Belle & Sebastian、サプライズ・アルバム『Late Developers』を発売

©︎Anna Croll


スコットランドのインディー・ポップ・レジェンド、ベル・アンド・セバスチャンは、前作と同じセッションから生まれたアルバム『Late Developers』を1月13日にサプライズ・リリースしました。このアルバムは、バンドのクロニクルとしても楽しめるのはもちろん、完全な新作として聴くことも出来、ファンは必聴の1枚だ。


「ロックダウン中と『A Bit Of Previous』の直後のセッションは、とても充実していた」とバンドのフロントマン、スチュアート・マードック(54歳)はローリング・ストーンの取材に答えた。「想像通り、壁にはたくさんの曲名が書かれていて、日頃のマネージャーであるフィオナが "これはかなり混乱しているようだね”なんて皮肉っていた。でも、私は、グループに対して、"さあ、LPを2枚作ってみよう!"と呼びかけたんだ」


前作『A Bit Of Previous』は、バンドが久しぶりに故郷のスコットランドで録音した記念碑的な作品となったが、『Late Developers』も、スチュアート・マードックがグラスゴーの自宅からロックダウン中に働いていたアパートまで毎日歩きながら書きあげていった曲が多い。この年代の後悔を憂鬱に呟く「When We Were Very Young」など、ベル・アンド・セバスチャンらしい曲が収められている。「でも、これらは陽気な曲とはいえないんだ」と、さらにマードックは同取材に対して答えた。「ちょっと助けを求めているような歌なんだよ」

 

その他、リード・シングル「I Don't Know What You See in Me」(スコットランドのポップ・アーティスト、ウー・オーと録音・作曲)や、マードックが2018年の同名のロマンス&コメディのために書いた冒頭曲「Juliet Naked」など、バンドのアップ・ビートで強調された側面を打ち出し、ロック・テイストが多分に込められている。サウンド・トラックに入らなかった時、マードックはタイトルを変更しようとも考えたという。「でも、良いタイトルだ"と思ったんだ。で、ニック・ホーンビーに確認したら、彼は全然気にしていないようだったね」

 

さらに、このニュー・アルバム『Late Developers』のベスト・ソングの中には、ロックダウン以前に遡って録音された曲も収録されていることも付記しておかねばならない。スチュアート・マードックが最初に「Will I Tell You a Secret」を書いたのは、2002年か2003年のことで、これは『Dear Catastrophe Waitress』のセッションが行われていた頃に当たる。「バンドに聴かせたら物足りなさそうだったので、長い間温めておいたんだ」と彼は言う。「でも、ずっと気に入って聞いていたんだよ」


さらに、スチュアート・マードックは下記のリードシングルのリリースに際して以下のようなメッセージを添えている。


去年の夏、スコットランドを自転車で横断していた時、この曲のミックスを聴いていた。この曲は、僕らの友人であるピート、'Wuh Oh'のファーガソンが僕らのために書き、プロデュースしてくれたものなんだ。

 

聴いているうちに、この曲を初めて歌わせてもらえるなんて、ほんとうにラッキーだと思ったんだ。自分の声が、これまでにはなかったような方法で、ふわりと舞い上がった。そして、金と緑の野原を進みながら、ベル・アンド・セバスチャンであることをすっかり忘れて、どこかのラジオ局の最新のヒット曲であるかのように装うことができた。音楽はすべて逃避なんだ。そして、この思いがけない曲で、私たちはいつもより少し遠くへ逃避することができたのかもしれないね。本当にありがとう、ピート!"

 

このアルバムは、昨年発表された前作と並んで彼らのもう一つの記念碑的なアルバムと言える。もちろん、ベル・セバのキャリアの名作群を見ると、最高傑作とはならないかもしれないが、きっと、このアルバムを数年後、いや、それよりもっと後に聴いた時、彼らがこのような作品を残してくれたことに痛く感謝するだろう。


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