コネチカット州の4人組オルトロックバンド、OVLOV(オヴロヴ)は、シカゴのラジオ局、Audiotree Liveに出演した。彼らは最新作『BUDS』の収録曲をメインにスタジオでプレイしている。特にセットリストの2曲目のオルタナティヴロックの隠れた名曲「Land of Steve-O」の演奏に注目すべし。
彼らの幅広いディスコグラフィーの中から曲を演奏するOvlovのAudiotree Live Sessionは、彼らの成長と野心の証であり、友情とファズペダルの祭典でもある。Audiotreeのホスト、Psalm Oneとのインタビューの中で、バンドは2023年の反省、任天堂への見解、コネチカット州ニュータウンで音楽をプレイして育った経験について話している。
このライブ音源はAudio Tree Liveとしてリリースされました。ストリーミングなどはこちらから。
この緊迫したフューチャリズムは、ダンのCircular Ruinスタジオに滞在していたベックナーの影響によるもので、薄暗いエレクトロニックなオーラが全トラックに歌い込まれている...。彼はよく、寝袋にポップ潜り込んで、シンセ・ラックの下で眠りにつき、小さな天窓からブルックリンの灯りを見上げ、隣でOneohtrix Point Neverの最新作をレコーディングしているダニエル・ロパティンのかすかな音が壁を通して聞こえてくる。
そして、低音域の「Holy is the Night」でレコードがフェードアウトすると、変異したスカイラインは消え去り、"疫病の後 "の青空に変わる。もはやSF大作ではなく、『Boeckner!』はジョン・カセベテス映画の焼け焦げたVHSコピーのような、ケムトレイルと核の放射性降下物が遠くに消えていくようなものへと変化していく。「朝日が昇るまでに、どれだけの痛みを与えられるだろう、ベイビー/聖なる夜は、平和を手に入れられるだろう」と彼はため息をつく。
この世界は、君と僕が一緒にいることで、どれだけの血を流せるだろう? すべての優れたSFがそうであるように、感情や痛みは作者にとってもリスナーにとっても同様に心に響くものであり、ジャンルは人間的な経験を補強するためにそこで花開く。そして、これまで以上に多くのことを明らかにすることで、ボックナーは音楽的な激しさを予想外のレベルまで高めると同時に、旅の終わりに安らぎを見出したいと願っている。-SUB POP
ダニエル・ベックナーの音楽は、少なくともそれらの常識から開放させてくれる力がある。そして推進力もある。もちろん、独立心もある。「Ghost In The Mirror」は、ドン・ヘンリー、アダムス、スプリングスティーンのようなアメリカンロックとソフト・ロックの中間にある音楽性を爽やかな雰囲気で包み込んだナンバー。80年代のUSロックの色合いを残しつつ、スペーシーなシンセサイザー、パーカッション効果により、スタンダードなロックソングへと昇華している。サビでのアンセミックなフレーズは、ベックナーのソングライティングがスタンダードなものであることを示している。そして鏡の中にいる幽霊を軽やかに笑い飛ばし、それを跡形なく消し去るのだ。「Wrong」はThe Policeの系譜にあるニューウェイブをベースにし、そこにグリッターロックやニューロマンティックの艶気を加えている。ダン・ベックナーのボーカルはやはりスペーシーなシンセに引き立てられるようにして、軽やかに宙を舞い始める。
「Return To Life」はアナログなシンセ・ポップで、Talking Headsのデイヴィッド・バーンに象徴されるようなニューウェイブの気風が漂う。クラフトワーク風のデュッセルドルフのテクノ、それらをシンプルなロックソング、2000年代以前のマニアックなホラー映画のBGMと結びつける。これらはMisfits、WhitezombieといったB級のホラー映画に触発されたパンクやミクスチャーバンドの音楽をポップスの切り口で再解釈している。そしてダン・ベックナーのボーカル、チープなシンセの組み合わせは、アーティストによる米国のサブカルチャーへの最大の讃歌であり、また、ここにも、ナード、ルーザー、日陰者に対する密かな讃歌の意味が見いだせる。そして、それは90年代のレディオ・ヘッドのデビュー・アルバムの「Creep」の時代、あるいは2ndアルバムの「Black Star」の時代の奇妙な癒やしの情感に富んでいる。栄光を目指したり、スタンダードを目指すのではなく、それとは異なる道が存在すること、これらは数えきれないバンドやアーティストが実例を示してきた。ベックナーもその系譜にあり、ヒロイズム、マッチョイズム、もしくは善悪の二元論という誤謬から人々を守るのである。
その目でよく見てみるが良い、ヨーロッパの農民の蜂起、アフリカの大陸、世界のいたるところで、主流派から多くの人が踵を返し始めている。「Euphoria」は、株式の用語で過剰なバブルのことを意味するが、ベックナーは古いのか新しいかよくわからないようなアブストラクトなポップで煙幕を張り、目をくらます。ベックナーは、親しみやすい曲を書くことに関して何の躊躇も迷いもない。「ダサい」という言葉、もしくは「敗北」という言葉を彼は恐れないがゆえ、真っ向から剣を取り、真っ向からポピュラーソングを書く。誰よりも親しみやすいものを。クローズの「Holy Is The Night」は驚くほど華麗なポップソング。誰もが書きたがらないものをベックナーは人知れず書き、それを人知れずレコーディングしていた。そう、Oneohtrix Pointnever(ダニエル・ロパティン)が録音を行っているすぐとなりのスタジオで。
ダダリオ兄妹によるザ・レモン・ツイッグス(The Lemon Twigs)が、近日発売予定のアルバム『A Dream Is All We Know』の最新シングル「A Dream Is All I Know」を公開した。今回は少し趣向が変わり、レトロなシンセの演奏を元にサイケ風の性質を付け加えたビンテージロックソングだ。
「デュオのブライアン・ダダリオは声明でこう説明している。「この曲は、台所で強い非現実感を感じていた時に書いたものなんだ。残念ながら、"Unreality In My Kitchen "にはあまりピンとこなかったので、"A Dream Is All I Know "というタイトルにせざるを得なかったんだ」
