J-POP Trends: 9月にリリースされた邦楽の新譜をピックアップ    柴田聡子、ハンバート ハンバート、Yeye、Sorayaなどの新作に注目

 


レーベルからご紹介いただいた情報をもとに9月のリリース情報をまとめました。既にご紹介したシングルが中心となりますが、下記より改めてチェックしてみて下さい。



1.柴田聡子 「ときめき探偵」

 


2024年のニューアルバム『Your Favorite Things』に続く柴田聡子のニューシングル「ときめき探偵」は現在放映中のテレビ東京系ドラマ「シナントロープ」のオープニングテーマ曲です。静岡出身のラッパー、Elle Teresaが参加している。リミックスはLe Makeupが手掛けた。

 

制作者によると、この曲はLe Makeupから提供された探偵のテーマがもとに書かれたとか。柴田聡子らしいドリーミーなポップセンスとラップのニュアンスを織り交ぜた新鮮味のあるトラックとなっている。Paramoreの作品を手掛けたDave Cooleyがマスタリングを担当した。 レゲエを得意とするプロデューサということもあり、ダンサンブルなビートが強調されている。

 

 

「ときめき探偵」 

 

 

 

 Listen: https://ssm.lnk.to/tokimekitantei

 

 

2.ハンバート ハンバート  「笑ったり転んだり」

 

ハンバート ハンバートのニューシングル「笑ったり 転んだり」は現在放映中のNHK連続テレビ小説「ばけばけ」の主題歌に選ばれた。小泉八雲をテーマとしたドラマのオープニングを華麗に飾っている。

 

同楽曲はハンバート ハンバートの佐藤良成、佐野遊穂のデュエット曲となっている。ベース、パーカッション、バンジョー、ピアノ、オルガンなどバンド形式による楽曲である。なんとなくほっこりする和風のメロディーセンスが生かされた一曲として楽しめる。また、ハンバート ハンバートのベストアルバム『ハンバート入門』の発売も決定。こちらは11月26日に発売予定。

 

 

「笑ったり 転んだり」 

 

 

Listen: https://humberthumbert.lnk.to/warattarikorondari 

 

 

3.Soraya 「motion」 EP

 


壺阪健登と石川紅奈によるユニット、Sorayaはソロ活動を展開しているが、2024年からは二人組のジャズポップデュオとして活動している。

 

2024年にセルフタイトルアルバムを発表後、先月、EP「motion」をリリースした。 デビュー・アルバムでは、洋楽ポップスの要素が強かったが、今作では、より邦楽のテイストが際立っている。

 

ピアノ、ウッドベース、ドラムなどアンサンブルの形式で制作。EPの冒頭を飾る「Gravity」ブルーノート的なジャズエッセンスと邦楽の要素を見事に融合させた「言葉の庭」は共に名曲であり、本格的なジャズの音楽性を維持し、石川による伸びやかなボーカルが心あたたまるような雰囲気を演出している。ソロアーティストとしてはVerveに所属する実力派のシンガーの歌唱をぜひ。J-Wave主催の横須賀で開催されたジャズイベントにも出演し、今後の活躍が予想される。

 

 

「Gravity」

 

 



4.蓮沼執太 フィルハーモニック オーケストラ(Shuta Hasunuma Philharmonic Orchestra)「Ⅱ (Neo-Japonism Original Sound Track)」

 

最近、蓮沼執太は灰野敬二とのコラボレーションアルバムを発表し、実験音楽制作に強い意欲を見せている。蓮沼執太によるNHKワークス第二弾「Ⅱ (Neo-Japonism Original Sound Track)」は、2023年より現在までNHKの各種音楽番組やNHK MUSICのYouTubeチャンネル等で親しまれている。


NHK MUSIC サウンドロゴ2曲。NHKの開局放送100年を記念し、今年一年かけて放送されている特別番組”NHKスペシャル「新ジャポニズム」”シリーズ用に書き下ろした4曲。計6曲のサウンドトラック集となっている。
 

