Pinegrove 2021年のニュージャージーでのライブを収録したアルバムを発売

Pinegrove


ニュージャージー州モントクレアで結成されたカントリー・インディーバンド、Pinegroveは当初エモシーンで注目を浴びるようになったが、その後、アメリカーナの影響下にあるインディーロックで幅広いファンに支持されるようになった。彼らは、2021年10月20日に、8月に始まった北東部ツアーの最終日程となるThe Wellmont Theaterでライブパフォーマンスを行った。

 

ヴェルモント・シアターは、彼らの出発地であるモントクレアのダウンタウンにあるブルーム・フィールド・アべニューとシーモアストリートの突き当りにあり、隣接するエセックス郡の行政区、グレンリッジとの境のある劇場だ。この場所はパイングローヴにとって思い入れの深い場所でもある。というのは、このシアターでスタッフとして勤務経験があるバンドメンバーがいるからだ。


ニュージャージーのモントクレアでの公演は、Pinegroveにとって2016年にBloomfield Avenueにある旧Mogul Theatre(現在、同地にはVanguard Theaterがある)で演奏して以来、五年ぶりのこと。


「ザ・ウェルモント・シアターで演奏できることに、ただただ感激しています。まさに以前からの夢が叶ったようなものです」と、パイングローブのフロントマン/リードシンガー、エヴァン・スティーヴンス・ホールは公演を目前にして地元紙に語っている。 


「バンドのメンバーには、そこで案内係として働いていた人もいました。高校時代には、ザック・レヴィーン(ドラマー兼ヴォーカリスト)の高校時代のバンドが、ロビーで演奏したこともあった。だから、歴史がある。本当に光栄なことです。このバンドは、街中の地下室で行われるパーティーや、テリーのセレンディピティ・カフェ(学生が運営する非営利団体で、若者が才能を発揮できる安全な空間を作るために月に一度ショーを開催している)で演奏することからスタートしたのです」


エヴァン・スティーヴンス・ホールが回想するように、約5年ぶりに地元のモントクレアに戻り、演奏することは懐かしくもあり、また、いささかほろ苦いことでもあったという。「バンドメンバーやその家族のほとんどは、もうモントクレアに住んでいません。ブルックデール公園を訪れたり、モントクレアブックセンターで働いたり、モントクレアでの思い出もある。あの頃、私は、4年間、ブックセンターで小説部門のスタッフとして勤務していました。街に戻るたび、あのお店に立ち寄ります。モントクレアにある施設なんです」


さらに、15年ほど前から、ホールはモンクレールの街の変化をつぶさに観察してきたと語っている。


「ある意味、それでいいと思うけど、ある意味、少し寂しい気もします。モントクレアはかつて、一風変わった町として知られていました。一風変わったお店がたくさんあります。自転車に乗っても安全な場所でした。でも、そのようなお店は今はほとんどなくなってしまいました。今はチェーン店がたくさんありますし。アメリカのどの町でも、その街の文化性が疎外されつつあるのを目の当たりにしています。そして残念ながら、モントクレアもまた、その犠牲になってしまったようです」


パイングローブはこの日の故郷のライブステージで2016年にリリースした3枚目のアルバム『カーディナル』から何曲かをチョイスして演奏した。これは友人が引っ越してしまった後の故郷での生活について書いたアルバムだ。ホールは、そのアルバムからの曲や、モントクレアで書いた曲、モントクレアについて書いた曲を演奏することで、コンサートを特別なものにしたいと話していた。


「何百回も曲を演奏すると、機械的に再現しているような気がしてなりません。私は本当にライブに期待しています。このコンサートを通じ、私がその後成長したすべての年月を敏感に感じさせ、何が変わり、何が変わらなかったかを感じられることを願っています」


Pinegroveのツアー最終公演では、バンドは過去のアルバムからの曲もいくつか演奏した。2021年初めに公開された、パイングローブの名曲をバンドのホームスタジオで新たにレコーディングし、スペシャルゲストを交えて再現した映画「Amperland, NY」のバージョンを基にした演奏もある。


「私たちは、これらの曲をたくさん演奏する予定ですが、私たちがいつもやりたいと思っているように、いくつかの曲を再創造するつもりです。"Amperland "のキャストの多くがステージに登場することになります。まだ発表していないプロジェクトからの新曲もいくつか演奏する予定です」とホールは説明した。


またパイングローブは、このステージで気候変動に対する政府の無策についてホールが書いた曲、シングル「オレンジ」も演奏している。


「この曲は、気候変動に対する政府の無策について書いた曲です。基本的には、西海岸全体が燃えているのを見て、携帯電話やビデオでそれを体験し、夏には実際に煙の匂いを嗅ぐことができるようになったことです。この曲を聴いた人が、このメッセージに共感してくれることを願ってます。また、この曲が、政府の無策に感じている怒りの代謝に役立つなら、とても光栄なことです」


また、コンサートにはモントクレア在住で第10選挙区候補のイマニ・オークリー氏も参加した。同氏は、経済正義と人種正義の政策、グリーン・ニューディールを提唱するキャンペーンを行っている。オークリー氏は民主党に属し、現職のドナルド・ペイン・ジュニア下院議員にチャレンジを挑んだ。


