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イギリス、ノッティンガムのポストパンクデュオ、スリーフォード・モッズは、パレスチナのスカーフがステージに投げ込まれたことを受けて、マドリードのラ・リヴィエラでのライブをキャンセルした。ショーは終わりに近づいており、その後、数曲演奏する予定だった。


ジェイソン・ウィリアムソンとアンドリュー・ファーンは、1時間半ほど演奏していたが、客席からパレスチナのスカーフがステージに投げ込まれ、シンガーは「Nudge It」の途中で演奏を中断した。ウィリアムソンは、スカーフを拾い上げたのち、「もしまた同じことが起きたらコンサートを中止する」と腹立たしそうに言い放ち、スカーフを投げ返した。これは曲の中で政治的な風刺を込めたスポークンワードを披露するデュオに対する、一部の心無い観客からの挑発とも取れる。


ライブの後、バンドはソーシャルメディアで次のように弁明している。「僕は歌手だ。私の仕事は音楽なんだ。戦争について私が本当に知っているのは、他の人たちと同じように、早すぎる死にうんざりしているということだけ。どんなクソみたいな信念の網の下でも、誰もが殺されてしまうということにね」


さらに、ボーカルのジェイソン・ウィリアムソンはツイッターで、ファンが政治的なポジションを求めてきたことに対して、「ギグで何も考えてないのに、どっちにつくかなんて聞かないでほしい」と書いている。ただし、現在のところ、グループは少し態度を軟化しつつあるようだ。



さらにジェイソン・ウィリアムソンは、マドリードで起こったことについて、「いくつかの背景を説明したい」とソーシャルメディア声明で書いている。


ウィリアムソンははまた、「私は答えを持っていない」とも書いており、ガザでの停戦を求める人々が増えていることには賛成している。「意味のある停戦が必要だ。意味のある停戦が必要となるだろう」と、現時点では一方の肩を持たずに、平和的解決を望んでいることを言及するにとどまった。

 

Pole

Sleaford Modsがダブ・テクノ・プロデューサー、Poleの楽曲を新たにリミックスした。このシングルはPoleの「Tempus Remix EP」に収録される。『Tempus Remix EP』は2023年11月24日にMuteから発売予定。


UKデュオは、2022年のアルバム『Tempus』に収録されたドイツ人プロデューサーのトラック「Stechmück」をリワークを手掛けた。

 

リミックスは、近日リリースされる『Tempus Remix EP』に収録される。下記よりご視聴下さい。アレッサンドロ・コルティーニとローズは、11月にリリースされる同リリースにもリミックスを提供している。


Sleaford ModsのAndrew Fearns(アンドリュー・ファーン)は声明の中で次のように述べている。 「ポールは素晴らしいプロデューサーだよ。彼とコラボレーションできることは、とても嬉しく光栄なことだ。僕は長い間ファンで、去年ロンドンのカフェOTOで彼がプレイするのを見たときは感動した」



 

Sleaford Mods(アンドリュー・ファーンとジェイソン・ウィリアムソン)がリリースするEP『More UK Grim』は、今年初めにリリースされ高い評価を得たアルバム『UK GRIM』と同時にレコーディングされた。EPは Rough  Tradeから10月20日に発売される。


リード・シングルの『Big Pharma』は、"truuther"(真実主義者)のワームホールに疑いの眼差しを投げかけながら、最近のアルバムと同じように "take no prisoners"(囚われの身とならない)という叙情的なアプローチをとっている。


『More UK GRIM EP』の基調をなすこの曲には、ショーン・シアーズ監督による鋭い風刺の効いたアニメーション・ビデオが付属している。彼は、入念に研究された医学的治療法よりも尿を飲むことを尊ぶ健康療法の「哲学」の結果を検証するため、独特の様式化された2Dビジョンを適用した。


「"ビッグ・ファーマ "は、コビッドが再び動き出した2022年秋の序章で書かれた。この作品には通常のスリーフォード・モッズの不条理主義がたくさん盛り込まれているが、非常に疑わしい人々が全面的に押し出している情報の中に真実を見出そうとする現在進行形の魅力にも注目している」とジェイソン・ウィリアムソンは説明する。


