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Colin Stetson

 

近頃、スタジオ・ミュージシャンや大物ミュージシャンのサイドプロジェクトのコラボレーターとして活躍していた音楽家がスポットライトを浴びるケースがある。サックス奏者、コリン・ステットソンもその事例に当てはまる。ミシガン大学を卒業後、彼はプロのスタジオ・ミュージシャンとして活躍した。その中には、Bon Iver,The National,Arcade Fireの作品への参加も含まれている。

 

コリン・ステットソンの『The love it took to leave you』は9月13日にエンヴィジョン・レコードから発売される。サックス奏者兼作曲家のソロ・レコーディングは実に2017年ぶりとなる。アルバムのタイトル曲は以下からご視聴下さい。霊的なシンセテクスチャーに合わせてステットソンは味わい深いサクスフォンの演奏を披露する。アヴァンジャズという切り口を通して。


「最新アルバムのタイトル曲"The love it took to leave you "はアルト・サックスで演奏される。自分自身と孤独、そして風雨に揺れ軋む背の高い老木へのラブレターです」とステットソンは声明で説明している。

 

『The love it took to leave you』は、2023年初頭の1週間、モントリオールのダーリング鋳物工場でレコーディングされた。ステットソンは次のようにコメントしている。「普段私がアンプリファイするのと同じライブ・セットアップ、つまり建物のスペースにフルPAを使ったので、私が動かせるような空気を本当に動かすことができた。そして、さらに肉付けしていった」


「その本質は私自身なんだ。私がやっていることは個人的なことでもある。私の身体と技術的な能力は進化し続けているから、次のレコードを作るたび、今しか演奏できないことがあるんだ」




「The love it took to leave you」




Colin Stetson 『The love it took to leave you』


Label :Envision Records

Release:09/13/2024

 

 Tracklist:


1. The Love It Took To Leave You

2. The Six

3. The Augur

4. Hollowing

5. To Think We Knew From Fear

6. Malediction

7. Green And Grey And Fading Light

8. Strike Your Forge And Grin

9. Ember

10. So Say The Soaring Bullbats

11. Bloodrest

Weekly Music Feature


-Tara Jane O'Niel



タラ・ジェーン・オニール(TJO)はマルチ・インストゥルメンタリスト、作曲家、ビジュアル・アーティスト。自身の名義で、他のミュージシャン、アーティスト、ダンサー、映像作家とのコラボレーションで作曲、演奏活動を行っている。ソロ・アーティストとしては10枚のフルアルバムをリリースしている。  


オニールはロダン、ソノラ・パイン、その他いくつかのバンドの創立メンバーだった。パパ・M、スティーブ・ガン、ハンド・ハビッツ、ローワー・デンズ、マイケル・ハーリー、リトル・ウィングス、マリサ・アンダーソン、キャサリン・アーウィン、ミラ、マウント・イーリー、その他多くのアーティストとレコーディングやステージでコラボレーションしている。


1992年以来、世界中のクラブ、ギャラリー、DIYスペースや、ポンデュセンター、ホイットニー美術館、ハンマー、ブロードなどの会場でパフォーマンスを行っている。 ミュージシャンは、カルト・クラシック映画『Half-Cocked』に主演し、『His Lost Name』、『Great Speeches From a Dying World』などの長編映画の音楽を担当した。彼女のビジュアル・アート作品は、ロンドン、東京、LA、ニューヨーク、ポートランドなどで展示され、3冊のモノグラフが出版されている。


オニールのアルバム『The Cool Cloud of Okayness』は、セルフ・タイトルから7年(その間、魅力的なコラボレーション、トリビュート、レアもの、実験作がリリースされている)の小競り合いとシャッフルの中で書かれた。TJOがカリフォルニア州アッパー・オハイの自宅スタジオで録音した。トーマス火災で消失した自宅の灰の上に建てられたスタジオにて。


「The Cool Cloud of Okayness」の9曲の多くは、山火事と再建の間、ロックダウンと再開の間に開発された。TJOと彼女のパートナー(ダンサー、振付師、頻繁なコラボレーター)であるジェイミー・ジェームス・キッドと彼らの犬は、南カリフォルニアの高地砂漠とケンタッキー州ルイビルの深い郊外で嵐から避難した。


これらの土地で、キッドのダンスに即興でベース・ギターのフィギュアを発見し、パンデミックによる隔離の間に歌へと変化させ、それから、ドラマー/パーカッショニストのシェリダン・ライリー(Alvvaysのメンバー)、マルチ・インストゥルメンタリストのウォルト・マクレメンツ、そして、カップルでギタリストでもある、メグ・ダフィー(Hand Habitsのメンバー)のアンサンブルに持ち込んだ。彼らは演奏を構築し、嬉々として破壊し、それを再構築した。


このアンサンブルが共有するクィア・アイデンティティーには喜びがある。このアルバムもまた、安易なジャンルや定義に挑戦している。このレコードは彫刻であり、過ぎ去った時間と愛する人の肖像画である。スピリチュアルであり、サイケデリックでもある。TJOの巧みなプロダクションと揺るぎないベースが中心を支え、彼女の妖艶なギターと歌声がメッセージを伝える。


「The Cool Cloud of Okayness」は、時に約束のように、時にマントラのように神秘的に歌いあげる。''私たちは明るい、炎のように。喜びもまた、戦い方のひとつ"と。


持続するリズムの中で、繰り返しはすべて挑戦のように感じられる。太陽の周りを何周するのか? 毎回何が変わるのか? 人はどれだけの喪失を受け入れることができるのだろうか? それらの悲しみは、延々と続くフィードバック・ループとなるが、耳を澄ませば希望が芽生え、小さな苗木が泥の中を突き進む音が聞こえてくる。

 


--最初に矢を受けた場所には喜びの傷が残る。喜びは戦いの形なのだから、私たちはとても明るい。--


-Tara Jane 0'Neil- 「We Bright」

 



TJO   『The Cool Cloud of Okayness』


タラ・ジェーン・オニールの新作アルバムはかなり以前から制作され、2017年頃から七年をかけて制作された。カルフォルニアの山火事の悲劇から始まったオニールの音楽の長大な旅。


『The Cool Cloud of Okayness』は、異質であまり聴いたことがないタイプのアルバムで、唯一、プログレの代表格、YESの『Fragile』が近い印象を持つ作品として思い浮かべられるかもしれない。アルバムジャケットのシュールレアリスティックなイメージを入り口とし、ミステリアスな世界への扉が開かれる。


真実の世界。しかも、濃密な世界が無限に開けている。タラ・オニールの音楽的な引き出しは、クロスオーバーやジャンルレスという、一般的な言葉では言い尽くせないものがある。分けても素晴らしいと言いたいのは、オニールは、ノンバイナリーやトランスであることを自認しているが、それらを音楽及び歌詞で披瀝せず、表現に同化させる。これがプロパガンダ音楽とは異なり、純粋な音楽として耳に迫り、心に潤いを与える。主張、スタンス、アティテュードは控え目にしておき、タラ・オニールは音楽のパワーだけで、それらを力強く表現する。そして、これこそが本物のプロのミュージシャンだけに許された”特権”なのである。

 

アルバムの#1「The Cool Cloud of Okayness」はサイケデリックロックをベースにしているが、ハワイアンやボサノヴァのように緩やかな気風のフォーク音楽が繰り広げられる。心地良いギターとオニールの歌は、寄せては返す波のような美しさ。浜辺のヨットロックのような安らぎとカルフォルニアの海が夕景に染め上げられていくような淡い印象を浮かび上がらせる。この曲は、序章”オープニング”の意味をなす。

 

これは映画音楽の制作や、実際に俳優として映像作品に出演経験があるTJ・オニールが、音楽の映像的なモチーフを巧緻に反映させたとも解釈出来るかもしれない。#2「Seeing Glass」は、ノルウェーのジャズ・グループ、Jagga Jazzistの音楽を彷彿とさせる。シャッフル・ビートを多用したリズム、ミニマルミュージックを反映させたタラ・オニールのボーカルは、作曲の方法論に限定されることはなく、春のそよ風のような開放感、柔らかさ、爽やかさを併せ持つ。

 


 #1「The Cool Cloud of Okayness」

 

 

#3「Two Stone」ではさらに深度を増し、夢幻の世界へ入り込む。この曲では、Jagga JazzistやLars Horntvethがソロ作品で追求したようなエレクトロニックとジャズの融合があるが、バンドの場合は、それらにフュージョン、アフロビート、アフロジャズの要素を付け加えている。

 

アルバムの冒頭で、南国的な雰囲気で始まった音楽が、一瞬で長い距離を移動し、三曲目でアフリカのような雄大さ、そして、開放的な気風を持つ大陸的な音楽に変遷を辿っていく。しかし、アフロジャズの創成期のような原始的な音楽やリズムについては極力抑えておき、ラウンジ・ジャズのようなメロウさとスタイリッシュさを強調させている。それらのメロウさを上手い具合に引き立てているのが、金管楽器、パーカション、アンニュイなボーカル。オニールのボーカルは、ベス・ギボンズのようなアーティスティックなニュアンスに近づくときもある。 



#4「We Bright」では、クイアネスの人生を反映させ、「最初に矢を受けた場所には喜びの傷が残る。喜びは戦いの形なのだから、私たちはとても明るい」という秀逸な表現を通して、内的な痛みをシンガーは歌いこむ。ただ、そこにはアンニュイさや悲哀こそあれ、悲嘆や絶望には至らない。"悲しみは歓喜への入り口である"と、シンガーソングライターは通解しているのだ。続いて、オニールは、アフロジャズ/フュージョンのトラックに、抽象的な音像を持つコーラスとボーカルを交え、歌詞に見出されるように、''暗い場所から明るい場所に向かう過程''を表現する。ここでは、人生の中で受けた内的な傷や痛みが、その後、全然別の意味に成り代わることを暗示する。続く「Dash」は、インタリュードをギターとシンセで巧みに表現している。二方向からの音楽的なパッセージは結果的にアンビエントのような音像空間を生み出す。

 

#6「Glass Land」では、シカゴ/ルイヴィルに関するオニールの音楽的な蓄積が現れている。つまり、イントロではポストロックが展開され、ジム・オルークのGastre Del Sol、Rodan、Jone of Arcの彷彿とさせるセリエリズム(無調)を元にしたミステリアスな導入部を形作る。

 

しかし、その後、スノビズムやマニア性が束の間の煙のようにふっと立ち消えてしまい、Portisheadのベス・ギボンズを思わせるアンニュイなボーカル、現代のロンドンのジャズ・シーンに触発されたドラミングを反映させた異質な音楽が繰り広げられる。見晴るかすことの叶わぬ暗い海溝のような寂しさがあるが、他方、ペシミスティックな表現性に限定付けられることはなく、それよりもバリエーション豊かな感覚が織り交ぜられていることに驚きを覚える。

 

明るさ、暗さ、淡さ、喜び、安らぎ、ときめき、悲しさ、苦しさ、それを乗り越えようとすること。挫折しても再び起き上がり、どこかに向けて歩き出す。ほとんど数えきれないような人生の経験を基底にした感覚的なボーカルが多角的な印象をもって胸にリアルに迫ってくるのである。 

 

 

 #6「Glass Land」

 

#7「Curling」では、Jagga Jazzistのノルウェージャズと電子音楽の融合ーーニュージャズを元に、Pink Floyd/YESのような卓越した演奏力を擁するプログレを構築させる。 特にシンセサイザーがバンドのアンサンブルを牽引するという点では、リック・ウェイクマンの「こわれもの」、「危機」の神がかりの演奏を思わせる。タラ・オニールによるバンドは続いて、マスロックの音楽的な要素を加え、Don Cabarelloが『Amrican Don』で繰り広げたようなミニマル・ロックと電子音楽の融合を復刻させる。ただ、これらがBattlesのようなワイアードな音楽にならないのは、オニールのボーカルがポップネスを最重視しているからだろう。

 

後半部では、スピリチュアル・ジャズの音楽的な要素が強調される。「Fresh End」はアフロジャズとシカゴのポスト・ロック/ルイヴィルのマス・ロックの進化系であり、Don Cabarelloの『What Burns Never Returns』のアヴァンギャルド・ロックのスタイル、そして、Jagga Jazzistのエレクトロ・ジャズを、アフロビートの観点から解釈することによって、音楽の持つ未知の可能性を押し広げる。ベースラインのスタッカートの連続は、最終的にダンスミュージックのような熱狂性と強固なエナジーを生み出す。それは実際、アルバムを聞き始めた時点とは全く異なる場所にリスナーを連れてゆく。これを神秘性と呼ばずしてなんと呼ぶべきなのか??

