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2022年初め、トロントのハードコアバンド、Fucked Upは、24時間で作曲と録音を行った伝説的なフルレングス『One Day』をMerge Recordsからリリースした。続いて『One Day』のセッションの別テイクから3曲を収録した『Show Friends』(7Inch)をリリースしたばかり。タイトル・トラックと 「Spot The Difference」に続く3曲目のシングル「What The Sun Shaw」がついに公開となった。

 

バンドはリーズの公演を皮切りとするヨーロッパ・ツアーの日程を発表した。フロントマンのダミアン・アブラハムは「一般的なカナダのバンドにとって、英国での活躍は何より最重視される」とKerrang!誌のインタビューで述べた。そして、もうひとつは、アブラハムの父祖がイギリスにルーツを持つというのもある。今回のライブ・ツアーでは、ロンドン、リーズ、ボーンマスの3つの都市においてバンドが現地のファンに対外的なアピールを行う格好の機会となる。


Fucked Upは、最近では、パンクとエレクトロとの融合を試み、新しいチャレンジに事欠かない。7 inchの最後のトラックについても同様で、ポスト・ハードコアをサイケデリックに彩っている。

 

ポスト・ハードコアに関する音楽性は以前と同様でありながら、オルタナティヴ・ロック的なギターラインが異彩を放つ。テクニカルなギターラインは、複雑なドラムと合わさり、トゥインクルエモ/エモコアに近い雰囲気を帯びる。その音楽性を決定づけるのが、ダミアン・アブラハムの人間離れした唸り声である。トロントのFucked Upが提示するアンビバレントで新鮮なハードコアは、このジャンルにとどまらず、オルタナ・ファンの期待に添えるものとなっている。



「What The Sun Shaw」



TOUR DATES:

11/10 – Leeds, UK @ Temple of Boom

11/11 – London, UK @ The Underworld (Pitchfork Music Festival) ^

11/12 – Bournemouth, UK @ The Bear Cave

11/13 – Lille, France @ L’Aeronef (Club Room)

11/14 – Paris, France @ Petit Bain

11/15 – Reims, France @ La Cartonnerie

11/17 – Benidorm, Spain @ Primavera Weekender

11/18 – Malaga, Spain @ Paris 15

11/19 – Barcelona, Spain @ La Nau

11/20 – Toulouse, France @ Connexion Live

11/21 – Milan, Italy @ Legend

11/22 – Wiesbaden, Germany @ Kesselhaus

11/23 – Cologne, Germany @ MTC

 


今月初め、Fucked Upはニュー・シングル 「Show Friends」を発表した。この曲は、彼らの最新フル・アルバム『One Day』のセッション中にレコーディングされた追加曲で構成された7″に収録されている3曲の新曲のうちの1曲である。その7″は現在出荷中で、本日バンドはその中からもう1曲、"Spot The Difference "をデジタル配信した。


「"Spot The Difference "は、漸進的な変化と妥協について歌っている。抑制の効かない適応の結果と、承認を求めることの自己暗示のカタログだ」



 

カナダのハードコアクルー、Fucked Upは1枚のアルバム以上の価値を生み出した記念碑的な 『One Day』(レビュー)のセッションから3曲を収録した7inchを今月31日にリリースする。


この3曲は、ザ・バッグスやウィアードスから影響を受けた "ショウ・フレンズ "から、FUの特徴であるギター・タペストリーとサイケデリック・グルーヴの "スポット・ザ・ディファレンス "と "ホワット・ザ・サン・ソウ "に至るまで、デリリアスかつスピーディーなパンクの間を駆け抜けている。FU RECORDSからリリースされる予定。


今回、リードシングル「Show Friends」が公開された。ダミアン・アブラハムは声明でこう語っている。


このビジネスは非常に条件付きの愛情に満ちたもので、愛に値するためにはあらゆる種類の評価基準やベンチマークが必要なんだ。この歌詞は、バンド活動で落ち込んでいた時期を振り返って、自分が精神的にこの職業に向いていないことを悟ったものなんだ。自分の人生の拠り所としてきたものが、自分を蝕み始めたらどうなるだろう?不安、疲労、側頭形成不全、過去の過ちや過ちの洪水など。歌詞はOne Dayのセッションで書いたのだが、頭の中で考えていたようにはまとまらなかった。ジョナと私は歌詞を見直し、しっくりくるまで地下室で書き直した。


