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Concord Jazz


Concord Jazz(コンコード・ジャズ)は、マイルス・デイヴィスの『Bitches Brew』にインスパイアされた新作を発表しました。『London Brew』と題されたこのレコードには、イギリスのジャズ・シーンの重要なプレイヤー、Nubya Garcia、Shabaka Hutchings、Dave Okumu、Tom Skinner、Benji B、Theon Crossらが複数参加しています。

 

2020年12月にロンドンのPaul Epworth's Church Studiosでレコーディングが行われた。3月31日に2xLP、2xCD、デジタルで発売される予定です。以下、トレーラーをチェックし、そのファースト・シングル「Miles Chases New Voodoo in the Church」を聴いてみてください。


ガルシアはプレスリリースでニューシングルについて次のように語っている。"このシングルは、マイルス・デイヴィスのジミ・ヘンドリックスへの頌歌('Miles Runs the Voodoo Down')を私たちが解釈したものです」

 

私はいつも、マイルスとジミの創造的な心にとても刺激を受けてきた...。2人とも自分の道を切り開いた革新者であり、それは、私が自分のキャリアで目指してきたものでもあります。ここしばらくは、自分の楽器でペダルやエフェクトを試したり使ったりしていたので、この曲で彼らの遺産に敬意を表しながら、それを実現できたことは、創造的にも個人的にも嬉しいことでした。


London Brewに参加したミュージシャンたちは、ギタリストのマーティン・テレフェとエグゼクティブ・プロデューサーのブルース・ランプコフによって、パンデミックのために結局中止となったBitches Brewの50周年を祝うライブのために集められた。「私にとって、ビッチェズ・ブリューとはそういうものだ」とシャバカ・ハッチングスは声明で述べている。

 

純粋に音楽が好きで音楽を作っているミュージシャンたちが、社会的な力として、社会的な構成要素として、音楽活動に取り組んでいる。彼らは、団結と動きを表現するものを作っている。それが生きているということなんだ。統一感があり、運動があり、振動がある。それ以上に生きていることはないよ。つまり、それがビッチェズ・ブリューなんだ。


 

 

 



Concord Jazz 『London Brew』 

 


 
Label: Concord Jazz

Release: 2023年3月31日
 

Tracklist:

1. London Brew
2. London Brew Pt.2 – Trainlines
3. Miles Chases New Voodoo in the Church
4. Nu Sha Ni Sha Nu Oss Ra
5. It’s One of These
6. Bassics
7. Mor Ning Prayers
8. Raven Flies Low

Pre-order:

https://london-brew.lnk.to/London_Brew

Keith Jarret  『Dramaten Theater,Stockholm Sweden September 1972』

 

 

 

 

 Label : Lantower Records

 Release Date: 2023年1月2日

 

 

Review


 米国のジャズ・ピアニストの至宝、キース・ジャレットは、間違いなく、ビル・エヴァンスとともにジャズ史に残るべきピアニストのひとりである。

 

 若い時代、ジャレットはマイルス・デイヴィスのバンドにも所属し、ECMと契約を結び、ジャズとクラシックの音楽を架橋させる独創的な演奏法を確立した。その後、90年代になると、難病の慢性疲労症候群に苦しんだけれども、最愛の妻の献身的な介抱もあってか、劇的な復活を遂げ、『The Melody At Night,With You」(ECM 1999)という傑作を作りあげた。ピアニストの過渡期を象徴するピアノ・ソロ作品には、その時、付きっきりで介抱してくれた最愛の妻に対する愛情を込めた「I Love You, Porgy」、アメリカの民謡「Sherenandoah」のピアノ・アレンジが収録されている。2000年代に入ってからも精力的にライブ・コンサートをこなしていたが、数年前に、ジャーレットは脳の病を患い、近年は神経による麻痺のため、新たに活動を行うことが困難になっている。そして、残念ながら、コンサート開催も現時点ではのぞみ薄で、昨年発売されたフランスでのライブを収録した『Bordeaux Concert(Live)』もまた、そういった往年のファンとしての心残りや寂しさを補足するようなリリースとなっている。

 

 ジャレットの傑作は、そのキャリアが長いだけにあまりにも多く、ライブ盤、スタジオ盤ともにファンの数だけ名盤が存在する。ライブの傑作として名高い『ケルン・コンサート」は、もはや彼の決定盤ともいえようが、その他、『At The Deer Head Inn』がニューオーリンズ・ジャズのゴージャスな雰囲気に充ちており、異色の作品と言えるかもしれないが、彼の最高のライブ・アルバムであると考えている。また、ECMの”NEW SERIES”のクラシック音楽の再リリースの動向との兼ね合いもあってか、これまで、ジャレットは、バッハ、モーツァルト、ショスターコーヴィッチといったクラシックの大家の作品にも取り組んでいる。クラシックの演奏家として見ると、例えば、ロバート・ヒルのゴールドベルク、オーストリアの巨匠のアルフレッド・ブレンデル、その弟子に当たるティル・フェルナーの傑作に比べると多少物足りなさもあるけれど、少なくとも、ジャレットはジャンルレスやクロスオーバーに果敢に挑んだピアニストには違いない。彼は、どのような時代にあっても孤高の演奏家として活躍したのである。

 

 今回、リリースされた70年代でのスウェーデンのフル・コンサートを収録した『Dramaten Theater,Stockholm Sweden September 1972』は、今作のブートレグ盤の他にも別のレーベルからリリースがある。私はその存在をこれまで知らなかったが、どうやらファンの間では名盤に数えられる作品のようで、これは、キース・ジャレットがECMに移籍した当初に録音された音源である。もちろん、ブートレグであるため、音質は平均的で、お世辞にも聞きやすいとは言えない。ノイズが至る箇所に走り、音割れしている部分もある。だが、この演奏家の最も乗りに乗った時期に録音された名演であることに変わりなく、キース・ジャレットのピアノ演奏に合わせて聴こえるグレン・グールドのような唸りと、演奏時の鮮明な息吹を感じとることが出来る。

 

 また、本作は、40分以上に及ぶストックホルム・コンサートは、ジャレットの演奏法の醍醐味である即興を収録した音源となっている。意外に知られていないことではあるが、最後の曲では、ジャレット自ら、フルートの演奏を行っている。そして、素直に解釈すると、本作の聞き所は、ジャズ・ピアノの即興演奏における自由性にあることは間違いないが、着目すべき点はそれだけにとどまらない。すでに、この70年代から、ジャレットは、バッハの「平均律クレヴィーア」の演奏法を、どのようにジャズの中に組み入れるのか、実際の演奏を通じて模索していったように感じられる。音階の運びは、カウンターポイントに焦点が絞られており、ときに情熱性を感じさせる反面、グレン・グールドの演奏のように淡々としている。ただ、これらの実験的な試みの合間には、このジャズ・ピアニストらしいエモーションが演奏の節々に通い始める。これらの”ギャップ”というべきか、感情の入れどころのメリハリに心打たれるものがある。

 

 それらは、高い演奏技術に裏打ちされた心沸き立つような楽しげなリズムに合わせて、旋律が滑らかに、面白いようにするすると紡がれていく。さらに、二曲目、三曲目と進むにしたがって、演奏を通じて、キース・ジャレットが即興演奏を子供のように心から楽しんでいる様子が伝わってくるようになる。公演の開始直後こそ、手探りで即興演奏を展開させていく感のあるジャレットではあるが、四曲目から五曲目の近辺で、がらりと雰囲気が一変し、ほとんど神がかった雰囲気に満ち溢れてくる。それは目がハッと覚めるような覇気が充溢しているのである。

 

 コンサートの初めの楽しげなジャズのアプローチとは対象的に、中盤の四曲目の演奏では、現代音楽を意識したアヴァンギャルドな演奏に取り組んでいる、これは、60年代に台頭したミニマル・ミュージックの影響を顕著に感じさせるものであり、フランスの印象派の作曲家のような色彩的な和音を交えた演奏を一連の流れの中で展開させ、その後、古典ジャズの演奏に立ち返っていく様子は、一聴に値する。更に、続く、五曲目の即興では、ラグタイムやニューオーリンズの古典的なジャズに回帰し、それを現代的に再解釈した演奏を繰り広げている。続く、六曲目では、ジャレットらしい伸びやかで洗練されたピアノ・ソロを楽しむことが出来る。

 

 そして、先にも述べたように、最後のアンコール曲では、フルートのソロ演奏に挑戦している。これもまた、このアーティストの遊び心を象徴する貴重な瞬間を捉えた録音である。楽曲的には、民族音楽の側面にくわえて、その当時、前衛音楽として登場したニュー・エイジ系の思想や音楽を、時代に先んじてジャズの領域に取り入れようという精神が何となく窺えるのである。


 この70年代前後には、様々な新しい音楽が出てきた。そういった時代の気風に対して、鋭い感覚を持つキース・ジャレットが無頓着であるはずがなく、それらの新鮮な感性を取り入れ、実際に演奏を通じて手探りで試していったのだ。いわば、彼の弛まぬチャレンジの過程がこのストックホルム・コンサートには記されている。また、後に、ジャズ・シーンの中でも存在感を持つに至るニュー・ジャズの萌芽もこの伝説のコンサートには見いだされるような気がする。

 

 


Soccer 96

 

Blue Note Recordsは、ロンドンの活気ある"Total Refreshment Centre"のコミュニティに所属する幅広いジャンルのアーティストをフィーチャーした新しいコレクション、『Transmissions from Total Refreshment Centre』を2月17日に発売すると発表しました。

 

このコンピレーションには、Byron Wallen, Jake Long, Matters Unknown, Zeitgeist Freedom Energy Exchange, Neue Grafik, Resavoirといったグループが参加しています。また、Soccer96が、MCのKieron Bootheをフィーチャーした「Visions」が最初の先行シングルとしてリリースされた。