 

『The Cool Cloud of Okayness』のクライマックスを飾る「Kaichan Kitchen」は圧巻であり、衝撃的なエンディングを迎える。サイケロック、サーフ、ヨットロックをアンビエントの観点から解釈し、ギター/シンセのみで、Mogwai/Sigur Rosに比する極大の音響空間を生み出す。天才的なシンガーソングライター、TJ・オニールに加えて、シェリダン・ライリー、メグ・ダフィー、秀逸なミュージシャンの共同制作による衝撃的なアルバムの登場。収録曲は、9曲とコンパクトな構成であるが、制作七年にわたる長い歳月が背景に貫流していて、感慨深い。

 



92/100
 


#7「Curling」

 

 

 

Tara Jane O’Niel(TJO)の新作アルバム『The Cool Cloud of Okayness』はOrindal Recordsより本日発売。

 

 

©Blue Note
 

南アフリカのピアニスト/作曲家/ヒーラー/哲学者であるNduduzo Makhathini(ンドゥドゥゾ・マカティーニ)が3枚目のアルバム『Unomkhubulwane-ノムクブルワネ』を6月7日にBlu Noteからリリースする。前作『In The Spirit Of NTU』の発売後、アーティストは韓国をツアーし、ライブを敢行した。このアルバムは週末の注目作として当サイトでご紹介しています。

 

マカティーニの音楽は、ミニマリズムのピアノを中心に構成されるが、その根底には奇妙な癒やしがある。ピアニストの演奏は、エヴァンスのように繊細さと力強さの双方を兼ね備えている。彼のピアノの演奏には古典的なジャズの気品とスピリチュアル・ジャズの飽くなき冒険心が混在している。

 

ブルーノートいわく、”超越的な3楽章からなる”組曲『Unomkhubulwane-ノムクブルワネ』は、彼のアフリカのルーツを辿る内容となっている。ズールー族の女神ウノムクブルワネにオマージュを捧げ、アフリカの悲劇的な抑圧の歴史を探求している。ベーシストのズヴェラケ・ドゥマ・ベル・ル・ペレとドラマーのフランシスコ・メラとのトリオをフィーチャーしている。

 

2020年にブルーノートから『モード・オブ・コミュニケーション』で世界デビューして以来、 ”地下世界からの手紙”と称されるように、マカティーニは、彼の音楽の純粋にスピリチュアルな超越性を通して、広い称賛を得た。彼の音楽の超越性。ズールーのヒーラー、同時に教育者でもあるマハティーニにとって、即興音楽は単なる美学やイディオムの範疇にとどまることはない。

 

ニューヨーク・タイムズ紙が『Mode Of Communication-モード・オブ・コミュニケーション』を”ベスト・ジャズ・アルバム”に選んだ際、次のように評した。 「スピリチュアル・ジャズが危険なほど賑やかな主題になっている現在、真に”占いの実践”に人生を捧げてきたミュージシャンを信頼してみたい」

 
『Unomkhubulwane-ノムクブルワネ』は、既存の音楽制作の概念を超え、最も深遠なヴィジョンを提供する。ピアニストは、形而上学的な平面にインスピレーションを求めている。アーティスト自身が言うように、「超自然的な声」と交信する方法として音楽を駆使するのだ。

 

アルバムからオープニング・トラック「Omnyama」がリードシングルとして配信された。「Omnyama」はジャズ・ピアニストとしてスリリングな音の響きを探求する。ピアノの気品に満ち溢れた音の運び、アフリカのエキゾチズムを体現するドラム、そして、ニューヨークの欠かさざる文化である”スポークンワード”という手法を以て、ジャズの未知の可能性を切り開く。

 



「Omnyama」

 

 

Nduduzo Makhathin『Unomkhubulwane』


Label: Blue Note

Release: 2024/06/07

 

Tracklist:

 
1. Libations: Omnyama
2. Libations: Uxolo
3. Libations: KwaKhangelamankengana
4. Water Spirtis: Izinkonjana
5. Water Spirit: Amanxusa Asemkhathini
6. Water Spirtit: Nyoni Le?
7. Water Spirit: Iyana


イギリスのサックス奏者、シャバカ・ハッチングス(Shabaka Hutchings)が、初のソロアルバム『Perceive Its Beauty, Acknowledge Its Grace』の最新シングル「I'll Do Whatever You Want」を公開した。

 

ハッチングスはサンズ・オブ・ケメット/コメット・オブ・イズ・カミングのメンバーとしても知られ、近年ではソロ活動に転じている。ロンドンのジャズシーンをリードする存在である。

 

「"I'll Do Whatever You Want "は、降伏と、所有欲の掌中にある親密な空間について歌っている」とシャバカは声明で述べている。

 

シャバカの新作アルバム『Perceive Its Beauty, Acknowledge Its Grace』は4月12日にImpulse!から発売される。

 


「I'll Do Whatever You Want」

 Charles Lloyd 『The Sky Will Still Be There Tomorrow』

 

 

Label: Blue Note(日本盤はユニバーサルミュージックより発売)

Release: 2024/03/15

 


Review

 

2022年から三部作「Trios」に取り組んできた伝説的なサックス奏者のチャールズ・ロイド(Charles Lloyd)は、北欧のヤン・ガルバレクと並んで、ジャズ・サックスの演奏者として最高峰に位置付けられる。


ECMのリリースを始め、ジャズの名門レーベルから多数の名作を発表してきたロイドは86歳になりますが、ジャズミュージシャンとして卓越した創造性、演奏力、 作品のコンセプチュアルな洗練性を維持してきました。驚くべきことに、年を経るごとに演奏力や創作性がより旺盛になる稀有な音楽家です。彼の名作は『The Water Is Wide』を始め、枚挙に暇がありません。スタンダードな演奏に加え、ロイドは、アヴァンギャルド性を追求すると同時に、カラフルな和音性やジャズのスケールを丹念に探求してきました。近年、ロイドはジャズの発祥地である米国のブルーノートに根を張ろうとしています。これはジャズのルーツを見れば、当然のことであるように思える。

 

 『The Sky Will Still Be There Tomorrow』は彼のサックスの演奏に加え、ピアノ、ドラムのバンド編成でレコーディングされた作品です。冒険心溢れるアヴァンギャルドジャズの語法はそのままに、アーティストがニューオリンズ・ジャズの時代の原点へと回帰したような重厚感のあるアルバムです。

 

ブレス、ミュート、トリル、レガートの基本的な技法は、ほとんどマスタークラスの域に達し、エヴァンスやジャレットの系譜にあるピアノ、オーリンズとニューヨークの奏法のジャズの系譜を受け継いだドラムとの融合は、ライブ・レコーディングのように精妙であり、ジャレットのライブの名盤『At The Deer Head Inn』のように、演奏の息吹を間近に感じることが出来る。チャールズ・ロイドは、あらためてジャズの長きにわたる歴史に焦点を絞り、クラシカルからモダンに至るまですべてを吸収し、それらを華麗なサックスとバンドアンサンブルによって高い水準のプロダクションに仕上げました。スタンダードな概念の中にアヴァンギャルドな性質を交えられていますが、これこそ、この演奏家の子どものような遊び心や冒険心なのです。


ロイドは落ち着いたムードを持つR&Bに近いメロウなブルージャズから、それと対極に位置するスタイリッシュなモダンジャズの語法を習得している。彼の演奏はもちろん、ピアノ、ドラムの演奏は流れるようにスムーズで、編集的な脚色はほぼなく、生演奏のような精細感がある。ブルーノートの録音は、ロイドを中心とするレコーディングの精妙さや輝きをサポートしています。



オープニング「Defiant, Tendder Warrior」は、まごうことなきアメリカの固有のジャズのアウトプットであり、ウッドベースとドラムの演奏とユニゾンするような形で、チャールズ・ロイドは、スタッカートの演奏を中心に、枯れた渋さのある情感をもたらす。年を重ねてもなお人間的な情感を大切にする演奏家であるのは明確で、それは基本的に繊細なブレスのニュアンスで表現される。チャールズ・ロイドの演奏は普遍的であり、いかなる時代をも超越する。彼の演奏はさながら、20世紀はじめの時代にあるかと思えば、それとは正反対に2024年の私達のいる時代に在する。

 

抑制と気品を擁するサクスフォンの演奏ですが、ときに、スリリングな瞬間をもたらすこともある。二曲目の「The Lonely One」ではライブのような形でセッションを繰り広げ、ダイナミックな起伏が設けられる。しかし、刺激的なジャズの瞬間を迎えようとも、ロイドの演奏は内的な静けさをその中に内包している。そしてスタンダードなジャズの魅力を伝えようとしているのは明らかで、曲の途中にフリージャズの奏法を交え、無調やセリエリズムの領域に差し掛かろうとも、アンサンブルは聞きやすさやポピュラリティに焦点が絞られる。ジャズのライブの基本的な作法に則り、曲のセクションごとにフィーチャーされる演奏家が入れ替わる。ドラムのロールが主役になったかと思えば、ウッドベースの対旋律が主役になり、ピアノ、さらにはサックスというようにインプロヴァイゼーション(即興演奏)を元に閃きのある展開力を見せる。

 

ロイドの最新作で追求されるのは、必ずしも純粋なジャズの語法にとどまりません。「Monk's Dance」において音楽家たちは寄り道をし、プロコフィエフの現代音楽とジャズのコンポジションを融合させ、根底にオーリンズのラグタイム・ジャズの楽しげな演奏を織り交ぜる。この曲には、温故知新のニュアンスが重視され、古いものの中に新しいものを見出そうという意図が感じられる。それは、最もスタイリッシュで洗練されたピアノの演奏がこの曲をリードしている。 

 

アルバムの中で最も目を惹くのがチャールズ・ロイドの「Water Series」の続編とも言える「The Water Is Rising」です。抽象的なピアノやサックスのフレージングを元にし、ロイドは華やかさと渋さを兼ね備えた演奏へと昇華させる。この曲では、ロイドはエンリコ・ラヴァに近いトランペットの奏法を意識し、色彩的な旋律を紡ぐ。トリルによる音階の駆け上がりの演奏力には目を瞠るものがあり、演奏家が86歳であると信じるリスナーは少ないかもしれません。ロイドの演奏は、明るいエネルギーと生命力に満ち溢れ、そして安らぎや癒やしの感覚に溢れている。サックスの演奏の背後では、巧みなトリルを交えたピアノがカラフルな音響効果を及ぼす。

 

アルバムの中盤では、内的な静けさ、それと対比的な外的な熱量を持つジャズが収録されています。「Late Bloom」は北欧のノルウェージャズのトランペット奏者であるArve Henriksenの演奏に近く、木管楽器を和楽器のようなニュアンスで演奏している。ここでは、ジャズの静けさの魅力に迫る。続く「Booker's Garden」では、それとは対象的にカウント・ベイシーのようなビックバンドのごとき華やかさを兼ね備えたエネルギッシュなジャズの魅力に焦点を当てている。

 

古典的なジャズの演奏を踏襲しつつも、実験性や前衛性に目を向けることもある。「The Garden Of Lady Day」では、コントラバスのフリージャズのような冒険心のあるベースラインがきわめて刺激的です。ここにはジャズの落ち着きの対蹠地にあるスリリングな響きが追求される。この曲では、理想的なジャズの表現というのは、稀にロックやエレクトロニックよりも冒険心や前衛性が必要となる場合があることが明示されている。これらは、オーネット・コールマン、アリス・コルトレーンを始めとする伝説的なアメリカのジャズの演奏家らが、その実例、及び、お手本を華麗に示してきました。もちろんロイドもその演奏家の系譜に位置しているのです。


