〈Beams Plus〉とロンドン発のスケートブランド〈PALACE SKATEBOARDS〉との初コラボレーション・ラインの広告に楽曲「Tortuga (For Me Mam) 」が使用された若手5人組、ナッツ(Knats)。今春、待望のデビューアルバムをリリースしたばかりの彼らが、早速新曲をデジタル配信しました。
「Beauty & The Beast (Peace)」と題された今回のシングルでは、キューバン・ジャズとソウル/ファンク・ミュージックの絶妙な融合を堪能出来ます。今回のコラボレーターのマイクは、ボーカルの側面で同楽曲に情熱的な空気感をもたらしている。本作はマイク・キート(キューバン・ブラザーズ)とサイモン・バーソロミュー(ザ・ブラン・ニュー・ヘヴィーズ)とのコラボレーション楽曲だ。昨年レコーディングされたもので、タイトなジャズ・サウンド、マイクのパワフルなソウル・ヴォーカルとサイモンのファンクに傾倒したギターが混ざり合っている。
同楽曲についてマイク・キートは次のようにコメントを寄せています。
僕個人としての過去数作のリリースは、例えば「I'll Keep My Light In My Window」のような、ソウルフルなプロテスト・ソングに少し踏み込んだものだったけど、今回のリリースでは、世界中で虐げられている人々についてもっと語りたかったし、過度に政治的でなくても、連帯のメッセージを伝えたかったんだ。
For generations, 20th century Black American artists have ventured from home to find new self-expression among Nordic creative communities in Sweden, Norway, Finland and Denmark. Here they found "hipper" intellectual spaces for bringing all people together through music. In this spirit, vocalist Candice Hoyes releases a unique arrangement of the Swedish traditional song that was notably recorded by Duke Ellington and his Orchestra with vocalist Alice Babs, released in 1978.
Hoyes’s version is arranged for soprano and jazz octet by GRAMMY-winner Ted Nash and features lyrics Hoyes wrote reflecting on the pivotal importance of Black ancestral history in 2025. Hoyes remarks, ‘My single "Far Away Star’ is a tribute to Ellington, and it is a tribute to free expression and justice that is as eternal as the North Star."
Hoyes was awarded a 2025 Du Bois Fellowship, and has researched music forged by Josephine Baker, Abbey Lincoln, Lena Horne, Ella Fitzgerald and more. Hoyes's recent performances include Jazz at Lincoln Center, Carnegie Hall (NYC), the Kennedy Center (DC), La Petite Halle (Paris), Boisdale of Canary Wharf (London), Detroit Symphony, and Millenium Park (Chicago).
テキサス生まれでオクラホマシティ在住のフィンガースタイル・ギタリスト、Hayden Pedigo(ヘイデン・ペディゴ)が、ジャンルを超えた注目のニューアルバム『I'll Be Waving As You Drive Away』をメキシカン・サマーから6月6日にリリースすると発表した。
2016年の『A Cosmic Rhythm With Each Stroke』に続く、ヴィジャイ・アイヤーとワダダ・レオ・スミスのECMへの2作目のデュオ形式のレコードとなる『Defiant Life』は、人間の条件についての深い瞑想であり、それが伴う苦難と回復の行為の両方を反映している。しかし同時に、このデュオのユニークな芸術的関係と、それが生み出す音楽表現の無限の形を証明するものでもある。ヴィジャイとワダダが音楽で出会うとき、彼らは同時に複数のレベルでつながるからだ。
ヴィジャイのECMでの活動は急速に拡大しており、リンダ・メイ・ハン・オー、タイショーン・ソーリーとの現在のトリオ(2021年『Uneasy』、2024年『Compassion』)、ステファン・クランプ、マーカス・ギルモアとの以前のトリオ(2015年『Break Stuff』)、そして好評を博したセクステット・プロジェクト『Far From Over』(2017年)などがある。
