Weekly Recommendation Predawn 「The Gaze」


Predawn

 

Predawn(プリドーン)は、清水美和子によるソロプロジェクト。2008年からpredawan名義でソロ活動を行っている。

 

インディーフォーク/オルタナティヴフォークの質感に加え、北欧のフォークトロニカ/トイトロニカに近い幻想的な作風が特徴とし、それをヴォーカル曲として親しみやすい形で提示している。ライブは基本的に弾き語りのスタイルを取り、観客との近い距離感を活動のコンセプトに置いている。

 

Predawnは、完全自主制作盤「10minutes with Predawn」をライブ会場と一部店舗で販売し、1年半で約2000枚を完売させる。2010年6月には、作詞/作曲/演奏/歌唱/録音をすべて一人で行った、1stミニアルバム「手のなかの鳥」をリリース、日本全国でロングセールスを記録した。
 

その後、日本国内の最大級のミュージックフェスティバル、FUJI ROCK FESTIVAL、SUMMER SONIC、RISING SUN ROCK FESTIVALなど、数々の大型フェスやライブ活動を重ねながら、着実にインディーアーティストとしての知名度を確立していった。

 

2013年3月に1stフルアルバム「A Golden Wheel」をリリースした。デビューアルバムは、発売した初週にオリコンインディーズチャートで1位を獲得。Predawnは、2016年9月に初めて日本語歌詞に挑戦した2ndフルアルバム「Absence」をリリースしている。また、これまでの正式な作品で初めてゲストミュージシャン(神谷洵平、ガリバー鈴木、武嶋聡)を迎えて制作が行われた。2022年には最新作「The Gaze」をリリースした。この作品のアルバムジャケットは、Predawnの中学時代の同級生でもあり芸術家として活躍する大小島真木が制作を手掛けている。


Predawanはソロ活動の他にも、数多くのアーティストの作品にコラボレーターとして名を連ねている。Rayons、andymori、QUATTRO、Eccy、Marble Sounds(ベルギー)、Turntable Films、菅野よう子、TOWA TEI、大野雄二など、錚々たるアーティストの楽曲にゲストヴォーカルとして参加している。そのほか、木村カエラとのコラボレーション、映像への楽曲書き下ろしなども行っている。

 

 

 

「The Gaze」

 



Label:Pokhara Records  

  

Release:2022 4/13

 

Genre:Altenative Fork

 

 

 

Tracklisting

 

1.New Life

2.Paper Bird

3.Something Here Isn't Right

4.Ocean Is Another Name for Grief

5.Floating Sun

6.Canopus

7.Willow Tree

8.Here We Go Again

9.Monument

10. Fictions

11. Star Child

12. The Bell

 


Listen/Stream

 


清水美和子のソロ・プロジェクトであるPredawnは、2010年のデビュー作「手のなかの鳥」から4作のアルバムにおいて、アコースティックギターのささやかな弾き語りのスタイルを介して、様々な音楽によって私達を魅了しつづけています。このアーティストがそれほど大規模な会場で演奏してこなかった理由は、ライブに来場する聞き手ひとりひとりとの距離感を大切にしており、その人達に、わかりやすい形で、親しみやすい音楽を届けようとしてきたからなのかもしれません。

 

Predawnは、フォーク、ポップス、クラシック、さらに、フォークトロニカ、トイトロニカという多種多様な形式を通じ、英詩でありながら、日本のリスナーにも親しみやすい音楽表現を真摯に追い求めてきました。Predawnのアコースティックギター、そして、ヴォーカルの兼ね合いにおいて生み出されるのは、子供向けの絵本に見受けられるような幻想性、お伽噺のような可愛らしい世界を、アコースティックギター、清水美和子さん自身の優しげな歌声によって、どのように聞き手に理解しやすく組み上げていくのか、という点にコンセプトが置かれていたように思えます。そして、およそ五年ぶりのリリースとなる最新アルバム「The Geze」では、約十年前から追い求めてきたPredawnの表現性が遂に完成を迎えたといえるかもしれません。

