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ニューヨークのGeeseはアルバム『3D Country』に続き、同じセッションから抜粋された数曲を含むEP『4D Country』を発表した。バンドはジェームス・フォードと共同で今作をプロデュースした。EPはPartisanより10月13日にリリースされる。


さらに、昨年からGeeseのライヴのセットリストの一部となっていた新曲「Jesse」も初公開となっている。Geeseらしいローリング・ストーンズを基調にしたソウルフルでサイケなナンバーとなっている。ミステリアスなアジア人が登場するミュージック・ビデオは下記よりご覧下さい。


Geeseのフロントマンのキャメロン・ウインターは、ニューシングルについて次のように説明している。


「Jesse」は、最初はすごく速い曲だったんだけど、だんだんスローでサイケでソウルフルな曲に変わっていった。アルバムには収録できなかったけど、ライブではいつも楽しんで演奏しているよ。



Geese 『3D Country』 

 


 

Label: Partisan/ PIAS

Release: 2023/6/26


Review

 

Geeseは、ニューヨークの(正真正銘の)ベースメントから登場したロックバンドであり、なぜ、ベースメントと称する必要があるのかといえば、彼らが実際に地下室でハイスクール時代にセッションを重ねながら登場したコアなバンドだからである。彼らが放課後にスタジオ代わりにしていたその地下室には、安っぽいアンプが置かれており、ベースメント・セッションをデビュー時に重ねていた。バンドはライブで結構適当な演奏をすることがあるが、実際、ドラムがハイレベルであるため、それほど適当には見えない。どころか、結構すごそうなバンドに見えてくる場合もある。このバンドの屋台骨を支えているのは、間違いなくドラムとベースなのである。

 

ファースト・アルバム『Projector』では、「Rain Dance」を見ても分かる通り、捉え方によってはニューウェイブ/ポスト・パンクに近い先鋭的なロックを引っ提げて登場しギースであったが、2ndアルバムでは、それらの固定観念を通して見ることはあまり理にかなっていない。彼らは、それほどひとつのサウンドスタイルにこだわることなく、まったく違う音楽性へと歩みを進めている。2ndアルバムでは、少なくとも、ファンカデリックの影響が公言されていることからも分かる通り、デビュー時とは別のバンドのバックグランドを伺うことが出来るはずである。というのも、結成時にティーンネイジャーで構成されていたギースは意外にも現代のロックをそれほど多くは聴かず、Led ZepplinやRolling Stonesといった60/70'sのヴィンテージ・ロックを好んで聴いて育ったというのだ。これはちょっと気取ったビンテージ・ファッションにハマるファッション好きの人や、ヴィンテージ・バイクの沼にハマる人を見てみれば、その気持がよく分かると思う。自分が生まれる以前のカルチャーには、自分の生きてきた年月以上の歴史があるわけだから、そこには底しれぬロマンチシズムが存在しているのは当然のことなのだ。

 

2ndアルバムでは、砂漠、カウボーイハット、反転、青空という複数のイメージが実際の音楽性に分かちがたく結びついている。アルバムには、ウェスタン/カントリーの音楽とローリング・ストーンズの「Exile on the Street」の時代のシャッフルを用いたブギーに対する強烈なこだわりが見え隠れする。今回のアルバムでは、その古いものに対するこだわりは、乾いた感じのロックンロール/サザンロックという形で展開されている、しかし、拘りこそあるにせよ、それは呪縛とはなっていない。むしろ、前作の呪縛から解き放たれるため、2作目の制作に取り組む必要があったと言える。実際、本作はバンドの最初のイメージを払拭し、晴れ渡った青空のような清々しさに加え、ワイルドさがほんのり漂っている。これからの季節に相応しいような痛快なロックソングが満載で、夏休みのドライブには必携すべきアイテムの一つとなるだろう。

 

アルバムの冒頭を飾る「2122」は、彼ららしい煙に巻くようなロックソングが全開である。それは、モノマネのロックバンドとしての極致が見出されるとも言って良い。妙にソウルを意識したモコモコしたヴォーカルは、サザン・ロックやローリング・ストーンズの中期のようでもあるし、またピクシーズの最初期のブラック・フランスのように多少投げやりな感もある。としても、バンドサウンドとしてはタイトにまとまっている。ボーカルの声色はころころと変わり、最初はファンカデリックかストーンズなのだが、途中からオールマン・ブラザーズのようになる。もっといえば、ギターサウンドは、ジョニー・ウィンターのような渋さもある。この「七変化」とも言うべき変わり身の早さは、真面目なリスナーを呆れさせるような代物で、ほとんど奇妙にも思え、シュールな笑いすら誘うものがある。そして、ふざけているのか、真面目なのかわからなくなるのが、このギースというバンドの核心でありモットーでもある。リスナーはアルバムの冒頭では多少、肩透かしを食らったような感覚に陥るものと思われる。それは好意的に見れば、その場の面白い瞬間をスタジオに持ち込もうというのが彼らの流儀なのだ。

