ポートランドのミュージシャン/プロデューサー、Elijah Knutsenがニューアルバム『Maneki Neko』を彼自身のレーベルからリリースした。
イライジャ・クヌッセンはオレゴン州ポートランド出身の多様なアンビエント/実験音楽プロデューサーである。その作品は日本の環境アンビエントから実験的ノイズ、渦巻くスローコア/シューゲイザーまで多岐にわたる。リリース作品ではエフェクトを多用したギター、DX-7シンセサイザーのチャイム音、独自のフィールドレコーディング/サウンドデザインが特徴的だ。イライジャは自身のレーベル「Memory Color」を通じてアルバムをリリースしている。
イライジャはハロルド・バッド、井上哲、吉村弘、ザ・キュアー、マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン、レッド・ハウス・ペインターズ、コクトー・ツインズ/ロビン・ガスリーらの作品から強い影響を受けている。
「このアルバムはオレゴン州ポートランドのアパートで、新しく迎えた猫のフラニーと一緒に録音しました。日本の縁起物についての本を読んだんです。お守り、絵馬、招き猫…など。
それ以来ずっと魅了され、今では何体も所有している招き猫を基にこのアルバムを作りました。
アルバムには暗く悲しい部分もあり、過去や失われた子供時代を反映しています」
Elijah Knutsen『Maneki Neko』
Label: Memory Color
Release: 2015年11月12日
『Maneki Neko』は、Elijah Knutsenが自身のレーベルMemory Colorよりリリースしたフルアルバムである。アンビエント、ポストパンク、シューゲイザーを融合させ、暗くサイケデリックな渦へと昇華させた作品だ。
イライジャの神道儀式と図像への傾倒が本作の基盤を成す。幽玄で霊気漂うコラージュ。鳴り響く鐘、ゴロゴロと鳴く猫、吹き抜ける風…それらがすべて、ギザギザとしたゴシック調の背景の上に提示される。
暗い秋の空が覆う;『Hollow World』と『Halloween (As a Child)』
崩れゆく教会、絶望が視界の全てにすがりつく場所;『I Read Palms & Fallen Petals』
繊細な草原と星明かりの雲;『沼の灯』&『お守り - 苔むした建物』
夏の暑さの中輝く都市、悲しみに曇る;招き猫とストロベリーソーダ
『Maneki Neko』はイライジャが自身のレーベル「Memory Color」からリリースした20作目にあたる作品。ポストパンクにおける彼の専門性を頂点に導く作品。精密で駆り立てられる環境音楽。きらめきと流動性。シューゲイザー。
ドンドンと響くドラムマシンとコンピューターで歪んだギターが、真珠のような月明かりに照らされた幼少期の音風景へと移り変わるにつれ、アルバムは咲き誇る花のようにその姿を現す。過去を悔やむ痛みのなかで咲くのか? それともそれを忘れる喜びの中で?
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