リリックビデオは下記より。


Fucked Up
 

先月、カナダ/トロントの伝説的なポスト・ハードコアバンド、Fucked Upは、一日で録音されたアルバム『One Day』(MT Review)に続く最初のシングル「Cops」を発表しました。このシングルでは、オタワのエレクトロデュオ、The Hulluci Nationとの理想的なコラボレーションが実現しました。

 

昨日、続いて、彼らは第二弾コラボレーション「John Wayne Was a Nazi」を発表しています。そもそもこのコラボレーションは、Fucked Upのボーカリスト、Damian Abraham(ダミアン・アブラハム)がEhren "Bear Witness" Thomasと以前から親交があり、そのうち何かしようと話し合っていた結果、実現したコラボレーションです。前回のシングルでは、エレクトロとパンクの劇的な融合を見ることが出来ましたが、2ndシングルについても同様のアプローチが取られています。


こちらも今週のHot  New  Singleとして読者の皆様にご紹介致します。

 


 Fucked Up 『One Day』

 

 


Label: Merge Records

Release :2023/1/28



Review 

 

2001年にカナダ/トロントで結成され、USインディー・ロックの総本山、Matador”,Promise Ringを輩出したエモ・コアの名門レーベル”Jade Tree”を渡り歩いてきたFucked Upの通算5作目となるフル・アルバム『One Day』は、近年のパンクシーンにあって鮮烈な印象を放つ傑作となっている。今作のリスニングは多くのコアなパンクファンの熱狂性を呼び覚ます機会を与えるはずだ。

 

「One Day」と銘打たれた5thアルバムは、文字通り、一日で録音されたコンセプト・アルバムとなる。ただ、バンドの一発取りではなく、トラックごとに分けられて、八時間ごとの三つのセクションに分割してレコーディングが行われ、2019年と2020年の二回にわたって制作された作品であるが、それらの個別のトラックは正真正銘、「一日」で録音されたものだという。これはポスト・ハードコアバンドとして20年以上の長いキャリアを積むバンドの一つの高い山へのタフな挑戦ともなった。

 

Fucked Upは、プロフィールとしてポスト・ハードコアという形で紹介される場合が多いが、その内実はエモーショナル・ハードコア・バンドに近い音楽性を擁している。それは近年あまり見られなくなった形ではあるが、彼らの哀愁に充ちたハードコア・サウンドはどちらかといえば、メロディック・ハードコア・バンド、Hot Water Musicに近いものである。ボーカルについてはニュースクール・ハードコアの範疇にあり、かなりゴツさのあるメタリックなデス・ヴォイスが展開されている。これらは旧来のボストンのハードコアバンド、Negative FX、またはデトロイトのNegative Approachに匹敵する無骨な雰囲気に満ちている。その反面、この屈強なメイン・ボーカルに対するコーラスワークは明らかにエモに近い質感が込められており、サウンドのバランスが絶妙に保たれている。そして曲の全般においてシンガロング性が強いという側面、また、ライブサンドに重点を置くサウンドという側面では、マサチューセッツのDropkick Murphysのように力強く痛快なサウンドの特徴も併せ持つ。今作で繰り広げられるパンクロックサウンドはパワフルであるだけでなく、爽快な雰囲気が漂い、さらに繊細性をも兼ね備えているのだ。

 

「一日」というシンプルなタイトルには、バンドがファンに伝えておきたい趣旨がすべて集約されている。


パンク・ロックに長い時間はいらず、ただ、言いたいことの核心を叩きつければよく、余計な言葉や音を徹底的に削ぎ落とした表現がパンクの核心と言える。しかし、このアルバムは必ずしも勢いに任せたハードコア・サウンドとはいえない。実際の収録曲は綿密に作り込まれている。レコーディング以前からスタジオで演奏を通じて曲の原型となるアイディアを練り上げて行った感もある。つまり、これらの曲の制作に費やした時間は1日ではあるが、その中には気の遠くなるような時間が内包されている。そして、20年のキャリアを誇るバンドとしての豊富な経験に裏打ちされた信頼感と聞き応えのある名曲がレコードには数多く収録されているのである。

 