 

 

Soccer 96 「Visions」

 

 


TRC(Transmissions from Total Refreshment Centre)は、Lex Blondel(レックス・ブロンデル)が設立した音楽スタジオであり、ロンドンのジャズ・シーンの重要拠点となっています。このTRCを取り巻くグループは、大陸や世代を超えてつながり、豊かな人間関係を生み出しています。  


さらに、このコレクションは、ニュースクール・ジャズ、ヒップホップ、ダブ、ソウル、ファンク、ドリルといった多彩なジャンルで構成されており、キングスランド・ロードを走る車から聞こえてくる音や、玄関から煙のように出てくる音など、様々なサウンドを聴くことができます。ロンドン、シカゴ、メルボルンのトッププレイヤーたちが、新しいコラボレーション、新しいやり方、新しい曲を探し求め、常に、「私たちは皆、お互いを必要としている」という真理に立ち戻っている。ブルーノートのこれまでのレーベル・カラーとはひと味異なる作品となっています。



Blue Note 『Transmissions From Total Refreshment Centre』

 




Label: Blue Note

Release: 2023年2月17日
 


Tracklist:

1. Soccer96 “Visions” featuring Kieron Boothe
2. Byron Wallen “Closed Circle”
3. Jake Long “Crescent (City Swamp Dub)”
4. Matters Unknown “Eloquence” featuring Miryam Solomon 
5. Zeitgeist Freedom Energy Exchange “Isa” featuring Noah Slee 
6. Neue Grafik “Black” featuring Brother Portrait
7. Resavoir “Plight”



Pre-order:
 

1950年代、60年代のジャズは、ビバップ/ハード・バップが主流となり、この音楽形式が様式化しつつあった。その動向に対して出てきたムーブメントがフリー・ジャズだ。以前のラグタイムなどから引き継がれていたジャズのキャラクター性を形作る既存の調性やテンポをフリー・ジャズは否定しようとした。

 

この音楽が初めて70年代にジャズシーンに出てきた時、革新的な音楽に比較的寛容であったかのマイルス・デイヴィスですら、フリージャズに理解を示そうとはしなかったという。形式の破壊を意図する音楽は既にそれ以前の古典音楽において、無調音楽が出てきているが、ジャズも同じようにそれらの形式的なものを刷新する一派が出てきた。しかし、ジャズそのものが自由な精神に裏付けられた音楽と定義づけるのであれば、フリー・ジャズほどその革新を捉えている音楽は存在しない。

 

フリージャズは、その字義どおり、ジャズを形式や様式から開放する動きといえるが、最初期は、スイングを発展させたシャッフルに近いリズムと、調性音楽の否定に照準が絞られていた。これらは、ブルースに影響を受けたという指摘もあるが、 音楽的にはアフリカの民族音楽のように西洋音楽には存在しない前衛的なリズムを生み出すべく、複数のジャズ演奏者は苦心していたに違いない。このフリージャズの代表的な演奏家の作品を大まかに紹介していきましょう。

 

 

・Ornette Coleman(オーネット・コールマン)

 


 

テキサス出身のサックス奏者、Ornette Coleman(オーネット・コールマン)が 1959年に発表した「The Shape Of Jazz To Come」は、フリージャズの台頭を告げた作品であり、コールマンの代表作品に挙げられる場合もある。

 

もともと、オーネット・コールマンは独学で演奏を習得した音楽家であるため、カルテットでの演奏自体も即興性の強いが、「The Shape Of Jazz To Come」に見られる調性の否定、そして、それ以前のビバップ/ハード・バップの規則的なリズムの否定など、革新的な要素に富んでいる。

 

この作品の発表当時の反応は様々で、批評家からかなりの批判を受けた。その時代の価値観とはかけ離れた革新的の強い作品はおおよそこういった憂き目に晒される場合が多い。批判者の中には、マイルス・デイヴィスやチャールス・ミンガスも含まれていた。しかし、のちのフリージャズに比べると、古典的なジャズの性格を力強く反映している作品であることも事実である。 

 

 

 

 ・Eric Dolphy(エリック・ドルフィー)

 


Eric Dolphy(エリック・ドルフィー)はフルートの他にも、クラリネットとピッコロ・フルートを演奏した。当初は、ビバップ・ジャズの継承者として登場したが、のちにアヴァンギャルド・ジャズに興味を持つようになった。ドルフィーのフルートは、クラシックの影響を反映した卓越した演奏力と幅広いトーンを持つのが特徴である。36歳の若さで惜しくも死去したが、生前、ジョン・コルトレーン、ミンガス、オリバー・ネルソンの録音に参加している。

 

オーネット・コールマンの最初のフリー・ジャズの発表から、およそ五年後に発表されたのが、フルート奏者、エリック・ドルフィーの1964年のアルバム『Out To Launch』である。一般的にはブルーノートの1960年代のカタログの中で、もっとも先進的なレコードと称される場合も。しかし、アルバムの冒頭は、ビバップの王道を行くような楽曲に回帰している。しかし、二曲目からは一転してアヴァンギャルドなリズムと無調に近いスケールが展開される。 


 

 

 

・John Coltrane(ジョン・コルトレーン) 



ジョン・コルトレーンはテナー・サックス奏者として、マイルス・デイヴィスのバンドの参加だけでなく、バンドリーダーとしても活躍している。後に、アリス・コルトレーンと結婚する。もちろん、「ブルートレイン」、「カインド・オブ・ブルー」、「マイルストーン」など数多くの傑作を残している。時代により、ビバップ、モード、ジャイアント・ステップスとその音楽性も変化しているが、フリー・ジャズの傑作としては1971年の「Ascent」が挙げられる。

 

この作品では、古典ジャズの巨人として挙げられるジョン・コルトレーンのサックス奏者としての意外な一面を堪能できる。コルトレーンらしからぬ前衛性の高い演奏が行われており、そして基本的なスケールを度外視したアバンギャルドな音楽性は今なお刺激的であり続ける。ビバップやモード奏法など、基本的な演奏法を踏まえ、それらを否定してみせることは、このプレイヤーが固定概念に縛られていない証拠でもある。バックバンドもかなり豪華で、マッコイ・タイナー、ジミー・ギャリソン、エルヴィン・ジョーンズが参加している。ジャズにおける冒険ともいうべき傑作の一つで、コルトレーンはサックスの演奏における革新性に挑んでいる。 




・Alice Coltrane(アリス・コルトレーン)

 

 

Alice Coltrane(アリス・コルトレーン)はラッキー・トンプソン、ケニー・クラーク、テリー・ギブスのカルテットの演奏者として活躍し、スウィング・ジャズに取り組んできた。コルトレーンと出会った後は、互いに良い影響を与え合い、スピリチュアルな響きを追求する。夫の死後は、バンドリーダーとしても活躍した。ファラオ・サンダースとの共作もリリースしている。

 

1971年に発表した五作目のアルバム「Universal Conscousness」は、フリージャズの未知の領域をオルガンの演奏によって開拓した作品である。スピリチュアルな音響は、時に、サイケデリックな領域に踏み入れる場合もあり。コルトレーンの演奏のエネルギッシュさが引き出された一作で、一見すると無謀な試みにも見えるが、モード・ジャズ、即興演奏、そして、構造化された構成要素を組み合わせて制作されている。エキゾチック・ジャズの元祖ともいうべき作品で、エジプトやガンジスといった土地の歴史文化の神秘性が余すところなく込められている。 

 

 

 ・Sun Ra(The Arkestra)


 


 

 

ラグタイム、ニューオリンズのジャズサウンド、ビバップ、モード・ジャズ、フュージョン、と能う限りのジャンルに挑戦してきたサン・ラ。奇想天外なアバンギャルド・サウンドを通じて宇宙的な世界観を生み出した。アフロ・フューチャリズムのパイオニアとも見なされる場合もある。その他にも、ブラジル音楽や民族音楽等、多岐にわたるジャンルを融合した。電子キーボードをいち早く導入し、The Arkestraを結成し、前衛的な音楽活動を行ったことでも知られる。


Sun Raのフリージャズの音源としては、The Arkestraのライブアルバム「It’s After The End Of The World」が挙げられる。1970年にドナウエッシンゲンとベルリンで録音された音源で、即興演奏そのもののスリリングさ、そしてエネルギッシュな演奏を楽しむ事ができる。

 

 

 

・Barre Phillips(バール・フィリップス)

 


フリー・ジャズの開拓史の中にあり、ブルーノートや他の名門レーベルと共にこのジャンルに脚光を当ててきたのが、マンフレッド・アイヒャーが主宰するドイツのECMである。そして、このレーベルのフリー・ジャズの作品の中で聴き逃がせないのが、伝説的なコントラバス/ウッドベース奏者、Barre Phillips(バール・フィリップス)の1976年の「Mountainscapes」である。バール・フィリップスは、カルフォルニア出身で、1960年でプロミュージシャンとしてデビューする。62年からニューヨーク渡り、その後、70年代にはヨーロッパに移住した。ジャズの即興演奏の推進者として活躍し、さらに2014年には、European Improvisation Centerを設立している。

 

「Mountainscapes」は、サックスの奇矯なサウンドにも惹かれるものがあるが、フィリップスのコントラバスの対旋律の前衛性はこの時代の主流のジャズとは相容れないもので、その存在感は他の追随を許さない。フリー・ジャズ史にあって、ベースの演奏の迫力が最も引き出された傑作である。フリー・ジャズとはいかなる音楽なのか、つまり、その答えはほとんど「Mountainscapes」に示されている。ダイアトニック・コードの否定、リズムの細分化、そして破壊、既成概念に対する反駁とはかくも勇気が入ることなのだということが理解出来る。


