ラベル Indie Folk の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル Indie Folk の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示


ギタリスト兼作曲家のロビン・カッツが、今年5月27日に新作アルバム『Hypnos』をロンドンのレーベル、Gearboxからリリースします。この発表に合わせて、最初の先行シングル「The Moon」が配信開始。


ロビン・カッツはジプシー・ジャズ、ノマド・フォーク、フラメンコ、ロック、ブルース、新古典派音楽の狭間に位置するスタイルが特徴で、そのサウンドは叙情的で魂に響き、唯一無二の認識性を備えている。


ロビンはアルバムについて次のように述べている。
 
 
「『今作では、削ぎ落とされた超シンプルなものを創りたかった。これらの楽曲は当初、ソロ・ギターのための練習曲として書かれたもので、ジャンゴ・ラインハルトとフィリップ・グラスを聴き続けてきた僕が愛してやまない音楽からインスパイアされた幅広い影響を反映している」
 
 
「ナイロン弦のギターと普段一緒に聴かない楽器を組み合わせたかったからハモンド・オルガンを組み込んだ。ハモンドは僕にとってゴスペルやウェス・モンゴメリーのクラシックなオルガン・トリオを想起させるソウルフルでファンキーな響き、そして非常にスピリチュアルな音なんだ」
 
 
「ナサニエル(・レドウィッジ)にハモンドを演奏してもらい、この象徴的な楽器の柔らかい側面を表現できたのは本当に恵まれたことだった。”ヒプノス”とはギリシャ神話の眠りの神であり、夢の神モルペウスの父のことを示す。このアルバムは夢幻的で催眠的で外の世界の狂気から逃れる、短い眠りのような逃避行なのか? そうであることを願っています」
 

幼い頃からフラメンコの情感豊かな音色に影響を受け、ロマ音楽とスウィング・ジャズを融合させたジプシー・スウィング(マヌーシュ・スウィング)の創始者、ジャンゴ・ラインハルトの卓越した技に感化されたロビン。
 
 
幼少期をスペインで過ごした彼は、5歳の頃から母親に連れられて、フラメンコのコンサートに通った。中でも印象的だったのが、スペインのギタリストでフラメンコやジャズの分野で活躍するパコ・デ・ルシア。その後、13歳の時にはガンズ・アンド・ローゼズのギタリスト、スラッシュに夢中になった。誕生日に母親がギターをプレゼントしたことから自らも演奏するように。
 

今年5月にリリース予定の最新アルバム『ヒプノス』は、一聴すると単純そうだが、実に複雑なギター・ラインにゲスト・ミュージシャンのナサニエル・レドウィッジが演奏するハモンド・オルガンが絡み合った、表現力豊かな1枚に仕上がっている。オルガンの演奏は大気的で異世界的でありながら、ロビンの繊細で切ない楽曲に魂のこもった親密な対位法をもたらしている。
 
 
その最初の味わいは収録曲「The Moon」に表れている。満ち引きする月の潮汐を思わせる同楽曲では、うねるような瞑想的なナイロン弦のフィンガー・ピッキングが、幽玄なオルガンのうねりを巡って踊るように響いている。ジプシー音楽とクラシックギターをかけあわせた物悲しくも深みのある一曲。同楽曲のオーディオビデオが公開されている。ぜひチェックしてみよう。
 

「The Moon」
 
 
ロビン・カッツは昨年のクリスマスに、坂本龍一の代表曲で、大島渚監督の映画『戦場のメリー・クリスマス』のテーマ曲「Merry Christmas, Mr. Lawrence」のカバーをリリースした。
 
 
Robin Katz 『Hypnos』



アーティスト名:Robin Katz(ロビン・カッツ)
タイトル名:Hypnos(ヒプノス)
品番:GB4013CD (CD) / GB4013 (LP)
発売日:2026年5月27日(水)
レーベル:Gearbox Records

Credits:
Robin Katz: Guitar
Nathaniel Ledwidge: Hammond Organ
Compositions by Robin Katz
Produced by Robin Katz and FREEMONK
Recorded and Mixed by FREEMONK at The Friary Studios
Mastered by Caspar Sutton-Jones at Gearbox Productions



▪アルバム『Hypnos』プレオーダー受付中! 
 



▪ニューシングル「The Moon』のストリーミングが開始
 
 

<トラックリスト>
(CD)
1. Floating World
2. Kingdom
3. The Moon
4. My Friend Kushi
5.  Stargazer
6. Silent Forest
7. Ukiyo
8. Hypnos

(LP)
Side-A

1. Floating World
2. Kingdom
3. The Moon
4. My Friend Kushi
Side-B

1. Stargazer
2. Silent Forest
3. Ukiyo
4. Hypnos
 


バイオグラフィー:
 
ジャズの伝統に根ざし、フラメンコ、ボサノヴァからネオクラシック、ソウルに至る多様な影響を受けながら形成されたギタリスト兼作曲家のロビン・カッツは、ディスクロージャー、ルーベン・ジェームス、ザ・ロンドン・ジャンゴ・コレクティブ、ジョセフ・ローレンスらとイギリス各地で幅広く共演。
 