タイトル曲はスタンダードとアヴァンギャルドの双方の醍醐味が余すところなく凝縮されている。この曲はスタンダードなジャズからアヴァン・ジャズの変遷のようなものが示される。ロイドの演奏には、したたな冒険心があり、テナー・サックスの演奏をトランペットに近いニュアンスに近づけ、演奏における革新性を追求しています。また、セリエリズムに近い無調の遊びの部分も設け、ピアノ、ベース、ドラムのアンサンブルにスリリングな響きを作り上げています。微細なトリルをピアノの即興演奏がどのような一体感を生み出すのかに注目してみましょう。

 

ブルーノートからのリリースではありながら、マンフレート・アイヒャーが好むような上品さと洗練性を重視した楽曲も収録されています。「Sky Valley, Spirit Of The Forest」は、Stefano Bollani、Tomasz Stanko Quintetのような都会的なジャズ、いわば、アーバン・ジャズを意識しつつ、その流れの中でフリージャズに近い前衛性へとセッションを通じて移行していく。しかし、スリリング性はつかの間、曲の終盤では、アルバムの副次的なテーマである内的な静けさに導かれる。ここにはジャズの刺激性、それとは対極に位置する内的な落ち着きや深みがウッドベースやピアノによって表現される。タイトルに暗示されているように、外側の自然の風景と、それに接する時の内側の感情が一致していく時の段階的な変遷のようなものが描かれています。

 

 

本作の後半では、神妙とも言うべきモダン・ジャズの領域に差し掛かる。ウッドベースの主旋律が渋い響きをなす「Balm In Gilead」、ロイドのテナー・サックスをフィーチャーした「Lift Every Voice and Sing」では歌をうたうかのように華麗なフレージングが披露される。アルバムの音楽は、以後、さらに深みを増し、「When The Sun Comes Up, Darkness Is Gone」でのミュートのサックスとウッドベース、ピアノの演奏の絶妙な兼ね合いは、マイルスが考案したモード奏法の先にある「ポスト・モード」とも称すべきジャズの奏法の前衛性を垣間見ることが出来ます。

 

続く「Cape to Clairo」ではセッションの醍醐味の焦点を絞り、傑出したジャズ演奏家のリアルなカンバセーションを楽しむことが出来る。このアルバムは、三部作に取り組んだジャズマン、チャールズ・ロイドの変わらぬクリエイティヴィティーの高さを象徴づけるにとどまらず、ジャズの演奏家として二十代のような若い感性を擁している。これはほとんど驚異的なことです。

 

また、本作にはジャズにおける物語のような作意もわずかに感じられる。クローズ「Defiant, Reprise; Homeward Dove」は、ピアノとウッドベースを中心にジャズの原点に返るような趣がある。この曲は、ロイドの新しい代名詞となるようなナンバーと言っても過言ではないかもしれません。



95/100

 


Charles Lloyd 『The Sky Will Still Be There Tomorrow』の日本盤はユニバーサルミュージックから発売中。公式サイトはこちら。 

 


「Defiant, Tendder Warrior」

 


JAZZの新世代として注目を集めるピアニストの【壷阪健登】とベーシスト/ヴォーカリストの【石川紅奈】によるユニット【soraya】1st Album「soraya」が本日リリースされる。
 

2024年3月29日(金)には「soraya 1st Alubum Release Live "ゆうとぴあは そこに"が東京キネマ倶楽部で開催。こちらもアルバムのリリース情報とあわせて下記より確認してみて下さい。

 

JAZZの新世代として注目を集めるピアニストの【壷阪健登】とベーシスト/ヴォーカリストの【石川紅奈】によるユニット【soraya】。1st Album「soraya」のリリースが3月13日に決定。JAZZや洋楽ポップスの要素を起点に古今東西、様々な音楽をユニークにとりいれた全9曲のコンテンポラリーポップ集「soraya」。ジャズ・ポップスファンは要チェックのアルバムです。

 

 

soraya「soraya」

 



Digital/CD [4543034053032 / 3,000Yen] | DDCB-13056 | 2024.03.13 Release
Released by B.J.L. X AWDR/LR2

 

配信リンク:

https://ssm.lnk.to/soraya


先行リリースを行っている「ひとり」は、sorayaとしてはじめて作った星座にまつわる内容でsorayaのテーマ曲とも言える内容で、同時にリリースされた「ちいさくさよならを」は、ピアノ、パーカッション、フルートによるアンサンブルが心地よい雰囲気。童謡のように誰でも親しめるメロディが融合している。

 


セカンド・シングルとしてリリースされた「BAKU」は、タイトルの通り、幻の動物である獏をテーマにしたバクのワークソング。リズムマシンに加え、民族音楽から着想を得た様々なリズムを採用したトラックに「バクバク...」の連呼が癖になる楽曲となっている。サード・シングルとなった「耳を澄ませて」は、「自由」をテーマに彼らのホームであるJAZZの要素大きくとりいれた壮大なポップ・ソング。4曲目のシングルとなった「ゆうとぴあ」は、マリンバやストリングスなどを導入したsorayaによるエキゾチカ再解釈となっており、ゴージャスでロマンティックなサウンドとなった。歌詞は、カール・ブッセ「山のあなた」から影響を受け創作した。


先行シングル以外のアルバム収録曲「風の中で」は、大自然の中で、前へ前へと駆け抜けるようなサウンド。歌詞をRuri Matsumuraに依頼して制作された。「ルーシー」は、美しいアコースティック・ギターが全体を彩るフィルム映像のような温かさを覚える楽曲となっている。「レコード」は、soraya流のジャパニーズ・シティポップ/歌謡曲とも言える曲。可愛らしくも、一癖あるメロディがアクセントとなっている。そして、アルバムの最後は、ピアノとヴォーカル/ベースのみのシンプルな編成でのスピッツのカヴァー「愛のしるし」が収録されている。


サウンド・プロダクションはsorayaの親交のある気鋭のミュージシャンを多数起用。レコーディング/ミックスには葛西敏彦と吉井雅之を起用。



soyara  Events:


soraya 1st Album Release Live "ゆうとぴあは そこに"


2024.03.29 (Fri)
Open/Start 19:00/19:30
東京キネマ倶楽部 TOKYO KINEMA CLUB, Tokyo


Ticket PIA [ 0570-02-9999 ] 

e+ [ https://eplus.jp/soraya

LAWSON [ 0570-084-003 ]


[ 前売 / ADV. ] 5,000 Yen [+1D]




soraya:


JAZZフィールドで活躍中の音楽家、壷阪健登と石川紅奈による、国も世代も超えて分かち合うポップスをお届けするユニット。
 

海の向こうのお気に入りのアーティストの曲名、中東の国の親しみのある女性の名、宇宙に浮かぶ星団の名でもある「soraya」(ソラヤ)という、遥か遠くの何処か想起させる、不思議で親しみやすい響きの言葉を由来とする。


2022年4月シングル「ひとり / ちいさくさよならを」でデビュー。2023年夏は「Love Supreme Jazz Festival Japan」や「日比谷音楽祭」などのフェスへも出演。


各メンバーのソロ活動も活発化しており、石川紅奈は2023年春にVerveよりメジャーデビュー。壷阪健登も国内での単独公演を成功させ、スペイン「San Sebastian Jazz Festival」への出演を果たすなど、ミュージシャンとして世界への拡がりを見せている。


3月13日にsorayaとしてファースト・アルバム「soraya」をリリース。3月29日(金)には、集大成となるリリース・ライブを東京キネマ倶楽部で行われる。

 Molly Lewis 『On The Lips』 

 

 

 

Label: Dead Oceans

Release: 2024/02/16

 

Review

 

 

オーストラリア出身のウィストラー(口笛)奏者、モリー・ルイスは古典的な西部劇映画、例えば「荒野のガンマン」に代表されるシネマの音楽、例えば、エンニオ・モリコーネサウンドを20世紀のブロードウェイの音楽と繋げ、それを口笛の演奏によって表現する。ルイスは、若い時代をオーストラリアで過ごし、父親からブロードウェイミュージカルのサウンドトラックを聞かせてもらい、それらの音楽に親しむようになった。幼少時代から、ルイスは何時間でも口笛を吹いていたといい、それを父親は慈しみの眼差しで見守ってあげたのだった。モリー・ルイスはこれまで、他ジャンルのアーティストと親交を積極的に交わしている。音楽的な盟友のなかには、Yeah Yeah Yeah'sの釜山出身のニューヨークのフロント・シンガー、カレン・Оもいる。

 

モリー・ルイスは、言葉が過剰になった現代社会の風潮にそれとは別のコミニケーション方法があることを教えてくれる。彼女は口笛を吹くことの定義について、「人間のテルミン」とし、なぜ口笛を吹くのかについて次のように話している。「なぜ、私は口笛を吹くのかといえば、それはコミュニケーションをすることに尽きるでしょう。その他にも、私にとって口笛を吹くということは創造することであり、身振りやジェスチャーをすることとおなじようなものです。悲しみと喜びという2つの原初的な感情を最もよく表現するのにぴったりなのがこの口笛という楽器なのです」

 

二作のEPに続いて、発表されたデビュー・アルバム『On The Lips』 は、ルイスの音楽としてお馴染みのマカロニ・ウェスタン、エンニオ・モリコーネの映画のサウンドトラックを彷彿とさせるインストゥルメンタルに加えて、ジャズ、ラウンジ、トロピカルを交えたムードたっぷりのアルバムとなっている。聴き方によっては昭和歌謡や同年代のムード歌謡のようなノスタルジックな音楽とも言える。これまでムードや内的な感覚をロマンティックな口笛の単旋律に乗せ、音楽制作をしてきたルイスのアプローチに大きな変更はないように思われる。

 

モリーはこのところ、ニューヨークで過ごすことが多かったのだという。そして、バーのラウンジに足を運んで、これらの音楽を吸収していたのだった。また、実生活における様々な経験もこのデビュー・アルバムに何らかの影響を及ぼしているように思える。


過去数年間、ルイスは、映画『バービー』のサウンドトラックでマーク・ロンソンと共演したほか、ドクター・ドレー、カレン・O、ジョン・C・ライリー、マック・デ・マルコ、ファッション・ハウスのシャネル、グッチ、エルメス、フォーク・ロックのジャクソン・ブラウンらと共演し、音楽的スキルを発揮してきた。LAのZebulonで開催されたカフェ・モリーの夕べで、長年の友人であるウェイズ・ブラッドとバート・バカラックの『The Look of Love』で共演した後、モリーはこのシンガーの全米ツアーをサポートし、彼女のサウンドをまったく新しい聴衆に紹介した。「私がやっていることには、驚きとユニークさがあることを時々忘れてしまう」

 

アルバムにはやはり、このアーティストの考えるロマンスや憧れが凝縮されている。シンバルで始まり、ラウンジ・ジャズをベースとした曲調に、アコースティックギターの演奏がかさなり、ややミステリアスな雰囲気を持つモリー・ルイス・ワールドが繰り広げられる。今回、ルイスは、オープニングトラック「On The Lips」で、スポークンワードに取組んでいるのに驚く。そして、それを受け、やはりムード感たっぷりの口笛がはじまる。まるでそれは現実とは異なるファンタジーの扉を開くような幻想性に満ちあふれている。つづく「Lounge Lizard」ではエンニオ・モリコーネのマカロニ・ウェスタンへのオマージュを示し、西部劇のウエスタンな時代へと遡っていく。モリーの口笛の中に含まれる悲しみ、孤独、そして、それとは対象的な悦びやロマンチシズムが複雑に重なり合い、流麗な旋律の流れを作っていく。とりもなおさずそれは感情表現、あるいは口笛による感覚の奔流となり、ひとつの川の流れのように緩やかに流れていく。ベースラインやジャズの影響を含めたアルトサックスの心地よい流れが聞き手を安らかな心境へと導く。

