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©James Edson

 

ロンドンのポスト・パンクバンド、High Vis(ハイ・ヴィス)が2024年最初のシングル「Mob DLA」をリリースした。

 

このバンドにしては硬質なメタル風のナンバーとなっている。人好きのしないような無骨さだが、その底にはメラメラと熱がこもっている。彼らの本質から目を背けない姿勢に称賛を贈るより他ない。

 

「何年にもわたる公共サービスの削減は、英国のコミュニティに壊滅的な人的影響を及ぼして来た。人々は援助の必要性を正当化することを余儀なくされ、生涯続く障害に対する支援の適格性を精確に監視するため、非人間的なテストに耐えねばならない。疎外されたコミュニティは自活することを余儀なくされ、標的を絞ったメディアの中傷キャンペーンにより中傷される」

 

「これはすべて、政治家や産業界のエリートやその取り巻きのボーナスや給料が増え続ける裏側で起きている。私は自分の家族を見てきた。自分らに不利なように設計されつつある世界で、自分の居場所を見出そうとする人々のストレスと不安は手に取るようにわかる。そして、そのような状況下で、私は、無視され続けるコミュニティ活動の力を目の当たりにしてきたんだ」

 

「Mob DLA」

 

Honeyglaze


ロンドンを拠点に活動する3人組、Honeyglazeが、リード・シングル「Don't」と共に、セカンド・アルバム『Real Deal』を発表した。 「Don't 」は、2022年のセルフタイトル・デビューアルバムに続くReal Dealの印象的な名刺代わり。

 

フロントパーソンを務めるアヌースカ・ソコロウは、「私の大好きなデスティニーズ・チャイルドの曲『bills, bills, bills』(無駄な男とはおさらばとの歌)をベースにした『Don't』は、特にひどい恋愛が終わった後に書いた。攻撃的で直接的であることは、時にとても楽しいよ」


クラウディウス・ミッテンドルファー(Parquet Courts、Interpol)とのレコーディング中、ソコロウのパフォーマンスは彼女自身のバンドメンバーを驚かせた。若手バンドとは思えないほどの不敵なふてぶてしさが彼らの特徴でもある。下記のコメントを見てもそのことは瞭然だ。

 

「レコーディングスタジオのコントロール・ルームに座っていたときのことを鮮明に覚えている。雰囲気は穏やかで、少しだけ疲れていた。ヌーシュはヴォーカル・テイクを録るためにお茶を飲みながら、ちょうどライブ・ルームに入ってきたところだった。クラウディウスは、クレイジーなボール&ビスケット・マイクをセットして、かなり攻撃的なコンプレッサーをかけたんだ。ミドル・ファーム・スタジオにいる間、毛のない猫よりも実は彼女が一番怖かったよ」


Honeyglazeは、12月3日のヴィレッジ・アンダーグラウンドでの公演を含め、グラスゴー、マンチェスター、ブリストル、パリ、ベルリンなどでのUK/EUツアーも発表している。

 

 

「Don't 」

 

 

 

Honeyglaze 『Real Deal』

 


Label: Fat Possum

Release: 2024/09/20    

                
                       
Tracklist :   

                       
                           
1.Hide

2.Cold Caller

3.Pretty Girls

4.Safety Pins

5.Don’t

6.TMJ

7.I Feel It All

8.Ghost

9.TV

10.Real Deal

11.Movies

 

 

 Pre-order: https://honeyglaze.ffm.to/dont.OYD


 



ブリストル出身のパンクトリオ、Mould(モールド)は2023年にデビューシングル「Birdsong」を引っ提げて登場し、パンクシーンの新星と目されるようになった。


モールドは今回、イギリスのインディペンデントレーベル、Nice Swan Recordingsと新しい契約を結び、2ndシングル「Cables」を発表した。(曲のストリーミングはこちら)


「"Cables "は、何の計画もなくブリストルからロンドンに引っ越してきて、一体何をすればいいんだろうと思った後に書いた。この曲は、方向性がなく、目的もない。しかし、方向性がなく、目的もないことがどれほどエキサイティングだったかを歌ってる。ケーブルの話でもあるんだ」

 


「Cables」

 

©Amy Fort

Colaがニューシングル「Albatross」をリリースした。6月14日に発売される『The Gloss』からのニューシングル。

 

モントリオールにルーツを持つバンドColaは、元OughtのメンバーであるTim Darcy「ティム・ダーシー)とBen Stidworthy「ベン・スティッドワーシー)によって結成された。新進気鋭のポストパンクトリオとして注目。彼らは現在破竹の勢いで快進撃を続けるFire Talkに所属している。

 

Colaのメンバーは、U.S.ガールズやブロディ・ウェストなど、トロントの活気あるジャズ/エクスペリメンタル・シーンでセッション・ミュージシャンとして活躍し、コラボレーターとしても需要の高いエヴァン・カートライトが、2019年の初練習後に加入。結成当初から、彼らはDischordやSST時代のd.i.y.エチシックを発展させ、ドラム/ベース/ギターのミニマルなパレットから強力なサウンドを生み出し、愛嬌のある一発芸や社会的なコメントを散りばめてきた。


歌詞は繰り返し聴くことで深い意味が見えてくる。デイヴィッド・バーマンの詩によるガレージ風の軽快な文章は、UKのファースト・ウェーブ「ニューウェーブ)やダニーデン・サウンドの軽快な側面と同様にインスピレーションを付与している。その結果、ある時はまばらで詩的であり、またある時はスリリングでフック満載の楽しい時間を呼び起こす。例えば一夜限りの関係を描いた生意気なロマンチック・スケッチは、当てこすりやジャーナリズム・トークに溢れ、セルフ・パロディになりかけている。が、その結果、軽快さと誠実さが見事に融合している。
 

 

最新シングルについて、「この曲は、最終的な形になるまで、いくつかの人生があった」とバンドのティム・ダーシーは声明で説明している。

 

「後のDeep in Viewのツアーでは、歌詞を変えてもっと速いバージョンを演奏した。最終的にスタジオに入った時、ベンのオリジナル・デモを再検討し、スローダウンしてヘヴィなフィーリングを再び取り入れることにしたんだ」

 


「Albatoross」

 

©Vanessa Heins


METZはカナダのパンクシーンを担う存在である。2012年からSUB POPに所属し、在籍13年目に差し掛かろうとしている。彼らのガレージテイスト漂うロックは、現代的なポスト・パンクと結びつき、唯一無二のサウンドに組み上がる。しかし、その中にハイヴズのようなプリミティブなロックの魅力があることは、旧来のファンであればご承知と思われる。METZはアレックス・エドキンス、ヘイデン・メンジーズ、クリス・スロラッチから構成されるトリオだ。

 

バンドは、今週金曜日にSUB POPからリリースされるニューアルバム『Up On Gravity Hill』に先駆けて、最終のプレビューシングル「Superior Mirage」を配信した。この作品は、前作「99」、「Entwined (Street Light Buzz)」、「Light Your Way Home」に続く。ジョン・アンドリュースが監督したミュージック・ビデオも公開された。以下よりチェックしてみよう。


フロントマンのアレックス・エドキンスは声明の中で述べる。「この曲は僕らにとって間違いなく新しい領域で、実現できたサウンドが本当に大好きだ。Linn Drumと自家製サンプルをブレンドして、このアドホックなジャンクヤードドラムサウンドを作ったんだ。バック・ビートを曲の特徴にしようとした。サビの盛り上がりもかなり大きい。ギターの壁で横殴りにしたかった」 

 


「Superior Mirage」

 

©︎Pooneh Ghana

ニューヨークのポスト・パンクバンド、Bodegaは、4月12日にChrysalisからリリースされるアルバム『Our Brand Could Be Yr Life』の新曲「Cultural Consumer III」を発表した。ルカ・バルサーが監督したビデオが公開された。


「"文化的消費者 "は、BODEGAのソングライティングに欠かせないキャラクターになっている」とヴォーカルのベン・ホジーは説明する。

 

