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ジャズ・クインテットのEzra Collective(エズラ・コレクティブ)が、2ndアルバム「Where I'm Meant To Be」で2023年度のマーキュリー賞を受賞した。

彼等はMojo Magazineの寄稿者を始めとする権威ある賞の審査員と来場者に深い感銘を与え、ジャズ・アルバムとして初の受賞となった。またエズラ・コレクティブは昨年、ビルボードトーキョーで来日公演を行っている。


25,000ポンド(29,000ユーロ)の賞金は、昨年度のイギリス及びアイルランド圏で発売されたベスト・アルバムを称えるために対象者に授与される。新進気鋭の英国の才能を定期的に表彰するイギリス国内で最も権威ある賞のひとつである。これまで受賞作には、プライマル・スクリームの「Screamadelica」、パルプの「Different Class」、ディジー・ラスカルの「Boy in da Corner」、そして昨年はリトル・シムズの「Sometimes I Might Be Introvert」が選出されている。


今年もまた、イギリス全土でリリースされた最もエキサイティングなアルバムがノミネートされた。アークティック・モンキーズは、7枚目のアルバム「The Car」でレディオヘッドと並んで、最多ノミネートとなった。他にも、フレッド・アゲイン、J・フス、ジェシー・ウェア、ジョックストラップ、ランカム、ロイル・カーナー、オリヴィア・ディーン、レイ、シャイガール、ヤング・ファーザーズもノミネートされた。


エズラ・コレクティヴは、ジャズ・アルバムとして初の受賞という快挙を成し遂げた。これまで、ジャズ・アルバムがノミネートされたことはあったものの受賞に至った事例はなかった。これは前代未聞の出来事である。


「ジャズ・バンドがマーキュリー賞を受賞したことにより、神を信じなければ、何を信じればいいのかわかりませんね」と、ドラマーのフェミ・コレオソは昨夜のロンドンの授賞式で語った。


「私たちがここで祝っているこの瞬間は、善良で特別な人々が、音楽を演奏するために多くの時間と労力を費やしていることの証なのです」とコレオソは言う。「これはまた、エズラ・コレクティブやUKジャズの成果にとどまらず、音楽を演奏する若者たちのために努力しているイギリスの国中のあらゆるグループにとって、特別な瞬間です」


『Where I'm Meant To Be』は、ジャズ、アフロビート、ファンクを融合させ、楽しい雰囲気の楽曲を作り上げた、広がりのあるアルバムだ。このアルバムには、『12 Years a Slave』の監督でターナー賞受賞アーティストのスティーヴ・マックイーン、2022年のマーキュリー賞候補のコジェイ・ラジカル、ミュージシャンのサンパ・ザ・グレート、エメリ・サンデ、ナオが参加している。『Where I'm Meant To Be』は昨年のMusic Tribuneベストアルバムとしてもご紹介しています。


Ezra Collective


現在進行中のフェラ・クティのアルバム50周年記念リイシュー・プロジェクトの一環として、 Ezra Collectiveは「Lady」と「Shakara」の特別バージョンを公開した。両曲とも1972年にフェラ・クティのアルバム「Shakara」に収録されている。


このアルバムは、金の箔押し帯付き限定ピンク・ビニールで1月13日にPartisanから再発され、Ezra Collectiveが録音したA面とB面の「Lady」「Shakara」を収録した黄色の7インチが同梱される。


Ezra Collective x Ladyのバージョンについて、Femi Koleosoは次のように語っている。


「私が子供の頃、父はフェラ・クティのCDをコレクションしていた。子供の頃、父がフェラ・クティのCDを集めていて、長距離ドライブの車の中でかけていたんだ。当時、私はそれが誰なのか、何なのか知りませんでしたが、いつも私の好きな音楽であることは知っていました。フェラ・クティは私たちの音楽のヒーローであり、Ezra Collectiveの基礎となるインスピレーションであり続けているのです。Ezraの最初のライブから、私たちは彼の音楽に敬意を表して演奏してきました。それを記録し、彼の遺産を祝うためにレコードにすることは夢のようなことです。ホーン・セクションの一員として参加してくれたKinetika Blocoに感謝します。オリジナルも負けてないが、このリミックスで君も踊れるようになるといいな」


