ウィメンズ・メンズウェアブランド、daisuke tanabe(ダイスケ タナベ)は、最新となる2026年秋冬コレクション season 04 "atom" を発表しました。コレクションのルックは以下よりご覧いただけます。


ーー前シーズンのコレクション「x」では、James Blakeの楽曲『Like the End』に端を発する危機感から、不要な関心の増幅がもたらす社会全体の「無関心」をテーマに据えました。真偽の曖昧な情報が速度優先で拡散される時代において、“x”を未定数や不確かさの象徴とし、揺らぐ真実の輪郭をグレーの階調で、未然の予兆をブルーで表現しました。


今シーズンの「atom」は、その霧を晴らすための答えを出すのではなく、霧の中にいながら希望を見失わないために個人という最小単位へ、視点を落としていく試みです。 


転換のきっかけは、昨年の夏、図らずも耳にした山下達郎氏の「アトムの子」でした。


自ずから抱いていたぼんやりとした危機感や不安を追い越し、先に体温だけを立ち上げてしまうプリミティブな力。それは「自己肯定」という別の選択が可能であることを理屈ではなく身体が先に知ってしまう、心地よいバグのような経験でした。ここで言うatomは、これ以上分割できない「不可分なもの」、外部がどれほど個を解体しようとしても奪えない核の比喩です。希望とは、世界が明るくなることを保証する言葉ではなく、今ここにある自分自身を肯定するための、静かな選択であると定義しました。


本コレクションの思想的背景には、映画『ブレードランナー 2049』が提示した実存主義があります。主人公Kが、自らが「特別な本質」を持つ複製体ではないと知った絶望の淵で、自らの意志による選択によって自らの実存(魂)を確立したように、私たちもまた、自らの手で自らを定義します。たとえ世界が無機質なグレーの階調に沈もうとも、今この瞬間を肯定すること。その静かな決意こそが、本コレクションにおける「希望」の定義です。


衣装デザイナーのRenée Aprilは、この作品を「ファッショナブルな映画ではない」と捉え、世界の湿度や汚染、厳しさに従って服を作り、物語に不要な“尖り”をあえて削いだと語っています。 さらにKは映画を通してほぼ同じ装いで生き延びる。撮影のために同型のコートが何着も用意されたという事実も含めて、衣装は装飾ではなく、環境に耐えるための「ユニフォーム」として設計されている。 私はその姿勢を、今季のコレクションに適用しようと思いました。


この視点を拡張するために、私は身体を守るために洗練されてきた機能主義の系譜に着目しました。1892年創業のD. Lewis(現Lewis Leathers)が、航空用装備「Aviakit」を手掛け、第二次大戦期のRAF(英国空軍)パイロットたちが生存のためにその装備を私費で求めた歴史は、衣服が「装い」から「防護(シェルター)」へと役割を拡張してきた過程でもあります。これらリサーチを元に、各製品の外骨格としてのデザイン画を描きました。


しかし、私が目指したのは単なる生存のための「機械」としての服ではありません。Le Corbusierが「住宅は住むための機械である」と合理性を追求したのに対し、建築家Eileen Grayはその冷徹な機械主義を批判し、デザインは身体だけでなく「精神の避難所」でなければならないと説きました。彼女にとって建築やテキスタイルは、機能を満たすだけの器ではなく、住まい手の心理的な充足までを包み込み、拡張するための装置でもあります。ーー


Photo: Taro Mizutani




今シーズンのパレットの起点は、Eileen Grayが描いたラグのデザインにあります。彼女が引く幾何学的なラインを理性、その底に流れる温かみのある配色を感情の象徴として捉え直しました。『Centimetre』などに見られる秩序ある線は、混沌を整理しようとする知性を表し、一方で豊かな色彩や手織りの質感は、人が生きるための根源的な情動を示しているように思えます。抑制されたトーンの中に置かれたブルーとゴールドは、暗さを破るための派手さではなく、静けさの中で確かに残る体温の印です。


中でもブルーは、孤独な空白の中で自らの位置を特定するための座標として配置しました。この色を、冷徹な世界の中で絶えることなく燃え続ける「青い炎」として扱っています。シルクとカシミヤのダブルフェイスは、カシミヤのマットな質感の奥から、内なる輝きとしてベージュゴールドのシルクが覗くよう設計しました。随所に走るベージュゴールドのファスナーテープも同様に、内側の熱が消えていないことを知らせる小さなサインです。また、カルガンラムのファーが幾何学的なシルエットの輪郭をわずかに曖昧にし、ベビーカーフやカシミヤと響き合うことで、コレクションに生命の揺らぎを与えています。


常に今の自分の最大出力を表現すること。次があるという考えを捨て、ひたすら「今」に勢力を注ぎ込むことこそ、黄金の朝日に繋がると信じています。



Nothing Gold Can Stay


Nature’s first green is gold, Her hardest hue to hold. Her early leaf’s a flower; But only so an hour. Then leaf subsides to leaf. So Eden sank to grief, So dawn goes down to day. Nothing gold can stay.


— Robert Frost



▪daisuke tanabe season 04 Tokyo showroom 

 

会期:2026年2月9日(月)〜 2月15日(日)

会場:3E STUDIO 

住所:〒107-0062 東京都港区南青山3-14-15 Kawamata Bldg. 2F



about daisuke tanabe:

daisuke tanabeは2024年に設立されたウィメンズ・メンズウェアブランド。映画や小説、写真を元に創作したフィクションをベースに、世界各地の伝統的な職人技術と、前衛的なテクノロジーをミックスしたコレクションを展開する。実験的なクリエイションはファッションという概念の軽やかさと、ものづくりの厳かさの両面性を表現し、ハイエンドな素材と独創的なパターンを織り交ぜて体現する。


about designer:

2021年に京都大学経済学部を卒業後、株式会社細尾に入社。2023年に独立し、ファッションブランド「daisuke tanabe」を立ち上げる。2024年2月にファーストコレクションを発表し、国内外での展開を始める。

 


トロントのシンガーソングライター、シャーロット・デイ・ウィルソンが、2月6日にStone Woman Music / XL RecordingsよりリリースするEP「Patchwork」を発表した。ウィルソンは昨年のグラミー賞にノミネートされ、また、すでに朝霧ジャムに出演したほか、単独の来日公演を行なっている。


この発表と合わせて、ニューシングル「If Only」もリリース。従来はネオソウルに属する音楽がメインだったが、今回のシングルではホーンが強調され、ジャズ風のアレンジが施されている。また、歌詞の中で「If Only」は、脆さや、手の届かない瞬間への憧れといったテーマを探求し、繊細なコーラスがミニマルなアレンジに感情的な重みを加えている。