2024年にリリースした、トランペッターのガイ・バーカーとの共作によるデビューEP『オーシャンズ・フォー・エロス』で彼の広大な音楽的表現が披露され、その後、Freemonkがプロデュースしたセカンド・アルバム『ロック・ミュー ジック』を2025年にリリース。
 
 
同年12月には、坂本龍一の楽曲のカヴァー「Merry Christmas Mr.Lawrence」を配信リリースしている。2026年、アルバム『ヒプノス』を発表。


フィラデルフィアのシンガーソングライター、グレッグ・メンデスがDead Oceansから初のフルアルバム『Beauty Land』を5月29日にリリースすることを明らかにした。本作の大部分は自宅スタジオで直接テープに録音された。


アルバムのオープニングトラックとなる「I Wanna Feel Pretty」が公開された。この曲は、オーケストレーションが加わる前は、彼の『ファースト・タイム/アローン』の素朴な楽曲とよく似た始まり方をしている。

 

ライアン・スカラボジオがミュージックビデオを監督し、メンデスはこう語っている。「私は幼少期の大半を郊外で過ごし、アメリカン・ドリームに囲まれて育った。壮大で孤独な、ストリップモールと住宅開発地。消費主義と大衆文化の再構築の聖堂。 店は町のために建てられたのではなく、町は店のために建てられた。誰も本当の意味で属していない。夢は匂い立つほど近くにあるが、手を伸ばせばすぐ通り抜けてしまう——約束のホログラム。この映像にそんな感覚を込めたかった」と語っている。


「I Wanna Feel Pretty」

 

 

Greg Mendez  『Beauty  Land』

Label: Dead Oceans

Release:  2026年5月29日

 

Tracklist:

1. I Wanna Feel Pretty

2. Looking Out Your Window

3. Mary / Dreaming

4. Everybody Wants To Be Your Friend (Except Me)

5. Gentle Love

6. Frog

7. It Breaks My Heart

8. Sunsick

9. No Evil

10. Geranium

11. Interlude in D Minor

12. Serving Drinks

13. So Mean

14. Concussion

 

▪Pre-order: https://greg-mendez.lnk.to/i-wanna-feel-pretty


ロサンゼルスの新進気鋭のシンガーソングライター、Ian Cobiella(イアン・コビエラ)は、クラシックの基本的な訓練とキューバ/ボリビアのルーツが融合した音楽的な背景を持ち、フォーク、オルタナティブ、クラシックのソングライティングの伝統からインスピレーションを得ています。内的な不快感を素通りせず、向き合い、感情の誠実さを導き手とする楽曲制作を追求している。過剰さより親密さを重視したプロダクションは、過ちや試みをありのままに増幅させる。 

 

今週、コビエラがリリースした新曲「Trial By Fire」は驚くほど宣言的で内省的な楽曲であり、完全にコミットする勇気と、結果を悔やまず、受け入れる姿勢を探求しています。アコースティックギター中心のフォーキーなソングライティング、そしてアトモスフェリックなコビエラの歌声が美麗な印象を放つ。本作はまた、ソングライターの寝室をもとにした日常の情景を映し出す映画的な映像と共に公開された。映像には、日本の旅行ガイドブックなども映し出される。


断定的でありながら内省的な最新シングル「Trial By Fire」は流れに身を委ねる勇気と、結果を苦々しさなく受け入れる姿勢を探求する。 プロデューサー兼ミキサーのジャクソン・ヘイルとの思慮深い歌詞と控えめなプロダクションを通じ、イアン・コビエラは努力、脆弱性、真実を根幹に据えた音楽の領域を切り拓く。

 

イアン・コビエラは新曲について、説明している。「最近、ただそれ自体のために過去を見つめ直す時間を過ごした。全てを正直に受け止め、その滑稽さと不変性の中で自分自身を笑うために」 『Trial By Fire』はまさにその感覚を捉えている――全力を尽くし、逆の結果を得ながらも、なぜかそれでいいと思えること。これまで避けてきたテーマと向き合いたかった。宣言も挑戦も愛している。それらは何よりも勇気を宿している。私は全力を注ぎ、最善を尽くしている」


「Trial By Fire」 

 

 

▪EN 

Leaving behind classical piano to pursue songwriting, Ian Cobiella is a Los Angeles singer-songwriter who blends classical training with the influence of his Cuban-Bolivian upbringing. 

 

He draws inspiration from folk, alternative, and classical songwriting traditions, seeking to write songs that sit with discomfort rather than rushing past it, and letting emotional honesty lead the way. His production favors intimacy over excess, magnifying missteps and attempts for what they are. 


His latest single, "Trial By Fire", embodies this approach. Declarative and reflective, the song explores the courage it takes to commit fully, and accept outcomes without bitterness. Through thoughtful lyricism and understated production with his producer and mixer Jackson Haile, Ian Cobiella continues to carve out a space for music rooted in effort, vulnerability, and the truth. 

 

He shares, "I’ve recently spent some time looking at my past just for the sake of it; to be honest about it and to laugh at myself, in all of its ridiculousness and immutability. 

 

"Trial By Fire" captures exactly what that feels like––giving everything I can, getting the opposite outcome, and somehow being fine with it. I wanted to wrangle with some themes I’ve been uncomfortable exploring before. I love declarations, I love attempts; these to me hold more courage than anything. I’m giving it my all and trying my best."





