2ndアルバムでは、砂漠、カウボーイハット、反転、青空という複数のイメージが実際の音楽性に分かちがたく結びついている。アルバムには、ウェスタン/カントリーの音楽とローリング・ストーンズの「Exile on the Street」の時代のシャッフルを用いたブギーに対する強烈なこだわりが見え隠れする。今回のアルバムでは、その古いものに対するこだわりは、乾いた感じのロックンロール/サザンロックという形で展開されている、しかし、拘りこそあるにせよ、それは呪縛とはなっていない。むしろ、前作の呪縛から解き放たれるため、2作目の制作に取り組む必要があったと言える。実際、本作はバンドの最初のイメージを払拭し、晴れ渡った青空のような清々しさに加え、ワイルドさがほんのり漂っている。これからの季節に相応しいような痛快なロックソングが満載で、夏休みのドライブには必携すべきアイテムの一つとなるだろう。
前曲と同様に先行シングルとして公開された「Cowboy Nude」は、夏真っ盛りの清涼剤となるインディーロックソングで、ドライブ等の際にも最高の効果を発揮する一曲だ。反復的なリズムは同じNY出身のザ・ストロークスに近いものがあるが、サビではソウルフルなローリング・ストーンズ風の展開に繋がっていく。彼らは、「Let It Bleed」「Midnight Rambler」「Rock Off」といったストーンズの代表曲にモダンな感覚を加えている。中盤では、サイケ・ロックに近い遊びの部分を設け、セッションの醍醐味をレコーディングで体現しようとしている。それは「ライブ・セッションの延長線にある密かな愉楽」とも称するべきものなのかもしれない。
その後、ファンカデリックのようなファンク・ロックの面白みを再現した「I See Myself」、デビュー・アルバムに続き、トーキング・ヘッズのニューウェイブとサイケロックを融合させた「Undoer」では、先鋭的なロックバンドの気風も捉えることが出来る。特に、後者のトラックではサイケロックバンドとしてのセッションの刺激が刻み込まれている。これらのジミ・ヘンドリックスを彷彿とさせるファンクのリズムを取り入れたキワキワなロックは一聴する価値がある。
「I See Myself」は、前作「Mysterious Love」、「Cowboy Nudes」、そしてタイトル曲に続く楽曲です。カウボーイを彷彿とさせるようなアメリカーナを基調としたオルトロックで、また最初のシングルから一貫していますが、ファンカデリックに対する親和性も込められている。「デビュー・アルバムからの大きな飛躍を感じさせ、2ndアルバムの発売日に向けて期待感を盛り上げている。
フロントマンのキャメロン・ウィンターは声明の中で、「『I See Myself』は、アルバムのためにまとめた最後の曲の1つだ」と説明しています。「シンプルで大きなコーラスと美しいバック・ヴォーカルを持つ、僕の大好きなファンカデリックの曲からインスピレーションを受けたんだ。これは、Geeseにとって初めての正式なラブソングかもしれません。自分の人間性が他の誰かに反映されるのを見ることは、私にとって最も純粋な種類のつながりの1つです。でも、この曲には、邪悪で止められないものから愛する人を救いたいという、歌詞の暗さもあると思う」
ブルックリンの5人組オルタナティヴ・ロックバンド、Geeseが2ndアルバム『3D Country』の制作を発表しました。Partisan Records/Play It Again Samから6月23日にリリースされる。2021年の『Projector』に続く本作は、バンドとJames Fordが共同プロデュースを行っている。