ウィルソンは、不完全さ、本能、そして感情的な誠実さを形作るプロジェクト「Patchwork」で、新たな創作の章へと足を踏み入れる。元々は自信喪失の時期にデモとして構想されたこれらの曲は、荒削りながらも完成されたものであり、洗練よりも脆さを精神とサウンドの両面で受け入れている。昨年のシングル「Selfish」と「High Road」でカムバックを果たしたウィルソンは、サヤ・グレイをフィーチャリングした「Lean」で2026年をスタートしており、親密さと感情的な精密さで彼女の音の世界を広げた。シングル「High Road」と「Selfish」は、どちらもサヤ・グレイ、エース・G、そしてブラデン・サウダーが共作・共同プロデュースを手掛けています。


「私にとってプロデューサーとは、他に何もするなと指示を出せる人でもあり、このプロジェクトでは彼女がそういうことをたくさんやってくれました。デモを見せるたびに『あなたの作品は最高よ。そのままでいいの。他の人に持ち込まないで』って言ってくれました。それがエグゼクティブ・プロダクションなのか、それともただの親友なのかは分かりませんが」


ウィルソンの楽曲はドレイク、ジョン・メイヤー、ジェイムス・ブレイクなど多くのアーティストにサンプリングされ、ケイトラナダ、BADBADNOTGOOD、シド、オーリなどとコラボレーションし、最近ではギヴオンとのアリーナツアーも行いました。『Patchwork』では、ウィルソンは自身の軌跡を、意図、誠実さ、そして抑制をもって紡ぎ合わせた、非線形の瞬間の集合体として再構築しています。


「If Only」

 ▪️サマーソニックが25周年を迎える 2026年第一弾ラインナップが発表

昨日(2月2日)、国内最大級の音楽フェス、サマーソニック2026の第一弾ラインナップが発表されました。実はストロークスに関しては、ソーシャルメディアで事前に出演がほのめかされていました。


2026年のラインナップはThe  Strokes、L'Arc-en-Cielなど懐かしのバンドを筆頭に、 David Byrne、FKA Twigs、Kasabian、Cardinals、Jamiropuai、Suede、Le Sserafim、Cornelius、サカナクション、 Suchmos、羊文学。豪華アーティストが出演予定です。サマーソニックは8月14日から三日間にわたって開催されます。ぜひサマソニで夏の思い出を作ってみてはいかがでしょうか。


近年、アジア開催などで国際志向のビジョンも見える中、今年はより国内志向が強まりました。ロック、パンク、メタル、エレクトロニックなどサマーソニックは2000年代からジャンルを問わず国外のバンドを日本国内に紹介してきました。そんな中、ウィーザー、グリーンデイ、レディオヘッドのような存在を定着させてきた。サマーソニックも遂に25周年を迎えます。どのような事業やイベントも継続することほど難しいことはありません。クリエイティブマン代表の清水直樹氏は公式ホームページを通じて、次のようなメッセージをファンに向けて送っています。


1990年にクリエイティブマンを立ち上げて、10年後の2000年に満を持してスタートしたサマーソニック。海外に移動しなくても世界レベルの音楽フェスを気軽に楽しんでもらいたいというメッセージ(Travelling Without Moving)と共に、日本初となる東阪同日開催の大型フェスに挑みました。


初年度からGreen Dayを筆頭に多くの国内外のアーティストが出演し、2003年にはRadioheadが伝説のライブでトリを飾り名実共に世界に知られるフェスになったのです。それからは、サマーソニック出演後にBIGになっていくアーティストも次々と生まれていき、10年、20年の記念イヤーでの3日間の開催を経て、来たる2026年には25周年には過去最大の3日間で33万人の動員記録にチャレンジとなります。


過去24年でサマーソニック/ソニックマニアに参加してくれた約470万人のオーディエンスには、心からの感謝と共にもう一度忘れられない夏の日々を合作してもらいたいと願います。


来年も心躍る魅力的なACTSが、一生に一度/Once in a Lifetimeと思える気合いで、最高のライブを繰り広げる事でしょう。懐かしい再会や新しい発見がまた始まります。


▪️第一弾ラインナップがアナウンス



記念すべき25周年のサマソニ、第一弾ラインナップの発表です! まずは衝撃のデビュー以来21世紀のロックを定義付けたTHE STROKES、そして結成35周年という節目を迎える日本が誇るロックバンドL'Arc-en-Cielが、満を持してヘッドライナーとして初出演決定!


さらに、数多くのヒット曲と唯一無二のグルーヴで知られる カリスマJAMIROQUAI、BLACKPINKのメンバーとしても世界的人気を誇るJENNIE、『ストップ・メイキング・センス』、『アメリカン・ユートピア』で音楽のアートフォームを革新した音楽界の巨匠DAVID BYRNEが遂にサマソニに出演!


TikTokからスターダムにのし上がった注目のシンガーソングライターALEX WARREN、世界を魅了し続ける、マルチ・クリエイターFKA TWIGS、熱狂的ロックアンセムを放ち続けるUKロックの雄KASABIAN、プロデューサー、マルチ奏者という多彩な肩書きを持つベトナム系アメリカ人 KESHI、ダイナミックなライブパフォーマンスで世界を魅了するLE SSERAFIM、世界的アカペラグループ PENTATONIXも登場。バンドというフォーマットを革新し続ける唯一無二の存在サカナクション、ネオソウル界を代表する若き天才STEVE LACY、新たなフェーズへと突入し、再始動後ますます存在感を増すSuchmos(東京のみ)、ブリットポップを象徴する重鎮SUEDEがステージを彩ります。


『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』で一躍注目を集めブレイクしたAUDREY NUNA、オーストラリア発のR&BシンガーBOY SODA、シューゲイザー、パンク、アイリッシュ・トラッドを融合したサウンドで注目を集めるアイルランドのCARDINALS、マレーシア生まれロンドン発の次世代ポップアーティストCHLOE QISHA、国内外で高い評価を得るクリエイティブアーティストCornelius、フロリダ出身のR&BアーティストDESTIN CONRAD、アイルランド出身の気鋭のロックバンドFLORENCE ROAD、新世代インディポップデュオGOOD NEIGHBOURS。


