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英国のプロデューサー、クリス・クラーク(通称CLARK)は、近年、旺盛なクリエイティビティを遺憾なく発揮している。2023年には連作『Sus Dog』/『Cave Dog』をリリースした。
2024年、インディーズ映画『In Camera』の音楽を手掛けた。そして今、全く新しいクラークのアルバムが登場しようとしている。新作アルバム『Steep Stims』は比較的原始的なシンセとドラムマシンで主に録音され、今秋リリース予定だ。
前作『Sus Dog』ではエグゼクティブプロデューサーのトム・ヨークと協力し、実際的にボーカルの技術的なアドバイスを受けながら、伝統的な楽曲構成を試みたが、新アルバムは異なる方向性へ進む。
『Steep Stims』は比較的短期間でレコーディングされ、ゲスト参加は一切ない。先行シングル「Blowtorch Thimble」から判断すると、本作ではダンスミュージックのルーツに立ち返っているようだ。プレスリリースで彼はこう語っている。
「電子音楽がアコースティック音楽よりも自然で、力強いと感じられる瞬間が大好きだ。それが悪魔の罠であり、電子音楽の約束なのだ…。
全トラックで古いシンセ、Virusを使った。 メルボルンの友人ロビン・フォックスが運営する「Mess」でそれを使ったんだ。あまりに気に入って、イギリスに戻ったら買わなきゃと思った。探すのに時間がかかったよ。プログラミングは少々面倒だけど、僕の一番好きな音を生み出すんだ…
アルバムのほとんどのトラックは、メモリ時間が限られた古いサンプラーで音楽を作る精神を捉えている。最初のアルバム『クラレンス・パーク』を作った頃を思い出す。フロッピーディスクに保存されるため、セッション中に曲を完成させなければならず、トラック間を簡単に移動できなかった。この新作は、数台のシンセと厳選された音色だけで構成されている。重要なのは作曲そのものだ」
「Blowtorch Thimble」では、90-00年代のエレクトロニックに回帰したかのようだ。ドラムンベースのリズムのレイヴのリズムが錯綜する。しかし、その回顧的なエレクトロニックの方向性の中にも前衛性が含まれている。これらの硬派なエレクトロニックは、90年代から一貫してダンスミュージックの未来に運命を託してきクリス・クラークにしかなしえないものである。
「Blowtorch Thimble」
CLARK 『Steep Stims』
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Label: Throttle Records
Release: 2025年11月7日
Tracklist:
1 Gift And Wound
2 Infinite Roller
3 No Pills U
4 Janus Modal
5 18EDO Bailiff
6 Globecore Flats
7 Blowtorch Thimble
8 Civilians
9 Inpatient’s Day Out
10 Who Booed The Goose
11 5 Millionth Cave Painting
12 Negation Loop
13 Micro Lyf
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