 

多少そのイメージが掴みにくいオープナー曲に続いて、二曲目の「3D Country」では、さらにローリング・ストーンズの色が強くなる。彼らは歌詞を通じて、彼らのいる国家が仮想現実の中に取り込まれていることを暗示する。ゴスペル風の女性コーラスを交えたロックンロールは、全盛期のストーンズがよく好んで取り入れていたスタイルだが、彼らはそれを忠実に再現しようとしている。ボーカルは一曲目よりもさらにミック・ジャガーに似せて来ているこれは驚くべきことだ。ただ、コーラスワークとメインボーカルが合わさる瞬間、僅かな甘美的な雰囲気が漂う。オマージュに近い組み立てではあるのだが、その中にも聞きこませる何かが存在する。

 

前曲と同様に先行シングルとして公開された「Cowboy Nude」は、夏真っ盛りの清涼剤となるインディーロックソングで、ドライブ等の際にも最高の効果を発揮する一曲だ。反復的なリズムは同じNY出身のザ・ストロークスに近いものがあるが、サビではソウルフルなローリング・ストーンズ風の展開に繋がっていく。彼らは、「Let It Bleed」「Midnight Rambler」「Rock Off」といったストーンズの代表曲にモダンな感覚を加えている。中盤では、サイケ・ロックに近い遊びの部分を設け、セッションの醍醐味をレコーディングで体現しようとしている。それは「ライブ・セッションの延長線にある密かな愉楽」とも称するべきものなのかもしれない。

 

その後、ファンカデリックのようなファンク・ロックの面白みを再現した「I See Myself」、デビュー・アルバムに続き、トーキング・ヘッズのニューウェイブとサイケロックを融合させた「Undoer」では、先鋭的なロックバンドの気風も捉えることが出来る。特に、後者のトラックではサイケロックバンドとしてのセッションの刺激が刻み込まれている。これらのジミ・ヘンドリックスを彷彿とさせるファンクのリズムを取り入れたキワキワなロックは一聴する価値がある。

 

その後、彼らの気まぐれなサウンドは続き、「Crusades」ではストロークスのミニマルロックやガレージ・ロックの影響を加味し、Geeseという存在がNYのオルタナティヴの系譜にあることを宣言する。さらに続く「Gravity Blues」は、オールマン・ブラザーズ、クロスビー・スティルス・ナッシュ(&ヤング)のようなサザン・ロックを基調にした渋いブルース・ロックへ突き進み、バンドとしてのアイディアの潤沢さを示してみせている。そうかと思えば、次曲「Mysterious Love」では、70年代のハードロック・サウンドへ舞い戻り、ジミ・ヘンドリックスを彷彿とさせるギターラインに、スクリーモやメタルコアのようなシャウトを追加することを忘れていない。もはや、無節操とも言うべきこれらの楽曲を通じて、彼らはシームレスに70年代から00年代を縦横無尽にクロスオーバーし、リスナーに少なからずの驚きをもたらす。アルバムは最後に至っても、彼らの底しれぬロックへのこだわりが続き、モダンなインディー・ロック・ソング「Domoto」のあと、「Tomorrow's Crusades」では、カントリーやアメリカーナを巧みにブレンドしたクラシック・ロックに、少しバラードっぽい雰囲気を交えているが、曲の全体にはサイケロックの雰囲気が漂う。これらの気楽なムードをストリングスが強化している。

 

最後になっても、ボーカルの七変化はとどまることを知らない。ラップ・アーティストの力の抜けた歌い方をロックの側面から再解釈するスタイルで聞き手を唖然とさせる。やはり徹底して、悪ふざけのような印象を受けるが、本作では、バンドなりのユニークさが重要視されている。厳しい評価が目立つのは、Geeseがもはや、新人バンドとはみなされていないためなのか。それほどまでに老獪なロックンロールを体現した一作となっている。もし、このバンドのメンバーの誰かが有名なロック・ミュージシャンの生まれ変わりだったとしても、さして驚きはない‥‥‥。

 

 

77/100

 

 

「3D Country」

©︎Kyle Berger

NMEの表紙を飾ったばかりのニューヨークのニューライザー、Geeseは、金曜日にリリースされるアルバム『3D Country』から最終シングルを先行公開しました。

 