 

二曲目でジャズやラウンジ、フュージョンへのアプローチに傾倒した後、ルイスは、アメリカーナ/フォーク・ロックに近い音楽へと歩みを進める。ノスタルジックな音楽性は健在であり、20世紀初頭のブロードウェイ・ミュージカル、日本の第二次世界大戦後の昭和歌謡やムード歌謡に近い、コアな音楽性が含まれている。 曲の進行にエレクトーンやオルガンのレトロな音色を配し、ダブに近いビートを生み出す。スロウな曲でありながら、アーティストとしては珍しくダンスミュージックに近い音楽性が選ばれる。それはポール・クックの娘、ホリー・クックのソロアルバム(Reviewを読む)のダンサンブルなアプローチに近い。これまでモノフォニーによる旋律を重視してきたルイスだが、この曲ではリズム性に重点を置いている。これは旧来からアーティストの音楽をよく知るリスナーにとって、新鮮なイメージをもたらすと思われる。

 

やはり映画のサウンドトラックを意識したコンポジションは健在で、続く「Slinky」では、モリコーネ・サウンドを基調とする西部劇の世界に舞い戻る。このサウンドへの入れ込みようには一方ならぬものがあり、女性的なコーラスを配するところまでほとんど完璧な模倣を行っている。しかし、この音楽にはイミテーション以上の何かがある。それはボサノヴァに近いゆったりしたリズム、安らぎと穏やかさが曲にワールド・ミュージックに近い意義を与えている。間や休符の多い曲は、情報が過多になりがちな現代のポピュラーミュージックに聞き慣れたリスナーに休息と癒やしを与える。さらに音楽という表現を介し、ナラティヴな試みも行われる。「Moon Tan」では、「海の上に浮かぶ夜の月」を眺めるようなロマンティックなサウンドスケープが描かれる。そこには概念や考えとはかけ離れた感覚的な口笛がのびのびと吹かれ、とてもあざやかな印象をもたらす。これは「バービー」のサウンドへの参加とは違う形で現れたシネマティックな試みでもある。

 

続く「Silhoette」では「007」のようなスパイ映画で聴くことが出来る、緊迫したシーンとは別の箇所で使用されるリラックスしたインストゥルメンタルの楽曲が展開される。ミニマリズムのアプローチが敷かれているが、しかし、ルイスの口笛は、映画的な音響にフルートの演奏のようなニュアンスをもたらし、人工の楽器というよりも、器楽的な音響を彼女自身の口笛によって作り出そうとしている。それは口を膨らませて、その中を空洞のようにして空気を外側に出すというクラシックのオペラのような歌唱法で、これらのウィストルが吹かれている事がわかる。 これらの音楽のやすらいだムードを効果的に高めるのが、女性コーラスとレトロな音色のシンセ。これらの複合的な音楽の要素は全体的に見ると、アフロジャズ、トロピカル、そしてヨットロックの組み合わせのような感覚をもたらす。そして、ポール・クックの音楽のように、海辺のバカンスを脳裏に呼び覚ますピクチャレスクな換気力を持ち合わせている。

 

その後も、ムード感とリラックス感のあるインストゥルメンタル・ミュージックが続く。そしてEPの時代に比べると、ワールド・ミュージックの要素が強まったという印象を覚える。例えば、「Porque Te Vas」では、Trojan在籍時代のボブ・マーリーのレゲエのドラムの立ち上がりから、キューバのBuena Vista Social Clubのようなキューバン・ジャズの哀愁へと繋がっていく。最終的にはジャズやファンク、そしてR&Bという大まかな枠組みに収めこまれるが、やはりリズム性を重視しているのは一貫していて、今回のアルバムの重要な中核をなしている。その後、ワールドミュージックの性質が強まり、「Cocosette」ではアントニオ・カルロス・ジョビンのブラジルのクラシックの影響下にある音を展開させる。ブラジルのサンバとは対極にあるリラックスした海辺の街の音楽を強かに踏襲し、それらをやはりルイスは口笛で表現するのである。

 

その後はフュージョン・ジャズに近い音楽性が「Sonny」に見いだせる。旋律の進行に関しては、ニューヨークのジャズボーカルの元祖、フランク・シナトラの古典性、もしくは、坂本九の「すき焼き」の昭和歌謡に近い印象がある。ただ、もちろん、ルイスは、ボーカルや声ではなく、ウィストルという彼女にしか出来ない演奏法によって表現しようと試みる。そして、この曲でも、ルイスが口笛によって伝えたいことは一貫して、ロマンスや安らぎ、淡い幻想性なのである。これらの音楽は、現実的な表現方法よりもリアリティーがある瞬間があるのはなぜなのだろう。ともあれ、アルバムは、口笛の国際コンクールで上位入賞の経験のあるウィストラー奏者の一定の水準以上の音楽を通じて、アーティストによるロマンスが感覚的に続いていく。


クローズ「The Crying Game」では、カントリー/フォークの古典的な音楽がシンセのアレンジと併せて繰り広げられる。この曲は、一連のストーリーのエンディングのような印象もあり、他の楽器パートに対し、口笛が色彩的なカウンターポイントを形成している。最後では、男女混声によるコーラスがこの曲のロマンティックなムードを最大限に高める。個人的な印象に過ぎないものの、ボーカル、ハミング、スポークンワードを積極的に披露しても面白かったのではないか? しかし、少なくとも、忙しい現代人のこころに空白や余白をもたらしてくれる貴重な作品であることは確かである。

 

 

 

75/100

 

 

Best Track-「Sonny」

 

 

JAZZの新世代として注目を集めるピアニストの壷阪健登とベーシスト/ヴォーカリストの石川紅奈によるユニット、soraya。1st Album「soraya」のリリースが3月13日に決定。アルバムより「風の中で」が本日配信される。


2024年3月29日(金)には「soraya 1st Album Release Live "ゆうとぴあは そこに"が東京キネマ倶楽部で開催決定。現在チケット発売中。アルバムの配信リンクと合わせて下記よりご覧下さい。

 

先行リリースを行っている「ひとり」は、sorayaとしてはじめて作った星座にまつわる内容でsorayaのテーマ曲といえる。同時にリリースされた「ちいさくさよならを」はピアノ、パーカッション、フルートによるアンサンブルが心地よい雰囲気を作り、童謡さながらに誰でも親しめるメロディが融合している。

 

セカンドシングルとしてリリースされた「BAKU」は幻の動物をテーマにしたワーク・ソング。リズムマシンに加えて、民族音楽から着想を得た様々なリズムを取り入れたトラックに、「バクバク...」の連呼が癖になる。

 

サードシングルとなった「耳を澄ませて」は「自由」をテーマに、彼らのホームであるジャズの要素を取り入れたポップソング。

 

4作目のシングルとなった「ゆうとぴあ」は、マリンバ、ストリングスなどを導入したsorayaによるエキゾチカ解釈となっており、ゴージャスでロマンティックなサウンドとなった。カール・ブッセの「山のあなた」に触発を受けて制作された。

 

先行シングル以外のアルバム収録曲「風の中」は、大自然の中で前へ前へと駆け抜けるような清涼感のあるサウンドが魅力。歌詞をRuri Matsumuraに依頼し、制作された。「ルーシー」は、美しいアコースティックギターが全体を彩るフィルム映画のような温かさを思わせる。「レコード」は、sorayaらしいジャパニーズ・シティ・ポップ/歌謡曲とも言える曲。可愛らしくて、一癖あるメロディが良いアクセントとなっている。アルバムの最後を飾るのは、ピアノ、ボーカル、ベースのみのシンプルなスピッツのカバー、「愛のしるし」が収録されている。

 

本作のサウンドプロダクションには、sorayaと親交を持つ気鋭のミュージシャンを起用した。レコーディング/ミックスには葛西敏彦と吉井雅之を起用。

 

sorayaは3月29日にリリース記念ライブの開催を発表しました。詳細についてはこちらからご覧下さい。アルバム発表後の情報はこちら




・soraya「soraya」‐ New Album

 



Digital/CD [4543034053032] | DDCB-13056 | 2024.03.13 Release
Released by B.J.L. X AWDR/LR2



01. ひとり
02. 風の中で
03. ルーシー
04. ゆうとぴあ
05. BAKU
06. ちいさくさよならを
07. レコード
08. 耳を澄ませて
09. 愛のしるし

アルバムより「風の中で」が本日配信。

PRE-ADD/PRE-SAVE:

https://ssm.lnk.to/soraya

 

・soraya「風の中で」‐ Lead Single



Digital | DDCB-13056_5 | 2024.02.14 Release
Released by B.J.L. X AWDR/LR2

 

配信リンク;

https://ssm.lnk.to/kazenonakade 



lyric: Ruri Matsumura
music: Kento Tsubosaka
bass&vocal: Kurena Ishikawa
piano&arrangement: Kento Tsubosaka
guitar: Taka Nawashiro
marimba: Tomoko Yoshino
drums: Tomoaki Kanno
recording: Takuma Kase
recording&mix: Toshihiko Kasai



2024年3月29日(金)には「soraya 1st Album Release Live "ゆうとぴあは そこに"が東京キネマ倶楽部で開催決定。現在チケット発売中。

 

 

 

・soraya 1st Alubum Release Live  "ゆうとぴあは そこに"



・2024.03.29 (Fri)


・Open/Start 19:00/19:30


・東京キネマ倶楽部 TOKYO KINEMA CLUB, Tokyo


・Ticket PIA [ 0570-02-9999 ] 

・e+ [ https://eplus.jp/sf/sys/comingsoon.html ] 

・LAWSON [ 0570-084-003 ]


・[前売 / ADV. ] 5,000 Yen [+1D]



soraya:

 

JAZZフィールドで活躍中の音楽家、壷阪健登と石川紅奈による、国も世代も超えて分かち合うポップスをお届けするユニット。


海の向こうのお気に入りのアーティストの曲名、中東の国の親しみのある女性の名、宇宙に浮かぶ星団の名でもある「soraya」(ソラヤ)という、遥か遠くの何処か想起させる、不思議で親しみやすい響きの言葉を由来とする。


2022年4月シングル「ひとり / ちいさくさよならを」でデビュー。2023年夏は「Love Supreme Jazz Festival Japan」や「日比谷音楽祭」などのフェスへも出演。


各メンバーのソロ活動も活発化しており、石川紅奈は2023年春にVerveよりメジャーデビュー。壷阪健登も国内での単独公演を成功させ、スペイン「San Sebastian Jazz Festival」への出演を果たすなど、ミュージシャンとして世界への拡がりを見せている。


3月13日にsorayaとしてファースト・アルバム「soraya」のリリースが決定。3月29日(金)には、集大成となるリリース・ライブを東京キネマ倶楽部で行う。

 

©Joelle Grace Taylor

 

ノラ・ジョーンズ(Norah Jones)はプロデューサー兼マルチ・インストゥルメンタリストのレオン・ミシェルズとコラボレートした9枚目のスタジオアルバム『Visions』をブルーノートから3月8日にリリースする。リード・シングル「Running」も公開された。


本作は、2021年にリリースされたノラ初のクリスマス・アルバム『アイ・ドリーム・オブ・クリスマス』も手掛けたリオン・マイケルズがプロデュースを担当した。


オリジナル・アルバムとしては2020年の『ピック・ミー・アップ・オフ・ザ・フロア』以来約4年振りとなる本作では、ほぼ全てのパートをノラとリオンの2人でレコーディングしている。収録されている12曲は、自由を感じること、踊りたくなること、人生がもたらすものを受け入れることなど活気に溢れポジティヴな内容に満ちている。


ダウンホームでアーシーなサウンドも印象的であり、懐かしい雰囲気ながらもどこか新しさを感じさせる。これまでの作品には無かったノラの新たな一面を感じ取れる、必聴の仕上がりだ。


