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 Wilco 『Cousin』

Label: dBpm

Release :2023/9/29/


Review



ジェフ・トゥイーディー要するシカゴの6人組、Wilco(ウィルコ)の新作アルバム『Cousin』は、フロントマンが「この世界を従兄弟のようであると考える」と述べるように、世界に対する親しみや愛情が凝縮された一作。酷いことばかり起こると考えることもできれば、それとは反対にジェフ・トゥイーディーのように、素晴らしきものと考える事もできる。トゥイーディーの考えは、かつての偉大なフォーク・シンガーの巨人と同じように、偏った見方を本来のフラットな考えへと戻してくれる。悪い面に焦点を当てることもできれば、それとは別の良い面に目を向ける事もできる。米国南部では、先月辺りから不法移民問題が抜き差しならぬ問題となっているらしいものの、別の良い側面は、実のところ、すぐ目の前に転がっているということなのです。

 

少なくとも、2000年代から良質なインディーロックの継承者として活躍してきたWilcoは少なくとも後者の良い側面に目を向けるバンドであるようです。


昨年の二枚組のアルバム『The Cruel Country』(レビュー)では古典的なフォーク/カントリーの音楽性に転じたWilcoは、この最新アルバムで、それらの音楽性を踏襲しつつ、2000年代の傑作『Yankee Hotel Foxtorot』に見受けられる実験的なインディーロックのアプローチを取り入れている。


そして、もうひとつ、ベッドルームポップやAlex Gのように、モダンなインディー・ロックのアプローチをウィルコ・サウンドの中に取り入れ、旧来のアルバムの中でも魅力的な一作を生み出した。その新鮮なサウンドを構築するために一役買ったのが、ウェールズ出身のシンガーソングライター、ケイト・ル・ボン。ルボンのマスター/ミックスはWilcoの良質なメロディーセンスを上手く引き出している。

 

前作では、現実的な感覚に根ざした音楽に取り組んだウィルコ。『Cousin』では、夢想的な雰囲気が全体に立ち込めている。


果たして、ケイト・ル・ボンのプロダクションによる賜物なのか、ウィルコの甘いメロディーがそうさせているのか、そこまでは定かではないものの、オープニング「Infinite Surprise」から、ボン・イヴェールのごときサウンド・プロダクション(ギターやベース、ドラムのミクロな要素を重ね合わせたトラック)に、トゥイーディーのフォーク/カントリーに触発された穏やかでほんわかしたボーカルが乗せられる。


イントロから中盤に掛けて、曲そのものが盛り上がりを見せると、サウンド・プロダクションも複雑になり、フィルターを掛けたホーン・セクションにディレイの効果を与え、バンドサウンドやボーカルの雰囲気を絶妙に引き出す。途中からトゥイーディーのボーカルがアンセミックな響きを帯びると共に、ネルス・クラインのサイケデリックなギターがコラージュのように散りばめられていく。


何より、手法論に終始していた印象もあった前作に比べると、トゥイーディーのボーカルにはビートルズのような親しみがあり、また前作には求めがたかった感情的な温かさに充ちている。幻想的な雰囲気は曲のアウトロにかけてより顕著になる。「Infinite Surprise」のリバーブを交えたコーラスが夢想的なイメージを携えてフェードアウトする。最後は、アルバムのアートワークに表される、花火をかたどった前衛的なノイズで印象的なオープニングを飾っている。


昨年、ジェフ・トゥイーディーは、フォーク/カントリーのカバーを個人的な録音やアーカイブとして発表していたが、前作のフルレングスに続いて、それらのフォーク/カントリーへの愛着が「Ten Dead」に示唆されている。CSN&Y、Niel Youngの黄金期を彷彿とさせる芳醇なギターのアルペジオの後、ディランのように渋いトゥイーディーのボーカルが加わり、ワイルドな印象を生み出す。これらの堅実なフォーク/カントリーのアプローチは、バロック・ポップのような意外性のある移調を巧みに織り交ぜながら、当初のモチーフへと回帰していく。ペダル・スティールは使用されていないけれど、それをあえてエレクトリックギターで表現しようとしているのが何ともウィルコらしいといえる。やがて、呟くような内省的なトゥイーディーの声は、サイケデリックなギターラインと掛け合わされて、オープニングと同じように夢想的な雰囲気でアウトロに向かってゆく。