「I See Myself」は、前作「Mysterious Love」、「Cowboy Nudes」、そしてタイトル曲に続く楽曲です。カウボーイを彷彿とさせるようなアメリカーナを基調としたオルトロックで、また最初のシングルから一貫していますが、ファンカデリックに対する親和性も込められている。「デビュー・アルバムからの大きな飛躍を感じさせ、2ndアルバムの発売日に向けて期待感を盛り上げている。


フロントマンのキャメロン・ウィンターは声明の中で、「『I See Myself』は、アルバムのためにまとめた最後の曲の1つだ」と説明しています。「シンプルで大きなコーラスと美しいバック・ヴォーカルを持つ、僕の大好きなファンカデリックの曲からインスピレーションを受けたんだ。これは、Geeseにとって初めての正式なラブソングかもしれません。自分の人間性が他の誰かに反映されるのを見ることは、私にとって最も純粋な種類のつながりの1つです。でも、この曲には、邪悪で止められないものから愛する人を救いたいという、歌詞の暗さもあると思う」


「I See Myself」

 

©︎Kyle  Burger

ニューヨークのベースメントロックバンド、Geeseが6月23日にPartisan/PIASより発売される次作アルバム『3D Country』の3rdシングル「Mysterious Love」を公開しました。各種ストリーミングはこちら

 

「この曲は、12個の90年代のロックの決まり文句を、1つの小さなオーバープロデュースのパッケージに混ぜたものだ」と、フロントマンのCameron Winterは声明で説明している。


「前半と後半のムードのコントラストが好きなんだ。でも、ある日、マックス(ドラムのバシン)がドラムを叩き続けて、2分間、同じエンディングを叩き続けたんだ。レコーディングのときは40曲くらいあったんだけど、レーベルからカットしてくれと懇願されてね。交渉の末、結局15曲くらいになったよ」


「Mysterious Love」は「Cowboy Nudes」タイトル曲に続く作品でです。新曲のリリースと同時に、リリックビデオが公開されていますので下記よりご覧下さい。また、本日、23:00よりバンドとJames Fordが監督したミュージックビデオが公開されますので、お楽しみに。

 

 

 

 

バンドのフロントマンのキャメロン・ウィンターはニューアルバム『3D Country』について以下のように説明しています。

 

 歌詞は、西部開拓時代にサイケデリックを使ったカウボーイが、脳を永遠に焼き尽くすという話なんだ。

 

最初はコーマック・マッカーシーの小説に出てくるような、ストイックで男らしいキャラクターを想像していたんだけど、だんだん解き明かされて、古代ローマや万里の長城で自分の過去の生活を見てしまう。最終的に彼は自分自身を見つけ、祝祭的なものに変わります。この厳格な個人と、心を揺さぶる超次元的な体験を対比させるというアイデアが気に入ったんだ。


同様に、音楽は、多くの異なるカントリーリック、ゴスペル的なコール&レスポンスパートなどのアマルガムであり、通常私たちがやらないようなことを、この質感のある、奇妙でサイケデリックなレンズを通して押し出したかった。

 

ヴァースにある1つのグルーヴを中心に10分間ジャムり続け、その後、30秒間のベストな部分を取り出して、すべてをまとめました。オリジナル・バージョンは2倍以上の長さがあり、ライブで演奏するときやミュージックビデオに登場する曲のバ ージョンでは、よりクレイジーなセクションを復活させています。


 

©︎Kyle Burger


ブルックリンの5人組オルタナティヴ・ロックバンド、Geeseが2ndアルバム『3D Country』の制作を発表しました。Partisan Records/Play It Again Samから6月23日にリリースされる。2021年の『Projector』に続く本作は、バンドとJames Fordが共同プロデュースを行っている。

 

以前シェアされた楽曲「Cowboy Nudes」も収録されており、最初の発表ではタイトル曲が公開となりました。キャメロン・ウィンターは『3D Country』について以下のように説明しています。

 

 歌詞は、西部開拓時代にサイケデリックを使ったカウボーイが、脳を永遠に焼き尽くすという話なんだ。

 

最初はコーマック・マッカーシーの小説に出てくるような、ストイックで男らしいキャラクターを想像していたんだけど、だんだん解き明かされて、古代ローマや万里の長城で自分の過去の生活を見てしまう。最終的に彼は自分自身を見つけ、祝祭的なものに変わります。この厳格な個人と、心を揺さぶる超次元的な体験を対比させるというアイデアが気に入ったんだ。


同様に、音楽は、多くの異なるカントリーリック、ゴスペル的なコール&レスポンスパートなどのアマルガムであり、通常私たちがやらないようなことを、この質感のある、奇妙でサイケデリックなレンズを通して押し出したかった。