ルーツ音楽に根ざしたハートランド・バンド、マット・ジョーンズ・アンド・ザ・ボブス(Matt Jones And The Bobs)の新曲「You Stood Still」とミュージックビデオをリリースした。ミュージシャンはKEXPに出演している。

 

アメリカナとフォークロックが融合したこのアンセムは、心の弱さと時代を超えた物語に根ざした心温まる楽曲です。この曲は「世界が崩壊しそうに感じられる時、私たちを地に足をつけさせてくれる人々への賛歌」です。


「友情と愛、そして決して揺るがないたった一人の存在に見出す平穏について歌っています」とマット・ジョーンズは語る。「人生が混乱しても、正しい人があなたを支えてくれるという、静かな確信を思い出させてくれる曲です」

 

温かみのある重層的なギターとメロディックなリフが紡ぐ爽やかなサウンドスケープに寄り添い、マットのボーカルが誠実さと魂で楽曲をしっかり支えています。 ミュージックビデオでは、港や展望台、公園の木陰など、故郷の心地よい場所で演奏する彼の姿が映し出され、苦闘の只中で静けさを見出すという楽曲のテーマを反映している。


バージニア州南西部の中心地出身のMatt Jones and The Bobsは、故郷の物語の時代を超えた温かさと、日常生活の美しい本質を捉えています。 

 

アヴェット・ブラザーズやオールド・クロウ・メディスン・ショーといったアメリカン・ストーリーテラー、ジョン・プラインやジャクソン・ブラウンのソングライティングの深み、ザ・バンドやトム・ペティといったクラシックなフォークロックのアイコンから影響を受けつつ、バンドは心、気骨、メロディを融合させ、彼らが育った90年代のオルタナティブロックやポップへのオマージュを込めている。 


▪Matt Jones and the Bobs

 

バージニア州南西部の中心地から現れたマット・ジョーンズ&ザ・ボブスは、2011年の結成以来、生々しい感情と時代を超えた物語を織りなしてきた。 

 

バンドはラドフォード大学在学中に結成され、マット・ジョーンズ(ボーカル、ギター)と「ザ・ボブス」の愛称で親しまれるバンドメンバーたちは、アメリカン・ミュージック、ルーツ・ミュージック、クラシック・ロックへの共通の情熱を、聴く者の心に深く響く独自のサウンドへと昇華させた。 

 

大学在学中の2014年にリリースされたデビューアルバム『Brother's Hymn』は、彼らの音楽世界への旅の始まりを告げた。小さな町の生活、愛、喪失、成長に伴う日々の葛藤の本質を捉えた楽曲群は、誠実なソングライティングと力強い演奏で瞬く間に熱心な支持層を獲得した。 


しかし若き日に始まった多くのバンド同様、彼らの道程は平坦ではなかった。音楽への情熱を注いだ数年後、マット・ジョーンズ・アンド・ザ・ボブスのメンバーは2015年に活動を一時休止。各々が個人のキャリア、ビジネス、起業活動へと進んだ。 

 

バンドは活動休止状態に入ったが、長年を通じて共に音楽を作り上げてきた絆は決して壊れることはなかった。10年間、メンバーはそれぞれの世界で成功を収めたが、音楽への引力―ルーツとの繋がり、物語を紡ぐこと、共有した経験―は常に存在し、水面下でくすぶり続けていた。

  

時は2024年。マット・ジョーンズ&ザ・ボブスは再結成を果たし、新たなエネルギーと目的を持って彼らの代名詞とも言えるサウンドを蘇らせた。10年ぶりに音楽の世界に戻ってきたが、アメリカン・ルーツ、フォーク、サザンロックに根ざした彼らの音楽性は、これまでと変わらず力強い。 

 

しかし、この新たな章には新鮮な変化が加わっている——90年代の影響をほのかに感じさせる要素、グランジの荒々しさ、そして確立されたサウンドを補完するより豊かな楽器編成だ。それでも彼らの音楽の核心は揺るぎない。人生、愛、失恋、そして人間らしさを形作る勝利と試練の感情的な本質を捉えようとする姿勢である。

  

バンドの楽曲制作はまさに象徴的であり、物語性と深い脆弱性を融合させている。各楽曲は一つの物語——マット・ジョーンズの極めて個人的な歌詞を通して人間体験を垣間見せるものだ。愛と失恋の物語から、死や苦闘、そして歩み続けるために必要な忍耐への省察にいたるまで、その音楽は聴く者の心に響き続ける。 それは懐かしくも新鮮な響きであり、人生の浮き沈みを巡るノスタルジックな旅路——まるで古くからの友人が耳元で囁くような感覚をもたらす。

  

マット・ジョーンズ&ザ・ボブスの音楽は単なる楽曲の集合体ではない。それは存在の高揚と挫折を再び体験する招待状だ。 

 

この音は、あなたを個人的に重要な瞬間に連れ戻すだろう。そこでは、人生の苦闘と喜びが共感できるだけでなく、成長に不可欠なものとして感じられる。一音一音で、彼らは聴衆に自らの物語を受け入れるよう招き、この旅路に一人ではないという認識の中に慰めを見出させるのだ。

  