 

ウィルコは今作の制作に関して、00、10年代前後のインディーロックバンドに触発を受けているという印象もある。「Leeve」では、Real Estate(バンドのメンバーであるMartin Courtneyは、良質なソロ・アルバム『Magic Sign』をDominoから発表)がデビュー作で試行したレトロな感覚とオルトロックの融合に近い質感を持ったスタイルに取り組んでいる。そして、フォーク/カントリーの範疇にあった前の2曲とは対象的に、トゥイーディーのボーカルは、ルー・リードのようなポエトリー・リーディングの影響を加味したようなスタイルへと変化する。ここに、ウィルコというバンドのオルタネイトな性質を読みとることが出来るが、それをセンス溢れるクールな楽曲として昇華させているのは、バンドの長い経験とキャリアによる賜物であるとも言える。


「Evicted」では、前作のフォーク/カントリーのルーツへの探求をより親しみやすい形で昇華している。フォーク・ソングのスタイルとしてはニール・ヤングや、サザン・ロックの影響を思わせるものがあるが、やはりジェフ・トゥイーディーのボーカルのメロディーは徹底して分かりやすく伝わりやすいようにシンプルさを重視している。ウィルコが古典的なアプローチを取り入れようとも、それは決して古びた感じにはならず、比較的、スタイリッシュな印象のあるモダンな曲としてアウトプットされている。「Never Gonna See You Again」といった、少しセンチメンタルで湿っぽいリリックを散りばめながら、情感豊かなフォークソングのアンセムを作り上げている。

 

「Sunlight Ends」では、ケイト・ル・ボンのプロデュースの性格が色濃く反映されている。The Nationalの最新作のようなモダンなサウンドであるが、これはまた2000年代のフォーク/カントリーバンドとは別の実験的なロックバンドとしての性質が立ち現れた一曲となっている。それは間奏曲のような意味もあり、またアルバムの中に流れをもたらすような役割を果たしている。


続く「A Bowl and A Pudding」は、新旧のフォークの音楽性が取り入れられる。アコースティクギターの滑らかな三拍子のアルペジオを基調にした良曲である。特に、中盤にかけてトゥイーディーのボーカルはバラードに近い性質を帯びる。哀愁を備えたメロディーラインは、しなやかなグレン・コッチェのドラミングと合わさり、ジョージ・ハリソンのソロアルバムのような清廉な感覚を持つ曲調へと変遷してゆく。この曲にウィルコの真骨頂が表れているというべきか、または、彼らが2000年代から多くのファンの支持を獲得してきたのか、その理由の一端が示されているという気がする。


アルバムのタイトル曲「Cousin」では、マージー・ビートやモッズ・ロックに代表される70年代のロックのプリミティヴな感覚を復刻させている。


ギターラインに関しては、The Whoのピート・タウンゼントのシンプルではあるがロックンロールの核心を捉えたサウンドに近い玄人好みの感覚が引き出されている。そのバンドサウンドに呼応し、ジェフ・トゥイーディーのボーカルも他の曲に比べると、ロックシンガーのようなクランチな性質を帯びている。これらのサウンドは、ケイト・ル・ボンのモダンなサウンドプロデュースと綿密な連携が図られることによって、懐古的ではありながら、精細感のあるグルーヴ感を生み出すことに成功している。さらに、この曲では、フォーク・カントリー、オルト・ロックとは別のスタンダードなロックンロール・バンドとしての意外な一面を見出すことが出来るはずである。


