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イギリス出身で、現在、ブルックリンを拠点に活動するシンガーソングライター、Fenne Lily(フェン・リリー)がホリデーシングル「Christmas Alone」をリリースしました。今年、シンガーはDead Oceansから三作目のアルバム『Big Picture』を発表し、続いてエクスパンデッド・バージョンをリリースした。このニューシングルについて、アーティストは次のように説明しています。


この夏、悲しいクリスマス・ソングが足りないと思ったから、ACに浸かって曲を書いた。もし、あなたがもう一緒に過ごすことのない人たちのことを考えながらホリデーを過ごすなら、この曲を聴いてみてほしい。

 

 

「Christmas Alone」

 

©Michael Tyrone Delaney


ブルックリンのシンガーソングライター、Fenne Lilyは、最新アルバム『Big Picture』のエクステンド・バージョンを発表しました。5曲のボーナス・トラックが収録される。拡張版は11月10日にDead Oceansからリリースされます。ボーナストラックとして収録される「Hollywood and Fear」のリリックビデオが発表と同時に公開されましたので下記よりチェック。アルバムの収録曲と同様に穏やかなインディーフォークサウンドに縁取られています。


「私は正しくありたいのか、それとも優しくありたいのか?」フェン・リリーは新曲の中で問いかけています。「それは、私が子供の頃、母にいつも聞かれたことです。だから、『ハリウッドと恐怖』は、いつ強くしがみつくべきか、いつ手放すべきかを見極めることを歌っています」 

 

 

「Hollywood and Fear」




Fenne Lily 『Big Picture (Expanded Edition)』



Label:Dead Oceans

Release: 2023/11/10


Tracklist:


1. Map of Japan

2. Dawncolored Horse

3. Lights Light Up

4. 2+2

5. Superglued

6. Henry

7. Pick

8. In My Own Time

9. Red Deer Day

10. Half Finished

11. Dial Tone (Bonus Track)

12. Hollywood and Fear (Bonus Track)

13. Cathedral (Bonus Track)

14. 4 (Bonus Track)

15. In My Own Time (Demo)

 Fenne Lily 『Big Picture』

 


Label: Dead Oceans

Release: 2023年4月15日

 

 

 

Review

 

フェン・リリーの最新作は、ブリストルで制作され、20年の思いを手放すために曲が書かれました。レトロなポップスの影響を感じさせる一方で2020年代を生きる私達の日常的な感覚を繊細かつ巧みに表現した一作となっています。アルバムにはフェン・リリーというアーティストが音楽をどれだけ愛しているか、そして日常的に溢れる感覚を温かな感慨によって包み込もうとしているのか理解出来るはずです。

 

このアルバムの全体は、アメリカの90年代のUSインディーロックと、アーティストの趣向である70、80年代のポップスをかけ合わせた柔らかい感覚に充ちた作品となっている。フェン・リリーは詩の言葉を抱きしめるかのように丹念に歌っている。結果的には、ディストーションを交えたギターロックや、ノスタルジア溢れるフォーク・ミュージックと結びつくことで、心地よいサウンドが生み出された。フェン・リリーのサウンドは、海のように果てしなく、そして癒やされる感慨が漂っている。そして、それが彼女らしい素朴な表現性により、聞きやすい音楽という形で昇華されている。こういった音楽が嫌いという人はあまりいないのではないでしょうか?

 

オープニングトラックとして収録され、また、先行シングルとして紹介された「Map Of Japan」はアルバムの代表的なナンバーとなる。まるで春の到来を告げ知らせるかのようなリリーの歌声は、聞き手の心を和ませ、穏やかな感慨をもたらす。そして、オーストラリアのジュリア・ジャックリンのように、ポップスの中には、コアなオルタナティヴロックの要素が自然な形で入り込んでいる。ただし、オルタナの要素があるにしても、それらは部分的な効果として導入されているに過ぎず、ポピュラーな歌そのものが持つ柔らかさを損ねることはありません。また曲の終わりにかけて導入されるエレクトリックピアノの音色は切ない余韻を残しています。

 

続く「Downcolored House」は一曲目の雰囲気を受け継ぎ、カントリーやフォークの影響を絡めたインディーロックであり、自然味に溢れるフェン・リリーの歌声がバックトラックと絶妙な合致を果たしている。 そして、一曲目と同様に、彼女は内向的な感覚を自然な形で歌っていますが、特にアルバム全体の穏やかな雰囲気は、この曲を通じて、深みを増していくように思える。さらに、同じくカントリーの影響を交えた「Light Light Up」でも、二曲目の温和な雰囲気が受け継がれている。続く「2+2」は、それ以前の曲よりもブルージーに歌い、コアなインディーロックと絡めることで、心地よい雰囲気がを生み出されている。それらは繊細なギターフレーズと彼女自身のコーラスの多重録音により、アンセミックな音響効果すら兼ね備えている。

 

これらの前半の流れを受け継いで、穏やかなスローテンポのオルタナティヴフォークが清らかな川の流れのごとく続いていく。フェン・リリーの繊細なビブラートを交えたボーカルによって心地よい音楽空間を先んじて提供し、聞き手がそのことを受け入れるのならば、それはやはり、作者が予測していた以上のコンフォータブルな空間に変化する。そして、そのフレンドリーな雰囲気が作品の後半に至るほど、音楽の深みと温かみが増していくように感じられる。それは歌の中に日常の些細な出来事を織り交ぜることで、聞き手に近づきやすさをもたらしているとも言える。これは内省的なエモーショナルな音楽として胸に迫る場合もある。

