2022年1月リリースのシングル作品をピックアップ!!


 


 

昨年12月は駆け込み需要ならぬ駆け込み供給があったというべきか、国内外のビックアーティストのアルバムリリースが目立っていたように思えます。

 

今月は年始めということもあって、フルレングスのアルバムではなく、比較的シングルリリースが多かったかなという印象を受けました。

 

今回の記事では、気になる作品をピックアップ。もちろん、この他にも良い作品がリリースされていると思われますので、以下のリストを参考がてら貴方にとっての最適な作品を探してみて下さい!!

 

 

 

・David Byrne/Yo La Tengo

 

「Who Has Seen The Wind?」

 

 

今年2月1日にオノ・ヨーコのトリビュートアルバム「Ocean Child」のリリースを間近に控え、先行シングルとして発表された「Who Has Seen The Wind?」は今月のシングルリリースの中でも注目の一作となります。

 

アルバムの収録には、ジャパニーズ・ブレックファーストをはじめとする今最もホットなインディーアーティストが勢揃い。シングル「「Who Has Seen The Wind?」はトーキング・ヘッズのデイヴィット・バーンとヨ・ラ・テンゴと、インディーレジェンドがコラボレート。両者のオノ・ヨーコへの敬愛がたっぷりと感じられる音源となっています。

 

 

 


 

 ・Eels

 

「Amateur Hour」

 

 

イールズは、アメリカのインディーロック界の鬼才と称するべき"マーク・オリヴァー・エヴェレット"を中心に1995年にカルフォルニアのLAで結成。

 

これまで大きな商業的な成功こそ手中におさめていませんが、良質なインディーロック/ポップをひっそりと奏で続けているグループです。2022年1月5日にリリースされた「Amateur Hour」は、イールズの魅力でもある親しみやすいメロディー、ガレージロック/パブロック色を交えたノリのよいロックンロールを体感できるあまりに渋すぎるシングル作。ロックマニアは必聴の一枚となります。  

 

 

 

 

・Karen Dalton/Angel Olsen

 

「Something on Your Mind」 


 

今年1月13日にリリースされたエンジェル・オルセンの「Something on Your Mind」は1993年に55歳で亡くなられたアメリカのフォークブルースシンガー、カレン・ダルトンのカバーとなります。

 

近年、現代のフォーク音楽に女性シンガーとして新鮮な息吹をもたらそうとしているエンジェル・オルセンは、実力派ヴォーカリストの渋い楽曲を選出、改めて往年の名歌手の名曲に光を投げかけています。エンジェル・オルセンの伸びやかで、ソウルフルで、美しい歌声が堪能できる作品です。  

 





 

・Ben Lucas Boysen/Kiasoms


「Clarion-Kiasoms Remix」

 

 

「Clarion-Kiasoms Remix」は、ドイツ、ベルリンを拠点に活動する電子音楽家、ベン・ルーカス・ボイセン、アイルランドのエレクトロニックユニット、Kiasmosが国境を越えての豪華コラボレーションを実現させたシングル作品として注目です。

 

ここではキアスモスらしいシンセサイザーを介しての超大な音響世界の構築、それとは正反対のオーラヴル・アルナルズのピアノの演奏の繊細なメロディー、そして叙情性を味わえる一作、それに加えて、ボイセンの緻密な構築力が加わり、壮大な宇宙的なエレクトロが生み出されています。シングル一曲だけのリリースであるものの、フルレングスアルバムに比する聴き応えを持った一曲。 

 

 

 

 

 

・Particie Kid/J Mascis/Paul Bushnell/Sunny War


「Someone Else's Dream」

 

 

ローリングストーン紙が選出する「歴史上最も偉大なシンガー」の88位にランクインするウィリー・ネルソンを父に持つParticie Kid、そしてアメリカの1990年代のインディーロックの伝説、J・マスシスほか、ポール・ブッシュネル、サニ・ウォーと、四者が共同制作を試みた一作。

 

