンと私は、リミックス以外の活動において、自分たちの音楽の異なる側面を披露することが重要だと考えた」

 

「数年前から、彼らの『Here’s Where The Story Ends』を、敬意を払いながらも踊れるカバー曲としてどう仕上げるか、アイデアを練り、方向性について何度も議論を重ねてきました。友人であり、度々コラボレーションしているベル・ハンブルが、その才能を貸してくれると快諾してくれたことで、私たちは大きなインスピレーションを得て、この芽生えつつあったアイデアを明確なビジョンを持って完成させることができました」

 

「”Here’s Where The Story Ends”という曲は、歌詞もメロディも完璧な仕上がりです。ベルの色彩豊かな歌声とアプローチは、ザ・サンデーズのオリジナルを敬意を持って尊重しつつ、私たちのダンスやクラブ志向のプロダクションを自然に融合させる、まさに理想的な雰囲気をもたらしてくれました。この作品を完成させることができて、本当に嬉しかった」  


808 BEACHは、リッツォ、シア、カリッド、レニー・クラヴィッツ、ビリー・ポーター、イレイジャー、アーサー・ベイカー、ソフィ・タッカー、ウルトラ・ネイト、レッド・ホット・オーガニゼーションなど、幅広い人気アーティストの楽曲をプロデュース、リワーク、再編集、またはミキシングしてきました。

 

ベル・ハンブルは、クリエイティブな表現と癒しを結びつけ、フリースタイラーズやフラックス・パビリオン(「Cracks」)、サンダー・ヴァン・ドーン、パロマ・フェイス、ダブ・ピストルズ、レクサー、トム・スウーンらとコラボレーションを行ってきた。彼女たちは、このリメイク作品に感情的な深みとダンスフロアでのエネルギーというユニークな融合をもたらし、ノスタルジックなオルタナティブのルーツと現代的なエレクトロニック・センスを結びつけている。


808 BEACHは、NYCのクラブシーンに精通したマルチタレント、ビル・コールマン(Deee-Lite、Ultra Naté、シネイド・オコナー、レニー・クラヴィッツ、Party Girl)と、英国の音楽界の神童ジョン・“J-C”・カー(ゼイン、クリスティーナ・アギレラ、ジョディ・ワトリー、パット・マグラス・コスメティックス)による、熱狂的な楽曲制作・プロデュース・コラボレーション・デュオです。

 

808 BEACHとして結集した彼らの才能は、リッツォ、シア、カリッド、ブランドン・マーケル・ホームズ、ビリー・ポーター、イレイジャー、ヴァネッサ・ウィリアムズ、ディー・ディグス、ソフィ・タッカー、レッド・ホット・オーガニゼーションなど、多岐にわたる人気アーティストの楽曲をプロデュース、リワーク、再編集、リミックスし、ダンスフロア、プレイリスト、そしてラジオ放送に最適な楽曲へと昇華させてきた。

 

コールマンとカーによる、ジャンルを超越した洗練されつつもエッジの効いたプロダクションやリミックスは、楽曲の躍動感やアーティストの個性を損なうことなく、心地よいスタイルを維持している。

 

デュオは、2024年のデビュー作となるニューディスコの大ヒット曲「WHATEVER DADDY SAYS」(NYCの歌姫エイミー・ダグラスをフィーチャー)で、クラブプレイチャートトップ3入りを果たしました。


ベル・ハンブルは、マルチプラチナ・ソングライター、音楽アーティスト、そしてホリスティック・サウンド・プラクティショナーであり、その作品は芸術性とヒーリングを融合させている。キャリアを通じて、彼女はリスナーが内省し、体を動かし、癒され、喜びと再びつながれるような音楽と体験を創り出すことに強い重点を置いてきた。

 

フリースタイラーズやフラックス・パビリオン(「Cracks」)、パロマ・フェイス、ダブ・ピストルズ、トム・スウーンといったアーティストたちとの長年にわたるコラボレーションは、ジャンルを超越したものとなっている。


音楽を普遍的な言語であると深く信じているベルは、意図を持って創作に取り組み、感情的かつエネルギー的なレベルで共鳴するサウンドスケープ、楽曲、歌詞を紡ぎ出している。彼女の世界的なヒット曲はジャンルを超え、新作のリリースごとに進化し続けるその多才さを示そうとする。その活動範囲が広がる中でも、ベルの作品は変容、つながり、そして人々を元気づけ、インスピレーションを与える音の力に根ざし続けています。






 
Cola


トロントのColaは、どことなく不敵で、アヴァンギャルドな3人組ロックバンドとして君臨する。不条理のテーマを織り交ぜたフランツ・カフカのような文学性と、彼らの言うところのミニマリズムが混在する異質なバンドだ。彼らのサウンドは、メロディがないようで微かに存在し、また、現代的なポストパンクの位置付けにある。そのサウンドから立ち上る、ほのかなエモーションがこの3人組を、カナダ、いや、世界で唯一無二のバンドにしている理由なのである。


