Weekly Music Feature: Automatic
ロサンゼルスから登場した新時代のニューウェーブ・グループ、Automaticは、ローラ・ドンペ(ドラム/ボーカル)、イジー・グラウディーニ(シンセ/ボーカル)、ハレ・サクソン・ゲインズ(ベース/ボーカル)によって2017年に結成された。米国の原初的なガールズバンドでニューウェイブの先駆的なグループ、The Go Go'sの『Beauty And The Beat』に名をあやかっている。当初、DIYシーンに夢中になっていた彼女たちであるが、デビュー後、たちまち同地のクラブサーキットの常連に。そこにはトルバドールを筆頭とする同地のライブ文化が強い力学を及ぼしている。
デビュー作をリリース後、大きな話題を呼び、Poptone、Surfbortのオープニングアクトに抜擢された。これまでに二作のアルバム『Signal』、『Excess』を Stone Throwからリリースしています。これまで不安や疎外感、企業の貪欲さや環境問題に対する考えをテーマに盛り込んで先進的な楽曲を制作してきた。彼女らのサウンドは、Neu!を始めとするアナログシンセ主体のエレクトログループに触発されているという。バウハウスのドラマー、ケビン・ハスキンスの娘、ローラ・ドンペをメンバーに擁するのは偶然ではなく、好きなものを呼び寄せたということだ。
オートマティックは特にライブツアーに力を入れている。この三人組のショーはインタラクティヴな魅力がある。視覚的にも刺激的で、熱狂的なファンを獲得している。ライブステージでの個性的なファッションにも注目が集まるのは女性グループならではと言える。IDLES、Tame Impala、Crumb、Parquet Courtsとステージを共有し、プリマヴェーラ・サウンド、デザート・デイズ、ワイド・アウェイクなど著名なフェスティバルに出演してきた。また、米国、英国、ヨーロッパでのヘッドラインツアー、オーストラリアとニュージーランドツアーを経験した。
オートマティックの曲はシステマティックに組み上がっているような印象を覚えると思われるが、意外にもリアルタイムな響きを追求している。ソングライティングがどのように行われるかについてイジーは次のように説明している。「わたしたちはいつも、リハーサルスタジオで一緒になって曲を書いています。自分たちの目標とする雰囲気を思い浮かべ、それに向かっていく。たいていハレがベースラインを書いて、それからジャムを続けて曲が完成していきます」
トリオの一番の魅力はトリオ全員がボーカルを担当するという点にある。歌詞については、イジーが担当している。「思いつきで最初の歌詞を書き、そのあと、変更を加えてたりして、周りのメンバーに歌詞を渡したりします。最初の出発点から遠ざかっていき、そこから徐々に発展していきます」 また、リリックについても音楽自体と呼応するような工夫が凝らされていて、それぞれのボーカリストとしての特性の差異がバンドサウンドの中で巧みに活かされている。
彼女たちはクラウト・ロック、エレクトロニック、ポスト・パンク/シンセパンクといった70年代のニューウェイブサウンドを中心に影響を受けた。その他、ダブやディスコ、それからブライアン・イーノのアンビエントにも触発されている。さらに、映画ファンでもある。ミュージシャンに圧倒的な支持を受けるデヴィット・リンチやダリオ・アルジェントの不穏な映画がその対象に挙がることも。しかし、以上のような、音楽的な蓄積や経験はさておき、何より、オートマティックを唯一無二の存在にしているのが、ロサンゼルスのライブカルチャーであった。
ロサンゼルスのコミュニティが魅力だとイジーと語る。「私達は一緒に演奏したいと思うようなミュージシャンに常日頃から囲まれている」とハレ。しかし、それは良い側面だけの影響ともかぎらない。彼女たちはステージで共演するバンドのいけていない側面を見て、ときどきそれを反面教師にすることもある。「ギター・ソロが多すぎて飽きてくるバンドも中にはいる」とローラが言うと、ハレもそれに同意をせざるを得ない。「私達は、かねてからギターなしで自分達の音楽をやりたいと思っていました。当然のことながら音が最低限にならざるをえないし、クリエイティブなことをしなければいけない。でも、それがプロジェクトの楽しみでもある」