キャリアの新たな興奮に満ちた段階へと踏み出すマット・ジョーンズ・アンド・ザ・ボブスは、ルーツを尊重しつつ新たな音の世界を探求し続けている。彼らは成長し、進化したが、バンドの核心——彼らが愛される原点となった魂——は今なお力強い。 

 

マット・ジョーンズ・アンド・ザ・ボブスは単なる復帰ではない——彼らは前進している。かつてないほど力強く、確固たる決意をもって自らの物語を世界に届けようとしている。時代を超えながらも新鮮な音楽で、彼らはリスナーの心に消えない刻印を刻み続ける準備が整っている。その始まりとなるのが、2枚目のスタジオ・フルアルバム『Matt Jones and the Bobs』である。


同時に公開されたミュージックビデオでは、故郷の港や展望台、公園の木陰など安らぎの場所で演奏する彼の姿が映し出され、苦闘の只中で静けさを見出すという楽曲のテーマを反映している。

 

「You Stood Still」 



▪EN

Emerging from the heart of Southwest Virginia, Matt Jones and The Bobs have woven a tapestry of raw emotion and  timeless storytelling since their formation in 2011. The band first came together during their time at Radford University,  where Matt Jones (vocals, guitar) and his bandmates—affectionately known as “the Bobs” —took their shared passion  for Americana, roots, and classic rock, and transformed it into a sound that resonated with listeners on a deeply  personal level. Their debut album, “Brother's Hymn”, released in 2014 while they were still in college, marked the  beginning of their journey into the world of music. With tracks that captured the essence of small-town life, love, loss,  and the everyday struggles that come with growing up, the album quickly gained a loyal following for its honest  songwriting and gritty performances. 


But like many bands that start in their youth, the road ahead was not without its twists and turns. After years of intense  dedication to their music, the members of Matt Jones and The Bobs took a step back in 2015, each pursuing individual  careers, business ventures, and entrepreneurial pursuits. The band entered a hiatus, but the bonds forged through  years of creating music together remained unbreakable. For ten years, the members thrived in their own respective  worlds, but the pull of music—the connection to their roots, their storytelling, and their shared experiences—was  always there, simmering under the surface.

  

Fast forward to 2024, and Matt Jones and The Bobs have reunited, bringing their signature sound back to life with  renewed energy and purpose. Though they’ve stepped back into the world of music after a decade, their roots in  Americana, folk, and southern rock remain as strong as ever. However, this new chapter carries fresh twists—a subtle  infusion of 90s influences, a bit of grunge grit, and more expansive instrumentation that complements their established  sound. The heart of their music remains, however, unwavering: a commitment to capturing the emotional essence of  life, love, heartbreak, and the triumphs and trials that make us human.

  

The band’s songwriting is nothing short of iconic, blending storytelling with profound vulnerability. Each song is a  narrative—a glimpse into the human experience through the lens of Matt Jones' deeply personal lyrics. From tales of  love and heartbreak to reflections on death, struggle, and the perseverance needed to keep going, the music  continues to strike a chord with listeners. It’s a sound that feels both familiar and fresh, a nostalgic journey through the  ups and downs of life that feels like an old friend whispering in your ear.

  

The music of Matt Jones and The Bobs isn't just a collection of songs; it’s an invitation to relive the highs and lows of  existence. It’s a sound that will transport you back to moments of personal significance, where the struggles and joys  of life feel not only relatable, but necessary for growth. With each note, they invite their audience to embrace their own  stories, finding solace in the knowledge that they are not alone in the journey.

  

As they step into this exciting new phase of their career, Matt Jones and The Bobs continue to honor their roots while  exploring new sonic territory. They’ve grown, they’ve evolved, but the heart of the band—the soul of what made them  so beloved in the first place—is as powerful as ever. Matt Jones and The Bobs aren’t just back—they’re  stepping forward, louder, stronger, and more determined than ever to share their stories with the world. And with  music that is as timeless as it is fresh, they are ready to continue leaving an indelible mark on the hearts of their listeners beginning with their second full studio self titled album "Matt Jones and the Bobs".


Their latest single is an Americana-meets–folk rock anthem is a heartfelt track rooted in vulnerability and timeless storytelling. The song is "a tribute to the people who keep us grounded when the world feels like it’s falling apart. It’s about friendship, love, and the calm you find in the one person who never waivers," Matt Jones shares. "It’s a still reminder that even when life spins out, the right person can hold you steady.” Leaning into breezy soundscapes driven by warm, layered guitars and melodic riffs, Matt's vocals anchor the track in honesty and soul. The music video features him performing in comforting places in his hometown like the harbor, lookout point, and under a tree in the park, echoing the song's theme of finding calm in the midst of struggle.



