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◆ MOULD  Bristol up-and-comer explains about making debut EP   -ブリストルの新進気鋭  デビューEPの制作について語る-

 



2023年、イギリス・ブリストルからフレッシュなパンクバンドがインディペンデント・レーベル''Nice Swan''から登場した。Stiff Little Fingersのような荒削りなリフ、エンジン全開で疾走するような爽快感、現代的なポストパンク/マスロックの複雑なリズム、さらには、Green Dayのようなメロディアスな要素を兼ね備えたバンドだ。まだ洗練されていないものの、今後の活躍がとても楽しみな3人組だ。


MOULD(モールド)は、ジェームズ、ジョー、ケインの3人で構成され、以前はそれぞれ別のバンドに在籍していたという。Mouldは最初の出発点であると共に現時点の彼らの''結果''でもあるのかもしれない。昨年末、デビューシングル「Birdsong」をリリースし、瞬く間に注目株の仲間入りを果たした。現在、メンバーのうちひとりはロンドンに、そして残りの2人はブリストルにいる。


バンドはシングル「Cable」、「Glow」の発表後、デビューEP『MOULD』をリリースした。ハードコアパンクやオルトロック、エモなど、彼らの音楽にはパンクに対する普遍的な愛が凝縮されている。


EPのリリース後、イギリスの気鋭のメディア、DORKでは特集が組まれたほか、続いて、彼らの楽曲はBBC 6 Musicでオンエアされた。コアな音楽ファンの興味を惹きつけることに成功している。


今回、彼らにコンタクトを取ったのは、今後どういったバンドになるかわからないところに期待し、現代のどのバンドにも似て非なるオリジナル性の高いサウンドに魅力されたからである。


フランス・パリでのライブを目前に、最も注目すべきパンクトリオの近況やデビューEPの制作について、メンバーにお話を簡単に伺いました。Q&Aのエピソードは下記よりお読み下さい。



ーー最近、あなた方は活動拠点をブリストルからロンドンに移したそうですね。最近の生活はいかがでしょうか?


Mould:  うん。ジェームズは、今ロンドンに住んでいて、ジョーと僕(ケイン)はブリストルにいる。今のところギグが目白押しでなかなか忙しくてね。とにかくEPをリリースできてとても満足しているよ。

 


ーー2023年末に 「Birdsong」でデビューし、今年8月に記念すべきデビューEP 『Mould』をリリースしました。このEPであなたがたが最も表現したかったことは何ですか?  また、どのようなサウンドを目指しましたか?


うーん。実は、特に特定の「サウンド」を追求したわけではなかったんだ。『Mould』に至るまで、実は僕たちは一緒に数々のバンドをやってきたのだから、それがようやくひとつの結果になったという感じかもしれない。僕たちは3人とも同じ音楽に影響を受けていて、音楽的な影響はかなり多岐にわたっている。それを共有しようとした感じなんだ。「注意力の足りない人向け」というキャッチフレーズをどこかで見た覚えがあるんだけど、まさしくそれが僕らの正体でもあるのさ。

 


ーーデビューEP『MOULD』のレコーディングはどうでしたか? 印象的な瞬間はありましたか??


Mould : EPのレコーディングは本当に楽しかった。ハイライトは、ロンドンのスタジオでハッリ・チェンバースと『Glow』をレコーディングしたことかな。EPの最後に収録されていて、4曲の中で一番気に入っている。ハリーとのレコーディングは最高だった!! 大きな屋上で演奏できたし、角を曲がったところにあるカフェでは巨大なオムレツが食べられたしね。理想的だったよ!!


ーーMOULDの曲作りの秘密をこっそり教えてもらえますか? 曲作りがどのように始まり、洗練されていくのか、そのプロセスについて知りたいです。


Mould: うーん、本当に曲によって変わるからなんとも言いがたい。僕(ジョー)がアイデアを持ってリハーサルに持ち込んで、それを一緒に曲にしていくこともある。

 

または、完成間近の曲を持ち込んで、皆で仕上げをしていくこともある。例えば、『Cables』は私が書いて、かなり完成された状態で持ち込んだ曲だし、『Glow』はケインのベースラインから始まった曲で、フル・ソングになるまで一緒に作業したんだ。


だから、曲作りには特定のやり方はなくて、何が上手くいくかをじっくり見ていくだけなんだ。僕たちはとてもラッキーなことに、一緒に部屋で音楽を演奏したりすることが大好きなんだ。リハーサルではたいてい、新しいアイデアのボイスノートが詰まった携帯電話を何台も持って出てくるよ。

 


ーーデビューEPを聴くと、現時点のMOULDのサウンドは、パンクからオルタナティヴロックまで、すべてを網羅しているように感じられました。普段皆さんはどんな音楽を聴いているのか教えていただけますか?


そうだね。パンク系(パンク、ハードコア、ポストパンク、ポストハードコア、マスロック、ポップパンクなど)が多いけど、結構何でも聴くよ。今はヒップホップとブラジリアンソウルを聴くことが多いかなあ。

 


ーーさて、デビューEP『MOULD』のリリース後、あなたたちはイギリスのメディアで取り上げられるなど、少なからず注目を集めるようになりましたね。将来、どんなバンドになりたいか、今後のビジョンはありますか?


たくさんのアルバムを出して、ゆくゆくはジャパン・ツアーをするようなバンドになれたらいいと思っているよ! 新曲も山ほどあるし、早く次の作品をリリースしたくてウズウズしているところさ!!

 

OUTSIDE/INSIDE SESSIONS

 


MOULD 『MOULD』EP      Now On Sale!!

  



Label: NICE SWAN

Release: 2024年8月2日

 

Tracklist:

 

1.Cabel

2.The Space You Take Up

3.Bird Song

4.Glow



 

◆Episode In English

 

 In 2023, a fresh punk band from Bristol emerged from ‘’Nice Swan‘’. The band ”MOULD” combines the rough-hewn riffs of Stiff Little Fingers and the exhilaration of a engine running at full throttle, the complex rhythms of modern post-punk/math rock, and the melodic elements of Green Day. This is a three-piece with a very promising future.