「『Cultural Consumer I』は、バンドのソングライティングの声を見つけたような気がする最初に書いた曲だ。文化的消費者とは、文化(ハイ・アートとポップ・カルチャーの両方)を研究することにはまり、それゆえに抑圧されている中産階級のボヘミアンである」


「"文化消費者III "では、彼はニューエイジャーとなり、台湾の瞑想リトリートへ飛ぶために空港へ向かう車の中で、キラー・キュレーションされたプレイリストを爆音で流している。ボブ・ディランと違って、彼は一度も "自由のチャイムが点滅するのを見つめた "ことがない。彼はガラクタを買っているだけなのだ」


「Cultural Consumer III」

 

 

Bodega 『Our Brand Could Be Yr Life』



 

Label: Chrisalis

Release: 2024/01/08

 

Tracklist:

 

1. Dedicated To The Dedicated

2. G.N.D. Deity

3. Bodega Bait

4. Tarkovski

5. Major Amberson

6. Stain Gaze

7. Webster Hall

8. ATM

9. Set The Controls For The Heart Of The Drum

10. Protean

11. Born Into By What Consumes

12. Cultural Consumer I

13. Cultural Consumer II

14. Cultural Consumer III

15. City Is Taken

 

Pre-order:

 

https://bodegabk.bandcamp.com/album/our-brand-could-be-yr-life

 

 


カナダのポストパンクバンド、METZはブラック・マウンテンのアンバー・ウェバーがヴォーカルを務めた新曲「Light Your Way Home」を発表しました。


「"Light Your Way Home "は間違いなく、Up On Gravity Hillからのお気に入りのひとつ。この曲を書くときは、(冬によく聴くように)JesuとLowをたくさん聴いていた。リリックでは、現実を見失うほど愛する人を恋しく思うことを歌っている」とフロントマンのアレックス・エドキンスは言う。


「ドラムを歪ませたり、機械的なスラップを戻したりして、ワイルドで巨大なサウンドを作り出した。この曲のプロダクションの大きさが気に入っている。サウンド的にもリリック的にも、今までに作ったことのないような作品に仕上がった。アンバー・ウェバー(ブラック・マウンテン、ライトニング・ダスト)との仕事はとても素晴らしく、彼女の声がこの曲を別の成層圏へと導いてくれたんだ。コリン・メドレーによるビデオは、曲の雰囲気と意図を完璧に捉えていると思う」


シングル「Light Your Way Home 」はMETZの次のアルバム『Up On Gravity Hill』に収録。バンドの4年ぶりのアルバムは、2020年の『Atlas Vending』に続く作品です。



「Light Your Way Home」

 


ニューヨーク/ブルックリンのポストパンクバンド、グスタフ(Gustavf)がニューシングル「Close」をリリースした。


このシングルは、最近の2枚組シングル「Here Hair / Hard Hair」に続く作品で、Yard Actのサポートとロンドンでのヘッドライナーを兼ねたイギリスでのライブに合わせてリリースされた。


次のアルバム「Package Pt.2」は4月5日にロイヤル・マウンテン・レコードからリリースされる。エリン・トンコンがプロデュースし、Studio G BrooklynとCircular Ruinでレコーディングされた「Package Pt.2」は、2021年のアルバム「Audio Drag for Ego Slobs」に続く。


「Close」

Yard Act 『Where’s My Utopia?』

 


 

Label: Islands / Universal Music

Release: 2024/03/01


Listen/Purchase(国内盤の予約)



Review



依然としてヤード・アクトのシアトリカルなイメージはデビューアルバムから二作目に引き継がれている。オープナー「An Illusion」はリーズのバンドが得意とするジェームス・スミスのスポークンワードを主体とした、ダブ風のトラックにブレイクビーツを交えたサウンドが繰り広げられる。これは、ヤードアクトの新機軸が示されたと言える。ヤードアクトのサウンドにはザ・クラッシュの『London Calling』や『Sandinista』に対する憧憬のようなものも感じられる。イギリスのパブの仄暗く、また奇妙な熱狂性を擁する空気感は『Overload』以来も健在で、ひとまずこのオープナーでデビューアルバムがブラフではなかったことを証明づけようとしている。

 

デ・ラ・ソウルやDr.DREに象徴づけられる古典的なR&Bの系譜にあるオールドスクールヒップホップのターンテーブルのスクラッチやサンプリングをモチーフにした「We Make Hits」は、アルバムのハイライトとなりえる。


ヤードアクトは、そのヒップホップの要素に、ブレイクビーツやドリルの前衛的な手法を交え、一目散にサビへと向かっていく。「俺たちはヒットを生み出す!」というシンガロング必須のサビは、彼らのステートメント代わりであり、ゾンビ風のユニークなコーラスワークが絡みあい、ひときわユニークな印象を及ぼす。米国の深夜番組「ザ・トゥナイト・ショー・ステアリング・ジミー・ファロン」のパフォーマンスでは、ディスコ風のアレンジが施され、複数の女性コーラスがゴージャスな雰囲気を醸し出していたが、このアルバムの収録バージョンは硬派な雰囲気が漂う。サビでの熱狂的な雰囲気はバンドの最たる魅力が現れたと言える。

 

 以降の3曲目「Down By The Stream」ではデビューアルバム時のベースラインが強調された硬派なポストパンクサウンドに回帰している。 旧来よりパーカションの効果を押し出し、最初のアルバムのサウンドに前衛的な効果を及ぼそうとしているが、ちぐはぐな印象を覚えてしまうのは気のせいだろうか。リズムトラックとボーカルがまったくまとまっておらず、ビートやグルーブが断裂している。もし、ビリー・ウッズのようなアブストラクトヒップホップにおける先鋭的な要素を意図している場合は、この指摘は的外れとなるだろうが、歌いやすさと乗りやすさがバンドの魅力であったと考えると、やや難解なサウンドに傾倒しすぎたとも言える。

 

その後もヤードアクトはデビュー時の印象に変化を及ぼそうとする。「The Undertow」ではストリングスをダブサウンドやスポークンワードを取り入れたパンクサウンドに織り交ぜている。部分的には古典的なソウルミュージックの影響も反映されているかもしれないが、これらの複合的なジャンルは残念ながら、化学反応を起こすことなく、線香花火のようにそのスパークが「しゅーっ」と立ち消えになってしまう。一、二年のハードワークのライブツアーの疲弊がトラックには見え隠れする。それは本来のバンドの輝きやスミスのボーカルの生命力を削ぎ落とす結果となっている。

 

しかし、その中でもディスコ・サウンドやミラーボール・ディスコ、あるいは80年代のブラック・コンテンポラリーに根ざしたエンターテインメント性の高いサウンドで、なんとか陽気な雰囲気を生み出そうと試みる。先行シングルとして公開された「Dream Job」は、デビューアルバムの時代のユニークな風味をどこかに残しながら、シアトリカルなサウンドへと転換を図っている。ボンゴのようなワールドミュージックの打楽器を交えつつ、ヤード・アクトは、叫び声を取り入れたりし、コメディー風のサウンドを作り出している。その中に、やはりアースウィンドファイアー等を参考にしたコーラスが入ると、「Boggie Wonderland」のような70年代の空気感が生み出されることもある。しかし、スポークンワードという唯一無二の武器があるとはいえども、それらがなんらかの新しい音楽として昇華されたかどうかまでは分からない。

 

「Fizzy Fish」がギターサウンドをベースに、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の世界へ入り込んだSF的なポスト・パンク。 ヒップホップをベースにしながらも、「パワー・オブ・ラブ」のような懐古的な感覚と未来的な感覚をクロスオーバーするようなユニークなトラックである。しかし、曲の中盤から導入されるコーラスワークはいくらか調子はずれであり、本来の持ち味であるバンドが一体になって迫ってくるようなドライブ感が相殺されてしまっているのが残念。


