Album Review  Laura Day Romance 「Roman Candles 憧憬蝋燭」

 Laura  Day Romance 「Roman Candle 憧憬蝋燭」




  

Label: lforl

 

Release Date:2022年3月16日

 

Genre : Alternative Folk/J-POP

 

 

2017年に東京で結成され、翌年、デビューEPをリリースしているローラ・デイ・ロマンス。他にも2018年には世界的な知名度を持つイベント、サマーソニックにも出演を果たしていて、インディーポップバンドではありながら、一般的なリスナーの間でも徐々に注目度が上がりつつある四人組です。

 

往年のサニーデイ・サービスのように、スコットランドのネオ・アコースティックに近い作風が特徴であり、その他、平成時代の日本のグループ、My Little Lover、Brilliant Greenに近い叙情性を滲ませる音楽性が特徴です。また、洋楽にも親しんでいると、メンバーが語っている通り、アメリカのニューヨークのバンド、ビックシーフにも近いオルタナフォーク性を擁している。


3月にリリースされた「Roman Candle 憧憬蝋燭」は2020年の「farewell Your Town」に続く二作目のフルアルバム。前作のアルバムでは童謡や歌謡を下地にした可愛らしい世界観を展開していたローラ・デイ・ロマンスはこの最新作のおいて、それとは全く別のアプローチに取り組んでおり、ゆるやかで爽やかさのあるインディーフォーク/オルタナフォークにシフトチェンジを図ってます。ギター、ベース、ドラム、キーボードの編成が生み出すバランスの取れた安定感のある作品が生み出されている。 

 

基本的にはこの四人組の音楽的なバックグラウンドと思われる平成時代のJ-POPを下地に、そこに、ディストーションギター、エレクトリック・ピアノ、スティールギター、その他にも、DTMを介して、ソフトシンセサイザーの実験的な音色やシークエンスを取り入れている点が、この四人組の音楽性にオルタナティヴ性を付け加えています。


しかし、それらのオルタナティヴ性はそれほど取っつきづらいものとはなっていません。その理由は、このバンドはスピッツやサニーデイサービスのようにJPOPらしい聞きやすいフォークに取り組んでいるから。アレンジ面で多少実験的な試みをしたとしても、そのバンドの軸のようなものがぶれない。バンドサウンドとしては相当洗練されているので、多少の冒険をしたところでは、これらのJ-POPサウンドらしい特徴が崩れたり、薄められたりはしないでしょう。

 

渋谷を拠点にするグループのためか、このアルバムは、特に平成時代の「Shibuya-Kei」の音楽性に重点が置かれているように感じられるのが良く、さらにその要素の上に、現代的なフォークの色が取り入れられているのも素晴らしい。

 

このバンドの持ち味である以上に挙げた要素、いや、それ以上のJ-Indieの精神性のようなものが、この新作アルバム「Roman Candle」では存分に発揮されており、ひねりのない王道の平成時代のJ-POPの穏やかで開放感に溢れたインディーフォークの王道が体験出来、さらにコンクリート・ジャングルーー東京に生きる人々に癒やしをもたらしてくれるような作品です。ヒップホップやロックにおいては、海外のアーティストが何枚か上を行っているのは事実なんですが、海外の作品だからという理由だけで持ち上げすぎるのも良いことではないはずです。日本にも良い音楽があるんだということを改めて痛感させてくれる素晴らしいアルバムです。


(Critical Rating 86/100)


 

 


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