『C.O.L.A.』は、彼らが何者かを象徴するような、ある意味、本質的なセルフタイトル・アルバムと言える。これは「Cost of Living Adjustment(生活費調整)」の頭文字をとった、バンドの3作目となる本作のコンセプトとしてふさわしい枠組み。『C.O.L.A.』は、「社会主義対地獄」といったテーマを考察している。そして、人生のサイコロを振る、ということについても考察している。ノスタルジアが引き起こす、不気味でありながら甘美な切なさがある。


しかし、これは、ティム・ダーシー、エヴァン・カートライト、ベン・スティッドワージーにとって、それほど決して新しい試みではない。カートライトの言葉を借りれば、「我々がこれまで行ってきたことの深化」を意味するという。『C.O.L.A.』は、複雑で美しく、奇妙な作品だ。これはバンドにとって最も洗練された作品であり、丹念に磨き上げられた美的な衝動の極致である。


ティム・ダーシーによれば、バンドとしてのColaは「上品なミニマリズム」によって定義されるという。ロマンチックで、繊細でありながら、一見してわからないほど強烈な音楽を作ることに深い敬意を払っている。しかし、『C.O.L.A.』は、バンドにとってこれまでで最もマキシマリスト的な作品である。また、これは少し皮肉を込めた表現でもある。「このアルバムの曲がどれも違いすぎてしまうのではないかと、すごく心配していたんだ」とカートライトは語る。


実際、このマキシマリズムとは、「Hedgesitting」のような曲に、生ドラムとサンプリングされたドラム・ループの両方が使われていることを意味する。「Hedgesitting」は、華やかで豊かな曲だ。まるでザ・キュアの『Disintegration』から取り出した、デコンストラクションされ、チョップ&スクリューされたB面曲のようだ。また、サラ・レコード(1995年まで継続していたブリストルのレーベルでネオアコースティックやインディーポップの秀作を輩出)の影響も少し感じられる。「若い頃、君は成功するためにここへ来た」とティム・ダーシーは曲の冒頭で歌う。


『C.O.L.A.』は、このバンドが書くすべての楽曲と同様に、本質的に共同作業の産物だ。メンバーはそれぞれ別々に曲を作り、その後スタジオに集まって共同作業を行う。このプロセスを確認するには、「Hedgesetting」を聴いてみてほしい。この曲はダーシーが送ってきたコード進行から始まり、バンドが共に展開を広げ、スタジオ入り直前にスティッドワージーがリミックスを行った。この分業体制は直感的に機能している。スティッドワージーが書いたアレンジを基に、ダーシーとカートライトがそれを発展させていく、つまりDIYでやっていく点は、バンドのDNAの一部なのだ。


例えば「Favoured Over the Ride」については、「ティムが歌詞を書くための、薄暗く憂鬱な色調を作りたかった」とスティッドワージーは語っている。曲は孤独で夢見心地なギターリフで始まり、そこにシャープなベースラインが入り、すべてがクリアになる。「天井に何があるんだろう? 君の視線を釘付けにしているのは何?」とダーシーがシニカルに歌う。抽象性を追求した本作において、これは明快な瞬間だ。『C.O.L.A.』にはこうした明快な瞬間が満ちている。渦巻く感情のすべてが、少し痛みを伴うほどはっきりと浮かび上がる瞬間に。


『C.O.L.A.』における目標の一つは、メロディーが歌詞を導くようにすることだった。これは、ダーシーの過去の多くの作品を支えてきたシュプレヒザング(語り歌)からの転換である。ここでは、ボーカルのメロディが、アルバム内の他のすべてのメロディと同等の位置づけにある。しかし、歌詞の詩的表現や精緻さは、ダーシーがこれまでに書いたものより決して劣ってはいない。「コクトー・ツインズの曲を作っているわけじゃないからね」と彼は冗談を言う。


その結果生まれたのは、構成要素のすべてを徹底的に意識し、それらをすべて等しく重要視しようとする作品だった。『C.O.L.A.』は、その構成要素すべてが互いに直接対話している。本作は、いわば「自己対話」するアルバムである。音が広がりを見せる場面でも、その輪郭はぼやけない。抽象的で、間接的で、時に奇妙である——。しかし、同時に、古典的な意味での美しさも備えている。まるで絵画が持つような美しさがある。実験的な要素をこれほど意図的に操るその様は、まるで彫刻のように精緻である。例えば「Skywriter’s Sigh」では、音がパチパチと弾け、きらめく。それは崇高な領域に触れている。これこそが、バンドとしてのColaの最高の姿なのだ。

 

 

 Cola 『Cost of Living Adjustment』- Fire Talk



三作目の実質的なセルフタイトル『C.O.L.A』においても、Colaのサウンドは奇妙で、異彩を放っている。いくつかのバンドや音楽の影響は感じさせるが、実のところは似て非なる内容である。


ポストロック/ポストパンク的なアプローチは、Fugaziの1995年から2000年前後の最終盤のサウンドを彷彿とさせる。『Red Medicine』や『Instrument Soundtrack』によく似た独特な緊張感、しかし、そこからほのかにボーカルのエモーションが漂う。また、初期のSonic Youthのような不協和音が前面に押しだされることもある。8ビートを中心にオフキルターのリズムを配したロックソングは、表向きにはヘヴィーなわけではないけれど、奇妙な重力が感じられる。