 

オープニングを飾る「The Gaze」は、ビートルズの「Strawberry Fields Forever」で最初に取り入れられたメロトロンが全体的な楽曲構成の中に組み入れられ、それが清水美和子の少しハスキーな声質、繊細なフィンガー・ピッキングのアコースティックギターの叙情性あふれる演奏が掛け合わさることにより、インディーフォークとバロックポップを往来するような作風が生み出されています。ノスタルジアを感じさせる一方、現代的な音楽のスタイルが取り入れられているので、作品自体に強い芯のような精神性が通う。多種多様なアプローチーーインディーフォーク、イングリッシュバロック/チェンバーポップ、J-POP・・・、これらの要素が複雑かつ流動的に絡み合うことにより、強固盤石なキャラクター性が作品全体に通奏低音のように響き渡っている。

 

先行シングルとしてリリースされたオープニングトラック「New Life」(MVは、NHKの「みんなのうた」を手掛けている外山光男さんが制作)に象徴されるように、どことなく夢想的でもあり、幻想的であるものの、エレクトリック・ギターがアレンジに取り入れられていることにより、音楽により構築される世界は、現実性にしっかりと根ざしている。また、このアーティストらしいインディーロック/オルタナティヴロックに対する指向性も感じられるのは、これまでの旧作アルバムと同様、その音楽への愛着は本作でより強固になり、さらに円熟味を増しています。

 

この最新作「The Gaze」の中において、シンガーソングライターとして大きな前進を最も感じさせるのが「Canopus」です。この曲で、清水さんは、壮大な王道のバラード曲に取り組んでいます。ギター、ストリングス、ピアノ、シンセサイザー、これまでの十年で培われたソングライティングの経験を駆使することで、曲の印象は、細やかな小さな世界を飛び越え、ひろびろとした無限の世界へと羽ばたいていきます。カントリー/ウェスタンのコード、リズムを取り入れた「Willow Tree」をはじめとする遊び心たっぷりの楽曲も、アルバム全体の印象を、明るく、朗らかにしています。上記の楽曲のほかにも、「The Gaze」には、多くの聞き所が用意されており、幾つかの山や谷を超えた後、不意におとずれる劇的なエンディング「The Bell」を聴き終えた瞬間、きっと、大きな安らぎ、充実感を感じるはず。作品全体には、フォークのナチュラルな魅力に加えて、なんとなく、甘く、せつなげな叙情性がほんのり漂う。このアルバムは、五年という不意に訪れたブランクが、ソングライターとしての大きな成長を促した作品といえるかもしれません。

 

(Score:88/100)



 

 


Predawn"The Gaze"Release Tour 



2022.05.13(Fri) 神戸 旧グッゲンハイム邸 *弾き語り 


2022.05.29(Sun) 沖縄 OUTPUT *弾き語り 


2022.06.10(Fri) 京都 磔磔 *弾き語り 


2022.06.12(Sun) 金沢 もっきりや *弾き語り 


2022.06.18(Sat) 福岡 LIV LABO *弾き語り 


2022.06.19(Sun) 福岡 LIV LABO *弾き語り 


2022.06.25(Sat) 新潟 ジョイアミーア *弾き語り 


2022.06.26(Sun) 熊谷 モルタルレコード *弾き語り [Sold Out] 


2022.07.01(Fri) 仙台 retoro Back Page *弾き語り 


2022.07.03(Sun) 札幌 PROVO *弾き語り 


2022.07.16(Sat) 名古屋 得三 *バンドセット 


2022.07.17(Sun) 大阪 Shangri-La *バンドセット 


2022.07.23(Sat) 東京 キネマ倶楽部 *バンドセット




Predawn公式ホームページ


https://predawnmusic.com/

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