Monthly New Music Reports  9月発売の注目の新作アルバムをピックアップ!!









・9月9日発売のニューアルバム

 

Jock Strap  「I Love You Jennifer B」

 


新たに2021年にラフ・トレードと契約を交わしたロンドンのデュオ、ジョック・ストラップ。Georgia ElleryとTaylor Skyeは、ロンドンのギルドホール音楽演劇学校で出会い、その後2016年にJockstrapを結成する。ベル・アンド・セバスチャンの初期のように、素朴な味わいのあるインディーポップサウンドを特徴とします。

 

このアルバム「I Love You Jennifer B」は彼らにとって記念すべきデビュー作となります。既に先行シングルとして「50/50」「Concrete Over Water」の二曲が公開されている。演劇を学校時代に学んだ二人組による新時代のオルタナティヴポップ作がどのような内容になるのか注目したいところです。



Ozzy Osbourne  「Patient Number 9」

 


 

難病パーキンソン病から大手術により奇跡的な回復を見せたメタルレジェンド、オジー・オズボーンの最新作。

 

アルバムのレコーディングゲストには、ブラック・サバス時代の盟友トニー・アイオミ、ザック・ワイルド、ジェフ・ベック、エリック・クラプトン、錚々たるギタリストが参加。既に公開されているタイトルトラック「Patient Number 9」「Degradation Rules」の2つのシングルを聴くかぎりでは、サバス時代の原点に回帰したかのような芯の太いハードロックサウンド。「来年には必ずツアーに戻る」と勇猛果敢に宣言するオズボーンの最新作は新旧の全世界メタルファンが待ち望むものとなるはずです。



Son Little  「Like Neptune」

 


 

オルタナティヴなR&Bを掲げてフィラデルフィアに彗星のごとく登場したサン・リトル。2015年から三作のフルアルバムをリリースしている。最新作「Like Neptune」は、サンリトルが少年時代にうけた心の傷を癒やすため、アイデンティティを探る作品となっています。先行シングル「inside out」がリリースされているが、これはクラシック・ソウルとモダンソウルを架橋するような楽曲で、ブルージーな雰囲気も漂う一方、チルアウトのような安らぎも込められる。

 

新作アルバムの先行シングルとして「deeper/stoned love」「6AM」「Inside out」の三曲が公開されている。これらの曲では艶のあるサンリトルのボーカルから分かる通り、クラシカルなソウルミュージックへのリスペクトが込められている。新時代のR&Bシーンを牽引するような存在となるか、R&Bファンにとって「Like Neptune」は重要な意義を持つ作品となるでしょう。

 

 

 

・9月16日発売のニューアルバム


Death Cub For Cutie 「Asphalt Meadows」

 


 

USインディー/オルタナティヴの象徴的なロックバンド、ベンジャミン・ギバード率いるデス・キャブ・フォー・キューティー。

 

これまで、彼らは2000年代始めから「Transatlantism」を中心に良質なリリースを続けてきたが、今作もまたインディーロックの金字塔となりそうな作品のひとつです。「Roman Candle」「Here To Forever」「Foxglove Through The Clearcut」と3つの先行シングルが公開されています。上記のシングルでは、00年代のUSインディーロックに音楽性の重点を置きながら、よりアリーナロックバンドとしての風格を感じさせます。これは現在もバンドとしての成長を遂げている証拠でもあるのでしょう。

 

 


Rina Sawayama 「Hold The Girl」

 


 

サマーソニックで来日公演を果たしたロンドンを拠点に活動するシンガー、リナ・サワヤマ。The 1975の所属するダーティー・ヒットと契約を結んで第一作(実質的には『Sawayama』以来の2ndアルバム)となる。

 

現時点では、先行シングルとして「This Hell」「Catch Me In The Air」「Hold The Girl」「Phantom」が公開されている。既に先行シングルだけでも大きな期待を感じさせるものとなっており、ポピュラー・ソングとしてクオリティがきわめて高いものとなっています。

 

センセーショナルなアルバムアートワーク、アーティスト写真、Instagramのインフルエンサーとしての底力がシンガーとして実作にどのように現れるのか。次世代のレディー・ガガとも称されるロンドンのシンガーの最新作「Hold The Girl」はポピュラーミュージックの潮流を変えるものになるでしょうか。



Mars Volta  「Mars Volta」

 


 

10年ぶりの長い眠りから覚めたマーズ・ヴォルタ。彼らの再結成は、ファンにとっては「百年の眠り」にも思えたはずです。

 

最初期にはサイケデリックなハードロックをリリースしていたマーズ・ヴォルタではありますが、LAでのアルバム発表とともに公開された先行シングル「Blacklight Shine」ではラテンミュージックやソウルの影響をロックソングとして落とし込んでいる。バンド名をアルバムのタイトルに持ってきたことからも分かる通り、バンドがこの新作を記念碑的なアルバムとして位置づけているように思える。ファンとしてもこのアルバムが重要な作品となることを願うばかり。



・9月23日発売のニューアルバム

 


Alex G 「God Saves the Animals」

 


 

 

この週にリリースが予定されているのは、今後スターになる可能性を秘めた複数のアーティストの作品で、その筆頭格として挙げられるのがアレックス・GのGod Saves the Animals」となる。先行シングルとして「Blessing」「Runner」「Cross The Sea」がリリースされています。