ただノイジーな展開からダブ風のベースラインの起点とし、いくらか落ち着いた展開に移行する瞬間のスミスのスポークンワードに、この曲の醍醐味が宿っている。もしかすると、あえてアンセミックな展開を避け、全体的に落ち着いたサウンドにしても面白かったのではなかろうか。アウトロでは再び、トラックのイントロのようなノイジーで過激なサウンドへともどるが、これも何かエネルギーがくすぶり続けるような感じで、完全な不発に終わってしまっている。

 

「Petroleum」はヤード・アクトの代名詞的なトラックで、ダブサウンドを基調としたポストパンクをチョイスしている。しかし、この曲でも疲労感が漂う。スポークンワードは本来の切れ味がなく、それは情けない呻きのようにも聞こえる。リズムトラックに関しては入念に作り込まれており、その中にジャーマン・テクノのような新鮮な要素もキラリと光る。ところが、どうしても、それらは何らかの阻害を受けたかのように、なめらかなリズムの流れが途絶え、彼らの本来の魅力である親しみやすさやわかりやすさとは正反対にある難解で奇妙なサウンドに陥っている。これはおそらく、音楽的な選択肢が多すぎるがゆえの苦悩なのであり、それが最終的にはまとまったサウンドではなく、分散的なサウンドにとどまってしまっているのが難点か。

 

続く「When The Laugher Stops」では、女性ボーカリスト、J Pearsonをフィーチャーし、シンセ・ポップを主体とするニューウェイブ風のサウンドだ。表向きの陽気さや楽しさとは別に何かバンドやフロントマンの苦悩のようなものが浮かび上がる。厳密には明言できないが、それは何らかの選択に迷っているという気がし、これがフィーチャーの部分では煌めきがあるのに、メインのボーカルではくすぶっているような印象を覚える。曲そのものは親しみやすく痛快だが、もう少しだけ単純明快でクリアなサウンドを追求してもよかったかもしれない。

 

「Grifter's Grief」はスリーフォード・モッズのようなアウトローな感じのある打ち込みをベースにしたポストパンクサウンド。ここには新鮮な試みが見られ、トロピカルなサウンドやヨットロックのような要素をまぶし、安らいだ感覚を生み出す。ここにもバンドやフロントマンの隠された本音のようなものが見え隠れする。アウトロではブライトンのKEGのように一気呵成に轟音のハードコアサウンドへと猪突猛進する。しかし、残念ながらこれも完璧な不発に終わってしまっている。


表面的には増長や拡大、暴発的なサウンドを行き来するが、アルバムで最も説得力があるのは、それと対極にある「Blackpool Illumination」である。ここにはバンド、ボーカリストとしての進化が示され、そこにはアルバムの他の曲にはない深み、そして、本当のスピリットのようなものが一瞬だけ現れる。この曲が収録されていることが、ファンにとっての救いの瞬間となりえる。

 

Zen FCを離れて、メジャーレーベルのアイランドと契約し、多忙なスケジュールを組み、それを完璧に遂行し、国外のテレビ番組にも出演するようになったヤード・アクト。

 

解釈次第では、彼らはプロフェッショナルで、売れることを宿命づけられた立場にあるとも言える。クローズ曲でも売れるサウンドを生み出そうとしているが、それらのプレッシャーを完全にはね避けたとまでは言いがたい。なおかつ、本作は彼らの本当に理想とするサウンドになったとも明言しかねる。アルバムを聴いていると、何かしら懸念が頭の隅に突っかかっているという気がし、音楽そのものも、核心から次第に離れていくような違和感をおぼえてしまった。

 

単独の素晴らしいシングル「The Trench Coat Museum」が収録されなかったのも不可解である。今回のアルバムのリリースに関しては、多忙な日程でも核心にあるスピリットを誰にも受け渡さなかったアイドルズの『Tangk』とはきわめて対象的な結果となってしまった。切れ味のあるブラックジョークのような精彩味が乏しいのも残念。


才覚に満ち溢れたバンドが過密スケジュールで疲弊する事例があるが、このアルバムほどそのことを証明づけるものはない。バンドはすぐマヨルカ島へ行き、しばらくバカンスをする必要があるかもしれない。


 

 

70/100
 

 

 「We Make Hits」

 


アルバムの発表後、「Dream Job」のほか、「Petroleum」「When  The Laugher Stops」「We  Make Hits」が先行配信されています。

 

©George Brown


リーズのロックバンド、Drahla(ドラフラ)がニューシングル「Second Rhythm」をリリースしました。バンドが自主制作したビデオも同時に公開された。先月リリースされた「Default Parody」に続く『angeltape』のセカンド・シングルとなります。以下よりチェックしてみてください。


ーー今年、Drahlaはセカンドアルバム『angeltape』で待望の復帰を果たす。この作品は、リーズを拠点とするアート・ロックの実験主義者にとって興味深いものであっただけでなく、曲作りのプロセスに影響を与えたのと同じ類の好奇心を持ち、聴衆に興味深い世界を提供する。

 

今作を通じ、ドラフラは従来のメロディックな構造を避け、音楽の可能性の不確実性を受け入れている。そして、2019年に批評家から絶賛されたデビュー作『Useless Coordinates』をリリース後、バンドメンバーが直面した困難な過渡期がいかなるものであったのかを示唆している。

 

「暗く、妥協なきリスニング」と評された衝撃的なイントロダクションは、2017年の『Third Article]』EPの成功、Parquet Courts、Ought、Buzzcocksとステージを共にした経験が反映されている。

 

2023年にマシュー・ベンとジェイミー・ロックハートと録音された「angeltape」は、より内省的で抽象的な自己詳察だ。

 

「核心からずれているのは明らかなんだ/自分の言葉から離れすぎたと感じる」とブラウンは「Lip Sync」で端的に打ち明け、秀抜した芸術的進化を垣間見せる。「angeltape」は5年間のブランクの狭間で繰り広げられた体験のアヴァンギャルドな実録だ。良くも悪くも様々な変化が彼らの仕事と実生活を馴染みのない境地に導いた。もちろん、Drahlaは逆境に屈することはない。創造的に若返ったサウンドで返り咲き、今作を強かに検証する。ーーCaptured Tracks


2019年の『Useless Coordinates』に続く『angeltape』は、4月5日にCaptured Tracksからリリースされる予定です。


「Second Rhyth」 

 

 

アルバム『angeltape』から「Under The Glass」、「Default Parody」「Second Rhythm」が先行配信されている。

 

ニューヨークのBodega(ボデガ)が、サードアルバム『Our Brand Could Be Yr Life』から 「City Is Taken」をリリースしました。

 

ポストパンクバンド、ボデガのリード・ヴォーカルであるニッキー・ベルフィリオは、ニューシングルに込められたテーマについて次のように語った。

 

「”City Is Taken”は、2010年にニューヨークに引っ越した経験を歌ったものです。私は、自分自身と自分の芸術的ロールモデルを、アーティストがどこへ行こうともついて回る、目に見えない儲けの網にかかった高級化の力学として見るに至った。私の視覚的存在は、知らず知らずのうちに破壊の象徴となり、私が創造しようとしたものすべてに対するアンチテーゼとなったんです」


「City Is Taken」には、ルカ・バルサーが監督したミュージック・ビデオも公開された。この映像は、ベンとニッキーがこの曲を演奏する様子を収録している。夜のニューヨークの街中で、商業銀行やチェーン・レストランなど、この街の歴史的な音楽の過去の廃墟前で撮影された。映像は、個人的な地理学と考古学の研究として機能し、バンドによるNYの物語を掘り起こす。


『Our Brand Could Be Yr Life』は、ホジーとベルフィリオの古巣バンド、ボデガ・ベイの2015年にリリースされた自主制作33曲入りLPのフル・リメイクであり、2022年にリリースされたボデガのセカンド・スタジオ・アルバム『Broken Equipment』に続く作品となります。


「Our Brand Could Be Yr Life』は4月12日にクリサリス・レコードからリリースされます。



「City Is Taken」

 

