プリンスの資産分配をめぐる法廷闘争が6年で決着

 

Kevin Mazur


プリンスは2016年4月にミネソタ州で死去している。その後、問題となっていたのが生前、このビッグ・スターが残した財産の処遇であった。彼の死後、ミネソタ州で六年に及ぶ裁判が行われてきたが、ようやくこの法廷闘争に決着が付き、プリンス・ロジャーズ・ネルソンが生前に残した資産は、相続人、アドバイザー、管理会社プライマリー・ウェイブの三者間で分割されることになった。


米Billboardの報道によると、プリンスの資産の分配をめぐる法廷闘争が6年の時を経て、ついに決着の時を迎えた。当時、プリンスは、鎮痛剤の一種であるフェンタニルの過剰摂取で急逝したとの報道がなされた。突然の死去であったため、プリンスは財産付与の遺書を書いていなかった。2016年の死後、彼の遺産や資産の分け方を決定するために検認が開始されたが、彼には配偶者も子供もいなかったため、一旦は、6人の異母兄妹が法定相続人とされた。その後、3人はプライマリー・ウェイブに対して株式を売却したが、残りの3人は株式を保有したままだった。


今回、ミネソタ州の裁判判事が承認した新しい取り決めにおいて、プリンスの資産は最終的に、相続人とそのアドバイザーである、L. Londell McMillan氏、Charles Spicer氏が共同で設立した持ち株会社「プリンス・レガシーLLC」と「プリンス・オート・ホールディングスLLC」(プライマリー・ウェイブ)で、均等に分割される判決がくだされた。この裁判所の裁定について、相続人のロンデル・マクミランは次のような声明を提出している。「私は、13年以上にわたってプリンスの代理人を務め、音楽業界を改革するためのイノベーションを先導してきました。今後もまた、彼の音楽、映画コンテンツ、展示物、商品、ペイズリー・パークのイベント、ブランド商品など、彼の素晴らしい資産とカタログで同様のことができればと考えています」


さらに、プリンスの相続付与における判決が裁定されたことで、彼の死後、定かならぬものとなっていたプリンス作品、マーチャンダイズのライセンスの在処もより明確なものとなった。今回の判決により、プリンス・ロジャー・ネルソンの作品は様々な形でリイシュー(再発)が行われる可能性も出てきた。もちろん、グッズを始めとするマーチャンダイズについても同様である。今後、多くのファンは、プリンスの新製品を目にすることができるようになるかもしれない。