アメリカのロックバンド Weezer  歴代の傑作コレクション

 

 WEEZER

 

 

Weezerは、アメリカのオルタナティブ・ロックバンドとして母国だけではなく世界的なミュージシャン。

 

ピクシーズ直系のオルタナサウンドを踏襲した正統派のロックバンドといえ、グランジシーンの熱狂がまだ冷めやらぬ頃に華々しく登場し、現在まで華々しい活躍を続けている。元々は、アメリカよりも日本で人気を博していたことから、かつてのチープトリックを彷彿とさせるようなバンドでしょう。

 

元々は、オルタナティヴとパワー・ポップを融合したような親しみやすい音楽性、そして内省的ではありながらギターのディストーションを強調した轟音サウンドが特徴。そういった面ではニルヴァーナとはまた異なるアプローチで、ピクシーズサウンドを推し進めたバンド。すでに一度、途中、三作目のグリーンアルバムで、オリジナルメンバーのBa.マット・シャープが脱退し、その後スコット・シュライナーが加入、現在のラインナップとなる。その後は、今日まで安定感のあるリリースを行っている。

 

2021年に「Van Weeezer」をリリースし、今、まさに旬なビックアーティストといっても良いはず。

 

バンドのフロントマン、リバース・クオモは日本に縁の深い人物で、ここ日本でもデビュー当時から多くのファンを獲得、根強い人気を誇る。

 

ウィーザーは、どことなく日本の歌謡曲などにも通じるような音楽性を有し、日本人の心の琴線にふれる音を奏でる素晴らしいバンドであることは疑いなし、ここで、あらためて彼らの活動初期の作品を中心に名盤をピックアップおきましょう!!

 

 

 

「Blue Album」1994


 

仮に、グランジムーブメントがコバーンの死によって終焉を迎えたとするなら、そのシーンの流行の合間に実に折よく登場したオルタナバンドがウィーザーという存在でした。 本作「Weezer」は、いかにもオルタナという感じのピクシーズ直系のポップ性が感じられる鮮烈的な傑作となっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 TrackListing

 

1.My Name Is Jonas

2.No One Else

3.The World Has Turned Out And Left Me Here

4.Buddy Holly

5.Undone - The Sweater Song

6.Surf Wax America

7.Sai It Aint't So

8.In The Garage

9.Holiday

10.Only In Dreams

 

ウィーザーのデビュー作、通称「Blue Album」は、一曲目の「My Name is Jonas」からして、往年のロックンロール、バディー・ホリー、エルビス・コステロ、そして、その後のビック・スター、ザ・ナックといった名パワーポップ・バンドにも引けを取らない楽曲がずらりと並んでます。

 

そして、PVにおいてのアメリカン・グラフィティ、そして、ニルヴァーナの「In Bloom」のパロディ的な融合といえる「Buddy Holly」も、オールディーズ風で、ポップ性に飢えていた当時の市場のニーズに上手く応えた傑作といえる。

 

「Surf Wax America」の美しいギターのクリーントーンのアルペジオというのは、リバース・クオモのクラシックピアノの演奏者としての蓄積があるからこそ出てきた名曲。いわゆる静から動への劇的な移行というのはグランジと共通した特徴を持ち、この音楽性が大衆に受け要られた要因といえる。

 

「In the Garage」でのリバース・クオモにしか醸し出すことの出来ない内省的なエモーショナルサウンドというのも魅力的といえる。また、ラストトラックのマット・シャープのシンプルで渋いベースラインが印象的な「Only In Dreams」も、ピクシーズに比するポップ性、そして、このバンドとしては珍しく八分近い大作であり、アウトロにかけての激情的な壮大な展開力というのも聞き所です。

 

今作「Blue Album」には、何十年経ってもいまだ色褪せることのない、パワーポップのみずみずしい輝きが宿っています。

 

 

「Pinkerton」1996  

 


日本の浮世絵をモチーフにしたアートワークが印象的な2ndアルバム。リバース・クオモのジャポニズムへの憧憬がここに刻印されている。

 

 

 

 

 

 

 

Tracklisting 


1.Tired Of Sex

2.Getchoo

3.No Other One

4.Why Bother?

