デュオは、昨日、アメリカのNBCの朝の情報番組に出演し、シングルの2曲目に収録されている「Better Than Snow」をアコースティックで披露した。ノラ・ジョーンズのスタンダード・ジャズのピアノのムードたっぷりの弾き語りとレイヴェイのソウルフルな歌声が絶妙にマッチした名演となっている。一足先にクリスマスの幸せな気分に浸らせてくれる素敵なパフォーマンスだ。
ノラ・ジョーンズはホリデー・ソングとして、2022年にクリスマスアルバム『I Dream Of Chrismas』を発表し、後にデラックス・バージョンをリリースしている。さらにレイヴェイは、11月3日に三曲収録のホリデーソング集「A Very Laufey Holiday!」をリリースし、翌日にはspotify限定リリースとなるクリスマスソングの定番曲のカバー「Winter Wonderland」を発表した。
新作アルバム『Beach Day」には、先行公開された複数のシングル「Psychopath」、「A Feeling」、「Burn the Way」、「Uh Oh!」が収録されている。バンドは「Aimee Caught A Moth」を新たに公開した。このニューシングルは単発の作品で、新作アルバムには収録されない。
「言葉以上のものが必要だと感じた。それに、すでに多くの先行曲を発表している。だから、B面の『Aimee Caught A Moth』を皆さんにプレゼントしたいのです。この曲は網の目をくぐり抜けてしまった曲のひとつで、私たちは今でもこの曲を愛してます。この曲は、私の同居人、エイミーがクモの巣から蛾を捕まえて放したとき、監禁状態のどん底で書かれた曲。信じられないほど重要で、歌にふさわしいと感じた。エイミーは素晴らしい人なのだし、歌にふさわしい」
新作アルバムについてヴィンセントは、「2019年に『I Slept on the Floor』をリリースしたとき、2枚目のレコードを完成させたと思っていた。しかし、時間は複雑な獣です。そして、ロックダウンの深淵の中で、新しいビジョンが生まれ、私たち全員がそのビジョンに従う必要があるとわかっていた。そのビジョンが『Beach Day』です。これは、個人的な冬を乗り越え、光を見出す物語。シャドウ・サイド、怒り、悲しみ......。それらを乗り越えるため、自分の中のそうした部分を愛することを学ぶ。その中に変容の始まりを感じてもらえれば幸いです」と述べた。
さらに、ビルボード誌によると、映画『Eras Tour』は週末を終えて、北米での累計興行収入は1億7820万ドル、海外での累計興行収入は7180万ドルにのぼった。このコンサート映画は現在、2023年の世界興収ランキングで『The Nun II』(2億6800万ドル)に次ぐ19位を記録し、アメリカ国内では反人身売買映画として物議を醸した『サウンド・オブ・フリーダム』(1億8420万ドル)、『ジョン・ウィック:チャプター4』(1億8710万ドル)に次ぐ11位につけている。
映画『The Eras Tour』は今週木曜日(11月30日)に再公開される。11月27日、シンガーは34歳の誕生日を記念して、この映画を家庭用オンデマンドで配信すると発表した。彼女のキャリアを振り返るツアーの記録は、劇場版ではフィーチャーされなかった3曲をフィーチャーした拡大版としてホームスクリーンに登場する。「Wildest Dreams」、「The Archer」、「Long Live 」である。
この映画は、米国、カナダ、そして近日中に発表される他国で、12月13日にオンデマンドでレンタルされる予定。現時点では、日本での公開は未定となっている。『Taylor Swift: The Eras Tour』は10月に公開され、9,280万ドル以上の興行収入を記録し、たった1回の週末で瞬く間にコンサート映画史上トップの興行収入を記録した。
先月、テイラー・スウィフトは、2014年の大ヒット・アルバムの再録版で、5曲の未発表曲を追加収録した『1989 (Taylor’s Version)』を発表した。彼女は、本作のリリースを、2023年12月22日に全米で公開予定の新作アニメ映画『Migration』の予告編に登場した「Out Of The Woods」の新ヴァージョンで予告している。ジャック・アントノフと共作・共同プロデュースした同曲のオリジナル・ヴァージョンは、アルバム『1989』からの6曲目のシングルとして2016年にリリース。