メルボルン在住オーストラリア人シンガーソングライター、Tamas Wellsはメルボルン大学で東アジアの政治学を研究する傍ら、ソングライターとして活動を行っている。昨年から「Please Don't Leave/It's Not Right That You're, Madison」から三作のシングルを立て続けに発表している。


今回のシングル「A Comet Is Coming」は、タマス・ウェルズによるアコースティックギターによる弾き語り曲で、悲しみと温かさが混在する良質なフォークソングである。ビートルズやサイモン&ガーファンクルの音楽性を彷彿とさせる、ほろ苦いボーカルのラインが特徴となっている。


ーーだって近いうちに/彗星がやって来て/私たちは皆滅びるだろう/悪い映画に出てくる連中みたいに踊って祈ろうって言う奴らになるのか?/それとも軌道から外そうとする者たちになるのか/ロケットを打ち上げて炎の中で気づくのか/結局みんな死ぬだけだと気づくのか?ーーという歌詞は、ディープインパクトをはじめとする救世の映画のシナリオをなんとなく思い起こさせる。


「A Comet Is Coming(彗星が地球に衝突する)」という、ありふれた題材のローファイな映画を題材に、タマスらしい儚げなポップさをもつインディー・フォーク作品に仕上がっている。


同楽曲は2023年のアルバム『To Drink up the Sea』をプロデュースしたGreg J. Walker (Machine Translations)との共同プロデュース。オーストラリアの映像クリエイター、Celia Celiaが手がけた愛らしいアニメーションのMVも必見です。



「A Comet Is Coming」



Tamas Wells 「A Comet Is Coming」(And We're All Doomed)- New Single



アーティスト:Tamas Wells

タイトル:A Comet Is Coming (And We're All Doomed)

リリース日:2026年2月16日

フォーマット:デジタルダウンロード/ストリーミング

ストリーミング:  https://lirico.lnk.to/tw-acometiscoming

Dash Hammerstein
 

ブルックリンのフォークシンガー、Dash Hammerstein(ダッシュ・ハマースタイン)が今週末、セルフタイトルのフォークアルバムをリリースした。

 

ハマースタインは、ビル・キャラハン、マック・デマルコといった北米の名うてのミュージシャンを彷彿とさせる、力が抜けたフォークミュージックをバロックポップのような懐かしのサウンドで包み込む。また、ハマースタインのフォークポップソングにはムーンドッグのようなジャジーな吹奏楽器が登場する。これらが混在し、渋く甘く切ないムード音楽を作り上げる。


ダッシュ・ハマースタインは現代的な制作理念とブライアン・イーノ、ムーンドッグのような個性的なアーティストのラフなメロディックさを融合させた楽曲で知られるソングライター兼映画作曲家。Netflix、Hulu、HBO、PBSなど数多くのプロジェクトで音楽を手掛けてきた。さらにキンクス風のフォークポップアルバムや新古典派音楽を発表し、アディダスやトヨタ(今シーズンのスーパーボウルCMで放映中)など国際的な商業キャンペーンに楽曲が採用されている。


彼の作品はとくに映画業界で高評価を受けている。サンダンス映画祭、トライベッカ映画祭、DOC NYCで初公開されただけではなく、Netflix、Hulu、HBO、PBSなど数多くのプロジェクトの音楽を手がけている。さらにソロアーティストとしては、キンクス風のフォークポップと新古典主義音楽を融合したスタジオアルバムを10枚発表している。その楽曲はアディダスやトヨタなど、国際的な商業キャンペーンに使用されている。近年ではニューヨークの演劇シーンに深く関わり、開発中のミュージカル作品の数々で脚本執筆やコンサルティングを担当している。


セルフタイトルの最新アルバムは、新たに発見した創造的な冷静さと実験の期間から生まれた、11曲の室内フォークコレクションである。ハマースタインは自作について以下のように語る。


「『Dash Hammerstein』は、私の10枚目のフルアルバムになるのですが、タイトルに私の名前をつけるのはこれが初めてでした。 ビル・キャラハンやジョン・プラインといったフォークソングライターの哀愁を帯びたユーモラスな歌詞、そしてフランク・ローサーのような偉大なミュージシャンのユーモアに刺激を受け、このアルバムは何よりも誠実さを最優先しています」


「音楽はすごくシンプルで、各楽曲は複数のレベルで機能するよう作られています——小さなディナーパーティーのBGMとして心地よく溶け込みつつ、繰り返し集中して聴くことで深みを現すでしょう。弦楽器、管楽器、木管楽器による数曲のゲスト参加を除いて、全トラックは私が作詞・作曲・演奏・ミキシングを担当しました。その結果生まれたのは、深く個人的な室内フォークのコレクションであり、この作品と向き合う方々に共鳴してもらえればと願っています」

 


「Anyone Can Catch」

 

 

Dash Hammerstein 『Dash Hammerstein』




▪️EN

Dash Hammerstein is a songwriter and film composer known for crafting scores that blend a modern production ethos with the ramshackle melodicism of idiosyncratic artists like Moondog and Brian Eno.  

 

His work has premiered at Sundance, Tribeca Film Festival and DOC NYC, and he has scored projects for Netflix, Hulu, HBO, PBS and many more.  

 

In addition, he has released ten studio albums of Kinks-inflected folk pop and neo-classical music, which has been licensed for international commercial campaigns by brands including Adidas and Toyota.  In recent years, he's gotten more involved in NYC's theatre scene, writing and consulting on a number of musicals in development.


His latest album is the self-titled Dash Hammerstein, an eleven-track chamber folk collection which came out of a period of newfound creative sobriety and experimentation. 

 

He shares, "Dash Hammerstein is my tenth full length album but the only one with my name in the title.  Fueled by the plaintive and droll lyricism of folk songwriters like Bill Callahan and John Prine, along with the humor of musical greats like Frank Loesser, the album puts honesty before all else.  