 

そういったアーティストの持つ温和さと親しみやすさが最高潮に達するのが終盤に収録されている「Red Deer Day」となる。おそらく、Get Up Kidsの「Red Letters Day」に因んだと思われる、バンジョーのようなギターの音色とペダルスティールの音色が織り交ぜられたカントリーポップスは、フェン・リリーというアーティストの正体がボン・イヴェールの女性版であることの証ともなるかもしれません。これらの曲は2020年代のポップスのメインストリームにある音とは別の側面を刻印したものとしてアルバムの最後まで続いていくのです。


このアルバムはアーティストと聞き手の対話のようでもあり、またそれは聞き手がフェン・リリーの作品に参加してはじめて完成となる。穏やかな週末の午後、ゆったりした気分に浸りたいときにお勧めしたい作品です。

 

 

84/100 



Featured Track 「Map Of Japan」

 

©︎Tyron Dolany


Fenne Lily(フェン・リリー)は、近日発売予定のアルバム『Big Picture』からの新曲「In My Own Time」を発表しました。この新作アルバムのオープニングを飾るのは「Map of Japan」となる。ケイティ・カービーがハーモニーを奏でるこの曲は、リリーとジム・ラーソンが監督したミュージック・ビデオも公開されています。

 

「この曲は、停滞の重さについて書かれている。つまり、時間があまりにも早く進み、あまりにも遅く、すべての間違いが永久的であり、取るに足らないと感じることについて歌っている」とリリーは声明の中で「In My Own Time」について述べている。「このビデオコンセプトを書くことになったとき、カオスの中で見つけた愛情や、自分自身のストーリーの中で無生物であるという感覚のねじれた面を反映させたいと思っていた。全部、ターミネーター2風にね"


『Big Picture』は4月14日にDead Oceansからリリースされる予定です。リリーはすでにシングル「Lights Light Up」と「Dawncolored Horse」をシェアしている。

 


©Michael Tyone Delaney

 

ロンドンのシンガーソングライタ-、Fenne Lily(フェン・リリー)が、4月中旬にDead Oceansから発売されるアルバム『Big Picture』から2ndシングルを公開しました。このニューアルバムのオープナーには「Map of Japan」という曲が収録されています。


2ndシングルとして公開された「Dawncolored Horse」のタイトルは、リチャード・ブローティガンの詩「The Horse That Had a Flat Tire」から取られています。プレスリリースでリリーは、「(ブローティガンは)愛する女性を『呼吸する城』だと語っている」と説明しています。

 

「それが何を意味するのか本当に分からないが、私にとって彼は、絶対的な親密さの感覚を抽出した。誰かのことをよく知っていると、その人の中に住んでいるような感覚になります。それは閉所恐怖症のようなものだが、それがひどくなる前に、信じられないようなことなのです」


ロニー・レインとスリム・チェンジのアルバム『Anymore For Anymore』('74年の『Roll On Babe』を聴く)は大作だった。この曲をバンドに持ち込んだとき、そのような世界に簡単に入り込むことができた。この曲は、リード・ギターにJoe Sherrin、ベースにKane Eagle、ドラムにJames Luxton、バンゴにPhil Cook、メロトロンにBrad Cookをフィーチャーしています。


Fenne LiLyの新作アルバム『Big Picture』は、Dead Oceansより4月14日にリリース予定です。

 

「Dawncolored Horse」

 



Fenne Lilyが、3rdアルバム『Big Picture』のニュースを伝え、リード・アウトとして 「Lights Light Up 」と題されたニュー・シングルを公開しました。


「Lights Light Up」は、Fenne Lilyにとって2021年のBREECH (acoustic) EP以来のリリースとなり、アメリカのHaoyanが監督したビデオが添えられています。


"これまでは愛について現在形で書いたことはなかったんだけど、まだ恋をしていて終わりについて考えていなかったにもかかわらず、無意識のうちに別のことが起こっていて、先に進むことが始まる前に先に進むことについての歌になった "とフェンヌ・リリーは説明している。


レコーディングの時、バンドと私はしばらくライブで演奏していて、何か楽しくて前向きな曲になっていたんだけど、ボーカルを録り始めたら、歌詞の内容で泣けてきてしまったんだ。

 

その時点で曲は1年以上経っていて、その傷は癒えたと思っていたんだけど、まだしがみつこうとしていたのに、何かを手放したことを認めるのは痛かったんだろうね。


『Big Picture』は、リリーの2020年発表のセカンド・アルバム『BREACH』に続く作品となる。このアルバムは彼女のブリストルのアパートで書かれ、ブラッド・クック(Waxahatchee, Kevin Morby, Snail Mail)のダーラムのスタジオで共同プロデュースされたものである。Big Pictureには、Christian Lee Hutson(ギター)、Katy Kirby(ボーカル)も参加し、ミキシングはJay SomのMelina Duterteが担当した。また、オープニング曲は、「Map of Japan-日本の地図」と銘打たれています。


「これは悲しいアルバムではなく、私のやり方が許す限り高揚感のあるものなんです」と彼女は付け加えています。"これらの曲は心配や疑い、手放すことを探求していますが、それらのテーマは明るく縁取られていますよ。"


「Lights Light Up」

 



Fenne Lily 『Big Picture』



 Tracklist:

1.Map of Japan 
2.Dawncolored Horse 
3.Lights Light Up 
4.2+2 
5.Superglued 
6.Henry 
7.Pick 
8.In My Own Time 
9.Red Deer Day 
10.Half Finished