MOULD may be both a starting point and the result of the moment. After releasing their debut single ‘Birdsong’ late last year, they quickly became one of the hottest names in the game. Currently, one of the members is in London and the other two in Bristol.


The band released their debut EP, 『MOULD』, after the release of the singles ‘Cable’ and ‘Glow’. Their music is filled with a universal love of punk, including hardcore punk, alt-rock and emo.


Following the EP's release, the band were featured in the UK media DORK, and their music was subsequently aired on BBC Radio 6. They have succeeded in attracting the interest of core music fans.


We contacted them this time because we had high hopes for what the band would become and were attracted by their highly original sound, which is unlike any other band of the modern era.


Ahead of their upcoming live show in France/Paris, we were able to speak briefly to the band members about the most notable Punk Trio's recent developments and the making of their debut EP.

 

Please read the Q&A episode below.




--I understand that you have recently moved your base of operations from Bristol to London. How is life these days?


Mould:  We’re actually a hybrid of Bristol and London at the moment, James is living in London whilst Joe and I (Kane) are nestled away in Bristol. 

Life is grand, we’re busy boys at the moment with plenty of gigs on the horizon, and chuffed with the EP being out in the wilderness. 

 


--You debuted late last year with the release of "Birdsong", followed by your debut EP "Mould". What did you want to express with this EP? And what kind of sound did you aim for?


Mould: We didn’t go for a ‘sound’ particularly, we’ve been in many bands together leading up to Mould, It’s very much us, playing what we like at each other. We share the same influences and they’re pretty eclectic, we love a concise punky tune.. “for the short attention spanned” I’ve seen written somewhere. That we are. 

 


--How was the recording of your debut EP? Were there any memorable moments?


Mould: We had a great time recording the EP, the highlight would probably be recording Glow with Harri Chambers at his studio in London. It was the final one we did for the EP and it's our collective favourite of the four. We had the best time recording it with Harri - was a big fun day, big rooftop for us to play on and gigantic omelettes from the caf round the corner. Ideal. 



--Can you give us a sneak peek into MOULD's songwriting secrets? I would like to know about the process of how songwriting begins and is refined.


Mould: It changes song to song really. Sometimes I'll (Joe) have an idea and will bring it to rehearsal and we'll turn it into a full song together. Sometimes I might bring in a nearly finished song and we'll just work it out together/put the finishing touches to it. For example, Cables was one I wrote and brought in pretty fully formed and Glow was one that started with Kane's bassline and we worked on it together until we had a full song. 


So no set method really, we just see what works - we're quite lucky in that being in a room together playing music, or otherwise is our favourite thing to do and we usually manage to come out of a rehearsal with a few phones full of voice notes of new ideas.

 


--From listening to the debut EP, it seems that MOULD's sound currently encompasses everything from punk to alternative rock. Can you tell us what kind of music you usually listen to?


Mould: Yeah there's a lot of punk stuff (punk, hardcore, post punk, post hardcore, math rock pop punk all that stuff etc) but we'll listen to absolutely everything. Lots of hip hop and Brazilian soul at the moment. 

 


-- After the release of your debut EP, you guys got a lot of attention, including being featured in the UK media. Do you have any vision of what kind of band you would like to become in the future?


Mould: Hopefully one that puts out lots of albums and gets to tour Japan! We've got stacks of new music on the way, can't wait to start pumping it out.

Interpol


Interpol(インターポール)のセカンドアルバム『Antics』は今週金曜日(9/27)で20周年を迎える。これを記念し、20周年エディションが発売される。

 

Interpolのメンバーはイギリス出身だが、ニューヨーク大学在学中に結成された。いわば、イギリスとアメリカの気風が混在する、どのシーンにも属さないバンドだ。

 

インターポールは、アークティック・モンキーズとほとんど同時期に登場したが、ゴシックパンク的な音楽性は、2000年代当時にデビューしたロックバンドの中でもかなり異彩を放っていた。いわばインターポールの存在は、20年後のポストパンクの流行を先取りするものだった。

 

デビューから20数年を経てリマスターされたオリジナルアルバムに加え、『Antics』拡張版には、2005年9月22日にメキシコ・シティの「パラシオ・デ・ロス・デポルテス」で行われたインターポールのライヴ音源が収録される。LP3枚組には、30ページのフォトブックも付属する。パラシオ・デ・ロス・デポルテスでのライヴから「Slow Hands」を演奏する様子は以下から。


インターポールは今年、12月3日、4日のニューヨークのブルックリン・スティールでの2夜を含む、ヨーロッパ、イギリス、アメリカで『Antics』をフルで演奏する。そろそろ単独来日公演を期待したい。

 


「Slow Hands」
 

 

 

 


Interpol 『ANTICS』

1. Next Exit

2. Evil

3. Narc

4. Take You on a Cruise

5. Slow Hands

6. Not Even Jail

7. Public Pervert

8. C’mere

9. Length of Love

10. A Time to Be Small

11. Direction (Digital-only, not included in 3xLP box)



INTERPOL LIVE @ PALACIO DE LOS DEPORTES 2005 

 

1. Next Exit

2. Say Hello to the Angels

3. Narc

4. A Time to Be Small

5. Slow Hands

6. Public Pervert

7. Not Even Jail

8. Leif Erikson

9. Evil

10. Obstacle 1

11. Take You on a Cruise

12. PDA

13. NYC

14. Stella Was a Diver and She Was Always Down

15. Roland

 


 『The Antics: 20th Anniversary Edition』は、アルバム、30ページのフォトブック、そして2005年に行われたインターポールの伝説的なPalacio de los Deportesコンサートの完全録音を収録した3xLPボックス・セット。ボックスの予約は本日より開始され、11月14日に締め切られる。配送は2025年初頭を予定している。



 2004年にリリースされた『アンティクス』は、彼らの世代で最も影響力のあるバンドのひとつとしてのインターポールの地位を確固たるものにした。このアルバムのダークでアトモスフェリックなサウンドスケープとフロントマン、ポール・バンクスの特徴的なヴォーカルは、「Slow Hands」、「Evil」、「C'mere」といった象徴的な楽曲を生み出し、「Antics」は世界中のファンの共感を呼び続け、モダン・クラシックとしての地位を確固たるものにしている。