 

現代社会に生きる人間としてのニヒリズムというべきだろうか。これは、Fugaziの後期の思想性に通じるものがある。 歌うというより、ぼやきやつぶやきにも似たティム・ダーシーのボーカル。これは、抽象的なギターワークや、ミニマリズムとオフキルターを織り交ぜた変則的なビートを刻むドラム、そして、基礎的な和声法を度外視する不協和音のスケールを描くアヴァンジャズのようなベース、これらが渾然一体となり、特異なサウンドが出来上がっていく。

 

しかし、それらに現代的なサウンドの雰囲気を添えているのが、リサンプリングによるミックスの作業で、これらはローファイ/スラッカーの先鋭的な音楽アプローチの一貫でもある。このアルバムの場合、それらはミュージックコンクレートの一貫として制作に組みこまれている。一度録音した素材や音源をミックスの段階で組み直して、全体的な録音の過程の流れに組み入れる行為は、現代のロックバンドに定着しつつある。これらは、Cindy Lee、Homeshakeのようなトロントのローファイ/スラッカーロックの重要な流れを汲んでいると言えるか。

 

Colaの音楽は、お世辞にも聴きやすいとか取っつきやすいとは言えない。アルバムの冒頭から、ベースの意図された不協和音のスケール(旋法)が演奏される。彼らのサウンドは、アヴァンジャズに近似しており、縦の音階を中心に構成されるにとどまらず、横の音階の流れを中心に組み上げられることもある。そのため、明確に意図された和音やコード進行ではなく、ジャズのピアノや金管楽器のようなスケールの流れの中で、全体的な楽節の進行が続いていく。


和声法を中心とする作曲は、音楽史の流れから見るかぎり、後発的に発生したに過ぎない。音楽は旋法の組み合わせを中心に組み上げられるのが基本である。つまり、和声は、旋法の組み合わせを縦に抽出したに過ぎない。和声法だけを頼りに作曲を続けると、どこかで壁に突き当たる。和声は、音の動きを定義し、静止させる。しかし、その一方、旋律は、音の動きを円滑にする働きがある。トロントのトリオ、コーラは、それを逆手に取って、これらの均衡をうまく図りながら、アヴァンジャズとミニマルロックの中間に属する音楽を展開していく。

 

「Forced Position」 は和声と旋法の組み合わせが見事にハマった一曲である。ベースの不協和音のスケールは流れを円滑にし、ギターのコードは、それらを定義するために存在する。それらを強調するかのように、ボーカルが流れを作り出す。ドラムはイギリスのニューウェイブ、ニューヨークのノーウェイブのような前衛性があり、基本的なリズム構成の中、変則的な分数のリズムを組み込み、不思議なグルーヴを作り出す。聴いてみると分かるが、明確な和声的な流れはほとんど存在しない。むしろ本質的には、和声法を度外視した不協和音が際立つ。しかし、表向きには居心地の悪いような音楽の中に、居心地の良さが見出される。不協和音のなかに協和音がとつぜん出てくるとき、不思議な懐かしさを覚えるのだ。

 

ティム・ダーシーのボーカルは、エモーショナルな響きがあり、それらの混沌とした音の流れに規律をもたらす。そして、ボーカルとベースがユニゾンのような関係を持つことで、芯の強いサウンドが生み出される。これはジャズのような音楽で見いだせる内容だと思うが、ロックバンドとしては、見過ごされてきた演奏法である。また、どちらかと言えば、パンクやポストハードコアのアヴァンギャルドな音楽を通過したバンドの演奏にまれに見いだせる内容である。こういった前衛主義の音楽を制作する人々は、意図するか否かに関わらず、ジャズやクラシックのような音楽で使用される演奏法を自らの制作に取り込むことがある。コーラも同様で、二律背反の考え、簡素や複雑、美しさや醜さ、明るさと暗さといった本来は対極にある概念を混在させ、混沌としたサウンドを作り上げる。でも、そういった概念や定義付けは本来はあってないようなもの、主観的にならざるをえない。その脆さを彼らは暗示する訳なのだ。

 

 

 「Forced Position」

 

 

コクトー・ツインズやキュアーを瞬間的に彷彿とさせる曲も確かにある。「Headgesitting」。しかし、影響が示されるのはイントロだけで、その後は、ダンサンブルなロックソングが続き、それらにシュプレヒサングやスポークンワードの新しい要素を加味したサウンドが続いている。前作『Gloss』では、どちらかと言えば、アンチメロディーの立ち位置にあった彼らだが、今作では、ボーカルを聴くと分かるように、メロディアスな音楽を押し出している。また、シニカルなだけではなく、ドリーミーなシンセのテクスチャを加えて、音楽的な優しさをもたせようとしている。さらに、彼らはUnderworldのようにエレクトロとロックを結びつける。ただ、手法はそれに近くても、Kasabianのようなサウンドにならない。彼らの”上品なミニマリズム”は、ニューヨークのプロトパンクのような詩情的なサウンドと組み合わされ、叙情的な気風を呼び込む。コーラは二番煎じでは終わらず、新しい音楽性を示す。

