Hatis Noit  ニューシングル「Angelus Novos」をリリース

 ロンドンを拠点に活動する日本人の声楽アーティスト、ハチス・ノイトは新作アルバムのリリースを先日発表。


Photo: Özge C


今回、さらに、先行シングル「Angelus Novos」を公開しています。このタイトルは、ラテン語で「新しい天使」を意味し、ドイツの哲学者ヴァルター・ベンヤミンのエッセイ「天使」に登場する芸術家パウル・クレーのモノプリントから引用されています。ハチス・ノイトは、前作シングルに引き続き力強いボーカルが生かされたニューシングルについて以下のように説明しています。


この曲を書いた時、(ベンヤミンの著作に登場する)歴史の荒れ狂う風にさからって飛んでいる天使のイメージを思い出しました。それは個人的、及び社会的闘争の双方に関して非常に深い共鳴を覚えました。この曲を癒やしの空間として完結させたかったので、エンディングは親密であり内向的な雰囲気を重視しました。

 

ハチス・ノイトは、教会をはじめとする天上の高い空間性を利用し、天使のような声楽の表現を行うことで知られていますが、ここに彼女は喉音の低い音域をかぶせています。「歴史の荒い風に逆らって飛ぶ」かのような緊張感をこの独特な歌唱法によって体現し、「新たな天使」を表現していきます。やがて、胸郭を押し広げ、戦争の叫びにも似た何かを表現しようと試みる。

 

これらのノイトの声の表現は、美しく、また畏怖があり、さらに、強い説得力が込められています。ハチス・ノイトのオペラティックでなボーカルはすぐに明瞭となり、やがて、ボーカルのレイヤーを重ね合わすことにより、重厚な音響空間を生み出します。これらの重層的な声の組み合わせによって、ノイトは人間の生活における鮮やかな印象を聞き手の脳裏に喚起させていく。人生の無数の複雑におりなす綾により、私たちの足が地にしっかり繋がれていることを思い至らせる。

 

今回のシングルリリースに併せて、以前、教会内の建物の中で撮影を行ったライブ映像とは別の新たなMVが公開されています。AIの生成技術が取り入れられた革新的な映像であり、それは、視覚的な体験を押し広げる意味を持つ。斬新かつ前衛的なミュージックビデオを以下で御覧ください。

 



新作アルバム「Aura」は6月24日にErased Tapesからリリースされる。