New Album Review Sports Team 『Gulp!』

 Sport Team 『Gulp!』


 

Label: Universal Music

 

Release: 2022年9月23日 


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Review

 

2020年のマーキュリー賞にノミネートされ、ヒット作となったデビュー・アルバム「Deep Down Happy」から二年、Sports Teamは、このセカンド・アルバム「Gulp! 」で想像だにできないような進化を遂げています。

 

スポーツチームはこのアルバムを前作のリリースからすぐに制作を開始した。というよりもこれは、どうやらロックダウン等の理由により、ライブギグをやるわけにも行かず、スタジオ入りせざるをえなかったという。結果的には、それが良い方に転じたとスポーツチームのメンバーは話しています。

 

このセカンド・アルバムは、ラウンドハウスでギグを行った後、デヴォンの人里離れた小屋でレコーディングが行われた。アルバムで最も派手な印象を持つ「Entertainent R」、その他、「Dig!」に代表されるように、ポストパンクバンドとしての勢いとパンクサウンドの痛快さを刻印したものとなっています。いかなる暗い時代においても、エンターテインメントを追究しようとするバンドの強いエネルギーがアルバム全体の印象を明るく照らし出しているように思えます。

 

これらのポスト・パンクサウンドには、ギャング・オブ・フォーのような感覚の鋭いファンクパンクのサウンド、さらに、イアン・デューリーに象徴されるパブ・ロックの渋い雰囲気が漂い、これがこのセカンド・アルバム「GULP!」のサウンドの核となっています。また、実際のライブパフォーマンスで強い存在感を放つアレックス・ライスのボーカルはストラングラーズのヒュー・コーンウェルを彷彿とさせる。そしてときには、オーストラリアのセインツのようにR&Bを吸収した派手なポスト・パンクサウンドの影響もこのアルバムの端々に見受けられる。それは流動的で精細感のあるサウンドであるため、聴いていて気持ちが良いばかりでなく、聞き手の活力をみなぎらせるような強い扇動力も持ち合わせています。

 

とにかく、このセカンド・アルバム「Gulp !」は、このメンバーがライブを想定してレコーディングに取り掛かっているような気配もあり、それはまた、ロックダウン中に思うようにライブギグが行えなかったフラストレーションが明るく前向きなエネルギーに変換されています。さらに、このアルバムを聴くと、実際のライブで収録曲を聴いてみたいと強く希求させる何かがあるのです。

 

この作品のテーマは人間について描かれていて、さらにいえば、喜び、悲しみ、憎しみ、様々な人間の感情を多角的な視点を経て、パワフルなポスト・パンクサウンドとして巧みに昇華させている。このアルバムには、そのほか、彼らの出身のバックグランドを思わせるシニカルな政治的な風刺、他にも、ソーシャルメディアの弊害についての言及など、現代ミュージシャンとしての多くの提言、メッセージも含まれています。そして、彼らのように忌憚のない意見を言ってのけることに関しては、IDLESと同様、ロックミュージシャンとしてあるべき姿。そして、さらに、Sport Teamのクールきわまりない提言は、国内の人々だけではなく、ヨーロッパ、その他の地域の人の心にも共鳴する感覚が込められています。「Gulp !」は、サウンド自体が楽しみに溢れていることも一つの大きな魅力ではありながら、自発的な思考を促すようなメッセージ性を持ち合わせているのもまた事実でしょう。

 

 

84/100


 

Featured Track 『Dig!』

 

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