近年では、アメリカには、Turnstile等の勢いのあるハードコアバンドが数多く登場し、これらはNew York Timesの記事でも紹介されていた。そこには、ハードコアは、ニューヨークの文化でもあると記されていた覚えもある。そして、カナダのファックト・アップもまた、米国の現代的なハードコア・サウンドに良い刺激を受けつつ、上記のHot Water Musicのような往年のメロディック・ハードコアやエモーショナル・ハードコアの良い影響を受け、それらをシンプルでキャッチーな楽曲として提示している。Fucked Upのパワフルな音楽性は、大衆にわかりやすいように作り込まれており、拳を突き上げ、共にシンガロングせずにはいられないアジテーションが内包されている。そして、何より、アルバムの収録曲は聴いていると、不思議と元気が漲り、気分が明るくなってくる。もう、それでパンクロックソングとしては百点満点といえるのではないか。

 

このレコードの中には、パンク・ソングとして傑出した曲が複数収録されている。#4「Lords Of Kensington」は、新時代のメロディック・パンクの名曲であり、ここには近年のハードコアバンドが実際の音楽を生み出す上で見過ごしてきたエモーションと哀愁が曲全体に押し出されている。もちろん、線の太い迫力満点のボーカルと、それと相対する清涼感のあるコーラスワーク、ポップパンクのキャッチーなメロディー、いかにもこのバンドらしいキャラクター性に彩られた激情ハードコアサウンドは一連のイギリスを題材とするコンセプトアルバムとして緊密に紡がれていくのである。

 

他にも続く、#5「Broken Little Boys」では、Dropkick MurphysやSocial Distortionのようなロックンロール/ロカビリーサウンドを反映させながら現代的なパンク・ロックアンセムを生み出している。#7「Failing  Right Under」も、エバーグリーンな雰囲気を持った硬派なニュースクール・ハードコアとして聞き逃せない。さらにアルバム発売直前にリリースされた#9「Cicada」はひときわ強い異彩を放っている。他のメンバーがメインボーカルをとり、Hüsker Dü/Sugar(Bob Mould)を彷彿とさせる哀愁溢れるメロディック・パンクを聴かせてくれる。


近年、さらに細分化しつつあるハードコア・パンク界隈ではあるが、『One Day』を聴いて分かる通り、本来、パンクロックに複雑性はそれほど必要ではないように思える。それは、複雑化して難解になったプログレッシブ・ロックやハード・ロックのアンチテーゼとして、音楽に詳しくない人でも親しめるものとして、この音楽ジャンルは70年代に登場した経緯があるからである。


現在、あらためて多くのファンから望まれるのは、パンクロックの原点にある痛快さ、明快さなのだろう。Fucked Upは、頼もしいことに、そのパンクの本義を『One Day』で見事に呼び覚ましてくれた。意外にも、現代のパンクとして多くのファンの心の掴む鍵は、時代を経るごとに細分化されていったマニア性にあるのではなく、パンク・ロックの簡素な音楽性に求められるのか。まだ、2023年始めなので、断定づけるのはあまりに性急のように思えるが、『One Day』は今年度のパンクロックの最高傑作となる可能性がきわめて高い。

  

100/100(Masterpiece)

 

 


カナダのポスト・ハードコアバンド、Fucked Upが、今週金曜日に発売されるニューアルバム『One Day』の最終シングル「Cicada」を公開しました。

 

是非、ニューシングル「Cicada」を発売前に改めてチェックしてみてください。ギタリストのMike Haliechukがリード・ヴォーカルをとるこの曲は、Colin Medleyが監督したビデオ付きでリリースされました。今回のシングルについて、バンドはプレスリリースを通して次のように説明しています。


"Cicada "は、人を失った後の人生とはどんなものか、そして彼らが教えてくれたことを光として、未来に引き継ぐ私たちの責任についての曲です。

 

蝉の鳴き声を、私たちのサブカルチャーにおける奇妙な生活のメタファーとして想像するのが好きだ。私たちは皆、土の中で奇妙な小さな隠れ生活を送り、ある世代に一度、私たちの誰かが土から飛び出して、全体に聞こえるほど大きな声で歌を詠む。


『One Day』は、Superchunkのマック・マコーン氏が主催するMergeから1月27日に発売されます。既発のシングル「I Think I Might Be Weird」「Found」タイトル曲が収録されています。


「Cicada」