2023年リリースの新譜のために拡張されたこのコレクションは、最初のシングル "Love Me Do "から最後の "Now And Then "まで、ザ・ビートルズの全音源を75曲の傑出したトラックで網羅している。新たに追加された21曲(Redは12曲、Blueは9曲)は、ビートルズの超名曲をさらにアピールしている。
他のビートルズ・チャート・ニュースとしては、今月初め、彼らはUKチャート1位に返り咲き、記録を更新した。彼らは、"最後の "楽曲である "Now and Then "をリリースした後、同チャートにランクインした。これはバンドにとって18曲目のチャート・トップとなった。
最後のNo.1獲得が1969年だったため、彼らはNo.1シングルの間隔が最も長いバンドまたはアーティストとなった。ケイト・ブッシュが "Wuthering Heights "で1位を獲得してから44年後に "Running Up That Hill "で1位を獲得している。
"Now and Then "はジョン・レノンが書き、歌い、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スターが練り上げ、40年以上経ってポールとリンゴが完成させた。
1980年代、当時、学校教師をしていたロバート・ポラードを中心に結成されたオハイオの伝説的なオルタナティヴロックバンド、GBV(Guided By Voices)は、最も活躍した年代こそ不明であるが、90年代、00年代のUSオルタナティヴ・ロックの大御所と見なされてもおかしくない。
このシーンには、Pixies、Superchunk、Dinasour Jr.(J. Mascis)のオルタナ御三家を筆頭に、Pavement、Archers Of The Loaf、Sebadoh,そして、Guided By Voicesが並んでいる。さらに、マニアックになると、4ADに所属するThrowing Muses、Breeders、Amps(双方ともに、Pixiesのベーシスト/ボーカル、キム・ディールのバンド)、Drive Like Jehu、Galaxie 500、さらにはシカゴのレーベル、タッチ・アンド・ゴー界隈のインディーロックバンドというように無数のバンドがいる。もちろん、さらにアンダーグランドに潜っていくと、オーバーグラウンドのグランジの対抗勢力である、Red House Painters、Codeineといったスロウコアのバンドに繋がるということになる。サッドコアやインディーフォークの代表格であるElliot Smithあたりも挙げられるだろう。
そういった昨今のミュージック・シーンの動向の中、主流になりつつあるのが以前とは正反対のスタイルである。つまり、メジャーに所属することも出来るけれど、あえてバンドのインプリントのレーベルからリリースを行うバンドがいる。例えば、大御所でいえば、メタリカ等が挙げられるが、これは商業的な側面では、その限りではないものの、セルフリリースに近い趣旨で作品を発表してきたいという、バンドメンバーやマネージメント側の思惑があるのかもしれない。『Nowhere To Go But Up』を発表したGuided By Voicesも、バンドの独立したレーベルから昨今、リリースを行い、よりコアなファンを取り込もうとしている。
そもそも、Guided By Voicesというバンドは、Archers Of The Loafと同様に、誰もが傑作と呼ぶアルバムを持たない。それに加え、Sebadohの「Skull」のような、「このバンドであればこれを聞こう」という代名詞的な一曲もほとんどない。にもかかわらず解散した時期もあったが、現在も活動を継続している。これは、よく考えるまでもなく、驚異的なことである。しかし、日本のロックバンド、怒髪天のメンバーがいっていたように、「飛ぶように売れすぎない」ことが、バンドの寿命をより長くする秘訣でもあるという。この成功事例に則っているのが、Guided By Voicesであり、それほどメガヒットを記録することもないけれど、90年代から以降の年代にかけて、じわりじわりとファンベースの裾野を拡大していき、USオルタナティヴロックの大御所というべき地位を獲得していったのである。これはかなり根気のいることなのは確かで、現在も辛抱強く活動を続けているいうことが奇跡であり、まさしくレジェンドたる所以なのだろう。音楽は、必ずしも人生の最重要事項になりえないため、活動を長く維持することはきわめて困難なのである。
