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Easter Youth(イースタン・ユース)の伝説的な名物企画『極東最前線 101 中の島1条4丁目ブルース』の詳細が発表された。今回、イースタン・ユースは、札幌のシーンの盟友であるTha Blue Herbを招き、ツーマンライブを4月22日(土)に渋谷クワトロで開催します。オフィシャル先行予約は、チケットぴあで1/31 17:00から開始となっている。チケット詳細はこちらから。


昨年の極東最前線『ボトム・オブ・ザ・冷凍都市』はナンバー・ガールを招いて行われる予定でしたが、フロントマンの向井秀徳のコロナ感染によりナンバーガールの出演がキャンセルされた。今回、遂に実現した札幌のロックシーン、ヒップホップ・シーンの両雄、イースタン&ブルーハーブの伝説的な共演を見逃すことなかれ。

 

Eastern Youth

 

Tha Blue Herb


『極東最前線 101 中の島1条4丁目ブルース』の開催情報、日程は下記の通りです。

 

eastern youthが主宰するシリーズ・ライブ企画「極東最前線」。2023年2月、ゲストにfOULを迎え、節目となる100回目の極東最前線はチケット即日ソールドアウト。そして4月、気持ち新たに101回目の開催が決定。ゲストにはTHA BLUE HERBが出演する。

 

1997年に札幌で結成し、以後も札幌を拠点に自らレーベルを運営しリリースと精力的なライブをつづけるTHA BLUE HERBは、期せずして2020年にイースタンユースと同じアルバム・タイトル『2020』をともにリリースしている。また2022年春には大阪・梅田クラブクアトロ10周年イベントとしてこの2組の対バンが初開催。東京では初の対バンとなる、待望のey x TBH共演ライブ、遂に実現。

 

 

・2023/4/22 (Sat) 


SHIBUYA CLUB QUATTRO 


 

東京都渋谷区宇田川町 32-13 4F 


OPEN 16:00 START 17:00
スタンディング 前売り:¥6,000



ドリンク代別 


お問い合わせ
SMASH 03-3444-6751 



詳細はこちら:


https://smash-jpn.com/live/?id=3869

 Anorak! 『Anorak!』

 



Label: Superniceboys

Release: 2022年11月16日

 

 

 

Review

 

 

 中央線沿線のミュージック・シーンから登場した気鋭のインディーロックバンド、Anorak!は、今日の東京のシーンを牽引する有望なバンドの1つに数えられます。既に八王子でEnzweckとの対バンなど、パンクハードコアシーンの大御所との対バンを経て、着実に実績を重ねようやくデビュー・アルバムが到着しました。

 

 昨日、リリースされたばかりのセルフタイトルのデビュー・アルバム『Anorak!』はトゥインクル・エモの王道を行く疾走感と青春性を兼ね備えた作品となっており、まず、驚くのは、アルバムの曲名が全部、地名になっているんです。彼らがライブ活動拠点の中心に置いている吉祥寺を始めとする東京、及び、埼玉の地名がずらりと並んでいる。

 

 Anorak!の音楽性は、フランスのSport、米国のAlgernon Cadwallder、Empire!Empire!の直系に当たり、タッピング奏法を駆使したギターチューンに加え、激情スクリーム、グルーヴの効いたリズムを擁するインディーロック/エモーショナル・ハードコアが中心となっている。ただ、既に以前からEmpire! Empire!とのスピリットをリリースし、Algernon Cadwallderとの米国ツアーを敢行しているmalegoatがいるわけで、八王子のミュージックシーン直系のインディーロックとも言えるかもしれません。

 

 記念すべきデビュー・アルバム『Anorak!』は、地名をもとにその土地の持つイメージであったり記憶のようなものが引き出されているように思える。同じトゥインクル・エモとはいえど、若干ではあるものの曲調が異なっている。疾走感のあるロックソングを基調に、そこに2010年代の東京のオルタナティヴ・ロックバンド(akutagawa etc.)の影響下にあるような楽曲も複数見受けられる。これらの米国とは若干異なるオルタナティヴな雰囲気を持った音楽性が展開されてゆく。


 Anorak!の音楽性の最大の魅力は、青春の色合いを感じさせるエモ性にあるように感じられますが、これらの14曲は、このトリオが相当長い時間をかけてスタジオやライブで煮詰めた曲/温めてきた曲であるように思え、細部にわたり綿密に作り込まれており、かなり聴き応えがある。キャッチーな印象を持ち、現代風のオルトロックとしても聴くことが出来る「吉祥寺」とは裏腹に、「八王子」ではニュースクール・ハードコア寄りの楽曲にも挑戦していたり、このあたりはAnorak!のバンドとしてのスタンスが顕著に示されており、以前からOrtegaやWell Wellsを始め、オルタナよりもパンクが強い八王子らしい音楽性を感じさせ、ニヤリとさせるものがある。

 

 「調布」では、スクリームを交えた激情系のエモの王道を行く楽曲に挑戦し、見事なひねりを加えている。また「下北沢」では、トゥインクル・エモの核心を受け継いだ楽曲を提示している。ミッドウェストエモの基調にしつつ、そこに独特のオルタナの色合いを持つのも面白い特徴となっている。このあたりのオルタナティヴのアプローチには少し切ない雰囲気が漂っており、ときおり、インスト曲を交えながら、痛快なトゥインクルエモが繰り広げられていき、アルバムの終盤には最大のハイライト「池袋」が待ち受けている。ここでは、”手刀”を始めとするライブハウスを擁する池袋へのリスペクト、街そのものの雰囲気が爽快感/疾走感のあるインディロックソングとして仕上げられている。この「池袋」の熱狂性こそ、インディーロック/エモファンにとって本作の最高の瞬間となると思われる。これらの曲は、吉祥寺ワープや八王子のリップスといった東京のコアなライブハウスで醸成された生きた音楽となっているのかもしれません。その他「品川」では、このアルバムの中で、最もポスト・ロックに近い音楽性を提示しており、Anorak!のライブハウス仕込みの演奏のテクニックの高さを体感することが出来る。

 

 アルバム全体としては、東京や埼玉といったバンドに馴染みのある街を取り上げたコンセプト・アルバムに近い作品という印象です。既に解散したフランスのSportが『Demo 2011』でこういった異なる場所/異なる時間に因んだ作品を残していて、それに近い斬新なアプローチが取り入れられていて、このあたりが、音楽を通して様々な土地を巡るかのような不思議な感覚を与える。

 

 記念すべきデビュー作『Anorak!』において、3人組のバンドは、東京のインディーズシーンにAnorak!あり、ということを証明づけたにとどまらず、より広く全国的に聴かれるようになる足がかりを作ってみせたと言えるでしょう。今後の彼らの活躍にも期待していきたいところです。


 

78/100

 

 

 Featured Track 「吉祥寺」


 

 

 

 

Holiday Records:

 

https://holiday2014.thebase.in/items/67439798 

 

 日本のオルタナティヴ・ロックバンド、Bloodthirsty Butchersの2007年に発表されたアルバム『ギタリストを殺さないで』が、来年1月20日に、自主レーベル”391tone"から再発される。

 

今回のアートワークは、ブラッドサースティ・ブッチャーズのアルバム・ジャケットのデザインを数多く手掛けてきた画家/彫刻家として知られる奈良美智氏が担当している。アナログバージョンは、オリジナル・アルバムのリリース15周年を記念して再発される。また、この再発盤は、全国流通盤ではなく、公式サイトの通信販売限定でリリースされる予定となっている。