 神のご加護がありますように

 EZ




Ezra Collectiveは3月7日にビルボードライブ東京に出演が決定しています。公演の詳細はこちら

 



イギリスのジャズ・グループ、エズラ・コレクティブが2023年3月7日(火)にビルボードライブ東京への出演が決定した。



活況をみせるUKジャズ・シーンを牽引する最注目バンド、エズラ・コレクティヴがビルボードライブに登場!全メンバーが多彩な才能を輩出してきた英国の音楽教育機関「トゥモローズ・ウォーリアーズ」出身。若手キーボーディストの中でも特出した才能を見せるジョー・アーモン・ジョーンズを擁し、米・NYのレジェンドラッパー、ファロア・モンチのバックバンドを務めるなど異色のキャリアを持つバンドは、ジャズのみならずアフロビート、レゲエ、ラテンなどジャンルが溶け合った音楽性を体現。



2019年に1stアルバム『ユー・キャント・スティール・マイ・ジョイ』を発表すると、グラストンベリーやSXSWなど大舞台でのパフォーマンスが大きな話題を呼んだ。2022年にはサンパ・ザ・グレイト、コージー・ラディカルといったゲストも参加した待望のセカンド・アルバムをリリースし、更に世界中を熱狂させる彼らの時代の先端をゆくグルーヴとスキルを体感できる一夜は見逃せない。




2023/3/7Tue)ビルボード東京


・1st Stage 



Open 17:00 Start 18:00 



・2nd Stage 



Open 20:00 Start 21:00



本公演の更なる詳細についてはこちらから。


 Ezra Collective 『Where I’m Meant To Be』

 


 Label: Partisan

 Release:2022年11月4日



Review 

 

 

ロンドンのジャズ集団、エズラ・コレクティヴは、近年、 盛り上がりつつあるロンドンのジャズシーンの熱狂を象徴するようなクインテットである。彼らは、エズラ・コレクティヴとしてだけでなく、他のジャズバンドでも演奏しているのでスーパーグループと見なされる場合もあるようだ。

 

エズラ・コレクティヴの音楽は大まかにNu Jazzに属すると思われるが、その中にもこのグループの人種を問わない構成からも分かるように、多様性に富んだ内容となっている。レゲエ、アフロ・ビート、アフリカンミュージック、ネオ・ソウル、ヒップホップ、さらには、UKガラージ、ベースラインにいたるまで様々な国々の音楽を吸収し、これらの要素をセンスよくニュージャズの中に取り入れている。

 

とりわけ、この五人組の中で、ひときわ強い存在感を放っているのが、ドラマーのモーゼズ・ ボイドだ。彼は、なんと、ナイジェリア出身のアフロビートの始祖、Fela Kutiのバンドで活躍したトニー・アレンにドラムの手ほどきを受けた、言わば、ドラム奏者として一廉の人物である。このボイドの生み出すドライブ感抜群の超絶技法のドラムをもとに、TJ Koleosoが凄まじいグルーブ感を保つベースラインを加わることで、アンサンブルとしての骨格が出来上がっている。個人的な意見としては、この二人のリズム奏者は、格式あるモダン・ジャズシーン全体を見渡しても、世界最高峰の技術を擁していると思われる。もちろん、ベースとドラムだけで十分演奏自体はスリリングなのだが、これらの堅固な土台に、軽やかで、陽気な、サックス、トランペット、ピアノが加わることにより、ロンドンの最新鋭のジャズ・グループ、エズラ・コレクティヴの音楽は完成に導かれるのである。

 