 

The music is simple, each song crafted to work on multiple levels - living comfortably in the background of a small dinner party, and revealing depth on repeated and focused listens.  But for a few friendly guest appearances on strings, horns, woodwinds, each track was written, performed and mixed by me.  The result is a collection of deeply personal chamber folk that I hope will resonate with those who spend time with it."

 

 



ニューヨークを拠点に活動するインディーフォークシンガー、Dash Hammerstein(ダッシュ・ハマーシュタイン)の新曲「Noise Machine」は心地よいリズムと渋いボーカルを兼ね備えた一曲となっている。ビートルズの『ホワイト・アルバム』や古典的なミュージカルに触発を受けたという。


ザラっとしたアコースティックギター、フォークの柔らかいドラム、そして優しく囁くようなハマーシュタインのボーカルをとりまくようにして、鍵盤楽器、弦楽器や管楽器がゆらめく。ワンコーラスを膨らませたような曲だが、そのシンプルさが耳に残る心地よい響きを生み出す。


ダッシュは、この曲について次のように語っている。「''ノイズ・マシン''は、ホワイトノイズアプリの『小屋の豪雨』設定への依存からインスピレーションを得たシンプルな曲です。  外で雨が降っている時、窓を閉めて人工の雨音を流しながら眠りにつくことがある。木管楽器(マイケル・サックスによる編曲・演奏)は、『ホワイト・アルバム』時代のマッカートニーや古いミュージカルホールのレコードからインスピレーションを得ており、この少々間抜けな心情にふさわしいユーモラスな雰囲気を添えています。『本物より人工的なものを選んだ』という選択です」


ダッシュはこれまでに、Netflix、Hulu、HBO、PBSをはじめ、多数のプロジェクトで音楽を手がけている。さらにキンクス風のフォークポップアルバムやネオクラシック音楽も発表しており、アディダスやトヨタなど国際的な商業キャンペーンでライセンス供与されている。 


ダッシュ・ハマースタインは、現代的な制作理念とムンドッグやブライアン・イーノのような個性派アーティストの荒削りなメロディックさを融合させた楽曲で知られるソングライター兼映画作曲家である。彼の作品はサンダンス映画祭、トライベッカ映画祭、DOC NYCで初公開され、Netflix、Hulu、HBO、PBSなど数多くのプロジェクトの音楽を手がけている。  


さらに、キンクス風のフォークポップと新古典主義音楽を融合させたスタジオアルバムを10枚リリースしており、彼の楽曲はアディダスやトヨタなど国際的な商業キャンペーンに使用されている。近年ではニューヨークの演劇シーンに深く関わり、開発中のミュージカル作品の数々で脚本執筆やコンサルティングを担当している。


「ノイズ・マシン」は、新たな創造的節制と実験の時期から生まれた、近々リリース予定のセルフタイトルアルバム『Dash Hammerstein』に収録されている。この楽曲群は彼のこれまでで最も正直な作品だ。ダッシュは語る。


「言葉のサラダのようなサイケデリックはもう終わりだ。各曲は死、不確実性、古い友人、新しいバイオテクノロジーなど、特定の意味のある出来事について歌っている」  


節制を心がける中で、作曲時間は夜から朝へと移り変わり、アルバム収録曲の多くはコーヒーを飲みながら瞬時に書き上げられた——まさに『最初の考えが最良の考え』という素材だ。 


素晴らしいゲスト参加も多数——マイケル・サックスが木管と金管を、ジョルディ・ヌスが弦楽器を、アルデン・ハリス=マッコイがゲストギターを担当している。全曲、ブルックリン周辺のスタジオ数ヶ所で私が録音・ミックスを手掛けた」 


ダッシュ・ハマーシュタインによるセルフタイトルアルバム 『Dash Hammerstein』は2月13日、全世界でリリース予定。 


「Noise Machine」

 

 

▪️EN

Dash Hammerstein is a songwriter and film composer known for crafting scores that blend a modern production ethos with the ramshackle melodicism of idiosyncratic artists like Moondog and Brian Eno.  His work has premiered at Sundance, Tribeca Film Festival and DOC NYC, and he has scored projects for Netflix, Hulu, HBO, PBS and many more.  In addition, he has released ten studio albums of Kinks-inflected folk pop and neo-classical music, which has been licensed for international commercial campaigns by brands including Adidas and Toyota.  In recent years, he's gotten more involved in NYC's theatre scene, writing and consulting on a number of musicals in development.


His latest single is entitled "Noise Machine"  "is a simple song inspired by my reliance on the 'cabin downpour' setting on my white noise app.  Sometimes when it is raining outside, I will close the window and play the fake rain sound to fall asleep.  The woodwinds (arranged and performed by Michael Sachs) are inspired by White Album-era McCartney and old musical hall records, lending a goofy air to what is a pretty goofy sentiment.  Opting for the artificial over the real," shares Dash. 


"Noise Machine" is off of his forthcoming self titled album Dash Hammerstein which came out of a period of newfound creative sobriety and experimentation. The collection of songs is his most honest to date. Dash shares, "No more word salad psychedelia - each song is about something specific and meaningful, be it death, uncertainty, old friends or new biotech.  With sobriety, my songwriting hours shifted from the night to the morning and much of what is on the album was written very quickly over coffee - a lot of first thought/best thought material.  There are some wonderful guest contributions on there as well - Michael Sachs plays woodwinds and brass, Jordi Nus plays strings and Alden Harris-McCoy plays some guest guitar.  Everything recorded and mixed by me in a few studios around Brooklyn." 