 

 

「ギタリストを殺さないで」15th Anniversary



2007年 bloodthirsty butchersの自主レーベル【391tone】からリリースした通算11枚目のオリジナル・アルバム「ギタリストを殺さないで」が15年の時を経て待望のアナログ化が決定しました。


この作品は彼らが自分たちのレーベルから【391tone】からリリースするという特別な想いが込められた大切な作品のひとつであり、リリース後、諸事情によりCDプレスを終了していることから、音源を入手することが難しかった人もいるかもしれませんが、ここに、アナログ盤となって久しぶりの音源化が実現しました。

 

発売日は、1年でも一番寒い時期とされる”大寒”の2023年1月20日(金)となります。

 

ジャケットは、ご存知の通りブッチャーズ作品では3作をも手掛けて頂いている奈良美智氏の3作目となります。


そして、今作に使われているジャケットはもちろん、全ての写真は、吉村秀樹自らが撮影したもので構成されています。


余談ですが、当時、吉村自ら、片道6時間かけて金沢21世紀美術館まで向かった日帰り行程は、ここでは言い表せないくらいのテンションだったことは印象的であり、記憶に残っています。そこから、撮影し現像し試行錯誤しながら作り上げた「ギタリストを殺さないで」なのです。大きくなったLPサイズでもお楽しみください。詳細につきましては公式ホームページをご確認下さい。

 

 

 

 

Bloodthirsty Butchers「ギタリストを殺さないでLP」

 


収録曲


〜Side A
1. yeah#1
2. 神経衰弱
3. ギタリストを殺さないで
〜Side B
1. アハハン
2. official bootleg / let's rock
〜Side C
1. ホネオリゾーン
2. ムシズと退屈
3. story
〜Side D
1. 理由
2. イッポ
 

発売日 2023年1月20日(金)大寒

 

価格 5,400円(税抜)5,940円(税込)

 

発売元・販売元 391tone

 

 

Gellers

 

トクマル・シューゴを擁する東京のオルタナティヴ・ロックバンド、Gellersが初のベスト盤のリリースを発表しました。

 

この二枚組のベストアルバム『The Best!』は、王舟などが所属するお馴染みのレーベル"Tonofon"から2023年3月1日にリリースされます。このアルバムにはこれまで発表された作品の中から選ばれた8つの収録曲に加えて、「Cumparsita」のアレンジバージョンが追加収録される。現在、このベストアルバムの先行予約はタワーレコードオンラインで受け付けています。

 

Gellers初となるベストアルバムの収録曲は、Gellersのメンバーではなく、他のミュージシャンが選りすぐりのセレクションを行っている。

 

参加アーティストは、大石規湖、王舟、大橋裕之、九龍ジョー、柴崎祐二、高橋翔、谷口雄、出戸学、Hara Kazutoshi(元ゲラーズ)、藤村頼正、松本頼人、溝口紘美、吉木諒祐、吉田靖直、yunnikoが参加している。

 

GELLERSは、小学校時代から20年来の幼馴染のメンバー(田代 幸久、川副 賢一、トクマルシューゴ、大久保 日向、新町 慎悟)で結成され、フジロック、ボロフェスタ、京都大学西部講堂にも出演を果たしたオルタナティヴ・ロック・バンドである。いくつかのバンド名の変更を経て、現在のゲラーズに落ち着いた。2007年にはデビュー作「Gellers」、2011年には「Guatemala」、さらに、2014年には「クンパルシータ」を発表した後、ここ数年大久保/川副のみでライブを開催していましたが、現在、バンドは活動をしばらく休止している様子である。

 

USインディー・ロック/オルタナティヴ・ロックや日本のオルタナティヴ・ロックの影響も感じられつつ、時に、ジャンクで不思議とどこか切なく人懐こいGELLERSの楽曲の魅力を余すことなく伝えるベスト盤となっている。アートワークは現在公開されていません。収録曲については下記の通り。

 

「Cumparsita」

 

 

 

 

Gellers  『The Best !』

 

 Tracklist:

 

 

1.Cumparsita

2.Buscape

3.Colorado

4.Niwatori

 

B

 

1.Guatemala

2.M

3.Locomotion

4.9 Teeth Pacabia

5.Cumparsita(Reprise)

 

 


スイスの独立レーベル”WRWTFWW”は、寺田創一の別名プロジェクト”OMODAKA”としての2001年から2019年にかけての作品を網羅した新たなコンピレーション『ZENTSUU』をリリースします。『Collected Works 2001-2019』を今年10月21日にbandcampにて発売される。

 

寺田創一は2001年、"競艇(ボートレース)のためのBGM "を作製するために、この別名プロジェクト”OMODAKA”を立ち上げたという。


2001年から2019年までの寺田創一の作品を集めた『ZENTSUU:Collected Works 2001-2019』は、レトロゲームサウンドを生かしたチップチューン、エレクトロ、ダウンテンポ、日本の伝統音楽、ハウスを融合させたなんともノスタルジックな作品となっている。Perfumeのプロデューサー・中田ヤスタカの音楽性のルーツがこの作品に見出すことが出来る。

 

「Collected Works 2001-2019」は10月28日のリリースに先立ち、Bandcampにて先行予約受付中です。




寺田創一  『Collected Works 2001-2019』

 


 

Tracklist:
1. Aranjuez
2. Galaxy Deca
3. Kiso Bushi
4. Iyano Kobiki
5. Kusatsu Bushi
6. Nanbu Ushioi Uta
7. Chakkiri Bushi
8. Ryotsu Jinku
9. Hyamikao
10. Cantata no.147
11. Kokiriko Bushi
12. Fortunate 1mark
13. Otemoyan
14. Yosawya San
15. Hietsuki Bushi
16. Monkey Turn
17. Kyoteidaiski
18. Plum Song


 

©︎smzmsy

 神戸を拠点に活動するオルタナティヴ・ロックバンド、Mass Of The Fermenting Dregsは5thアルバム『Awaking: Sleeping』をFLAKE RECORDSからリリースすると発表しました。

 

このアルバムは2018年の『No New World』以来の作品となります。次作アルバムは、8月17日水曜の00:00〜から配信が開始されます。

 

CD盤は新作アルバムのリリース記念ツアーの会場にて、9月18日/25日、10月2日に先行販売されます。その後、10月7日から全国で一般販売が行われる予定です。


Mass of The Fermenting Dregsのフロントパーソン、宮本奈津子はこの新作アルバムのリリースに関して以下のように説明しています。

 

「前作”No New World"から四年、5枚目のアルバムをリリース致します。やべえの出来ました。地球を揺らしたいです。よろしくおねがいします!!」


現時点では、先行シングル等の情報はなく、アルバムリリースのみの告知となっています。アートワークと収録曲については下記より御確認下さい。さらに、5thアルバム『Awaking: Sleeping』のリリースツアーが予定されています。こちらの日程も合わせて下記より御覧下さい。

 

 

 

Mass of the Fermenting Dregs  「Awakening: Sleeping」

 


 

Tracklist: 

 

1.Dramatic

2.いらない feat. 蛯名啓太(Discharming Man)

3.MELT

4.1960

5.Helluva feat. Taigen Kawabe(Bo Ningen)

6.Ashes

7.After the rain

8.鳥とリズム

9. Just 

 

