Garbageのシャーリー・マンソン 音楽産業の崩壊について語る

Shirley Manson

 

Garbageのボーカルとして知られるシャーリー・マンソンは、90年代の後半からミレニアム年代の節目に登場し、音楽業界の需要と供給のバランスが成立していた時代に華々しく台頭したミュージシャンである。Garbageは、2001年の「Beautiful Garbage」で世界的な大ヒットを記録し、一躍スターダムに躍り出た。

 

それがすべて理想的な形ではないにしても、2000年代は音楽業界とアーティストの両者における需要と供給の関係が成立していたように思える。そして、ひとつ考えてみてほしいのは、レコーディングを行うのにも、相当な費用を必要とする。特に、大手レーベルならいざしらず、インディーズレーベル、自主制作となれば、アルバムひとつ制作するのにも、アーティストとしての活動を行う上で大きな負担となる。それにライブツアーが加われば尚更である。それらは、サブスクリプションやストリーミングサービスの普及により、ほとんど崩壊しつつある。そして、それはリスナーではなく、アーティスト側から見ると著しい風潮で、黙認しかねる動向なのかもしれない。

 

今回、Garbageのシンガー、シャーリー・マンソンはそういった音楽業界の内部構造をよく知るミュージシャンとしての自由闊達な発言を、Instagramを通じて行った。そして、ライブミュージックの現状と、ツアーがアーティストに「多大な負担」となっているかについて発言を行っている。


「ライブ音楽産業は崩壊している」とシャーリー・マンソンは最近のインスタグラムの投稿を行い、ミュージシャンが現在ツアーで直面している問題のすべてを概説し、自身の考えを次のように語っている。

 

「ライブ・ミュージックは多大な負担を強いられている。私たちは、多くの貴重な才能が、芸術的な成果に対して、クリエイティブに報酬を支払わないシステムの経済的不公正の下で屈服するのを見ている」

 

「誰もが次のショーまでそれらをつなぎとめるためにお金の少量を作るために会場の一握りのために競っている、ほとんどの保険1ドルなしで航海している」

 

「あなたが知っていて愛しているミュージシャンの多くは、手探りで生活しているようなものです」


こういった発言を行った上で、シャーリー・マンソンは、さらに、音楽産業の構造の歪みについても言及している。以下の発言は、ストリーミングサービスを受け持つ企業と、作品を提供するアーティストの間のマージンの不均衡についてである。

 

「企業は、アーティストの作品から何十億ドルも稼いでいるのに、その利益を何も分配していない」と言い、「これは我慢できない」と述べている。

 

「このままでは、若いアーティストの世代を失うことになる。私たちが歴史上尊敬し、大切にしてきた多くのアーティストが、このシステムによって完全に破壊されてしまう。ミュージシャンは、自分たちの音楽に対して正当な報酬を得ることなしに、生き残ることはできないのです」

 

Garbageのシャーリー・マンソンの発言は、特に音楽業界の需要と供給の関係がぎりぎりのところで均衡を保っていた時代を知るミュージシャンとしての重要な提言のひとつである。

 

音楽産業とアーティストのマージンやペイメントにおける不均衡がどのように是正されていくのかが、今後の課題となる。


ストリーミングサービスはたしかに、音楽の普及という側面においては良い効果をもたらしているが、他方、報酬という面では、弊害を生み出しており、それが音楽産業の歪みとなっているようだ。今後、良いリスナーのリアクションには正当な報酬が支払われるような画期的なシステムが導入されるのが、ミュージックシーンにとっての最大の良薬となるのではないだろうか。

 

 

0 comments:

コメントを投稿