オートマティックは録音作品を切り口として、広い世界へと旅立とうとしている。彼女たちの向かう先には、ライブ活動がある。そこに力を入れていきたいと話している。ハレは「音楽をもっと演奏し、ツアーを楽しみたいと思っています。私達は本当にツアーが好きなんです」といい、ローラもそれに同意している。「私達は、親友たちと演奏するのを楽しみにしています」
世界が新しく生まれ変わるなかで、オートマティックは、自分自身で人生の主導権を握ることにより、生きがいのような感覚を生み出すことを大切にしている。『Is it Now?』では大胆さと鋭い批評を両立させ、ロサンゼルスのトリオは三作目のフルレングスに軽快なステップで挑む。 変容のメッセージは背景のビートと前のめりなグルーヴで伝えるべきと考え、世界の抑圧の構造を、未知の切迫感で直視するよう促す。本作では、プロデューサーのローレン・ハンフリー(キャメロン・ウィンター、ナイス・アズ・ファック、アークティック・モンキーズ)とタッグを組み、バンド自身が「デビアント・ポップ」と表現する謎めいたサウンドを生み出した。
イジーは、新作に関して次のように述べている。「日々、いつも最も考えることは、世界が崩壊しているように見え、無力感に苛まれる中で、自分たちがどう喜びを感じ続けるのかということでした。アメリカ市民として、システムを止めるためのレバーを引く責任があると思いました」
「『Is It Now?』は、この環境下で被害者意識に陥らないためのチャレンジです。 たとえ世界中で発生している恐ろしい出来事の中にあろうと、何らかの喜びを感じ続けることが大切なんです」
Automatic 『Is It Now?』- Stone Throw 2025
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オートマティックの自称する「Deviant Pop」とは、''逸脱したポップ''のことを指すが、ロスの三人組の三作目のアルバムを聴けば、どのような音楽か理解出来るだろうと思われる。ニューウェイブのポスト世代に属する音楽であり、その中には、ディスコやクラウトロック、エレクトロニック、ダブ、デトロイトの古典的なハウス、ヨットロックなどが盛り込まれているが、明らかにオートマティックは、最新アルバム『Is It Now?』で未来志向の音楽を発現させている。
彼女たちは、ギターレスの特殊なバンド編成を長所と捉えることで、複合的なリズムとグルーヴをつくりだす。オートマティックは、ジナ・バーチ擁するニューウェイブバンド、The Slitsの再来であり、 彼女たちが生み出すのは内輪向けのパーティソングともいえる。しかし、その内輪向けのポップソングは、同時に今後のミュージックシーンの流行のサウンドを象徴づけている。
今年のアルバムの中では、かなり鮮烈な印象を放つ。『Is It Now?』はニューウェイブの次の世代となるネオウェイブの台頭が予感される。三者のボーカルが入り乱れる音楽は、どこから何が出てくるかまったくわからない。現代社会への提言を織り込んだ痛撃なアルバムが登場したと言える。
軽いエレクトロ・ポップだと思って聴くと肩透かしを喰らい、また、オートマティックのガールズバンドというイメージを元に聴くと、意外の念に打たれること必須だ。全般的には、ポップソングなので、ソフトな音楽として楽しめることは請け合いである。しかし、痛撃なパンク精神とクラウト・ロックの主題である”ロックの解体”という前衛主義の精神が貫かれている。前衛主義というのは、前に見た何かを反芻することではなく、それを時には否定し、新しい表現形式を確立させるということである。そこには、新しいクリエイターとしての自負が必要となり、少なくとも手垢のついた表現形式のことをアヴァンギャルドと呼ぶことは出来かねる。
オートマティックは音楽の聴きやすさや分かりやすさを維持した上で、本質ではない箇所で、感嘆すべき実験音楽をやってのける。それらはクラウトロックの主なテーマであるビートやリズムの解体、そしてそれらの再構築、あるいは、既存のリズムの革新などが例に挙げられる。”定義化されたものを再定義する”という試みは、Killing Jokeなどが行ったことがある。そして、ロスの三人組の場合、その行き着く先は、''ポピュラーソングという形態の再考''でもある。