海外ツアーも成功させ活動の幅を広げるオルタナティブロックバンド羊文学、独特の詞世界と歌声が話題のキタニタツヤ、解散を発表し日本最後のライブとなるKODALINE、圧倒的なサウンドとエネルギーでUKロック/クラブシーンに君臨するPENDULUM、メルボルン出身のインディロックバンドPRETTY BLEAK、R&Bシーン期待の新星SEKOU(シークゥ)、海外アーティストとしてサマソニ最多出演を更新!ZEBRAHEADが確実に会場を盛り上げます。



▪️サマーソニック公式ホームページ: https://www.summersonic.com/

Session Photo:  ブライアン・カルバートソンは右から二番目

スムース・ジャズ/フュージョン界を代表するイリノイ州出身のピアニスト、ブライアン・カルバートソン(Brian Culbertson)による新作アルバム『Day Trip』が完成しました。2026年3月27日に本作の日本盤がInpartmaint Inc.より発売されます。コンテンポラリージャズ、ファンク、フュージョン、そして深みのあるソウルフルなグルーヴが融合した躍動感あふれる音楽の旅。

 

コンピューターの打ち込みや近道をする事なく、楽器を使ってスタジオでライブレコーディングされた作品となっています。マーカス・ミラー、シーラ・E、ブランフォード・マルサリス、ランディ・ブレッカー、エリック・マリエンサル、アイザイア・シャーキー、カーク・ウェイラム、マイク・スターンなど世界最高峰のミュージシャンたちを迎えた至高の作品が完成しました。

 

リードシングル「On The Road」はデジタル配信が好評で、本作のエネルギーと革新性を感じられる一曲。海外でリリースされていた作品が遂に日本で登場します。スムースジャズの楽曲で、思わず旅に出たくなるようなロマン溢れるナンバーとなっています。ドライブのBGMにも最適でしょう。

 

カルバートソンはこのアルバムについてつぎのように語っています。「『Day Trip』では、自分を形作ったレコードがどんなふうに作られていたか、その原点に立ち返りたかった。コンピューターの打ち込みも近道もなく、スタジオで本物の楽器を使ってライブ録音する――そんな制作でした」


「世界最高峰のミュージシャンたちを迎え、これまでにない作品に仕上げました。作曲面でもサウンド面でも完全な冒険であり、それがタイトルの由来となりました」

 

また、長年のコラボレーターであるニコラス・コール(ブライアンと共作で9曲を制作)、ネイザン・イースト、リル・ジョン・ロバーツ、レニー・カストロ、ポール・ジャクソン Jr.、レイ・パーカー Jr.、マイケル・スティーヴァー、マイケル“パッチズ”スチュワートら一流ミュージシャンが、作品に豊かで重層的なサウンドを加えている。下記より先行シングルをご視聴下さい。

 

 

 



▪️Brian Culbertson (ブライアン・カルバートソン)  『Day Trip (デイ・トリップ) 』



アーティスト : Brian Culbertson (ブライアン・カルバートソン) 

タイトル : Day Trip (デイ・トリップ) 

レーベル : Inpartmaint Inc.

発売日 : 2026年3月27日 

フォーマット : 国内盤CD

品番 : IPM-8149

価格 : 2,970円(税込)/2,700円(税抜) 

バーコード : 4532813731490

*ライナーノーツ収録(杉田宏樹)


 

Brian Culbertson(ブライアン・カルバートソン): 

 

29枚のアルバムとBillboardチャートで40曲のNo.1シングルを誇る現代を代表する最も刺激的でジャンルを超越したインストゥルメンタリストの一人。キーボーディスト、ソングライター、プロデューサーとして活躍し、ジャズ/ファンク/R&B/ポップなどを自在に融合し、常に進化を続ける独自のサウンドを築いてきた。

 

2019年には10年ぶりの日本ツアーを行い華麗なパフォーマンスを披露した。ダイナミックなライブと壮大なプロダクションでも知られ、ナパ・ヴァレー、ニューオーリンズ、シカゴで行われる「ジャズ・ゲッタウェイ」シリーズの立役者でもある。


 

プロデューサー、アーティスト、ソングライターのフェリシア・ダグラスが、ネイチャーを共同制作者として招き、デヴィッド・ロングストレス、ダーティ・プロジェクターズ、室内楽グループ・スターゲイズによる2025年発表の絶賛アルバム『Song of The Earth』に収録された「Shifting Shalestones」を、優しく癒やされるアンビエント・リミックスに仕立て上げた。


本作はリリース当時「燃えゆく世界のための交響曲」(ニューヨーカー誌)、「自然界への逃避行」(Line of Best Fit)と称賛され、地球に降りかかる計り知れない破壊の中にあってもなお、自然の美しさを見出し喚起する作品として評価された。


フェリシア・ダグラスはさらに一歩踏み込み、自然の音を楽曲に組み込んだ。アース・パーセント/サウンズ・ライトとの提携でリリースされ、NATUREを公式アーティストとしてクレジット。ストリーミング収益が地球規模の自然保護活動に還元される仕組みだ。


私は常に『Shifting Shalestones』の環境要素を中心とした描写の簡潔さに惹かれてきたため、NATUREと共に重層的なサウンドスケープを創り出すというアイデアに心躍らせました。ボーカルの反復を駆使し、岩を踏みしめる感覚を映すように躍動的な音を織り交ぜました。地球への愛と慈しみを届ける一助となれることを光栄に思います。


『Song of The Earth』はPitchfork、The New Yorker、MOJO、UNCUT、Line of Best Fit、DIY、ArtForum、Consequence of Soundなどで絶賛された。2024年、ロサンゼルス・フィルハーモニック管弦楽団との共演でディズニー・ホールにて米国初演。本公演のチケットは完売となった。


 

 

▪️ 「Shifting Shalestones」 

 Listen: https://soundsright.lnk.to/ShiftingShalestones


▪️『Song of The Earth』 

Listen/Buy: https://dirtyprojectors.lnk.to/SongOfTheEarth

 


▪️EN 

Producer, artist & songwriter Felicia Douglass calls on NATURE as a collaborator to deliver a gentle, soothing ambient remix of 'Shifting Shalestones', originally featured on the acclaimed 2025 album Song of The Earth by David Longstreth, Dirty Projectors & chamber group stargaze.


Upon its release the album itself was heralded as a "symphony for a burning world"  (New Yorker) and an "escapist jaunt into the natural world" (Line of Best Fit), still finding & evoking a sense of natural beauty within the context of the untold destruction inflicted upon our planet.


Felicia Douglass takes this one step further by incorporating the sound of nature into the piece. Released in partnership with Earth Percent / Sounds Right, the release credits NATURE as an official artist, allowing streams to generate royalties for global conservation.