 

  「Awakening: Sleeping」 Release Tour



 

 

・9月18日 (日) 心斎橋Pangera

・9月25日 (日) 新代田FEVER 

・10月2日 (日) 神戸Helluva Lounge


チケット販売 8月12日 (木) 12:00〜

 

*神戸公演のみメール、電話予約


詳細: https://www.motfd.com/



小山田圭吾のソロプロジェクトであるCorneliusがいよいよライブ再始動を前に、劇的な復活を告げる二曲入りのシングル「変わる消える」を本日発表した。小山田圭吾が作曲を手掛けた「変わる消える」は、日本のシンガーソングライターMei Eharaをボーカルにフューチャー、日本インディーシーンにおける小山田の盟友ともいうべき存在、坂本慎太郎も作詞で制作に参加している。

 

さらに二曲目収録のリミックスバージョンには、アメリカの電子音楽家/プロデューサーとして知られるJohn Carroll Kirby(ジョン・キャロル・カービー)がリミックスを手掛けている。 「変わる消える」は、「Amazon Music Pressents Music4Cinema」のプロジェクトの一貫としてリリースされ、日本のショートフィルム『アメガラス』の主題歌としても使用されるという。

 

小山田圭吾は、先日、YMOの高橋幸宏、Towa Tei、LEO今井を擁するMetafiveの新曲「Wife」にも参加している。さらに、ソロプロジェクトのコーネリアスとしては、今年の夏、クリエイティヴマンの主催する『Sonicmania』で8月19日にライブパフォーマンスを行うことが決定している。日本のインディーロックシーンの大御所、コーネリアスの再始動に期待したい。

 






Cornelius 「変わる消える」 Single

 

 

Tracklist

 

1. 変わる消える (feat. mei ehara) 

2. 変わる消える (feat. mei ehara) [John Carroll Kirby Remix]

 

 

Listen/Streaming Official:  

 

https://cornelius.lnk.to/kawarukieru




 Sunny Day Service 『冷やし中華』 EP 

 

 

 

 Label:  Rose Records

 Release: 7/15 2022



REVIEW

 

日本のインディーシーンで絶大な人気を誇る、曽我部恵一率いるサニーデイ・サービスは、1992年に結成。平成時代の「渋谷系ーShibuya-Kei」の象徴的なバンドとして活躍してきた。近年のJ-POPのフジファブリック、スカートといった音楽の源流はこのバンドに求められるはず。以前、スコットランドのネオアコ・ギターポップシーンに触発されたインディーフォークを日本の音楽シーンにもたらし、ジャンルにとらわれない幅広い音楽性がバンドの魅力となる。また、オリジナル・メンバーであった丸山晴茂は2018年に四十七歳という若さでこの世を去った。

 

近年は、オリジナル・メンバーの丸山がなくなったためか、ベスト・アルバムやリミックスを中心にリリースしていたサニーデイ・サービス。その後のメンバー編成がどうなっているのかは寡聞にして知らないが、最新EP「冷やし中華」では、懐かしのシティ・ポップや、アルバムジャケットを見ての通り、細野晴臣、大滝詠一のようなゆるくまったりしたサウンドに回帰している。 

 

が、やはり、今作において曽我部恵一のソングライティング能力の高さが際立っていいる。耳障りの良いサウンド、そしてキャッチーなフレーズ、それらはこのバンドの最大の強みで有り続けてきたが、今回のEPではせつなげなエモーションが加味され、夏にふさわしい涼味のあるサウンドが体現されている。


しかし、近年見られたいかにもシティ・ポップを意識したキラキラしたポップサウンドではなく、平成時代のサニーデイ・サービスの自然なインディーフォークバンドとしての魅力を余す所なく再現した一枚である。短編小説のような作品ではあるけれど、その簡潔さ、潔さがリスナーに心地良さをもたらすだろうと思われる。

 

特に、面白いのは、瀬戸内海の海を見て着想を得たというオープニングトラック「冷やし中華」ではいかにもサニーデイ・サービスの全盛期を彷彿とさせる深い味わいがあるのに加えて、はっぴいえんどのように懐古的な歌謡曲を下地においたサウンドへの回帰をはたしていることである。ここではこのバンドの最大の特徴である淡いノスタルジアがここに提示される反面、二曲目の「ジャスミン」で現代的なインディーフォークのスタイリッシュな雰囲気も感じられる、さらに1970年に発表された中川イサトのカバー「その気になれば」において、日本の70年代のフォークソングの核心に迫ろうとしているのがこのEPの醍醐味と言えるだろうか。

 

さらに、サニーデイ・サービスが長い歩みを続けていく上で薄れていたガレージロック/ローファイバンドとしての性質がエンディングの「夏のにおい」で、長年月を経て舞い戻って来る。オリジナルメンバーの早すぎる死は、その時代の音楽をこのバンドに思い出させた。これらの懐古的で現代的でもある簡潔なサウンドの妙な風味がアートワークのイラストの穏やかな雰囲気と上手く合致を果たしている。夏のセンチメンタルな詩情を込めた「冷やし中華」を聴くかぎり、彼らはまだやるべきことが残されているように思える。これまでと同じく、サニーデイ・サービスは、今後も日本のミュージック・シーンの新境地を開拓するバンドでありつづけるのだ。

 

 

Critical Rating:

84/100

 

 

 

 

 

 

「冷やし中華」のCD盤にはボーナストラック「冷やし中華 -Chill Inst-」が収録。生産限定盤CDは手ぬぐいが付属する。CD盤は15日のデジタルリリースに続いて7月22日にリリースされる。

 

 

Buy on Official Shop:   https://www.roserecordsshop.com/ca2/429/p-r-s/

 

 

また、今年の秋、サニーデイ・サービスは東名阪のツアーを開催します。ツアーの詳細情報についてはチケットぴあで御確認下さい。


 

Fake Creators

6月7日、LITE、DÉ DÉ MOUSEによるニュープロジェクトFake Creatorsが、1st Single「When You Fake Sleep」をデジタルリリースした。


本作品は、グライム、UKベース、チル、カットアップをバンドで再構築、そのバンドサウンドを更に再構築したサイケデリックでクールダーティな1曲となっている。

 

アートワークは3DCGを用いたVR/AR/映像表現を行う新進気鋭のクリエイターJACKSON kakiが担当。そのJACKSON kakiによる白昼夢の景色を具象化したような、90年代のヒーリングミュージックブームを彷彿とさせる質感のミュージックビデオもYouTubeに公開されている。

またFake Creatorsは7月31日(日)に新潟県湯沢町苗場スキー場で開催されるFUJI ROCK FESTIVAL'22のRED MARQUEEステージで行われるオールナイトイベント「SUNDAY SESSION」への出演がアナウンスされており、当日は、JACKSON kakiもFake CreatorsのライブにVJとして参加する。 

 

 



DÉ DÉ MOUSE

ぼくはLITEというバンドのファンで、ずっと一緒に曲を作りたいと思っていました。 去年LITEと念願のコラボを実現させたことにより、更に一歩踏み込んだ表現をLITEとやりたくてFake Creatorsの企画を提案しました。 

バンドとダンスの融合という、言葉にすると陳腐なフレーズのサウンドが、ぼくたちの手でネクストレベルになったと自負できる作品を作れて本当に嬉しく思っています。
 

Fake Creatorsはバンドではなくアート集団に近いと思っています。
 個々の表現が音楽やビジュアルとなりひとつの作品を生み出しています 

志を共にするアーティストが居れば、彼らもまたFake Creatorsのメンバーになることでしょう

 

