11月発売の注目の新作アルバムをピックアップ!!

 11月の注目のリリース

 

・ 11月4日発売

 

Ezra Collective  「Where I'm Meant To Be」

 


南ロンドンを中心とする、近年盛り上がりを見せるUKジャズ・シーンのキーマンである鍵盤奏者、ジョー・アモーン・ジョンズ(Joe Armon-Jones)擁する5人組、エズラ・コレクティヴ。

 

エズラ・コレクティブはUKのジャズシーンを牽引する存在であり、アフロ・ビート、レゲエ、ヒップホップ、UKグライム、さらには民族音楽と実に多彩な音楽性を取り入れたグループです。

 

「Where I'm Meant To Be」はNinja Tuneから第一週に発売される。先行シングル「Ego Killah」Sampa The Greatをゲストに迎えた「Life Goes On」、「Victory Dance」を公開しています。


 

First Aid Kit 「Palomino」

 


スウェーデン/ストックホルムのヨハン、クララ・ソダーバーグ姉妹からなるフォークデュオはすでにデビューから12年が経過している。Youtubeに投稿した動画がデビューへのきっかけとなった。その後、スウェーデン国内のチャート一位を確立、アメリカやイギリス、日本でもその名を知られるようになった。牧歌的なフォークミュージックとポップスの色合いを兼ね備えています。

 

ファースト・エイド・キットの四年ぶりの新作『Palomino』 はコロンビアから発売される。スウェーデン人プロデューサーの Daniel Bengtson と一緒に、ストックホルムにあるスタジオ Studio Rymden でレコーディングが行われた作品となる。新作アルバムの先行シングルとして「A Feeling That Never Come」「Turn Onto You」「Out Of My Head」が公開されています。

 

 

Phoenix 「Alpha Zulu」

 


パリ近郊のヴェルサイユで幼馴染を中心に結成されたフェニックス。2000年デビュー・アルバム『UNITED』を発表し、ロックやソウルをエレクトロニクスを絶妙に融合させたポップ・サウンドが話題となった。エールやダフト・パンクと並び新世代パリ・シーンを代表するバンドとして一躍有名となる。
 

2009年に4作目のアルバムとしてリリースした『WOLFGANG AMADEUS PHOENIX』は、第52回グラミー賞で「最優秀オルタナティヴ・ミュージック・アルバム」を受賞、これはフレンチ・アーティストによる初の受賞だったこともあり、大きな話題となって世界的な人気を確立した。2013年、2017年とコンスタントにアルバムリリース、ここ日本にもフェスや単独で複数回来日公演を行っている。

 

 フェニックスは、2020年のCOVID-19パンデミック時に、パリのルーヴル宮殿内にある装飾美術館のスタジオでアルバム『Alpha Zulu』のレコーディングを開始した。ローラン・ブランコウィッツは、誰もいない美術館で「何もないところから何かを生み出すのは素晴らしい冒険だと感じた」と語っている。

 

クリスチャン・マザライは、ルーブル美術館のように、「美しすぎる」ものに囲まれながら何かを作るという懸念にもかかわらず、「音楽制作を止めることができなかった」し、最初の10日間で『Alpha Zulu』のほとんどすべてを書き上げたと述べる。 本作は、2019年に亡くなったバンドCassiusのフィリップ・ズダールからインスピレーションを受けている。先行シングルとして「Tonight」「Winter Solstice」が公開されています。

 

 

 

11月11日発売

 

 

・Bruce Springsteen 「Only The Strong Survive」

 


 

BOSS!!  USロックの源流を作り上げた第一人者ともいえるブルース・スプリングスティーン。長いキャリアの通算21作目となる最新作「Only The Strong Survive」は、コロンビアレコードから発売されます。新作はモータウン、ギャンブル&ハフ、スタックスなど伝説的なカタログからの珠玉のソウル・ミュージックを称えるものになる。

 

 ブルース・スプリングスティーンは「Only The Strong Survive」について次のようにコメントしている。

 