変奏形式のアルバムであるが、熱狂性と沈静の双方の要素を兼ね備えたメリハリあるサウンドを味わうことが出来るはず。特に、ウッドベースとサックスの白熱したセッションが最大の魅力であるが、このアルバムでのサックスは日本の伝統楽器、笙に近い音響性が追究されている。 


 

 

 

上記の様々な演奏家の音源を聴いてみるとよく理解できるが、これらの芸術家たちはリズムの変形やダイアトニック・スケールの否定等、ジャズの古典的な要素をあえて否定してみせることで、様式化したジャズの演奏や作曲に新たな活路を見出そうと模索していた。そして、これがジャズミュージックが陳腐になることを防いだにとどまらず、後の時代に一般化される”クロスオーバー”の概念の基礎を構築したと言える。


コールマン、コルトレーン、サン・ラ・バール・フィリップスといった上記のジャズの巨人たちの偉大なチャレンジ精神は、実際、現在も、ジャズが最新鋭の音楽でありつづけることに多大な貢献を果たしており、この事は大いに賛美されるべきである。

 Leland Witty  『Anyhow』


 

 

Label:  Innovative Leisure

Release: 2022年12月9日



Review

 


近年のジャズシーンに、飛びきり風変わりなサックス奏者が出てきた。カナダ・トロントを拠点に活動するレランド・ウィッティだ。これまでのジャズ・シーンでは、1つの楽器をとことん一生涯を通じて追究するタイプの演奏家が一般的な支持されてきたように思えるが、その流れは今後少しずつではあるが変わっていくかもしれない。少なくとも、ウィッティは自由性の高いプレイヤーである。この四作目のアルバム『Anyhow』において、基本的な演奏楽器はテナー・サクスフォンではあるが、バイオリン、シンセ、ギター、木管楽器と複数の楽器をレコーディングで演奏しており、マルチ・インストゥルメンタリストとしての才覚が伺える。彼は、Abletonにギターの短い録音を送り込み、多角的なジャズ・サウンドを探究している。


2020年、映画音楽のスコアを手掛けた後、レランド・ウィッティはこの四作目の制作に着手したという。そして、即興演奏をどのように洗練されたプロダクトとして仕上げるのか、プロデューサーとして思考を凝らした痕跡も見受けられる。そして、プレスリリースによれば、それらの即興演奏の中にある物語性をどのようにして引き出すのかに重点が置かれている。いまや時代遅れの言葉となりつつあるジャズ・フュージョンの名は今作の音楽を端的に表する上で最もふさわしい形容詞となる。しかし、本作のジャズは新鮮味を感じさせるもので、エレクトロとジャズ、映画音楽のように叙事的な音楽を独自の視点から解釈するという面において、ノルウェーのエレクトロ・ジャズバンド、Jaga Jaggistのように、ジャズの近未来を予感させる内容になっている。サウンドは徹底して磨き上げられ、逆再生のループなど細部に至るまで緻密に作り込まれているが、それらの緊張感のあるサウンドは、ウィッティのサクスフォンの独特な奏法によって精細感を失うことはほとんどない。

 

作品の全編には、電子音楽とジャズ、その他にも、プレグレッシヴ・ロックやポップスを内包したサウンドが展開されている。それらの楽曲に説得力をもたらしているのが、レランド・ウィッティ自身のサックスの卓越した演奏力である。自身のサックスの演奏をある種のサンプリングのように見なし、音形を細かく刻んで繋ぎ合わせ、リバーブ/ディレイなどを施してダブ的な効果をもたらすという面では、ブライアン・イーノとの共同制作でお馴染みのトランペット奏者、Jon Hassel(ジョン・ハッセル)の手法に通じるものがある。今作の音楽の核にあるものをアンビエントやニューエイジと決めつけることはできないが、ジョン・ハッセルがかつてそうであったように、その楽器の音響における未知の可能性を、レランド・ウィッティも今作において見出そうとしているように感じられる。しかし、それはもちろん、この奏者がサクスフォンという楽器の音響の特性を把握しているから出来ることであり、演奏自体をごまかしたりするような形で過度な演出が加えられているわけではない。レランド・ウィッティの演奏は伸びやかであり、目の覚めるような意外性に富んでいる。とにかく、聴いていて心地よいだけでなく、トーンの繊細な揺らぎによって意外性を感じさせるのが彼の演奏の特性と言えるかもしれない。

 

アルバム全体には確かにプレスリリースに書かれている通り、何らかのドラマ性や物語性が内包されているように思える。しかしそれは非常に抽象的であり、一度聴いただけでその正体が何なのか把握することは難しい。そして、作品全体に満ち渡る叙情性と神秘性も最大の魅力に挙げられる。作曲の技術の高さ(細かな移調を連続させたり、ループなどを駆使している)については群を抜いており、ハンバー・カレッジで学んだ体系的な音楽の知識にとどまらず、実際のセッションにおける生きた音楽の経験、映画音楽の制作経験の蓄積が生かされているように見受けられる。

 

それらは、流動的なセッションの音の流れやグルーヴを綿密に形成し、ハイセンスな電子音楽のバック・トラックと相まって前衛的な音楽性として昇華されている。かといって、技法に凝るというわけでもなく、各楽曲にはLars Horntveth(ラーシュ・ホーントヴェット)の書く曲のようにユニークさが滲み出ている。これらをこのミュージシャンの人物的な面白さと決めつけるのは暴論といえるが、少なくとも、古典的なジャズ、クラシックを踏まえた上で、それを新しい音楽としてどのように組み上げていくのかに焦点が絞られている。そして、この点がアルバムそのものに多様性を与え、さらに聴き応えあるものとしている。これまでニューエイジ、エキゾチック、ニュー・ジャズ、様々な開拓者がシーンには登場してきたが、カナダ・トロントのサックス奏者、レランド・ウィッティも同様にジャズのまだ見ぬ魅力を伝えようとしている。

 


94/100

 

 

  

 

 

 Leland Witty

 

レランド・ウィッティは、Badbadnotgoodのメンバーとして最も有名なサックス奏者、マルチインストゥルメンタリスト。

 

コーチェラ、グラストンベリー、ケープタウン・ジャズ・フェスティバル、ロスキレ・フェスティバル、ジャカルタ国際ジャワ・ジャズ・フェスティバルなど、世界各地のフェスティバルで演奏している。

 

パフォーマンスやプロダクションを通じて、Kendrick Lamar、Tyler the Creator、Ghostface Killah、Snoop Dogg、Colin Stetson、Mary J. Blige、Camila Cabelo、Earl Sweatshirt、Frank Dukes、Kaytranadaらと仕事をしてきた。現在、ツアーと制作・作曲の仕事を分担している。

 

レランド・ウィティは、トロントを拠点とするバンドBADBADNOTGOODに7年間所属している。彼は2015年にBBNGに加入したが、全員がハンバー・カレッジのジャズ・プログラムで学んでいた2010年にこのグループと出会っていた。

 

バンドが3枚目のアルバムを出した後にラインナップの再編成を決めた際、アレクサンダー・ソウィンスキー(ドラムス)、チェスター・ハンセン(ベース)、マシュー・タヴァレス(キーボード)がサックスとギターでカルテットを完成させるためにWhittyにアプローチしてきた。Whittyは、Charlotte Day Wilson, Kali Uchis, Kendrick Lamar, Ghostface Killah, Snoop Dogg, Mary J. Blige, Earl Sweatshirt, Kaytranadaなどのアーティストとも仕事をしている。


チャールズ・ロイドは遂にトリオ三部作を完結させた。60年以上にわたり、この伝説的なサックス奏者兼作曲家は音楽界に大きな影響を及ぼしてきたが、84歳になった今も彼は相変わらずの多作ぶりを見せている。


音の探求者であるロイドの創造性は、彼の最新の代表作、異なるトリオのセッティングで彼を表現する3枚の個別アルバムを包含する拡張プロジェクト、トリオ・オブ・トリオ以上に発揮されることはないと思われる。


最初のアルバム「Trios: Chapel」では、ギタリストのビル・フリゼールとベーシストのトーマス・モーガンと共にロイドをフィーチャーしています。2枚目はギタリストのアンソニー・ウィルソンとピアニストのジェラルド・クレイトンとの「Trios:  Ocean」。3枚目は、ギタリストのジュリアン・レイジとパーカッショニストのザキール・フセインとの「Trios:Sacred Thread」となる。


かつて故ジョーン・ディディオンが指摘したように、ほとんどの個人の声は、一度聞けば、美と知恵の声であることがわかる。ロイドはその典型です。1980年代にツアーとレコーディングに復帰し、高い評価を得て以来、彼の演奏はますますスピリチュアルとしか言いようのない要素を獲得し、聴く者を彼の音楽に引き込む実存的な要素を持つようになった。気取らず、知的すぎず、ロイドが「私たちの土着の芸術形式」と呼ぶものを創り上げた偉大なジャズの長老たちの伝統を尊重しており、「シドニー・ベシェ、ルイ・アームストロング、デューク・エリントン、プレッツ、レディ・デイ、バード、そして現代人たち」のような人物を挙げている。テイタム、トラン、ソニー、オーネット、モンク、マイルズといった現代人が彼の道を照らしてくれた。


10代の頃、ブルースの巨匠たち、ボビー・ブルー・ブランド、ロスコー・ゴードン、ハウリン・ウルフ、B・B・キング、ジョニー・エースと一緒に演奏した時の経験が、私のルーツになっています。多くのミュージシャンが演奏できるのに、彼らの音楽はバンドスタンドから離れない。それが僕にとって大きな教訓になった」