 

カナダのローファイのサウンドが乗り移った「Painting Spelling」は、マック・デマルコの次世代の音楽と言える。 どことなくゆったりとした開けたフォークソングの要素は、ミニマリズムの解釈を通して、おどけたような雰囲気のある曲に昇華されている。しかし、コーラらしさは健在であり、ベースとギターはボーカルに対して不協和音の関係にある。それらがときに、協和音になったり、不協和音を奏でたりしながら、シュールな音楽を作り上げていく。 また、リサンプリングを経過した音楽は、ときおり、IDM/エレクトロニカのようなサウンドに近づくこともある。これらの次々に移り変わる音楽は、まるでコーラの持つ音楽の無尽蔵の魅力を象徴するかのようだ。

 

ただ、こういった難解さだけが彼らのサウンドの特色ではあるまい。「Haveluck Country」では、単純さに焦点が置かれ、ギターの単音/オクターブ反復を中心に曲が組み上げられ、これらのミニマリズムは時々、どことなく夢想的で幻想的なファズギターの音像が組み合わされることで、驚くべき変遷を辿っていく。曲が進むうちに、ダーシーのボーカルは、ジョニー・キャッシュのようなフォーク性を帯びるようになる。曲の冒頭は、あまりにも単純に思える音楽であるが、ベースの音階やスケールがランタイムごとに変化していき、異なる音楽的な情景を作り上げる。ボーカルはダンディズムに対する、ちょっとした皮肉も込められている。それらの中にある脆さのような感覚が混在する。ミニマルから脱却し、マキシマムに至る。曲の後半でのギターとボーカルが織りなす幻想的なコントラストは、本作のハイライトとなるはずだ。

 

「Satore-torial」はニューヨークのプロトパンクが強調され、ルー・リード/トム・ヴァーレンのような雰囲気の楽曲でもある。音楽的には、Velvet Undergroundというより、Televisionを彷彿とさせ、タイトなアンサンブルと少しニヒリズムを感じさせるボーカルが特徴のロックソングである。これらは、Colaのアンチ・メロディの性質がひときわ強く感じられる。そして、これこそが、このアルバムの表向きには見えづらいパンク性を象徴付けている。つまり、平たく言えば、メインストリーム音楽に対する反抗でもある。これらは、結局、このバンドのオルタネイトを象徴づける。つまり、メインストリームのロックとは異なる音楽性を生み出すことに成功している。また、この曲は、最小限の構成の中で、Doorsのような催眠的な音楽性が作り上げられる。曲の後半では、オルガンのような演奏が薄く組み込まれ、神聖な雰囲気を帯びる。

  

 「Much of Muchness」は現代的な価値観に対する疑念とも言える。やはり、ティム・ダーシーのボーカルは、昂ずるわけでもなく、また、猛り狂うわけでもなく、淡々と語りかけるような雰囲気で続いていく。しかし、これらが背景となるバンドアンサンブル、彼らの持つミニマリズムとかっちりとハマると、グルーヴ感や心地よいビートが浮かび上がってくる。極彩色で派手な音楽がメインストリームの音楽シーンを席巻する中、彼らの音楽はどこまでもモノトーンに染まる。しかし、このアプローチは確実に、このアルバムの本質的なかっこよさに直結している。この曲ではどちらかと言えば、リチャード・ヘルのようなプロトパンクのサウンドが際立つ。更にアルバムのもう一つの主題である、メロディアスな叙情性がボーカルとギターを通じて、はっきりとした形で浮かび上がるときがある。これはバンドとしての大きな進歩と言えるか。

 

「Third Double」は、異色の一曲として存在感を放つ。依然としてシニカルで、ニヒリスティックなボーカルが、シューゲイズ風の音像の大きなギターと混在しながら、ニューヨークのバンド、Interpolのような暗澹としながらも、叙情性に溢れる音楽的なイディオムを持つ。ギターとベースの演奏は、ジプシー音楽のような奇妙なテイストに満ち溢れている。さらに曲の後半では、本作では珍しく、轟音のファズ/ディストーションサウンドが敷き詰められる。 これらのサウンドはまるで、内的な感情を、そのまま曲に昇華させたかのようである。


本作の決め手となるのが「Conflagration Mindset」。「憂鬱を悲しみに変える」というフレーズが印象に残るこの曲は、オルタナティヴロックの名曲で、このジャンルの今年度の最高の曲に挙げられる。オルタナティブというのは、基本的にメインとなる概念とは異なる考えや思想を織り交ぜてこそである。それに乏しい場合、アルトとは言えず、メジャーの領域に近づいてしまう。

 