I was always drawn to Shifting Shalestones for its descriptive simplicity centered around environmental elements, so I loved the idea of creating a layered soundscape with NATURE. I played with the repetition of vocals and weaved in exuberant sounds to mirror the sense of stepping on rocks. It’s an honor to play a small part in giving love and care for the planet.


Acclaim for Song of The Earth in Pitchfork, The New Yorker, MOJO, UNCUT, Line of Best Fit, DIY, ArtForum, Consequence of Sound & more. Premiered in the US in 2024 with a sold-out performance at Disney Hall in Los Angeles with the LA Philharmonic.

Photo: Julia Griswold


ニューヨークを拠点とするシンガーソングライター兼ミュージシャン、ROREYの新曲「Temporary Tragedy」は力強く、生々しく、心に響くベッドルームポップの楽曲です。


ROREYは生々しい告白を癒しと不安を同時に呼び起こす芸術へと昇華させる。セカンドEP『Dysphoria』は、精神疾患の矛盾に恐れを知らず飛び込む作品。心に刻まれるメロディと幽玄なボーカルが、催眠的な渦巻くインストゥルメンタルと融合する。

 

長年の共同制作者であるスコット・エフマンと2021年に共同制作したこのプロジェクトは、躁状態の中で意味を求めてもがく若きアーティストの混沌、美しさ、そして方向感覚の喪失を捉えている。


新曲「Temporary Tragedy」について、彼女は「この曲は、親密さを握りしめた時に自己放棄がもたらす代償と、自分自身を選ぶことの意味について歌っている」と打ち明ける。この楽曲は、関係が崩壊した後に生じる内省と絶え間ない螺旋を描いた映画的なミュージックビデオと共に公開されている。


「このビデオは私の初めてのクィアな関係に根ざしている。そのメッセージは普遍的なんだ。時に愛は、相手がそこに到達できない時、希望と現実の間の隔たりを埋めるには十分ではない」 ROREYの音楽は単に共鳴するだけでなく、口に出すのを恐れる真実を名指しし、その感情を抱くのは自分だけではないと気づかせてくれる。

 


「Temporary Tragedy」



ROREYの楽曲はZane Lowe(Apple Music)、LADYGUNN、Atwood Magazineから称賛を受けたほか、Spotifyのプレイリスト「Fresh Finds」「Fresh Finds Indie」「New Music Daily」「New in Pop」で紹介された。 今後注目すべきベッドルーム界のニューライザーの一人だ。
 
 

▪️EN


New York–based singer-songwriter and musician ROREY transforms raw confession into art that unsettles as much as it heals.
Her sophomore EP, Dysphoria, is a fearless plunge into the contradictions of mental illness, where haunting melodies and ethereal vocals merge with hypnotic, swirling instrumentals.

Co-written and produced in 2021 with longtime collaborator Scott Effman, the project captures the chaos, beauty, and disorientation of a young artist clawing her way toward meaning in the midst of a manic episode.

Her new single "Temporary Tragedy" is powerful, raw and poignant.  She confides, "The song is about the cost of self abandonment when you grip intimacy and what it means to choose yourself."

The track is shared alongside a cinematic music video which chronicles the rumination and constant spiraling that can occur after a relationship falls apart. "The video is rooted in my first queer relationship, its message is universal: sometimes love isn’t enough to bridge the gap between hope and reality, when the other person can't meet you there."

ROREY’s music doesn’t just resonate, it names the truths you’re afraid to speak and reminds you that you’re not alone in feeling them.
 
 
 

年明け、福岡の音楽フェスティバルCIRCLE ’26の開催が発表されました。本日、続いて追加出演者、日割りが公表されました。


昨年のNHK紅白歌合戦に出演し、アコースティックセットで抜群の安定感のあるパフォーマンスを披露したユニット、ハンバート ハンバート、J-POPシーンで幅広い世代に根強い人気を誇る、KIRINJI、そして日本のポストロック/マスロックの代表格、toeの追加出演が決定しました。

 

本日、1/30(金)19:00〜早割2次チケットの先行受付(抽選)が開始となりました。テントタープエリアの指定区画、専用駐車場をセットにしたチケットの販売も行います。こちらの詳細も合わせて下記よりご確認下さい。また、イベント主催による Spotify公式プレイリストも公開されています。


CIRCLE '26は2026年5月16日から土日の二日間にわたって福岡・海の中道海浜公園 野外劇場にて開催されます。


ハンバート ハンバート

KIRINJI

toe


公演タイトル:CIRCLE '26

日程:2026年5月16日(土), 5月17日(日)

会場:福岡・海の中道海浜公園 野外劇場

開園9:30/開場9:30/開演11:00

 

■出演者(アイウエオ順)

5/16(土) Day1

Andr

思い出野郎Aチーム

ZAZEN BOYS

Ginger Root (Solo Set)

D.A.N.

toe <NEW>

ハンバート ハンバート<NEW>

フルカワミキ÷ユザーン×ナカコー

 

5/17(日) Day2

EGO-WRAPPIN’ (Acoustic Set)

小山田壮平BAND

KIRINJI <NEW>

柴田聡子 (BAND SET)

SPECIAL OTHERS

Small Circle of Friends

高野寛 MVF trio with ゴンドウトモヒコ & ITOKEN

 

他、全18組出演予定。

 

■チケット先行受付(早割2次)

①早割2次[2日通し券]¥20,000→¥19,000

②早割2次[2日通し券]駐車券付 ¥31,000

③早割2次 4枚[2日通し券(整理番号付)]・テントタープエリア指定 ¥86,000

④早割2次 4枚[2日通し券(整理番号付)]・テントタープエリア指定/駐車券付 ¥98,000

⑤早割2次[1日券]¥11,000→¥10,000

⑥早割2次[1日券]駐車券付 ¥16,000

 

受付URL:https://eplus.jp/circle-fukuoka/

受付期間:1/30(金)19:00~2/11(水祝)23:59 ※抽選・おひとり4枚制限

 

■チケット

[2日通し券]¥20,000 《学割》¥15,000

[1日券]¥11,000 《学割》¥8,000

※全自由 ※料金は税込、入園料込。※中学生以下チケット不要

《学割》対象:大学生・専門学校生・高校生。当日、学生証をご提示ください。

ご提示がない場合は当日差額をお支払いいただきます。

 

■CIRCLE ’26 Spotify公式プレイリスト

https://open.spotify.com/playlist/37i9dQZF1DXebjPzM8sHrq

 

■クレジット

主催・企画・制作: TONE / BEA

後援:FM FUKUOKA / CROSS FM / LOVE FM

 

お問い合わせ:BEA【http://www.bea-net.com/info@bea-net.com

 

■オフィシャルサイト http://circle.fukuoka.jp


時代の評価軸を静かにすり抜けながら、現在進行形で更新を続ける孤高の電子音楽家【Shinichi Atobe】。セルフ・レーベルPlastic & Soundsから初となるアルバム「Silent Way」が3月27日リリース。「Silent Way」より、「Rain 1」が本日リリース。


The solitary electronic musician Shinichi Atobe, quietly evading the era's evaluative axes while continuously updating his work in real time. His new album, Silent Way, is released on 27th March via his self-run label Plastic & Sounds.From “Silent Way”, “Rain 1” is released today.