例えば、『The Sacred Thread』は50年代後半に生まれたものであり、その原点となった出会いは、ロイドの音楽において過去の経験が現在を照らし出すことが多い。「南カリフォルニア大学で勉強していたとき、ラヴィ・シャンカールとアッラ・ラーカがよく来ていたんだ。 「音楽だけでなく、タゴールのような詩人やミラレパのような聖人も。その後、ラマクリシュナやヴェーダンタに出会いました。また、サロード奏者のアリ・アクバル・カーンにも深い感銘を受けました。彼の息子のアシシュとプラネシュは、私のアルバム『ギータ』に参加しています」。1973年に発売されたこのアルバムは、ビルボード誌で「インド音楽が自由な流れのモダンジャズと巧みに融合している」と評された。


「ジョン・マクラフリンがUCLAでのコンサートに私を招待してくれた。ジョン・マクラフリンの音は美しく、私は彼らが一緒に作っている音楽にとても感動しました。ザキール(・フセイン)のタブラを聴いて、ハウリン・ウルフに戻ったんだ。どうやったら、その例えができるのか、ジャンプできるのかわからないけど、若い頃ハウリン・ウルフと演奏したとき、私は震えたんだ。ザキールとは2001年に初めてコンサートで共演したのですが、その時、USCでラヴィ・シャンカールと共演しているのを見たアラ・ラーカが彼の父親であることを知りました。それをプロビデンスと呼ぶこともできるし、私はそれをセイクリッド・スレッドと呼んでいる」


   


2020年9月26日、パンデミックの真っ只中、ロイドはカリフォルニア州ソノマ郡のワインカントリー、ヒールズバーグのThe Paul Mahder Galleryでバーチャルオーディエンス向けのコンサートをストリーミング配信した。フサインとギタリストのジュリアン・ラージが加わり、ロイドは「ミュージシャンと観客の間のエネルギーや交流がなくなる一方で、拍手によって中断されることのない集中力と集中力がある」と観察している。


「彼はヒールズバーグからそれほど遠くないところで育ち、天才と呼ばれていた。彼は大きな耳を持っていて、私は彼の可能性を聞き出した。彼はまだ若く、その耳は大きくなるばかりです。だから、私は自分の道を見つける魂に祝福され続け、今でも高いワイヤーに乗り、空を飛ぼうという気にさせられるんだ」


トリオ・オブ・トリオス3部作の最終幕となる「Trios:Sacred Thread」は、パーカッションとヴォーカルを使用した唯一のアルバムである。


フセインのタブラと声は、音楽的、感情的な雰囲気を一変させ、エキゾチックなスパイスのように、インド亜大陸の強い音楽の香りを加えてくれる。「ザキールの声を聴くのが大好きなんだ」とロイドは言う。「僕らの音楽に魅惑的な響きを与えてくれるんだ」。ロイドは、インドのラーガや音階を演奏するのではなく、Geetaで行ったように、即興演奏を通してインド音楽とアメリカのジャズとの共通点を探っている。テナーサックスよりもアルトフルート、そしてタロガトーという哀愁を帯びた木管楽器に頼りながら、フセインはタブラ(通常4〜5種類の大きさのタブラとカントラ)を駆使して音楽の波と流れを媒介するのである。


ロイドのテナーサックスでムード、テンポ、キーが決まる「Desolation Sound」では、ラージのハーモニックスの使い方が完璧で、そのあとロイドが再びアルトフルートに入り、軽い音色で音楽のムードを盛り上げる。フセインの歌声を紹介するエピソードに入ると、グループのダイナミックさが一変する。「グマン」は "グル "へのプラナム、「ナチェキータの嘆き」へとテンポを変え、タラガトーの音色に声が響くようになる。音楽、芸術、知恵の女神であるサラスワティへの献身を歌った "サラスワティ "ではフセインの声が雰囲気を和らげ、ロイドが再びフルートを担当した "クティ "ではラゲの巧みな介入を促している。


「ルミの物語」はフセインのタブラとカンジラのソロをフィーチャーしたものである。タブラはドラムの音の中で最も表現力が豊かな楽器として知られ、32音という幅広い音色を持つが、フセインはこれを見事に使いこなしている。テナーのロイド、ギターのラゲとともに、音楽の沈黙を「演じる」ことを恐れず、Sacred Threadの本質をとらえるような瞬間を創りだす。ロイドの「The Blessing」は、1983年7月のモントルー・ジャズ・フェスティバルでピアノのミシェル・ペトルチアーニと録音したもので、雄弁でありながら控えめな、魅力的なコンサートのクライマックスとなる曲である。


トリオ3部作の演奏を振り返り、ロイドは次のような洞察を述べている。


「その音(ノート)を探す中で、私たちの個性が普遍性と融合し、いつのまにか出会っている。その固有性はとても強力であり、私たちが知っている世界を青ざめさせる。"絶対的なものの中にいたのに、相対的なものに戻るのはそう容易いことではない "と。興味深いことに、アポロ12号で月面を歩いたアラン・ビーンもまた、絶対的な世界に行った体験について、それはあなたを変えるのではなく、あなたが誰であるかを明らかにするんだ、と言っているんだ」





 Chales Lloyd 『Trios: Sacred Thread』



Label: Bluenote

Release: 2022年11月18日


 Official-order:


https://charleslloyd.lnk.to/TriosSacredThreadID

  

Matthew Halsall

 マンチェスターのジャズ・ミュージシャン/トランペット奏者、Matthew Halsall(マシュー・ハルソール)は、今年すでに1枚の美しいEPをリリースしており、今回も4曲入りのミニアルバムまたはEP『The Temple Within』を発表してくれた。(レビューはこちらでお読みいただけます)

 

『The Temple Within』の音楽は、マンチェスターの”Yes”で毎月行われているバンドのジャズセッションのエネルギーから生まれたものだが、『Changing Earth』はより瞑想的でスピリチュアルな作品に仕上がっている。


「Changing Earthの曲を書いたとき、気候変動や人類と自然との関係、そして私たちが環境にもたらした変化について深く考えていた」とハルソールは述べている。「私たちの世界は私たちの周りで変化しており、私たちが共有する歴史の中で暗く不安な時期ですが、それでも私たちは一緒に物事を良い方向に変え、調和のとれた解決策を見つけることができると信じています」


本日、この新作EPから公開されたタイトル曲の「Changing Earth」は、バンド全体、特にフルートのMatt CliffeとハープのMaddie Herbertの素晴らしい演奏をフィーチャーしたソウルフルで高揚感のあるグルーバーである。さらに、「Positive Activity」は、Matthaw Halsallの最も魅力的な曲の一つで、Gavin Barrasの催眠的なベースラインを中心に構成されており、メロディーは悲しげでありながら高揚感と希望に満ちており、ハーピストのHerbertがここでも明るく輝いている。

 

「Yogic F」もソウルフルで高揚感のある曲で、ハルソルとパーカッショニストのジャック・マッカーシーが私たちを超越的な上への旅に連れて行ってくれます。この曲はハルソールの真骨頂とも言える曲で、輝くハープと崇高でソウルフルな聖域がバンド全体、特にサックス奏者のマット・クリフの美しい演奏によって高められています。


『Changing Earth』は、マシュー・ハルソールのトランペットとエレクトロニクス、マット・クリフのフルートとサックス、マディー・ハーバートのハープ、リヴィウ・ゲオルゲのピアノ、ギャヴィン・バラスのベース、アラン・テイラーのドラム、ジャック・マッカーシーのパーカッションが参加しています。

 

新作EP『Changing Earth』は前作と同様、Gondwana Recordsから12月2日に発売される。本作は、マシュー・ハルサルとダニエル・ハルサルがプロデュース、マシュー・ハルサルがレコーディングを行い、グレッグ・フリーマンがミックス、テクノロジー・ワークスのピーター・ベックマンがマスタリング、キャリックスのノーマン・ニッツシェがバイナルカットを担当した。アートワークは、The Designers RepublicのIan Anderson(イアン・アンダーソン)が手掛けています。

 

 

 


Matthew Halsall 『Changing Earth』

 



Label: Gondwana 

Release: 2022年12月2日

 


Tracklist:

 

1.Positvive Activity

2.Changing Earth

3.Yogic Flying

4.Upper Soace

 


Pre-order:

 

https://kud.li/GONDEP055

 Ezra Collective 『Where I’m Meant To Be』

 


 Label: Partisan

 Release:2022年11月4日


Officail-order



 Review 

 

 

 ロンドンのジャズ集団、エズラ・コレクティヴは、近年、 盛り上がりつつあるロンドンのジャズシーンの熱狂を象徴するようなクインテットである。彼らは、エズラ・コレクティヴとしてだけでなく、他のジャズバンドでも演奏しているのでスーパーグループと見なされる場合もあるようだ。

 

エズラ・コレクティヴの音楽は大まかにNu Jazzに属すると思われるが、その中にもこのグループの人種を問わない構成からも分かるように、多様性に富んだ内容となっている。レゲエ、アフロ・ビート、アフリカンミュージック、ネオ・ソウル、ヒップホップ、さらには、UKガラージ、ベースラインにいたるまで様々な国々の音楽を吸収し、これらの要素をセンスよくニュージャズの中に取り入れている。

 

とりわけ、この五人組の中で、ひときわ強い存在感を放っているのが、ドラマーのモーゼズ・ ボイドだ。彼は、なんと、ナイジェリア出身のアフロビートの始祖、Fela Kutiのバンドで活躍したトニー・アレンにドラムの手ほどきを受けた、言わば、ドラム奏者として一廉の人物である。このボイドの生み出すドライブ感抜群の超絶技法のドラムをもとに、TJ Koleosoが凄まじいグルーブ感を保つベースラインを加わることで、アンサンブルとしての骨格が出来上がっている。個人的な意見としては、この二人のリズム奏者は、格式あるモダン・ジャズシーン全体を見渡しても、世界最高峰の技術を擁していると思われる。もちろん、ベースとドラムだけで十分演奏自体はスリリングなのだが、これらの堅固な土台に、軽やかで、陽気な、サックス、トランペット、ピアノが加わることにより、ロンドンの最新鋭のジャズ・グループ、エズラ・コレクティヴの音楽は完成に導かれるのである。

