Charles Lloyd「Trios of Trios」の第二弾「Trios:Ocean」を9月23日に発売

 

Photo: Dorothy Darr

 9月23日、チャールズ・ロイドは「Trios:Ocean」をブルーノートからリリースします。これら六月から十一月にかけて3つのリリースを通じて繰り広げられる「Trio of Trios」シリーズは、伝説的なサックス奏者で、NEAジャズ・マスター、チャールズ・ロイドを3つの異なるトリオ編成で紹介する壮大なプロジェクトとなっている。

 

今回、シリーズ二作目となるアルバム「Trios: Ocean」のリリース発表と同時に、ピアニストのジェラルド・クレイトン、ギタリストのアンソニー・ウィルソンが共演するシングル「Jaramillo Blues (For Virginia Jaramillo and Danny Johnson)"」が先行公開されました。ぜひ下記よりチェックしてみてください。

 



3つのTrioシリーズ第1弾のアルバム「Trios: Chapel」は、6月24日に発売されている。このアルバムは、ギタリストのビル・フリゼール、ベーシストのトーマス・モーガンをフィーチャーしている。「Trios: Chapel」「Trios:Ocean」に続く第三弾のアルバム「Trios:Sacred Thread」は11月18日に発売。この作品はギタリストのジュリアン・レイジとパーカッショニストのザキール・フセインをフィーチャーしている。 

 

 

以上の三部作のアルバムは、ヴァイナルとCDで個別に発売されるほか、ブルーノートストア限定で、3枚組LPヴァイナル・ボックスセットとして注文可能となっている。これら三枚のアルバムを収めた「Trio of Trios」のレコードボックスセットには、ドロシー・ダーによる3枚の印象的なアルバムジャケットをモチーフにした4枚のリトグラフプリントが付属、さらに、ボックスセットのアートワークのサイン入りリトグラフが入ったハードカバースリップケースに収められている。


今回のトリオ・シリーズ第二弾となる「Trios:Ocean」は、チャールズ・ロイドの故郷であるカリフォルニア州サンタバーバラにある、150年の歴史を持つロベロ・シアターでレコーディングが行われた。世界的なパンデミックが始まった、2020年9月9日に無観客開催のライブ配信が録音されている。この公演において、ロイドは、ピアノのジェラルド・クレイトン、ギターのアンソニー・ウィルソン、有名なミュージシャンを父に持つ2人のミュージシャンと共演を果たしている。ジェラルド・クレイトンは西海岸の伝説的ベース奏者、ジョン・クレイトンの息子である。一方のアンソニー・ウィルソンもまた著名なバンドリーダー、トランペッター、作曲家のジェラルド・ウィルソンの息子であり、かつて、チャールズ・ロイドは10代でメンフィスから南カリフォルニア大学に留学したとき、ウィルソンのビッグバンドで演奏した経験がある。

 

ロイドの音楽のボキャブラリーの中には、常にブルースミュージックが織り込まれており、その影響は、時にあからさまに、時にひそやかに現れるが、今回発表されたシングル"Jaramillo Blues "ではその双方の影響が顕著に現出している。画家・ヴァージニア・ジャラミロ、そして、彼女の夫で、彫刻家、ダニエル・ジョンソンに捧げられたこのシングル作品では、チャールズ・ロイドが、ハウリン・ウルフ、ボビー・ブルー・ブランド、B・B・キング、といったブルースの巨匠と一緒に演奏した10代のバックグラウンドまで時系列で遡ることが出来る。ジェラルド・クレイトンの明るく朗らかなギターのコードが、チャールズ・ロイドのブレスへの導入部となっており、演奏のムードとトーンを作り上げていく、かなり楽観的な色合いの強いジャズブルースである。



チャールズ・ロイドは長い期間、自由な精神を保持する演奏家であるのみにとどまらず、ジャズシーンのマスター・ミュージシャンであり、そして、素晴らしい空想家でもあった。60年以上にわたり、このサックス奏者兼作曲家は、「The Water Is Wide」(ECM)を始めとする名作群において、モダンとクラシックの架橋するようなサックス奏者として、ジャズシーン、ひいては音楽界そのものに大きな影を落としてきたが、84歳になった今でもその力はまったく衰え知らずで、相変わらずの多作ぶりを見せている。チャールズ・ロイドは、早い時代から、興味深い独創的な即興ソロをジャズの演奏のコンテクストに置くことがいかに表現自体に自由をもたらし、創造性を刺激するかを見抜いていた。ロイドはその素晴らしいキャリアを通じて、自分の即興技術を枠にはめる別の方法を真摯に探し求め続けている。

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