▪️Shinichi Atobe「Silent Way」



COLORED VINYL 2LP (5,900Yen+Tax Incl.) | 2026.03.27 Release | DDJB-91267 (P&S003) | JAN 4543034054114

Released by Plastic & Sounds | AWDR/LR2

[ https://ssm.lnk.to/SilentWay ] PRE-ADD/PRE-SAVE

LP Version


▪️Shinichi Atobe「Rain 1」- Lead Single

Digital | 2026.01.30 Release | DDJB-91267_1

Released by Plastic & Sounds | AWDR/LR2

[ https://ssm.lnk.to/Rain1 ]


Sounds:Shinichi Atobe

Mastering & Cutting:Rashad Becker

Photo:Yusuke Yamatani

Design:Satoshi Suzuki


作品詳細:

本年7月突如始動させたセルフ・レーベル【Plastic & Sounds】より、二枚の12インチ・シングルを経て、現時点での集大成となる全10曲を収録したアルバム「Silent Way」がCOLORED VINYL 2LP(Gatefold Sleeve/33RPM/Limited Press)レコードとデジタルで3月27日にリリース。


マスタリング/レコード・カッティングは、ベルリンのRashad Becker。アートワークは、写真家、山谷佑介の作品を核に、P&Sの全作品を手がける鈴木聖がその世界観を構築。

昨年、10月、Resident Advisorの人気シリーズ「RA Podcast」に登場し2023年4月に行われた世界初ライブの音源が公開、渋谷WWWにて、Plastic & Soundsローンチ公演「"Plastic & Sounds" label launch party」を開催。2026年1月には、同会場のニューイヤーパーティーで名盤「Haet」のライブセットを披露。


また、前作「Discipline」がPitchforkの「The 30 Best Electronic Albums of 2025」に、そして代表曲のひとつである「Butterfly Effect」がRA(Resident Advisor)の「The Best Electronic Tracks of 2000-25」に選出されるなど国内外で注目の高まる中のリリースとなる。


Following two 12-inch singles released via the self-run label Plastic & Sounds, which launched unexpectedly this past July, the culmination of their work to date—the album Silent Way, comprising ten tracks—will be released on 27th March as a coloured vinyl 2LP (gatefold sleeve/33RPM/limited press) and digitally.

Mastering and record cutting by Rashad Becker in Berlin. The artwork centres on photographer Yusuke Yamatani's work, with Satoshi Suzuki—who handles all P&S releases—constructing the overall aesthetic.

Last October, they appeared on Resident Advisor's popular series “RA Podcast”, with audio from their world premiere live performance in April 2023 released. They held the “Plastic & Sounds” label launch party at Shibuya WWW. In January 2026, they performed a live set of their acclaimed album “Haet” at the venue's New Year's party.

This release comes amidst growing international acclaim, with their previous album ‘Discipline’ featured in Pitchfork's ‘The 30 Best Electronic Albums of 2025’, and one of their signature tracks, ‘Butterfly Effect’, selected for RA (Resident Advisor)'s ‘The Best Electronic Tracks of 2000-25’.


Tracklist:

A1. intro 6.1

A2. Phase 2

A3. TRNS


B1. Blurred

B2. Aquarius

B3. Durability


C1. Rain 1 [ https://youtu.be/SBMw7CD9ZS4?si=q1CX453hqaNhbL-P ]

C2. Syndrome


D1. Fractal

D2. Defect



▪️Biography : Shinichi Atobe


Electronic artists based in Saitama, Japan. He made his debut with the 12-inch “Ship-Scope” (2001) released on Chain Reaction, a sub label of Basic Channel, a 90s cult label leading to dub techno and then the “minimal” trend of the 00s. A decade later, in early 2010s, he released his first full-length album, “Butterfly Effect” (2014) on DDS label by lobbying of Manchester duo Demdike Stare.

Since then, he has consistently released “World” (2016), “From The Heart, It's a Start, a Work of Art” (2017), “Heat” (2018), “Yes” (2020), “Love of Plastic” (2022),  “Discipline” and the EP ‘Ongaku 1’ (2024). He has garnered a large number of music listeners as well as club audiences and has received acclaim from various music media.


Although his debut on the legendary Chain Reaction and his releases on DDS have brought him to the attention of the world, he has remained an enigmatic and rare entity.

In 2025, he established his own private label, "Plastic & Sounds" . On 27 March 2026, the album ‘Silent Way’ is scheduled for release via Plastic & Sounds.


埼玉を拠点に活動する電子音楽家。ダブ・テクノ、その後の00年代の一大潮流"ミニマル"にまで至る90年代のカルト・レーベルBasic Channel傘下のChain Reactionからリリースされた12インチ「Ship-Scope」(2001年)でデビューを果たす。その10年後となる2010年代初頭、マンチェスターのデュオDemdike Stareの働きかけによりレーベルDDSから初のフル・アルバム「Butterfly Effect」(2014年)をリリース。 


それ以来同レーベルからコンスタントに「World」(2016年)、「From The Heart, It's A Start, A Work of Art」(2017年)、「Heat」(2018年)、「Yes」(2020年)、「Love of Plastic」(2022年)、「Discipline」、EP「Ongaku 1」(2024年)をリリース。クラブオーディエンスだけでなく多くの音楽リスナーを獲得し、多様な音楽媒体からも定評を受けている。


伝説化されたChain Reactionからのデビュー、DDSからのリリースをきっかけに世界に知れ渡ることになるものの、謎めいた稀有な存在として注目をされ続けている。

2025年には自身のプライベート・レーベル【Plastic & Sounds】を設立。2026年3月27日、Plastic & Soundsよりアルバム「Silent Way」をリリース予定。


[ https://plasticandsounds.bandcamp.com ]

