Weekly Recommnation/ Norah Jones 「I Dream Of Christmas」

Norah Jones 


ノラ・ジョーンズはニューヨーク州ブルックリンを拠点に活動するピアノ弾き語りのジャズシンガーです。


ジャズを中心とし、ソウル、カントリー、フォーク、と間口の広い音楽性をポップスに込め、世界中の多くの聴衆を虜にしてきました。ハイスクール時代から、最優秀ジャズ優秀賞を受賞。その後、ジャズ北テキサス大在学中にジャズ・ピアノを専攻しつつ、ラズロというジャズ・ロックバンドで活動しています。


大学三年生の時、友人に誘われ、ニューヨークのマンハッタンに旅行をする。テキサスからニューヨークへの長い旅において、ノラ・ジョーンズはマンハッタンに居を構える多くのソングライターたちに大いに触発を受け、それ以後、ウェイトレスとして働きながら、ソングライティングを始める。この頃から、ジェシー・ハリス、リー・アレクサンダー、ドン・リーザーと一緒にバンド活動に専念するようになります。


大歌手ノラ・ジョーンズとしての人生の分岐は、2000年に訪れました。本場ニューヨークのブルーノートで、バンドのデモ曲を2000年10月にレコーディング。


これは「ファーストセッションズ」という形式でリリースされましたが、現在は廃盤となっています。


しかし、この録音の際に、ブルーノートのブルース・ランドヴェルが彼女の類まれなる才覚を見抜いており、それから見事、その後、ジョーンズは晴れて、翌年の2011年の1月、ブルーノートとの契約に漕ぎ着けました。


2001年5月には、グレイグ・ストリートをプロデューサーに迎え入れ、デビュー作「Come Away With Me」のレコーディングを開始。


同年8月には、アリフ・マーディンをエンジニアに招き、この作品は、翌年の2月になってようやくリリースされることになる。「Come Away With Me」がリリースされる間もなく、このデビューアルバムの評判はあっという間に広がり、各国のチャートで一位を独占。「Don't Know Why」を始め、親しみやすく、ジャズ風のアレンジメントを加えたポップ・ソングは、多くの人々を魅了し、世界で大ヒットを記録しました。



デビューアルバム「Come Away With Me」で、ノラ・ジョーンズは、2003年のグラミーを総なめ。スタジオ・アルバムとして、最優秀賞、最優秀ポップ・ヴォーカル・アルバム賞、最優秀録音賞)三冠に輝く。またシングル・カットされた大ヒット曲「Dont't Know Why」は、優秀レコード賞、最優秀楽曲賞、最優秀女性ポップ・ヴォーカル・パフォーマンス賞の三冠に輝いています。


しかし、ノラ・ジョーンズ本人は、レコーディングの最中から、グラミー獲得の期間まで、アリフ・マーディンという著名なエンジニアとのやり取りというのも恐れ多いという感じであったといい、また、このデビュー作で得ることになる世界的な成功については完全な想定外であったと回想しています。


その後、2004年、2ndアルバム「Feels Like Home」をリリース、アルバムチャートで4週連続一位を獲得、累計4000万枚のセールスを記録。そして、見事、翌年のグラミー賞三部門の栄冠に輝いています。しかし、この後ノラ・ジョーンズは、過分な注目を受けたことに戸惑いを感じ、2005年の春、コンサートとレコーディングを取りやめ、三年余り活動を休止することになります。


2007年にノラ・ジョーンズは、ついに三年間の沈黙を破り、サード・アルバム「Not Too Late」を発表を行う。デビュー以来初めてノラ・ジョーンズ自身が作詞、作曲を担当している作品で、レコード会社の方もこのリリースについては何も知らされていなかった。つまり、世界的なインディー作品といえます。


また、2009年から、ノラ・ジョーンズはコンスタントに作品を発表しており、「The Fall」「Covers」「Little Broken hearts」「Day Breaks」「Begin Up Me」と、以前ほどの注目こそ集めていないものの、聞きやすくて、親しみやすいジャズ・ポップをリリースして活発な創作意欲を見せています。


昨年、2020年には力作「Pick me Up Off The Floor」を発表し、実力派のSSWとしての底力を発揮しており、いまだ才気煥発なポップシンガーとしての進化を見せています。


ノラ・ジョーンズの最初のグラミー賞でのビッグサクセスは寧ろ序章、これから本章がやってくる女性シンガーとして、あらためて注目したいポップシンガーの一人でしょう。


Norah Jones「I Dream Of Christmas」2021 Blue Note

 

さて、今週の一枚としてご紹介させていただくのは、前週のスペシャルズのプロテスト・ソングに続いて、クリスマスソングカバー「I Dream Of Christmas」となります。おなじみのブルーノートからのリリースで、ノラ・ジョーンズの初めてのホリデイ・ソング集のリリースとなります。


 

 


TrackLisiting


1.Chrismas Calling(Norah Jones)

2.Christmas Don't Be Late(Ross Bagdasarian,Sr.)

