Tycho、ニューシングル「Time To Run」をリリース クロスカントリーを題材にした自伝的なトラック

Tycho

 

Tychoが「Time To Run」を7月10日にリリースした。このニューシングルでは、スコット・ハンセンがドラムのケーリン・エリス、ミキシングにグリズリー・ベアのクリス・テイラーとコラボレーションしている。

 

当初、エレクトロニック・プロデューサーとして活躍してきたサンフランシスコのプロデューサー、Tyco(ティコ)ではあるが、近作では、ロック的なアプローチを取り入れるようになっている。これらの成果は、「Epoch」、「Simulcast」、「Awake」等の代表作で発揮されることになった。また、Saint Sinnerをゲストボーカルに迎えた「Weather」は、ティコのキャリアの中で最もオルタネイトな作品として聴き逃がせない。ティコらしいチルアウト/ダウンテンポの清涼感あふれる音楽性は最新曲でも健在だ。監督のパトリック・エルモアが制作したビデオは以下よりご視聴下さい。


「音楽は、創作を始めるずっと以前から、僕にとって瞑想のような役割を果たしてきた」スコット・ハンセンはコメントしている。「幼い頃、競技ランナーだった私は、レースのストレスに対処するため、頭の中で曲のループを再生していた。”走る”という瞑想的な練習を通して、私は独特の明晰さを見出した。「Time To Run」は、このような考えを音楽に置き換えた私の試みなんだ」

 

 

「Time To Run」


ギタリストのザック・ブラウンは声明の中で、「『Time To Run』は、プロセス的に私が想像していた通りの作品だ」と述べている。「スコットは、よりきれいで控えめな雰囲気だった最初のギターのアイディアを、スピードアップしてギターにサンプル・ベースの処理を施し、スタッカートのシンセ・ベースも加えて、このトラックを超ファンキーで弾むような内容にしたんだ」


「Time to Runのビデオは、僕が走ったクロスカントリーの大会を題材にした自伝的なものなんだ。例えば、クロスカントリーのレースは、とても孤独なものだろう? スタート地点には観客、コーチ、関係者がいるけれど、レースが始まるやいなや、他のランナーに対して自分一人しかいない森の中に消えていくじゃないか。その瞬間の強烈なプレッシャーと圧倒的な肉体的ストレスは、ただ走り続けて後ろを振り返りたくない気持ちにさせる。つまり、この物語は、他者からの期待を手放して、自分自身の平穏と充足感を見出すことをテーマにしているんだ」


Tychoの最後のアルバムは2020年の『Simulcast』。2021年7月には、デス・キャブ・フォー・キューティのフロントマン、ベンジャミン・ギバードと「Only Love」という曲でコラボしている。