一般的に、船頭多くして船山に上るとも言われていますが、「Someone Else's Dream」はそのことわざには当てはまらない、四者のアーティストの個性ががっちり組み合わさった音源です。

 

往年のUSインディーの旨味を凝縮したような作風で、ディストーションサウンドという側面では、J・マスシスのギターの演奏はどっしりとした安定感を与えています。加えて、マイカ・ネルソンの実力派ヴォーカリストとしての力強い歌声が味わえます。  

 

 

 

・Cavetown

 

「squares/y13」

 

Cavetownとして活動を行っている英国、オックスフォード出身のシンガーソングライター、ロビン・ダニエル・スキナーは14歳から作曲を行っているアーティスト。インディーロック、インディーフォーク、ベッドルームポップをかけ合わせた穏やかな親しみやすい楽曲をこれまでにリリースしています。

 

今年1月十四日にリリースされた「swuares」は、2曲収録のシングル。穏やかな雰囲気を感じさせる楽曲で、アコースティックギターとロビン・ダニエル・スキナーの優しげな歌声が魅力の一枚。Mumをはじめとする北欧フォークトロニカとの共通性も見いだせるような良質な作品です。近年、USのフォーク部門のチャートでも健闘していて、今後の活躍が楽しみなアーティストです。 

 

 

 

 

 

・Young Guv

 

「It's Only Dancin’」


 

タワーレコーズonlineによると、「トロントポップス請負人」と称されるカナダ、トロント出身のアーティスト、ベン・クックによるソロ・プロジェクト、Young Guv。

 

今年1月5日にリリースされた「It's Only Dancin’」は、往年のパワー・ポップサウンドを復刻させた甘酸っぱいサウンドが特徴。ギターの演奏にしても、ボーカルにしても、楽曲自体の独特な移調にしても、ポップスサウンドの良さをとことん追求した雰囲気を持った良質なシングル作品です。

 

 

 

 

 

・Spiritualized 


「Crazy」

 

1990年にイギリス、ラグビーにて結成されたロックバンド、スピリチュアライズド。既に大御所ロック・バンドと言っても良いかも知れません。

 

サイケデリック、スペース、アート・ロックと、これまで、様々な斬新なロックのスタイルに果敢に挑戦してきたスピリチュアライズド。

 

今回、2022年1月10日にリリースされた「Crazy」は、ノスタルジアに彩られたフォーク音楽性を強く打ち出し、大自然を感じさせるような美麗さの満ち溢れた楽曲。バラード曲としては、UKの歴代のシーンを見ても名曲の部類に入るのではと思えますが、いかがなものでしょう??

 

 

 

 



・Samuel Aguilar/Brian Eno


「Lago Escondido」


「Lago Escondido」は、鍵盤奏者、ソングライターとしても活躍するSamuel Aguilarと、ご存知、ブライアン・イーノのコラボレート作品。このシングルにおいて、ブライアンイーノは、ハロルド・バッドとの共同制作を行っていた時代に回帰したという印象を受けます。どことなくエキゾチックさを感じさせるアンビエンス、それに加えて、癒やしの要素を持ったアンビエントピアノ。鍵盤奏者、Samuel Aguilarの特性を見事に引き出すことに成功した楽曲といえるでしょう。

 




・Yumi Zouma 

 

「In The Eyes Of Our Love」

 

Yumi Zoumaは、NZのクライストチャーチを拠点に活動する男女四人組のオルタナティヴ・ポップバンド。これまで、弱冠のメンバーチェンジを繰り返しつつ、2017年「Willowbank」をはじめ、数々の軽快なベッドルームポップ、シンセポップの名作をリリースしている実力派のグループです。

 

2022年1月13日にリリースされた「In the Eyes Of Our Love」もこれまでの音楽性と変わらず、ユミゾーマ節が炸裂したキャッチーでノリノリなシンセ・ポップ、または、ドン・ヘンリー、フィル・コリンズ時代の良質なソフト・ロックを彷彿とさせる一曲です。クリスティーナ・シンプソンのヴォーカルは、どのような暗鬱な気分であっても爽快な気分をもたらしてくれるはず。