『Nowhere To Go But Up』は、バンドがR.E.Mに代表されるカレッジロックやオルタナティブロックの原点に回帰したアルバムである。近年、過去のリイシューを含め、ガレージ・ロック的な荒削りな作風を発表していたGBVだが、今作ではよりキャッチーで親しみやすい作風へと転じている。
アルバムのタイトル、オープニング「The Race Is On,The King is Dead」を始め、啓示的な題名が目立つが、楽曲そのものは90、00年代のオルタナティヴロックの王道の音楽性である。ここにはGuided By Voicesとしてのスタンダードなインディーロックのスタイルにとどまらず、Superchunk、Archers Of The Loafのようなロックバンドに近いアプローチも綿密に取り入れている。特に、ロバート・ポラードのボーカルのメロディーは、Superchunkの90年代ごろの懐かしさを思わせ、また、じんわりとした温かみがあり、琴線に触れるものがある。
昨年あたりのGBVのリリースから継続して行われていたことだったが、例えば、Big Muffを思わせるファジーな音作りはこのアルバムでも健在で、「How Did He Get Up There?」はその先鋒となるトラックだろう。ミドルテンポのカレッジ・ロックというフィルターを通して、適度なクランチさと心地よさを兼ね備えたロックソングを提示している。そしてここには、ガレージ・ロックの傍流であるストーナーロックのようなワイルドさもあり、キャッチーさを意識した上で、パンチとフックの聴いた曲を書こうというバンドの思惑も感じられる。
他にもバンドやロバート・ポラードのボーカルの指針として、ボブ・モールドのSUGARのスタイルが念頭にあるという気がする。「Stabbing at Fanctions」では、バンドとしてのパンチやフックを失わずに、それをゆったりとした安定感のあるロックソングに濾過し、それをさらに、Green River、Mother Love Boneといったグランジの出発点にあるプリミティヴなロック性に焦点を当てている。しかし、最終的にボラードのボーカルはボブ・モールドのようなメロディー性に重点が置かれ、それほど暗くはならず、重苦しくもならず、カレッジロックのように気軽な曲として楽しめるはず。
ただ、中盤まではそれなりに良曲も収録されているが、アルバムの終盤では、序盤の野心的なアプローチが薄れる瞬間もある。これは使い古されたスタイルをアルバムの空白を埋めるような感じで収録してしまったことに要因がある。ハードロック的なアプローチを図った「Jack Of Legs」、民族音楽の要素を取り入れ、Led Zeppelinのインディーロックバージョンとも称せる「For The Home」は、バンドが新しい方向性に進んだと解釈出来なくもないが、デビュー時のMarz Voltaのような鮮烈な印象をもたらすまでには至っていないのが残念だ。
ただ、アルバムの最終盤で持ち直す瞬間もある。「Cruel For Rats」では貫禄のあるロックバンドの風格を漂わせる。相変わらずバンドのロックは渋さがあり、聞き入らせる。
そして、アルバムのクローズ「Song and Dance」は、本作の唯一のインディーロックのアンセムとも称すべきか。ギターとボーカルコーラスの調和的な意味合いを持つ最後の曲の効果もあってか、『Nowhere To Go But Up』は、バンドの数あるカタログの中でも聴かせる作品となっている。GBVは最高のロックバンドではないのかもしれないが、平均的な水準以上の音楽を提供し、今も世界のファンを魅了しつづけている。
今回、リリースされたのは「Happy Prince (feat. YILE LIN)」「Ocean in the Night (feat. 洪申豪 & KCWO) [Orchestra Ver.]」。前者は初期のエレファント・ジムの楽曲のエバーグリーンな雰囲気を思わせ、後者はポスト・ロックバンドらしいミニマリズムに根ざしたロックソングとなっている。
リード・シングル「Water Underground」は、1990年代のニコロデオンのシットコム「The Adventures of Pete & Pete」にインスパイアされたビデオと合わせて本日リリース。このクリップはエドモンド・ホーキンスが監督し、同番組のダニー・タンベレリとマイケル・C・マロンナが出演している。