「''ビッグ・ファーマ "という言葉は、その本来の位置から根こそぎ取り払われた。それは本来、製薬業界が大量に生命を台無しにするような製品をどんどん生産していくことに対して、正しく批判を投げかけるものだった。その代わりに今、『ビッグ・ファーマ』は、自分たちの主張の財政的な狙いを、ある種の批判的思考的な大げさな正当性で覆い隠そうとする右翼団体や業界団体によって使われる言葉として、より親しまれている。でも、それは間違っている。それは、絶望、広範な恐怖、そして、私たち大衆が背負わされている限られた批判的認識と結びついた、何世代にもわたる自由放任の誤った情報を糧としているのだ」


ウィリアムソンは、Sleaford Modsの曲は、「この用語をある種の顔のない政治的/産業的複合体の一部として売り込んでいる人々を弁解するものではなく、投稿する前に本当に自分の脳を働かせるべきキーボード戦士たちを揶揄するものでもある」と付け加えている。


「個人的な責任もたくさん問われなければならない。最近、"ビッグ・ファーマ "が反トランス運動に採用された。しかし最新のスマートフォンの次のバージョンと同じで、機能はほとんど同じなんだ」


「Big Farma」



 Sleaford Mods 『More UK Grim』EP



Tracklist:


Under The Rules

Old Nottz

Big Pharma

PO Crazeh

My 18hr Girdle

Old Nottz (Alt mix)

 



ノッティンガムのポスト・パンクデュオ、Sleaford Modsは、ラフ・トレードから発売された最新作『UK Grim』の熱狂が醒めやらぬうちに、米国のカルフォルニアのインディオで開催されるコーチェラ・フェスティバルに出演、多くのオーディエンスをわかせました。続いて、スリーフォード・モッズはシアトルのラジオ局/KEXPのスタジオに登場し、35分間のライブパフォーマンスを行っています。

 

デュオは最新作『UK Grim』のタイトル曲を筆頭に、ライブセットではお馴染みと言える「Jobseeker」に至るまで、魅力的なライブを披露しています。ライブパフォーマンスの模様は下記よりご視聴下さい。

 

 

Setlist:

 

1.UK GRIM
2.On The Ground
3.Pit 2 Pit
4.Force 10 From Navarone
5.Tilldipper
6.Mork n Mindy
7.DIwhy
8.Tory Kong
9.Jobseeker
10.Tweet Tweet Tweet

 

Sleaford Mods 『UK Grim』



Label: Rough Trade

Release Date: 2023年3月10日



Review 

 

ノッティンガムのジェイソン・ウィリアムソンとアンドリュー・ファーンのポスト・パンクデュオ、スリーフォード・モッズは2005年に立ち上げられたが、当初はウィリアムソンのソロ・プロジェクトとして出発した。

 

スリーフォード・モッズは、2009年までに三作のフルアルバムとEPをリリースした。まだこの時代にはスポークンワードとグライムの融合という現在の持ち味が出ていなかった。この状況を変えたのが、相方であるアンドリュー・ファーンだった。彼はUKのアンダーグランドシーンでDJをしており、2010年10月に、2人は出会ったのである。このとき、両者は、「All That Glue」という曲を書いて、翌年に共にデュオとして活動するようになった。スリーフォード・モッズがプロミュージシャンとして独り立ちしたのは、2014年のことであり、グラスゴーでスカオリジナルバンド、ザ・スペシャルズのサポートを務めたとき。その後、英国に対する風刺を効かせたスポークンワード、UKのダンスフロア出身者らしいコアなグライムを制作するアンドリュー・ファーンのクールなトラックメイクが彼らの代名詞となった。彼らがザ・スペシャルズのサポートを務めた後、ミュージシャンとして独立したのは偶然ではあるまい。先日亡くなったテリー・ホールがそうであったように、デュオは労働者階級のヒーローともいうべき存在なのである。

 

現在、フロントマンのウィリアムソンさんは50歳を過ぎている。しかし、年齢からにじみ出る含蓄溢れるブレクジットや政権に対するシニカルな風刺という要素は、他のどのバンドにも求められないデュオの最高の魅力と言えるかもしれない。昨年、ラフ・トレードから発売された『Spare Ribs』もスポークンワードとポスト・パンクを融合させた快作だったが、昨日発売となった新作『UK Grim』もスリフォード・モッズの持ち味が十分引き出された快作となっている。いや、もしかすると、政治風刺の鋭さについては前作を上回るものがあるかもしれない。


