【LUSH】の三作のスタジオ・アルバムがリマスター盤で登場 4ADより8月11日に発売

 



4ADは、イギリスの幻のシューゲイザー/ドリームポップバンド、Lushの3作のスタジオ・アルバム『Spooky』、『Split』、『Lovelife』を8月11日に再発する。

 

バンドのフロントパーソン/ヴォーカリスト、ミキ・ベレーニは、ハンガリーと日本人のハーフ。彼女はバンドを結成する以前、ロンドンの大学で英文学を専攻していた。バンドはRIDEとともにUKのオルトロックシーンの一角として90年代に活躍した。バンドはこの数年間で、『Gale』(90年)、『Spooky』(92年)、『Spilit』{94年)、『Lovelife』{96年)、『Topolino』{96年)の4作のアルバムを発表した。96年、メンバーのクリスが自殺をし、翌年、Lushは解散することになった。その後、ミキ・ベレーニは元ウィーザーのマット・シャープのレンタルズの作品に参加している。バンドは2015年に再結成し最終ライブを行った。

 

2023年現在の4ADの幅広いレーベルのラインナップからは想像できないが、当初このレーベルには、Cocteau Twins、Pale Saints、LUSHを含め、秀逸なドリーム・ポップ/シューゲイズバンドが活躍し、インディーズシーンを牽引した。無論、オルタナティヴロックバンドとしては米国/ニューポートのThrowing Musesもレーベルの歴史を作った最重要バンドの一つに挙げられる。

 

90年代以来、入手不可能だったLUSHの再プレス盤は、レーベルのドリーム・ポップ/シューゲイズの音楽性に再度脚光を当てる内容と言っても差し支えないだろう。エンジニア兼プロデューサーのケヴィン・ヴァンバーゲンのオリジナル・テープからリマスターされて発売が決定した。

 

『Spooky』と『Split』はオリジナル・アートワークをそのままに、『Lovelife』は2016年のボックスセットのアートを使用し、1996年のオリジナル・プレス専用の印象的な集合トレーシング・ペーパー・スリーブをそのまま残して発売される。

 


「Hypocrite」

 

 


Spooky


 



 

A1. Stray


A2. Nothing Natural


A3. Tiny Smiles


A4. Covert


A5. Ocean


A6. For Love


B1. Superblast!


B2. Untogether


B3. Fantasy


B4. Take


B5. Laura


B6. Monochrome

 


『Split
』

 



 

A1. Light From A Dead Star


A2. Kiss Chase


A3. Blackout


A4. Hypocrite


A5. Lovelife


A6. Desire Lines


A7. The Invisible Man
B1. Undertow


B2. Never-Never


B3. Lit Up
B4. Starlust


B5. When I Die



『Lovelife
』



 

A1. Ladykillers


A2. Heavenly Nobodies


A3. 500
A4. I’ve Been Here Before


A5. Papasan


A6. Single Girl


A7. Ciao!


B1. Tralala


B2. Last Night


B3. Runaway


B4. The Childcatcher


B5. Olympia






Lush  Biography(Wikipediaより)
 
 
 イングランドのクイーンズカレッジで、14歳だったハンガリー人と日本人のハーフであるミキ・ベレーニと、エマ・アンダーソンが知り合う。
 

1988年にロンドンのPolytechnic Universityで英文学を勉強していたミキは、そこでクリス・アクランドとスティーヴ・リッポン、メリエル・バーハムと知り合い、エマと一緒に「The Baby Machines」というバンドを結成する。



 

エマの友人であるケヴィン・ピカリング (Kevin Pickering)がバンドを「ラッシュ (Lush)」と命名する。1988年の3月に最初のライブを行い、プレスから好意的な評価を受けた。しかし、当時ボーカルだったメリエルが脱退してペイル・セインツに加入したため、代わりにミキがボーカルを取ることになる。
 

1989年に4ADと契約して、ジョン・フライアー (John Fryer)のプロデュースで6曲入りミニアルバム『Scar』をリリースする。翌1990年、コクトー・ツインズのロビン・ガスリーによるプロデュースでシングル「Mad Love」をリリースし、続けてティム・フリーズ・グリーンのプロデュースで「Sweetness and Light」をリリースする。また、これまでの3つのリリースの曲をまとめた編集盤『ガラ』がアメリカでリリースされる。このタイトルは、画家のサルバドール・ダリの妻ガラ・エリュアールの名前から取っている。 
 

1991年にはライドと共にアメリカ・ツアーを行う。同年末にスティーヴが小説を書くことに専念するために脱退し、代わりに元『NME』誌の記者であるフィル・キングが加入する。1992年、ロビン・ガスリーのプロデュースでファースト・アルバム『スプーキー』をリリースし、全英アルバムチャートで7位に入るヒットとなる。
 

1994年、マイク・ヘッジ (Mike Hedges)のプロデュースとアラン・モウルダーのミックスによるセカンド・アルバム『スプリット』をリリース。また、同時に『Hypocrite』と『Desire Lines』の2枚のEPをリリースする。
 

1996年、最後のアルバムとなる『ラヴライフ』をリリースする。シューゲイザー的なサウンドは薄れ、パルプのフロントマンであるジャーヴィス・コッカーが参加するなど、当時流行していたブリットポップの影響を受けた作風に変化し、全英アルバムチャートで8位に入っている。



同年10月、クリスが実家で首を吊って自殺。残されたメンバーは長い間悲嘆に暮れ、翌1997年2月に解散(公式に解散が宣言されたのは翌年2月)

 


解散後、ミキは、レンタルズのアルバム『セヴン・モア・ミニッツ』や、コクトー・ツインズのサポートメンバーだったタテ・ミツヲのソロユニットFlat7の『Lost in Blue』にゲストとして参加している。エマは、リサ・オニール (Lisa O'Neil)とSing-Singを結成する。フィルは、ジーザス&メリーチェインに参加している。
 

2015年、20年ぶりに再結成を発表。翌年5月6日にロンドンのラウンドハウスにて、再結成後初ライブを行った。ドラマーには元エラスティカのジャスティン・ウェルチが参加した。10月18日にベースのフィル・キングが抜け、モダン・イングリッシュのマイケル・コンロイのベース演奏による最終ライブを11月25日にマンチェスター・アカデミーで行った。