「ただ歌うだけのアルバムを作りたかったんだ。60年代と70年代の偉大なアメリカン・ソングブックより素晴らしい音楽なんてあるだろうか? リーヴァイ・スタッブス、デヴィッド・ラフィン、ジミー・ラフィン、アイスマン・ジェリー・バトラー、ダイアナ・ロス、ドビー・グレイ、スコット・ウォーカーなど、多くの人からインスピレーションを得たんだ。彼ら全員と、この輝かしい音楽の素晴らしい作曲家たちに対して正義を貫こうと思った。私が初めて聴いたときからそうであったように、現代の聴衆にもその美しさと喜びを体験してもらうことが私の目標だ。私がこの作品を作るのを愛したように、みんなにもこれらの曲を聴いて気に入ってもらえるといいな」

 

テンプテーションズ「雨に願いを」、シュープリームス「またいつの日にか」、ウォーカーブラザース「太陽はもう輝かない」、ベン・E・キング「ドント・プレイ・ザット・ソング」他、ブルース・スプリングスティーンが青春時代に聴いていた極上のスウィート・ソウル・ミュージックの数々を15曲収録。

 

Eストリート・ホーンズや、ゲスト・ヴォーカルとしてサム・ムーア、バッキング・ヴォーカルとしてスージー・タイレル、リサ・ローウェル、ミシェル・ムーア、カーティス・キングJr.、フォンジー・ソーントン、デニス・コリンズが参加。フル・ストリング・アレンジはロブ・マテス。ニュージャージー州のThrill Hill Recordingで録音され、ロン・アニエッロがプロデュース、ロブ・リブレットがエンジニア、ジョン・ランダウがエグゼクティブプロデューサーを務めている。

 

新作アルバム「Only The Strong Survive」の先行シングルとして「Don't Play That」「Nightshift」「Do I Love You(Indeed I Do)」が公開されています。

 

 

Gold Panda 「The Work」

 



ロンドン出身のエレクトロ・プロデューサー、Gold PandaことDerwin Dicker(ダーウィン・ディッカー)の待望の4thフルアルバム「The Work」。

 

このアルバムのタイトルは、彼が6年の歳月をかけて制作したレコードを文字通りに表現していると同時に、より深く掘り下げると、彼が今この場所に辿り着くまでの経緯も同じように反映されているという、興味深いものとなっている。


「”The Work”は、私のセラピーでよく使われているもので、セルフケアやメンタルヘルスに関する本でもよく耳にする言葉です。私はセラピー、ランニング、ピラティス、そしてオステオパスを実践してきました」という。しかし、ここ数年は「セルフケアと、自分のどこが悪いのか、なぜ落ち込んでいるのかを知るために自分自身に働きかけること」がこのアルバム制作の主な目的だったと、より簡潔に語っている。

 

アルバムの先行シングルとして「I've Felt Better」「The Corner」「The Dream」が公開されています。 


 

 Hyd 「Clearing」

 


 Hayden Dunham(ヘイデン・ダナム)のソロプロジェクトであるHydはデビュー・アルバム「Clearing」をPC Musicからリリースする。HYDは、A. G. CookとSOPHIEによるプロデュースで、2014年に唯一のシングル「Hey QT」をリリースしている。いわゆる、新時代のベッドルームポップとハイパーポップシーンの中間点に位置づけられるようなアーティストといえそうだ。

 

デビュー・アルバム『Clearing」はCAROLINE POLACHEKがプロデュースを手掛けている、ゲストにはSOPHIE、EASYFUN、A. G. COOK、JONSI(SIGUR ROS)が参加している。先行シングルとして「Breaking Ground」「So Clear」「Fallen Angel」が公開されています。


 

11月18日発売

 

Brockhampton  「The Family」

 


 

BROCKHAMPTONは彼らの最後のアルバム『The Family』を11月17日にリリースする。プロジェクトの2つのティーザーを公開している。

 

「I Miss the Band Already」と題された映像ではSaturationのセッションからCoachellaでの最後のパフォーマンスまで、彼らの歴史を切り取っている。また、3種類の限定ボックスセットの予約も開始された。

 

2021年、Kevin Abstract は「2021年に2枚のアルバムをリリースする。これが我々の最後のアルバムになるだろう」と発表した。しかし、実際にリリースされたアルバムは『ROADRUNNER: NEW LIGHT, NEW MACHINE』の1作のみだった。今年1月には無期限の活動休止を発表し、Coachellaで最後の1作を予告していた。『The Family』がその言葉を証明するものとなっている。