重厚なギター、対旋律を描くベース、シンプルな4/8拍を刻みながら分数的な分割のリズムを刻むドラム、内的な悶々とするやるせない思いを延々と打ち明けるかのような内省的な雰囲気を持つボーカルなど、計算づくのサウンドは、曲が進むごとに、予想だにしない展開に繋がっていく。それらのミクロ(最小)の音楽はだんだんマクロ(最大)に近づいていく。多くの人が言うところの小さなものは、実は意外と大きかったのかもしれないと、ふと気付かされる。このロックソングには、内的な宇宙が混在し、だんだんとそれが拡大していくような奇異な感覚がある。一人の思考が強大な意味を持つような広大さを帯びる変遷でもある。少なくとも、哲学的な雰囲気を持つ、非常に珍しいロックソングとなっている。

 

不協和音と協和音の共存は「Favoured Over The Ride」 でも健在である。彼らのサウンドには、便宜的に言えば、不調和と調和が共存している。彼らは、世にはびこる善悪のような一般的な概念がどれほど脆く、弱い土台の上に成立しているかを音楽の向こうに投射してみせる。つまり、それらの背後に、対極にある概念や要素が内在しているのだ。フォークソングの哀愁とロックソングの組み合わせは、独特のズレや違和感のような感覚をもとに、彼らなりのオリジナリティとして昇華されていく。そして独特な旋律的なズレから、温かみのあるエモーションが滲み出てくることがある。

 

『C.O.L.A』と題されたアルバムは、物事の背後にある本質的な意味をぼんやりと浮かびあがらせる。それが最初に述べたフランツ・カフカのような印象を帯びる理由であると言える。なおかつまた、こういった思索的な要素に加え、叙情的な温かさもまた、このアルバムの魅力となるはずである。アルバムの最後を飾るクローズ曲「Skywriter's Sigh」は、ガレージロックのような荒削りな勢いがあり、そして、本作では珍しく、すがすがしさすら感じさせる。

 

しかし、やはりというべきなのか、Colaのサウンドは、Yo La Tengoのようなひねりがあって、一筋縄ではいかない部分がある。どことなく曲がりくねっていて、どこに続くかわからないようなスリリングさ。しかし、同時に、ロックバンドとして起伏に乏しく、すべてが平坦すぎる場合は、それもまた冒険心や面白みに欠けているとも言える。その反面、コーラは珍しくロックソングのスリリングな魅力を教えてくれる、数少ないバンドである。所属レーベルが紹介するように、サード・アルバムは、彼らにとって、代表的な作品になるに違いない。表向きには、明るい音楽とは言えないのに、なぜか奇妙なほど勇気づけられるアルバム。また、オーディオで聞くのと、イヤホン/ヘッドホンで聴くのとでは、ぜんぜん印象が異なる不思議な作品でもある。 

 

 

 88/100 

 

 

「Conflagration Mindset」 

 

 

・Cola 『Cost of Living Adjustment』は本日Fire Talkから発売。ストリーミングはこちら。 

Nao Yoshiokaの最新シングル「Pieces of Me」は、ベトナムのアーティストMỹ Anhとのコラボレーションによって生まれた、セルフラブをテーマにした一曲。


日本のR&Bシンガー、Nao Yoshiokaがベトナムのアーティスト、Mỹ Anhと、ニューシングル「Pieces of Me」でコラボレーションを行いました。 

 

本作は、アジアという共通のルーツを持ちながら、それぞれが英語でR&B/Soulを表現し、グローバルなフィールドを目指してきた二人の出会いから始まった。自国に確立された音楽マーケットがある中で、あえて自分の信じるスタイルを貫き続けるという選択。その裏側にある孤独や葛藤、そして表現への強い意志が、初めて言葉を交わした瞬間から強い共鳴を生んだ。


制作は一部ベトナム・ハノイにて行われ、現地でのレコーディングとカルチャー体験を通して、楽曲はより有機的に形作られていった。異なる文化背景を持つ二人の感性が自然に溶け合い、ノスタルジックな質感を帯びたミッドテンポのR&Bへと昇華されている。


プロデュースは、Ella MaiやKanye Westらの作品にも関わってきたShukoが担当。繊細で温度感のあるサウンドが、楽曲の持つ内省的な世界観を静かに支えている。


「Pieces of Me」が描くのは、“自分であることを受け入れるプロセス”。良い時も悪い時も含めて、自分のすべてを肯定すること。散らばった感情や経験のひとつひとつが、自分自身の輪郭を形作り、本当の居場所へと導いていく。


他者の評価や期待ではなく、自分自身の声に耳を澄ませること。その内なる声こそが、「私はこれでいい」と気づかせてくれる。この楽曲は、そんな静かで確かな自己受容の瞬間を捉えた作品である。


 

[Nao Yoshiokaメッセージ]


「Mỹ Anhと初めてミーティングをしたとき、私たちはまず“どんな想いを共有できるか”を話しました。お互いの共通点から自然に生まれる曲にしたかったんです。

私は日本で生まれ育ちながら、英語でR&BやSoulを歌い、海外と日本の間で活動してきました。その中で、自分の居場所に迷いや孤独を感じることもありました。Mỹ Anhもまた、ベトナムから世界に向けて活動する中で、同じような感覚を持っていて、すぐに深く共感し合えました。