「イマニ・オークレイは、私の高校時代の同級生です。彼女はとてもスマートで、とても度胸が据わっていて、より公平なエセックス郡のために戦ってくれると思います。私たちとステージを共有するために彼女を招待できることは本当に光栄です」


ホールは、人々がこのライブコンサートを聴いて、音楽にはその力があるのだと感じ、参加する気になることを望んでいます。


「"コミュニティ "を実践することが快適で安全であると感じられる空間を私たちは開きたいのです。それは、皆と一緒に歌うということ。それは、誰もが左右を向いて微笑み合うような、共同体のような温かさです。そして、私たちのコンサートが、"コミュニティ "を開くためのひとつの舞台となり、その気持ちよさに気づかせてくれることを願っています」


今回、2021年のパイングローブのライブの模様が収録されたアルバム「Montclaire (Live at the Wellmont Theater)」がラフトレードからデジタルで発売となりました。(ストリーミングはこちら

 

パイングローブは「Montclaire (Live at the Wellmont Theater)」のリリースに際して以下のようにソーシャルを通じて述べています。


「このバンドがあなたの人生にどの程度影響を与えたとしても、あなたのリスナーシップとシンガロングシップは、少なく見積もってもその2倍の感動を私たちに与えてくれました(会計士のエドがまだ数字を計算してくれています・・・)。


 簡単にまとめると、pinegroveは終わったわけではありませんが、少なくとも数年間はバンドとしてのライブツアーを伴わない別のフェーズに移行しています。

 

 この決断は、今日ストリーミングで公開するウェルモントでのライブセットに異なる光を投げかけています。これが最後のライブ録音になるとは思いもよりませんでしたが、当時から私たちにとって特別なコンサートであると考えていました。モントクレアで育った私たちは、ウェルモントでのコンサートに行った経験があります。


 そして、ザックの父親と私の父親がペダルスティールとピアノで参加しているという極めて特別な事実があります。また、長年のコラボレーターであるhalf waifで有名なNandi Roseが数曲参加しています。さらに、Josh Marreの提供による過激な爆発で締めくくられたangelinaのバージョンも見逃せません。ザックは彼の評判通り、この日のライブで楽しそうにチューブを叩いています。そして私自身の声からも、あの大きな美しい部屋で自分の仕事をすることにとても興奮しているのがわかると思います。


 このコンサートは最新アルバム「11:11」が発売される少し前に行われましたので、そのアルバムの内容はほとんど収録されていません。運が良ければ、近い将来、そのアルバムのツアーから選ばれたコレクションを追加でリリースする予定です。しかし、このコンサートには、私たちの音楽を聞いたことのある人が知っている曲がたくさんあるはずです。おそらく、このコンサートに来ていた人は、自分の声を見つけることができるかもしれません。

 

 皆さんの声を大きめにミックスしました。皆さんの声はとても美しい。皆さん、本当にどうもありがとうございました」






Pinegrove


パイングローヴは、2010年、ニュージャージー州、モントクレアにて、エヴァン・ステファンズホールとザック・レヴァインを中心に結成されたインディーロックバンド。ステファンズホールとレヴァインは幼馴染で、パングローヴを結成する以前に様々なロックバンドでの活動を行っている。
 
パイングローヴのバンジョーやペダルスティールギターを活用する音楽スタイルは、一般的にはエモとオルタナティヴロックの中間に位置づけられている。2012年に、デビューアルバム「Meridian」をリリースし、DIYスタイルのホームライブを中心に活動を行ってきたバンドである。

パイングローヴは、インディーズレーベル”Runfor Cover"と契約した後、「Everything So Far」という初期作品のアンソロジーを発表。その後、二作目スタジオアルバム「Cardinal」の発表を期に、熱心なファンを獲得し、 様々な音楽メディアのトップ10リストに選出される。次の作品「Skylight」を録音した後、パイングローヴはメンバーの個人的問題により一年間活動を休止を余儀なくされる。スタジオアルバム「Skylight」は、その後、2018年に自主制作としてリリースされ、その後続いて行われたツアーは多くがソールドアウトとなり、大盛況を博した。
 
2019年、パイングローヴは次なる挑戦に踏み切るため、UKの名門インディーズレーベル"Rough Trade"との契約に署名し、11曲収録のアルバム「Marigold」をリリース、2021年には「11:11」をリリースした。

パイングローヴは、文学的な叙情性とファンの根強い人気を誇ることで知られている。最初期はインディー・エモシーンで人気の高かったバンドであるが、徐々にファン層の裾野を広げた。

バンド名は、エヴァン・ステファンズホールが以前在学していたケニオン大学の自然保護区にある有名な松並木に因む。それらの実際、ステファンズホールの脳裏にやきついてやまない記憶の情景は、特に、正方形の形状を使用した幾何学模様のアルバムアートワークや商品のアンパサンドのデザインに積極的に取り入れられている。また、歌詞の中では、政治的な問題を積極的に提起し、実際の活動においても、アメリカの公民権団体への慈善寄付などを率先して行ったりと、進歩的な目的を掲げている。




Iodine」(「11:11」に収録)