 ニューヨークで結成されたインターポールは、ポスト・パンク、シューゲイザー、ダーク・ウェーブの影響を独自にブレンドし、瞬く間に頭角を現した。デビュー・アルバム『ターン・オン・ザ・ブライト・ライツ』は批評的にも商業的にも大成功を収め、オルタナティヴ・ミュージックにおける一大勢力としての地位を確立した。2022年7月にリリースされた『The Other Side of Make-Believe』を含む7枚のスタジオ・アルバムをリリースし、高い評価を得ている。

KEG

ブライトンのユニークな7人組のポストパンクバンド、KEGは、冬のさなかに海岸で寒中水泳をするような愛すべき人々であり、ポスト・パンクをひねりすぎて一回転してしまったバンドだ。

 

彼らのユーモアセンスには定評がある。それは生真面目なポスト・パンクシーンの中にあって、救いのようなものを意味する。KEGは、タイトル未定のデビュー・アルバムをAlcopop!から来年リリースされることを発表した。リード・シングル「Sate The Worm」も同時に配信中。


このアルバムは、最近リリースされた「Michael Phelps」と「Quip Quash」に続くもので、バンドの特徴である重層的なポストロックに、オルタナティブなテクスチャーとオーケストラの華やかさを融合させたものとなっている。


LPの1曲目について、KEGは謎めいたコメントを残している。「ワームは、人の骨の奥深くに寄生する生命力だ。この虫を殺すと、絆を深めようとするあまり、自分の深い秘密を同僚に打ち明けることになるかもしれない。路上で叫ばなければならない思い出や、不安のうずまく感情は、この下等な虫の餌となる」



「Sate The Worm」

 

The Murder Capital

アイルランドのロックバンド、The Murder Capital(マーダー・キャピタル)が、2024年最初のニューシングル「Can't Pretend to Know」をリリースした。この曲は、今年初めにロサンゼルスでプロデューサーのジョン・コングルトンとレコーディングされた。以下よりチェックしてみてください。


「"Can't Pretend To Know "は、色彩と息苦しさのハリケーンのように感じられるように作った曲の鞭だ」とフロントマンのジェイムズ・マクガヴァンは声明で語っている。

 

「子供時代の無邪気さと、その代わりとなるもの、青春の奇妙な道を進むときに私たちが燃やす繊細な橋をシュールなかたちで表現している。私たちが接触するすべてのものによってそれらは形成される。おもちゃから教訓を学んだり、求められる役を演じたり」


「Can't Pretend to Know」

 

Benefits


ミドルスブラのBenefitsがニューシングル「Land Of The Tyrants」を発表した。90年代のエレクトロソングに依拠しているが、キングズレイ・ホールのスポークンワードが独特な緊迫感を帯びている。


スティーヴ・アルビニの追悼のために公開されたBIG BLACKのカバー「The End of the Radio」と同様に、明確なシャウトはないが、ジェフ・バーロウ(Portishead)のレーベル''Invada''からのデビューアルバム『Nails』と変わらず、リリックには内的な怒りが込められているようだ。


ベネフィッツは昨年、デビューアルバムの発表後、グラストンベリーに急遽出演した。NMEによると、その後ベネフィッツはドラマー交代(最初は女性ドラマーが在籍していた)を経て、現在はフロントマンのキングスレイ・ホールとエレクトロニクスの名手ロビー・メジャーの2人組の編成に落ち着いた。デュオとして初の新曲を披露したベネフィッツは、最初のアルバムで捉えた魅力を維持させながら、新しい音楽的領域へとサウンドを押し進めたいと語っている。


その結末がニューシングル「Land Of The Tyrants」で、キングズレイ・ホールが現代生活やアイデンティティの操作に対する不満を、アンダーワールドを彷彿とさせる90年代のダンス風のリズムに乗せて吐き出す。


このシングルリリースと合わせて、ティーサイドの映画監督ジョン・カークブライドが監督した、80年代の映画『ロング・グッド・フライデー』からインスピレーションを得た、洗練された新しいビデオが公開済み。キングズレイ・ホールはこのミュージックビデオについて次のように説明している。


「僕はボブ・ホスキンスになりきるのは苦手だけど、ロビーはピアース・ブロスナンになりきるのは驚くほどうまいのさ。ボンド映画を作る人たちが連絡を取りたければ、僕らのDMはいつもオープンだよ。『ロング・グッド・フライデー』のラストシーンを再現したいとか、真夜中に馬鹿げたアイデアを思いつき、それが数日後、ラップトップのスクリーンで、ちょっといびつなエッジを残しながら具現化するのを見るのは、本当に嬉しいものだよ。私たちの素晴らしい友人であるマーティン・フォックスは、素敵なモーターである彼の車を私たちに貸してくれた」



「Land of The Tyrants」



 

©︎Brage Pederson

ロンドンのポスト・パンクバンド、High Vis(ハイ・ヴィス)は、近日発売予定の次作アルバム「Guided Tour」からニューシングル「Drop Me Out」を発表した。以下よりチェックしてみよう。

 

このシングルは、「Mob DLA」と「Mind's a Lie」のフォローアップとなる。バンドの持ち味である硬派なパンクサウンドを堪能出来る。High Visのサウンドは、80年代のUKハードコアからのフォードバックも含まれており、インダストリアルでメタリックなテイストを漂わせる。


2022年の『Blending』に続く『Guided Tour』は、11月18日にDais Recordsからリリースされる。


「Drop Me Out」
 


 

Honesty

イギリス/リーズを拠点に活動するポストパンクバンド、HONESTY(オネスティー)がデビューアルバム『U R HERE』を2025年2月7日にリリースすると発表した。


昨年の『WHERE R U EP』、今年の『BOX mix』に続き、『U R HERE』の最初のテイストは、推進力のあるニュー・シングル/ビデオ「MEASURE ME」。