 

Bodega 『Our Brand Could Be Yr Life』



 

Label: Chrisalis

Release: 2024/01/08

 

Tracklist:

 

1. Dedicated To The Dedicated

2. G.N.D. Deity

3. Bodega Bait

4. Tarkovski

5. Major Amberson

6. Stain Gaze

7. Webster Hall

8. ATM

9. Set The Controls For The Heart Of The Drum

10. Protean

11. Born Into By What Consumes

12. Cultural Consumer I

13. Cultural Consumer II

14. Cultural Consumer III

15. City Is Taken

 

Pre-order:

 

https://bodegabk.bandcamp.com/album/our-brand-could-be-yr-life

 



Label: Partisan

Release: 2024/02/16


Listen/Purchase 

 



Review

 


 ロンドンのポスト・パンクバンド、アイドルズが前作のアルバム『Crawler』を発表したのは2021年のこと。

 

彼らのアルバム『Crawler』はグラミー賞にもノミネートされ、マーキュリー賞にもノミネートされた。その後、彼らが過酷なツアースケジュールをこなしたのは、この年に他のブレイクを果たしたバンドと同様である。特に、ライブステージでのアジテーションを交えたジョー・タルボットのマイクパフォーマンスは多くの聴衆を惹きつけるものだった。記憶に新しいのは、2022年の英国の最大級の音楽祭”グラストンベリー”のステージで、ちょうどその数時間前に起こった人工中絶の権利を自動的に保証するものではないとの判決、米国最高裁判所が「Roe v. Wade (ロー対ウェイド裁判)」の判例を覆したことについて言及し、こんなことを言っていた。

 

「彼らは米国の法律を中世に戻したんだ。つまり、中絶が違法行為であるかどうかが決定された。これはすべての母親、すべての女性、それから、母親になるかどうかを選択する権利のためにある法律なんだ」とタルボットはこの最高裁の決定について異議を唱えた後、こう述べた。「オープンマインド、万歳。私の母に万歳。そして、あなたがたひとりひとりにも万歳だ」

 

実は、ジョー・タルボットの母親というテーマはデビュー・アルバム『Brutalism』にも登場し、重要なインスピレーションの源となっている。 3作目のアルバム『Crawler』は、パンデミックの封鎖で落胆している人々を勇気づけるために書かれた。続いて、4作目のアルバム『Tangk』はシンプルに言えば、普遍的な愛について書かれた作品である。驚くほどアグレッシヴな轟音ポスト・パンクが主要なイメージを占めていた『Crawler』に比べると、ダンサンブルなニューウェイブ風のナンバーを交え、アイドルズは、より深みのある音楽を追い求め始めているという気がする。


このアルバムには例えば、米国のジミー・ファロン主演の深夜番組に出演し、「The Wheel」をパフォーマンスした時のように、まるで数万人の観客を前に演奏するような驚くべき迫力やエナジーとは少し異なる音楽性が展開される。それはまた、バンドとしての熟成や円熟味というべきで、マーキュリー賞にノミネートされた時の重戦車のような勢いとは別様の音楽的な核心へと至るプロセスが示されたとも言える。いわば、前作までは外側に放射されていたエナジーが、今作では、地球の近くのコアに向けて放たれるかのように、次世代のパンクサウンドのエナジーが内側へ、さらに内側へと向かっていき、地球の地殻の最深部へと迫っていくのである。

 

一見すると、これは、アイドルズに対して、ポストハードコアパンクのイメージを抱いていたリスナーにとっては、彼らが意気消沈したか、ちょっと後退したように感じられるかもしれない。しかし、実際はそうではない。レディオ・ヘッドのプロデューサーとして知られるナイジェル・ゴッドリッチを招いた『Tangk』は、ディスコやニューウェイブ、マンチェスターの80年代のFactoryを中心とする象徴的なダンスムーブメントの音楽をベースにし、彼らなりの2020年代のポスト・パンクの理想像をリアルに描いている。そしてそれはタルボットが語っている通りで、「踊りによって人々を喜ばせ、人生に必要な愛を伝える」という2021年からの一貫したテーマが奔流している。

 

アルバムのオープニングは予兆のような感じで始まり、彼らとしては珍しくピアノを導入し、現代音楽や映画のオープニングのような効果を導入している。そして、彼らの代表曲「The Wheel」の続編「Gift House」でフックの効いたポストパンクを期待するリスナーの期待に応える。


しかし、ポストハードコアサウンドの印象が強かった「The Wheel」のラウドな感じを残しつつも、ダンス・ロックを基調にしたグルーヴィーなトラックが展開される。これは、イギリスでディスコ・サウンドやダンス・ロック(2000年-2010年代を象徴するアークティック・モンキーズ、キラーズ等が示した)の影響を絡めた次世代のイギリスのロック・ミュージックを展開させる。それは「ポスト・ダンスロック」とも称すべき、最もモダンなスタイルが刻印されている。ナイジェル・ゴッドリッチのプロデューサーの手腕は傑出しており、徹底して重低音を生かしたラウドロック・バンドとしての性質をこの上なく魅力的な形でパッケージしている。

 

特に、バンドとしての著しい進化を象徴付けるトラックとして「POP POP POP」が挙げられる。彼らは新たにロンドンのベースメントのクラブミュージックを吸収し、UKグライム、ガラージ、ブレイクビーツ、UKラップまでを取り入れ、新しいダンスロックの形を提示している。ロンドン近郊のダンスフロアで鳴り響いているようなリアルなクラブ・ミュージックを反映させ、それらを近年にないほど洗練させている。


ここに重要なテーマである「人々を踊らせる」という彼らの意図がわかりやすい形で反映されている。その中にはノッティンガムのスリーフォード・モッズが好むようなアンダーグラウンドなクラブ音楽の性質が含まれている。


そしてシンセの効果を背景に、タルボットは従来になく、ふてぶてしさを見せ、スポークンワードにかぎりなく近い歌唱法を披露する。横ノリのクルーヴは、真夜中の歓楽への称賛と言える。それは分離した社会、あるいは制限された世の中に対する痛烈な批評性ーーパンクの姿勢ーーなのである。 

 

バンドサウンドとしての円熟味、そして、ボーカリストとしての成長は、続く「Roy」にも見いだせる。このトラックにおいて、タルボットはソウルに近い渋さのあるボーカルに取り組んでいる。民族音楽のパーカッションを下地にしたイントロから、意外にもプログレッシヴ・ロックに近いダイナミックな展開力を見せる。モダンなサイケロックを反映させたギター、そしてシンセの兼ね合いはピンク・フロイドの初期のサウンドを思わせる。しかし、単なるフォロワー的なサウンドと堕することがないのは、タルボットのボーカルの歌い方にその理由が求められるのかもしれない。彼は、ノーザン・ソウルの古典的なソウルシンガー、オーティス・レディングになりきったかのように、味わい深い叙情的なボーカルで、実験的なサウンドをリードしていく。多様な音楽ジャンルがフロントマンの声を取り巻くかのように奇妙な形で渦巻いている。

 

プログレッシヴ・ロックやポスト・ロックに近い形はインストゥルメンタルという形で次の曲に昇華される。ピアノとサイケデリックなギター、アンビエントに近い抽象的なサウンドによって、中間部に起伏をもたらし、聞き手を飽きさせない工夫を凝らしている。

 

アンティークな感じのピアノの音色は、現代という時間軸を離れて、中世の時代に迷い込んだかのようなシュールレアスティックな音像空間を作り出す。この曲にもゴッドリッチのプロデューサーとしての卓越した手腕が示され、アルバムの中にストーリー性をもたらそうと試みる。 そしてアイドルズの音楽の表向きの印象を形作る射幸性とは対極にある「聞かせる音」を提供している。もちろん、これは彼らの音楽の美学が目に浮かぶような形で表現されたと言える。

 