ピアニストは、2014年に弦楽四重奏、ピアノ、エレクトロニクスのための音楽で高い評価を得た録音『Mutations』をリリースし、ロスコー・ミッチェルの2010年のアルバム『Far Side』、すなわちクレイグ・タブーンとのデュオで『Transitory Poems』(2019年)に参加している。そのほかにも2014年にDVDとブルーレイでリリースされた、ヴィジャイと映像作家プラシャント・バルガヴァの鮮やかなマルチメディア・コラボレーション『Rites of Holi』も忘れてはならない。
「私たちは、それぞれの言語と素材を使って仕事をしている」とヴィジェイは広範なライナーノートに記しています。共同制作の必然性というのは、楽曲ごとに異なる形で体現される。「Sumud」では不吉なことを言い、「Floating River Requiem」では祝祭的なオーラを放ち、「Elegy」では疑念を抱きながらも明るい兆しが見える。そして終結の「行列」では破滅的に美しい。
こうした音楽の中で都会的なジャズの趣を持つ曲が「Floating River Requiem」である。この曲は、変拍子を駆使した前衛的な音楽。アルバムの中では、ピアノとトランペットによる二重奏の形式が顕著で、聴きやすさがあります。この曲では、アコースティック・ピアノが用いられ、Jon Balkeの系譜にある実験音楽とモダンジャズの中間にある演奏法が取り入れられています。アイヤーはこの曲でオクターブやスタッカートを多用し、洗練された響きをもたらしている。対するレオ・スミスも、前衛的な演奏という側面においてアイヤーに引けを取らない。長いサステインを用いた息の長いトランペット、それを伴奏として支えるピアノという形式が用いられる。
この曲は表面的に見ると、前衛的に聞こえるかもしれませんが、コールアンドレスポンスの形式、そして、マイルス・デイヴィスとビル・エヴァンスによる名曲「Flamenco Sketches」のように、モーダルの形式を受け継ぐ、古典的なジャズの作曲法が取り入れられています。結局のところ、マイルス・デイヴィスは、ストラヴィンスキーのリズム的な革新性というのに触発され、そしてビーバップ、ハード・バップの先にある「モード奏法」という形式を思いついた。それはまた、ジャズのすべてがクラシックから始まったことへの原点回帰のようでもあり、バロック音楽以降のロマン派の時代に忘れ去られていた教会旋法やパレストリーナ旋法のような、横の音階(スケール/旋法という)の連なりを強調することを意味していた。これらを、JSバッハによる対旋律の音楽形式を用い、復刻したのがマイルス・デイヴィスであったわけです。「Floating River Requiem」はそういったジャズとクラシックの同根のルーツに回帰しています。
(CD) 1. One For Josh 2. Miz (featuring Anatole Muster) 3. 500 Fils (featuring Parthenope) 4. Black Narcissus 5. Rumba(r) 6. Makina Thema 7. Tortuga (For Me Mam) 8. Se7en (featuring Tom Ford) 9. In The Pitt 10. Adaeze
(LP) Side-A 1. One For Josh 2. Miz (featuring Anatole Muster) 3. 500 Fils (featuring Parthenope) 4. Black Narcissus 5. Rumba(r) Side-B 6. Makina Thema 1. Tortuga (For Me Mam) 2. Se7en (featuring Tom Ford) 3. In The Pitt 4. Adaeze
Credits: Stan Woodward: bass guitar King David Ike Elechi: drums Ferg Kilsby: trumpet Cam Rossi: tenor saxophone Sandro Shar: keyboards Parthenope: alto saxophone on “500 Fils” Richie Sweet: congas on “Rumba(r)” and “Adaeze” Tom Ford: electric guitar on “Se7en” Anatole Muster: accordion on “Miz" Miro Treharne: vocals on “In The Pitt” Otto Kampa: alto saxophone on “In The Pitt” Matt Seddon: trombone on “In The Pitt” Enya Barber: violin on “Tortuga (For Me Mam)” Sam Booth: cello on “Tortuga (For Me Mam)”
All tracks written and arranged by Stan Woodward and King David Ike Elechi apart from “Black Narcissus”, written by Joe Henderson.