 

武田信幸/LITE
 

DÉ DÉ MOUSEとLITEで「これまでお互いができなかったことをやろう」というテーマの元、2アーティストでスタートしたFake Creatorsですが、このプロジェクトにおいてDÉ DÉ MOUSEとLITEは初期メンバーに過ぎません。 
シングル曲の映像作品には映像アーティストであるJACKSON kakiをチームに迎えたように、Fake Creatorsの活動は音楽アーティストはもちろんのこと、映像・デザイン・アート領域のクリエイターたちとお互いの領域をクロスオーバーして作品を作っていく集団になっていきます。 
また、Fake Creatorsは3DCGを使ったアートワークにシングル音源を載せたMUSIC NFTを発行するなど、WEB3の世界へも積極的に進んでいき、次世代のアーティストの生態系を模索していきます。 
ぜひ今後の活動の動きを楽しみにしていてください。



Fake Creators  
 
 
1st Single 「When You Fake Sleep」






Release Date: 2022年7月6日(水)
 
 
Format:Digital

Track:
 
1.When You Fake Sleep
 


ストリーミング/ダウンロード:



 


日本のオルタナティブロックバンド、Mass Of The Fermentinfg Dregs、通称、MOTFGが今年の8月7日に「新代田FEVER」にてワンマン企画を開催する。この企画は、今回で13回目の開催となる。

 

2010年代から日本のインディーシーンで強い存在感を示し、第一線を牽引してきたMass Of The Fermentinfg Dregsは、2018年にフルアルバム「No New World」をリリースし、その後、シングル「You/歌をうたえば」を発表している。本公演のライブチケットは、150名限定とのことなので、参加者は一刻も早く予約を急ぐべし!!!!

 

バンドのフロントマン、ベーシスト/ボーカルを務める宮本菜津子からのメッセージは下記の通り。 

 

 

 

 

 

 


2022年8月7日(日) at 新代田FEVER 

 

「デイドリームなんかじゃない vol.13」 

 

出演:  MASS OF THE FERMENTING DREGS 

 

12:00/13:00 ¥3500+ワンドリンク  *150名限定  

 

 

チケット予約 :

 

motfd0807yoyaku@gmail.com  お名前ご連絡先を上記アドレスまでお送り下さい、とのことです。

 

 

新代田FEVER オフィシャルサイト:

 

https://www.fever-popo.com/schedule/2022/08/07/ 



 

Humbert Humbert


日本のデュオ、ハンバート ハンバートが2年振り11枚目となるオリジナルアルバム『丈夫な私たち』をリリースします。さらに先行デジタルシングル「岬」は7月6日配信リリースされます。


収録曲はPanasonic IoT家電CMソングとなっている『君の味方』、テレビ東京ドラマ「僕の姉ちゃん」のオープニングテーマとなっている『恋の顛末』、ジャルジャル主演配信コメディ演劇「夢路空港」の主題歌『夢の中の空』などのタイアップ楽曲に加え、楽曲提供したアニメ「プリンセスコネクト!Re:Dive Season2」エンディングテーマ『旅立ちの季節』のセルフカバーも含めた全12曲が収録される。


さらに、アルバム収録曲の『岬』がデジタルシングルとして7月6日にリリースされる。


本日から『岬』の先行予約Pre-add / Presaveが可能。ハンバート・ハンバートはこの新作について完結なコメントを添えています。


2022年も丈夫な私たちがしぶとく歌っていきます。
ツアーもアルバムも、ぜひお楽しみに!






Humbert Humbert 『岬』








【収録曲】


01.うちのお母さん
02.もうくよくよしない
03.ふたつの星
04.君の味方
05.恋の顛末
06.朝なんて来なければいい
07.黄金のふたり
08.私のマサラ
09.岬
10.旅立ちの季節
11.返事を書こう
12.夢の中の空


【初回限定盤】


<CD+Blu-ray>

品番:DDCB-94032 価格:税込¥5,500 税抜¥5,000

*Blu-rayには2021年9月22日Bunkamuraオーチャードホールで開催した『THIS IS FOLK』公演のライブ映像をフル収録予定


【通常盤】


<CD>

品番:DDCB-14079 価格:税込¥3,300 税抜¥3,000


【購入者特典】



[タワーレコード] オリジナルコースター
[HMV] オリジナルステッカー
[楽天ブックス] オリジナルクリアファイル
[ディスクユニオン]お絵かき帳
[拠点特典] ステッカー(5枚以上店舗)


*拠点店舗に関しては後日詳細発表
*特典には数に限りがあります 



【先行シングル予約】


7月6日Release「岬」


<Pre-add / Presave>*配信前事前予約

https://humberthumbert.lnk.to/misaki


 坂本慎太郎 「物語のように」 



Label: Zelone Records

Release Date: 2022年6月3日、(国内レコード盤は、9月30日から発売)

 

やはり、日本のインディー界の大御所のリリースがあると、不思議とワクワクするものがある。坂本慎太郎の六年ぶりの新作「物語のように」は、パンデミックを通じて、このアーティストの人生観のようなものを社会情勢を俯瞰して見つめなおすことによって生みだされた作品であるように思える。

 

坂本さんは、tokionのインタビューで「明るく、フレッシュ、抜けが良い感じにしたかった」と話している通り、アルバムにはそこまで時代背景を象徴したような暗鬱な閉塞感のようなものは見受けられない。ゆら帝時代から一貫しているように、シニカルで、本気なのかどうか定かではないユニークさを交え、坂本慎太郎の一貫した世界がアルバムの底流には通じている。MTRでのデモテープづくりという古いスタイルも、このアルバムのノスタルジアあふれる雰囲気をいや増している。時代観とは距離を置いたまろやかなノスタルジア、それこそが坂本慎太郎さんの魅力であり、その「まったり感」を楽しむための一作であると言えるかもしれない。そして、このアーティストらしい歌詞の独特なニュアンスも健在で、それらは「物語のように」、「それは違法です」、「君には時間がある」といった楽曲に表れている。このシニカルで、ちょっと斜め上を行くかのような、坂本さんの言葉の持つ力が随所にきらりときらめいている。

 

既に、海外でも豊富なライブ経験、リリース経験がある坂本さんではあるものの、そういった国際意識とは裏腹に、やはり、「英語で歌うという概念は頭になかった」ようです。なぜなら、彼は誰よりも日本語を愛し、その響きを愛する人物だからである。上記のインタビューで話している通り、海外の人にも、音楽性が通じれば、言葉がつながらないという要素は、むしろプラスに転ずると坂本さんは考える。もちろん、それは細野晴臣さんがLAのライブで受け入れられ、既に「ハネムーン」の歌詞が世界の共通語となっていることからもよく分かることかもしれない。

 