流動的で爽快なクラブ・ミュージックのコレクションに、深く内省的なひねりを加えた''U R HERE''は、現代の心理的影響を音によりマッピングし、新たな始まりに伴う活力と自由を利用しようという、HONESTYによる斬新なチャレンジでもある。彼らの幅広い実験的な影響力を基に作られたU R HEREは、時に崩壊しそうな世界の中で、新たな創造的表現の感覚を表現している。


デビュー・アルバムについて、HONESTYはこう語っている。「このアルバムは、二次会でAUXケーブルを回すような、有機的な共同作業になった。シューゲイザーからUKベースラインにいたるまで、かなり幅広い音楽にインスパイアされたから、ひとつのジャンルにとらわれないようにしようと決めたんだ。リスナーには、自分たちだけのサウンドスケープの地図を自由に歩き回りながらも、''U R HERE''というピンポイントを明確に示すような感覚を味わってほしかった」



「MEASURE ME」






HONESTY  『U R HERE』



Label: Partisan

Release: 2025年2月7日


Tracllist:

1.NO RIGHT 2 LOVE 

2.WWWWW?

3.U&I 

4.MEASURE ME

5.U R HERE

6.TORMENTOR

NORTH

EMPTY

9.NIGHTWORLD.

10.PITY

 

Lambrini Girls
Lambrini Girls

不気味な一角からのポスト・パンクの投石。ガレージ・パンク風の不穏なギター、皮肉を交えたボーカルが縦横無尽に飛び交う。表面的な派手さとは裏腹に、ランブリーニ・ガールズは暗く湿っぽい冷笑に浸されたポストパンク・ソングで、次世代のパンクシーンを塗り替えようと目論む。

 

ブライトンのポストパンクデュオ、Lambrini Girls(ランブリーニ・ガールズ)が、政治色の強いパーティー・スターターとして「Company Culture」を発表した。この曲は、最近リリースされた「God's Country」と「Body of Mine」に続く作品で、今回は有害な職場環境の陰湿な性質に取り組んでいる。このシングルのコンセプトについて、バンドはこうコメントしている。

 

「白人の中年男性が自分のアイデアを評価される一方で、2倍働くことにうんざりしている?ハラスメントを報告するのが怖い?衝突を避けるために常に二の足を踏んでいる?もしイエスと答えたなら、あなたはおそらく女性かクィアの人でしょう」


ランブリーニ・ガールズは、多くの女性やクィアな人々が職業生活で直面する「キャッチ22」について、次のように指摘する。


「そして、もし、成功すれば、あなたは詐欺師のように感じるでしょう。どんなに頑張っても、相手にされない。上司はあなたとヤリたがっていて、人事部はあなたをヒステリックだと思っている。文句を言わなければ煙臭いキッチンに逆戻り。さあ、ボーイズ・クラブへようこそ」


「Company Culture」


ロンドンのポストパンクバンド、ハイ・ヴィス(High Vis)が三作目のアルバム「Guided Tour」を10月18日にDais Recordsからリリースする。無骨なパンクサウンドを売りとするハイ・ヴィスは今回、ベースメントのクラブミュージックを取り込むことで、全く別のバンドへと生まれ変わろうとしている。


5人組は「Mob DLA」で新時代を幕開けを告げた。ダンスフロアの推進力とスタジアム・ロックのアンセムを行き来する新曲「Mind's A Lie」でも、感情を揺さぶる、社会政治的なメッセージは続いている。


サウス・ロンドンのプロデューサー/DJであるエル・マーフィーのヴォーカルと、リード・ヴォーカルのグラハム・セイルの擦れたヴォーカルが並置されたこのトラックは、ハウスやガレージを連想させる一方、過去のアルバム(2019年の「No Sense No Feeling」や2022年の「Blending」)のパンク・ポエティックな感触を保持している。憤懣やる方ない気持ちもHigh Visの手にかかるや否や、ストリートの匂いを吸い込んだ魅惑的なポストパンクへと変化してしまう。


「Guided Tour」でハイ・ヴィスは新たな高みへと舞い上がる。プロデューサーのジョナ・ファルコと常連のコラボレーター/エンジニアのスタンリー・グラベットとともにロンドンのホーリー・マウンテン・スタジオで数週間にわたりレコーディングされたアルバムの11曲は、"経験、仲間意識、社会的不満によって研ぎ澄まされた現代ギター音楽のスペクトラム "に及んでいる。


シンガーのグレアム・セイルは、彼らのサード・アルバム『Guided Tour』を競合する力の軸と表現している。

 

「希望に満ちたアルバムであると同時に、激しい作品でもある。ドラマーのエドワード・'スキー'・ハーパー、ベーシストのジャック・マンカスター、ギタリストのマーティン・マクナマラ、ロブ・ハマーレンを中心に、イギリスとアイルランドのDIYハードコア・シーンに深く根を下ろしたバンドは、落ち着きのなさと正しい怒りに等しく触発され、地に足をつけながらも成長を続けている。セイルが言うように、「誰もがスクラッチをしていて、いつも働いていて、彼らの考えるリラックスとは、ただファックして現実逃避することだ。このアルバムはそこからの逃避なんだ」


「Mind's A Lie」は、ウェールズのムーブメント・アーティスト、セム・オシアンを主演に迎え、マルティナ・パストーリが脚本・監督を手がけ、サウス・イースト・ロンドンで撮影されたシネマティック・ビデオとともに到着した。ストリート・レベルの硬質なビジュアルは、階級格差、孤立、孤独を探求するアルバムに命を吹き込んでいる。

 

 

 「Mind's A Lie」

 


上記のミュージックビデオについて、ボーカリストのセイルはこう語っている。「ポジティブで建設的なエネルギーのはけ口がないと、ネガティブな習慣に支配されてしまうことを見たかったんだ。”精神的な健康の提供”という言葉は、そのような状況の中で肥沃な土地を見出してきた」



High Vis 『Guided Tour』

Label:Dais 

Release:2024年10月18日

 

Tracklist:

 

1. Guided Tour

2. Drop Me Out

3.Worth The Wait

4.Feeling Bless

5.Fill The Gap

6.Farringdon

7.MOB DLA

8.Untethered

9.Deserve It

10.Mind's A Lie

11.Gone Foreve

Sleaford Mods reissues "Divide And Exit" to commemorate the 10th anniversary of its release.