さらに、「Pittsburgh」では、バラードに近い静かな印象に充ちた涼やかなフォークと、彼らの代名詞である実験的な音楽性を綿密に融合させ、ウィルコ・サウンドの真骨頂を示そうとしている。繊細なサウンドとダイナミックなサウンドが絶えず立ち代わりに出現した後、トゥイーディーの情感たっぷりのボーカルが、その後の展開を先導していく。ボーカルの渋さは細野晴臣の声の性質に近いものがあり、もちろんそれは良いメロディーとリズムという要素を重視しているから発じる。そして、ル・ボンのイヴェールに近い志向を持つしなやかなプロダクションは、ボーカルの声の渋さを引き出し、ある種の郷土的な愛着のような感覚をボーカルや言葉からリアルに立ち上らせる。


それらの感覚的なものは、フォークを基調にした、静かで落ち着いたサウンド、ディストーション・ギター、グレン・コッチェのノイジーなドラムを生かしたダイナミックなサウンドと交差するようにし、なだらかな起伏を全体に描いている。そして、それらの抑揚を支えているのは、やはり、マルチインストゥルメンタリスト、マイケルとパット、そしてネルス・クラインによって織りなされる緻密なプロダクション、リズムを強調したバンドサウンド、ボーカルの3つである。この曲は、ウィルコが新しいサウンドを生み出したことの証になるかもしれない。

 

「Soldier Child」では現行のインディーフォークと親和性のあるアプローチを示し、アルバムを締めくくると思いきや、クローズ「Meant to be」では、ウィルコのバンドとしての潜在的な可能性が示唆されている。アルバムの冒頭の2曲と同じように、夢想的な感覚とともに、明るい感じでこの作品を締めくくる。こういった晴れやかな感覚は、実は前作にはそれほどなかった。とすれば、ウィルコは今後もいくつか良いアルバムを作り出す可能性が高いかもしれない。

 

 


85/100


 

Best Track-「Infinite Surprise」

 

©Peter Crosby


インディー・ロックの象徴的バンドであるウィルコが、9月29日にdBpmレコードからリリースされるアルバムからのタイトル曲である最新曲「Cousin」を発表した。


リード・シングル 「Evicted」に続くこの曲は、家族との喧嘩を詳細に描いているが、敵対することを拒否するというひねりを加えている。代わりに語り手は、"My cousin/ I'm you. "と言いながら、家族ぐるみで相手を抱擁する。ユーフォニアスなストリングスとマーチング・ビートに乗せて、フロントマンのジェフ・トゥイーディーは自分の感情を歌にぶつけ、"When your red lines/ Get crossed with mine/ I objection to you/ Our deal's un-struck "といったセリフで不満をぶちまける。しかし、曲の展開が進むにつれて、彼は、人は往々にして自分が軽蔑しているものを他人も軽蔑しているという現実から逃げず、"It never hurts to cry "と付け加えた。


才能あるウェールズのアーティスト、ケイト・ル・ボンのプロデュースによる『いとこ』は、ウィルコにとって大きな変化を意味する。トゥイーディーは、アルバムのテーマについてこう語っている。「血のつながりは感じないけど、結婚して従兄弟になったのかもしれない。この感覚は、世界の中にいると同時に、世界の外にいるということなんだ」


このツアーには、ロサンゼルスのベルウェザーでの2回目の公演、歴史的なエース・ホテルでの3泊、シアトルでの2泊、ダラス、デンバー、セントルイスといった都市での公演が含まれている。さらに、バンドはオーストラリアと日本への再来日公演を発表したばかりだ。


待望のニュー・アルバムと同時に、ジェフ・トゥイーディーは11月7日に『WORLD WITHIN A SONG: Music That Changed My Life and Life That Changed My Music』という本をペンギン・ランダム・ハウスのダットン社から出版する。11月5日から13日までブックツアーが開催される。


ケイト・ル・ボンがプロデュースした「Cousin」は、dBpmレコードから9月29日にリリースされる。昨年、Wilcoは、『Cruel Country』を発表している。

 

©︎Peter Crosby

シカゴの伝説的なインディーロックバンド、Wilco(ウィルコ)が13枚目のスタジオ・アルバム『Cousin』を発表しました。ケイト・ル・ボンのプロデュースによる2022年の『Cruel Country』に続くアルバムは、dBpmレコードから9月29日にリリースされる予定です。

