Yard Act  イギリス国内で、2022年度4月現時点の最大のレコードセールスを記録

 


2021年には、イギリスとアメリカで、CDの総売上よりもレコード盤の方がより売上が高くなるいわゆる「逆転現象」が起こっています。

 

これは、コロナパンデミック下のロックダウンが、自宅での音楽鑑賞の時間を増加させたことがひとつの要因として挙げられていました。しかし、2022年に入って、様々な音楽イベントが解禁された現在においても、レコードの売上が堅調であることには変わりないため、一定のレコード愛好家がこのレコード産業を下支えしていることは疑いがありません。


最近のビニール盤は、デザインもすごくおしゃれで、手も凝んでいるし、見ているだけでも惚れ惚れするようなデザインも数多く見受けられます。そんな中で、2022年のイギリス国内のレコード市場において、最も存在感を見せているのが、イギリス・リーズ出身の四人組のポストパンクバンド、ヤード・アクトにほかなりません。

 

ヤード・アクトは、昨年から今年にかけて、いくつかのシングル盤をリリースした後、2022年に「The Overload」で華々しいデビューを飾った。イギリス国内での数々のライブアクトにとどまらず、現在、この四人組はツアーのため、ニューヨークに滞在し、さらに、ニューヨークのラフ・トレードにもメンバー揃って立ち寄っています。既に、テキサスのサウス・バイ・サウスウエスト、ジミー・ファロン司会の名物番組「The Tonight Show」にも出演を果たし、世界的な知名度を獲得し、さらにイギリスの大御所アーティストのプライマル・スクリームの前座にも抜擢されており、ヤード・アクトは、今年デビューしたバンドの中で、ひときわ強い存在感を示しています。

 

そして、2022年の現時点でイギリス国内でのレコードの最大の売上を記録しているのもヤード・アクトです。デビューレコードの「The Overload」は、2月のリリース以来、11,000部以上のヴァイナル盤の売上を記録しています。リーズ出身の四人組は、今年初めにイギリス国内のポップアーティスト、ティアーズ・フォー・フィアーズとのレコード盤売上においてデッドヒートを繰り広げた後、勝利を収め、レコードチャートの首位を獲得。今度の出来事について、ヤード・アクトは、「私達は、このことに非常に感謝しております。私達を信じ、一生懸命サポートしてくださったアイランドレコードのチームとクルーの全員を忘れません。ありがとう!!」というコメントを添えている。どうやら今後も、ヤード・アクトの快進撃はしばらく続きそうです。

 

さらに、レコード盤の売上チャートの2位に君臨するのが、1980年代から長きに渡って活躍してきた名バンド、ティアーズ・フォー・ティアーズの最新作「The Tipping Points」です。元々、ティアーズ・フォー・ティアーズは、1980年代のディスコ・ムーブメントに乗じて登場し、聴き応えのあるポピュラー音楽を生み出してきました。この17年ぶりの新作がレコード盤チャートの2位を獲得している事実は、このバンドがいまだ根強い人気を誇る証左とも言えます。その他にも、チャートの三位には、ブラック・カントリー、ニュー・ロードの二作目のアルバム「Ants From Up There」が位置し、ブリット・アワードにもノミネートされている彼らの国内での根強い人気を示すと共に、ポストパンク/ポストロック勢がイギリス国内で強い存在感を示していることの顕れです。さらに、新作としては、世界的に強い存在感を放つポップシンガー、チャーリー・XCXの最新作「Crush」、母国からアメリカに拠点を移して活動を続ける電子音楽家、ボノボの「Fragment」なども、2022年のレコードチャートで好調なセールスを記録しています。


また、追記として、以前から、ザ・フーの「The Who Sell Out」の2019年度の旧作アルバムの好調な売上を記録した事実を見ても分かる通り、複数の新鮮味あるスタジオアルバムに紛れ込むような形で、往年の名盤の作品が多くのセールスを挙げている事実も、最近のイギリス国内のレコード産業における動向の特徴といえるでしょう。

 

チャートでは、ニルヴァーナの「Nevermind」(1992)が14位にランクインしているほか、ピンク・フロイドの傑作「The Darkside of the Moon」(1973)が18位にランクインを果たしています。さらに、シェフィールドの偉大なロックバンド、アークティック・モンキーズの傑作「AM」(2013)も17位にランクインしています。イギリス国内において、2022年4月現在のレコードチャート上位陣の多くは、新進気鋭のロックバンド、ポップスシンガーが独占するものの、その一方で、ニルヴァーナ、ピンク・フロイド、デヴィッド・ボウイといったアーティストの旧盤もビッグセールスを記録していることも最近のレコード市場の顕著な特徴です。




・2022年度 4月現時点でのイギリス国内でのレコード売上チャート

 

1.Yard Act
THE OVERLOAD
2.Tears For Fears
THE TIPPING POINT
3.Black Country<New Road
ANTS FROM UP THERE
4,Fleetwood Mac
RUMOURS
5.WombatsFIX YOURSELF NOT THE WORLD
6.Charli XCX
CRASH
7.Red Orange County
WHO CARES
8.Don Brocco
AMAZING THINGS
9.BonoboFRAGMENTS
10.Frank Turner
FTHC
11.GhostIMPERA
12.Johnny Marr
FEVER DREAMS PTS 1-4
13.Amy Winehouse
BACK TO BLACK
14.NirvanaNEVERMIND
15.BastilleGIVE ME THE FUTURE
16.StereophonicsOOCHYA
17.Arctic Monkeys
AM
18.Pink Floyd
THE DARK SIDE OF THE MOON
19.Alt-JTHE DREAM
20.David Bowie
HUNKY DORY
21.MitskiLAUREL HELL
22.Ed Sheeran
=
23.Adele30
24.DavePSYCHODRAMA
25.CoralTHE CORAL
26.JamiroquaiTRAVELLING WITHOUT MOVING
27.Sea Girls
HOMESICK
28.David Bowie
LOW
29.Viola Beach
VIOLA BEACH
30.Franz Ferninand
HITS TO THE HEAD
31.Bob Marley&The WAilers
LEGEND
32.PlaceboNEVER LET ME GO
33.MArillionAN HOUR BEFORE IT'S DARK
34.Divine Comedy
CHARMED LIFE - THE BEST OF
35.Jamie T
PANIC PREVENTION
36.MysterinesREELING
37.NirvanaUNPLUGGED IN NEW YORK
38.Harry Styles
FINE LINE
39.Harry Styles
HARRY STYLES
40.David Bowie
THE RISE AND FALL OF ZIGGY STARDUST

 

・officialcharts.comより抜粋

0 comments:

コメントを投稿