ダンスというテーマは他のトラックにも見出せる。アース・ウィンド・アンド・ファイアーの「Boggie Wonderland」のようなソウルフルなエンターテイメント性を重視したイントロのストリングスから始まる「Dancer」は、彼らが次の段階へと歩みを進めた証拠だ。この曲ではダンスロックの代表格、LCD Soundsystemをコラボレーターに選び、ヒップホップのダンスロックバージョンと洒落込む。しかし、その後に展開されるのは、やはりアイドルズの代名詞的な無骨なポスト・パンク。


これらのゴツゴツとした玄武岩のような感覚は、タルボットのスペイン語やポルトガル語を意識したシラブルにより、フレッシュな印象をもたらす。かつてジョン・ライドンがドイツ語の音節を英語の中に取り入れたように、彼は南欧の言語性を英語の発音の中に取り入れている。それはラテン語の源流に迫るかのようであり、旧来になかったサウンドが生み出された証拠である。ここにアイドルズの表向きには見えづらいインテリジェンス性をうかがい知ることが出来る。

 

特に、意外だったのは続く「Grace」。この曲では、The Whoの「Baba O' Riley」のソングライティングを継承し、それらをビート感の強固なポストパンクという形で展開させる。しかし、一見すると、外向きのように思えるサウンドはやはり、奇妙な内省的な感覚に彩られている。そして、The Smith、Stone Roses、Oasis、Blur、Coldplayといった80年代から90年代のブリット・ポップバンドの核心にある音の感覚を鋭い感性によって掴み、マシンビートを背景に、驚くほどセンチメンタルなボーカルを披露する。基礎となる大まかなコード進行は「Baba O' Riley」と同じであるが、ボーカルのスタイルを見ると分かる通り、ジョー・タルボットは神妙な感覚を表現しようとしている。これは無数のライブ・ツアーをこなしてきた中で、彼とバンドが自分たちの奥底にある最も重要なスピリットを誰にも明け渡さなかったことをはっきりと証明づけている。


そしてもちろんアルバムの終盤を聴くと、ハードコア・パンクとしてのバンドの性質が薄められたわけではないことがわかる。ダリル・ホール&ジョン・オーツにちなんだ「Hall & Oates」は、意外にもゴツゴツした岩石のような無骨なポストハードコアで、爆発的なエナジーが枯渇したわけではないことを示す。実際、このアルバムでは「Gift House」とならんで、パンチとスパイスの効いた音楽をお好みのリスナーに、この上ないエンターテイメント性を提供する。パンクバンドとしての性質は「Jungle」にも表れている。この曲では、むしろパンクの源流にあるプロトパンクのサウンドをアイドルズは追い求めている。やはり硬質なカミソリのようなギターとガレージ・ロックのごときプリミティヴな質感が合わさったような痛快なパンクサウンド。

 

 複数のハイライトやライブレパートリーを用意した上で、アルバムの終盤では実験的なサウンドが展開される。「Gratitude」では、Sonic Youthの『Goo』のような骨太のベースラインを受け継ぎ、疾走感のあるポストパンクを提示している。ここにも野暮でプリミティブなものに対するアイドルズのメンバーの愛があり、それは新旧の音楽ファンの表情を綻ばせるものと思われる。


これまで、アイドルズの5人は、ギターロックの代表格とも言えるMy Bloody Valentine(マイブラ)、Yo La Tengoとは一風異なるギターロックの轟音性の可能性を追求し、未来の可能性に賭けてきた。最後のクローズ曲「Monolith」では、プログレッシヴ/ポストロックバンドの未来系を示している。今作のクライマックスで明示されるもの、それはやはり、現代のロックバンドと同じく、電子音楽を反映させた現代的なロックミュージックなのである。

 

 

 

86/100 
 



 

Best Track 「Grace」

  

 

 

 IDLESの待望の新作アルバム『TANG』はPartisanから2月16日に発売。アルバムの先行シングルとして、「Dancer」「Gift Horse」「Grace」が公開されています。

 

 IDLES 『Tangk』:





 『TANGK』は、クレイジーな真実を追求するバンド、IDLESの正しく活気に満ちた5枚目のアルバムである。バンドが想像していたギターの激しい音の響きを擬音で表現したもので、以来、愛に生きることを意味するシンボルに成長した。


かつてIDLESは、強靭な姿勢で永遠の権利者に立ち向かい、個人的なトラウマをリアルタイムで行使することを目標としていたが、新しい活動は、そのような忍耐の果実を提供するために到着した。


ナイジェル・ゴドリッチ、ケニー・ビーツ、そしてIDLESのギタリスト、マーク・ボーウェンが共同プロデュースした『TANGK』からは、反抗的なエンパワーメントのラディカルな感覚が放たれている。フロントマンのジョー・タルボットは、煽情的なポスト・パンクの火付け役という評判とは裏腹に、この10曲の中のほとんどすべての感情を鍛え抜かれたソウルで歌っている。


『TANGK』はラブ・アルバムであり、侵食してくる虚無感を退けるために大声で叫ぶ何かを必要とする人なら、今もこれからも、誰にでも開かれたアルバム。『TANGK』は2024年2月16日にパルチザン・レコードからリリースされた。

Royel Otis




 『Sofa Kings EP』で大成功を収めたロイエル・オーティスがデビュー・アルバム『Pratts & Pain』を本日リリースする。グラミー賞受賞者のダン・キャリー(Foals, Wet Leg)がプロデュースした本作は、サウス・ロンドンのプラッツ&ペイン・パブという居心地の良い場所で丹念に制作された。デュオは、歌詞を完成させ、アルバムの方向性を前進させるために、頻繁にそこに避難した。


 『プラッツ&ペイン』は、信頼と仲間意識によって育まれたロイエル・オーティスの音楽的進化の証である。音楽的には、このアルバムはインディーとサイケデリアをシームレスに融合させ、ファンを魅惑的な旅へと誘い、自発性を謳歌している。


 ロイエル・オーティスは、その核となる2人の絆に揺るぎはない。ロイエルが言うように、「私たちは互いの仲間や創造的相乗効果に喜びを感じている」という。「オーティスの直感と行動を信じることは第二の天性であり、私はそれを心から応援している。互いに支え合うことで、偉大さが生まれる」


 プロデューサーのダン・キャリーの有名なホーム・スタジオの角を曲がったところにあるサウス・ロンドンのパブ、「プラッツ&ペイン」は、ロイエル・オーティスの歴史において重要な位置を占めている。


 2023年初頭にキャリーとデビュー・アルバムを制作する際、幼なじみのオーティス・パヴロヴィッチとロイエル・マデルというオーストラリア出身のデュオは、歌詞を完成させ、最初のLPの方向性を決めるためにパブに出かけた。


「ダンがヴォーカルを録音してくれと頼むと、"30分だけ待ってくれ、プラッツ&ペインに行くから "と言って、パブで一杯やって、ショットを数杯飲んで、歌詞を書き上げたんだ」とロイエルは回想している。


 やがて、それが二人の間でちょっとした評判となり、彼らはこのレコードに『PRATTS & PAIN』というタイトルを名付けることになった。デビューアルバム全体を通して、ロイエル・オーティスはメロディアスでポップなインディーとウージーなサイケの間を揺れ動くが、ひとつのレーンに縛られている感じはほとんどない。ひとつのスタイルやムードが飽きられるとすぐに、サイケデリックな怪しさや不協和音のノイズへとハンドブレーキがかかり、聴く者を飽きさせることがない。2枚のEPの発表を経て、『PRATTS & PAIN』ではバンドの歴史のすべてが1枚のアルバムに集約されている。


 ロイエル・オーティスの曲を作るためのオープンな方程式は、『PRATTS & PAIN』にすべて書かれている。「Velvet」と「Big Ciggie」では、キャリーの11歳になる甥のアーチーがドラムで参加している。最初のシングル「Adored」では、完璧なインディー・ポップ・ヒットを完成させ、「Sonic Blue」では、この根底にあるエネルギーを保ち、鋭いラウド性に彩られたギターをトップに据えている。