 

リード・シングル「Evicted」とアルバムのカバー・アート、トラックリストは以下をチェックしてみてください。


Wilcoのフロントマンのジェフ・トゥイーディーは、プレスリリースで「僕はこの世界に対していとしさを感じているんだ。血の繋がりは感じないけど、結婚すれば従兄弟なのかもしれないね」


「誰かの心から締め出されるに値するという圧倒的な証拠の前で、自分自身の主張をするのに苦労している人の視点から書こうとしたんだ」と彼はニューシングルについて付け加えた。「自業自得の傷はやはり傷つくし、私の経験では、そこから完全に立ち直ることはほとんど不可能だよ」


ウィルコの素晴らしいところは、彼らは何にでもなれるということ。彼らは変幻自在で、どんなジャンルであれ、どんな感触のレコードであれ、彼らのやること全てに流れる真正の糸がある。これほど成功したキャリアの奥深くで、物事をうまく変化させることができるバンドはそうそう多くはありません。

 

 「Evicted」



インディー・ロックの象徴的バンドであるウィルコが、9月29日にdBpmレコードからリリースされるアルバムからのタイトル曲である最新曲「Cousin」を発表した。


リード・シングル 「Evicted」に続くこの曲は、家族との喧嘩を詳細に描いているが、敵対することを拒否するというひねりを加えている。代わりに語り手は、"My cousin/ I'm you. "と言いながら、家族ぐるみで相手を抱擁する。ユーフォニアスなストリングスとマーチング・ビートに乗せて、フロントマンのジェフ・トゥイーディーは自分の感情を歌にぶつけ、"When your red lines/ Get crossed with mine/ I objection to you/ Our deal's un-struck "といったセリフで不満をぶちまける。しかし、曲の展開が進むにつれて、彼は、人は往々にして自分が軽蔑しているものを他人も軽蔑しているという現実から逃げず、"It never hurts to cry "と付け加えた。


才能あるウェールズのアーティスト、ケイト・ル・ボンのプロデュースによる『いとこ』は、ウィルコにとって大きな変化を意味する。トゥイーディーは、アルバムのテーマについてこう語っている。「血のつながりは感じないけど、結婚して従兄弟になったのかもしれない。この感覚は、世界の中にいると同時に、世界の外にいるということなんだ」


このツアーには、ロサンゼルスのベルウェザーでの2回目の公演、歴史的なエース・ホテルでの3泊、シアトルでの2泊、ダラス、デンバー、セントルイスといった都市での公演が含まれている。さらに、バンドはオーストラリアと日本への再来日公演を発表したばかりだ。


待望のニュー・アルバムと同時に、ジェフ・トゥイーディーは11月7日に『WORLD WITHIN A SONG: Music That Changed My Life and Life That Changed My Music』という本をペンギン・ランダム・ハウスのダットン社から出版する。11月5日から13日までブックツアーが開催される。


ケイト・ル・ボンがプロデュースした「Cousin」は、dBpmレコードから9月29日にリリースされる。昨年、Wilcoは、『Cruel Country』を発表している。さらに『Yankee  Hotel Foxtrot』の20周年盤もリリースした。



後日掲載致しましたウィルコのニューアルバム『Cousin』のレビューも是非あわせてお読みください。



Wilco 『Cousin』

 

Label: dBpm

Release: 2023/9/29

 

Tracklist:

 
1. Infinite Surprise


2. Ten Dead


3. Levee


4. Evicted


5. Sunlight Ends


6. A Bowl And A Pudding


7. Cousin


8. Pittsburgh


9. Soldier Child


10. Meant To Be

 


Yo La Tengoは、金曜日の夜にシカゴで行われた25曲の大規模なセットで、盟友とも言えるWilcoをステージに呼び、感慨深い共演を果たしました。

 

Yo La Tengoは、2月から3月にかけて17枚目のスタジオ・アルバム『This Stupid World』をサポートするワールド・ツアーのUSレグを終えたばかり。3月24日(金)夜にシカゴで行われた前哨戦のセットでは、Wilcoの「If Ever I Was A Child」のカバーを含む25曲のセットを披露しています。