 

最初期のエズラ・コレクティヴの音楽性は、Nu Jazzの領域にありながら、レゲエの要素が強かった。そして、この最新作では、「Togertheness」、「Ego Killah」ではその影響が若干残っているが、レゲエやアフロ・ビートの要素が少しだけ弱められ、ヒップホップや、ベースライン、ダブの流動的なリズムを押し出した作風となっている。基本的には、即興演奏をもとにしたジャズ曲としてのキャラクター性が強いが、ザンビア出身のラッパー、Sampa The Great.Kojey Radicalら、秀逸なラップアーティスト、さらに、UKのシンガーソングライター、Emeli Sandeのゲスト参加により、ボーカル・トラックがインスト曲の合間に導入されることで、アルバムのアートワークからも見えることではあるが、華やかで陽気な雰囲気を持つ作品に仕上がっている。

 

 エズラ・コレクティヴのメンバーは、最新作『Where I’m Meant To Be』において、ロンドンの最新鋭のジャズと、アフリカの音楽性を架橋するような作風を志したと説明しているが、他にもこのアルバムには、ラテン・ミュージック、特にカリブ音楽の影響が色濃く反映されており、それらが彼らの音楽性の根幹にあるアクの強いアフロビートと見事に合体を果たしている。常に、エズラ・コレクティヴの演奏は、最初のモチーフのようなものをバンドのセッションを通じて即興的に転がし、流麗な展開を形作って曲の構想を発展させていき、誰も予測のつかない着地点を曲のクライマックスで見出す。そして、このアルバムの楽曲の展開は、スリリングとしか言いようがない。エズラ・コレクティヴのメンバーは、ジャズの基本の型であるコールアンドレスポンスを通じて、彼ら五人は楽器で軽やかに会話をし、さらにそれらの会話を、大きな構成を持つ楽曲へと昇華させているのだ。

 

アルバムの中には、「No Confusion」「Words By Steve」の二曲に、語りのインタルードが導入されているが、これらが、キャッチーな印象を持つラップソング、ポップス/ソウル、そして、エズラ・コレクティヴの音楽性の基礎であるニュージャズの楽曲の中に、ストーリー性を付け加えている。今作において、エズラ・コレクティヴは、演奏の面白みを追求するだけではなく、万人に親しめる音楽性を示しつつ、音楽の持つ文学性や物語性を掘り下げようとしているように見受けられる。そして、それらを実際のセッションだったり、ボーカリストとの白熱した共演を通じ、このグループの最大の魅力である多様性をもとに一つのアルバム作品として組み上げているのだ。

 

 特に、このスーパーグループの演奏の超絶技法、即興演奏におけるクリエイティビティが最大限に高められているのが「Belonging」だ。この曲では、ベースとドラムの演奏技術の力のみで曲が最後まで牽引されていくが、中盤から変拍子を巧みに駆使し、ピアノの即興演奏、ホーンセクション、パーカッション、ストリングスを交え、スリリングな展開に繋げていく。それに加えて、アフリカの民族音楽のメロディーも卒なく取り入れられ、最後には予測のつかない華やかなエンディングが待ち受けている。

 

その後に続く「Never The Same Agein」で、エズラ・コレクティヴは、エキゾチックジャズの新境地を勇猛果敢に開拓してゆく。イントロの哀愁あふれるピアノのフレーズから陽気で心楽しいカリブ音楽へ一挙に様変わりし、ジャズのアンセミックな響きを持つ、言わば、ダイナミックな展開へ導かれる。この刺激的なライブセッションにこそ、最新作『Where I’m Meant To Be』の最大の迫力が込められており、エズラ・コレクティブの晴れやかなジャズ・スピリットの真骨頂が体感出来る瞬間となるだろう。


ロンドンのジャズ・クインテット、エズラ・コレクティブは、この最新作においてさらなる進化を遂げ、既存の作風を軽やかに超越し、ニュージャズの次なるフィールドに歩みを進め始めている。本当に見事だ。

 

 

86/100



Featured Track「Never the Same Again」

 

Ezra Collective ©︎Aliyah Otchere


 11月4日(金)にNinja Tuneから発売される新作アルバム『Where I'm Meant To Be』に先駆け、Ezra CollectiveがKojey Radicalとのコラボレーション曲「No Confusion」を公開しました。

 

「No Confusion」は、Douglas Bernardtが監督したビデオと合わせて公開された。"Ego Killah"、Sampa The Greatをフィーチャーした "Life Goes On", "Victory Dance "に続く『Where I'm Meant To Be』の第4作目の先行シングルとなっています。


バンドリーダーのフェミ・コレオソは、故トニー・アレンへのオマージュであるこのシングルについて、「トニーおじさんのドラムレッスンは、僕の人生だけでなく、エズラ・コレクティブの人生をも変えたんだ」と語っています。トニー・アレンはナイジェリアのミュージックシーンの英雄であり、フェラ・クティの右腕として活躍した。

 

「彼が教えてくれた最も貴重なことは、常に自分自身であれ、ということだ。自分が自分であること。自分が何者であるかを誇りに思え。自分が本当にあるべき姿であるとき、混乱はないのです。

 

Fela Kuti(フェラ・クティ)の "Confusion "は、トニーおじさんが録音した唯一のドラムソロで、他の誰も演奏することができなかったものです。このトラックは、まさに私たちそのものです。バンドとして自分たちが何者であるかということを本当に理解しているところにいるんだ。"No Confusion "だよ」


『Where I'm Meant To Be』は、エズラ・コレクティヴの2019年デビュー・アルバム『You Can't Steal My Joy』に続く作品で、エメリ・サンデやナオとの新たなコラボレーションを収録予定となっている。

 


 

Kojey Radicalをフィーチャーした "No Confusion "は現在発売中です。Ezra Collectiveは11月4日(金)にPartisan Recordsからアルバム『Where I'm Meant To Be』をリリースする予定で、現在予約受付中。

Tom Sinner


 The Smile/Sons of Kemetに在籍、そして、作曲家/プロデューサーとしても活躍するTom Skinner(トム・スキナー)がソロアルバム『Voices of Bishara』に収録される新曲「The Journey」を公開しました。(シングル「The Journey」のストリーミング、ご購入はこちらから)


この曲はロンドンのチェルシー地区にあるセント・ルークス教会で撮影されたライブ映像とともに公開されています。Tom Herbert(アコースティックベース)、Kareem Dayes(チェロ)、Chelsea CarmichaelとRobert Stillman(テナーサックス)、Paul Camo(サンプル)が出演し、かなり刺激的なセッションとなっています。こちらも合わせて下記よりご覧ください。


新作アルバム『Voices of Bishara』は、11月4日に、Brownswood/International Anthem/Nonesuchからリリースされる予定です。以前、Tom Skinnerは、このアルバムの先行トラック「Bishara」を公開している。

 

 

「The Journey」


 

 

 

「The Journey Live at the St.Lukes Church」 

 

 


 

オーストラリアのジャズ・ファンク・バンド、Surprise Chef(スーパー・シェフ)は、ブルックリンの”Big Crown Records”と契約を結び、最新アルバム『Education & Recreation』をリリースすると明らかにしている。

 

『Education & Recreation』は10月14日にリリースされる予定。アルバム前の最新シングルとして、軽快なグルーヴの 「Iconoclasts 」が公開された。この曲は、LPのための8日間の集中レコーディングの最後、バンドが落胆して、ため息をつきそうになっていたことを反映しているという。

 

「この曲はレコーディングの約1年前に書いたものなんだけれど、当時はそのアイデアを実質的なものにアレンジするのにかなり苦労していた」と、バンドのLachlan Stuckey(ラクラン・スタッキー)は語っている。

 

「その時、僕らの精神状態は不安定で、スタジオで曲を組み立てようとしたんだけど、またしても上手くいかなかった。

 

でも、ありがたいことに、パーカッショニストのHudson Whitlock(ハドソン・ウィットロック)と、レコーディングエンジニアのHenry Jenkins(ヘンリー・ジェンキンス)は、当時の僕達よりも曲の形式を理解してくれていた。彼らはバンドの曲を仕上げるために曲のある部分の文脈をより深く掘り下げ、洗練性を高めてくれたんだ」


ニューシングル「Iconoclasts」は、子守唄のようなキーボードで始まり、柔らかいギターリフとともに、ヒップホップに近い独特のグルーヴに曲調を移行させていく、という内容となっている。

 

「この曲は、レコーディング中に個性的なエネルギーを持つようになった。それは、私たちが非常に苦心していたことと、この曲を完成させたらセッションを終了しても良いというような最後のひと押しのような考えがあったからなんだと思っている」

 


昨年まで、トム・スキナーはSons Of Kemetのドラマーとして、またロンドンのクリエイティブなジャズシーンで最も多作なミュージシャンの一人として知られていました。この1年ほどの間に、スキナーはさらに有名になった。

 

彼はRadioheadのThom YorkeとJonny Greenwoodと共にSmileを結成し、そのバンドは素晴らしいデビューアルバム「A Light For Attracting Attention」をリリースした。(Skinnerは今日リリースされたばかりのBeth Ortonのニューシングル "Fractals "にも参加している)。そして今、スキナーはその作品に続いて、自身のニューアルバムを発表する。


この秋、トム・スキナーは新しいソロ・アルバムをリリースすると発表しました。『Voices of Bishara』は11月4日にNonesuch/International Anthem/Brownswoodからリリースされます。


スキナーは、シャバカ・ハッチングス、ヌビヤ・ガルシア、カリーム・デイズ、トム・ハーバートなど、ジャズ界の大物ミュージシャンとともに、このアルバムをレコーディングしている。スキナーは、オープニングトラック「Bishara」を公開しました。