 一方、「Velvet」はトーキング・ヘッズのユニークなエネルギーを持ち、「Molly」は不穏で深い雰囲気のスロー・ジャム。しかし、音楽がどのようなサウンド・テンプレートに基づいているにせよ、ロイエル・オーティスの核心は、相互信頼という基礎となるDNAに戻ってくる。ロイエルは言う。「一緒にいて楽しいし、難しいことはない。私はオーティスの考えを信頼している。



Royel Otis 『Pratts & Pain』 /  OWNESS PTY LTD



 ロイエル・オーティスは2019年にシドニーで結成された若手バンドであるが、すでに、ロンドンとマンチェスターのメディアを中心に注目を受けている。

 

 もちろん、オーストラリアという土地が英国人の移民が多いことを鑑みると、イギリスのリスナーがロイエル・オーティスの音楽にちょっとした親近感を見出すのは当然なのではないだろうか。そして彼らがロンドンでレコーディングし、そして同地のパブの名をタイトルに冠することについてもである。現在は夏のオーストラリアのミュージックシーンの盛り上がりを象徴づけるようなデュオであり、南半球にいる彼らが音楽を提供することは北半球に住む人にとって、春の雪解けを見届けるようなものである。

 

 さて、シドニーのデュオ、ロイエル・オーティスは3枚のEPを発表した後、『Sofa Kings』をリリースし、着々とファンベースを拡大させてきた。とりわけ、全般的な彼らの音楽の評価を高め、そして、ダン・キャリーをプロデューサーに起用するに至った経緯として「Murder on the Dance Floor」がある。このライブセッションは、ロイエル・オーティスがウェット・レッグに近い存在と見なされる要因となった。この曲のおかげでロイエル・オーティスがどれほどクールなバンドなのか、その評判が広まったのだ。 

 

 

 

 

 当時のファンの反応は「かなりクレイジーだった」とロイエル・オーティスはauducyの取材に対して次のように述べている。「私達はそれを始める前に一日リハーサルおこないました」とパブロヴィッチ。「ライブセッションを終えるのに一時間ありましたが、まあ、それが起こるということです」とマデルは付け加えた。

 

「私達はアイディアを検討していて、かなりストレスを感じていた」バンドの最初のアルバムのタイトル曲は、彼らの知名度を上昇させる要因となり、最初のヒットシングルになった。そして、このヒットシングルがどのように生まれたのかを解き明かした。


 ロイエル・オーティスはDMA'sと親しい関係にあるというが、そもそも「友達を利用しようと思った」と言い、「彼らにぴったりな曲を書いてみようと思った」と話している。このことはデュオがコミュニティ性を重視し、自分達の感覚をリアルな音楽としてアウトプットすることを証し立てる。もうひとつ、彼らの音楽を語る上で、日本の映画と漫画の影響があることも付け加えておきたい。ジブリ映画、「AKIRA」といった作品は彼らの音楽にSFと幻想的な要素をもたらしている。他にも韓国のポップカルチャーにも、ロイエル・オーティスの二人はちょっとした親しみを感じているという。

 

 ロイエル・オーティスの『Pratts & Pain』のサウンドは、ダンキャリーがプロデュースを手掛けたということもあってか、Wet Leg(ウェット・レッグ)のオルトポップとSF的な雰囲気を持つ未来志向のポスト・パンクのクロスオーバーに近い。しかし、そこにレコーディングの場所もあいまってか、英国的な匂いのするアルバムである。そして、実際にデュオがサイケ、ローファイ、ポスト・パンク、ネオソウル、プロトパンクという複数の影響を内包させながら、英国のフットボール・スタジアムで聞かれるようなチャントのコーラスを意識していることがわかる。アルバムの冒頭「Adored」は、Nilfur Yanyaの『Pailnless』に収録されていた「stabilise」の影響下にあり、ドライブ感とフックのあるポスト・パンクをよりスタイリッシュに洗練させている。

 

 また、ロイエル・オーティスは、ディスコサウンドとジャミロクワイからの影響を公言しているが、「Fried Rice」は、ダンサンブルなポスト・パンクをイギリス的なテンションで包み込んだかのような痛快なトラックだ。ワイト島のデュオのように脱力感のあるポップセンスと曲の運び方は同様であるのだが、そこにフットボールチームのチャントのようなテンションを付加しているのがかなり新鮮である。タイトルを「Fish & Chips」にしなかったのが惜しいが、少なくともロンドンのパブでギネスかペールエールのパイントを飲み、プレミアリーグの試合を観戦する時のような、熱狂と無気力さと陽気さの中間にある奇妙なワクワクした感覚がこの曲にはわだかまっている。

 

 サイケロック・サウンドからの影響はファンクの要素と合わさり、セッションの内的な熱狂性がパッケージされている。しなるようなギターのカッティングは70、80年代のミラーボールディスコやディスコファンクの要素と融合し、ノースロンドンのGirl Rayを思わせるダンサンブルなナンバーに昇華している。ただインディーポップの要素が強いガール・レイとは対象的にロイエル・オーティスのサウンドはギター・ポップやLAのローファイやサイケロックに傾倒している。それは例えば、Miami Horror(マイアミ・ホラー)のようなスタイリッシュなディスコサウンドという形で展開される。これはまさにウェスト・コーストサウンドの現代版として楽しめるかもしれない。

 

 ロイエル・オーティスのプロトパンクからの影響、Sonic Youthの変則チューニングのギターサウンドの影響は「Sonic Blue」に見いだせる。『Bad Moon Rising』の頃のニューヨークのアヴァン・ロック/プロトパンクを一般的に聞きやすく親しみやすく昇華させ、ドライブ感のあるポストパンクによって展開させる。


 このアプローチは、IDLESと大きな違いはないと思うが、シンセのマテリアルのキラキラした輝き、ボーカルの鮮烈な印象は「TANGK」に匹敵する。全体的にはロサンゼルスの双子のデュオ、The Gardenのような勢いに任せたような適当さと荒削りさがあるが、適度に力の抜けたサウンドはスカッとしたカタルシスをもたらす瞬間がある。疾走感のあるポスト・パンクは炭酸ソーダを飲み終えたときのような清々しい感じに満ちている。

 

 ロイエル・オーティスのサウンドは、その後も変幻自在に基底とする音楽性を少しずつ変化させていき、「Heading For The Door」では、ネオソウルの影響を絡めたインディーポップで聞き手にエンターテイメント性をもたらし、続いて「Velvet」では、70年代のウェストコーストロックをプレミアリーグのチャントのように変化させる。

 

 これらのサウンドがそれほど安っぽくならないのは、彼らがブルース・ロックを何らかの形で間接的に聴いているから。そしてそのイメージからは想像できないような渋さは、ローリング・ストーンズのようなホンキートンクに近くなり、最終的にはSham 69のフットボールのチャントを基調とするUKのオリジナルパンクの源流に至る。言うまでもなく、ライブステージではシンガロングを誘発するはず。これらのサウンドには現在のロンドンのバンドよりもイギリス的な本質が流れているかもしれない。それはもしかすると、デュオの隠れたイギリス的なルーツに迫っているとも言える。 

 

 

「Velvet」

 


 

 6曲目までを前半部とすると、アルバムの後半では、ややこれらの変幻自在なサウンドに変化が見える。

 

 いうなれば、パイントのギネスをしばらくテーブルの上に置いておいた時のような渋い味わいに変わる。「IHYSM」は勢いのあるポストパンクで鮮烈さを感じさせ、「Molly」でもBar Italia(バー・イタリア)の三人が好むようなダウナーなスロウバーナーとして楽しめる。「Daisy Chain」ではウェット・レッグのようなアンセミックなインディーポップとニューウェイブの合間を探り、Indigo De Souzaのデビュー当時の鮮烈さを思わせる。

 