現在、2022年の2枚組LP『Cruel Country』のリリース記念ツアー中のWilcoは、偶然にも同時期にシカゴで3回の特別公演(セットリストに繰り返される曲はない)を行い、Yo La Tengoのアンコールでステージに現れ、ファンを驚かせました。


コニーアイランド/キーストーン・パークで2009年という昔から一緒に演奏してきた2つのバンドは、一緒にカバーを演奏した。先週の4曲のアンコールでは、ビートルズの「She's A Woman」やボブ・ディランの「Love Minus Zero/No Limit」、ザ・ハートブレイカーズやフェアポート・コンベンションをカバーしています。アンコールの全貌は以下からご覧下さい。


Jeff Tweedy
 

 シカゴのオルタナティヴ・ロックバンド、Wilcoのフロントマン、Jeff Tweedy(ジェフ・トゥイーディー)が、LowとDirty Threeの共作アルバムに収録されている「I Hear...Goodnight」のカヴァーを公開しました。このオリジナル曲は、スロウコア・バンド、Lowと、オーストラリアのポストロック・バンド、Dirty Threeの2001年のコラボレーション・アルバム『In The Fishtank 7』に収録されています。

 

このカバーについては、週末に亡くなったLowのMimi Parker(ミミ・パーカー)に捧げられている。今週初め、11月6日(日)、ミミ・パーカーの夫で、バンドメイトでもあるアラン・スパーホークはソーシャルメディアを通じて、 「彼女は、昨夜、あなたを含む家族と愛に囲まれて亡くなりました」と明かしている。ミミ・パーカーは55歳で、2020年に卵巣癌と診断されていた。


名ドラマーの死に際し、El-P、Steve Albini、MogwaiのStuart Braithwaite、Okkervil RiverのWill Sheff、Ben WattらがTwitterでパーカーに賛辞を送った。Jeff Tweedyは、Starship Casual Substackを通じて、LowとDirty Threeの「I Hear...Goodnight」をカバーしてパーカーを追悼した。Jeff Tweedy(ジェフ・トゥイーディー)の演奏はこちらからお聴きになることができます。

 

Wilco


ウィルコは、9月16日に発売される『Yankee Hotel Foxtrot』の20周年記念盤に先駆け「A Magazine Called Sunset (The Unified Theory of Everything Version)」という未発表バージョンのシングルを公開しました。 

 

この曲は、「Kamera (The Unified Theory Of Everything Version)」や「Reservations」「Pot Kettle Black」「Ashs of American Flags」のライブバージョンと共に記念再発盤に収められる予定です。

 

『Yankee Hotel Foxtrot』の20周年記念のスーパー・デラックス・エディションは、LP11枚とCD1枚のパッケージ、またはCD8枚のパッケージで発売されます。また、どちらのフォーマットにも82曲の未発表曲が収録される予定。未発表曲には、デモ、草稿、インストゥルメンタル、2002年のコンサートライブ録音、2001年9月のラジオ出演とインタビューが含まれています。


ウィルコは、7枚組LPのデラックス・エディションとデジタル・デラックス・エディションもリリースする予定で、どちらも39曲の未発表曲を収録。また、2枚組LP版と拡張CD版もあり、どちらもオリジナルアルバムのリマスター版を収録しています。

 

 


Wilcoは、2001年にリリースされたアルバム「Yankee Hotel Foxtrot」のリイシュー第4弾として、「Ashes Of American Flags」のスタジオ・ライブを公開し、同時にアイスランドでの初ライヴの開催を発表しました。


今回、発掘された音源は、WXRTのSound Opinionsシリーズで、2001年9月18日にウィルコが「Yankee Hotel Foxtrot」5曲を演奏した際に録音された。このセッションには、6つのインタビュー・トラックが含まれ、9月16日にNonesuchから発売される「Yankee Hotel Foxtrot Super Deluxe」のリイシューのCD8枚(またはレコード11枚)として発表される予定となっている。