この曲は、ムーディーに始まり、途中でフリージャズ性が一挙に噴出し、その緊張を解き放つものです。


アルバムタイトルは、チェリストAbdul Wadudの1978年のソロアルバム『By Myself』にちなみ、WadudのレーベルBisharraからプレスされ、アラビア語で「良い知らせ」「良い知らせの持ち主」という意味だそうです。


"このレコードは、不正直さと偽情報が増加する時代に、コラボレーションとコミュニティを通じて、何か真実のものを世に送り出す試みである "と、トム・スキナーは声明で述べています。


「ビシャラは良い知らせをもたらす人という意味であり、このアルバムに参加するミュージシャンは私にとって非常に大切な人たちだ。私たちはこの考えに敬意を表し、暗闇が広がっているところに集団で光を広げるつもりでいる」


以下より、「Bishara」の試聴と、アルバムのトラックリストをご覧ください。





Tom Skinner 『Voices of Bishara』




Label: Nonsuch/International Anthem/Brownswood Recordings
 
Release: 2022年11月4日 



Tracklist:


1 “Bishara” 
2 “Red 2” 
3 “The Journey” 
4 “The Day After Tomorrow” 
5 “Voices (Of The Past)” 
6 “Quiet As It’s Kep


 
Pre-order:
 
 

Matthew Halsall 『The Temple Within』EP
 


 

Label:    Gondowana Records

 

Release:  2022年8月26日


Listen/Buy



Review


マンチェスターを拠点に活動するトランペット奏者、Matthew Halsallの最新EP『The Temple Within』は、2020年に発表されたフルアルバム「Salute to the sun」の後、イングランド北部で行われた刺激的なセッションを元にして生み出されたモダン・ジャズの傑作です。

 

このアルバムのタイトルは、ジャズの巨匠アリス・コルトレーンの言葉に因んでおり、教会や修道院、アシュラムのレンガやモルタルではなく、自分の精神の中に空間があるという意味が込められています。


レコーディング・セッションでは、ハルソールが当時結成したばかりの地元ミュージシャンを起用し、毎週のリハーサルとマンチェスターのYesでの月例レジデンスに集った。彼らは、スピリチュアル・ジャズ、英国ジャズの伝統、進歩的なワールドミュージック、エレクトロニカの影響を受け、共同作業のサウンドを作り出しました。この月例セッションに触発され、彼らは北イングランドの文化に根ざしながら、グローバルなインスピレーションを引き出した音楽を作り上げていきました。Halsallにとって、『The Temple Within』の音楽は、これらのセッションの精神を完璧に捉えています。ハルソールはこのアルバムについて以下のように説明しています。


「バンドとしてだけでなく、地元のコミュニティとのつながりができたことに、とても興奮したんだ。毎月のセッションには、さまざまな年齢層の人たちが集まってきます。


そして、この音楽は、まさにその典型です。私にとっては、本当に完璧な音楽のポケット、完璧な瞬間のように感じます。アルバムにすることも考えたんだけど、結局はこのままがいいし、この瞬間のエネルギーを、ライヴにいる人たちだけでなく、世界中のファンやリスナーなど、より広いコミュニティと共有したかったんだ」

 

 

このEPでは、ハルソールのトランペットが先導役をつとめ、その他にも、ピアノ、フルート、サックス、ハープ、エレクトロニクス、パーカーション、ドラムと様々な楽器がセッションの中に取り入れられています。2000年代から、アフリカ、アジア、他にもイスラム圏の音楽文化を取り入れたエキゾチック・ジャズの潮流を形成する一派がジャズシーンに出てきましたが、ハルソールとセッションメンバーはこれらの流れを汲んだ西洋的なジャズとは異なるアプローチに取り組んでいきます。オープニングトラック及びタイトルトラックでもある「The Temple Within』ではアフリカの民族音楽のリズムを大胆に取り入れ、他にもシタールの響き、リズミカルなピアノが導入され、そこにハルソールのノルウェージャズのアプローチのように枯れたミュートを取り入れたハルソールのトランペットの卓越した演奏技法がキラリと光る一曲となっています。

 

「Earth Fire」は、ハープの前衛的なトリルの技法を導入した楽曲で、マシュー・ハルソールは一曲目と同じように、リード的な立ち位置でセッションメンバーの演奏を牽引していきますが、彼のスタイリッシュなソロを通じて、ピアノ・ソロ、 ダイナミックなドラムソロと複数の楽器パートへリードの引き渡しが行われ、英国内のジャズシーンの洗練性を引き継いだモダン・ジャズの刺激的なライブセッションが繰り広げられ、演奏を目の前で見ているかのような迫力を堪能することが出来ます。

 

上記二曲のモダン・ジャズの雰囲気から一転し、三曲目の「The Eleventh Floor」では、イントロの銅鑼のパーカッションが印象的で、アラビア風の音階(スケール)を大胆に取り入れられています。ここでは、一曲目よりもシタールの響きが効果的に導入され、ハルソールの演奏は艷やかさに溢れ、さらに東洋的なエキゾチズムを演出し、2000年代、一時期隆盛を極めたエキゾチック・ジャズの領域にセッションメンバーは踏み入れています。そういったアジアンテイストな雰囲気のシークエンスが繰り広げられる中、マシュー・ハルソールのトランペットのレガートの演奏は高らかで伸びやかであり、マイルス、エンリコ・ラヴァといった巨匠の演奏に象徴されるモダン・ジャズの流れを汲んだダイナミックなブレスの演奏が繰り広げられていきます。

 

このミニアルバムの中で特に聞き逃す事が出来ないのが4曲目収録の「A Japanese Garden in Ethiopia」で、題名にも表れている通り、日本の「四七抜き」音階を取り入れた落ち着いた侘び寂びの雰囲気を演出する。ハルソールのトランペットは、日本の民族音楽楽器の尺八のような枯れた響きを導入し、さらにハープのグリッサンドの劇的な使用は、 四度、七度の音階を避けていることもあってか、大正琴のような艷やかで色彩的な響きをもたらすことに成功しています。この曲で、ハルソールは、ノルウェー・ジャズのトランペット奏者、アルヴェ・ヘンリクセンのように、トランペットの前衛性を追求した最新鋭の演奏技法を組み入れていることに注目です。

 

マシュー・ハルソールは、プレスリリースを通じて、この作品をフルアルバムにすることも念頭においていたものの、これくらいの長さがちょうどよいと感じた、との趣旨の説明を行っていますが、それらのコンパクトに企図されたジャズサウンドは濃密な内容となっており、何度も聴き返したくなる深い情緒を持ち合わせています。マシュー・ハルソール、セッションメンバーは、イングランド北部の様々な年代の演奏者を介して生きた音をマンスリー・セッションから汲み取り、東洋のエキゾチックな雰囲気を交え、それらの特異な音楽的空間を瞬間的に体現してみせています。

 

92/100






 

 

Photo: Bartek Muracki

高田みどりが1999年に発表したアルバム「Tree Of Life」を、WRWTFWWレコードより11月にレコードで再発する。高田は現代音楽/実験音楽/ジャズの領域で活躍する日本のパーカーション奏者です。


これまでCDバージョンでリリースされていたこのアルバムが、レコードとして発売されるのは今回が初めてとなる。このレコードのリイシューは、ハーフスピードでマスタリングされています。


この作品のオリジナル盤は、1983年のデビュー作『Through The Looking Glass』から16年後にリリースされた高田のソロ第2作としてダイキサウンドから発表されている。それほど一般的な作品とは言いがたいものの、日本のジャズシーンの隠れた傑作として知られる作品である。


仏教音楽の伝統性を取り入れたパーカッション奏者として、さらにはミニマル、アンビエントのパイオニアの一人である高田みどりは、この1999年の2ndアルバムにおいて、ソフトドラム、ベル、マリンバといった打楽器を駆使し多彩なアプローチを行っている。また、中国の伝統的な弦楽器、二胡を演奏する上海の演奏家、Jiang Jian-hua(姜 建華)がレコーディングに参加している。


「Tree Of Life」のリイシューは、高田が6月に同じく、”WRWTFWW”からリリースした2枚のソロアルバムに続くものとなる。11月4日のリリースに先立ち、WRWTFWWのBandcampページで予約注文を受け付けています。アートワークとトラックリストは以下をご参照ください。



Midori Takada 「Tree Of Life」 Reissue


 

Tracklist:

1. Love Song Of Urfa
2. Tan Tejah
3. Tayurani
4. Wa-Na-Imba
5. Modoki 1 (Futa-Aya-Asobi )
6. Awase 1 (Futa-Aya-Asobi)
7. Yukiai (Futa-Aya-Asobi)
8. Awase 2 (Futa-Aya-Asobi)
9. Orifusi (Futa-Aya-Asobi)
10. Modoki 2 (Futa-Aya-Asobi)
11. Awase 3 (Futa-Aya-Asobi)
12. Usuyo (Futa-Aya-Asobi)


 

Photo: Dorothy Darr

 9月23日、チャールズ・ロイドは「Trios:Ocean」をブルーノートからリリースします。これら六月から十一月にかけて3つのリリースを通じて繰り広げられる「Trio of Trios」シリーズは、伝説的なサックス奏者で、NEAジャズ・マスター、チャールズ・ロイドを3つの異なるトリオ編成で紹介する壮大なプロジェクトとなっている。

 

今回、シリーズ二作目となるアルバム「Trios: Ocean」のリリース発表と同時に、ピアニストのジェラルド・クレイトン、ギタリストのアンソニー・ウィルソンが共演するシングル「Jaramillo Blues (For Virginia Jaramillo and Danny Johnson)"」が先行公開されました。ぜひ下記よりチェックしてみてください。

 



