もし、図書館で調べ物をしていて、2世紀以上前の有名作曲家の楽譜を見つけたとしたら??
そんなロマンを感じさせる出来事が音楽の都ドイツのライプツィヒで起こった。今回、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの死後230年以上が経ち、新しい楽譜が発見された。モーツァルトが10代の頃に書いたと思われる、未発表曲がドイツの市立図書館で発見されたというのだ。
ライプツィヒ市立図書館の公式の声明によると、「Ganz kleine Nachtmusik(ガンツ・クライネ・ナハトムジーク)」と呼ばれる12分に及ぶ曲は、1760年代半ばから後半に制作されたと見られ、弦楽三重奏のための7つの小楽章で構成されているという。さらにライプツィヒ市立図書館の発表によると、研究者がこの曲をライプツィヒの音楽図書館で発見したのは、いわゆる「ケッヘル」カタログの最新版を編集している時だったという。
ライプツィヒ市立図書館で発見されたモーツァルトの未発表曲の模写 |
今回、ライプツィヒで発掘された手稿はモーツァルトが個人的に書いたものではなく、研究者によれば、1780年に作成されたオリジナルの楽譜の模写であると推察される。この曲は、今週木曜日(9月19日)にオーストリア・ザルツブルグで行われた最新版のカタログのお披露目で弦楽三重奏によって初演され、続いて、土曜日(9月21日)にライプツィヒ歌劇場で初演される予定。
ザルツブルクの国際モーツァルテウム財団のウルリッヒ・ライジンガー氏は、この曲について声明を通じて次のように述べています。「この曲の着想はどうやらモーツァルトの妹から得たようなので、妹が兄の形見として、この作品を保管していたのではないかと想像したくなる」
ケッヒェル・カタログは、この曲について、1769年12月、神童モーツァルトがまだ13歳であった頃に書かれたもので、「作者の帰属から、モーツァルトが初めてイタリアを旅行する前に書かれたものであることが示唆される」と述べています。
2世紀余りが経過しても影響力を失わぬ音楽家であり、いつの時代もセンセーショナルであり続ける。それがヴォルフガング・モーツァルトの偉大さなのかもしれない。
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