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©Heather Cantrel |
アメリカの実験的なグループ、Tortoise(トータス)が新作アルバム『Touch』の計画を発表した。ポストロック/エレクトロ・ロックの元祖が待望の新作の知らせとともに復帰を果たす。
今作は2016年以来となるバンド初のフルアルバムとなる。制作過程にはメンバーの個人的な成長が色濃く反映されているという。シカゴを拠点としつつも、メンバーは現在アメリカ各地に散らばっており、この状況が折衷的でありながらも最終的には統一感のある作品を生み出した。
『Touch』において、トータス(Jeff Parker、Dan Bitney、Douglas McCombs、John Herndon、John McEntire)のメンバーは、集団的な楽曲制作手法を駆使している。それは幾分無政府主義的でありながら断固として平等主義的なプロセスであり、自我よりもアイデアが優先され、抽象化された力強さへと昇華される。
『Millions Now Living Will Never Die』や『TNT』といった画期的な作品で花開いた、薄暗く優雅にねじれたジャズ的な雰囲気への逸脱は依然として存在するものの、『Touch』はおそらく、トータスが堂々と壮大なジェスチャーを受け入れた点で最も注目に値する。
空力学的に再構築されたクラウトロック、手回し式のテクノ・レイヴ、点描的なスパゲッティ・ウェスタンのファンファーレ——これら全てに、トータイス特有の内在的論理が浸透している。それは魅惑的でありながら不可解で、解くよりも味わうべきパズルだ。
この様式的多様性は、バンドの現在の活動状況も反映している。メンバーの2人がロサンゼルス、もう1人がポートランドに拠点を移し、故郷シカゴに残るのはわずか2人となったため、1990年代後半にロフト空間で共同生活しながら、終わりのない共同実験を通じてサウンドを磨き上げた時代とは、創作プロセスが劇的に変化した。
ロサンゼルス、ポートランド、シカゴの三都市で録音された『Touch』は、この五人のミュージシャンが意図的に再結集し、サウンドの核を再構築し、新たな活力を吹き込むことで生まれた作品であり、おそらくバンド史上最も多様性に富んだリリースと言える。
『Touch』はインターナショナル・アンセムとノーネシュ・レコードよりリリース。LP、CD、デジタルダウンロードは10月24日発売、ストリーミングサービスでは11月11日より配信開始。
ロサンゼルス、ポートランド、シカゴの3都市で録音された『Touch』は、新曲「Layered Presence」をリードトラックに据える。同曲には、ミケル・パトリック・エイヴリーが撮影・監督を務めた印象的なミュージックビデオが付属する。
「Layered Presence」
Tortoise 『Touch』
Label: Nonsuch/Internatinal Anthem
Release : 10月24日(CD/LP)/ 11月11日(ストリーミング)
Tracklist:
1.Vexations
2.Layered Presence
3.Works and Days
4.Elka
5.Promenade à deux
6.Axial Seamount
7.A Title Comes
8.Rated OG
9.Oganesson
10.Night Gang
Pre-save: https://tortoise.lnk.to/Touch?mc_cid=cdcf8ce098&mc_eid=902961715e
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