 それらのダサさとかっこよさの絶妙なバランス感覚を持ち、アルバムのその後の収録曲をリードし続けている。ただ本来、ロックやパンクはそういったアンビバレントな感覚を探るものでもあるからそれほど悪いことではない。そのあと、ギリギリの綱渡りのようなスリリングな感覚で曲が進んでいき、「Sofa King」ではダンサンブルなビートに彩られたサイケデリック・ロック、「Glory to Glory」では、The ClashのようなUKのオリジナルパンクをインディーポップから再解釈している。曲のサビの部分にはフックがあり、これらのアンセミックな展開はライブでその真価を発揮しそう。

 

 このアルバムの最も興味深い点は、終盤になればなるほど音楽的な年代が遡っていくような感覚を覚えること。


「Always Always」ではBeach Fossilsがデビュー時に試みたビンテージロックの再現性を再考する。クローズ曲では、ロンドンのHorseyのロックとミュージカルを融合したようなシアトリカルなサウンドで終わる。 そしてまだ何か残っているという気がする。

 

 正直なところ、ロイエル・オーティスの二人が作り出すサウンドは、取り立てて圧倒的なオリジナリティーがあるというわけではないけれど、アルバムの収録曲の随所から、二人の才覚の煌めきと、押さえつけがたいようなポテンシャルも感じ取れる。それはおそらく両者の信頼関係からもたらされるものなのだろうか。しかし、まだ、このアルバムで彼らのポテンシャルの全てを推し量ることは難しいかもしれません。ただ、今週のアルバムの中では、一番真新しさと楽しさがある素敵なサウンドでした。

 

 


85/100




Royel Otis 『Pratts & Pain』はロイエル・オーティスの自主レーベル、OWNESS PTY LTDから発売中。ストリーミング/ご購入はこちら

 


 

Weekend Featured Track「Sonic Blue」





先週のWEFは以下よりお読みください:

Alex-Kurunis

 

ロンドンのポストパンクバンド、Squid(スクイッド)が新曲「Fugue (Bin Song)」を発表した。昨年、バンドは渋谷WWWXと京都メトロで待望の来日公演を行った。


この新曲は、昨年リリースされた2ndアルバム『O Monolith』を引っ提げた北米ツアーに先駆けて発表された。(Reviewを読む)この曲は、ピーター・ガブリエルの所有する「リアル・ワールド・スタジオ」で、長年のコラボレーターであるダン・キャリーとアルバムのセッション中に録音された。


ニューヨークのデュオ、Water for Your Eyesが、今後開催されるスクイッドのツアー日程のサポートアクトを務める。このツアーでは、両バンドのコラボレーション・ツアー・ポスターやスクイッドのカセット・ミックステープなど、ツアー限定グッズが販売される。


バンドのオリー・ジャッジはプレスリリースの中で、「これは昨今の音楽消費の即時性に対する解毒剤なんだ。友人や尊敬する人たちの音楽が収録されている。夜、お気に入りの椅子に座りながら聴くのがベストかもしれない」


 

リーズを拠点とするアートロックバンド、Drahla(ドラフラ)が2019年のデビュー作『Useless Coordinates』に続く作品を発表した。

 

ニューアルバムは『angeltape』と銘打たれ、Captured Tracksから4月5日に発売される。新曲「Default Parody」のビデオとアルバムのジャケット、トラックリストは以下をチェックしよう。


Drahlaは、ヴォーカリスト兼ギタリストのルシエル・ブラウン、ギタリストのユアン・バー、ベーシストのロブ・リッグス、そしてドラマーのマイク・エインズレーからなる。バンドは、マシュー・ベンとジェイミー・ロックハートと共に『angeltape』をレコーディングした。

 

「自分たちが持っていたものをどう再燃させればいいのかわからない、という不安と不確実性があった。絶え間ない変化、相反するアイデアや構成、曲のエネルギーや推進力。再接続、励まし、自由という感覚もあると思う。私たちが再び一緒に何かを見つけることから生まれる興奮があるんだ」


ニュー・シングルについて、ルシエル・ブラウンはこう語っている。

 

「コントロールされたカオスで、たくさんの異なるアイディアが奇妙な調和を生み出している。ギターにユアンが加わったことで、相互作用がより自由になり、これまでのバンドでの役割から、最初から最後まで何かを書くということに初めて気づいた」

 

「リリックは、シェイクスピアの『to be or not to be』からインスピレーションを得ている。人生の喪失と喪失を伴う人生をナビゲートしている。『To be, I see, what is, to be』は、自分自身との一方通行の解体された会話なんだ。このビデオは、弟のジョージ・ブラウンの協力を得て、僕らが自宅で制作した」

 

 

アルバムからは「Under The Glass」、「Default Parody」「Second Rhythm」が先行配信されている。

 




Drahla 『angeltape』


Label: Captured Tracks

Release:2024/04/05



Tracklist:


1. Under The Glass

2. Default Parody

3. Zig-Zag

4. Second Rhythm

5. Talking Radiance

6. Concrete Lily

7. Lip Sync

8. A

9. Venus

10. Grief In Phantasia

 

 

Pre-order:

 

https://drahla.ffm.to/angeltape.oyd 


 


ロンドンのポストパンク・デュオ、The KVBがニューアルバム『Tremors』を発表。4月5日にInvada Recordsからリリースされる。


Invadaは、ポーティスヘッドのジェフ・バーロウが手掛けるレーベルで、ひときわ個性的な作品をリリースしている。2023年、ミドルスブラのインダストリアル・ノイズバンド、Benefitsの『Nails』をリリースしている。引き続き、The KVBにも注目しておきたい。

 

The KVBはリードシングル「Labyrinths」とミュージックビデオを公開した。アルバム・ジャケットのトラックリストは以下の通り。


「Labyrinths」について、バンドは声明の中でこう語っている。


歌詞は、ホルヘ・ルイス・ボルヘスの短編小説集にインスパイアされたもので、歴史的な主観性、真実の柔軟性、物語の構築について言及している。

デジタル化された自然、CRTスクリーン、アナログなグリッチ・テクスチャーが内臓を襲う。最初のビデオ・シングルは、アルバムのアートワークを反映させ、編集のエネルギーは曲の攻撃性を反映させたかった。


KVBは、マンチェスター/ブリストルでアルバムをレコーディングし、ジェームス・トレヴァスカス(Billy Nomates、RVG)と共に録音した。


テーマ的には、"ディストピア、黙示録、人間の条件”といった前作までのテーマを発展させたが、以前よりも悲観的な見通しと深い不信感を持っている。なおかつまた、喪失感、避けられない変化への抵抗、嘆き、受容といったテーマにも触れている。

 

 

「Labyrinths」


The KVB 『Tremors』


Label: Invada

Release: 2024/04/05


Tracklist:


1. Negative Drive

2. Words

3. Tremors

4. Labyrinths

5. In The Silence

6. Tremors (Reprise)

7. Overload

8. Dead Of Night

9. A Thirst

10. Deep End

 

Pre-order:

 

https://lnk.to/VqzsGbvp 


韓国のパンク・バンド、セーラー・ハネムーンは、昨年デビュー・シングルをリリースしたばかりの有望株。バンドは母国の音楽の社会規範に挑戦を挑み、友情グループにおける有害な関係に焦点を当てたシングルをリリースした。かなりシュールなミュージックビデオも公開された。


「Bad Apple」は、今年5月3日にリリースされる8曲入りのEPの期待感を盛り上げてくれている。ガールズ・バンドによるこのプロジェクトは、即興的に作られた音楽に取り組み、親しい間柄のグループなら誰もが苦労する厄介で入り組んだトークを、ライトでノイジーなポップパンクに昇華させた。


セーラー・ハネムーン特有のフィルターを通さないストレートな歯に衣着せぬ雰囲気は、典型的なK-POPとは明らかに異なる魅力を示している。バンドは、主題とプロダクションに現代的なモチーフを残しつつ、オリジナルの70年代のパンクミュージックの反骨精神を再浮上させようと試みている。