アルバムの音楽性としては、具体的に、このアーティストと指摘するほどの知見を持ち合わせていないものの、 70年代の邦楽ロックに加えて、海外のアーティストの影響を受けて生み出された作品というように見受けられる。それは、ポップス、ハワイアン、サーフ、アフロビート、ファンク、サイケデリック、と、無類の音楽フリークとしての表情を併せ持つ坂本さんらしいサウンドの妙味と相まって、温かく、力みの抜けたグルーヴが作品全体に滲んでいる。これらのサウンドには、音楽を演奏することの喜びにあふれているだけでなく、時代の閉塞感を打破する力が込められている。そして、人生や音楽をより心から楽しむためには、ちょっとした「遊び心」が必要だと教えてくれており、さらに、ときには、人生をこれまでと違った角度から眺めてみることの重要性を教えてくれる。「物語のように」は、日本の正真正銘のインディー・アーティストのキャリアの分岐点であるとともに、彼の最良のアルバムとして挙げても良いのではないか。

 

 

Critical Rating:

78/100

 

 

 

 


・Amazon Link

 

 

宇宙ネコ子(Ucyu Nekoko)

 

 

宇宙ネコ子は、2012年に結成されたオルタナティヴロック・ユニット。羊文学、揺らぎとともに日本のシューゲイザーシーンの注目株。

 

初期メンバーは、ネムコ(Vo)とタナベコウヘイ(Ba)の二名。2014年に、ゲストボーカルに”ラブリーサマーちゃん”を迎え入れ、「宇宙ネコ子とラブリーサマーちゃん」を自主制作する。


2016年、再びラブリーサマーちゃん、入江陽、itoken(相対性理論)をゲストとして迎え、ファーストアルバム「日々のあわ」を制作し、P-Vine Redcordsからデビューを果たしている。 


2017年には初期メンバーであったタナベコウヘイが脱退している。アルバムのアートワークに関しては、すべて大島智子が手掛けている。アニメーション色の強いアートワークは宇宙ネコ子の魅力的な世界観の一貫とも言える。

 

 

 

「日の当たる場所にきてよ」(Hi No Ataru Basyo Ni Kiteyo) Loom

 

 


 

 

 

scoring

 

 

 

 

tracklisting

 

1.日の当たる場所にきてよ

2.Skirt

3.部屋

4.スロウ

5.Rebirth

6.9

7.hikage

 

 

 

Featured Track 「部屋(Heya)」  





「日の当たる場所にきてよ」 

Listen On :

 https://songwhip.com/宇宙ネコ子/日のあたる場所にきてよ-2

 

 

ディスクユニオンが設立したインディーズレーベル「Loom」からこれまで宇宙ネコ子はアルバム、及びEP作品をリリースしている。

 

宇宙ネコ子の音楽性の魅力を端的に述べるとするなら、なんといっても、正統派のシューゲイザーサウンドの継承、そして、相対性理論の”やくしまるえつこ”に近い独特な声質にあるといっても過言ではない。もちろん、音楽として導き出される作風も、アルバムジャケットに描かれるような切ない青春、または、なんとなくノストルジアを感じさせる雰囲気に込められている。

 

1月19日にリリースされた「日の当たる場所にきてよ」でも、これまでの宇宙ネコ子らしいシューゲイザー/ドリーム・ポップサウンドは全面的に展開され、ファンの期待を裏切らない素晴らしい作品となっている。


特に、表題曲の「日の当たる場所にきてよ」、二曲目の「部屋」という楽曲がアルバムの中では白眉の出来栄えと言え、ドリーム・ポップの色合いは、既存作品より一層強固になったというような印象を受ける。 もちろん、言うまでもなく、歌詞についても同じように、その印象は以前よりも強められ、このアーティスト、宇宙ネコ子にしか紡ぎ得ない揺るぎないノスタルジアが日本語詞として「歪んだディストーションサウンド」に、心地よくふんわり乗せられている。

 

これまで、シューゲイザー/ドリーム・ポップ一直線の音楽性であった印象もある宇宙ネコ子のサウンドは、最新作においてかなりの進化を遂げたと断言出来る。それは、五曲目の「Rebirth」という一曲に顕著に表れていて、宇宙ネコ子は、ドリームポップの向こう側にあるアンビエントに近い質感を持った楽曲を生み出している。こういった穏やかで癒やしの質感を持った楽曲は、このアーティストが既存作品には見られなかった新境地を切り開いた瞬間ともいえる。


その他にも、ラストトラック「hikage」では良質なJ-POPサウンドを生み出していることにも注目である。

 

 日本のシューゲイザー/ ドリーム・ポップシーンにおいて、商業主義とは一線を画しながらも、良質なメロディー、そして、淡いノスタルジアの込められた日本のアーティストらしい雰囲気のある楽曲を生み出し続けている宇宙ネコ子。今後、どういった良質な作品を日本のインディーロックシーンにもたらしてくれるのだろうか、一ファンとしてはワクワクしながら心待ちにしたい。

 

 

 グソクムズ

 

グソクムズは、東京、吉祥寺を拠点に活動する四人組のシティ・フォークバンドで、2014年に、たなかえいぞを(Vo.Gt)、加藤佑樹(Gt)中心に結成されました。

 

活動当初は、現在とは全く異なるプロジェクト名を冠して、フォークデュオの形態でゆるく活動を行っていたようではありますが、2016年、堀部祐介(Ba)が加入、さらに2018年に中島雄士(Dr)が加入し、現在のバンド体制が整う。グソクムズの音楽的な背景は、往年の日本の名バンド、はっぴいえんど、高田渡、シュガー・ベイブスなどのフォーク音楽にあり、これらのバンドの音楽に強い影響を受けている。


彼らのバンドサウンドは「ネオ風街」と称されるように、細野晴臣直系のフォークサウンドを継承する現代のバンドです。グソクムズは、森は生きている、Predawnの次の世代を行くリバイバル・フォークサウンドを2020年代に推し進めようとしています。

 

またバンドとしてはメディアへの出演経験があり、2020年に雑誌「POPEYE」に掲載されている。同年8月には、TBSラジオにて冠番組「グソクムズのベリハピラジオ」が放送されている。 

 

グソクムズは、これまで自主レーベルから「泡沫の音」をはじめ、二枚のシングルとミニアルバム「グソクムズ系」をリリース。2021年には、電子音楽やポストロック系音楽を中心にリリースするご存知P-VINEと契約を結び、7インチシングル「すべからく通り雨」を発表、タワーレコードをはじめ、東京のインディーズシーンで大きな話題を呼んでいます。

 

グソクムズのサウンドは、ここ十年来の吉祥寺のスタジオペンタ系列のライブハウスのロックバンドの系譜にあり、ゆるく、まったりと、おおらかなオルタナティヴの気風に彩られている。

 

こういった音楽は、ここ十年来、吉祥寺のライブハウスにありふれたものでありながら、誰も彼もが明確な形として昇華しきれないもどかしさを覚えていました。それは、それぞれが、渋谷、下北沢とは異なる吉祥寺独自の音楽を不器用に貪欲に探しもとめていたということでもあるのです。

 

グソクムズのサウンドには、先を行った数多くのミュージシャンの熱い想いが宿っていて、ここ十年来の吉祥寺の数多くのバンドが引き継いできた音楽に対する愛情と気風を感じざるをえません。ここ十年、駅前で複数のライブハウスが協賛して、音楽フェス等を開催し、「音楽の町」として盛り上げようと苦心惨憺を重ねてきた東京吉祥寺が、満を持して日本のミュージックシーンに送り込んだインディー・フォークバンドです。 

 

 

 

 

「グソクムズ」 P-Vine  2021 

 



Tracklisiting

 

1.街に溶けて

2. すべからく通り雨

3. 迎えのタクシー

4. 駆け出したら夢の中

5.   そんなもんさ

6. 夢が覚めたら

7. 濡らした靴にイカす通り

8.   グッドナイト

9.   朝に染まる  

 