Produced by Darrel Sheinman
Recorded at Studio 13, London by Giacomo Vianello, assisted by Ishaan Nimkar
All tracks mixed at The Friary Studios, Aspley Guise by Hugh Padgham apart from “Tortuga (For Me Mam)”, mixed by Chris Webb
なお、シャバカ・ハッチングスはさらにもう1曲「High and Wide」にも尺八で参加している。アルバムからはすでに「A House, A City」のミュージックビデオが公開されている。同楽曲は、エリオットにとっての最初のピアノで弾いた最後の即興演奏をiPhoneで録音したものから始まり、その後、彼の家と成長期の思い出にインスパイアされた個人的で繊細なソロ曲へと発展していく。
Side-A 1. A House, A City 2. From Beneath 3. Still Under Storms 4. Gold Bright (Feat. Shabaka Hutchings) 5. Stone Houses Side-B 1. High And Wide (Feat. Shabaka Hutchings) 2. In Concentric Circles 3. As If By Weapons 4. Giants Corrupted 5. Fell Broadly 6. These Walls
<トラックリスト> (CD) 1. One For Josh 2. Miz (featuring Anatole Muster) 3. 500 Fils (featuring Parthenope) 4. Black Narcissus 5. Rumba(r) 6. Makina Thema 7. Tortuga (For Me Mam) 8. Se7en (featuring Tom Ford) 9. In The Pitt 10. Adaeze
(LP) Side-A 1. One For Josh 2. Miz (featuring Anatole Muster) 3. 500 Fils (featuring Parthenope) 4. Black Narcissus 5. Rumba(r) Side-B 6. Makina Thema 1. Tortuga (For Me Mam) 2. Se7en (featuring Tom Ford) 3. In The Pitt 4. Adaeze
Credits: Stan Woodward: bass guitar King David Ike Elechi: drums Ferg Kilsby: trumpet Cam Rossi: tenor saxophone Sandro Shar: keyboards Parthenope: alto saxophone on “500 Fils” Richie Sweet: congas on “Rumba(r)” and “Adaeze” Tom Ford: electric guitar on “Se7en” Anatole Muster: accordion on “Miz" Miro Treharne: vocals on “In The Pitt” Otto Kampa: alto saxophone on “In The Pitt” Matt Seddon: trombone on “In The Pitt” Enya Barber: violin on “Tortuga (For Me Mam)” Sam Booth: cello on “Tortuga (For Me Mam)”
All tracks written and arranged by Stan Woodward and King David Ike Elechi apart from “Black Narcissus”, written by Joe Henderson.
Produced by Darrel Sheinman
Recorded at Studio 13, London by Giacomo Vianello, assisted by Ishaan Nimkar
All tracks mixed at The Friary Studios, Aspley Guise by Hugh Padgham apart from “Tortuga (For Me Mam)”, mixed by Chris Webb
ジャコ・パストリアスは、パット・メセニーの自宅で演奏したあと、ポール・ブレイと一緒にライブ・アルバム『ジャコ・パストリアスとの出会い(Jaco
Pastorius / Pat Metheny / Bruce Ditmas / Paul Bley)』(1974)、『Broadway
Blues』(1975)で共演したほか、また、後には、パット・メセニーのスタジオアルバム『Bright Size