本作、そして第1弾シングルとなった「ランニング」について、ノラは「私がアルバムを『ヴィジョンズ』と名付けたのは、多くのアイデアが真夜中か寝る直前の瞬間に思いついたからで、「ランニング」は半分眠っているのに、ちょっと目が覚めたような気分になる曲のひとつだった。ほとんどの曲は、私がピアノかギターで、リオンがドラムを叩いて、ただジャムるというやり方で作っていった。 その生々しさが好きで、ガレージっぽいけどソウルフルな感じになったと思う。それがリオンのサウンドの原点だし、完璧すぎないというのも魅力のひとつだしね」と語っている。

 

 

「Running」

 

 

 

日本盤には、2023年6月にリリースされたシングル「キャン・ユー・ビリーヴ」をボーナス・トラックとして収録。さらに限定盤、シングルレイヤーSACD~SHM仕様といった形態も日本盤のみで同時発売される。

 

ノラ・ジョーンズは2021年にクリスマス・アルバム『I Dream Of Chrismas』をリリースした。以後、昨年末にはLaufeyとのコラボレーションを行い、クリスマスソングをライブで披露した。



Norah Jones 『Visions』


Label: Blue Note

Release: 2024/03/08

 

Tracklist:

 

All This Time

Staring at the Wall

Paradise

Queen of the Sea

Visions

Running

 

I Just Wanna Dance

I’m Awake

Swept Up in the Night

On My Way

Alone With My Thoughts

That’s Life


Pre-order/Pre-save:


https://norah-jones.lnk.to/Visions


 

 

石川紅奈と壷阪健登によるジャズ・ユニット、soraya(ソラヤ)が11月22日(水)にニューシングル「ゆうとぴあ」をデジタルリリース。配信リンクとリリースの詳細については下記の通り。


昨年の4月のデビューからリリース毎に”J-WAVE TOKIO HOT 100”にランクインするなど、注目度が高まるピアニストで作曲家の壷阪健登とベーシストでボーカリストの石川紅奈によるユニット、soraya(ソラヤ)が11月22日(水)に新曲「ゆうとぴあ」を配信にてリリースする。1950-60年代にアメリカの音楽家/ピアニスト、マーティン•デニーらによって生み出され、細野晴臣氏も大きく影響を受けたとされる、ムード音楽”エキゾチカ”を再解釈した一曲となる。

 

歌詞の世界観はドイツの詩人、カール・ブッセの「山のあなた」からインスパイアされている。童謡や唱歌を想起させるような歌と、sorayaとしては初めてフィーチャーしたヴィブラフォンやストリングスのアレンジが、奥深く、異国情緒あふれるファンタジックな世界へと誘う。録音、ミックス、マスタリングは、蓮沼執太、青葉市子、スカートなどの作品を手がける葛西敏彦氏が担当した。

 

今年の夏、LOVE SUPREME JAZZ FESTIVAL JAPAN 2023、日比谷音楽祭2023などのフェスへも出演したsoraya。各メンバーのソロ活動も活発化している。石川紅奈は今年春にJAZZの名門レーベル”Verve”よりメジャーデビューを果たし、壷阪健登も国内での単独公演を成功させ、スペインのサンセバスチャン国際ジャズ・フェスティバルへの出演を果たすなど、ミュージシャンとして世界への拡がりを見せる。

 


来年は、sorayaとして初となるフルアルバムをリリース予定。壷阪健登と石川紅奈のソロ活動を含め、今後のsorayaの活動をお楽しみに。

 

 

soraya  「ゆうとぴあ」    -New Single-

 

Label: Ondo Inc.

Release: 2023/11/22


Tracklist:

1.ゆうとぴあ



music: Kento Tsubosaka
lyric: Kurena Ishikawa, Kento Tsubosaka

bass&vocal: Kurena Ishikawa
piano&arrangement: Kento Tsubosaka
violin: Yuko Narahara, Kozue Ito
cello: Koichi Imaizumi
marimba&vibraphone Tomoko Yoshino
drums: Yusuke Yaginuma
percussion: KAN

 

 

配信リンクの予約(Pre-save):

 

 https://linkco.re/1recbcRf



・soraya


2022年4月1stシングル「ひとり/ちいさくさよならを」をリリース。


ジャズフィールドで活躍中の音楽家、壷阪健登と石川紅奈による、国も世代も超えて分かち合うポップスをお届けするユニット。海の向こうのお気に入りのアーティストの曲名、中東の国の親しみのある女性の名、宇宙に浮かぶ星団の名でもある「soraya」(ソラヤ)という、遥か遠くの何処か想起させる、不思議で親しみやすい響きの言葉を由来とする。無国籍に独自の音楽を追求する壷阪が紡いだ楽曲や、ピアノを中心とする繊細で深いサウンド、石川の唯一無二の歌声とベースの温かい音色は、人々を音楽のプリミティブな魅力へと繋ぐ煌めきと包容力を持ち合わせている。

 

2023年夏はLOVE SUPREME JAZZ FESTIVAL JAPAN 2023や日比谷音楽祭2023などのフェスへも出演。各メンバーのソロ活動も活発化しており、石川紅奈は今年春にJAZZの名門レーベルVerveよりメジャーデビューを果たし、また壷阪健登も国内での単独公演を成功させ、サンセバスチャン国際ジャズ・フェスティバルへの出演、ミュージシャンとして世界への拡がりを見せる。



・石川紅奈 (Kurena Ishikawa)

 

埼玉県出身。国立音楽大学ジャズ専修卒業。ジャズベースを井上陽介氏と金子健氏に、ヴォーカルを高島みほ氏に師事。


高校1年生の夏にウッドベースを始め、在学中に世界的ピアニストの小曽根真に見いだされ、同氏が教鞭を執る国立音楽大学ジャズ専修に入学。


在学中からプロ活動を始め、卒業後は小曽根真と女優の神野三鈴が主宰する次世代を担う若手音楽家のプロジェクト「From OZONE till Dawn」のメンバーとしても活動。2021年8月 東京・丸の内コットンクラブで行われた『小曽根真 “OZONE 60 in Club” New Project “From OZONE till Dawn” Live from Cotton Club』にて収録された『Off The Wall』(by マイケル・ジャクソン)の映像がYouTubeで200万回以上再生され、一躍注目を浴びる。


2022年から壷阪健登とユニット「soraya」を結成。2023年3月、名門ヴァーヴ・レコードよりメジャーデビューを果たし、同年6月には「石川紅奈”Kurena”Release Live」(コットンクラブ)にて満員を博す。NHK『クラシックTV』や各主要FMラジオ局などのメディアにも登場する。


・壷阪健登 (Kento Tsubosaka)

 

ピアニスト、作曲家。神奈川県横浜市出身。ジャズピアノを板橋文夫氏、大西順子氏、作曲をVadim Neselovskyi氏、Terence Blanchard氏に師事。


慶應義塾大学を卒業後に渡米。2017年、オーディションを経て、Danilo Perezが音楽監督を務める音楽家育成コースのBerklee Global Jazz Instituteに選抜される。
これまでにPaquito D’Rivera, Miguel Zenon, John Patitucci, Catherine Russellらと共演。2019年にバークリー音楽院を首席で卒業。


2022年から石川紅奈とユニット「soraya」を結成。同年4月1stシングルをリリース。その後全楽曲の作曲、サウンドプロデュースを手掛ける。


2023年7月にはソロピアノでサン・セバスティアン国際ジャズフェスティバル(スペイン)に出演。 11月には銀座ヤマハホールにてピアノ・リサイタルを催行する。2022年より世界的ジャズピアニスト小曽根真が主宰する若手アーティスト育成プロジェクト、From Ozone till Dawnに参加。小曽根真とも共演を重ね、ジャンルを超えた多彩な才能で、次世代を担う逸材と注目を集めている。


グラミー賞にノミネートされたオルタナティヴ・ジャズのドラマー、プロデューサー、ラッパーのカッサ・オーバーオールが、デューク・エリントンのバラード「In a Sentimental Mood」をメランコリックに再構築した「2 Sentimental」をリリースした。今回はパーフェクトなシングルだ。


カッサは、COVID-19パンデミックのピーク時にマンハッタンのミッドタウンに住んでおり、経済的ストレスが高まっていた時期にこの歌詞を書いた。彼はタイムズ・スクエアのピザ屋の外に座り、近くのミュージシャンの組合に残留小切手を受け取りに行くのに失敗した後、終末的な絶望感を感じながら「2 Sentimental」を書き始めた。


アウトキャストの名曲「Git Up, Git Out」のやる気を起こさせるメッセージをもじった歌詞で始まる。彼らは "ギット・アップ、ギット・アウト、ギット・サムシング "と言う。もしお前が一文無しなら、彼らはお前を何もないように扱うだろう」



彼はさらに、批評家たちに絶賛されたアーティストでありながら、一文無しで(「町の名士がどうやって貧乏人のように暮らしているんだ」)、インターネットで金をせびらなければならないという逆説的な経験を反芻する。


「あるファンは、私が彼女の最も暗い時期を乗り越えさせたと言ってくれた。でも、私はインターネット上で "March of Dimes "のようなことを言っている。ヴェンモを叩いて、キックスターターを手伝ってくれ。新しいギアが必要なんだ、物々交換ができないかな?」


彼はこの言葉をデューク・エリントンの名曲「In a Sentimental Mood」に乗せ、長年の友人でありコラボレーターでもある名ピアニスト、サリヴァン・フォートナーが演奏した。ステファン・クランプがアコースティック・ベースを、イザベラ・ドゥ・グラフがボーカルを担当した。

このシングルのリリースは、『ANIMALS』を引っ提げた北米、ヨーロッパ、日本での70日を超えるワールドツアーの真っ最中である。オーバーオールは、ビッグ・イヤーズ、SXSW、ブルーノート・ニューヨークへの出演、ヒップホップのパイオニアであるダイガブル・プラネッツの中西部と西海岸でのオープニング・ライヴなど、2024年の米国ツアー日程を発表したばかりだ。

5月にリリースされたニューアルバム『ANIMALS』(レビュー)は、The Observer、Mojo、The New York Times、Stereogum、Pitchfork、Paste、Treble、Brooklyn Vegan、American Songwriter、NPR Musicなどから支持を得ている。また、タイニーデスクでは、「音楽性、叙情性、芸術的革新の名人芸 」と評された。








マンチェスターを拠点に活動するトランペッター、バンドリーダー、作曲家でもあるマシュー・ハルソールが、画期的なニューアルバム『An Ever Changing View』を発表した。このアルバムは、ハルソールの特徴であるジャズ、エレクトロニカ、グローバル・ジャズ、スピリチュアル・ジャズの影響をブレンドした、広大で完璧なコンセプトのプロジェクトである。


『An Ever Changing View』は、9月21日にロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで開催される画期的なライヴと英国およびEUツアーに先駆けて、9月8日にマンチェスターのゴンドワナ・レコード(ハルソールが15年前に設立したレーベル)からリリースされる。


UKのジャズ・ルネッサンスの立役者の一人と称されるハルソールは、自分自身を特定のサウンドやシーンの一部と見なすことはなく、独自の音世界を構築している。『An Ever Changing View』では、彼のサウンドとプロダクション・テクニックを再び拡張し、彼独自の深い瞑想的な音楽を創り上げ、これまでで最も実験的な作品に仕上がっている。


アルバム制作中、彼は息を呑むような海の景色を望む美しい建築家の家と、印象的なモダニズムの家の両方に滞在し、そこで「風景画のように」見える音楽の制作に取り組んだ。このような新しい環境で、ハルソールは「開放感と逃避感」をとらえ、またゼロから音楽作りに取り組みたいと考えた。「リセットボタンを押し、完全に自由な音楽を作りたかった。サウンドの真の探求だった」


また、アルバムのコンセプトについて彼は次のように補足している。


「音楽は私たちを高揚させ、鼓舞し、あるいはなだめ、保護することができる。それはスピリチュアルなジャズやアンビエント・ミュージック、あるいは海の音や木々の風の音にも感じられる。このアルバムのために作ったタペストリーの一部に、そのような性質を持たせたかった」