Sleaford Mods

ノッティンガムのポストパンクデュオ、Sleaford Mods(スリーフォード・モッズ)がレア音源ボックスから2曲の未発表曲を探し出した。

 

ジェイソン・ウィリアムソンとアンドリュー・ファーンによるデュオは、当初、ウィリアムソンのソロ・プロジェクトだったが、後にファーンが合流し、ユニットの形になった。

 

ブレイクの瞬間であった「Divide And Exit」をリリースしてから10年が経った。スリーフォード・モッズは、スカ・パンクの伝説であるザ・スペシャルズとの共演を期に、プロミュージシャンとしての道を歩み始めた。それ以来、スリーフォード・モッズは上昇の一途をたどり、近年では、『Spare Ribs』『UK Grim』といった象徴的なカタログをラフ・トレードにもたらした。ライブ活動も順調であり、最近ではグラストンベリーで素晴らしいセットを披露している。

 

10周年を記念して、「Divide And Exit」の拡張版がRough Tradeから7月26日に CD/LPでリリースされる。この拡張版には、二作の未発表曲「Git Some Balls」と「Air Con」(アルバムカット「Air Conditioning」のリワーク)が収録されている。これらの2曲を彼らは気に入ってはいるものの、アルバムの収録曲としては相応しくないと考えていたようだ。

 

「"Git Some Balls "は、スタジオのフロアの切り抜きのひとつで、当時はあまりピンと来なかったけれど、今では素晴らしいサウンドになっている」とヴォーカルのジェイソン・ウィリアムソンは言う。

 

「私たちはアルバムに何を求めているかわかっていたし、これが『Divide and Exit』にふさわしいとは感じていなかった」

 

「不思議なのは、ボツになった曲は、アルバムに収録された曲と同じくらい、聴き直すといつも良い音に聞こえるんだ。あの時点で僕らがやっていたことをやってる人は、この国には誰もいなかったはずだよ。30年前のことのように感じるけど、まだ10年しか経っていないなんて、本当に狂気の沙汰だよね」

 

 

 

MOULD prepares to release debut EP 

 

MOULD

ヴォーカリスト/ギタリストのジョー・シェリン、ヴォーカリスト/ベーシストのケイン・イーグル、ドラマーのジェームス・ラクストンからなるブリストルのトリオ、MOULDは昨年デビューしたばかりの期待の三人組。

 

リバプールのSTONEに続いての注目のバンドの登場と言っても過言ではない。セカンドシングルの発表を期に、バンドはブリストルからロンドンに転居している。

 

勢いのある劇的なポストパンクアンセム「Birdsong」のリリースで注目を集めると、同じようにハードコア・パンクからの影響を感じさせる「Cables」で単なる見せかけのバンドではないことを示してみせた。

 

 

 

3作目のシングル「Glow」はハッリ・チェンバースがプロデュースしたシングル「Glow」は現在発売中。以下よりチェックしてほしい。


従来のシングルとは少し異なり、オルトロック/オルトフォーク調のシングルである。先行発売された2曲と同じようにニューウェイヴやオリジナル世代のポスト・パンクからのフィードバックが取り入れられている。

 

曲の最後では、やはり彼らの代名詞であるスクリームが登場するが、全般的にはやや落ち着いたメロディアスなインディーロックソングとなっている。ハードな印象もあったモールドの爽快感のある意外な一面をこのニューシングルで堪能することができる。

 

モールドは今回、デビューEPの計画を明らかにした。ナイス・スワン・レコードから8月2日にリリースされる。


"Glow "は、秋の空の下に座り、天候のイメージを使って詩的な文章を書く作家についての短編小説から取られています」とバンドは声明で説明している。「秋の天気は、人々がこのようなことをするのにうんざりしていて、激怒し、作家を攻撃したりもする」



「Glow」

 

©James Edson

 

ロンドンのポスト・パンクバンド、High Vis(ハイ・ヴィス)が2024年最初のシングル「Mob DLA」をリリースした。

 

このバンドにしては硬質なメタル風のナンバーとなっている。人好きのしないような無骨さだが、その底にはメラメラと熱がこもっている。彼らの本質から目を背けない姿勢に称賛を贈るより他ない。

 

「何年にもわたる公共サービスの削減は、英国のコミュニティに壊滅的な人的影響を及ぼして来た。人々は援助の必要性を正当化することを余儀なくされ、生涯続く障害に対する支援の適格性を精確に監視するため、非人間的なテストに耐えねばならない。疎外されたコミュニティは自活することを余儀なくされ、標的を絞ったメディアの中傷キャンペーンにより中傷される」

 

「これはすべて、政治家や産業界のエリートやその取り巻きのボーナスや給料が増え続ける裏側で起きている。私は自分の家族を見てきた。自分らに不利なように設計されつつある世界で、自分の居場所を見出そうとする人々のストレスと不安は手に取るようにわかる。そして、そのような状況下で、私は、無視され続けるコミュニティ活動の力を目の当たりにしてきたんだ」

 

「Mob DLA」

 

Honeyglaze


ロンドンを拠点に活動する3人組、Honeyglazeが、リード・シングル「Don't」と共に、セカンド・アルバム『Real Deal』を発表した。 「Don't 」は、2022年のセルフタイトル・デビューアルバムに続くReal Dealの印象的な名刺代わり。

 

フロントパーソンを務めるアヌースカ・ソコロウは、「私の大好きなデスティニーズ・チャイルドの曲『bills, bills, bills』(無駄な男とはおさらばとの歌)をベースにした『Don't』は、特にひどい恋愛が終わった後に書いた。攻撃的で直接的であることは、時にとても楽しいよ」


クラウディウス・ミッテンドルファー(Parquet Courts、Interpol)とのレコーディング中、ソコロウのパフォーマンスは彼女自身のバンドメンバーを驚かせた。若手バンドとは思えないほどの不敵なふてぶてしさが彼らの特徴でもある。下記のコメントを見てもそのことは瞭然だ。