 

ヴァースにある1つのグルーヴを中心に10分間ジャムり続け、その後、30秒間のベストな部分を取り出して、すべてをまとめました。オリジナル・バージョンは2倍以上の長さがあり、ライブで演奏するときやミュージックビデオに登場する曲のバ ージョンでは、よりクレイジーなセクションを復活させています。

 

「3D Country」






Geese  『3D Country』
 

 
Label: Partisan/Again Sam
 
Release Date: 2023年6月23日
 
 
Tracklist:
 

1. 2122
2. 3D Country
3. Cowboy Nudes
4. I See Myself
5. Undoer
6. Crusades
7. Gravity Blues
8. Mysterious Love
9. Domoto
10. Tomorrow’s Crusades
11. St Elmo
 
 
Pre-save:
 
 
 
 
 
 

2020年に高校を卒業した彼らは、キャメロン・ウィンター(リードボーカル)、ガス・グリーン(ギター)、フォスター・ハドソン(ギター)、ドム・ディゲス(ベース)、マックス・バシン(ドラムス)の5人組。


最近まで、グループはバシンの地下室で練習や曲のレコーディングを行っていた。そこは、彼らのデビューアルバム『Projector』が高校3年生の時にレコーディングされた場所だ。「引っ越した後、ハリケーン(アイダ)のせいで地下室が少し水浸しになったが、ほとんどのものは運び出すことができた」とバシンは言う。


バンドが地元のレーベル、Partisanと契約したとき、グループにはいくつかの特典が与えられた。レコーディングされていたアルバムにプロフェッショナルなミックスが施され、ツアーも始まり、プロフェッショナルな練習場も確保された。


最近ニューヨークで合法化されたマリファナ、予防接種の優位性、そして金曜日のライブでの無料フードの話は、彼らの音楽について話すのと同じくらい興味をもっている。ステージでの存在感やライブの快適さについて尋ねられると、Winterは「僕はいつもピーターパンみたいに天井から吊るされているんだ」とジョークを飛ばした。少なくとも現時点では、グループの中で最も集中力のあるGreenは、「僕たちはライブをとても楽しんでいるし、もう少し動揺しているんだ」と説明する。それに比べるとレコードはかなり地味に聞こえるよ」と。


ヴォーカル・レンジとインスピレーションについてさらに尋ねられると、Winterは曲に合わせて自分のトーンを形成することを認めている。「エコー・アンド・ザ・バニーメンやザ・フォールのマーク・E・スミスの時代のパンク・シーンにインスパイアされているんだ。


デビューアルバムが世に出たばかりで、彼らはProjector以降の作品をまだたくさん隠し持っていることを認めている。現実的には、新曲をライブで演奏することについて尋ねられたとき、Winterは、まだファーストアルバムすら聴かれていないことを指摘した。「まだファースト・アルバムを聴いてもらっていないので、あまり新曲を演奏しないようにしているんだ」と彼は言う。その通りだが、現在は改善されている。Projectorがリリースされ、アルバムとライブの両方が好評を博している今、バンドの次のステップがより大きな関心を呼ぶことは間違いない。


 

©︎Kyler Berger


NYCの5人組ベースメント・ロックバンド、Geeseが2021年のデビュー・アルバム『Projecter』以来の最新シングル「Cowboy Nudes」を発表しました。


ギースは、ニューヨークの地下室のライブ・セッションからはじまったバンドで、結成当時まだ高校生だった。彼らは、親の世代の影響で、ビートルズやピンク・フロイドなどクラシック・ロックバンドを聴いていたと語っている。今回の二年振りのシングルは、ローリング・ストーンズのブルージーかつワイルドなブギー性を受け継いだ痛快なトラックとなっています。


「Cowboy Nudes」について、バンドのフロントマン、キャメロン・ウインターは声明の中で次のように語っている。


この曲は、世界の終わりの後、人生がより良く、より楽しくなることを歌っているんだ。 
まず、ドラムのマックスに、高校時代から持っていた壊れたシタールを持って来させたんだ。ワールドミュージック・ショップに新しい弦を買いに行ったら、1パックが80ドルだと言われたんだ。冗談と思って2本買ってしまった。でもシタールの弦はそんなに安くない。
結局、弦を張り替えないで切れていないほうの弦を弾くだけにしたんだ。だから、2番目のヴァースのシタールの素晴らしさはわかってもらえると思う。あと、"転がる草に恋をする "というフレーズも気に入っているよ。


ニュー・シングル「Cowboy Nudes」の発表と同時にリリック・ビデオが公開されました。ご視聴は下記より。