 

 




・Pinegrove

 

「Respirate」

 

アメリカ、ニュージャージー州モントクレアを拠点に活動するパイングローヴ。エモやインディー・ロックを主体に、アメリカのルーツ・ミュージックを掛けわせた懐深い音楽性が魅力のバンドです。

 

三曲収録のシングル作「Respirate」は、叙情性を徹底して引き出すことに成功し、なおかつ、曲の性格の力強さを充分に兼ね備えた聴き応えある楽曲がズラリと並ぶ。このバンドの楽曲の主要なソングライティングを務めるエヴァン・ステファンズの人物としての温かさ、性質のおおらかさが前面に表れた名作シングルです。アメリカン・ロック、インディーロックの良心とも喩えるべき素晴らしいロックバンドであり、今後のリリースにも注目しておきたいアーティスト。



 


・ginla 


「Carousel」


ginlaは、それぞれ、アメリカ・ニューヨークとカナダ・トロントを拠点に活動するジョン・ネルソン、ジョー・マンツォーリの電子音楽ユニット。

 

これまで、電子音楽とコンテンポラリーフォークをかけ合わせた美麗なボーカルトラックを制作しているユニットの新作シングル「Car3ousel」は、現代的なフォーク音楽の魅力を見事に引き出し、ゲストヴォーカルとして参加した”Adrianne Lenker”のヴォーカルの華やかさが彼らの作風に見事に合致。なんともいえず、うっとりな気分にさせてくれる美麗な作品。フォークトロニカ周辺の音楽をお探しの方、爽やかなポップスをお探しの方には最適な一作となるはずです。  

 

 

 

 

 

・Joep Beving


「Noctural」

 

ポスト・クラシカル界隈では、アイスランド勢のアーティストと共にかなりの知名度を誇るアメリカの音楽家、ユップ・へヴィン。
 
 
ドイツ・グラモフォンからも作品のリリースを行っているアーティスト。近年、世界的に知名度が上がっている音楽家のひとりです。
 
 
今回リリースされたシングル「Nocturnal」はまさに題名にも見える通り、フレドリック・ショパンの時代のロマン派の時代のピアノの小品を現代にそのまま蘇らせたかのような作品。今回もユッピ・へヴィンはこれまでと同様、叙情性と繊細性を絶妙に兼ね備えた美麗なピアノ曲を生み出しています。
 



 

 

 

・Mitski

 

「Love Me More」

 

Mitskiとして活動するミツキ・ミヤワキは、ニューヨークを拠点に活動する日系アメリカ人のシンガーソングライター。今後、アメリカ国内で絶大な人気を獲得するであろうシンガーとして再注目のアーティストです。

今月二十一日にリリースされた「Love Me More」は、2021年の「Heat Lightnig」に続く四曲収録のシングル作。

 

これまでのミツキの作風と同様、エレクトロポップの性質が色濃く、そこに、ミツキ・ミヤワキのヴォーカルのみずみずしい響きが付加されています。テクノのクールさ、ポップスの痛快さが絶妙にマッチした作品。

 


 

 

 

・Franz Ferdinand

 

「Curious」

 

2000年代から、アークティック・モンキーズと連れ立ってダンスロックムーヴメント旋風を巻き起こした、スコットランド、グラスゴーの四人組ロックバンド、フランツ・フェルディナンド。

 

2022年1月下旬にリリースされた二曲入りのニューシングル「Curious」は、フランツ・フェルディナンド節が炸裂の最高のトラックです。2004年「Franz Ferdinand」を引っさげて衝撃的なデビューを果たしたあの時の勢いをそのまま再現させた、激渋のしぶとさのあるグルーヴ感が満載の快作です。彼らの新作アルバムに向けて、ただならぬ期待を予感させる作品となっています。

 

 

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