3つのTrioシリーズ第1弾のアルバム「Trios: Chapel」は、6月24日に発売されている。このアルバムは、ギタリストのビル・フリゼール、ベーシストのトーマス・モーガンをフィーチャーしている。「Trios: Chapel」「Trios:Ocean」に続く第三弾のアルバム「Trios:Sacred Thread」は11月18日に発売。この作品はギタリストのジュリアン・レイジとパーカッショニストのザキール・フセインをフィーチャーしている。 

 

 

以上の三部作のアルバムは、ヴァイナルとCDで個別に発売されるほか、ブルーノートストア限定で、3枚組LPヴァイナル・ボックスセットとして注文可能となっている。これら三枚のアルバムを収めた「Trio of Trios」のレコードボックスセットには、ドロシー・ダーによる3枚の印象的なアルバムジャケットをモチーフにした4枚のリトグラフプリントが付属、さらに、ボックスセットのアートワークのサイン入りリトグラフが入ったハードカバースリップケースに収められている。


今回のトリオ・シリーズ第二弾となる「Trios:Ocean」は、チャールズ・ロイドの故郷であるカリフォルニア州サンタバーバラにある、150年の歴史を持つロベロ・シアターでレコーディングが行われた。世界的なパンデミックが始まった、2020年9月9日に無観客開催のライブ配信が録音されている。この公演において、ロイドは、ピアノのジェラルド・クレイトン、ギターのアンソニー・ウィルソン、有名なミュージシャンを父に持つ2人のミュージシャンと共演を果たしている。ジェラルド・クレイトンは西海岸の伝説的ベース奏者、ジョン・クレイトンの息子である。一方のアンソニー・ウィルソンもまた著名なバンドリーダー、トランペッター、作曲家のジェラルド・ウィルソンの息子であり、かつて、チャールズ・ロイドは10代でメンフィスから南カリフォルニア大学に留学したとき、ウィルソンのビッグバンドで演奏した経験がある。

 

ロイドの音楽のボキャブラリーの中には、常にブルースミュージックが織り込まれており、その影響は、時にあからさまに、時にひそやかに現れるが、今回発表されたシングル"Jaramillo Blues "ではその双方の影響が顕著に現出している。画家・ヴァージニア・ジャラミロ、そして、彼女の夫で、彫刻家、ダニエル・ジョンソンに捧げられたこのシングル作品では、チャールズ・ロイドが、ハウリン・ウルフ、ボビー・ブルー・ブランド、B・B・キング、といったブルースの巨匠と一緒に演奏した10代のバックグラウンドまで時系列で遡ることが出来る。ジェラルド・クレイトンの明るく朗らかなギターのコードが、チャールズ・ロイドのブレスへの導入部となっており、演奏のムードとトーンを作り上げていく、かなり楽観的な色合いの強いジャズブルースである。



チャールズ・ロイドは長い期間、自由な精神を保持する演奏家であるのみにとどまらず、ジャズシーンのマスター・ミュージシャンであり、そして、素晴らしい空想家でもあった。60年以上にわたり、このサックス奏者兼作曲家は、「The Water Is Wide」(ECM)を始めとする名作群において、モダンとクラシックの架橋するようなサックス奏者として、ジャズシーン、ひいては音楽界そのものに大きな影を落としてきたが、84歳になった今でもその力はまったく衰え知らずで、相変わらずの多作ぶりを見せている。チャールズ・ロイドは、早い時代から、興味深い独創的な即興ソロをジャズの演奏のコンテクストに置くことがいかに表現自体に自由をもたらし、創造性を刺激するかを見抜いていた。ロイドはその素晴らしいキャリアを通じて、自分の即興技術を枠にはめる別の方法を真摯に探し求め続けている。

 

イギリスのジャズ・グループ、Ezra Collective(エズラ・コレクティブ)が、ニューアルバム「Where I'm Meant To Be」をPartisan Recordsより11月4日にリリースすることを発表しました。


デビュー作『You Can't Steal My Joy』の次作アルバムで、最近のシングル "Victory Dance "も収録されています。Where I'm Meant To Beには、Kojey Radical、Emeli Sande、Nao、Sampa The Greatが参加しています。


ザンビア出身のラッパー、Sampa The Greatは、アルバムのニューシングル "Life Goes On "において、Ezra collectiveと共演を果たしている。この曲は、Fela Kutiの1972年のレコード 「Shakara Oloje」を意識したものであり、Nathan Millerが監督したミュージックビデオは、ロンドンとザンビアのルサカで撮影された。バンドは次のように説明している。



ロンドンとルサカの出会い。喜びの瞬間、葛藤の瞬間、しかし、私たちは続けなければならないという精神で結ばれている。人生は歩み続けなければならない...。私たちは、ジャズとミックスできるものの限界を押し広げようという一貫した意志を持って音楽を作っています。これは、南部アフリカのヴァイブスのエネルギーと、私たち独自のスタイルのロンドン・ジャズをミックスしたものです。そして、この美しさを表現するのに、サンパ・ザ・グレートの右に出る者はいない。


アフロビート、ロンドン・ジャズ、ヒップホップがスリリングにミックスされた "Life Goes On "を聴くかぎり新作アルバムがかなり期待出来る作品になるかもしれません。新曲のビデオ、全トラックリスト、さらに、セロニアス・モンクのアルバム『アンダーグラウンド』を引用したアルバム・アートワークは、以下よりご覧ください。


 



Ezra Collective 「Where I'm Meant To Be」




Label: Partisan

Release: 2022年11月4日


Tracklist:


1. Life Goes On (feat. Sampa the Great)
2. Victory Dance
3. No Confusion (feat. Kojey Radical)
4. Welcome To My World
5. Togetherness
6. Ego Killah
7. Smile
8. Live Strong
9. Siesta (feat. Emeli Sandé)
10. Words by Steve
11. Belonging
12. Never The Same Again
13. Words by TJ
14. Love In Outer Space (feat. Nao)   


Pre-order:



Phoro: Fabrice Bourgelle

ロンドンを拠点にするジャズ作曲家Sarathy Korwarは、新作アルバム『Kala』をLeaf Labelから11月11日にリリースすると発表しました。『Kala』はフューチャージャズとして注目しておきたい作品となります。

 
このニュースを記念して、Sarathy Korwarは新曲「Utopia Is A Colonial Project」を公開し、振付師でダンサーとして活躍するBotis Sevaが出演するEliott Gonzo監督によるヴィジュアルが到着している。また、アルバムのジャケット(Sijya GuptaとFabrice Bourgelleによる)とトラックリストは以下よりご確認下さい。


「ユートピア思想は、そもそも植民地化のための1つの図式として見ることができます」とコルワーはプレスリリースで説明しています。
 
 
「ユートピアのアイデアは、入植者の植民地主義という考え方と本質的に直結している。それは自然界を生きている感覚を持った存在ではなく、無生物の資源として見なすことから来ている。
 
私たちは、反ユートピア主義、反ディストピア主義である必要がある。南アジア、その他の地域の右翼ポピュリスト政治家が売り込んでいるような「ユートピア思想」とはまったく異なる未来を想像することが必要です」

 
アルバム『KALAK』は、プロデューサー・Photayと共に”Real World Studios”で録音が行われた。
 
 
シンセサイザーにThe Comet Is ComingのDanalogue、バリトン・サックスに、Tamar Osborn、ピアノに、Al MacSween、パーカッションにMagnus Mehta、ボーカルにMelt Yourself DownのKushal Gaya、インド/ムンバイ在住のプロデューサー・Noni-Mouseといった面々がレコーディングに参加しています。
 

Sarathy Korwarは、この次作アルバム『Kala』の制作の背後にあるアイデアについて詳らかにしている。

フューチャリズムをめぐる言説は、しばしばヨーロッパ中心主義の世界観に深く根ざしています。

 

アフロ・フューチャリズムのように、インド・フューチャリズムは、今やグローバル・サウスに焦点を当てようとしています。南アジアでは、文化的に、未来や過去との関係を、循環の考え方の中で思い描いている。例えば、概念としてのカルマなどがそうです・・・。時間は一直線に流れるのではなく、円環状に流れていると理解することができるわけです。

 

音楽では、左から右、上から下という話になると、ある固有のヒエラルキーがあるように感じられます。私は、このアルバム制作において円形のリズム表記法を考え始めた。そのパターンが持つ象徴性について考えれば考えるほど、それがこのアルバムの核心になることに気づいたんです。

 

 

 1st single 「Utopia Is A Colonial Project」:


以下のMVはホラーテイストですので苦手な方はご視聴をお控え下さい。


 





Sarathy Korwar 『KALA』





Tracklist:
 

1. A Recipe To Cure Historical Amnesia
2. To Remember [feat. Kushal Gaya]
3. Utopia Is A Colonial Project
4. Back In The Day, Things Were Not Always Simpler [feat. Noni-Mouse]
5. The Past Is Not Only Behind Us, But Ahead Of Us
6. Kal Means Yesterday And Tomorrow
7. Remember Begum Rokheya
8. That Clocks Don’t Tell But Make Time [feat. Kodo]
9. Remember Circles Are Better Than Lines
10. Remember To Look Out For The Signs
11. KALAK – A Means To An Unend



Photo: Daniel Yohannes

キース・ジャレットの最後のフランスでのソロ・コンサートが、この秋、ECMレコードから9月30日に発売される『ボルドー・コンサート』で世界と共有されることになった。このアルバムは、先駆的なジャズ・ピアニストが2016年7月6日にボルドー国立歌劇場公会堂で行った公演を記録したものです。


ジャレットは、過去半世紀にわたり、ポストバップの先駆的なピアノ・アプローチでジャズ・スタンダードの再定義に多くの時間を費やしてきたが、特にベーシストのゲイリー・ピーコックとドラマーのジャック・デジョネットを中心としたスタンダード・トリオで、彼は常に即興演奏に特別な才能を発揮していた。彼のフリーフォームのコンサートは、ジャレットのキャリアだけでなく、ジャズ界でも最も有名である。