 

 

 

 

 

さて、今週の一枚として紹介させていただくのは、グソクムズのデビューアルバム「グソクムズ」となります。このアルバムはデビュー・アルバムとは思えないほどの完成度の高さ、十年以上メジャーで活動を行ってきたような貫禄を感じさせる作品です。

 

バンドの中心人物の”たなかえいぞを”は、若い時代から両親の影響で、カーペンターズやサイモン&ガーファンクルといった往年のアメリカンフォーク、ポップスを聴いてきたようです。それに加え、日本のシティ・ポップサウンドの源流をなすシュガーベイブス、はっぴいえんど、といったバンドの音楽からの影響を公言しています。

 

日本のシーンには、こういったバンドに影響を受けたミュージシャンが、他にも、スカート、トクマルシューゴをはじめ多く見受けられますが、グソクムズは、それらの日本のインディー・シーンの系譜にあたり、LAのリバイバルムーブメントとは異なる日本独自のリバイバルシーンの台頭を予見するかのような淡いサウンドの魅力によって彩ってみせています。


このアルバムで展開されていく音楽は、誰もが一度くらいはラジオなどを通して聴いたような懐メロ寄りのサウンド。メロディーやコードの構成にせよ、リズムの独特な運び方にせよ、そういったシティポップサウンドを踏襲していることはたしかですが、そこに現代的な要素を加え、おしゃれで洗練されたサウンドに仕上げているのは、ロサンゼルスやニューヨークのリバイバルバンドの動きと通じているような印象を受けます。

 

 

そして、このバンドの最大の魅力というのは、良質なメロディ、強かな演奏力に裏打ちされた、誰が聴いても何となく良さが分かるポピュラー性にあります。それはフロントマンの”たなかえいぞを”の細野晴臣を彷彿とさせる温かく包み込むようなヴォーカルの声質がバンドサウンドに深みをもたらしているからこそ。LAでは、今まさに、日本のシティ・ポップの人気が高まってきているようですが、それに比する、いや、いや、以上の資質をそなえたシティ・フォークサウンドが、今作において味わい深く展開されています。

 

グソクムズのデビューアルバムの中では、先行の7インチ・シングル「すべからく雨の中」「グッドナイト」の出来が際立っているように思われます。


特に、リードトラックの「街に溶けて」のネオアコサウンド風に心惹かれるものがあります。ノスタルジックでありつつ、現代性も失っていない。そして、過去と現代の間で、センチメンタルに揺れ動く切なさ、淡いエモーションが日本語フォークとして体現されていて、近年のJ-POPの中でも、屈指の名曲と言っても良いでしょう。

 

そして、「街に溶けて」のメロウでゆったりした名バラードにこそ、吉祥寺サウンドの本来の魅力が詰め込まれている。それは、先にも述べたとおり、この十年来において、ストリートサウンドとして数々のバンドが真摯に追究してきた音楽性でもあります。

 

かつて、ある吉祥寺のライブハウスの店長が、「吉祥寺のロックバンドの持つ音楽性には、他の町とは異なり、流行に流されない普遍性がある。それは、新宿とも八王子とも異なるんだ。そういった音楽シーンをこの町に作っていきたい」と話していましたが、彼が既に現場のスタッフではなくなった後、その切望が実現したというのは少し寂しくもあります.....。

 

それでも、グソクムズの日本のインディーシーンへの台頭、彼らの素晴らしいデビュー作は、全国区の「吉祥寺サウンド」が完成したことの証明にもなる。今作は、ローファイサウンドの盛んなLAあたりで結構人気の出そうな作品です。いずれにしても、P-Vineの素晴らしい新人発掘力、目の付け所の鋭さには感嘆するよりほかなし。

 


 

Haruka Nakamura



ハルカ・ナカムラは1982年生まれ、青森県出身のアーティスト。

 

幼い時代から母親の影響によってピアノの演奏をはじめ、その他にもギターを独学で学んでいます。2006年からミュージシャンとしての活動を開始し、2007年、2つのコンピレーション作品に参加、多様な音楽性を持った演奏を集め、「nica」を立ち上げる。2008年に小瀬村晶の主催するスコールから「Grace」でソロデビューを飾る。

 

その後、ソロアーティストとしての作品発表、Nujabesとのコラボ作品のリリースで日本のミュージックシーンで話題を呼ぶ。また、東京カテドラル聖マリア大聖堂、広島、世界平和記念聖堂、野崎島、野首天主堂等をはじめとする多くの重要文化財にて演奏会を開催しています。


近年の仕事で著名なところでは、杉本博司「江之浦観測所」のオープニング特別映像、国立新美術館「カルティエ 時の結晶」、安藤忠雄「次世代へ次ぐ」、NHKの土曜ドラマ「ひきこもり先生」の音楽を担当。

 

その他、京都・清水寺成就院よりピアノ演奏をライブ配信、東京スカイツリー、池袋サンシャインなどのプラネタリウム音楽も担当し、画期的なライブ活動を行っています。  早稲田大学交響楽団と大隈記念講堂にて、自作曲のオーケストラ共演も行っています。

 

 

 

 

「Nujabes Pray Reflection」 Hydeout Productions 2021 

 

 

 

 

Scoring 


 

 

 

Tracklisting 


1.Another Reflection

2.Horizon

3.Waltz of Reflection Eternal

4.flowers

5.kumori

6.Feather

7.latitude

8.Light on the land

9.Final View

10.World's end Rhapsody

11.Reflection Eternal

12.Let me go

 

 

「Nujabes Pray Reflection」Listen  on:

 


https://songwhip.com/haruka-nakamura/nujabes-pray-reflections

 

 

12月4日にHydeout Productionsから発売されたハルカ・ナカムラの新作は、アルバム・タイトルの「Nujabes Pray Reflection」にもはっきり見えるように、日本の伝説的なDJ、故Nujabesに捧げられた作品です。かつて、Nujabesが作品をリリースしていたレーベルからの作品発表というのも並々ならぬ決意のようなものを感じます。

 

11月5日に発表された「新しき光」においても、nujabesに対する深い敬愛を示していたハルカ・ナカムラは、この作品でさらにそのリスペクトを深め、そしてこのDJが何を探し求めていたのか、その真理にいよいよ近づいたといえるでしょう。そもそも、このハルカ・ナカムラの新作「Nujanes Pray Reflection」は、Nujabesの生前の作品からインスピレーションを得て、それを新たに、ポスト・クラシカル/ネオ・クラシカル、あるいはまた、フュージョンジャズという側面から組み換え、Nujabesの芸術性をさらに一歩先に推し進めていこうという意図も伺えます。

 

これは、これまでの作品のように故人を偲ぶ作品ではなく、故人の意思を今生きる人間として受け継いだ重要な作品ともいえるかもしれません。

 

そもそも、ローファイヒップホップ/チルアウトの世界水準のアーティストとして日本のシーンに登場したDJのNujabesは、例えば、レイ・ハラカミと同じように、外国人から見た日本の文化性ではなくて、日本からみた日本文化の叙情性、エモーションを主な音楽性の特徴としていた稀有なアーティストでした。

 

それは、いうなれば、西洋人には見えづらい日本の内面性ともいうべき情感、禅文化の「侘び、寂び」にも似た幽玄な雰囲気を、現代的なローファヒップホップという音楽に込めたアーティストだったとも換言できなくはないでしょう。