3.Christmas Glow(Norah Jones)

4.White Christmas(Irving Berlin)

5.Christmastime(Norah Jones&Leon Michesls)

6.Blue Christmas(Billy Hayes & Jay W.Johnson)

7.It's Only ChristmasOnce A Year(Norah Jones)

8.You're Not Alone(Norah Jones & Leon Michels)

9.Winter Wonderland(Richard B.Smith & Felix Bernard)

10.A Holiday With You(Norah Jones)

11.Run Rudolph Run (Johnny Marks & Marvin Brodie)

12.Christmas Time Is Here(Lee Mendelson & Vince Guaraldi)

13.What Are You Doing New Year's Eve?(Frank Loesser)


 

※ボーナス・バージョンは、14曲目に、Oh Holy Night(Traditional arranged by Norah Jones & Leon Michesls)が追加収録されています。

 

六曲のオリジナルソングに加え、往年のクリスマソングの名曲をバランス良く収録した傑作で、「White Christmas」「Winter Wonderland」を始め、聴くと聞き覚えのある永遠のクリスマスソングがずらりと並び、ゴージャスなラインナップとなっています。もちろん、少し早いクリスマスソングとして聞きつつ、来月にやってくるであろうファンタスティックなクリスマスを待ちわびるという楽しみ方もありでしょう。


しかしこのアルバムは、凡百のカバーアルバムのように、ただのカバー作品として評価するのは礼に失する創意工夫がこらされた作品であり、ジョーンズ自身の愛するクリスマスソングを収録したカバーアルバムであるとともに、オリジナルの新作として聴く事も出来なくはない聴き応えのある豪華なクリスマス作品で、ジョーンズが新たな音楽性でまだ見ぬ境地を切り開いたということが理解してもらえると思います。


この新作のクリスマス・カバーアルバム「I Dream Of Christmas」を聴いてあらためて思ったのは、このノラ・ジョーンズというシンガーの本領がいかに素晴らしいものであるのかということです。今作品を聴いていると、かのエタ・ジェイムズが、もしくは、かのアレサ・フランクリンが現代に蘇ったのではないかと聴き紛うほどの奇妙な歌手としてのオーラの大きさが感じられます。


今作では、デビュー当時、いや、それを上回るような水準においてのノラ・ジョーンズの本格派のジャズシンガーとしての本領が存分に発揮され、ここには心を震わさせる「魂」が込められており、また、以前よりも自信を持って歌っているような雰囲気があって、往年のファンとしては何かしら頼もしさすら感じます。


デビュー当時の存外のビックサクセスにおいて、ノラ・ジョーンズが歌手であることに対する戸惑いを乗り越えた先に見出した「本物の歌手」としての凄まじい底意地が感じられます。


そして、このレコーディングの風景を実際に見たわけでもないにもかかわらず、異質な迫力、往年の名シンガーの祖霊が宿ったかのような雰囲気が漂い、例えば、エタ・ジェイムスに比する凄まじいシンガーとしてのオーラを感じる作品に仕上がっています。


10月14日にリリースされたばかりのこのクリスマスソング集「I Dream Of Christmas」には、制作秘話があり、ノラ・ジョーンズは、昨年のパンデミックの厳しい状況下で毎週の日曜日にクリスマスソングを聴きながら厳しい状況下において大きな慰みを見出し、人生の活力を保ち続けていたようです。


ジョーンズは、ある日には、ジェームス・ブラウンの「ファンキークリスマス」を聴き、また、次の週にはエルヴィス・プレスリーの「クリスマス・アルバム」を聴いていたようです。これらの素敵なクリスマスソングが、彼女に歌手として、リスナーに音楽という希望=ギフトを与えるという動機を与えたことは間違いありません。その人生経験を元に、ジョーンズは今回のカバーアルバムの構想を入念に組み上げていきました。


ノラ・ジョーンズは、プレスリリースの会見時には、「2021年1月、私は自分のクリスマス・アルバムを制作することを思いついたんです。それは、私に大きな楽しみをあたえてくれました」と語っています。


オリジナルアルバムの一曲目「Christmas Calling(Jolly Jones)」は、ジョリー・ジョーンズというウィットが効いたユニークさが感じられる(Jolly jonesはHappyの意)新曲で、「Christmas Grow」をはじめとするオリジナルソングと共にこの偉大なシンガーソングライターの新たな代名詞、次なるライブレパートリーともなりえる素晴らしさ。


また、きわめつけは、リードトラック「「Christmas Calling(Jolly Jones)では、このように、楽しげに、来月にやってくる仕合わせなクリスマスに対する大きな期待と希望が子供のような無邪気さで歌われています。


”音楽の演奏を聴きたい

踊り、笑い、揺れたい、

クリスマスの幸せな休日を過ごしたい”

 

 

Featured Track「Chrismas Calling(Jolly Jones) 

Norah Jones Official Visualizer
Listen On youtube:

 https://m.youtube.com/watch?v=0iFK2NiyvDg&feature=emb_imp_woyt


 

Norah Jones Offical HP

https://www.norahjones.com/