先行曲として公開された「UK Grim」は、グリム童話のように、可愛らしくも不気味なイラストレーションのMVが特徴的だ。ジェイソン・ウィリアムソンは、ボリス・ジョンソン政権に対する暗示的な批判を加え、貴族たちに民衆が搾取されていることをほのめかしている。これらは英国政府の停滞を肌で感じる人々に痛快な印象を与えるはずだ。そして、デュオの代名詞である、ごつごつした鋭いポストパンクに根ざしたアンドリュー・ファーンのトラックメイク、お馴染みのジェイソン・ウィリアムソンのシニカルでウィットに富んだスポークンワードが刺激的な融合を果たしている。イントロダクションは戦闘機のエンジン音のように不気味な印象をもたらす。


その他、2ndシングルとして公開された「Force 10 from Navarone」では、2022年、4ADから『Stumpwork』を発売したイギリスのポスト・パンクバンド、Dry Cleaningのボーカリスト、フローレンス・ショーとコラボレーションを実現させている。これは表向きには、異色のコラボとも思えるかもしれないが、他方、両者とも知的なスポークンワードの要素を兼ね備えるという点では理にかなった共演と言える。情熱的なウィリアムソンのボーカルとショーのクールなボーカルという両極端の掛け合いは、スリーフォード・モッズの音楽に新鮮味をもたらしている。

 

さらに、3rdシングルとして公開された「So Trendy」には、Jane's Addiction(ジェーンズ・アディクション)のペリー・ファレルが参加した。ペリー・ファレルがデュオのファンで、彼の方から連絡をとったという。

 

このコラボレーションが面白いのは、USオルタナティヴの代名詞的な存在であるファレルは、痛快なコーラスワークによって、自身の音楽性の重要なアイコンであるヘヴィネスというより、オレンジ・カウンティのポップ・パンクのような明るい影響をこの曲に及ぼしていることだ。また、このトラックは今までのスリーフォード・モッズの楽曲の中で最も軽快さと明朗さを感じさせる内容となっている。他にも、前作『Spare Ribs』に収録されていた「Out There」の音楽性の延長線上にある「I Claudius」は、アシッド・ハウスとUKグライムを融合させたクラブミュージックで、アンドリュー・ファーンのセンス抜群のトラックメイクを堪能することが出来る。


前作に比べ、ウィリアムソンのスポークンワードは、アジテーションが少し薄まってしまったようにも思えるかもしれないが、依然として、昨年、トム・ヨークがサウンドトラックを担当したBBCのドラマ『ピーキー・ブラインダース』の終盤のエピソードに”ラザロ役”として出演したウィリムソンの醍醐味ーー怒りを内に秘めたスポークンワードーーの存在感は「Pit 2 Pit」に顕著に表れ出ている。さらに以前から自宅でのTikTok形式のダンスの動画をTwitterで公開しているミュージシャンらしいユニークさと遊び心も、本作の随所に見出すことが出来るはずだ。

 

 

86/100

 

 

Featured Track「So Trendy」



Sleaford Modsは、Jane's AddictionのPerry Farrellをフィーチャーした新曲「So Trendy」を、新作アルバム『UK GRIM』の第3弾テイスターとして公開しました。


先月の「Force 10 From Navarone」でDry CleaningのFlorence ShawとコラボしたSleaford Modsは、Jane's AddictionのPerry Farrellをフィーチャーした「So Trendy」を発表しました。この曲は、1月のタイトルトラックとともに、2人のアルバムUK GRIMに収録されることになっています。


Jason Williamsonは、このコラボレーションについて、「Perryが連絡をくれて、僕らと仕事をしたいと言ってくれたんだ。彼は本当にクールな男で、彼のバック・カタログは明らかにそれを物語っている」


彼はこの曲について、「"So Trendy "は、スマートデバイスを通して生活することの二極化が進行していることに関係している。毎日の生活は、パスワードや顔認証の連続であり、消費者マーケティングと適合性というおなじみのアリーナへと私たちを導いていくのです」 と彼は付け加えました。