Life』(1976)にも共同制作者として名を連ねている。また、同年、ジョニ・ミッチェルのアルバム『Hejira』にも参加した。
驚くべきことに、彼のデビューアルバムには、クラシック、ジャズ、現代音楽、ファンク、R&B、そしてラテン音楽を始めとするエスニックすべてがフルレングスにおさめられている。その中でも、ミュートやハーモニクスを生かした「Portrait
Of Tracy」、民族音楽のリズムを取り入れ、それらをジャズとミニマリズムから解釈した「Okonkole y
Tromba」等の独創性が際立っている。また、「Opus
Pocus」ではカリブ海のスティールパンの演奏が取り入れられている。当時は「フュージョン」とも称されていたが、クロスオーバージャズの先駆的なアルバムでもある。今なおジャコ・パストリアスの演奏、そして作曲は鮮烈な印象をとどめている。
それは時々、編曲という形に表れ出ることがあった。いつ彼がクラシックを聴いていたのか、もしくはスコアを研究していたのかは定かではないが、1981年に発表されたセカンドソロアルバム『World Of Mouth』では、「半音階幻想曲(Chromatic Fantasy)」という曲が登場し、これはバッハの半音階幻想曲とフーガ(BMV903)の編曲あるいはオマージュである。他にもビートルズの「Blackbird」をアレンジしている。
アルバムの冒頭曲「Black Is All Colors At Once」で聞けるギターの巧みな演奏は空間的な音楽性を押し広げ、そしてピアノの微細な装飾的な分散和音が加わると、明らかに他のセクステットではなしえない美麗で重厚感のある感覚的なハーモニーがぼんやりと立ち上ってくる。二曲目「Haiti」では、ドラムの演奏がフィーチャーされ、民族音楽のリズムが心地よいムードを作り出す。同じように構成的な演奏が順次加わり、金管楽器、ギター、ベースが強固なアンサンブルを構築していく。当初はリズムの単一的な要素だったものが、複数の秀逸な楽器の演奏が加わることにより、音楽全体の持つイメージはより華やかになり、豪奢にもなりえる。そういった音の構成的な組み上げを楽しむことが出来る。リズムの構成はエスニック(民族音楽)の響きが強調されているが、対してジェイコブ・ブロのギターはスタンダードなフュージョンジャズの領域に属する。これがそれほど奇をてらうことのない標準的で心地よいジャズの響きを生み出す。
「Peninsula」は同レーベルのエスニックジャズを洗練させた曲で、ピアノの演奏がミュート技法を用いたギター、ベースに対して見事なカウンターポイントを構成し、曲の後半ではまったりした落ち着いたハーモニーを形成する。クローズ「Mar Del Plata」は、アルバムではジェイコブ・ブロのギタープレイがフィーチャーされる。ラルフ・タウナーのギターほど難解ではなく、フュージョン・ジャズを下地にした心地よいギターの調べに耳を傾けることが出来るでしょう。
84/100
「Black Is All Colors At Once」
本日、ニューカッスル/アポン・タインの5人組、ナッツ(Knats)が新曲「Tortuga (For Me Mam)」を発表。UK気鋭のモダンジャズグループとして今後の活躍に大いに期待したい。今作は、彼らにとってギアボックス・レコードからの初リリースとなる。(各種ストリーミングはこちら)
新曲「Tortuga (For Me Mam) 」では、シネマティックなストリングスに、彼らのダンスとエレクトロニックな感性から生まれたファンクなベースラインとブレイクビートのドラミングが組み合わされている。筋肉質なアップテンポのリズムが、鮮やかなトランペット・ワークと器用な鍵盤をフィーチャーした複雑なアレンジで踊っている。
シーンに登場して間もない彼らは、すでにSoho Radio、BBC Newcastle、WDR3によって認知され、Spotifyの ‘All New Jazz’プレイリストに選曲された他、‘JazzFresh Finds’のカヴァーも飾っている。
さらに、「BBC Introducing North East」からも絶大な支持を受けている。 今月初旬に発表された〈Beams Plus〉とロンドン発のスケートブランド〈PALACE SKATEBOARDS〉との初コラボレーション・ラインの広告に楽曲「Tortuga (For Me Ma)」が使用された。
即興で作るインストゥルメンタル・ミュージックに対する情熱から誕生した同プロジェクトでは、それぞれが持つ感受性を武器に、ダンサブルで独特の雰囲気を持った作品作りを心がけている。2020年1月、デビュー・シングル「Village Of The Sun」を、4月にはセカンド・シングル「Ted」を配信リリース。
その後、2022年9月に2年半ぶりとなる新曲「Tigris」をリリース。10月には更なる新曲「The Spanish Master」を、そして11月にはファースト・アルバム『ファースト・ライト』を発売。2023年5月、ビルボードライブ東京にて初来日公演を実施。2024年10月、同公演からのライヴ音源を収録したデジタルEP『Village Of The Sun, Live in Tokyo』を配信リリース。