ポップソングというのは、常態化し一般化された時に、先進主義の意義を失い、そのバランス感覚を崩すことになり、軽薄化し、味気ないものになっていく。つまり、新しい何かが出てこなくなるという意味なのだ。しかし、もし、音楽を作る際のクリエイターのマインドの中に、''既存の音楽的な定義や前例に疑問を抱く''という先進的な気風が残されていた場合は、ポピュラーミュージックの常識化した意味が完全に反転する。その瞬間、新しい音楽が出てくる。
この点を踏まえ、オートマティックは、DIYシーンに夢中になった経験を活かし、ポピュラーソングの構造を刷新するための試みを行っている。また、それこそがニューウェイブの正体である。既存のポピュラーという形態に一石を投じるような意味合いがあるわけなのだ。先日、デヴィッド・バーン氏は新作アルバムをリリースしたが、さすがで、このことがよくわかっていたと思う。
オートマティックの生み出す楽曲は 二律背反から成立している。それらがアルバムの全体的な構造を支えている。ディスコポップのような軽快な音楽と鋭い音楽的な批評精神を並立させ、独立した音楽を定義化する。アルバムの冒頭を飾る「Black Box」は、ディビアント・ポップとはどんなものなのかを知るための好材料となるはずだ。
ザ・スリッツのようなダブの古典的なリズムやアフロビートのリズムを掛け合わせ、NEUのような原始的な電子音楽と並列させる。
デジタルな電子音楽が主流となった現代の音楽シーンの渦中にあり、デュッセルドルフの最初期のテクノに触発されたアナログなモジュラーシンセの音色が主旋律として鳴り響き、ファンファーレのように鳴り響いている。その上でボーカルの録音が入るが、ケイト・ブッシュの時代のポピュラーソングを、茶目っ気たっぷりで少し艶気のある声で再現させるのである。曲にはミラーボールのディスコポップの影響が色濃く反映されていることは言うまでもない。イントローヴァースーコーラスーブリッジを二回繰り返した後、自由な電子音楽の旋律が膨らむ。主旋律の動きの中で、マクロコスモス的な音楽の超大なサウンドスケープが拡張されていく。
「Black Box」
ニューウェイブの範疇にあり、Wet Legのようなポストパンクサウンドに傾倒した曲が続く。「mq9」は、同様にダブのリズムを活かし、スリットからウェットレッグに至るまでのニューウェイブのスピリットを受け継いでいる。しかし、この曲を独創性溢れる内容にしているのは、スペーシーなシンセがボーカルの合間を変幻自在に飛び交い、スチームパンクやSFのような音楽的感性を随所に織り込んでいるからである。
シンセサイザーのフレーズの中には、クラフトワークを模した内容も登場するが、それらはイミテーションやオマージュの域を越えて、自由な精神を発露している。結果的には懐古的とも先進的ともいえない独特な音楽が作り上げられる。
ボーカルの側面では、ロサンゼルスの古典的なパンクバンドからの影響もうかがえるが、あくまでこれらはパンクというフィルター装置を通したポップソングに昇華されている。 これらはDEVOのようなニューウェイブのユニークさとウィットを明瞭に思い起こさせるのである。
たとえば、DEVOはパンクという文脈の中で、電子音楽とポップやロックがどのように生きてくるのかを探求したが、オートマティックも同じようなサウンドに挑んでいる。「Mercury」に見出されるようなサウンドは、 デトロイトで発生した原子的なテクノの魅力をポップソングの中で再現しようという趣旨である。
これらは最終的に、この後の時代において、ヒップホップやユーロビートに取り込まれてしまった印象もある。しかし、いまだに懐古的ではあるものの、近未来的な印象を与える。全般的にはポピュラーソングとダンスミュージックの中間にある音楽的なアプローチの中で、ブレイクビーツをブリッジに取り入れたりと、やはり、リズムの再構成というテーマが見え隠れする。これらが同じようにスペーシーなシンセと融合し、未来的なサウンドが作り出される。それらに旧来の''ディスコポップ''と呼ばれていたアーティストのボーカルを加えることで、適度な軽さと聴きやすさ、そして音楽的な対比性や意外性のポイントを見事なまでに作り出すのである。