それは音楽に限らず、自分のルーツや環境と、本当にやりたいことや本質との間にあるズレとして、多くの人が感じているものだと思います。

でもどんな状況でも、「ただ自分でいること」は心を自由にしてくれる。その感覚を伝えたくて、この曲を書きました。

Shukoが手がけた軽やかでアップリフティングなサウンドの中で、Mỹ Anhとこの曲を一緒に形にできたことをとても嬉しく思っています。この楽曲が、多くの人にとって自分自身に立ち返るきっかけになれば嬉しいです。」

 

Mỹ Anh メッセージ


「Pieces of Me」は、私にとって3作目となる海外アーティストとのコラボレーションで、Nao Yoshiokaのこんなにも美しいプロジェクトに参加できたことを心から光栄に思っています。さらに、海外アーティストがベトナムに来て一緒に制作するのはこれが初めてで、私自身にとってもチームにとっても、とても大きな意味のある出来事でした。

Naoと実際に話してみて、音楽的にも感情的にもすぐに通じ合えた感覚がありました。音楽の中で自分のアイデンティティを探していく過程で感じてきたことや、その歩みがとても似ていたからだと思います。

レコーディングの時間や会話のひとつひとつは、本当に癒しのあるものでした。「自分は一人じゃない」と感じられたこと、それ自体がとても美しいことだと思っています。」

 

Nao Yoshioka, Mỹ Anh 「Pieces of Me」- NEW SINGLE


[作品情報]

アーティスト:Nao Yoshioka, Mỹ Anh

タイトル:Pieces of Me

ジャンル:R&B, Soul

発売元・レーベル:SWEET SOUL RECORDS 

ストリーミングURL: https://naoyoshioka.lnk.to/pieces-of-me 


[公演情報] Nao Yoshioka “self” World Tour


・東京公演

日時:2026年10月21日(水)

場所:LIQUIDROOM

・東京公演の詳細 

 

・大阪公演

日時:2026年10月22日(木)

場所:Yogibo META VALLEY

・大阪公演の詳細 


この度、株式会社パルコ(本部:東京都渋谷区以下、パルコ)は、「A–Z Homage to Takenobu Igarashi」を、5月22日(金)よりPARCO GALLERY(心斎橋PARCO 14F)にて開催します。本展は、北海道出身の五十嵐氏と札幌PARCOとのゆかりを背景に、2025年11月に札幌PARCO50周年を記念して開催された展覧会を再構成した巡回展です。

 

サントリー、明治乳業、カルピスなどのロゴを手がけ、立体的なアルファベット作品によって世界的に注目された五十嵐氏。独自の手法で数字を表現したポスターカレンダーは、国際的な評価を不動のものとしました。


本展では、1994年に彫刻家に転身する以前の、デザイナーとしての五十嵐氏のアルファベット作品に焦点を当てます。AからZまでのアルファベットを題材にした彫刻・グラフィックデザインの作品や、開業時に旧渋谷PARCOから移設された「A」と「O」のネオンサイン、本展の開催にあわせて誕生した五十嵐ロゴの積木ベンチなど、心斎橋PARCO全体を舞台として、五十嵐氏の創造性あふれる作品を一堂に展示します。


■企画展示

【14F PARCO HALL】 ※写真は全て札幌PARCO展示風景


今回新たに名前を変えたギャラリースペース PARCO HALLでは、アルファベットを題材にした彫刻やグラフィックデザインなど、五十嵐氏の作品を数多く展示します。渋谷PARCO PART3のストリートギャラリーで発表されたアルファベット彫刻やポスターカレンダー[PARCO ver.]、直筆の図版など貴重な作品や資料も公開します。








【御堂筋側入口前 歩道(心斎橋PARCO〜大丸心斎橋店 間)】

 

本展の開催にあわせ、新たに誕生した五十嵐ロゴの積木ベンチ。PARCOの「P」、大丸の「D」、心斎橋の「S」の3文字からなるこのベンチは、多種多様な人々が行き交う御堂筋側の歩道に期間限定で設置されます。くつろいだり、本を読んだり、ご自由にご利用ください。

 

※設置期間5月22日(金) 〜  6月18日(木)



■常設展示

【B2F・13F エスカレーター横】


心斎橋PARCOでは、B2Fに「A」、13Fに「O」の五十嵐ロゴのネオンサインをそれぞれ常設展示しています。これらは、建て替えのために解体された旧渋谷PARCOの外壁に実際に設置されていたものです。


ネオンサイン O(13F 常設展示)

ネオンサイン A(B2F 常設展示)

 

■入場特典「オリジナルポストカード」プレゼント

 

14F PARCO HALLにて開催の本展へ来場された方にはオリジナルポストカードをプレゼントいたします。

※おひとり様一枚

※無料でのご入場はお渡しの対象外となります

※先着順、無くなり次第終了




■展示会グッズ情報

 

本展では、展覧会開催を記念した、展覧会オリジナルビジュアルを使用した展覧会記念商品の販売を予定しています。オリジナルポーチは新色が登場します。 ※掲載している商品は一部です。 ※画像はイメージです。


オリジナルポーチ(PARCO/AZ)¥2,200(税込)

オリジナルトートバッグ(PARCO/AZ) ¥3,850(税込)