 

アレックス・Gの音楽性はマニアックなインディーロックとして位置づけられるが、これらのシングルにおいてもその点に大きな差異はないように思えます。ただ、以上の先行シングルを聞くかぎりでは、ポップス、インディーロック、オルタナティヴフォークと3つの楽曲の中でバリエーションを感じさせる流れが形作されている。これらの多彩で芯の強い性質を持った楽曲が、他の収録曲にも複数見られるようであれば、この新作「God Save The Animals」は聴き応え十分のものになるだろうし、スマッシュヒットを記録する作品となる可能性も高い。



Maya Howke 「Moss」

 


 

マヤ・ホークは女優としても活躍する米国のシンガーソングライター、 今後知名度が上がっていきそうな気配もありそうです。この最新作「Moss」は2020年のデビュー・アルバムに続く2ndアルバムとなる。

 

「Therese」「Sweet Tooth」といった先行シングルでは、自然味あふれる北欧のフォークトロニカに近い童話的なフォーク・ミュージックを展開している。上記の二曲を聞くかぎりでは、良作以上の作品が期待出来るが、これらの穏やかな雰囲気を擁す牧歌的なフォーク音楽に加え、強烈なキャラクターを持つ名曲が収録されているのかがこのアルバムの完成度を占うものとなる。 米国のモダン・フォークミュージックの潮流を変えるような作品になるかに注目です。



Wilow 「Capingmechianism」

 


ウィローは多くの方がご存知の通り、俳優のウィル・スミスを親に持つシンガーで、既に著名なソングライターといえるでしょう。

 

しかしそういったハリウッドセレブを肉親に持つであるという事実がこのアーティストの実際の実力を見誤らせる1つの要因となっているのではないか。たとえ、ウィロー・スミスがどのような人物であっても、その歌声が大衆の心を揺さぶるパワーを秘めているのは事実なのだ。先行シングルとしてリリースされた「hover like a godness」は平たくいえば、これまでにありそうでなかった実験的なポップソングのひとつ。彼女の歌にはそういった有名人として見られることに抵抗するような力強さ、信頼性が感じられる。新作「Capingmechianism」はおそらくこのシンガー、ウィローのキャリアの分岐点となるようなアルバムになるのではないでしょうか。



9月30日発売のニューアルバム


Bjork「fossora」

 


アイスランドの世界的なシンガーソングライター、ビョークの最新作「Fossora」は、当初、英国の新聞The Gurdianの記事でアルバムのリリースが公表された。当初、ガーディアンの記者はこのアルバムの中に東洋的なエキゾチックな要素が込められていると説明していた記憶がある。

 

その後、ビョーク自身もこの新作アルバムについて、ポッドキャストを通じて言及を行いましたが、1つ言えることはアルバムの詳しい内容はまったく分からないということ。現時点では、先行シングルが発表されていないが、明日にリードシングルが発表されるとのことなので楽しみに待ちたい。刺繍やテキスタイルなど独特な観点から、このアルバムの音楽性を組み上げていった、と話すビョークですが、実際の音楽性がどのようなものになるか、全然読めないという点では、今月発売されるアルバムの中で、最もミステリアスな雰囲気に包まれています。予感としては、アーティスト写真に象徴されるカラフルな作品となるのではないでしょうか。



Pixies 「Doggerel」

 


今年末に来日公演を控えている偉大なオルタナティヴ・ロックバンド、ピクシーズもこの週にアルバムの発売を予定しています。

 

ちょうど、ロシア軍のウクライナ侵攻とリンクするような形で単独のシングル「Human Crime」がリリースされているのはなんらかの因果があってのことなのか。少なくとも、この後、発表された新作アルバム収録の二曲のプレビューシングルを聴くかぎりでは、このバンドの90年代の全盛期を彷彿とさせるひねりの効いたオルタナティヴ・ロックの原型が見いだせます。それに加え、ブラック・フランシスのボーカルには大御所の風格のようなものが備わっています。最初期のような過激さは望むべきもないかもしれませんが、1990年代の原点回帰を果たした作品としてビョークの作品と並んで、この週において最注目の作品のひとつになるでしょう。

 


Yeah Yeah Yeahs 「Cool It Down」

 



さて、上記の2つのアルバムのリリースに並んで、9月の最終週に発売が予定されているのが、ニューヨークのガレージロック・リバイバルシーンの旗手、ヤー・ヤー・ヤーズの最新作「Cool It Down」です。

 

トリオはどことなくSF調のアーティスト写真でアルバムリリースを大々的に予告し、最初のシングル「Spitting off The Edge Of The World」を公開し、世界の音楽メディアを騒然とさせました。

 

既に公開された先行シングル「Spitting off The Edge Of The World」「Burning」は、これまでよりもはるかに大きなスケールを持ったアンセミックなロック/ポピュラーソング、バラードソングが提示されている。九年ぶりのアルバムリリース告知により多くのロックファンの度肝を抜かせたヤー・ヤー・ヤーズですが、9月最終週に発売される新作『Cool It Down」』もファンの期待に違わず、良質なアリーナクラスのポップ/ロックアルバムとなることが期待される。




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