このデュオの次作アルバムは、2021年のアルバム『Spare Ribs』に続く。ジェイソン・ウィリアムソンは、「もしかしたら、私たちはこの国を誇りに思っているかもしれない。もしかしたら、私たちはイギリス人であることを誇りに思っているのかもしれない。恐ろしく灰色の街並みやクソみたいな天気、気がつけば投資しているくだらないファッションを誇りに思うのかもしれない。ただ、私たちが誇りに思っている英国は、当局が広めようとする英国とは全く違うんだ」





『UK GRIM』はラフトレードから3月10日に発売されます。またこの新作については、ガーディアンの日曜版、The Observerでも特集されています。



Sleaford Mods


Sleaford Modsはニューアルバム『UK GRIM』をラフ・トレードから3月10日にリリースすると発表しました。最初のリードカット「UK GRIM 」は、Sleaford Modsが昨年10月にOrbitalの "Dirty Rat "に参加して以来となるシングルで、Cold War Steveが監督したビデオと合わせて公開された。Sleaford Modsの同名アルバムはRough Trade Recordsより3月10日に発売され、現在予約受付中です。


『UK GRIM』は2021年のアルバム『Spare Ribs』に続くアルバムとなる。ドライ・クリーニングのヴォーカリスト、フローレンス・ショーが参加した曲や、スリーフォード・モッズとジェーンズ・アディクションが合体したような曲もあり、ペリー・ファレルとデイヴ・ナヴァロも参加している。


ジェイソン・ウィリアムソンは、次のようにこの新作アルバムについて説明しています。「もしかしたら、俺たちはこの国を誇りに思っているのかもしれない。イギリス人であることを誇りに思っているのかもしれない。恐ろしく灰色の街並みやクソみたいな天気、気がつけば投資しているバカげたファッションに誇りを持っているのかもしれない。ただ、俺たちが誇りに思っているイギリス人はそのかぎりではない、当局が宣伝しようとするイギリス人とは全く違うんだ」







Sleaford Mods 『UK GRIM』





Label: Rough Trade

Release: 2023年3月10日



Tracklist:

1.UK GRIM 
2.D.I.Why 
3.Force 10 From Navarone - (Feat. Florence Shaw)
 4.Tilldipper 
5.On The Ground 
6.Right Wing Beast 
7.Smash Each Other Up 
8.Don 
9.So Trendy - (Feat. Perry Farrell and Dave Navarro) 
10.I Claudius 
11.Pit 2 Pit 
12.Apart From You 
13.Tory Kong 
14.Rhythms Of Class


 

現在、スリーフォード・モッズは、アメリカ横断ツアーを行っており、東海岸に滞在しています。彼らは、先日、セス・マイヤーズが司会を務める「Late Show」に出演し、昨年、ラフ・トレードからリリースした最新アルバム「Spare Ribs」収録の楽曲「shortcummings」をライブステージで披露しています。

 

「Shortcummings」は、英国の元ボリス・ジョンソンの右腕であるドミニク・カミングスに因んでいます。

 

自国の政治に対する辛辣な皮肉ーー自虐的なジョークーー彼らの一番の持ち味である「Black Joke」のニュアンスについては、アメリカの一般視聴者には上手く伝わっていないようで、一般的なリスナーにとって、スリーフォード・モッズは、奇異な存在にも見えるらしいです。つまり、この笑うべきなのか、それとも笑うべきではないのか、よくわからない感じこそ「English Joke」の真骨頂であり、「Monty Python」のようなシュールさを取り入れているのが彼らの醍醐味で、つまり、このデュオはどこまでも英国のミュージシャンであると言えるのでしょう。

 

元来、英国からはるばる海を越えて米国にライブを行うために登場したミュージシャンに対して、アメリカの国民は多くの場合、好意的に受け入れるものと思われますが、この晩に行われた「Late Show」のステージでのスリーフォードのライブは、ワイアードなパフォーマンスとして視聴者の目に映ったようです。それは、なぜかと言うと、彼らが「Flow」でなくて「Spoken Word」というイングリッシュスタイルを音楽性の根幹に置いているから。それは、ヤード・アクトよりも遥かに性格が強いです。一例として挙げるなら、極上のビーフステーキが提供されると考えているアメリカのファンの食卓に届いたのは、なんと、プディングであった・・・。というわけで、一般視聴者は「What??」となり、大分、肩透かしを食らったようです。