「Ashes Of American Flags (Live In The Studio)」は、「Reservations」と「Pot Kettle Black」のライブ音源、"Unified Theory Of Everything Version"と呼ばれる「Kamera」に続く、「Yankee Hotel Foxtrot Super Deluxe」のリイシューから公開された4曲目の先行シングルです。


このデラックバージョンには全11曲のオリジナル・アルバムのリマスターバージョンを含む、全102曲が収録。残りのトラックは、デモ、ドラフト、インストゥルメンタル、2002年に行われた22曲のコンサート録音が組み込まれる。リマスター盤と18曲のボーナストラックを収録した「Yankee Hotel Foxtrot」のリイシューもCDで発売。レコードでは、11枚組の「スーパー・デラックス」リイシューに加えて、リマスター・アルバム単体の2枚組プレス盤も発売が予定されている。 

 

 

 「Ashes Of American Falgs」

 


さらに、ジェフ・トゥイーディー擁するウィルコは、アイスランドの首都・レイキャビクで3日間の公演を発表しており、これはバンドにとってアイスランドでの初の公演となる。このライブは2023年4月6日から8日にかけて行われる予定で、HARPA Concert and Conference Centre内の”Eldborg Hall”で開催される。ドラムのGlenn Kotche(グレン・コッチェ)は、「ついにアイスランドで初めて演奏することになってとても興奮している」とコメントを添えている。「多くの素晴らしい音楽と芸術の源であるアイスランドの文化と人々を体験するのが今から待ちきれない。世界中のファンと一緒に、素晴らしい思い出を作ることを楽しみにしているよ」


ウィルコは、今年、5月に12枚目のスタジオ・アルバム『Cruel Country』を”dBpm Records”からリリースしている。その中で、ジェフ・トゥイーディーは、「仮に、最高のカントリー・ミュージックが、ストーリーテリングによってもたらされるものとするならば、まさに『Cruel Country』において、Wilcoは最も純粋な形でそれを提供しているはずだ」と説明している。

 


今年の春、Wilcoは、『Yankee Hotel Foxtrot Box Set』の制作を発表しました。さらに、今週の初めに、バンドは、このセットに収録されるアルバム「Kamera」のリイシュー・バージョンを公開しました。これは、既に発表されている「Reservations」に続くシングルとなります。


この曲は「Kamera The Unified Theory Of Everything Version」と名付けられており、Loose Furの「Laminated Cat」(当時のJeff Tweedyの曲で、「Not For The Season」として演奏されることもあった)への言及と思われる。(Yankee Hotel Foxtrotのオリジナル盤に収録された "Kamera "とはかなり違いますが、以前から出回っているデモに似ているという。

 

ウィルコの傑作「Yankee Hotel Foxtrot」のオリジナル盤は、2002年4月23日にリリースされました。今回、このレコードは7つの特別ボックスセットとして再発売が決定。このボックスセットには、オリジナル盤の原曲をリマスターした楽曲も複数収録されているのに注目です。

 

ウィルコの長いキャリアの中で、最も大掛かりな今回の再編集盤には、11枚のビニールLP,一枚のCD,また、8枚のCD、これまでリリースされたことがない82曲が収録されています。2LP,2CDエクステンドバージョン、デジタルエディションは、Nonesuch Recordsから9月16日にリリースされる予定です。


2002年7月のライブアクトの模様を録音したWilcoの最新シングル「Reservations」は4月19日にリリースされています。このシングルは、2002年7月23日、ミズーリ州セントルイスの「The Pageant」のライブの模様をレコーディングしたものです。今回、発売される豪華リイシュー盤、Super Delux LP、DeluxeLP、CD、及び、デジタルセットの一部に収録されています。

 

 

 

「Reservations」 


 

 

 

 「Kamera」

 

Jeff Tweedy

 

先週の金曜日、Angel Olsenが素晴らしいニューアルバム「Big Time」をリリースしました。Wilcoのニューアルバム「Cruel Country」も先月リリースされたばかりで、Jeff TweedyがOlsenのタイトル曲をカバーしているのは、素晴らしいクロスプロモーションと言えるでしょう。