「新ジャポニズム」の楽曲制作では、蓮沼執太フィルが集結して「Dwell」と「Odyssey」の新曲2曲をNHKスタジオでレコーディングを行った。その他、蓮沼執太がソロで制作したリズムトラック「Naz」、映画のサウンドトラックのようなピアノ主体のアンビエント曲「Surface」を新録している。短い効果音やSEのような劇伴音楽のBGMからミニマルジャズを取り入れた作風まで、音楽的な多彩性はほとんど無限といえるかもしれない。作品集の全編には、蓮沼執太以外には誰も制作しえないような強烈な/強固なオリジナリティがほとばしっている。

 

 「Surface」

 

 

 Listen:https://ssm.lnk.to/II_neojaponismost

 

 

 5.YeYe 「イカルスに乗って」


YeYeによる親密で最もパーソナルなフルレングス作品『Horse County』がSpace Showerから10月15日にリリースされる。

 

「Horse County」のリードシングル「イカルスに乗って」はアルバムの二曲目に収録されている。ポストクラシカル/モダンクラシカル系のピアノ曲にウィスパーボイスが特徴の一曲。幻想的な歌詞のイメージとキース・ケニフの系譜にある内省的で叙情的なピアノはぼんやりとした陶酔感があり、独特な余韻を残す。



BIM、ハマ・オカモト、Ginger Root、mabanua、小西遼といった多彩なアーティストが参加したアルバム「はみ出て!」以来、実に3年ぶりとなるYeYe待望のニューアルバムが完成しました!

 

作詞、作曲、演奏はもちろんのこと、ミックスも今回はアーティスト自身で手がけ、マスタリングは、Feist、Mockyなどを手がけるフランスのEmilie Daelemans(エミール・ダレマンス)が担当した。アーティスト自身が『今までのどのアルバムよりも自分そのものだと思う』と語る作品となっている。


「イカルスに乗って」

 

 

 Listen:https://ssm.lnk.to/icarusninotte

 

 

6.阿部海太郎 「Musical Portrait of Takashi Minamoto 04:忠臣蔵狂詩曲No.5 中村仲蔵 出世階段 」


 

 

もし、歌舞伎や能の音楽を伝統音楽ではなく、世界音楽として捉えるなら? 阿部海太郎の新曲は、歌舞伎や日本の古楽の音楽には、アフリカのポリフォニックのリズムとストラヴィンスキーのような流動的なメロディーが混在し、キュビズムのような立体的な音楽性が含まれていることを示唆する。

 

本作は、九ヶ月連続のドラマ音楽のリリースとして発表された。劇伴音楽の一貫として制作されたが、独立した曲としても異彩を放ち、歌舞伎の強固な世界観に縁取られている。

 

「Musical Portrait of Takashi Minamoto 04:忠臣蔵狂詩曲No.5 中村仲蔵 出世階段」は、江戸時代に実在した役者、中村仲蔵の痛快な下剋上人生を描いたドラマ『忠臣蔵狂詩曲No.5 中村仲蔵 出世階段』と、その後に上演された舞台『中村仲蔵 ~歌舞伎王国 下剋上異聞~』の音楽で構成されたアルバム。
 
 
仲蔵の創意工夫に満ちた一世一代の芸へのオマージュを込めて多種多様な表現を試みている。和太鼓奏者の上田秀一郎と共作で、長唄『仲蔵狂乱』の一節をフラメンコ歌手のフランシスコ・チャベス”エル・プラテアオ”がスペイン語で歌い上げるテーマ曲が圧巻である。何より、古典的になりがちな音楽にモダンな新しい気風を吹き込んだ阿部海太郎氏の作曲の手腕に脱帽である。
 
 
 

 

 

 

Listen: https://ssm.lnk.to/musicalportraitoftm04 



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