 

いずれにせよ、ジェイソン・ウィリアムソンとアンドリュー・ファーンは、セス・マイヤーズのステージで見事な演者となり、英国式のアクの強いスポークンワードを披露しました。もしかすると、彼らはミュージシャンというよりかは、コメディアンのように多くの視聴者の目に映ったかもしれません。しかし、言うまでもなく、彼らはコメディアンでもなければ、パフォーマーでもなく、正真正銘のポスト・パンクロッカーです。

 

今回の「Late Show」でのパフォーマンスについては、本来の英国のライブより過激さを抑えており、落ち着いたパフォーマンスとなっています。一部界隈では、彼らの音楽に対する理解者も一定数いるものの、アメリカで一般的な理解が得られるまでには、それなりの時間を要するかもしれません。

 

スリーフォード・モッズのフロントマンとして知られるジェイソン・ウィリアムソンは、4月3日にBBCで、イギリス国内で放映されたドラマシリース「ピーキー・ブラインダーズ」のフィナーレに登場し、主役を演じました。


暴言を吐く説教師ラザロ役を演じたジェイソン・ウィリアムソン(左)


BBCで放映されていた「ピーキー・ブラインダーズ」は、20世紀初頭の英国のバーミンガムを舞台とし、ギャングを題材にした全6シーズンにわたり放映された魅力的な社会派のクライムドラマ。レディオ・ヘッドのトム・ヨークがオリジナルスコアを担当していることでも知られています。


今回、ピーキー・ブラインダーズの最終回において、イギリス国内でポスト・パンクバンドのメンバーとして活躍するスリーフォード・モッズのヴォーカリスト、ジェイソン・ウィリアムソンが劇的な登場を果たし、主演級の活躍を見せています。

 

リサー・オニールは、感情的に共鳴するような雰囲気を持つボブ・ディランのカバーでピーキー・ブラインダーズを締めくくりました。また、このドラマの最終回の印象的なシーンに、ジェイソン・ウィリアムソンが登場。スリーフォード・モッズのシンガーであるジェイソン・ウィリアムソンは、古めかしいオールドイングリッシュのファッションに身を包み、劇中に颯爽と登場し、”暴言を吐く説教師ラザロ”としての役をワイルドに演じ、多くのファンを騒然とさせました。

 

「ピーキー・ブラインダーズ」の最終回に登場したジェイソン・ウィリアムソンは、機関銃のように吠えるという彼のスポークンワードの特性を生かした役が与えられ、イギリスの「The Gurdian」は、ウィリアムソンの役柄について「完璧である」と称しました。 



BBC 「Peaky Bliders」 iPLAYER

 

https://www.bbc.co.uk/iplayer/episodes/b045fz8r/peaky-blinders 





 現在、イギリス国内のツアーを回っているノッティンガム出身のポスト・パンクデュオSleaford Mods。




Quote :Amazon.co.jp

 

 

 

この二人の世界一のファンキーブラザーたちが、昨夜、リバプール公演後、ライブの熱気も冷めやらぬ中、ファンに向けて、ホットでクールなメッセージを世界に向けて公開してくれた。彼ら二人は、ツアーの一部であるリバプール公演の後すぐに、「Thank You Livepool,Until We Meet Again」と熱いメッセージと贈ると共に、即興のクールでホットなラップを披露してくれた。

 

楽屋の中で、おもむろに画面の外にフェイドアウトしていくSlaford Modsの中心人物、ジェイソン・ウィリアムソン。ほどなくして、謎めいたトラックが楽屋の中に流れ始める。何をするんだと思ったら、ウィリアムソンは、ライブだけじゃものたりんわいとばかりに、音楽の再生に合わせてクールなライムをかましはじめる。即興のラップであるものの、公演のホットさが伝わってくる滅茶苦茶リアルなフロウだ。それに加え、デュオのもうひとりのメンバー、アンドリュー・ファーンが、な、何と、、、「東京喰種」の黒シャツを着て、傍らにノリノリで佇んでいることにも注目である。

 

リバプール公演を無事終えたSleafords Mods。

 

本日から、ノッティンガムの公演、それから、カーディフ、ブリストル、ロンドン、ブライトンでの公演を経た後、スペイン、ドイツを巡るヨーロッパツアーを控えている。これから、世界一クールなブラザーたちがどんなフロウをかましてくれるのか、そして、公演の先々でどんなビデオメッセージを贈ってくれるのか、俄然目が離せないところである。

 

Go!!