の一部に、そのような性質を

『An Ever Changing View』は、音楽と同じくらい印象的なアートワークが魅力だ。デザイナーズ・リパブリックのイアン・アンダーソンがデザインした手作りのフォントと、アーティストのサラ・ケリーが特別に依頼したタペストリーが、レコードのサウンドを調和的に引き立てている。



『An Ever Changing View』/Gondwana  Records



マシュー・ハルソールのレビューを行うのは、昨年のEP『The Temple With In』以来となる。

 

ハルソールは、マンチェスターの気鋭のトランペット奏者で、彼自身のリリースを手掛ける同地のGondwana Recordsのレーベルオーナーでもある。彼は、いついかなる時でも地元であるマンチェスターとの繋がりを重視してきた。


ハルソールの音楽活動の根幹は、同地のYESというスペースでの月例のライブ・セッションを定期的に開催することによって構築されてきた。


もちろん、そこで行われる生きたジャズのセッションでは、マンチェスターのミュージシャンを積極的に起用し、北イングランド文化、そして、英国のジャズの伝統性、スピリチュアル・ジャズの再興、WARP、Ninja Tune等のダンス/エレクトロ専門レーベルの音楽の吸収、と様々な形の要素を積み上げてきた。もちろん、彼自身が主宰する同地のGondwana Recordsでのハニア・ラニを中心とするオシャレなポスト・クラシカルからの影響も度外視することはできない。

 

The Guardianのレビューとして取り上げられたマシュー・ハルソールの九作目のアルバム『An Ever Changing View』は、スピリチュアル・ジャズ、エレクトロ、アフロ・ジャズ、モダン・クラシカル、アンビエントをクロスオーバーする作風である。エレクトロとジャズのスタイリッシュな融合という側面は、すでにドイツのECMのカタログでおなじみの作風であるが、ハルソールの最新作の魅力は、単なるECMサウンドの再興にとどまらない。トランペットの演奏の巧みさもさることながら、新しいジャズに取り組み、Nu Jazzの未来を切り開く可能性を秘めている。


アルバムでは、ハルソール自身のトランペットの演奏はもちろん、アフリカの民族楽器であるマリンバ、カリンバであったり、ウィンド・チャイム、オーケストラ・ベル、ローズ・ピアノと、無数のユニークな楽器が演奏の中に取り入れられている。そして、それは実際に、映画のような形で曲の印象性に深い影響を及ぼす。アルバム全体を聴いて感じたのは、海辺にまつわる優雅な映画を鑑賞したような不思議な感覚だった。また、モダニズム風の家で録音が行われたことも、全編のスタイリッシュなイメージを湧き起こすことに一役買っただろうと思われる。

 

「Tracing Nature」は、Gondwanaに所属するポーランドのピアニスト、ハニア・ラニのポスト・クラシカルに触発を受け、このアルバムの重要なテーマであるスピリチュアルの要素と結びついている。鳥の囀りのサンプリングとともに心安らぐようなピアノの自由な旋律が、空間を所狭しと駆け巡る。ドビュッシーのピアノ曲に見受けられる華麗なグリッサンドを駆使し、駆け上がりと掛け下がりを交互に繰り返しながら、色彩的な音の空間性を広げていこうとする。短いイントロダクションではあるが、自然味にあふれ、安らいだ気持ちになる。そして、この後に続くジャズの一連のストーリーの導入部として、緩やかに心地よい音楽が駆け抜けていくのである。しかし、このイントロダクションは、一連のジャズの旅のほんのはじまりにすぎない。

 

「Water Street」では、Steve Tibbettsが『Safe Journey』の「Any Minutes」で提示したカリンバ/マリンバ等のアフリカの民族打楽器を取り入れた作風を、スタイリッシュなニュー・ジャズとして昇華している。 イントロから続くカリンバ/マリンバ、おもちゃの鉄琴の合奏も涼し気な雰囲気を醸し出しているが、それらに複合的なパーカッションの要素がかけあわされることで情感溢れるエスニック・ジャズに移行してゆく。ただ、ここではジャズという手法にそれほどこだわらず、ポップスやソフト・ロックのような和らいだ音楽の側面が重視されているように思える。

 

途中に導入されるエレクトリック・ピアノ(ローズ・ピアノ: 当初、Kawaiが制作した)の自由な演奏を加えることで、ソウル風の雰囲気を及ぼす場合もある。そのあと、フルートの演奏が加わるが、これらの複数の楽器の自由な気風のセッションは、アフロ・ジャズや、その後の年代のスピリチュアル・ジャズの気風を反映している。しかし、この曲は、神秘主義的な音楽に傾倒しすぎることはない。中盤以降、ハープの演奏やトランペットの演奏が加わると、実に陽気でリズミカルなジャズに転じていく。ハルソールのトランペットの演奏は、マイルスとその後のポスト・マイルスであるEnrico Ravaに近い演奏法であるが、それほど特殊なトリルやブレスを取り入れることはない。シンプルな演奏を通じて、曲のムードを引き立てようとしている。

 

「Water Street」

 

 

タイトル曲「An Ever Changing View」では、透明感のあるピアノの演奏に、カリンバの独特なリズムを込めた演奏を加え、計算され尽くした緻密なミニマル音楽を構築している。その小さな楽節に、ハルソールのくつろいだトランペットの演奏が加わる。しかし、マシュー・ハルソールは、ソリストという立ち位置をつつも、曲の合間で押す部分と引く部分を取り入れながら、曲の展開に変化を及ぼそうとしている。ピアノの演奏は、ローズ・ピアノへと引き継がれていき、カリンバ、ポンゴのような打楽器を用いたパーカッションとのリズミカルなセッションを繰りひろげる。その後、ようやくハルソールのトランペットの演奏が始まる。彼の芳醇なトランペットの響きは、エキゾチズム性を引き立てるとともに、甘美的な瞬間に誘うこともある。

 

これは、マイルスがニュージャズの時代に実験した前衛的な領域をよりシンプルな形で繰り広げようというのである。その後のジャズ・ドラムとフルートの掛け合いには、アフロ・ジャズやスピリチュアル・ジャズの気風が力強く反映されている。時々、そのライブ・セッションの中に加わる、ハープのグリッサンドの軽やかなアレンジも、優雅でくつろいだ印象を及ぼしている。最終的に、この曲の演奏は、複数の楽器がバックバンドになったり、ソリストになったりしながら、曲の流れとともに、演奏者のポジションが面白いように移ろい変わっていく。タイトルの意味である「絶えず移ろいつづける景色」を体現したようなナンバーといえるだろう。

 

続く、「Calder Shapes」では、よりニューエイジ的な神秘主義的な領域へと近づき、 アフリカ大陸のロマンチシズムがチラつく。イントロのマリンバの響き、そして、それに溶け込むようにして演奏されるモード奏法の影響を取り入れたウッドベースは、サハラ砂漠の果てしない情景をジャズとして描写したかのようでもあり、その後につづくウィンド・チャイムもミステリアスな印象を高めている。これらの不可思議な印象は、透明感のあるカリンバの高音部の和音によって強調され、さらに、ジャズドラムのモーラー奏法を踏まえたリズミカルな三拍子のリズムによって、また、ハルソールのエンリコ・ラヴァのように覇気のある演奏により、曲の持つエネルギーが徐々に引き上げられる。特に、リムショットを意識したドラムがエレクトロニックのようなビートを生み出し、この曲の雰囲気を否応なしにスタイリッシュなものにしている。

 

特に、マリンバの演奏はミニマルミュージックに近い効果を及ぼすが、その背後の演奏に対して繰り広げられるハルソールのトランペットの全体的な演奏は、ミニマルの枠組みにとらわれることなく、自由な気風が反映されている。これらのくつろいだ感じと想像性の高さはマイルスの前衛的なジャズのように、鋭いメロディーとリズムを描きながら、刺激的な瞬間を巻き起こす。これらの流動的な曲の流れは彼がYESで取り組んできたセッションの成果が完成形に近づいた瞬間でもある。ハルソールのトランペットの特殊奏法は、曲の終盤において、半音の装飾音を巧みに取り入れ、刺激的な瞬間を迎える。しかし、跳ね上がるようなエキセントリックな響きをできるかぎり遠ざけて、マイルドな演奏を続けながら、この曲はゆっくりと閉じてゆく。 

 

「Mountains, Tree and Seas」

 

 

「Mountains, Tree and Seas」は、前の曲の気風を引き継いでいる。ウッドベースのリズムカルなピチカートの演奏がフィーチャーされている。カリンバのイントロで始まり、ドラム/パーカッションが安定感を与え、その上にローズ・ピアノのソウルフルな演奏が加わる。ここでも、カリンバの演奏のミニマルな構成に加え、自由な気風のトランペットの演奏が前面に押し出される。曲の途中からは、ローズ・ピアノのカデンツァが展開され、ソウルフルかつメロウな雰囲気を及ぼしている。エレクトリック・ピアノの演奏を受け継いで、トランペットとフルートのユニゾンがまろやかに混ざり合いながら、曲のメロウな雰囲気を引き立てるような感じで閉じていく。

 

ここまでをアルバムの前半部とすると、続く「Field Of Vision」からは、第二部の序章のようでもある。一曲目「Tracing Nature」と同様に、イントロダクション風のトラックで、同じように鳥の囀りのサンプリングをもとにして、ピアノの安らいだカデンツァのような演奏が取り入れられている。手法こそ、一曲目と同じではあるが、変奏を交え、異なる印象性をもたらそうとしている。アルバムの中での一休みをするためのオアシスのような安らぎのある間奏曲である。

 

「Jewels」では、マイルス・デイヴィスがもたらしたモード奏法を踏まえ、ピアノのリズムを強調したミニマルな演奏に、マリンバ/カリンバの合奏、さらに、その後、レガートを強調したハルソールの高らかなトランペットのフレーズが加わる。特に、一分半頃から、パーカッションが加わり、ビートやグルーブがさらに強調されて、ダンス・ミュージックのようなビートも加勢する。そして、プロダクションは、WARPに在籍するBonobo(サイモン・グリーン)が『The North Border』の「Cirrus」で示した、涼やかなエレクトロニック/テクノに近いものがある。

  

マシュー・ハルソールのトランペットの巧緻さについてはいわずもがな、その合間に古典的なコール・アンド・レスポンスの形で繰りひろげられるフルートの演奏も芳醇な響きを漂わせる。これらのジャズの深層の領域は、曲の中盤以降、さらに奥行きを増していき、ハープの掛け下がりのグリッサンド、ウォーター・パーカッション等の特殊な打楽器を取り入れることで、神秘的な音像空間へと導く。さらに当初は、モード奏法を意識していたピアノは、曲の最後になると、その枠組を離れ、自由性の高いカデンツァ/インプロヴァイゼーションを繰り広げる。

 

「Sunlight Reflection」は「Tracing Nature」、「Field Of Vision」に呼応する形の短い間奏曲である。オーケストラベル/チャイムの音色をイントロに取り入れ、神秘的なアンビエントへと移行している。 続いて、ドビュッシーの前奏曲に収録されている「La cathédrale engloutie‐ 沈める寺」を思わせる印象派の作風を示そうとしている。聞きようによっては、坂本龍一の親しみやすいクラシカルなピアノ曲を思わせる。これらの一分半に満たない間奏曲には、ハープのグリッサンド、オーケストラ・ベルの神秘的な響きが折りかさなを、優しげで、うるわしい音像空間を生み出す。


「Natural Movement」は、ミニマル・ミュージックの構造をアフリカ音楽を反映させたジャズとして昇華している。

 

ただ、この曲は、他の曲とは少し雰囲気が異なる。アフリカ音楽をエレクトロとジャズを掛け合せたニュー・ジャズとして解釈しようとしていることには相違ないが、ブラジルのサンバ、ラテン音楽のスケールを取り入れ、センス抜群の演奏を披露している。これらの異文化の混淆という奇妙なミステリアスな要素は、フルートの特殊奏法を踏まえ、生の楽器により鳥の声を生み出し、定かならぬイメージを落ち着かせる。フルートの鳥の声を擬した特殊奏法は、アマゾンのジャングルにいるカラフルな鳥たちが、自在に密林のさなかを飛び回る音像風景を思わせる。

