パンデミック期の病の時期を経て劇的な復活を果たし、その後新作のリリース、ツアーなどを精力的にこなす冥丁。プロジェクト名が示唆する通り、日本的な感性を探るアーティストは未知なる音楽的な世界を押し広げ、Wire、Pitchなど海外の音楽メディアにも登場するようになった。失日本と呼ばれる感性を追求する彼だが、次なる興味は花魁文化に向けられることになる。
冥丁のニューアルバム『瑪瑙』(めのう)より先行シングル「新花魁」(しんおいらん)が2月6日にデジタル配信でリリースされる。ニューアルバムは4月17日発売予定。
三部作『古風』に通底する哀愁と、その先に切り開かれた影。本作「新花魁」は、冥丁がこれまで継続して取り組んできた主題“失日本”が、時を経て一つの像を結ぶ楽曲である。
古風編初作に収録された「花魁Ⅰ」(2020年作)を原型とし、公演を重ねる中で舞台上で何度も披露され、磨き上げられてきた本楽曲は、五年を経て「新花魁」という名を持つに至った。この楽曲を通じて、歴史上で語られる花魁という存在の先に表現されたのは、「私」と「非私」との、そして冥丁自身が現代で見た日本の自然美の連なりと、麗しくも咲き誇る鮮烈な哀愁である。
朽ちゆく質感の層を漂う遠い声、古楽器の音を用いながらも伝統的手法とは異なる独自のパーカッシブなリズム、そして現れては消えていく旋律の連なり。それらは明確な物語を語ることなく、リスナーの感覚に直感的に触れてくる。
アルバム『瑪瑙』の序章として位置づけられる「新花魁」は、実直で創造的な営みを止めることなく仕上げられた一曲である。ここにあるのは、再構築された歴史ではなく、自明でありながら幽美な印象として漂う日本の姿“失日本”であり、日本的な感性と現代的な表現が織り成す新たな輪郭である。
ミュージックビデオ「新花魁」(映像:戸谷光一)も同日公開される。本作のミュージックビデオやアーティスト写真に映し出された、冬の日本海や、孤高の断崖に舞い散る霰、波飛沫などの情景は、冥丁自身が10年間にわたり広島で過ごした日々の葛藤と、自身の創造する音と孤独に向き合った有様を象徴している。
「新花魁」
冥丁「新花魁」-New Single
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リリース日: 2026年2月6日(金)
カタログ番号 : KI-050S1
アーティスト : 冥丁
タイトル : 新花魁
フォーマット:シングル / デジタル配信
レーベル : KITCHEN. LABE
配信: https://kitchenlabel.lnk.to/52P3moDM
【冥丁(めいてい)プロフィール 】
冥丁は、「自明でありながらも幽微な存在として漂う日本」(誰もが感じる言葉では言い表せない繊細な日本)の印象を「失日本」と名付け、日本を主題とした独自の音楽表現を展開する、広島・尾道出身・京都在住のアーティストである。現代的なサウンドテクニックと日本古来の印象を融合させた、私的でコンセプチュアルな音楽表現を特徴とする。『怪談』『小町』『古風(Part I, II, III)』からなる三部作シリーズを発表し、その独自性は国際的に高く評価されている。
TheWireやPitchforkなどの海外主要音楽メディアからも注目を集め、冥丁は近年のエレクトロニック・ミュージックにおける特異な存在として確立された。音楽作品の発表に留まらず、国際的ブランドや文化的プロジェクトのための楽曲制作に加え、国内外における公演活動や音楽フェスティバルへの出演、ヨーロッパやアジアでのツアーを通じて活動の幅を広げてきた。さらに近年は、寺院や文化財、歴史的建造物といった空間での単独公演へと表現の場を拡げ、日本的感性と現代的表現の新時代を見いだし続けている。


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