 

キース・ジャレットのボルドーでの演奏は、その遺産に恥じないものでした。彼は13のパートからなる即興演奏の組曲を繰り広げ、幅広いダイナミクス、様式美、そして感情的なムードを表現している。当時、フランスの批評家の中には、この公演を、アルバムとしてリリースされ、ピアニストのキャリアの軌道を変えたジャレットの画期的な1975年のケルン公演と好意的に比較する者もいたほどだった。


フランスのル・モンド誌の批評でフランシス・マルマンドは、この演奏について「彼はこれまで弾いたことのないもの、誰も弾く勇気のなかったもの、...誰も二度と弾かないであろうものを弾いている...」と書いている。

 

また、StereophileのRichard Lehnertは、Bordeaux Concertの直前に録音されたミュンヘン2016年の即興ライブアルバムを取り上げた際、「彼の優雅さ、抑制、自由、厳格さ、豊かさ、暗示の幅、心からの深さ、狂想曲の高さ、情熱的な音楽の知性、厳格に鍛えられた表現力、その場で発明した形の展開、凝縮された輝き、そのすべてを衰えない技術の完成度で実行しているので驚き、ときに圧倒される。他の誰もこれに匹敵することはできない。今まで誰もやったことがない」と批評している。 

 



しかし、このリリースにはいくらかのほろ苦さをおぼえるファンが多いのも事実である。2018年、御存知の通り、キース・ジャレットは、2度の脳梗塞に見舞われ、以前のように軽やかな演奏ができなくなったジャレットの未来に、以前のような形でのコンサートは期待できないかもしれない。

 

それでも、ジャレットのファン、ひいては、ジャズのファンにとって救いをもたらすのは、このピアニストが築き上げた膨大な録音遺産、バックカタログに触れられること、そして、ジャレットの天才的な音楽性を思い出させてくれる光り輝く作品がもう間もなく登場することである。


『ボルドー・コンサート』のデジタルとCDに続いて、10月14日には2枚組LPのレコードが発売される。


「Bordeaux Concert』は、ECMから9月30日に発売され、予約はこちらで受け付けています。


 

© Michele Giotto


二人のジャズ奏者、Enrico Rava(エンリコ・ラヴァ)、Fred Hersch(フレッド・ハーシュ)は、共作アルバム『The Song Is You』 をECM/Universal Musicから9月9日にリリースすると発表した。7月29日、このアルバムの先行シングルとして「Retrato em Branco e Preto」 が公開されている。


 

この新作アルバム『The Song Is You』 は2人のマスター・インプロヴァイザーのインスピレーションに満ちた出会いを記録したものとなる。


イタリア人トランペッター、フリューゲルホーン奏者のエンリコ・ラヴァ、そして、米国人ピアニストのフレッド・ハーシュは、この新作で音楽の歴史への愛を共有し、ジェローム・カーンの「The Song Is You」、セロニアス・モンクの「Mysterioso」「Round Midnight」、カルロス・ジョビンの「Retraato em Branco e Preto」、ジョージ・バスマンの「I'm Getting Sentimental Over You」などのスタンダード曲を共に探求しています。また、フレッドの「Child's Song」、エンリコの「The Trial」という自作曲も演奏し、二人で自由に音楽を作り上げている。ジャズがこのような理解と相互作用のレベルに達したとき、演奏は素材というよりも、それがどんなに優れたものであっても、解釈者がそれに何をもたらすかということに意味を持つようになる。ラヴァとハーシュは、ストーリーテラーの芸術としてのジャズの即興演奏について、豊富な経験と研ぎ澄まされた感覚を持ち合わせています。

 

エンリコ・ラヴァは、1970年代からECMに所属し、リリースを重ねてきました。『The Pilgrim And The Stars』は今やモダンジャズの古典とみなされている。フレッド・ハーシュは、ノンサッチ、パルメット、サニーサイドなどのリーダー・アルバムに続いて、このレーベルから初めて作品を発表しました。ハーシュは、長い演奏家としてのキャリアを通じて、デュオという楽器に非常によく戻ってきた。回顧録『Good Things Happen Slowly』の中で、彼はこの形式を好んでいたことを振り返っている。「デュオは、キーボード全体を使って一度に複数のことができる私の能力に合っていた。また、左手でブロックコードを弾くだけでなく、音楽をオーケストレーションすることもできた。(2つ以上の独立したメロディラインが同時に進行する、自発的対位法への愛に浸ることができました。大音量からピアニッシモまで即座に対応できる。それは共同作業であると同時に、親密なものでもあります。相容れないといけないが、それぞれのミュージシャンがユニークなものを提供できるような違いも必要だ」。(エンリコ・ラヴァのディスコグラフィーには、ステファノ・ボラーニとの『第三の男』など、注目すべきデュオもある)。


 

2021年11月の『The Song Is You』のレコーディングは、その年の初めにイタリアで行われたわずかな日程に続いて行われた。しかし、その最初の段階から、何か特別なことが起こっていることは明らかだった。フレッド・ハーシュ:「私が最初からとても気に入ったことのひとつは、エンリコがソロでなければならないとは感じていないことです。明確に定義されているわけではないんだ。フレッドはインタビュアーのニコラ・フェラウトに、「僕たちは一緒に物事を作っているんだ」と言った。「彼は、僕がそこに入っていって、ちょっとだけ彼をプッシュするのを許してくれる。また、私が彼に多くのスペースを与えることもある。最高のデュオ・パートナーとは、あまり多くを語らなくてもいいものなんだ。ただプレーするだけです。そして、このコンビは長い付き合いになりそうな予感がします。エンリコは偉大なマスターだしね」。

 

1939年にイタリア/トリエステで生まれ、トリノで育ったエンリコ・ラヴァは、マイルス・デイヴィスやチェット・ベイカーに影響を受け、早くからジャズトランペットに親しんできた。1960年代の国際的なフリージャズ界で活躍し、スティーブ・レイシーの『森と動物園』、カーラ・ブレイの『丘を越えるエスカレーター』、マンフレート・ショーフの『ヨーロピアンエコーズ』など歴史的に重要な録音に貢献している。しかし、エンリコ・ラヴァの音楽における自由の概念は、その重要な要素の一つとして叙情性を包含している。これは彼の芸術的冒険のすべてにおいて不変のものであった。イタリアン・ジャズを代表するアーティストとして知られ、ヨーロッパ最大のジャズ・ミュージシャン賞であるJazzparをはじめ、数々の賞を受賞している。2011年には、50年にわたる音楽活動を振り返った『Incontri con musicisti straordinari』を出版している。


最近のECMからのリリースでは、エンリコ・ラヴァのライブアルバム2枚がある。両アルバムには、エンリコを師と仰ぐ多くの若手演奏家の一人であるピアニストのジョヴァンニ・グイディも参加している。

 

一方のピアニスト、フレッド・ハーシュは1955年に米国シンシナティに生まれ、ニューイングランド音楽院でジャキ・バイアードやジョー・マネリらの指導を受けた。1977年にニューヨークに移り、アート・ファーマー、ジョー・ヘンダーソン、スタン・ゲッツらと仕事をするようになった。1984年の『Horizons』では、マーク・ジョンソン、ジョーイ・バロンとのトリオを発表し、ハーシュは独立したオリジナルなピアノ奏者として認知されるようになった。デュオ演奏にも積極的で、アナト・コーエン、ビル・フリセル、ジュリアン・レイジ、クリス・ポッター、アヴィシャイ・コーエン、ミゲル・ゼノンらとコラボレーションを行った。ソロ活動も盛んで、2006年にはニューヨークのヴィレッジヴァンガードでソロピアニストとして1週間の公演を行った最初のアーティストとなった。


フレッド・ハーシュは、2003年にウォルト・ホイットマンの詩に題材を取った「Leaves of Grass」、2010年のマルチメディアプロジェクト「My Coma Dreams」、2022年1月にカーネギーホールでイゴール・レビットによって初演された「Variations on a Folksong」などの作曲も高く評価されている。フレッド・ハーシュの回顧録『Good Things Happen Slowly』は、ジャズ・ジャーナリスト協会による『ブック・オブ・ザ・イヤー』に選ばれ、このピアニストが獲得した重要な賞のうちのひとつとなった。



『The Song Is You』は9月9日にECM/Universal Musicから発売される予定です。2021年11月にスイス・ルガノのコンサートホール”Auditorio Stelio Molo RSI”で録音され、ECMを主宰するManfred Eicher(マンフレッド・アイヒャー)がプロデュースを手掛けている。予約注文等はこちらからお願い致します。


 

The Comet Is Coming. Portraits by Bourgelle; edit and graphics by Veil Projects


Danalogue(ダン・リーヴァース)、Shabaka(シャバカ・ハッチングス)、Betamax(マックス・ハレット)からなるロンドン拠点のジャズレイヴ・トリオ、The Comet Is Comingが、次作『Hyper-Dimensional Expansion Beam』を発表し、この告知と同時にニューシングル「CODE」を公開しています

 

2019年の『The Afterlife』に続くこの作品は、9月23日に、Impulse!からリリースされる。公開解禁となったアルバム・ジャケット、「CODE」のヴィジュアルを以下でチェックしてみて下さい。


『Hyper-Dimensional Expansion Beam』は、Genesisのピーター・ガブリエルの”Real World Stidio”で、The Comet Is Comingの共同エンジニア、クリスティアン・クレイグの協力のもとレコーディングが行われた。4日間にわたるレコーディング後、DanalogueとBetamaxは、素材をサンプリングし、アレンジを行った。

 

プレスリリースによると、次作アルバムは、「テクノロジー、人類、霊性、そして、宇宙のつながりの未来についての音楽的メッセージ」を表現しているそうです。





The Comet Is Coming『Hyper-Dimensional Expansion Beam』

 

Artwork