 Sleaford Mods!!



関連動画につきましては、以下、Sleafords Modsのtwitteアカウントのリンクよりご試聴ください。


https://twitter.com/epicureben/status/1464339490592509958?s=20

 

 

 

 


Sleaford Mods 

 

スリーフォード・モッズは、イギリス、ノッティンガムで2007年に結成されたポスト・パンク・ドゥオ。英国の名門インディーレーベル、ラフ・トレード所属のアーティストの中で、現在、ブラック・ミディと共に最も勢いのあるユニットといえそうです。

 

現在は、ジェイソン・ウィリアムソン、アンドリュー・ファーンの二人で活動している。これからワールドワイドな人気を獲得しそうなアーティストとしておすすめしておきます。

 

すでに、プロディジーの作品への共同製作者として参加しているため、その辺りのシーンに詳しい人は、ご存知かもしれません。

 

活動初期は、ビースティー・ボーイズのようなポスト・パンクとダンス・ミュージックを絶妙に融合させた苛烈な音楽性を展開していたが、近年、ヒップホップ色を徐々に強め、メッセージ性においても苛烈になって来ている。スリーフォード・モッズのスポークンワードは力強く、真実味がある。それはなぜかというと、彼等の音楽と言葉には現実に対する視点が真摯に込められているからでしょう。

 

現在、ヒップホップ好き、パンク好きの双方のファンを獲得している気配があります。彼等は、ファッションでなく、本格派のアーティストといえるでしょう。つまり、いかにもイギリスらしいユーモアみのある音楽家といえ、往年のOiパンク後の労働者階級、「Working Class Hero」不在の時代の空白を埋めるヒーロー的存在がついに出てきたといっても大袈裟ではないかもしれない。

 

これまで、スリーフォード・モッズは、自分たちが労働者階級の最前線に立っていると明言しています。実際、彼等のリリック、音楽には、社会の網目からこぼれおちたような人達を支えるに足る強さがある。彼等の紡ぎ出すライム、つまり、スポークンワードは、英語という言語の面白さを駆使している。もちろん、韻を踏んだりといった言葉遊びのニュアンスもあるけれども、強烈な皮肉、ユーモアが宿っています。

 

まるで、その言葉には、ほかの奴らはやすやすと飼いならせるだろうけれど、俺達だけは無理だ、と社会に対して表明するような姿勢が見受けられます。無論、スリーフォード・モッズのウィリアムソンとファーンが生み出す音楽の内奥に込められている強固な反骨精神というのは、単なるポーズでも人気取りからくるものではなく、まさしく、彼等自身の実際の労働者階級の苦しい生活から生み出された冷厳な感情を直視しているからこそ滲み出る激渋のライムと言える。

 

彼等スリーフォード・モッズのスポークンワードには、他の英国社会の弱い人達、何らかの組織に属するがゆえ、容易に口に出せないような社会に対する痛烈な皮肉が込められている、その痛快さに聞き手は共感し、快哉を叫びたくなるはず。

 

つまり、長らく、イギリスの多くの音楽ファンは、彼等のようなスパイシーな存在の台頭を今か今かと待ち望んでいたのかもしれない。そして、それが現在の英国のミュージック・シーンで、スリーフォード・モッズが大きな支持を集めている理由であり、また、このあたりに、今、英国の隠れたワーキングクラス・ヒーローとして崇められている由縁が求められるかもしれません。

 

スリーフォード・モッズの最新アルバム「Spare Ribs」は、Punk Rapといわれるジャンルに属するものと思われますが、本人たちは、あくまで、エレクトロ・パンク、ポスト・パンクと、自身の音楽の立ち位置を表明しています。 