5.Across The Sea

6.The Good Life

7.El scorchomj

8.Pink Triangle

9.Falling For You

10. Butterfly


本国アメリカよりも日本でセールスが堅調だった作品で、彼等の良質なポップセンスの妙味は前作よりもこちらのほうがよく感じられるでしょう。

 

彼等がかつてなぜ「泣き虫ロック!?」の異名をとったのかは当該アルバムを聴けば理解してもらえるはず。このアルバムにはデビュー作とは異なる歌曲としての泣きの要素が満載の作品となっています。

 

「Tired of Sex」ではムーグシンセサイザーの使用、そして、デビューアルバムの轟音性とオルタナ性を引き継いだ楽曲。

 

名曲「Across The Sea」では、落ち着いたパワーポップでありながらウィーザー独特のオルタナ風味とうべきか、艶気のあるエモーションによって彩られていて、非常に歌詞とともに切ない青春を思い起こさせる。

 

「El Scorcho」での気楽で陽気なポップソングとしての魅力は、その後の彼等の活動の重要な音楽性の中核を形作ったといえる。

 

また、「Pink Traiangle」はウィーザー節ともいえる泣き満載で、レズビアンのことについて歌われているセンシティブなところのある楽曲で、恋愛ソングの一つとして数えられるが、日本の歌謡曲に対する親和性も感じらるのが興味深い点でしょう。

 

ウィーザーの初期の重要な音楽性を形成していたベーシスト、マット・シャープは、このアルバムを期に脱退し、ザ・レンタルズを結成。



「Green Album」2001

 

 

前作のパワーポップ性をさらに追求していき、良質なギターロック・バンドとしての道を歩み始めたウィーザー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 TrackLisitng

 

1.Don't Let Go

2.Phtograph

3.Hash Pipe

4.Island In The Sun

5.Crab

6.Knockdown Dagout

7.Smile

8.Simple Pages

9.Glorious Day

10.O Girlfriend

 

初期三部作としてはこの作品で一つの音楽性の終焉を迎え、次のステップに進んでいった印象を受ける、いわば彼等の活動の分岐点をなした作品。

 

パワーポップバンドとしての真骨頂、そして、彼等の随一の名曲「Photograph」でのキャッチーさ、ポップ性の高さというのは未だ色褪せない。ウィーザーをワールドワイドな存在としたのは、この曲とアイランドインサンの2曲を書いたからといってもいいはず。誰が聴いても良さを感じられる人を選ばず、癖のないロックソングの王道。

 

「Island in the Sun」は世界的な大ヒットを生み出した曲で、これまでの音楽性からすると、力の良い具合に抜けたギターロックに挑戦していて、彼等の落ち着いた進化を伺わせる名曲ということができるはず。ギターをはじめて間を経ずとも、なんとなくコピー出来てしまう曲として有名です。

 

1st、2ndアルバムでの轟音ロックとしての魅力は物足りない部分を感じさせるかもしれませんが、良質で落ち着いたギターロック・アルバムの金字塔。  



「White Album」2016 

 

 

一時期、ハードロック路線、メタル、またはクラブミュージック路線を追求していたウィーザーが原点回帰をはたしたようなアルバム。

 

彼等の良質なポップ性というのはいまだに失われていなかったと全世界に証明してみせた作品です。

 

 

 

 

 

 

 

 TrackListing

 

1.Calfornia Kids

2.Wind in Our Sail

3.Thank God For Girls

4.(Girl We Got A) Good Thing

5.Do You Wanna Get High?

6.King Of The World

7.Summer Elaine and Drunk Duri

8.L.A.Girlz

9.Jacked Up

10.Endless Bummer


しかし、一巡りしてまた同じところに戻ったかという訳ではなく、現代のロックバンドとしての新たな進化もまた如実に感じられる。

 

「Calfornia Girl」では、「これぞ、ウィーザー!」とも言える楽曲で、かつてのパワーポップ性をよりパワフルにして蘇らせた名曲です。

 

また、同じように、「L.A.Girlz」での掴みやすい、切なさ、泣き感フレーズ満載の音楽性というのも、デビューアルバムのみずみずしさを取り戻したような雰囲気、この楽曲は往年のファンを唸らすだけでなく、新しいファンを獲得する要因ともなったはず。

 

また、そういった原点回帰としての音楽性も込められながら、「I Love the USA」では、現代のロックバラードとしての当時の最先端を追求した楽曲。このあたりのクラブ・ミュージックを経たからこその音楽性というのもまたいかにもウィーザーらしい進化の仕方といえるかもしれません。

 

本作「White Album」は、彼等四人の音楽に対する深い愛というのが感じられる作品で、聴いていると心がほんわかしてくる不思議な力のある作品。

 

 さて、いまだ衰えというのを見せないウィーザーの快進撃!! これからどのような名作を誕生させてくれるのか? このアルバムを聴けば、その期待感はいやますばかりだ。

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