バンドは、ダブ、インダストリアル、メタルの音楽をミックスし、ポストパンクシーンに新風を呼び込み、Gang Of Fourと共にイギリス独自のリズムを確立した。ジョーディー・ウォーカーは変則的なビートによるリズムギターを演奏することで知られている。バンドの楽曲「The Wait」は、のちにメタリカによってカバーされ、メタルファンにもその名を知られるようになった。
キリング・ジョークの1980年代のリリース活動は、1981年の『What's THIS For...!』、1982年の『Revelations』を含む7枚のスタジオ・アルバムまで及ぶ。
その頃、ウォーカーはコールマンと共に、黙示録への懸念からアイスランドの首都レイキャビクに移住した。1985年、バンドはヒット・シングル'Love Like Blood'と'Eighties'をフィーチャーした『Night Time』をリリース。ギャング・オブ・フォーのアンディ・ギルは、デイヴ・グロールをドラムに迎えた2003年のセルフタイトル・アルバムをプロデュースした。バンドの最新作は昨年の『Lord of Chaos EP』で、3月にはシングル「Full Spectrum Dominance」をリリースした。
以降、彼は独自の管楽器の制作に着手し、「ハイプホーン」という楽器を開発している。別名「アースホーン」とも称されるこの楽器が、実制作として陽の目を見ることになったのが1974年である。さらに、彼はパグパイプとインド楽器に触発を受けた新式の楽器を開発する。これらは、空気を圧縮したパグパイプのような構造を持ち、1982年の作品「Lament for the Rise and Fall of the Elepantine Crocodile」に反映されることになった。
その後、「Off The Wall」を制作に取り掛かった。D.A.A.Dのフェローシップを得て、1983年から一年間、ベルリンに滞在し録音した。
教会の本式のパイプオルガンの構造と製作法を学び、『ラメント・フォー』で試した「改良共鳴バグパイプ」を発展させた小型パイプオルガンを新たに開発している。滞在先のスタジオ隣室から騒音苦情が出るほど研究に専念し、まるで実際的な大きさと質量を持つかのような構造物的な存在感のある音を構築した。こうした一年間の制作成果として1984年に録音されたのが『Off The Wall』(※「壁にはね返る」というニュアンス)だった。和田の作品としてはグループ編成の演奏であるため、比較的分かりやすい内容になっている。
和田義正は全生涯にわたり、商業的成功を手に収めることはなく、そのほとんどが資金不足に陥っていた。数少ない商業での成功例といえる「Lament for the Rise and Fall of the Elepantine Crocodile」ですら、印税のロイヤリティは数ドルという範疇に収まっていた。(このアルバムはニューヨークの実験音楽のレーベルである”RVNG”から発売されている。)しかし、以後、彼は電子音楽家である息子と協力し、晩年にかけて創作意欲を発揮しつづけた。2008年にWireのジム・ヘインズに対して、和田義正は、以下のように自らの音楽について言及している。「基本的に私は自由奔放なんです。私は自分のために面白い音楽を制作しようとしている。実は私はチェスをするためにアートをやめたマルセル・ドゥシャンはあまり好きではないのです」
Spector 『Here Come The Early Nights』
Label: Moth Noise
Release: 2023/11/24
Review
ロンドンのSpectorの『Here Come The Early Nights』は、現在、ストリーミングとLPヴァージョンで発売中。ディミトリ・ティコヴォイ(ゴースト、ザ・ホラーズ、マリアンヌ・フェイスフル、プラシーボ)と彼らの地元であるロンドンで13日間かけてレコーディングされた。
現在のレコーディングの過剰な演出やマスタリングが優勢な中、スペクターのアルバムは、むしろ90年代や00年代のインディーロックと同様に、素朴なミックスが施されている。派手なミックスはたしかに人目を惹くものの、他方、長く聴いていると聴覚が疲れるという難点もある。そういった観点から見るかぎり、『Here Come The Early Nights』は前2作のようなパンチこそないが、安心感があるのは事実のようである。 90年代のブリット・ポップに親しむリスナーであれば、何かの親近感を覚えるようなアルバム。これはまたフロントマンを始め、四人組がイギリスのロックの普遍的な良さを追求した作品ともいえる。夜に、ディズニープラスを子供と一緒に見ているような快適さをフロントマンのフレッド・マクファーソンは求めたというのだ。
