daisuke tanabe 2027年春夏コレクション「blank slate」を発表  John Locke による「白い紙」としての心の比喩、Steven Pinker の著書『The Blank Slate』から着想


この度、daisuke tanabe(ダイスケ タナベ)は、6作目となる2027年春夏コレクション season 05 “blank slate”を発表いたしました。


season 00 から数えて6シーズン目となる本コレクションは、「白紙」という言葉を、無垢な始まりや単純なリセットとしてではなく、すでにある記憶や痕跡を前提に、別の表面を立ち上げるためのものとして捉えています。


タイトルは、John Locke による「白い紙」としての心の比喩、そして Steven Pinker の著書『The Blank Slate』から着想を得ています。白は、何もない状態を示す色ではなく、そこに残るものを見つめ直すための面として扱われています。



“Let us then suppose the mind to be … white paper, void of all characters, without any ideas.”

— John Locke


“Blank slates don’t do anything.”

— Steven Pinker


最初は、すべてを白紙に戻してしまいたいと思っていました。あるいは、平和の象徴として、白を際立たせるコレクションを作ろうとしていました。しかし、制作を進めるうちに、その考えは少しずつ変わっていきました。人間は本質的に白い紙ではあり得ない。何かを完全に消して、まっさらな状態に戻ることはできない。このコレクションは、その違和感と小さな反抗心から生まれました。






Photographed by Taro Mizutani


今季の素材には、対になる二つの色で構成されながら、同じ色や構造を内側に持つものが多く用いられています。

イタリア・トスカーナで仕上げたゴートスエードは、ベージュに芯通しした後、表面を黒と白の顔料でそれぞれ丘染めしています。エッジやステッチ周辺には内側のベージュが浮かび上がり、異なる表面の奥に共通する色を残します。


京都・丹後で織り上げたダブルフェイス生地は、同じ絹糸の経糸を共有し、緯糸の違いによって明暗の異なる二つの表情を生み出しています。

また、紋紗織、絹紬糸を用いたニットウェア、ベビーカーフレザー、ソフトラムスエードなど、複数の素材を通して、表面と内側、近さと違いの関係を探っています。


カフェレーサージャケット、キルティングベスト、ショルダーバッグ、シューズ、ベルトバックル、トートバッグ、シルクスカーフなど、ワークウェアやユニフォームの機能的な要素をもとにしながら、白、オフホワイト、グレー、チャコール、ペールブルーの静かな色調で再構成しています。


season 05 “blank slate” では、「白紙」という言葉を通して、現代にある不確かさや違和感を、直接的なメッセージではなく、素材・色・構造へと置き換えています。本コレクションは、daisuke tanabe にとっての同時代性を、服の表面、内側、そして身体との関係の中で探る試みです。

今シーズンは、自分の心に生まれる考えや感情を見つめ直し、それを表現に置き換えることで、今世の中で起きていることを理解しようと試みました。


ブランドは、season 00 から数えて、このコレクションで6シーズン目を迎えます。これまで私に協力し、支えてくださったすべての方に感謝いたします。— 田邉大祐

 

about daisuke tanabe

2024年に設立されたウィメンズ・メンズウェアブランド。

映画や小説、写真を元に創作したフィクションをベースに、世界各地の伝統的な職人技術と、前衛的なテクノロジーをミックスしたコレクションを展開する。実験的なクリエイションはファッションという概念の軽やかさと、ものづくりの厳かさの両面性を表現し、ハイエンドな素材と独創的なパターンを織り交ぜて体現する。


about designer

田邉大祐(Daisuke Tanabe)

2021年に京都大学経済学部を卒業後、株式会社細尾に入社。

2023年に独立し、ファッションブランド「daisuke tanabe」を立ち上げる。

2024年2月にファーストコレクションを発表し、国内外での展開を始める。

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