現在のインディーズシーンの主流がロックからポップへと移行しつつある傾向は、もうすでに、4週か5週連続でポップバンドをご紹介していることからも理解していただけることだろう。これはあながち偶然とはいえない。カナダのTOPSのようなソフィスティポップも含まれている。
「Lazy」の程よく力の抜けたサウンド、あるいは脱力系のポップソングとも言えるサウンドは、西海岸のチルウェイブやヨットロックの次世代の音楽として、ソフィスティポップが続いていることをはっきりと伺わせる。
しかし、オートマティックのサウンドは、それらをチラ見したからとはいえ、依然としてニューウェイブのサウンドに根ざしており、 どことなく宇宙的なポップサウンドを思わせる。そしてこの曲を牽引しているのは、ウィスパーボイスではなく、ドラムとベースである。これらの起伏があり変化に富んだリズムは、同じようなフレーズが続いたとしても、それほど飽きさせないものがある。それらは結局、ファンクやR&Bの要素を擁していて、強いハネ感を体験出来る。なおかつまた強固なリズム・セクションから繰り出されるグルーブという、このバンドの持ち味が体感出来る。これらはライブで観衆とのエネルギーの一体感を獲得する可能性が高い。
また、Gang of Fourのポストパンクに根ざした楽曲もアルバムの中盤で強いウェイトを占めている。ベースのスラップ奏法を思わせる、Pファンクからの影響は、スリッツのようなガールズグループの影響を交え、新しい世代のニューウェイブへと生まれ変わっている。この曲のベースは卓越していて、『Mothers Milk』の時代のRHCPのフリーの圧倒的な存在感を彷彿とさせる。何よりすごいのは、ベースソロだけで、曲が成立しているということである。これらは、オートマティックの三人が、一流のミュージシャンの演奏技術に匹敵するのだという事実を証し立てている。”カントリーソング”と銘打っておいて、完全なニューウェイブソングなのも面白い。ボーカルのメロディの側面でも、どこかで聴いたことがある音階やフレーズを意図的に散りばめている。閉鎖的な前衛主義とは一定の距離を置き、ハイレベルな実験音楽を出現させる。
タイトル曲「Is It Now?」はアルバムのハイライトの一つとなり、聞き逃すことが出来ない。カルフォルニアのパンクの系譜を受け継いで、それらをニューウェイブサウンドで縁取っている。 この曲は、X-Ray SpecsのようなUKニューウェイブをカルフォルニアの感性で捉え、それらをよりパンク寄りにしたようなもの。 リズムは結構複雑であるが、Wireのようなパンクの影響も捉えられる。 それらのパンクサウンドの中で、やはり自由闊達なモジュラーシンセが動き回る。曲の後半の部分では、クラフトワークのようなディッセルドルフの電子音楽も登場する。これらのサウンドは、過去と未来を巡りながら、楽しいガールズバンドの雰囲気を生み出す。
さらに、オートマティックの音楽的なマニア性は、ビーチ・ボーイズの『Pet Sounds』のカルフォルニアの伝統的なロックと結びついて、原初的なダブやクラウトロックに傾倒する場合がある。
「Don't Wanna Dance」はビーチ・ボーイズの系譜にあるポップソングであるが、強烈で目のくらむようなダブのエフェクトや、CANやホルガー・シューのようなクラウトロックのリズムの解体と再定義というテーマを受け継ぐことにより、アヴァンギャルドなポップソングが確立されている。これらは、サンフランシスコのサイケデリックロックや、西海岸のフラワームーブメントのリバイバルに位置づけられ、それらがローファイを通過して、現代的な感性で捉えられている。
続いて、「Smog Summer」もハイライト曲の一つ。オートマティックのSFやスチームパンク趣味が全開となる。ブンブン唸るイントロのシンセベースは''最高''としかいいようがない。Suicideのアラン・ヴェガを彷彿とさせる分厚いアナログシンセのベースライン、それはデトロイトのIggy Pop &Stoogesを筆頭とする原始的なガレージロックとの合体を意味する。依然としてニューウェイブやクラウトロックの影響が強く、スペーシーなシンセが圧倒的な存在感を放つ。映画「Tron」のようなSFや近未来の世界観を軽快なシンセロックで体現させているとも解釈出来る。 これは、デヴィッド・ボウイがベルリン三部作で確立したポップソングと並行したパラレルワールドである。そこにはやはり、未来のテクノロジーに対する期待感が反映されている。