2020年に発表された「No Fiction」、及び昨年の「Now or Whenever」ではインディーロックやダンスロック的な要素があり、また、特に2作目では、シンセサイザーを駆使して実験的なアート・ロックにも挑んでいたスペクターであるが、この三作目のLPではより親しみやすいブリットポップに傾倒しているように感じられる。それは前の2作を通じて提示されたインディーロックのバンドアンサンブルと深みのあるボーカルと相まって、オープニングを飾る「The Notion」のような初期のColdplayのような渋さと哀愁を兼ね備えたロックソングを生み出す契機となった。
中盤に収録されている「Never Have More」は、前の2作で構築してきたSpectorサウンドをより親しみやすいロックとしてアウトプットしている。この曲も性急さや過剰さを避けながら、緩やかなインディーロックのアプローチを図っている。マクファーソンはサビの部分では渋さと円熟味のあるボーカルを披露しているが、それらを支えているのが繊細さとダイナミックス性を兼ね備えたギターライン、そしてメロディーやビートを損ねないドラム、もちろん、その補佐役となるベースラインである。これらのアンサンブルが渾然一体となり、ブリット・ポップ全盛期の思わせる一曲が生み出されることになった。BlurやAshといった名バンドを彷彿とさせる。
「Not Another Weekend」は、バンドの2020年の頃の回想とも取れるし、以後の「Pressure」では、家庭と仕事との合間にある緊張感が示されていると解釈出来る。一方、前作までとは異なり、信頼感と安定感のあるロックバンドとしての貫禄も表れている。「Another Life」は、2020年頃とは異なる人生の側面に焦点を絞っている。シンガロングを誘発する緩やかなサビを制作したのは、リスナーとの歩みと協調性を重視した結果とも考えられる。さらにシンプルなバラード「Room With a Different View」では三年でバンドやフロントマンの人生が変化したことが伺える。
スペクターのバンドとしての緩やかな変化や成長は、タイトル曲『Here Come The Early Nights』に特にわかりやすい形で反映されている。さらに、グルーブ感を意識したダンスポップソング「All of The World is Changing」は、デビュー時からスペクターが追求してきたスタイルの集大成と言える。スペクターはひとつずつ階段を上り続けている。今後のさらなる飛躍に期待しよう。
録音には、他にも、ダニイェル・ジェジェリ、ドナート・サンソーネ(後者は「Twist Into Any Shape」のビデオクリップでLIAFロンドン国際アニメーションフェスティバル2022の最優秀ミュージック・ビデオ賞を受賞)、マルコ・モリネッリ(「Behold the Man」のビデオでLAFAロサンゼルス・フィルム・アワードやラスベガスのベガス・ムービー・アワードなど数々の国際映画祭で受賞)が参加。
一昔前、米国にBuena Vista Social Club(ブエナ・ヴィスタ・ソシアル・クラブ)というバンドがいたが、キューバーにルーツを持つメンバーがいたこともあり、陽気なカリブ音楽で一世を風靡した。このバンドは、JFKの時代から冷え込んでいた米国とキューバの関係を音楽的な側面で繋げる重要な役割を担った。
ボーカルは、アークティック・モンキーズ/QOTSA(Queen of The Stone Age)のボーカリスト、アレックス・ターナー、ジョッシュ・ホーミの哀愁を想起させる。しかし、これらのロック的なアプローチに意外性を与えているのが、シャッフルを多用したジャズ・ドラムのリズム、ファンクに触発されたベースライン、女性コーラスワーク、そして、ノイズを加味したエレクトロニクスである。
「Nomad At Home」は自分の場所で外国人のように感じるというコンセプトを追求しました。ダークな雰囲気のあるエレクトロニックソングです。
ボコーダーを通して声は距離と疎外感を与え、どこにも帰属しえないという経験を増幅させる。ジャズの影響と中東のサウンドが絡み合い、勇気と絶望を反映する正確無比の軌跡を描く。日々、命の危険を冒してまで移動しつづける人々……。「Nomad At Home」は、現実の感情的な重さを描写し、我々全員に深く影響を与える問題に注意を向けようとしています。