Weekly Music Feature: Whitelands  ロンドンのオルタナティブロックバンドのステップアップ

 


ホワイトランズは、同名の大学のキャンパスで結成された。バンドはシューゲイズに特化したインディーズレーベル、ソニック・カテドラルと契約を交わし、イギリスのシューゲイズシーンで知名度を獲得した。以降、ピッチフォークフェスティバル(ロンドン)に出演したことは記憶に新しい。ギター/ボーカルのエティエンヌは一昨年、ピッチフォークフェスティバルの前にMUSIC TRIBUNEの質問に答えてくれ、日本のアニメが大好きだと教えてくれた。また、武道館公演の秘めた野望を明らかにした。バンドは前作のミュージックビデオ撮影のため、渋谷を訪れている。


本日、ソニックカテドラルから発売されたホワイトランズのセカンドアルバム『サンライト・エコーズ』は、スローダイヴからデイヴィッド・ジョンソンまで幅広いファンを獲得した原初的なデビュー作を基盤としつつ、シューゲイザーの影から抜け出し、より大きく、より良く、明るい場所へと導く広がりのあるサウンドを構築した。 長年の協力者、イアン・フリンがプロデュース、2度のグラミー賞受賞者エドゥアルド・デ・ラ・パス(ニュー・オーダー、ザ・ホラーズ、ザ・シャーラタンズ、The KVB、ドラッグ・ストア・ロミオズ)がミキシングを担当した。 


「私たちは成熟し、リアルになって戻ってきた」ボーカル兼ギタリストのエティエンヌ・クアルティ・パパフィオはステップアップについて語っています。「それは、私たちの音楽がどれほど感情的になったかに表れています。成熟とともに新しく自信も生まれた」 見事なメロディーが随所に散りばめられているだけでなく、エティエンヌのボーカルが全編を通して前面に出ている。


「チャペル・ローン、レイチェル・チヌリリ、サブリナ・カーペンター… 。彼女たちが今の私の歌のスタイルを形作った」とエティエンヌは言う。「私は取り残されたくなかった。Reddit ではシューゲイザーのシンガーたちの現状について不満の声が上がっていますが、そこがまさにWhitelandsの真価を発揮する場だと思う。自分にもっとできることはないか試してみたかった」 


「エティエンヌが限界を打ち破っていく姿を見るのは、本当に素晴らしいことです」 ある意味ではバンドの見守り役のベーシストのヴァネッサ・ゴヴィンデンは付け加えます。「このアルバムで私たちが取った方向性がかなり好きです。 リスクを冒している。半分半分かな」 彼女の言う通り、アルバム前半はブリットポップを思わせる軽やかさがあり、曲の背景にある深刻なテーマを覆い隠している。一方後半はあらゆる意味で重みを増し、荒々しさと重厚さが加わる。


「このアルバムは『耐え抜くこと』がテーマだ」とエティエンヌは語る。 「家族が亡くなり、私は金欠で、ADHDの薬も不足していた…。苦しんでいたのは自分だけじゃなく、周りのみんなもそうだった」ヴァネッサは締めくくる。「この2年間は本当に厳しかった。宇宙が本当に俺たちを弄んだのかも知れなかった。だからこそ喪失、断絶、分裂、渇望といったテーマが込められている。でも、その向こうには結束と希望もある」『Sunlight Echoes』は、この圧倒的なバンドによる詩的でメロディアスな宣言だ。ホワイトランズは逆境に立ち向かい、勝利を収める。

 


Whitelands 『Sunlight Echoes』-  Sonic Cathedral



今週は、激戦のリリース週間といえるが、ベストアルバムとして上がってきたのは、最も意外なバンドの作品であった。前作アルバム『Night-bound Eyes Are Blind To The Day』からホワイトランズは明らかな成長を遂げている。前作を聴いて、私はこのバンドをよく分かった気でいたけれども、それは大きな誤りであったと言わざるを得ない。彼等にはぜんぜん知らない一面がたくさん残されていた。そして、まだまだ彼等には知られざる魅力があったのである。レビューを行う上でも全てを明らかにせず、知り得ない点を残しておくことは悪くないと思う。


前作では、飽くまでシューゲイズやドリーム・ポップという範疇にとどまっていたWhitelandsのサウンドであるが、最新作では必ずしもインディーズミュージックにこだわっているわけではないと思う。どころか、ザ・シャーラタンズなどの90年代のブリットポップのサウンドを踏襲した音楽性で、幅広い層のリスナーを取り込もうとしている。ギター、ドラム、そしてベースなどのアンサンブルとしての音の作り込みは緻密である。と同時に、エティエンヌのボーカルはバンドの音楽性にポップネスを付与し、全体的にキャッチーで掴みやすい音楽性が押し出されている。全体的には、Sport Teamのような明るさとはつらつとしたイメージが加わっている。

 

しかし、上記のプレスリリースを見てもわかる通り、  『Sunlight Echoes』は90年代のブリットポップの主軸に据え、ホワイトランズらしいインディーズロックのサウンドを追求しているが、同時に、明るさと暗さの二面性を映し出す作品である。まるでアルバムの前半部と後半部では、まったく別のバンドの作品であるかのように、ホワイトランズの光と影の側面を鏡のように映し出す。本作の冒頭では青春時代の謳歌を感じさせる純粋な明るさがあるが、後半部では作風が一転し、オルタナティヴロックバンドとしての影の部分が顕わになってくる。後半部では、ソングライターの内面へと鋭く沈潜し、切実なテーマが明瞭になってくる。まるでそれは外側の光を内側の影に当て、本質を浮かび上がらせるという芸術的な技法である。この二面性が、この最新作のハイライトとなり、またフルアルバムとしての完成度の高さを証明付けている。

 

表向きではポップではあるが、裏側では相当すごいことをやっている。特に、ギターの音色の作り込みが凄く、実際的に、このアルバムのサウンドを構築するために、バンドメンバーはアナログのテープのリールを前に、相当数の試行錯誤を重ねている。シューゲイズの代名詞的なギターワークも登場するが、今作で意図されているのは、旧来のシューゲイズサウンドの解体と再生である。 そしてアナログのエフェクトを主体に、それらを最終的にデジタルで出力するという面倒な作業を完成させたのが、イアン・フリンとグラミー賞プロデューサーのエドゥアルド・デ・ラ・パスだ。この三位一体のタッグによって、洗練された作品が出来上がった。このアルバムはブリットポップとシューゲイズが合体した画期的な作品で、''Brit-Gaze(ブリット・ゲイズ)''も呼ぶべきサウンドの誕生を予感させる。(ネーミングセンスはあまり良くないが)