 

「レコーディングスタジオのコントロール・ルームに座っていたときのことを鮮明に覚えている。雰囲気は穏やかで、少しだけ疲れていた。ヌーシュはヴォーカル・テイクを録るためにお茶を飲みながら、ちょうどライブ・ルームに入ってきたところだった。クラウディウスは、クレイジーなボール&ビスケット・マイクをセットして、かなり攻撃的なコンプレッサーをかけたんだ。ミドル・ファーム・スタジオにいる間、毛のない猫よりも実は彼女が一番怖かったよ」


Honeyglazeは、12月3日のヴィレッジ・アンダーグラウンドでの公演を含め、グラスゴー、マンチェスター、ブリストル、パリ、ベルリンなどでのUK/EUツアーも発表している。

 

 

「Don't 」

 

 

 

Honeyglaze 『Real Deal』

 


Label: Fat Possum

Release: 2024/09/20    

                
                       
Tracklist :   

                       
                           
1.Hide

2.Cold Caller

3.Pretty Girls

4.Safety Pins

5.Don’t

6.TMJ

7.I Feel It All

8.Ghost

9.TV

10.Real Deal

11.Movies

 

 

 Pre-order: https://honeyglaze.ffm.to/dont.OYD


 


ブリストル出身のパンクトリオ、Mould(モールド)は2023年にデビューシングル「Birdsong」を引っ提げて登場し、パンクシーンの新星と目されるようになった。


モールドは今回、イギリスのインディペンデントレーベル、Nice Swan Recordingsと新しい契約を結び、2ndシングル「Cables」を発表した。(曲のストリーミングはこちら)


「"Cables "は、何の計画もなくブリストルからロンドンに引っ越してきて、一体何をすればいいんだろうと思った後に書いた。この曲は、方向性がなく、目的もない。しかし、方向性がなく、目的もないことがどれほどエキサイティングだったかを歌ってる。ケーブルの話でもあるんだ」

 


「Cables」

 

©Amy Fort

Colaがニューシングル「Albatross」をリリースした。6月14日に発売される『The Gloss』からのニューシングル。

 

モントリオールにルーツを持つバンドColaは、元OughtのメンバーであるTim Darcy「ティム・ダーシー)とBen Stidworthy「ベン・スティッドワーシー)によって結成された。新進気鋭のポストパンクトリオとして注目。彼らは現在破竹の勢いで快進撃を続けるFire Talkに所属している。

 

Colaのメンバーは、U.S.ガールズやブロディ・ウェストなど、トロントの活気あるジャズ/エクスペリメンタル・シーンでセッション・ミュージシャンとして活躍し、コラボレーターとしても需要の高いエヴァン・カートライトが、2019年の初練習後に加入。結成当初から、彼らはDischordやSST時代のd.i.y.エチシックを発展させ、ドラム/ベース/ギターのミニマルなパレットから強力なサウンドを生み出し、愛嬌のある一発芸や社会的なコメントを散りばめてきた。


歌詞は繰り返し聴くことで深い意味が見えてくる。デイヴィッド・バーマンの詩によるガレージ風の軽快な文章は、UKのファースト・ウェーブ「ニューウェーブ)やダニーデン・サウンドの軽快な側面と同様にインスピレーションを付与している。その結果、ある時はまばらで詩的であり、またある時はスリリングでフック満載の楽しい時間を呼び起こす。例えば一夜限りの関係を描いた生意気なロマンチック・スケッチは、当てこすりやジャーナリズム・トークに溢れ、セルフ・パロディになりかけている。が、その結果、軽快さと誠実さが見事に融合している。
 

 

最新シングルについて、「この曲は、最終的な形になるまで、いくつかの人生があった」とバンドのティム・ダーシーは声明で説明している。

 

「後のDeep in Viewのツアーでは、歌詞を変えてもっと速いバージョンを演奏した。最終的にスタジオに入った時、ベンのオリジナル・デモを再検討し、スローダウンしてヘヴィなフィーリングを再び取り入れることにしたんだ」

 


「Albatoross」

 

©Vanessa Heins


METZはカナダのパンクシーンを担う存在である。2012年からSUB POPに所属し、在籍13年目に差し掛かろうとしている。彼らのガレージテイスト漂うロックは、現代的なポスト・パンクと結びつき、唯一無二のサウンドに組み上がる。しかし、その中にハイヴズのようなプリミティブなロックの魅力があることは、旧来のファンであればご承知と思われる。METZはアレックス・エドキンス、ヘイデン・メンジーズ、クリス・スロラッチから構成されるトリオだ。

 

バンドは、今週金曜日にSUB POPからリリースされるニューアルバム『Up On Gravity Hill』に先駆けて、最終のプレビューシングル「Superior Mirage」を配信した。この作品は、前作「99」、「Entwined (Street Light Buzz)」、「Light Your Way Home」に続く。ジョン・アンドリュースが監督したミュージック・ビデオも公開された。以下よりチェックしてみよう。


フロントマンのアレックス・エドキンスは声明の中で述べる。「この曲は僕らにとって間違いなく新しい領域で、実現できたサウンドが本当に大好きだ。Linn Drumと自家製サンプルをブレンドして、このアドホックなジャンクヤードドラムサウンドを作ったんだ。バック・ビートを曲の特徴にしようとした。サビの盛り上がりもかなり大きい。ギターの壁で横殴りにしたかった」 

 


「Superior Mirage」

 

©︎Pooneh Ghana

ニューヨークのポスト・パンクバンド、Bodegaは、4月12日にChrysalisからリリースされるアルバム『Our Brand Could Be Yr Life』の新曲「Cultural Consumer III」を発表した。ルカ・バルサーが監督したビデオが公開された。


「"文化的消費者 "は、BODEGAのソングライティングに欠かせないキャラクターになっている」とヴォーカルのベン・ホジーは説明する。

 