セーラー・ハネムーンの声明は以下の通り。「''Bad Apple''は、友人のひとりがある種の偏屈者であることに気づくことがテーマになっている。自分のためだけでなく、(彼らがいつも批判していた)他の友達のためにも、友達として彼らから離れるための決断をすることについてなんだ」


「Bad Apple」

 



リディア・ガミル率いるブルックリンのポスト・パンク・バンド、Gustavが新作アルバムの制作を発表した 。

 

2021年の『Audio Drag for Ego Slobs』に続く『Package Pt.2』は、ロイヤル・マウンテン・レコードから4月5日に発売される。

 

アルバムはデヴィッド・ボウイの『ブラックスター』を手がけたエリン・トンコンがプロデュースし、スタジオGブルックリンとサーキュラー・ルインでレコーディングされた。アレックス・ロス・ペリー監督による新曲「Starting and Staring」のミュージックビデオは以下からご視聴下さい。

 

 

「Starting and Staring」


Gustav 『Package Pt. 2』


Label: Royal Mountain

Release: 2024/04/05


Tracklist:


1. Statue

2. Close

3. What Does It Mean

4. Starting And Staring

5. I Won

6. Weighing Me Down

7. Here Hair

8. Hard Hair

9. Produce

10. Happiest Thought

11. Ground

12. End Of The Year

 

 Pre-order:

 

https://royalmountain.lnk.to/startingandstaring 

 

©︎Pooneh Ghana

ニューヨークのポストパンクバンド、Bodegaはニューアルバム『Our Brand Could Be Yr Life』を4月12日にリリースする。この発表に伴い、ルカ・バルサーが監督したミュージックビデオ付きのニューシングル「Tarkovski」が公開された。以下よりチェックしてみてください。


『Xtra Equipment』に続く『Our Brand Could Be Yr Life』は、ベン・ホジーとニッキー・ベルフィグリオがボデガ・ベイとして2015年に自主リリースした33曲入りのアルバムを再編集したものだ。


「これらの収録曲は几帳面だったが、同時に積極的にローファイで、瑞々しいブライアン・ウィルソンの叙事詩のように扱われ、スクラップなMacBookのマイクを通して録音された」とベン・ホジーは振り返り、そのプロセスについてこう付け加えた。


「ヒッチコックが『知りすぎていた男』をリメイクした時や、小津安二郎が『浮草物語』をリメイクした時のようにね。年をとって自分の技がうまくなれば、同じ素材をもう一度見直して、違うことをすることができる」


「このテーマは依然として切迫したものなんだ。ギター音楽の企業化という考えは、悪化の一途をたどっていないか。ロックのいうのはそもそも常に表面的なものだったのだろうか? 果たしてロックは常に表面的なものであり、私が若くて世間知らずだったため、理解できなかっただけなのか?」


いや、きっとそうではないはずだ。ベン・ホジーは更にロックに対するレクチャーを続けた。


「1957年のロック・ミュージックを振り返ってみると、そこには信じられないような電気が渦巻いていた。チャック・ベリーは本当に過小評価されている詩人。オリジナルのロックンロールを否定するつもりはさらさらないし、今でも大好きで大切にしている。しかし、それは意図的に表面的なものだった。ティーンエイジャーに売り込み、すぐに捨てられるような商品だった」

 


「Tarkovski」



Bodega 『Our Brand Could Be Yr Life』


 

Label: Chrisalis

Release: 2024/01/08

 

Tracklist:

 

1. Dedicated To The Dedicated

2. G.N.D. Deity

3. Bodega Bait

4. Tarkovski

5. Major Amberson

6. Stain Gaze

7. Webster Hall

8. ATM

9. Set The Controls For The Heart Of The Drum

10. Protean

11. Born Into By What Consumes

12. Cultural Consumer I

13. Cultural Consumer II

14. Cultural Consumer III

15. City Is Taken

 

Pre-order:

 

https://bodegabk.bandcamp.com/album/our-brand-could-be-yr-life 

PROJECTOR

 



Next Preview:


イギリス国内では珍しく観光ビーチを持つ港町ーーブライトンは、若者の街であり、ファッションの街でもある。現在、ポストパンクの最重要地になりつつあるこの都市から登場するトリオがいる。


2018年の結成以来、PROJECTORは頑なに独自の道を歩んできた。フックのあるオルタナティヴロックに鋭利なインダストリアル・ドラム・マシン、そしてロンドンのシーンに触発された熱狂的なポストパンクにみずみずしいメロディを持ち込む。バンドはサウンドの幅広さとポップに対する実験的な姿勢をデビュー時から保持している。トリオはロック界の巨人、クレオパトリック(Cleopatrick)とヨーロッパツアーを行い、BBCラジオ6のスティーヴ・ラマック/エイミー・ラメの番組でオンエアされるようになった。それはこのクラフトに対する自信の賜物だった。


PROJECTORのサウンドを聴けば、現代のポストパンクがどうあるべきなのか、そして何をアウトプットすべきかを熟知しているかは瞭然だ。表現の微妙なニュアンス、現代生活、精神、政治の真の狂気と厳しさについて言及している。(彼らは歌詞について話したがらない)。レコーディングに対して一貫した姿勢を貫いてきたPROJECTORはこの数年、独力でプロデュースとレコーディングを行うことで、クリエイティブなアウトプットの手綱をしっかりと握っている。


PROJECTORのデビューアルバム「NOW WHEN WE TALK IT'S VIOLENCE」は2月9日に自主レーベルから発売が予定されている。三者三様の芸術的な錯乱、攻撃性を持ち寄り、そしてバンドがメインストリームのロック・シーンに殴り込みをかける。ポップなフックの間を軽やかに行き来する。 

 


 

 

ある時は、ジョイ・ディヴィジョン/インターポールを想起させるダークでインダストリアルなブルータリズムに染め上げられたかと思えば、またある時は、Squid風味のハイパーアクティブなラントポップのスペクタクルを織りなす。アルバムのクライマックスは、ドラムマシーンとみずみずしいハーモニーで歪んだアシッドに侵食されたカントリーに傾き、ラナ・デル・レイ風味のコーラスに乗せ、『Incesticide』時代のパラノイアなグランジ・ロックへと飛躍してゆく。


男女の双方のメインボーカルの個性が苛烈なポストパンク性、それとは対照的な内省的なオルトロック性を生み出す。ボーカルにはリアム・ギャラガーのようなフックと親しみやすさがある。かと思えば、それとは対照的にアンダーグラウンドなカルト的な雰囲気を擁する。それはロックの持つ原初的な危険性である。なによりも、バンドのテンションが、ピクシーズの初期のような奇妙な熱気を持ち、曲全般をリードする。それは彼らのライブのリアルなエネルギーを力強く反映している。

 

PROJECTORは、デビューを記念し、2024年2月からUKおよびEUツアーを行う。ツアーの皮切りはノッティンガムで開始を告げ、故郷のブライトン、グラスゴーでのライブが予定されている。


ブライトンの新進気鋭のバンドがこの先どのようなウェイブを巻き起こすのか。それはまだ誰にも知り得ないこと。 

 





「ブライトンのトリオ、プロジェクターは、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインのウォール・オブ・サウンドとピクシーズの刺すような衝動の中間に位置する」-DIY Magazine

 

 



・TOUR DATES:


・2/22

The Bodega Social ClubーNOTTINGHAM


・2/23


The Green Door StoreーBRIGHTON

 

・2/29

The Garage AtticーGLASGOW





PROJECTOR 『Now When We Talk It's Violence』 


 

Label: Projector

Release: 2024/02/09


Tracklist:

 

1.And Now The End

2.No Guilt

3.Dubious Goals Committee

4.Sunshine

5.Don't Give Anything Up for Love

6.Now When We Talk It's Violence

7.Chemical

8.Necessary

9.Big Idea

10.Breeding Ground

11.Tasyes LIke Sarah

 


Pre-order:

 

https://projectorofficial.bandcamp.com/album/now-when-we-talk-its-violence