オリジナルTシャツ(PA/R/CO)各¥6,600(税込)

ブラインドアクリルキーホルダー
(P, A, R, C, O ,Z ,D ,S)
各¥880(税込)

■プロフィール 

五十嵐 威暢(いがらし たけのぶ) 1944 - 2025


北海道生まれ。デザイナー、彫刻家。


多摩美術大学デザイン科卒業後、渡米。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)大学院修士課程修了。代表作にニューヨーク近代美術館のカレンダー、渋谷PARCO PART3やカルピス、明治乳業、サントリーのロゴの他、日本各地の地場産業の技術を駆使したプロダクトデザインがある。1980年代にはさまざまな素材を使いアルファベット彫刻を手がけた。


グラフィック・プロダクトデザイナーとして活動後、1994年以降は本拠をロサンゼルスへ移し、彫刻制作に専念。石、木、金属、テラコッタ、ステンドグラスなど、さまざまな素材でパブリックアート作品を数多く制作した。2004年に帰国。故郷でデザイン会議を開催し、多摩美術大学では学長をつとめた。


金沢工業大学内には「五十嵐威暢アーカイブ」が設立され、北海道新十津川町の「五十嵐威暢美術館かぜのび」では、自身の彫刻作品とアトリエを公開している。2025年2月12日、死去。80歳。 

 

五十嵐威暢

https://takenobuigarashi.jp/

五十嵐威暢美術館かぜのび

https://takenobuigarashi.jp/kazenobi/

金沢工業大学 五十嵐威暢アーカイブ

https://igarashiarchive.jp/

竹尾アーカイヴズ

https://www.takeoarchives.com/


■展覧会開催概要

タイトル   :「A–Z Homage to Takenobu Igarashi」

会期     :5月22日(金)~ 6月14日(日) 10:00~20:00 ※最終入場閉場30分前 ※最終日は18:00閉場

企画展会場:心斎橋PARCO 14F・PARCO HALL ※現PARCO GALLERY 大阪府大阪市中央区心斎橋筋1-8-3

        御堂筋側入口前 歩道(心斎橋PARCO〜大丸心斎橋店間)

常設展会場:心斎橋PARCO B2F・13F エスカレーター横

入場料  :500円(税込) ※14F PARCO HALLのみ。常設展及び御堂筋側入口前歩道は無料 ※ 未就学児無料

主催   :パルコ

共催   :五十嵐威暢美術館かぜのび

協力   :金沢工業大学 五十嵐威暢アーカイブ、竹尾アーカイヴズ

 

 

Boards of Canadaは、新作アルバム『Inferno』からの初の公式楽曲となる2曲の新曲、「Introit」と「Prophecy at 1420 MHz」を公開した。近未来的な雰囲気を持ち、ヒプノティックなIDMである。


初公開されたニューアルバムの冒頭を飾る二つの楽曲「Introit」と「Prophecy at 1420 MHz」は、『Inferno』のグルーヴィーで独特な世界観を提示している。「Introit」はノスタルジックなシンセのアルペジオで始まり、まるで機械が起動し、焦点が合っていくかのような感覚を覚えさせ、アンビエントな音色へと溶け込んでいく中で、次の曲へと適切に橋渡しをする。

 

続いて「Prophecy」は、ミッドテンポのドラムビート、広々としたシンセ、そして不吉で幽霊のようなボーカルを伴って飛び込んでくる。ボード・オブ・カナダのサウンドは過去25年間で変貌を遂げてきたが、今回の新曲は2013年の前作『Tomorrow’s Harvest』の続きをそのまま引き継ぐかのように、サウンドスケープとエレクトロニック・リズムが奇妙な調和を奏でている。

 

 「Introit」「Prophecy at 1420 MHz」


 

ボーズ・オブ・カナダの13年ぶりのニューアルバム『Inferno』は5月29日、Warp Recordsより全世界でリリースされる。このスコットランド出身のデュオは、5月22日に東京、ベルリン、バルセロナ、ロンドン、グラスゴー、ニューヨーク、ロサンゼルスで、「The Inferno Sessions」と題した7つのスペシャル・アルバム・プレミア・イベントを開催すると発表した。

 

 

・13年の沈黙を破り、再始動を発表したボーズ・オブ・カナダが、5月29日にリリースする最新アルバム『Inferno』の 。



■日時

5/22(金)  19:30より 


■会場

ヒューマントラストシネマ渋谷 odessa theater1(200席)


■料金

2,200円(税込)


※ムビチケ使用不可

※各種割引、各種招待券・無料鑑賞券はご利用いただけません。

 

【チケット販売】

全席e+チケットでの販売となります。

※インターネットのみでの受付となり、受付の際、e+への会員登録が必要となります。

 

■販売スケジュール

◇先行抽選販売受付

【申込受付期間】5月1日 (金)10:00〜5月6日 (水)23:59

 

・チケットの詳細のお申し込みはe+の公式ページをご覧ください。

 


イギリスのシンガー、ローザ・ウォルトンがニューシングル「Heart To Heartbreak」をリリースした。この曲は、2026年6月5日にTransgressive Recordsより発売されるデビュー・ソロ・アルバム『Tell Me It’s A Dream』から3曲目として収録される(プレセーブはこちら)。