「『Cultural Consumer I』は、バンドのソングライティングの声を見つけたような気がする最初に書いた曲だ。文化的消費者とは、文化(ハイ・アートとポップ・カルチャーの両方)を研究することにはまり、それゆえに抑圧されている中産階級のボヘミアンである」


「"文化消費者III "では、彼はニューエイジャーとなり、台湾の瞑想リトリートへ飛ぶために空港へ向かう車の中で、キラー・キュレーションされたプレイリストを爆音で流している。ボブ・ディランと違って、彼は一度も "自由のチャイムが点滅するのを見つめた "ことがない。彼はガラクタを買っているだけなのだ」


「Cultural Consumer III」

 

 

Bodega 『Our Brand Could Be Yr Life』



 

Label: Chrisalis

Release: 2024/01/08

 

Tracklist:

 

1. Dedicated To The Dedicated

2. G.N.D. Deity

3. Bodega Bait

4. Tarkovski

5. Major Amberson

6. Stain Gaze

7. Webster Hall

8. ATM

9. Set The Controls For The Heart Of The Drum

10. Protean

11. Born Into By What Consumes

12. Cultural Consumer I

13. Cultural Consumer II

14. Cultural Consumer III

15. City Is Taken

 

Pre-order:

 

https://bodegabk.bandcamp.com/album/our-brand-could-be-yr-life

 

 


カナダのポストパンクバンド、METZはブラック・マウンテンのアンバー・ウェバーがヴォーカルを務めた新曲「Light Your Way Home」を発表しました。


「"Light Your Way Home "は間違いなく、Up On Gravity Hillからのお気に入りのひとつ。この曲を書くときは、(冬によく聴くように)JesuとLowをたくさん聴いていた。リリックでは、現実を見失うほど愛する人を恋しく思うことを歌っている」とフロントマンのアレックス・エドキンスは言う。


「ドラムを歪ませたり、機械的なスラップを戻したりして、ワイルドで巨大なサウンドを作り出した。この曲のプロダクションの大きさが気に入っている。サウンド的にもリリック的にも、今までに作ったことのないような作品に仕上がった。アンバー・ウェバー(ブラック・マウンテン、ライトニング・ダスト)との仕事はとても素晴らしく、彼女の声がこの曲を別の成層圏へと導いてくれたんだ。コリン・メドレーによるビデオは、曲の雰囲気と意図を完璧に捉えていると思う」


シングル「Light Your Way Home 」はMETZの次のアルバム『Up On Gravity Hill』に収録。バンドの4年ぶりのアルバムは、2020年の『Atlas Vending』に続く作品です。



「Light Your Way Home」

 


ニューヨーク/ブルックリンのポストパンクバンド、グスタフ(Gustavf)がニューシングル「Close」をリリースした。


このシングルは、最近の2枚組シングル「Here Hair / Hard Hair」に続く作品で、Yard Actのサポートとロンドンでのヘッドライナーを兼ねたイギリスでのライブに合わせてリリースされた。


次のアルバム「Package Pt.2」は4月5日にロイヤル・マウンテン・レコードからリリースされる。エリン・トンコンがプロデュースし、Studio G BrooklynとCircular Ruinでレコーディングされた「Package Pt.2」は、2021年のアルバム「Audio Drag for Ego Slobs」に続く。


「Close」

Yard Act 『Where’s My Utopia?』

 


 

Label: Islands / Universal Music

Release: 2024/03/01


Listen/Purchase(国内盤の予約)



Review



依然としてヤード・アクトのシアトリカルなイメージはデビューアルバムから二作目に引き継がれている。オープナー「An Illusion」はリーズのバンドが得意とするジェームス・スミスのスポークンワードを主体とした、ダブ風のトラックにブレイクビーツを交えたサウンドが繰り広げられる。これは、ヤードアクトの新機軸が示されたと言える。ヤードアクトのサウンドにはザ・クラッシュの『London Calling』や『Sandinista』に対する憧憬のようなものも感じられる。イギリスのパブの仄暗く、また奇妙な熱狂性を擁する空気感は『Overload』以来も健在で、ひとまずこのオープナーでデビューアルバムがブラフではなかったことを証明づけようとしている。

 

デ・ラ・ソウルやDr.DREに象徴づけられる古典的なR&Bの系譜にあるオールドスクールヒップホップのターンテーブルのスクラッチやサンプリングをモチーフにした「We Make Hits」は、アルバムのハイライトとなりえる。


ヤードアクトは、そのヒップホップの要素に、ブレイクビーツやドリルの前衛的な手法を交え、一目散にサビへと向かっていく。「俺たちはヒットを生み出す!」というシンガロング必須のサビは、彼らのステートメント代わりであり、ゾンビ風のユニークなコーラスワークが絡みあい、ひときわユニークな印象を及ぼす。米国の深夜番組「ザ・トゥナイト・ショー・ステアリング・ジミー・ファロン」のパフォーマンスでは、ディスコ風のアレンジが施され、複数の女性コーラスがゴージャスな雰囲気を醸し出していたが、このアルバムの収録バージョンは硬派な雰囲気が漂う。サビでの熱狂的な雰囲気はバンドの最たる魅力が現れたと言える。

 

 以降の3曲目「Down By The Stream」ではデビューアルバム時のベースラインが強調された硬派なポストパンクサウンドに回帰している。 旧来よりパーカションの効果を押し出し、最初のアルバムのサウンドに前衛的な効果を及ぼそうとしているが、ちぐはぐな印象を覚えてしまうのは気のせいだろうか。リズムトラックとボーカルがまったくまとまっておらず、ビートやグルーブが断裂している。もし、ビリー・ウッズのようなアブストラクトヒップホップにおける先鋭的な要素を意図している場合は、この指摘は的外れとなるだろうが、歌いやすさと乗りやすさがバンドの魅力であったと考えると、やや難解なサウンドに傾倒しすぎたとも言える。

 