 

このアルバムに参加した演奏家の存在感を重視した緻密なプロダクションは、クローズ「Triangles In The Sky」で、劇的なクライマックスを迎えるに至る。オーケストラベル/チャイムを活かし、和風の落ち着いたピアノのイントロに、フルートらしき演奏が続き、流れるようにスムーズな展開を呼び起こす。そして、この曲でも、これまでのマンチェスターでのライブ・セッションの経験を活かし、精彩味溢れるジャズに昇華させている。特に、ジャズ・ドラムのモーラー奏法は、この曲において最もアグレッシヴな瞬間を迎える。他の楽器のセッションに関しても、Ezra Collectiveの最新作のような力強いエネルギーを生み出しているのが素晴らしい。

 

 

92/100

 

 

Matthew Halsallの新作アルバム『An Ever Changing View」はGondwana  Recordsより発売中です。アルバムのご購入/ストリーミングはこちら から受付中です。 また、ロイヤル・アルバート・ホールの公演を含むツアー日程等については、アーティストの公式サイトをご覧下さい。

 


アイスランドと中国、両方のルーツを持ち、現在はLAを拠点に活動するシンガー・ソングライター、マルチ奏者のLaufey。今年、自身初のワールドツアーを敢行し、全世界で瞬く間にソールドアウト。6/5(月)に行われたブルーノート東京での初来日公演も2ステージとも5分で即完した。

 

さらに秋のワールドツアーも35公演瞬く間にソールドアウトするなど、全世界でレイヴェイ旋風を巻き起こす中、待望のニューシングル「Bewitched」を 本日、7/26 (水) にリリースします。およそ10時間後にアーティスト自身によるウォッチ・パーティーがストリーミングで公開される。こちらも楽曲の配信リンクと合わせて下記よりチェックしてみてください。

 

9/8 (金) にリリース予定の2ndアルバム『Bewithched』のタイトル曲となる本作は、ロンドンを拠点とするフィルハーモニア管弦楽団の伴奏をフィーチャーしている。

 

この楽曲について、レイヴェイは次のように説明している。「”Bewitched”はとびっきりのラブソングなの。フィルハーモニア管弦楽団には、初めて誰かを好きになった時の気持ちを表現してほしかったし、完璧な初デートの後に頭の中を駆け巡る想いを表現してほしかった」

 

今の時代を生きる24歳にしか伝えられない視点を持ちながら、ジャズやクラシックの巨匠にインスパイアされた、真に時代を超越した曲を書き、レコーディングし、演奏することで、過去と現在、歴史本とソーシャルメディア、レイキャビクのコンサートホール「Harpa」とLAの伝説のライブハウス「Troubadour」の隔たりを埋めようとしているレイヴェイ。「ジャズやクラシック音楽を、より親しみやすい方法で私のような若い世代に届けることがミュージシャンとしての私のゴール」と意気込んでいる。

 


「Bewitched」

 

 

 

 

Laufey 「Bewitched」 New Single

 


 

リリース日:2023年7月26日(水)

レーベル:ASTERI ENTERTAINMENT (アステリ・エンタテインメント)

 

楽曲のストリーミング/ダウンロード:

 

https://asteri.lnk.to/bewitched_sg



ジョシュア・カルペとしても知られるシンガー、ソングライター、マルチ・インストゥルメンタリスト、プロデューサーのCautious Clay(コーシャス・クレイ)が、8月18日に発売予定のブルーノート・デビュー作『KARPEH』から、刺激的なインストゥルメンタル・ジャズの新曲「Yesterday's Price」をリリースした。

 

クリーブランド出身のコーシャス・クレイは今年5月にブルーノートと契約を交わしたばかりのモダン・ジャズシーンの刮目すべき演奏者である。2017年以来、Cautious Clayは真心溢れるソングライティングと、ポップ、オルタナティブR&B、インディーロックの間を流動的にクロスオーバーする独自のサウンドでファンベースを構築してきた。現在は、ニューヨークを拠点とし、シンガーソングライター、マルチ・インストゥルメンタリスト、プロデューサーとして活躍している。

 

アルバムの3番目のテースター「Yesterday's Price」では、テナーサックスとフルートのカルペ、ベースのジョシュア・クランブリー、ドラムのショーン・リックマンに加えて、トランペッターのアンブローズ・アキンムジレとアルトサックス奏者のイマニュエル・ウィルキンスが激烈なセッションを披露している。「イエスタデイズ・プライス』はアルバムの中で最もヘヴィな曲である。自分の真実を語り、それを最も親密で生々しい形で表現することを歌っている。


先行リリースされたシングル「Ohio」、ギタリストのJulian Lage{ジュリアン・レイジ)をフィーチャーした「Another Half」を含む全15曲が記念すべきブルーノートデビュー作『KARPEH』に収録される。Cautious Clay(コーシャス・クレイ)は、ヴォーカル、フルート、テナー・サックス、ソプラノ・サックス、バス・クラリネット、ギター、シンセサイザー、ベースを担当している。


「Yesterday's Price」


8月18日、Cautious Clayはブルーノートからデビュー・アルバム『KARPEH』をリリースする。シンガー・ソングライター、マルチ・インストゥルメンタリスト、プロデューサーとして知られるジョシュア・カルペは、自身のジャズ・ルーツをこれまで以上に深く掘り下げることで、芸術性の新しい一面を明らかにしている。この発表に合わせて、「Ohio」に続く二作目のシングル「Another Half」が公開されている。

 

「Another Half」


マルチインスドゥルメンタリストとして複数の楽器を自由自在に操るCautiousだが、それは常に音楽の物語に奉仕するためである。「物語を語るための音楽でありたかった」と彼は説明する。「このアルバムを通して、私は自分の人生の旅を、家族の過去の人生経験の融合、現在の自分の探求、そして、それらの断片が未来にどのような影響を与えるか、ということと同一視している」


アルバムを3つのセクションでテーマ別に構成し、彼の親族が家族の歴史について語る音声を挿入した。最初のセクションを彼は "The Past Explained "と呼び、アルバムのリード・シングルである「Ohio」を含む、クリーブランドで育った彼の初期の体験に触れた曲を収録している。アルバムの真ん中のセクションは、Cautiousが "The Honeymoon of Exploration "と呼ばれている。


この5曲は彼のサイケデリック体験の一部を描いたもので、自己反省と他者とのより深い親密さの欲求を刺激している。最後の4曲は、コーシャスが "A Bitter & Sweet Solitude "と呼ぶ第3のテーマ・セクションを構成している。孤独の中で充実した時間を過ごすことで、自分自身や他者とのより良い関係を築くことができ、より深い親密さが生まれるというのが、コーシャスの主張である。

 

 アルバム全15曲の中で、ボーカル、フルート、テナー・サックス、ソプラノ・サックス、バス・クラリネット、ギター、シンセサイザー、ベースを聴くことができる。ゲスト参加も豪華だ。

 

ラージ、トランペッターのアンブローズ・アキンムジレ、サックス奏者のイマニュエル・ウィルキンス、ヴィブラフォン奏者のジョエル・ロス、キーボード奏者のジュリアス・ロドリゲス、ベーシストのジョシュア・クランブリー、ドラマーのショーン・リックマンなど、モダン・ジャズ界の重鎮を含む幅広い共演者を招いている。その他、叔父のベーシスト、カイ・エックハルト、高名なパキスタンのヴォーカリスト、アロージ・アフタブらがアルバムに参加している。

 

 

Cautious Clay  『KARPEH』 


Label :Blue Note

Release:2023/8/18


  1. 102 Years of Comedy (Intro)
  2. Fishtown
  3. Ohio
  4. Karpehs Don’t Flinch
  5. The Tide Is My Witness
  6. Take a Half (a Feeling We Chase)
  7. Another Half (with Julian Lage)
  8. Repeat Myself
  9. Glass Face (with Kai Eckhardt & Arooj Aftab)
  10. Walls & a Roof (Interlude)
  11. Unfinished House (with Julian Lage)
  12. Blue Lips (with Julian Lage)
  13. Tears of Fate
  14. Yesterday’s Price (with Immanuel Wilkins and Ambrose Akinmusire)
  15. Moments Stolen

16.Daring Is Caring 

Laufey ©Gemma Warren

 

Laufey(レイヴェイ)は、アイスランドと中国、両方のルーツを持ち、現在はLAを拠点に活動するシンガー・ソングライター、さらにマルチ奏者でもあり、ポピュラー・ミュージック、ジャズ、オーケストラを結びつけ、清新な音楽性で世界中の多くのファンを魅了しつづけています。今年、レイヴェイは、自身初となるワールド・ツアーを敢行。瞬く間にチケットがソールドアウトとなり、さらに、先日6/5(月)に行われたブルーノート東京での初来日公演も2ステージとも5分で即完。日本での注目度も上昇している気鋭のシンガーソングライターです。


レイヴェイは、セカンドアルバム『Bewitched』のリリースを発表しました。本作は『Everything I Know About Love』に続く作品。デビューアルバム新作は9月8日に発売されます。さらに、本日、新作アルバムの2ndシングル「Promise」が公開されました。詳細は下記よりご覧下さい。

 

ファースト・シングル「From The Start」に続く「Promise」は、アデルの「Someone Like You」や、ザ・チックス「Not Ready to Make Nice」の共同制作を手がけ、グラミー賞にノミネートされた経験をもつ米国のソングライター、プロデューサー "Dan Wilson" とレイヴェイにより制作された。レイヴェイの深みのある歌声が最大限に生かされたナンバー。ロマンティックで大掛かりなサウンドと絶妙にマッチしたバラードは、涙を誘うような切ない情感に溢れている。


デビュー作『Everything I Know About Love』(2022年)では、ビルボードのオルタナティブ・ニューアーティスト・アルバム・チャート1位、ヒットシングル「Valentine」もSpotifyジャズチャート1位、さらに、Spotifyで最もストリーミングされたジャズ・アーティストとなり、全プラットフォームで4億2500万回再生を記録した。ポテンシャルを存分に発揮し、一気に世界中のリスナーの注目を集めたレイヴェイ。次作アルバムでも多数のファンを魅了しそうだ。

 

 

 

『Everything I Know About Love』は絶望的なロマンチストなアーティストの私生活の一面を表現していたが、続くセカンドアルバム『Bewitched』は、デビューアルバムの延長線上にテーマが置かれつつも、より深い側面が表されている。恋に恋している瞬間を捉えたことには変わりないものの、ミュージシャンがより成熟した人間としての展望を持つようになったことを表している。

 

「友人や恋人、人生に対する愛であれ、これは愛のアルバムです」とレイヴェイは語った。


ファースト・アルバムは、幼い頃に住んでいた家を出て、新しい街に引っ越し、初めて大人になったというようなことを歌ってました。けれど、今回のアルバムではそのようなことを少しずつ経験した上で、若さゆえの愛の魔法について書いているんです。

 

デビュー作の発表から大きな間隔を経ずにリリースされる2ndアルバム『Bewitched』は、新曲「Promise」をはじめ、発表後、1時間で100万回の再生数を記録した「From The Start」など珠玉の14曲が収録される。

 

クラシックやスタンダードジャズからインスピレーションを得て、オリジナルの音楽スタイルにますます磨きをかけるレイヴェイ。二作目のアルバムには、ソングライターとしての深化の瞬間が現れるはずだ。アイスランドから世界に羽ばたこうとするレイヴェイから今後も目が離すことが出来ない。

 

 

Laufey 「Promise」 New Single



 

Label: Asteri Entertainment

Release: 2023/6/14

 

Tracklist:

 

1. Promise


楽曲のストリーミング:

 

https://asteri.lnk.to/promise 

 

 

 