驚きなのは、終盤の三曲である。一般的な作品であれば、そろそろ息切れの感が出てくるが、オートマティックは終盤からエンジンのギアを上げて加速する。本作の序盤から中盤にかけての要約に終始してしまいがちな後半部であるが、未知の音楽的なセンスを見事なまでに発現させる。ここには、オートマティックの三者三様の音楽的な趣味がバランス良く散りばめられている。フルレングスを聴くにつけ、音楽的な世界が、出口にかけて収束したり閉じていくというより、それとは対象的に世界が拡張していくような感覚があるのが最大の長所に挙げられる。
なおかつ、最後の部分にかけて着想が閉じずに、永遠のように満ち広がっていくような感覚がするのが、秀才と天才を分け隔てる、ひとつの基準である。例えば、「The Prize」は、同じように、スリッツやクラッシュの「London Calling」のようなダブの要素を交えながら、それらを軽妙なポップのエッセンスで包み込んでいる。実験音楽や前衛主義を標榜しつつも、それを一般的に開けた内容にしようという考えは、ロサンゼルスの文化が作り出した最大の遺産であろう。
ドイツ/ニューヨークのインダストリアルロックやクラウトロックからの影響も強く、ドラム缶のように響くパーカッションのエフェクトも「インダストリアル・ポップ」という、いまだかつて存在しなかった音楽性を成立させるための機能を果たしている。しかし、同時に、オートマティックというバンド名とは対象的に、トリオの音楽は一貫して、スタジオセッションから生み出される。当然のことながら、それはリアルタイムの音楽の性質が一際強い。おのずと、その瞬間にしか生み出されない偶然の音楽の要素をどこかに有しているという次第なのである。
今回は、全般的にリズムの説明に終始してしまったが、オートマチックは、意図的にBPMを上げたり、下げたりしながら、テンポの実験を行っている。また、ゆっくりしたテンポ感は強固なグルーブを発生させ、対象的に性急なテンポは特異な疾走感を発生させることは言うまでもない。これらの絶対的な前衛主義は、表向きの商業音楽のパッケージに覆われていて、さらりと聴いただけでは把握できないと思う。何度も聴くたびに新鮮な音楽的な発見があるアルバムになっている。意図的にBPMを落とし、ゆったりしたテンポの中でファンクとポップを結びつけた「Play Boi」だけは、扇動的な意味合いを持ちつつも、依然としてニューウェイブの本質的な部分を影のように映し出している。また、この曲に見受けられるようなディスコポップからの影響もまた、このアルバムの基底にあるウィットやユーモアの要素を力強く映し出している。
しかし、こういったポップスで今作は終わることがない。いや、あっけなく終わるわけもなかった。クローズ曲「Terminal」は衝撃的なトラックで、彼女たちが単なるポップトリオではなく、鋭い感覚を持ったポストパンクバンドであることを暗示している。 イントロでは、Nirvanaのゲフィン時代の楽曲をシンセで組み直し、その後、ラテン系の言語の歌詞が歌われている。オマージュの意味を逆手にとり、新しい時代のパンクソングを作り上げた功績はあまりにも大きい。
88/100
・Album Tracklist:
1.Black Box
2.mq9
3.Mercury
4.Lazy
5.Country Song
6.Is It Now?
7.Don’t Wanna Dance
8.Smog Summer
9.The Prize
10.PlayBoi
11.Terminal
「Is It Now?」
■Automaticのニューアルバム『Is It Now?』はStone Throwから本日発売。ストリーミングはこちらから。 リリース記事はこちらから。
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