Wilcoのシンガーソングライターとして知られるジェフ・トゥイーディは、自身のサブスタックへの投稿を通じて、「今日、発売されたエンジェル・オルセンの新譜から覚えた曲だ!」と、カヴァーを紹介している。彼は、また、数年前にオルセンが彼を訪れた際に、一緒に撮った写真もアップロードしている。「いつもは、曲を有料ウォールの後ろに置くんだけど、このアルバムは、真新しくて素敵だから、耳の肥えたリスナーに是非聴いてもらいたい」と綴っている。

 

一方のエンジェル・オルセンは、ジェフ・ツイーディーのツイートを見るや、感謝の気持ちを伝え、「ジェフ!!!! 「Big Time」をカヴァー! 借りができたよ」とツイートを行っている。トゥイーディ、オルセンの間のシカゴ・コネクションの力強さを伺わせるハートウォーミングなやりとりである。

 

 

 

 Wilco 「Clue Country」

 


Label: Bpm Records/BMI

 

Release:05,27.2022



シカゴのインディーロックバンド、Wilcoの5月27日にリリース済みである二枚組のスタジオ・アルバムは、フロントーパーソンの、ジェフ・トゥイーディーによって書かれた21曲収録の作品です。

 

バンドは、パンデミックの最中にこのアルバム制作に着手し、ゆっくりと作品が完成へと導かれました。録音は、彼らの地元であるシカゴの「The Loft」にて、ライブセッションのような形で行われています。

 

元々は、シカゴのマリンタワーのアートワークで知られる2002年の名作アルバム「Yankee Hotel Foxtrot」に代表されるオルタナ・カントリーともいえる作風で一世を風靡したバンドではありますが、どことなく2000年代のコンピュータープログラミングの要素をそれらの伝統的な音楽の中に取り入れたアヴァンギャルド性も垣間見えるバンドです。当時、フロントマンのジェフトゥイーディーは「カントリーバンド」とみなされることに懐疑的ではありましたが、時を経て、彼は今ではそのことをいくらか感謝しているというように語っています。


ウィルコの最新作については、ジェフ・トゥイーディーの言葉にあらわれている通り、コンテンポラリーなカントリー/フォークというより、さらに、それよりも古い時代の音楽に接近しようと試みており、それらがアルバム全体に独特なこのバンドらしい渋さ、叙情性、さらにそれにくわえ、センチメンタリズムが込められています。ジェフ・トゥイーディーは、年月を経て、世の中の出来事について深い理解をし、それを歌、バンドとしてのレコーディングにおいて「メモのように書き留めておきたかった」というように話しています。彼が気がついたこと、それらはときにエモコアに近い叙情性を滲ませた温和なカントリー/フォークという形で表現されています。


アルバムは、全体的に、現代のミュージック・シーンから一定の距離を置き、自分たちが求める音楽を徹底的に追求しているように見受けられます。それがウィルコにとってはカントリーという形であって、それをストイックに追い求めることで、このアルバムに強い芯のようなものが通っている。

 

古典的なフォーク/カントリー性を突き出した#10「Tired of Taking It Out On You」#15「Hearts Hard To Find」といった楽曲も、ジョージ・ハリスンの晩年の名曲を思わせるものがあり、爽やかな雰囲気が込められています。その他にも、ウィルコらしい実験的手法を交えた「Many Words」では、「Yankee Hotel Foxtrot」のクライマックス「Reservation」を彷彿とさせる美麗さが味わえます。本作は、円熟期を迎えたロックバンドの音を介しての歴史の探求と称すべきロマンチシズムにあふれており、もちろん、2000年代初頭の名作「Yankee Hotel Foxtrot」のような劇的さこそ感じられませんが、表向きの静かな印象と異なり、かなりワイルドさが込められた作品です。

 

78/100

 

 

 

 

・Apple Music


 

 


 