The Lemon Twigsによる『A Dream Is All We Know』は5月3日にCaptured Tracksからリリースされる。
「A Dream Is All I Know」
今年初め、トロントのインディーロックバンド、Tokyo Police Clubは、2024年がバンドとしての最後の年になると明かした。今日、彼らはプロデューサーのジェシー・ターンブルとレコーディングした最後の2曲「Just a Scratch」と「Catch Me If You Can」を公開した。また、お別れ北米ツアーも発表された。新曲のストリーミングはこちらから。ツアースケジュールはこちら。
「グラハムがインストゥルメンタルのループやブリップ、曲の断片が詰まったドライブ・フォルダを送ってくれて、宝箱のようにそれを掘り起こしたのを覚えている。ProToolsにドラッグして、いろいろな方法で移動させるのは、以前『La Ferrassie』や『Feel the Effect』でいじくりまわした楽しい作業だった。だから、"Catch Me If You Can "ではドラムが何度も脱落しているんだ。あれはグラハムが送ってきたループの一部だったんだけど、僕らが自然に思いつかないような方法でアレンジに加わっているのが気に入っているよ」
マネキン・プッシーのエモの性質は続く「Sometimes」に見いだせる。フランスのエモコアバンド、Sportの代表曲「Reggie Lewis」を思わせるエバーグリーンな感じのイントロに続いて、オルトロック的な疾走感のあるサウンドに移る。このあたりは、日本のナンバーガールや、Mass of The Fermenting Dregsに似ているが、マネキン・プッシーの場合はよりヘヴィなロックへと移行していく。
「"Stay”は一気にガーっと出てきた曲なんだ。ウッドストックのヤードセールで買った12弦アコースティックから取り出した。そのコードを弾くのを何年も待っていたような感じだ。当時、私はKinksのレコード『Lola Versus Powerman』のアコースティックギターとドラムの音に夢中になってたよ」
ニューヨークのバンドBeen Stellarが、デビューアルバム『Scream From New York』を6月14日にDirty Hitからリリース。このアルバムは2022年のデビューEPに続くもので、プロデューサーにダン・キャリー(black midi、Black Country New Road、Wet Leg)を迎えて制作された。
Bnnyはジェシカ・ヴィスキウスを中心にするバンドで、双子の姉妹、アレクサ・ヴィスキウスをメンバーに擁する、シカゴの魅力的なインディーロック・アウトフィットだ。同レーベルから、今年はじめに、PACKSの「Melt The Honey」がリリースされたが、それに続いて楽しみなアルバムである。
Bnnyの前作のデビュー・アルバムは、Pitchforkにもレビューで取り上げられた。このアルバムは、ヴィスキウスのパートナーでバンドメイトでもあった愛する人をオーバードーズにより失ったことに対する喪失感がテーマに縁取られていた。それに続くアルバム『One Million Love Songs』もその延長線上にあり、ラブソングを中心として構成され、ラフなインディーロックの形で紡がれる。ジェシカ・ヴィスキウスは音楽制作や歌詞を介し、愛とは何であるのかを探求する。
リアル・エステイトは、ブルース・スプリングスティーン、アダムス以降のアメリカン・ロックの流れを汲み、米国のロックミュージックの良さや伝統性を再発見しようと試みる。2009年当時は、ニューヨーク近辺のリバイバル・ロックの運動と並び、バンドはビーチ・フォッシルズに近いサウンドに取り組んでいた。その後、登場したニュージャージーのパイングローヴとの共通点も見い出せる。ギターのディレイ、フェイザー等を使用した手の込んだ音作り、マーティン・コートニーの爽やかなボーカルが特徴となっている。バンドは2011年の『Days』で成功を手にしたが、それ以降も「Taking Backwards」等、良質なロックソングを数多く発表してきた。2020年の『The Main Thing』の後、マーティン・コートニーは、ニュージャージでの幼少期の思い出をテーマにした『Magic Sign』を発表した。このアルバムも良作に挙げられる。
続く「Say No More」では、70年代のサイケデリックロックをベースにして、疾走感のあるロックサウンドを展開させる。旋律の進行の中には、ルー・リードの「Sweet Jane」のように夢想的な感覚が漂い、バンドの爽快なサウンドを背後から支えている。バンドが「Taking Backwards」をはじめとする代表曲で取組んできた音楽性の延長線上にあるナンバーと言えるだろう。
これらは夏の終わりの風が通り抜けていくかのような清々しさと爽やかさに充ちあふれている。クローズ曲の「You Are Here」では、オアシスのリアム・ギャラガーが好むような、90年代のブリット・ポップのアプローチが示される。それはやはり、ビートルズのバロック・ポップの息吹を吸収している。アルバムの11曲は、彼らがどのような音楽的なバックグラウンドを持つのかを物語るかのようである。米国のバンドでありながら、本作の最後にブリット・ポップ調のロックソングを収録したことは、ロンドンのレーベルに対する紳士的な儀礼とも言えよう。
オーストラリア/クイーンズランドのロックバンド、Girl and Girl(ガール・アンド・ガール)がデビュー・アルバム『コール・ア・ドクター』を発表しました。
バンドが2022年にリリースしたEP『Divorce』に続くこのアルバムは、Sub PopとVirgin Music Australiaから5月24日にリリースされます。リード・シングル「Hello」は、テイラ・ローレン監督によるミュージック・ビデオ付き。アルバムのジャケットとトラックリストは以下の通りです。