 

 

 

「Spare Ribs」2021  Rough Trade

 

 

 

 

 

 

 TrackListing

 

1.The New Brick

2.Shotcummings

3.Nudge It

4. Elocution

5.Out There

6.Glimpses

7.Top Room

8.Mork n Mindy

9.Spare Ribs

10.All Day Ticket

11.Thick Ear

12. I Don't Rate You

13.Fishcakees

 

 

 

Listen on Apple Music  

 

 

 

今作「Spare Ribs」に見える英語の発音のニュアンスの面白さはもちろんのこと、音楽フリークとしての往年のイギリスのポスト・パンク時代の音楽に対する多大な敬意が感じられる。ポスト・パンクの名作Wireの「Pink Flag」の音楽性に、現代ヒップホップの風味がセンスよく付加されたと言うべきでしょう。

 

アルバム全体を通し、スリーフォード・モッズ二人の往年のポスト・パンクに対するひとかたならぬ情熱が滲んでいるように思えます。もちろん、彼等の音楽性の背景は幅広いのは、このアルバムを聞いてもらえれば理解してもらえるでしょう。まさに、これは、ラップ、ポスト・パンク、それから、デトロイト・テクノ、アシッド・ハウス、トリップホップ。これらを咀嚼した後に生み出された非常に新鮮な音楽です。

 

彼等は、スポークンワードだけでなく、トラックメイカーとしても優れていることを今作において証明してみせている。それは三曲目の「Nudge It」を聴いていただければ十分に理解してもらえると思います。この楽曲は、20年代の新たなポスト・パンクの台頭をはっきりと予感させる名曲。

 

もちろん、ライムの要素を差し引いてバックトラックだけに耳を傾けても、単純に彼等の楽曲の音の格好良さは十二分に体感できるはず。彼等の楽曲は常に、観客やリスナーの方を向いていて、内面に籠もることがない。痛快で小気味良いビート、ディストーションを効かせた尖りまくったベースライン、フックの効いたフレーズが実に見事にマッチしている。さらに、ウィリアムソンの皮肉とユーモラスを交えた歌詞が込められ、テンポよく楽曲が展開されていく。 この曲での、ウィリアムソンとファーンのスポークンワードの絶妙な掛け合いというのは最早圧巻というしかありません。

 

また、「Out there」では、往年のアシッド・ハウスに対する傾倒も感じられる。何とも渋さのあるトリップホップを彷彿とさせるような雰囲気のある楽曲。ここでも、妙に癖になる言語の旨みが凝縮されている。仮に、この言語に対する理解が乏しいとしても、ウィリアムソンとファーンの英語の間の取れたリリックの節回しのクールさは、この二人にしか生み出し得ないといいたい。

 

表題曲「Spare Ribs」では、彼等が自分たちの音楽を”ポスト・パンク”と自負しているように、往年のWireの音楽性に対する憧憬が垣間見えるようです。バックトラックは、完全にポスト・パンクなのに、実際の音楽の雰囲気はヒップホップ。このトラックのなぜか妙に癖になりそうなビートは、やはり、ポスト・パンク世代の音楽を通過してきたからこそ生せる通好みのリズムなのでしょう。

 

ラストに収録されている「Fishcakes」も聴き逃がせない。他の曲と全く異なる雰囲気の感じられる秀逸なトラック。他のからりとした楽曲に比べるも、往年のグランジを思い起こさせる暗鬱な雰囲気が漂っています。

 

けれども、なんとなく近寄りやすい、また、親しみやすいような印象を受けるのは、この楽曲がスリーフォード・モッズの実際の暮らしから汲み出された感慨を生々しく刻印しているからこそでしょう。

 

つまり、彼等は、英国の労働者階級の暮らしの心情を代弁している。音楽的にも、ヒップホップ・バラードといった感があり、独特な雰囲気を感じさせる楽曲です。

 

今作「Spare Ribs」は、全体的に非常に聞きやすく、クールな楽曲で占められています。ヒップホップファンだけでなく、往年のポスト・パンクファンにも是非推薦したい痛快な一枚です!!



参考サイト

 

Sleaford Mods Wikipedia

https://en.m.wikipedia.org/wiki/Sleaford_Mods