今作が生み出される契機となったのは、Hydeout Productionsからハルカ・ナカムラに以下のような依頼があったことに始まります。「時が止まったままの十年を進めて欲しい」

 

これはレーベル側としても、Nujabesの盟友ともいえるハルカ・ナカムラとしてもNujabesの不意の出来事に関して、長年にわたって、どのように捉えるべきか苦悩していたと思われます。あらためて、Hydeout Productions側からの、今回、ひとつの区切りを設けて、新たに時計の針を進めてもらいたい、という提案を契機として、ハルカ・ナカムラも同じような意図で作品の制作に真摯に取り組んだものと思われます。 そして、ハルカ・ナカムラはレーベルからの依頼を受け、これまでのNujabesの生前の音楽を縁として、それをなんとか新たしい音楽として昇華し、現在まで後ろ向きであった思いを、故人のためにも前向きな思いに変えていこうと試みたのかもしれません。

 

今作「Nujabes Pray Reflection」には、生前のNujabesの独特な淑やかな情感とも呼ぶべきものが「Walts of Reflection Eternal」「World' end Rhapsody」といった秀逸で非常に聞きやすさのある楽曲の木管楽器の使用、旋律の運び方に受け継がれています。また、それは、以前のような後ろ向きな形でなくて、前向きで明るい形の表現に変化したと形容すべきでしょう。これは、ハルカ・ナカムラが長年の間、Nujebesの出来事について、暗い気持ちを抱えていたのだけれど、ついにそれを振り払い、ようやく肯定的に捉えなおすことが出来たというべきかもしれません。

 

そして、この作品は、見方を変えてみれば、トリビュートというより、故人Nujabesとハルカ・ナカムラの目には見えない形で繋がった作品。それが作品全体に非常に温かみある感慨が満ち溢れている要因といえるかもしれません。

 

ここ数年、どことなく暗鬱な印象の楽曲を中心に書いてきたように思えるハルカ・ナカムラは、この新作において新しく生まれ変わり、未来に明るい希望を見出しつつあるように思えます。それこそが、ハルカ・ナカムラのファンとしては、最も、嬉しく、喜ばしい出来事に違いありません。



haruka nakamura


 

ハルカ・ナカムラは1982年生まれ、青森県出身のアーティスト。幼い時代から母親の影響によってピアノの演奏をはじめ、その他にもギターを独学で学んでいます。2006年からミュージシャンとしての活動を開始し、2007年、2つのコンピレーション作品に参加、多様な音楽性を持った演奏を集め、「nica」を立ち上げる。2008年に小瀬村晶の主催するスコールから「Grace」でソロデビューを飾る。

 

その後、ソロアーティストとしての作品発表、Nujabesとのコラボ作品のリリースで日本のミュージックシーンで話題を呼ぶ。また、東京カテドラル聖マリア大聖堂、広島、世界平和記念聖堂、野崎島、野首天主堂等をはじめとする多くの重要文化財にて演奏会を開催しています。


近年の仕事で著名なところでは、杉本博司「江之浦観測所」のオープニング特別映像、国立新美術館「カルティエ 時の結晶」、安藤忠雄「次世代へ次ぐ」、NHKの土曜ドラマ「ひきこもり先生」の音楽を担当。

 

その他、京都・清水寺成就院よりピアノ演奏をライブ配信、東京スカイツリー、池袋サンシャインなどのプラネタリウム音楽も担当し、画期的なライブ活動を行っています。  早稲田大学交響楽団と大隈記念講堂にて、自作曲のオーケストラ共演も行っています。





 

「新しい光」EP KITCHEN LABEL 2021 

 


 

 

Scoring

 

 

 

 

 Tracklisting

 

1.新しい光

2.未来

3.光

4.…twilight

5.ひとつ

 

 


Listen On:


 

 https://songwhip.com/haruka-nakamura/%E6%96%B0%E3%81%97%E3%81%8D%E5%85%89

 

 

 11月5日にKITCHEN LABELからリリース「新しき光」は、2010年にリリースされた「twilight」の表題曲を新たに収録しています。今作のレコーディングには、ゲストミュージシャンとして、Vocal/April Lee,Violin/Rie Nemoto、Ayako Sato、Cello・Yuakari Haraが参加しています。 また、ハルカ・ナカムラというアーティストの代名詞といえる名曲「光」の新しいヴァージョンも併録。

 

今作には、2011年の東京早稲田のスコットホールで初演を行った際のストリングスの録音を取り入れた「未来」「新しき光」という未発表ヴァージョンも収録されています。さらに、ピアノ・ソロ曲「ひとつ」が「光」と「twilight」のオリジナルヴァージョンと併録されています。

 

今作「新しき光」は、これまでのハルカ・ナカムラの作風と同様に、アンビエント、オーケストラ、そして電子音楽という主要な要素を踏襲した、ハルカ・ナカムラらしい清涼感に彩られた作品。

 

ゲストボーカルとして参加したApril Leeのヴォーカルの麗しさとともに、ハルカ・ナカムラの繊細で、心あたたまるようなアコースティックギターの演奏が合わさり、美麗なハーモニクスが生み出されています。再録の楽曲も収録されてはいるものの、アコースティックギターの繊細性、おおらかな奥行きのある新鮮味あふれる楽曲を堪能出来る作品です。

 

2010年の通算二作目「twilight」をリリースした後、盟友Nujabesの死によって心を痛めていたハルカ・ナカムラさん。

 

今回、「新しい光」のリリースに際して、「光」という彼の代名詞ともいうべき楽曲が誕生した際の印象深いエピソードについて御本人はあらためてこのように記しています。

 

 

 "

トワイライトを発表してから程なくしてその頃、共に音楽制作していた友人であり師であるアーティスト・Nujabesが亡くなった。それからしばらくの間、僕は自己を大きく損なった生活を送った。


部屋にひきこもり、痩せて、とても音楽を作れるような精神ではなかった。

 

出口のない真夜中に棲んでいた。

 

そんな時、 シンガポールから手紙のようなメールをくれたのが、twilightで歌ってくれているASPRIDISTRAFLYのAprilだった。(彼女とパートナーのRicksは、トワイライトをリリースしてくれたKITCHENLABELを運営している。僕らは長い間の友である。)

 

彼女は友人として心配して、遠い海から励ましてくれた。 その温かな優しさに気力を貰い、僕は久しぶりに音楽に触れることが出来た。

 

まず、なんとなくtwailightを逆再生してみた。日が暮れる情景の音楽を逆再生することで、夜明けのきっかけが掴めるのではないか、そんな想いがあったのかもしれない。とにかく、未だそれくらいのことしか出来なかったのだ。

 

ところが逆再生した音には、思いもよらない新たな輝きが溢れていた。あの時の感動は忘れられない。音楽の道がまた開けたような気がした。一度は閉ざされた扉が開いた。そう思った。今度は一人で進まなければならない。

 

そうして光は生まれた。"

  

 harukanakamura.com

 

 

 

ハルカ・ナカムラが記しているとおり、自分自身がひとりで進むために生み出された楽曲が「光」であり、この新しく収録された「新しき光」、「光」、それに加えて、いくつかのアンビエントやネオクラシカル、聞きやすく、それでいて美しさと力に満ち溢れた5つの楽曲群は、かつてのハルカ・ナカムラがそうであったように、落胆している人、傷ついている人に立ち直るきっかけや励ましを与え、そして、なにより大切なのは、一人で歩き出すための力、新しき光を与えてくれるミニアルバムとなるでしょう。