その後もヤードアクトはデビュー時の印象に変化を及ぼそうとする。「The Undertow」ではストリングスをダブサウンドやスポークンワードを取り入れたパンクサウンドに織り交ぜている。部分的には古典的なソウルミュージックの影響も反映されているかもしれないが、これらの複合的なジャンルは残念ながら、化学反応を起こすことなく、線香花火のようにそのスパークが「しゅーっ」と立ち消えになってしまう。一、二年のハードワークのライブツアーの疲弊がトラックには見え隠れする。それは本来のバンドの輝きやスミスのボーカルの生命力を削ぎ落とす結果となっている。

 

しかし、その中でもディスコ・サウンドやミラーボール・ディスコ、あるいは80年代のブラック・コンテンポラリーに根ざしたエンターテインメント性の高いサウンドで、なんとか陽気な雰囲気を生み出そうと試みる。先行シングルとして公開された「Dream Job」は、デビューアルバムの時代のユニークな風味をどこかに残しながら、シアトリカルなサウンドへと転換を図っている。ボンゴのようなワールドミュージックの打楽器を交えつつ、ヤード・アクトは、叫び声を取り入れたりし、コメディー風のサウンドを作り出している。その中に、やはりアースウィンドファイアー等を参考にしたコーラスが入ると、「Boggie Wonderland」のような70年代の空気感が生み出されることもある。しかし、スポークンワードという唯一無二の武器があるとはいえども、それらがなんらかの新しい音楽として昇華されたかどうかまでは分からない。

 

「Fizzy Fish」がギターサウンドをベースに、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の世界へ入り込んだSF的なポスト・パンク。 ヒップホップをベースにしながらも、「パワー・オブ・ラブ」のような懐古的な感覚と未来的な感覚をクロスオーバーするようなユニークなトラックである。しかし、曲の中盤から導入されるコーラスワークはいくらか調子はずれであり、本来の持ち味であるバンドが一体になって迫ってくるようなドライブ感が相殺されてしまっているのが残念。


ただノイジーな展開からダブ風のベースラインの起点とし、いくらか落ち着いた展開に移行する瞬間のスミスのスポークンワードに、この曲の醍醐味が宿っている。もしかすると、あえてアンセミックな展開を避け、全体的に落ち着いたサウンドにしても面白かったのではなかろうか。アウトロでは再び、トラックのイントロのようなノイジーで過激なサウンドへともどるが、これも何かエネルギーがくすぶり続けるような感じで、完全な不発に終わってしまっている。

 

「Petroleum」はヤード・アクトの代名詞的なトラックで、ダブサウンドを基調としたポストパンクをチョイスしている。しかし、この曲でも疲労感が漂う。スポークンワードは本来の切れ味がなく、それは情けない呻きのようにも聞こえる。リズムトラックに関しては入念に作り込まれており、その中にジャーマン・テクノのような新鮮な要素もキラリと光る。ところが、どうしても、それらは何らかの阻害を受けたかのように、なめらかなリズムの流れが途絶え、彼らの本来の魅力である親しみやすさやわかりやすさとは正反対にある難解で奇妙なサウンドに陥っている。これはおそらく、音楽的な選択肢が多すぎるがゆえの苦悩なのであり、それが最終的にはまとまったサウンドではなく、分散的なサウンドにとどまってしまっているのが難点か。

 

続く「When The Laugher Stops」では、女性ボーカリスト、J Pearsonをフィーチャーし、シンセ・ポップを主体とするニューウェイブ風のサウンドだ。表向きの陽気さや楽しさとは別に何かバンドやフロントマンの苦悩のようなものが浮かび上がる。厳密には明言できないが、それは何らかの選択に迷っているという気がし、これがフィーチャーの部分では煌めきがあるのに、メインのボーカルではくすぶっているような印象を覚える。曲そのものは親しみやすく痛快だが、もう少しだけ単純明快でクリアなサウンドを追求してもよかったかもしれない。

 

「Grifter's Grief」はスリーフォード・モッズのようなアウトローな感じのある打ち込みをベースにしたポストパンクサウンド。ここには新鮮な試みが見られ、トロピカルなサウンドやヨットロックのような要素をまぶし、安らいだ感覚を生み出す。ここにもバンドやフロントマンの隠された本音のようなものが見え隠れする。アウトロではブライトンのKEGのように一気呵成に轟音のハードコアサウンドへと猪突猛進する。しかし、残念ながらこれも完璧な不発に終わってしまっている。


表面的には増長や拡大、暴発的なサウンドを行き来するが、アルバムで最も説得力があるのは、それと対極にある「Blackpool Illumination」である。ここにはバンド、ボーカリストとしての進化が示され、そこにはアルバムの他の曲にはない深み、そして、本当のスピリットのようなものが一瞬だけ現れる。この曲が収録されていることが、ファンにとっての救いの瞬間となりえる。

 

Zen FCを離れて、メジャーレーベルのアイランドと契約し、多忙なスケジュールを組み、それを完璧に遂行し、国外のテレビ番組にも出演するようになったヤード・アクト。

 

解釈次第では、彼らはプロフェッショナルで、売れることを宿命づけられた立場にあるとも言える。クローズ曲でも売れるサウンドを生み出そうとしているが、それらのプレッシャーを完全にはね避けたとまでは言いがたい。なおかつ、本作は彼らの本当に理想とするサウンドになったとも明言しかねる。アルバムを聴いていると、何かしら懸念が頭の隅に突っかかっているという気がし、音楽そのものも、核心から次第に離れていくような違和感をおぼえてしまった。

 

単独の素晴らしいシングル「The Trench Coat Museum」が収録されなかったのも不可解である。今回のアルバムのリリースに関しては、多忙な日程でも核心にあるスピリットを誰にも受け渡さなかったアイドルズの『Tangk』とはきわめて対象的な結果となってしまった。切れ味のあるブラックジョークのような精彩味が乏しいのも残念。


才覚に満ち溢れたバンドが過密スケジュールで疲弊する事例があるが、このアルバムほどそのことを証明づけるものはない。バンドはすぐマヨルカ島へ行き、しばらくバカンスをする必要があるかもしれない。


 

 

70/100
 

 

 「We Make Hits」

 


アルバムの発表後、「Dream Job」のほか、「Petroleum」「When  The Laugher Stops」「We  Make Hits」が先行配信されています。