 ''Dash Hammerstein'' is set for release February 13th worldwide. 






Courtney Marie Andrews  『Valentine』
 



Label: Loose Future(Thirty Tigers)

Release: 2026年1月16日 

 

・Listen/Stream 

 

Review

 

アリゾナのシンガーソングライター、コットニー・マリー・アンドルーによるニューアルバム『Valentine』は不思議な感覚に満ちている。その楽曲群は、過ぎ去った日々を回顧するかのような興趣に富み、同時に未来を俯瞰するような内容になっている。 アンドルーは、1970年代のフォークロックバンド、フリートウッド・マック、ビッグ・スターなどを参照しつつ、雄大で自然味溢れるサウンドを築き上げている。全10曲は、アンドルーが愛する人の死の淵、重要な関係の終焉、そして新たな恋愛の激動という暗い時期の中で生まれた。彼女はその混乱から逃げるのではなく、それを楽曲制作と芸術に注ぎ込み、献身的で反抗的な音楽を生み出してみせた。

 

深い喪失、感情の激動、そして新たな関係の不安定な始まりという時期に書かれたこのアルバムは、アンドルーの最も傷つきやすく、そして落ち着きのある姿を捉えている。「愛は、年月と信頼、変化の上に築かれるものなのだ」と彼女は言うが、『バレンタイン』は、その苦労して得た明快さを反映している。ジェリー・バーンハートとの共同プロデュース、そして大部分がテープ録音で制作されたこのアルバムは、スタジオでのフルパフォーマンスを収録している。

 

アンドルーのサウンドは、カントリー、フォークのスタイルを織り交ぜたポップ/ロックソングの範疇にある。『Valentine』を彼女の作品らしくしているのが、人生における個人的な愛の解釈であり、それらが歌詞に的確に反映されていることだ。そしてそれこそが、この作品全体に只ならぬ説得力や聴き応えをもたらしている。人間関係の変化や転変をときに素朴に、また、ときに直情的に解釈し、音楽そのものに深みを与えている。アルバムの冒頭から、アンドルーが愛したと思われる人物が歌詞の中に登場し、また、それはアートワークにも暗示されているのだが、これほど直情的な歌詞や歌に接したとき、琴線に触れるなにかがもたらされるはずだ。

 

本作の冒頭を飾る「Pendulum Song」はダイナミックなバラードソング。その人物がシンガーにとってどれほど大きな存在であったかがわかる。そしてこのピアノとドラムで始まるこの曲は、驚くほどダイナミックなプロセスをたどる。素朴なフォークミュージックの質感を残しつつも、ドラマティックな音楽性に至る。内面の静けさと外側の変化との折り合いをつけるために書かれた楽曲とも解釈できるかもしれない。基本的には、ヴァースとサビを交互に配置するというシンプルな構成から成立しているが、この曲のフォークソングのスタイルからは勇敢さや雄大な空気感が立ち上ってくる場合がある。それはシンセサイザーのシークエンスやギターのアルペジオ、そしてドラムが重なり合い、Weyes Bloodのようなドラマティックなサウンドを呼び起こす。「Pendulum Song」はこのアルバム全体の緩やかな物語の序章として成立している。

 

その後、『Velentine』は現代的なフォークロックのスタイルを織り交ぜつつ、中盤の注目曲 「Keeper」、「Cons And Clowns」に至る。前者は70年代のフォーク・ロックのスタイルを選び、一方、後者はビックシーフやマース・レモンのようなインディーロックやフォークのスタイルを図る。そして音楽性も変化に富み、少し物憂げな展開があったり、その後すぐに軽快になったりと、歌手の人生の変遷を暗示させている。その瞬間、他者の中に共通するなにかを見出し、共感を覚えることもあるかもしれない。それはまた、聞き手が、他者の人生を垣間見るというよりかは、追体験したり、自分の中にある人生を重ね合わせ、共鳴する瞬間を得るということである。こういった中で、パーカッションによる工夫を交えたアコースティックギターとボーカルを中心とする「Cons And Clowns」は比較的、多くのファンの心を捉えるに違いない。

 

アンドルーは、普遍的なフォークソングの形式を、アーティスト自らの人生観を徹して探求しているが、最も音楽的に目を惹くのが、古典的なスタイルの中で、革新的なサウンドが出てくる瞬間であろう。「Magic Touch」は本作の序盤のハイライトのひとつ。ドラム、ベース、ギターというシンプルなバンド編成のサウンドが、素朴な質感を持つアンドルーのボーカルと上手く連動しながら、曲の展開を次のステップへと運んでいく。 リズム的な緩急を用いながらも、必要以上に曲をコントロールせず、流れの中で面白い展開を呼び起こすことに成功している。


サビでのコーラスがこの曲の要所となるが、同時に、バックコーラスも主旋律に美麗な印象を添える。シンプルな構成を心がけながらも、かなり細かい箇所まで入念に作り込まれており、これが音楽の印象をドラマティックにしている理由なのだろうか。一見すると、同じようなコード進行や和声進行を用いているように思えるが、一分後半から単調のスケールや調性を用いて、曲の雰囲気がガラリと変化していく。それはミュージシャンとしてのアルバム制作の一つの目標である自分の人生を音楽的な形で象るという目論見が一つの成功をみた瞬間でもある。