 

日本の今年のミュージックシーンのリリースの中でも、本当の音楽として重要な意味合いを持つ作品です。

 

 

 

 「新しき光」EP KITCHEN LABELのリリース情報の詳細につきましては、haruka nakamuraの公式HPを御覧ください。



https://www.harukanakamura.com/

荒内佑

 

 

荒内佑さんは、ceroの活動で、キーボード/ピアノを演奏、それに加え、作曲、作詞を担当しているミュージシャンです。

 

これまでセロの活動内では、J-Pop,ヒップホップ、またその他にもクラブミュージックの要素を交え、日本語歌詞の新たな語感を追求し、これまでになかったタイプの新鮮味あるJ-Popを生み出しています。

 

ceroは活動最初期には、「大停電の夜に」に象徴されるように、インディー・ロック、あるいはオルタナティヴ・ロックの方向性を持ったロックバンドでしたが、徐々に、ラップやクラブミュージックの要素を実験的に取り入れ、様々な音楽性を交え、JPopの先にある音楽を生み出しています。

 

そして、ceroではキーボード奏者としてこのバンドサウンドを支えている荒内さんは、フロントマン、ヴォーカリストの高城晶さんと共に、ceroの音楽性に漂う主要なアトモスフェールを形作っており、このバンドになくてはならない不可欠な存在といえるでしょう。

 

ceroは元々、バンドサウンドとして三者のミュージシャンが集ったというよりかは、三者の独立したミュージシャンが集い、新たに個性的なサウンドを生み出すという、普通のロックバンドとは少し異なるスタイルで今日までの活動を行ってきているバンドであるため、バンド活動だけに執着するのではなく、時々、バンド形式での活動の合間に、独立したアーティストとしてのソロ名義作品をリリースし、柔軟性を持った活動領域、バンド活動の外側にも自分たちの音楽性を発揮する空間を設けています。

 

荒内佑さんは、音楽の探求者ともいうべきミュージシャンであり、なおかつ今日流行の音楽だけではなく、ライブラリー音楽にも通暁しているアーティスト。音楽的興味は、きわめて幅広く、ポップス、ヒップホップ、クラブミュージックといった現代の音楽にとどまらず、ライヒ、グラス、テリー・ライリーといったミニマル・ミュージックをはじめとする現代音楽、その他にもドビュッシーやメシアンといったフランスの近代音楽にも親しんできているアーティスト。ご本人は、自分はプレイヤーではなく、コンポーザーであるとおっしゃってますけれども、彼の生み出す音楽は、実験性、創造性、芸術性、美的感覚、どれをとっても、並外れた才覚をもった秀逸な楽曲ばかりです。

 

現在の日本のアーティストの中でも、非凡な才覚を有し、なにより、音楽に対する深い求道心を持った真摯なアーティストとして、注目しておきたいミュージシャンのひとりです。




「Sisei」 2021 カクバリズム

 




Tracklisting


1.Two Shadows

2.Arashi no mae ni tori wa

3.Petrichor

4.Whirlpool

5.Lovers

6.Clouds

7.Understory

8.Protector

9.Sisei(of Taipei 1986)

 


 

 

今年八月にリリースされた「Sisei」は、文豪、谷崎潤一郎の最初期の耽美主義の作品「刺青」という傑作に因んで名付けられた作品。今年の日本のリリースの中でも屈指の名作のひとつに挙げられるでしょう。

 

この作品「Sisei」は、アート性の高いアルバムジャケットからして、キュピズム、フォービズムをはじめとする絵画芸術を思わせるニュアンスが込められていますが、ナイジェリア出身、現在LAを拠点に活動している画家、ジデカ・アクニーリ・クロスビーの作品にインスピレーションを受けて制作されたスタジオ・アルバム。

 

アルバムジャケットとして使用されているデジカ・アクリー二・クロスビーの絵画は、写真や雑誌を切り抜いてのコラージュ作品を主な作風としているアーティストで、タイトルについても、横たわる女性の腕にタトゥーが入っているように見えたことに因む。ただ、このタイトルには刺青の本義の他にも、姿勢、それから死生という様々な複数のニュアンスが込められているようです。その絵画芸術としてのコラージュ法に影響を受け、サンプリングとしての音楽性を追求しようという意図で作られています。

 

この作品では、共同プロデューサーとしてベーシストの千葉広樹、ドラマーの渡健人、ヴィブラフォン奏者、角銅真美をはじめとする、これまでceroのリリース作品に参加してきた管弦楽器プレイヤーが参加しています。

 

その他にも、Julia Shortreed、Corey Kingがゲストとして参加し、今作の実験音楽色の強い風味に寛ぎと和らいだ雰囲気を付け加えています。

 

今作のチェンバーポップ色を表向きの特徴とする作品は、様々な彩が織りなされ、独特な色を生み出しています。

 

ceroでの作品はどちらかといえば、種々雑多な音楽性を交えながらもヴォーカル曲として意味合いが強い作品が多いですが、Arauchi Yuとしてのソロ作品はceroの音楽的なアプローチとが異なり、現代的な雰囲気を漂わせ、そこに現代音楽、とりわけライヒ、グラス、ライリーといったミニマルミュージックの巨匠の音楽性、それに加え、モダンジャズやクロスオーバージャズの雰囲気が付け加えられ、独特な楽曲性を感ずることができます。ここで展開されるのは、ストリングス、クラリネットをはじめとするホーンによるモダン・ジャズの延長線上を行くものであり、またそこはかとなくアシッド・ジャズのような音楽性からの影響もなんとなく感じられる。また、そこに、日本のアーティストらしい叙情性が表されていることに着目しておきたいところです。

 

もちろん、英語の歌詞といい、現代の海外のクラブアーティストのようなグルーヴを打ち出し、海外の音楽のように一見聞こえますけれど、また、そこに、「和モダン」とも喩えるべき日本のアーティストらしい精神性がこの作品を魅惑あふれるものにし、説得力溢れるものにしています。

 

ミニマル・ミュージック、フランスの近代作曲家の音楽性を踏襲した上、そこにモダン・ジャズという立体的な構造を与えることにより、表題曲「sisei(of Taipei 1986)をはじめとする楽曲に代表されるように、落ち着いて、おだやかで、叙情性があり、耳に馴染みやすいファッショナブルな音楽として完成させている。

 

おそらく、これは、長年培ってきた荒内佑さんの多岐にわたる音楽の広範な知識を活かし、それをどのように、コンポーザーとして駆使するのか、そして、また、どのように、アート音楽として「デザイン」するのか。これまでのceroの鍵盤奏者としての活動において、数えきれないほどの試行錯誤を繰り返してきたからこそ、ここで、芸術音楽家としての到達点が今作において見いだされたと言えます。ceroとは一味違った気鋭のアート・ミュージック・コンポーザー、荒内佑さんの類まれなる才覚、前衛性が体感できる素晴らしい傑作として、今回紹介させていただきます。


 

 

作品「Shisei」の詳細につきましては以下、公式HPをご参照ください。

 

Arauchi Yu Official 

 https://arauchiyu.com/

 

 

 

References 


arauchiyu.com

https://arauchiyu.com/

mikiki.co.jp