最初期のエズラ・コレクティヴの音楽性は、Nu Jazzの領域にありながら、レゲエの要素が強かった。そして、この最新作では、「Togertheness」、「Ego Killah」ではその影響が若干残っているが、レゲエやアフロ・ビートの要素が少しだけ弱められ、ヒップホップや、ベースライン、ダブの流動的なリズムを押し出した作風となっている。基本的には、即興演奏をもとにしたジャズ曲としてのキャラクター性が強いが、ザンビア出身のラッパー、Sampa The Great.Kojey Radicalら、秀逸なラップアーティスト、さらに、UKのシンガーソングライター、Emeli Sandeのゲスト参加により、ボーカル・トラックがインスト曲の合間に導入されることで、アルバムのアートワークからも見えることではあるが、華やかで陽気な雰囲気を持つ作品に仕上がっている。

 

 エズラ・コレクティヴのメンバーは、最新作『Where I’m Meant To Be』において、ロンドンの最新鋭のジャズと、アフリカの音楽性を架橋するような作風を志したと説明しているが、他にもこのアルバムには、ラテン・ミュージック、特にカリブ音楽の影響が色濃く反映されており、それらが彼らの音楽性の根幹にあるアクの強いアフロビートと見事に合体を果たしている。常に、エズラ・コレクティヴの演奏は、最初のモチーフのようなものをバンドのセッションを通じて即興的に転がし、流麗な展開を形作って曲の構想を発展させていき、誰も予測のつかない着地点を曲のクライマックスで見出す。そして、このアルバムの楽曲の展開は、スリリングとしか言いようがない。エズラ・コレクティヴのメンバーは、ジャズの基本の型であるコールアンドレスポンスを通じて、彼ら五人は楽器で軽やかに会話をし、さらにそれらの会話を、大きな構成を持つ楽曲へと昇華させているのだ。

 

アルバムの中には、「No Confusion」「Words By Steve」の二曲に、語りのインタルードが導入されているが、これらが、キャッチーな印象を持つラップソング、ポップス/ソウル、そして、エズラ・コレクティヴの音楽性の基礎であるニュージャズの楽曲の中に、ストーリー性を付け加えている。今作において、エズラ・コレクティヴは、演奏の面白みを追求するだけではなく、万人に親しめる音楽性を示しつつ、音楽の持つ文学性や物語性を掘り下げようとしているように見受けられる。そして、それらを実際のセッションだったり、ボーカリストとの白熱した共演を通じ、このグループの最大の魅力である多様性をもとに一つのアルバム作品として組み上げているのだ。

 

 特に、このスーパーグループの演奏の超絶技法、即興演奏におけるクリエイティビティが最大限に高められているのが「Belonging」だ。この曲では、ベースとドラムの演奏技術の力のみで曲が最後まで牽引されていくが、中盤から変拍子を巧みに駆使し、ピアノの即興演奏、ホーンセクション、パーカッション、ストリングスを交え、スリリングな展開に繋げていく。それに加えて、アフリカの民族音楽のメロディーも卒なく取り入れられ、最後には予測のつかない華やかなエンディングが待ち受けている。

 

その後に続く「Never The Same Agein」で、エズラ・コレクティヴは、エキゾチックジャズの新境地を勇猛果敢に開拓してゆく。イントロの哀愁あふれるピアノのフレーズから陽気で心楽しいカリブ音楽へ一挙に様変わりし、ジャズのアンセミックな響きを持つ、言わば、ダイナミックな展開へ導かれる。この刺激的なライブセッションにこそ、最新作『Where I’m Meant To Be』の最大の迫力が込められており、エズラ・コレクティブの晴れやかなジャズ・スピリットの真骨頂が体感出来る瞬間となるだろう。


ロンドンのジャズ・クインテット、エズラ・コレクティブは、この最新作においてさらなる進化を遂げ、既存の作風を軽やかに超越し、ニュージャズの次なるフィールドに歩みを進め始めている。本当に見事だ。

 

 

86/100



Featured Track「Never the Same Again」

 

Ezra Collective ©︎Aliyah Otchere


11月4日(金)に発売される新作アルバム『Where I'm Meant To Be』に先駆け、 Ezra CollectiveがKojey Radicalとのコラボレーション曲「No Confusion」を公開しました。