Label: Warp Records

Release: 2023/5/26


Review 


私たちは自分たちを人間と呼んでいますよね。でも、私たちは、お互いに動物的なことをする。人間らしさを奪うことで、不道徳を正当化する。彼らは動物だから、そのように扱うことができるんだ。この曲の中に出てくるさまざまな種類の小さな疑問は、すべて人間性に関する疑問を指しています。それとも、私はサーカスの動物なのだろうか? これらの問いは、私が人種について考える方法と交差しています。

 

ーーKassa Overall

 


カッサ・オーバーオールは、スコットランドのヤング・ファーザーズと同様、上記のようなレイシズム(人種差別)に対する問題を提起する。日本ではそれほど知名度が高くないアーティストの正体は依然として不明な点も多いが、ワープ・レコードの紹介を見る限り、基本的には、カッサ・オーバーオールはラップのリリシストとしての表情に合わせてジャズ・ドラム奏者としての性質を併せ持っているようだ。

 

それは例えば、同レーベルに所属するYves Tumorと同様、ブレイクビーツの要素を備えるソウル/ラップの音楽性に加えて、古典的なジャズの影響がこのアルバムに色濃く反映されていることがわかると思う。そして、それはモダンジャズに留まらず、タイトル曲「It's Animals」ではニューオリンズのオールドなラグタイムブルースという形で断片的に現れている。全般的には、ジャズの側面から解釈したヒップホップというのが今作の本質を語る上で欠かせない点となるかもしれない。そして、表向きには、前のめりなリリシストとしての姿が垣間見えるけれど、その背後にピアノのフレージングを交え、繊細な感覚を表そうとしているのもよく理解できる。ときおり導入される豚の鳴き声は、「動物」として見做される当事者としての悲しみが含まれており、それはとりもなおさず制作者のレイシズムに対する密かな反駁であるとも解釈できる。しかし、それは必ずしも攻撃的な内容ではなく、内省的なアンチテーゼの範疇に留められている。つまりオーバーオールは問題を提起した上で、それを疑問という形に留めているのだと思う。つまり、そのことに関して口悪く意見したり、強い反駁を唱えるわけではないのだ。

 

その他にも、暗喩的にそれらのレイシストに対するアンチテーゼが取り入れられている。アルバムのオープニングを飾る「Anxious Anthony」は、ゲーム音楽の「悪魔ドラキュラ城」のテーマ曲を彷彿とさせ、ユニークでチープさがあって親しみやすいが、これもまたアートワークと平行して、人間ではない存在としてみなされることへほのかな悲しみが込められているようにおもえる。

 

「Ready To Ball」以降のトラックは、カッサ・オーバーオールのジャズへの深い理解とパーカッションへの親近感を表すラップソングが続いてゆく。リリックは迫力味があるが、比較的落ち着いており、その中に導入される民族音楽のパーカッションも甘美的なムードに包まれており、これが聞き手の心を捉えるはずだ。しかし、オーバーオールはオートチューンを掛けたボーカルをコーラスとして配置することにより、生真面目なサウンドを極力避け、自身の作風を親しみやすいポピュラーミュージックの範疇に留めている。オーバーオールは、音楽を単なる政治的なプロバガンダとして捉えることなく、ジャズのように、ゆったりと多くの人々に楽しんでもらいたい、またあるいは、その上で様々な問題について、聞き手が自分の領域に持ち帰った後にじっくりと考えてもらいたいと考えているのかもしれない。その中に時々感じ取ることが出来る悲哀や哀愁のような感覚は、不思議な余韻となり、心の奥深くに刻みこまれる場合もある。

 

リリックの中には、世間に対する冷やかしや、ふてぶてしさもしたたかに込められており、「Clock Ticking」では、トラップの要素とブレイクの要素を交え、サブベースの強いラップソングを披露している。この曲は、旧来のワープレコードの系譜を受け継ぐトラックとして楽しむことが出来る。その後、カッサ・オーバーオールの真骨頂は、幽玄なサックスの演奏を取り入れ、-とダブとエレクトロニックを画期的に混合させた「Still Ain't Find Me」で到来する。トラックの終盤にかけて、アヴァン・ジャズに近い展開を織り交ぜつつ、ブレイクビーツの意義を一新し、その最後にはノスタルジックなラグタイム・ジャズのピアノを混淆させた前衛的な領域を開拓してみせている。まさに、Yves Tumorがデビュー・アルバムで試みたようなブレイクビーツの新しい形式をジャズの側面から捉えた画期的なトラックとして注目しておきたい。

 

このアルバムの魅力は前衛的な形式のみにとどまらない。その後、比較的親しみやすいポピュラー寄りのラップをNick Hakimがゲスト参加した「Make My Way Back Home」で披露している。Bad Bunnyのプエルトリコ・ラップにも近いリラックスした雰囲気があるが、オーバーオールのリリックは情感たっぷりで、ほのかな哀しみすら感じさせるが、聴いていて穏やかな気分に浸れる。


「The Lava Is Calm」も、カリブや地中海地域の音楽性を配し、古い時代のフィルム・ノワールのような通らしさを示している。ドラムンベースの要素を織り交ぜたベースラインの迫力が際立つトラックではあるが、カッサ・オーバーオールはラテン語のリリックを織り交ぜ、中南米のポピュラー音楽の雰囲気を表現しようとしている。これらの雑多な音楽に、オーバーオールは突然、古いモノクロ映画の音楽を恣意的に取り入れながら、時代性を撹乱させようと試みているように思える。そしてそれはたしかに、奇異な時間の中に聞き手を没入させるような魅惑にあふれている。もしかすると、20世紀のキューバの雰囲気を聡く感じ取るリスナーもいるかもしれない。

 

「No It Ain't」に続く三曲も基本的にはジャズの影響を織り交ぜたトラックとなっているが、やはり、旧来のニューオリンズのラグタイム・ジャズに近いノスタルジアが散りばめられている。そのうえで、クロスオーバーやハイブリッドとしての雑多性は強まり、「So Happy」ではアルゼンチン・タンゴのリズムと曲調を取り入れ、原初的な「踊りのための音楽」を提示している。このトラックに至ると、ややもすると単なる趣味趣向なのではなく、アーティストのルーツが南米にあるのではないかとも推察出来るようになる。それは音楽上の一つの形式に留まらず、人間としての原点がこれらの曲に反映されているように思えるからだ。 


最初にも説明したように、タイトル曲、及び「Maybe We Can Stay」は連曲となっており、ラグタイム・ジャズの影響を反映させて、それを現代的なラップソングとしてどのように構築していくのか模索しているような気配もある。アルバムの最後に収録される「Going Up」では、ダブステップやベースラインの影響を交え、チルアウトに近い作風として昇華している。ただ、このアルバムは全体的に見ると、アーティストとしての才覚には期待できるものがあるにもかかわらず、着想自体が散漫で、構想が破綻しているため、理想的な音楽とは言いがたいものがある。同情的に見ると、スケジュールが忙しいため、こういった乱雑な作風となってしまったのではないだろうか。アーティストには、今後、落ち着いた制作環境が必要となるかも知れない。



74/100

 

Featured Track 「Going Up」 
 

 

 

米国のシンガーソングライター、Meshell Ndegeocello(シェル・リン・ジョンソン)は、Jeff ParkerのブルージーなギターラインとJustin Hicksのボーカルをフィーチャーした、Sly Stoneに影響を受けた新曲「Clear Water」を、Ndegeocelloのバンドがスタジオで演奏する魅力あるライブ映像とともにリリースしました。ライブ映像は下記よりご覧いただけます。

 

「Clear Water」は、マルチ・インストゥルメンタリスト、シンガー、ソングライター、プロデューサーであるミシェル・ンデゲオチェロのブルーノート・デビュー作「The Omnichord Real Book」を飾る最新シングルで、彼女の音楽のルーツを幅広く取り入れた先見性のあるアルバムとして6月16日に発売されます。このアルバムには、ジェイソン・モラン、アンブローズ・アキンムジール、ブランディー・ヤンガー、ジュリアス・ロドリゲス、マーク・ギリアナ、コーリー・ヘンリー、ジョーンアズポリスウーマンなどのゲストアーティストが参加しています。


「このアルバムは、古いものを新しい方法で見る方法についてです」とミシェル・ンデゲオチェロは、『オムニコード・リアルブック』についてこう語っている。「両親が亡くなったとき、すべてが急速に動いた。両親の死後、すべてが急速に変化し、自分自身に対する見方が瞬く間に変わりました。両親の遺品を整理しているうちに、父がくれた最初のリアルブックを見つけたんだ。そして私は彼らの記録を手に入れた。私が聞き、学び、覚えて育ったものだ。そして、人生というものを体験した私は、想像の世界に入り込み、音楽を聴くことを求められるのです」


 

 

ニューアルバムをサポートするために、ミシェル・ンデゲオチェロは、6月21日にニューヨークのブルーノート・ジャズ・フェスティバル、7月29日にナパ・バレーでの公演を含む今後のツアー日程も発表し、ミネアポリス、ミルウォーキー、シカゴ、ワシントンDC、フィラデルフィア、イギリスのウィズボーンで行われるWe Out Here Festivalでのコンサートも予定しています。

 


Blue Noteは新たにブルックリンを拠点にするマルチ奏者・SSWのCautious Clay(コーシャス・クレイ)と契約したことを発表し、今年後半にリリース予定のレーベル・デビューのリード・シングル「Ohio」も同時に公開しています。

 

2017年以来、Cautious Clayは心のこもったソングライティングと、ポップ、オルタナティブR&B、インディーロックの間を流動的に行き来する独自のサウンドで、着実に熱心なファンベースを築いてきました。次の動きとして、クリーブランド出身でニューヨークを拠点とするシンガー、ソングライター、マルチ・インストゥルメンタリスト、プロデューサーとして知られる。

 

「Ohio」は、Cautiousがクリーブランドで育ったころの体験に触れています。この曲は、1970年代のアイズレー・ブラザーズを彷彿とさせるファットなベースラインに合わせて闊歩し、カウシャスのエモーショナルなテナーボイスが、広大なハートランドで自分の選択肢を探る若きジョシュアの姿を描いた歌詞とともに夢のようなサウンドスケープを浮遊しています。

 

 

「Ohio」

 


幼い頃、ジョシュアの両親は、家の中でクラシックなR&Bやジャズを演奏していた。7歳のとき、彼はフルートを習うことを決意した。師匠のグレッグ・パティロは、後にYouTubeの「Beatbox Flute」シリーズで一躍有名になった人物で、クリエイティブで現代的な楽器へのアプローチ方法を彼に伝授した。コーシャスは高校ではサックスを始め、学校のジャズバンドや、街のジャズグループ、ロックバンドで演奏。大学進学のため、ワシントンDCに移り、ジョージ・ワシントン大学で国際問題を専攻し、ジャズを副専攻した。また自分でトラックを書き、プロデュースし、SoundcloudでCautious Clayとして自分の音楽的アイデンティティを磨いた。

 

Joshua Redman

過去30年間に登場したジャズアーティストの中で最も高い評価とカリスマ性を持つサックス奏者、Joshua Redman(ジョシュア・レッドマン)が、ブルーノート・レコードと契約しました。

 

レッドマンは今秋、ブルーノートのデビュー作『where are we』をリリースする予定で、アルバム発売後は米国とヨーロッパで同プロジェクトのツアーを行う予定です。詳細は公式サイトよりご確認下さい。Blue Noteとの契約についてアーティストは以下のようにコメントを発表しています。


「ブルーノート・ファミリーに参加できることをとても光栄に思い、ただただ感激しています。ブルーノートのアルバムは、自分が持っていることに気づくずっと前から、私の音楽的(そして精神的)生活にとって不可欠なものでした」

 

「ブルーノートのアルバムは、自分が持っていることに気づくずっと前から、私の音楽的(そして精神的)な人生の重要な部分を占めています・私は、史上最高のレーベルの1つと共に、私のレコーディングの旅におけるこの新しい段階に乗り出すことを、感謝と喜びの両方を持って楽しみにしています」