魅惑的でアップテンポなこの楽曲「Heart To Heartbreak」は、現代の恋愛における目まぐるしい高揚感と脆い落ち込みを探求し、感情的な消耗に押しつぶされそうになりながらも創造的なインスピレーションを見つけようとする葛藤を描き出している。

 

ザ・キュアーやプレファブ・スプラウトの情感の深さからインスピレーションを得たこの曲は、ギターとシンセサイザーが織りなす華麗なレイヤーを基盤としている。ウォルトンのバンドによってこれらの複雑な要素が立体的に表現され、力強い新たな音の一体感で楽曲を昇華させている。

 

「これは、人生のすべてが粉々になったように感じながらも、実はその関係が自分を縛っていたことに気づき、世界が再び開けていくという曲です」とウォルトンは語る。「物事が再び輝き始め、色鮮やかに見えてくるような、本当に視覚的な感覚を、この曲に込めたかったのです」


「Heart To Heartbreak」は、最近のシングル「Halfway Round The World」や、ブレイクをもたらしたソロシングル「Sorry Anyway」に続く楽曲だ。イギリスの主要メディアから好評を受けている。

 

「Sorry Anyway」は、徹底的な自己受容と恐れを知らない個性をテーマにした、明るくキャッチーなアンセムであり、BBC Radio 6 Musicのヒュー・スティーブンスによって初公開された。

 

『ガーディアン』紙もこの曲をF&Mプレイリストに選出し、「テガン&サラの最もパンチの効いた側面が脈打つ、混沌とした愛へのパワーポップの賛歌」と評した。

 

『クラッシュ』誌は「過激な自己受容と恐れを知らない個性をテーマにした、鮮やかな色彩とキャッチーなメロディーが際立つアンセム」と絶賛している。


「Heart To Heartbreak」はこちらで聴くことができ、下の動画もぜひご覧ください。


「Heart To Heartbreak」



クラシック音楽や伝統的な器楽への造詣をバックグラウンドに、多彩なジャンルを横断して活躍する作曲家・阿部海太郎。演出家・脚本家の源孝志が手掛けたドラマのサウンドトラックを連続配信リリースしてきた『Musical Portrait of Takashi Minamoto』シリーズから、厳選されたピアノ曲を収録したアルバム『Piano Portrait of Takashi Minamoto』が7月22日(水)にリリースされる。

 

これを記念し、豪華ゲストを迎え、ライブイベント『わたしは迷わずピアノを選ぶだろう』が7月2日(木)にWWWにて開催決定。


阿部がピアノと一対一で向き合うプログラムに加え、ボーカリストの武田カオリが歌う、ドラマ『京都人の密かな愉しみ』およびその最新作『京都人の密かな愉しみ Rouge ー継承ー』のエンディングテーマ曲をアンサンブル編成で披露します。さらに源孝志とのトークも繰り広げられます。その間をつなぐのは、DJユニット 「サントラ・ブラザーズ」としても活躍する山崎真央。かつて映画館だったWWWで、物語に導かれて生まれた音楽に浸る特別な一夜をお楽しみ下さい。


阿部海太郎『Piano Portrait of Takashi Minamoto』リリース記念ライブ『わたしは迷わずピアノを選ぶだろう』




[ https://www-shibuya.jp/schedule/019770.php ]


日程| 2026年7月2日(木)

会場| WWW

出演| 


阿部海太郎(ピアノ)

武田カオリ(ボーカル)

源孝志(トーク)

山崎真央(DJ)

梶川真歩(フルート)

小山祐生(オーボエ)

前田優紀(クラリネット)

堀米綾(ハープ)

小寺里枝(ヴァイオリン)

佐藤恵梨奈(ヴァイオリン)

福井綾(チェロ)

三谷陽子(ヴィオラ)

木幡奈緒美(コントラバス)


時間| OPEN / START 18:00 / 19:00

料金| 着席 ¥7,000 / スタンディング ¥5,000 (税込 / ドリンク代別) チケット(e+)[ https://eplus.jp/umitaro ]

お問い合わせ| WWW 03-5458-7685

 

阿部海太郎:

 

作曲家。クラシック音楽をはじめ世界の伝統的器楽への造詣をベースに、巧妙な編成による音色と独創的な旋律で詩的な世界を浮かび上がらせる。

 

舞台、ドラマ、映画、さまざまなクリエイターとの作品制作などで作曲を手掛けるほか、コンサート企画やアルバム制作も行う。主な仕事に、蜷川幸雄演出のシェイクスピア作品、舞台『チ。ー地球の運動についてー』(2025)『世界の終りとハードボイルドワンダーランド』(2026)、映画『碁盤斬り』(2024)『木挽町のあだ討ち』(2026)、ドラマ『京都人の密かな愉しみ』シリーズ(2015~)『グレースの履歴』(2023)、NHK連続テレビ小説『らんまん』(2023)など。近年は音楽を通して社会と文化の関わりを問い直す取り組みも積極的に行っている。