 

 

 

Caitlin Rose 「CAZIMI」

 


ナッシュビルのシンガーソングライター、ケイトリン・ローズは新作アルバム『CAZIMI」のリリースを間近に控えている。2010年8月にファーストアルバム『Own Side Now』をNames Recordsからリリース。

 

彼女のボーカルパフォーマンスと歌詞は、ロレッタ・リン、パッツィ・クライン、アイリス・デメントと比較された。Time誌は『Own Side Now』を2011年のトップ10アルバムに選出、7位に選んでいる。

 

この2ndアルバムにおいて、ケイトリン・ローズは、自らの性癖や衝動のコントロール、人生や恋愛における悪い癖を記録した自己破壊の歌を歌っている。彼女はこの作品においてニューウェーブの影響とポップなスタイル、そして、ナッシュビル・ロック・シーンの主役となったメランコリックなフォークソングライティングを融合させている。


新作アルバム『CAZIMI』の先行シングルとして「Nobody's Sweetheart」「Black Obsidian」が公開されています。


 

Weyes Blood 「And In The Darkness, Hearts Aglow」

 


ワイズ・ブラッドことナタリー・メーリングの新作。ジョナサン・ラドーとの共同プロデュースによる4枚目のアルバム「And In The Darkness, Hearts Aglow」をSub Popからリリースする。


このアルバムは、2019年に発表された『Titanic Rising』に続く作品となる。『Titanic Rising』は、The AV Club、Pitchfork、NPR Music、Stereogum、Brooklyn Vegan、Under the Radar、Uproxx等、100以上のメディアにより、年間ベスト・アルバムの1枚に選出され、All Music、The AV Club、Aquarium Drunkard、Pitchfork、PASTE、Uproxxはベスト・オブ・ザ・ディケイドの称号を同作に与えている。

 

収録される全10曲はWeyes BloodことNatalie Meringにより書かれ、MeringとRodaidh McDonaldによる「A Given Thing」以外の曲は、MeringとJonathan Radoがアルバム・プロダクションを担当している。ミックスは”Studio 101でKenny Gilmoreによって行われ、マスタリングはThe LodgeでEmily LazarとChris Allgoodが手掛けた。また、Meg Duffy、Daniel Lopatin、Mary Lattimoreがゲスト参加している。


ワイズ・ブラッドの特別な3部作の1作目であった『Titanic Rising』は、来たるべき破滅の観察であったのに対し、『And In The Darkness, Hearts Aglow』では、その渦中にいること、つまり、アルゴリズムとイデオロギーの混沌から我々を解放するための脱出のハッチが探求されている。

 

 

11月25日発売

 

Stormzy 「This Is What I Mean」

 



 

英ラップシーンのアイコンともいえるストームジー。ストームジーとして知られマイケル・エベニーザー・クワジョ・オマリ・オウオ・ジュニアは、英国のラッパー、シンガーソングライター。 2014年、彼はクラシックなグライムビートを超えたフリースタイルのウィキッドスケンマンシリーズを通じて、英国のアンダーグラウンドミュージックシーンで耳目を集めることに成功した。


英国のみならず世界の音楽シーンにおいて最も優れたラッパー、ミュージシャンの1人であり、カルチャー・アイコンでとしても知られるストームジーにとって3作目のスタジオ・アルバムとなるこの新作「This Is What I Mean」は、ソウル、ヒップホップなど様々なジャンルのエッセンスを見事に凝縮した、紛れもなくモダン・クラシックと呼ぶにふさわしい作品に仕上がっている。

 

前作『Gang Signs & Prayer』と『Heavy Is The Head』から大胆かつ勇敢な飛躍を遂げ、弱さ、後悔、儚さ、癒し、喜び、勝利など、パーソナルなテーマを突き詰め歌詞にした本作は、単にポップ・チャートのための音楽ではなく、むしろ音楽への親密なラブレターと言えるだろう。

 

新作アルバム『This Is What I Mean』の先行シングルとして、「Hide&Seek」が公開されています。

 


 

※次回のMonthly Music Report、12月号は新作のリリースが少ないため、休載します。


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