 

全体には、バンドメンバーの人生の足跡をたどるかのように長い時間が流れている。冒頭を飾る「Heat of Summer」は昨年、単独のシングルとして公開されたが、このバンドを古くから知るファンにとっては驚きの変貌ぶりだろう。サウンドの下地は、依然としてドリーム・ポップやシューゲイズであることに変わりないが、ボーカルの印象ははつらつとしていて、ほとんど鬱屈したような感情とは無縁である。まるでロンドンの空の霧が晴れたかのようにボーカルの印象は明るく、爽快なイメージすら与える。80年代のダンスポップやディスコポップを反映させ、コクトー・ツインズのようなサウンドを押し出し、それにダンサンブルなリズムを付与している。そしてそのサウンドは、Wild Nothingの最初期のようなスタイリッシュな響きをもたらす。特に、今作ではボーカルのメロディーラインの親しみやすさに焦点が置かれ、それらは先にも述べたように、90年代のブリット・ポップの一般的なイメージを再提示する。この曲には、ポップになることを恐れないソングライターの意図を読み解くことができる。実際的に、ホワイトランズの曲の中では、最も聞きやすく、取っつきやすいナンバーとなっている。

 

今回は特に、広い層に支持されるポップソングを書くということに抵抗がなくなった印象を覚える。そして、その試みはかなり成功したのではないかと思う。それはシャーラタンズの系譜にあるポップソング「Songbird(Forever)」に目に見えるような形で現れている。レコード産業全盛期を思わせるバブリーな雰囲気、また、ある意味では英国の音楽産業が著しい存在感を放っていた独特な多幸感のある空気感が、この曲には乗り移っている。だが、依然としてホワイトランズらしさが健在で、ドリームポップやシューゲイズ風の切ないメロディーラインが耳を捉える。特に、この曲のサビ(コーラス)は、ヒットソングの定型をよく研究していて、それらを忠実に再現している。また、全体的なプロデュース/ミキシングの側面でも、ブリットポップらしさが加わり、弦楽器のアレンジがボーカルの録音と絶妙に溶け込み、美しい音響効果を作り出す。そして何より、旋律的な効果にとどまらず、Nation of Languageのようなダンサンブルなポップソングの効果が、Pet Shop Boysのようなリズミカルな乗りやすさを生み出している。ここにも、軽く聞きやすい音楽を書くことを恐れぬ姿勢が如実に反映されていると言える。この曲に見受けられるような青春の淡い味わいがアルバムの序盤のハイライトである。

 

 

「Songbird」

 

 

インタリュードのような感じで導入される「Shibuya Crossing」は渋谷交差点をテーマに選んだポストロック/音響系を基調にした一曲だ。ホワイトランズの内省的な一面を反映させた上で、渋谷で感じた近未来的な空気感を、ギターミュージックとボーカルを介して表現している。プロデュースとしては、ディレイによりプログレロック風の音響効果が加えられることも。言ってみれば、Pink Floydの最初期の傑作『Echoes』の現代版とも言える実験的なサウンド。曲の最後には、電車の発着時のアナウンスのサンプリング的なSEが登場する。この音楽により、ホワイトランズは見事に時間と空間を飛び越え、遠く離れた場所の音楽性を生み出している。

 

アルバム序盤の80年代のダンスポップ/エレクトロポップのサウンドを踏襲した音楽性は、一つの頂点を続く「Glance」で迎える。この曲は小説の一節にちなんだ前作『Night-bound Eyes Are Blind To The Day』の音楽性と地続きにあり、全般的にはドリームポップやシューゲイズの中間に属する。しかし、やはりボーカリスト、エティエンヌの印象が一変し、Sport Teamのような爽快味と甘酸っぱさを兼ね備えたボーカルが、楽曲の全体的なイメージを形成する。また、ボーカリストの情熱的で叙情的な一面ばかりに目を取られがちなのだが、バンドのアンサンブルにも刮目すべき箇所がある。ドラムの華麗なタムの演奏が、このメロディアスなポップロックソングに安定感をもたらしている。いわば、エティエンヌの人間的な成熟という表側のイメージの向こうには、全体的なバンドとしての実力の底上げの瞬間を見出すことができる。 また、ボーカルの録音でも、輪唱の形式をなぞられ、2つのボーカルを併置し、多彩なサウンドを作り上げている。しかし、同時に、それらの複雑さを帳消しにするキャッチーさがこの曲の一番の魅力である。思わず口ずさんでしまうような親しみやすさのあるボーカルのメロディー、これが商業的なポップソングを書く上では基本的には欠かせない要素になってくる。

 

中盤部を最後を飾る「Sparklebaby」はアルバムの前半部の明るさの集大成をなしている。この曲では、Beach Boysのブライアン・ウィルソンのソングライティングを継承し、それらを”モダンなドゥワップ”とも称すべき作風に置き換えている。この曲で感じられる天上的な多幸感、そして、その合間に感じられる青春のエバーグリーンな空気感が、見事なコーラスワークを通じて体現されている。前曲と同じように、複数のボーカルの録音が配され、素晴らしいハーモニーを形成している。とくに曲の終盤での声のハーモニーは息を飲むような美しさがある。こういった曲は、ゴスペルとかコラールを現代的な感性によって組み替えようというのである。

 

「Blankspace」は最もホワイトランズらしい一曲であって、 なぜか聴いているだけで元気が出てくるし、また、ふしぎと活力がみなぎってくる気がする。2000-2010年代のポスト世代のシューゲイズサウンドを彷彿とさせるところがある。Wild Nothing、DIIVといったアメリカのアルトロックシーンのバンドの音楽性を受け継ぎ、それらにブリットポップの色合いを添えている。そしてやはり、ギターは轟音でうねりまくるが、 ボーカルの聞きやすさは維持されている。

 

この曲以降がアルバムの後半部となる。明るさや爽快感、また時には多幸感のような感覚を中心としていたアルバムの前半部からの印象がガラリと変化していき、気鋭のオルタナティヴロックバンドとしての性質が顕わになる。手放しに称賛したい楽曲が3つほど収録されている。『Sunlight Echoes』の凄みは序盤にあるのではなく、後半部の畳み掛けるようなクオリティにある。 

 