 

「No Confusion」は、Douglas Bernardtが監督したビデオと合わせて公開された。"Ego Killah"、Sampa The Greatをフィーチャーした "Life Goes On", "Victory Dance "に続く『Where I'm Meant To Be』の第4作目の先行シングルとなっています。


バンドリーダーのフェミ・コレオソは、故トニー・アレンへのオマージュであるこのシングルについて、「トニーおじさんのドラムレッスンは、僕の人生だけでなく、エズラ・コレクティブの人生をも変えたんだ」と語っています。トニー・アレンはナイジェリアのミュージックシーンの英雄であり、フェラ・クティの右腕として活躍した。

 

「彼が教えてくれた最も貴重なことは、常に自分自身であれ、ということだ。自分が自分であること。自分が何者であるかを誇りに思え。自分が本当にあるべき姿であるとき、混乱はないのです。

 

Fela Kuti(フェラ・クティ)の "Confusion "は、トニーおじさんが録音した唯一のドラムソロで、他の誰も演奏することができなかったものです。このトラックは、まさに私たちそのものです。バンドとして自分たちが何者であるかということを本当に理解しているところにいるんだ。"No Confusion "だよ」


『Where I'm Meant To Be』は、エズラ・コレクティヴの2019年デビュー・アルバム『You Can't Steal My Joy』に続く作品で、エメリ・サンデやナオとの新たなコラボレーションを収録予定となっている。

 


 

Kojey Radicalをフィーチャーした "No Confusion "は現在発売中です。Ezra Collectiveは11月4日(金)にPartisan Recordsからアルバム『Where I'm Meant To Be』をリリースする予定で、現在予約受付中。


イギリスのジャズ・グループ、Ezra Collective(エズラ・コレクティブ)がニューアルバム「Where I'm Meant To Be」をPartisan Recordsより11月4日にリリースすることを発表しました。


デビュー作『You Can't Steal My Joy』の次作アルバムで、最近のシングル "Victory Dance "も収録されています。Where I'm Meant To Beには、Kojey Radical、Emeli Sande、Nao、Sampa The Greatが参加しています。


ザンビア出身のラッパー、Sampa The Greatは、アルバムのニューシングル "Life Goes On "において、Ezra collectiveと共演を果たしている。この曲は、Fela Kutiの1972年のレコード 「Shakara Oloje」を意識したものであり、Nathan Millerが監督したミュージックビデオは、ロンドンとザンビアのルサカで撮影された。バンドは次のように説明している。



ロンドンとルサカの出会い。喜びの瞬間、葛藤の瞬間、しかし、私たちは続けなければならないという精神で結ばれている。人生は歩み続けなければならない...。私たちは、ジャズとミックスできるものの限界を押し広げようという一貫した意志を持って音楽を作っています。

 

これは、南部アフリカのヴァイブスのエネルギーと、私たち独自のスタイルのロンドン・ジャズをミックスしたものです。そして、この美しさを表現するのに、サンパ・ザ・グレートの右に出る者はいない。


アフロビート、ロンドン・ジャズ、ヒップホップがスリリングにミックスされた「Life Goes On 」を聴くかぎり新作アルバムは期待出来る作品になるかもしれません。新曲のビデオ、全トラックリスト、さらに、セロニアス・モンクのアルバム『アンダーグラウンド』を引用したアルバム・アートワークは、以下よりご覧ください。


「Life Goes On 」

 



Ezra Collective 「Where I'm Meant To Be」




Label: Partisan

Release: 2022年11月4日


Tracklist:


1. Life Goes On (feat. Sampa the Great)
2. Victory Dance
3. No Confusion (feat. Kojey Radical)
4. Welcome To My World
5. Togetherness
6. Ego Killah
7. Smile
8. Live Strong
9. Siesta (feat. Emeli Sandé)
10. Words by Steve
11. Belonging
12. Never The Same Again
13. Words by TJ
14. Love In Outer Space (feat. Nao)