二枚組のアルバム「Cruel Country」を5月27日にリリースすると発表しているウィルコは「Falling Apart(Right Now)」に続く、二作目の先行シングル「Tired Taking Out On You」を昨日新しく公開しています。

 

ウィルコのソングライター、ジェフ・トゥイーディーは、新曲「Tired Taking Out On You」について以下のように話しています。

 

私がこれまで書いて来た曲の多くは、様々なことに注意を払うことを思い出させるものとして機能していることに、何年か前にようやく気がつきました。

 

時々、 世界がどのように機能しているのかを少しだけ理解したと思うこともありますが、稀に、そのことを自分自身で歌わなければ忘れてしまうのではないか、という懸念もある。この曲は、まさしくその目的のために大きく役立つだろうと考えています。

 

例えば、私は、自分が最高の気分でない時に、他者をどのように扱っているかに注意深くなるタイプの人物なんです。そして、今、私がそのことについて言及した時、ふと周囲を見渡してみると、人々の多くは、理解と共感のために努力したほうが良い場合、皮肉にも互いに物事を奪い合っているように思えます。

 

私は、常に、自らに対して正直かつ誠実でありたいと考えているんです。 この曲が、私自身を熱中させるだけでなく、誰か他の人にも、同じように役立つものとなれば良いなと願っています。

 


 

 



 Wilco 「Cruel Country」


 

 

Label: dBpm

Release: May 27,2022

 

Tracklisting

 

1.I Am My Mother

2.Cruel Country

3.Hints

4.Ambulance

5.The Empty Condor

6.Tonight's the Day

7.All Across the World

8.DArkness Is Cheep

9.Bird Without a Trail/Base of My Skull

10.Tired of Taking it Out on You

11.The Universe

12.Many Worlds 

13.Hearts Hard to FInd

14.Falling Apart(Right Now)

15.Please Be Wrong

16.Story To Tell

17.A Lifetime to Find

18.Country Song Upiside-Down

19.Mystery Binds

20.Sad Kind of Way

21.The Plains

 

 

dBbm Records Officail

 

https://dbpmrecords.com/


 

Photo:Ellen Qbertplaya


ウィルコが「Yankee Hotel Foxtrot」は原盤の発売から20周年を記念し、大掛かりなリイシュー盤をリリースします。

 

「Yankee Hotel Foxtrot」のオリジナル版は2002年4月23日にリリースされました。今回、このレコードは7つの特別版としてリリースされ、また新たにリマスターされたバージョンは各セットの一部となります。ウィルコの長いキャリアの中でも最も大掛かりな今回の再編集盤には、11枚のビニールLP,一枚のCD,また、8枚のCD、これまでリリースされたことがない82曲が収録されています。2LP,2CDエクステンドバージョン、デジタルエディションは今年9月16日にリリースされる予定です。


2002年7月のライブアクトの模様を録音したWilcoの最新シングル「Reservations」は4月19日にリリース済みです。このシングルは、2002年7月23日、ミズーリ州セントルイスの「The Pageant」のライブの模様をレコーディングしたもので、今回発売される豪華リイシュー盤、Super Delux LP、DeluxeLP、CD、及びデジタルセットの一部として収録されています。


「実際の楽器を使って、実際のミュージシャンが作ったものと同じくらい魅力的でした」とジェフ・トゥイーディーは、2017年の回想録「Let' Go」の中で述べています。「なぜ、それが私にとって催眠術のように魅力であるのかを長年の間、ぜひとも知りたかったのです。彼らの誰もが何を言わんとするのか皆目検討がつかなかったというのに、その問いは「Yankee Hotel Foxtrot」の制作の基礎となりました」

 

ウィルコは、現在、アメリカでのツアーを行っており、ニューヨーク市のユナイテッドパレス、シカゴのオーディオトリアムシアターで4月22日から24日まで、3日連続で傑作「Yankee Hotel Foxtrot」の収録曲目をフル演奏することにより、今回の記念すべきリイシュー盤の発売を祝います。

 

 

 

 

 

 

・Amazon Music Link( 2LP Version)