「I Am Not God,An Effigy」はバンドのドリームポップの性質が色濃く反映されているが、 SlowdiveやRIDEといったイギリスのシューゲイズに、シャーラタンズのようなブリットポップの色合いを添えている。ヴァースやコーラスの箇所だけに配慮するのではなく、間奏の箇所でもしっかり聞かせどころが作られ、シンセの音色により弦楽器のような音色を作り出し、このバンドの持ち味である美的なセンスを体現させる。そしてボーカルはバンドアンサンブルの全体的な和声進行と連動するような形で、内的な苦悩を最も感情的に表現していくのである。そしてその瞬間、胸を打たれるというか、表向きの音楽の裏側にある本当の核心に突き当たる。また、そのとき、表面的なやりとりだけでは知り得ぬ本当のバンドの姿に触れたという気がする。曲の後半では、シンセ、ギターがユニゾンが描く中、主旋律としての低音部のベースが浮かび上がる。ギター、ボーカル、そしてドラムが表面的に活躍するが、ここではベースが主役になる。こういった曲を聴くと、バンドは改めてどのパートも軽視することが出来ないのである。

 

「Dark Horse」と「Mirrors」の流れは圧巻で、間違いなく後半部の最高の聞き所となる。久しぶりに聴いていて感嘆の言葉を漏らしたほどだった。2つの曲ともに、アルバムの序盤の収録曲とはまったくイメージが対照的で、いわば人生における苦悩の側面が暗示的に明らかになる。今作は立方体のようであり、一側面が見えたかと思うと、それとは別の側面が出てくる。しかしもし、その苦悩を単なる傍観者(他者)として見るのではなく、同じ立場にある追体験者(自分)として見るのであれば、その音楽には、なにかしら勇気づけられたり、鼓舞されるところがきっと見つかるはずである。音楽的な体験というのは、単なる享楽的な行為にとどまらず、まったく見知らぬ人、あるいは少しだけ知っている人との感情的な回路を作り、音楽的な側面でリンクするという行為である。えてして、彼らのサウンドに勇気づけられるものがある理由は、ホワイトランズの面々は、自らの人生に直面した際、それと闘うのである。これらの姿、あるいは勇姿ともいうべき姿勢が音楽に乗り移り、独特なカッコよさに繋がっている。いずれも楽曲も、ボーカリストとしての個性、アーティスティックな感性のあるギター、的確なリズム感を保つドラム、そして特に、存在感あるベースの化学反応により成立している。「Mirrors」はアルバムのベストトラックであり、休符を効果的に挟んだ素晴らしいアルトロックソング。ベースが凄く、絶妙な対旋律を形成する。ぜひ聞き逃さないようにしてほしい。

 

いつも私自身はアルバムは収録順に聴くため、最後の曲を重要視していて、クラシック音楽のコーダのような感じで聴くことが多い。その中で、最後の曲は、バンドが言う”結束や希望”という一つの結末を暗示している。そして後半の序盤の曲と同様に、ヴァネッサのベースが主役的な役目を担い、曲の土台や骨組みを形作っている。私は以前からバンド写真を見るとき、彼女こそバンドの司令塔のような存在であり、影のフロントパーソンではないかと思っているが、どうやらその直感は正しいのかもしれない。ホワイトランズの曲がどのように出来ていくのか、その過程を実際の演奏によって解き明かしている。この曲には、ブリットポップに対する愛情が垣間見える。それはエティエンヌの開けたような感覚のあるボーカルの歌い方や旋律に宿っている。

 

最後の曲を聴くと、彼らはおそらく、オアシス、ブラー、オーシャン・カラー・シーン、シャーラタンズ、スパイラル・カーペッツ、ハッピー・マンデーズ、ストーン・ローゼズ、ヴァーヴなど、英国音楽の全盛期をどこかで追体験したり通過してきたことを伺わせる。そして、イギリスのインディーズシーンを中心に鳴り響いていたホワイトランズの音楽が、すでに屋内の小さな会場には収まりきらず、大きな青空の下で鳴り響く時が到来しつつあることを予感させる。

 

  

88/100 

 

 

「Mirrors」

 

 

 

▪Whitelandsのニューアルバム『Sunlight Echoes』は本日、Sonic Cathedralから発売されました。ストリーミングはこちらから。 





▪️レビュー


WHITELANDS 『NIGHT-BOUND EYES ARE BLIND TO THE DAY』

Photo: Kenya Tei

オランダ系南アフリカ人のシンガーソングライター、Joya Mooiによるニューシングル「Lookalike」は、亡き兄の面影を、日常のふとした瞬間に見出してしまう体験から生まれた、深い感情を宿す楽曲。


見知らぬ誰かの歩き方、聞き覚えのある笑い声。一瞬の錯覚のような感覚が、彼がもうこの世にいないという現実と同時に訪れる。そのわずかな瞬間に宿るのは、慰めと痛みが共存する、複雑な感情だった。

 

「悲嘆とは、行き場を失った愛そのもの」。Jamie Andersonの言葉を重ねるように、Joya Mooiは“悲嘆は愛が形を変えたもの”だと捉える。「Lookalike」には、喪失への怒りややり場のない感情、そして消えることのない絆が、静かな熱量をもって刻み込まれている。存在は失われても、愛はなお燃え続ける。その事実を真正面から描いた一曲となっている。


本作は、妊娠がわかった直後という人生の転機に書かれた前作「Pay Day」に続くリリース。「Pay Day」では、不安と希望、責任が交錯する心情を、南アフリカにおいて象徴的な“給与サイクル”のリズムになぞらえて描き出した。同曲はSpotifyのR&B WeeklyやNew Music Friday(オランダ、日本、南アフリカ、ベルギー)、Apple MusicのNew Music Daily、New in R&Bなど、各国の主要プレイリストに選出され、国際的な評価を獲得している。


2025年9月には東京で初のライブを成功させ、ソウル、R&B、ヒップホップを横断するクロスコンチネンタルなサウンドを披露。しなやかな強さ、親密さ、そして変化といったテーマを軸に、表現の幅をさらに広げている。

 

2025年から2026年にかけても新作のリリースが予定されており、「Lookalike」は、人生のもっとも困難な移行期に意味と美しさを見出す、Joya Mooiの恐れを知らないストーリーテラーとしての姿を鮮明に示す楽曲となっている。また、同楽曲は、本格派のUKソウルミュージックで、ライト/ヘヴィー層を問わず、多くのリスナーに共鳴するサウンドとなっています。

 


 

Joya Mooi   「Lookalike」- New Single




[作品情報]

アーティスト:Joya Mooi

タイトル:Lookalike

ジャンル:R&B/Soul

発売元・レーベル:SWEET SOUL RECORDS 


ストリーミング: https://lnk.to/Joya_Mooi_Lookalike