コットニー・アンドルーの曲は、ボーカルが歌われている瞬間よりも、ボーカル中心とする楽節から、楽器中心の楽節へと移り変わるときに、圧倒的な雰囲気が出てくることがある。2分序盤からのシンセサイザーの構成がきわめて巧みであり、曲そのものの余韻を長い奥行きのあるシークエンスにより象っている。このあたりは、例えばフリートウッド・マックのサウンドからの影響が顕著に感じられる。この曲の場合はアメリカ南部のような情景を呼び覚ますのである。

 

このアルバムを通じて、アリゾナのシンガーソングライターは、普遍的な音楽性や良いメロディーとは何かを探求しており、それらは続く2曲に反映されている。「Little Picture of a Butterfly」がたとえ、ビートルズやビッグ・スターのようなサウンドを参考にしているとは言え、それらが単なるパティーシュやイミテーションにとどまっているといえば、そうではないだろう。同音反復で和声を分散させるシンセのベースは、ビートルズのようなサウンドでお馴染みのものであるが、コットニー・アンドルーは存在感に溢れる堂々たる歌唱を披露しながら、涙もろい音楽性を呼び起こす。そして、それは長調の和声の中に、独立的に単調を組み込むというポップソングの基本的な形で展開される。ここでは、夢想的な感覚、ほろ苦さ、強さや勇ましさを発揮し、何らかの障壁を乗り越えようとする素敵な歌手の姿を捉えることができる。それはもちろん、聞き手に何らかの形で潤いや勇敢さを与えてくれることは自明であろう。

 

このアルバム、おそらく日本の歌謡曲とも相通じるものがある。私自身はあまり詳しくないのだが、往年の日本歌謡の名シンガーがお好きなファンには、きっと琴線に触れる感覚があろうと思われる。素朴さ、あるいは繊細さや脆さという、いくつかの感情性を踏まえながら、このアルバムは続いていき、「Outsider」ではアメリカーナに古典的な解釈を試みることで、対象的に新しいサウンドを打ち立てる。 これまでスティールギターがアメリカーナの象徴でもあったのだが、アナログシンセサイザーの音色に組み替えることにより神秘的な楽曲へと昇華している。音楽そのものは、70年代のフォークバラードなどにその源流が求められるが、暗さ、温もりなどの感情を交差しながら、日本の歌謡曲にも近い独特な音楽性を呼び込んでいる。いわゆる泣きの要素を交えていて、そこには奇妙な癒やしを見出すことができるはずだ。これこそ、歌手が作曲や制作の際に内面と向き合いながら、今作のテーマを表現しようとした成果でもある。


その後、『Valentine』はフォークソングの基本的な形へと傾倒していく。しかし、音楽そのものは軽妙になったり、もしくは明るくなってくる。これは作品全体をあまりシリアルになりすぎないようにしたり、または、救いのような瞬間を与えようという作者なりの配慮でもあろう。とりわけ、終盤のハイライト曲「Best Friend」では、ワクサハッチーにも通じる秀逸なフォークサウンドを打ち立てている。そしてアルバム全般に言えることであるが、メインボーカルに加えて、バックボーカルが入ったときに、このミュージシャンの音楽の醍醐味が出てくる。

 

牧歌的で広やかなインディーフォークサウンド、南部の雄大な雰囲気、音楽から立ち上るゴスペルのような霊妙さ、それらをこの歌手らしい素朴なサウンドによって縁取っている。そして意外なことに、この曲は、レディオヘッドの初期のアルバム「Fake Plastic Tree」(『Bends』に収録)を彷彿とさせる、ボーカルの旋律進行の影響を明瞭に見出すことができる。スタンダードなフォークミュージックが中心のアルバムでありながら、その一方で、シンガーソングライターのオルタナティヴへのささやかな愛情が映し出された作品である。1月の注目作のひとつだ。

 

 

 

82/100

 

  

 

 

 「Magic Touch」- Best Track

スウェーデンのインディーフォークシンガー、Jose Gonzales(ホセ・ゴンザレス)が5枚目のソロアルバム『Against The Dying Of The Light』を発表し、タイトル曲を公開した。本作はCity Slangから3月27日に発売。


『Against The Dying Of The Light』は、2021年のアルバム『Local Valley』と、2023年にリリースされたデビューアルバム『Veneer』の20周年記念版に続く作品となる。タイトル曲「Against The Dying Of The Light」は、昨年11月にリリースされた先行シングル「Pajarito」に続く楽曲であり、このスウェーデン人シンガーソングライターの新たな作品への第二弾となる。


この楽曲についてゴンザレスは次のように説明している。「2025年の人類を映し出す曲だ。変えられない過去を受け入れ、現在の自分たちを形作った経緯を肯定すること。そして、人間の繁栄に反する歪んだインセンティブやアルゴリズムといった、これから直面する課題に再び焦点を当てることについて歌っている。


「自己設計・自己複製が可能な新技術には膨大な可能性が秘められているが、それが人類を不要にする恐れがあるなら、急いで構築する必要はない。我々はこうした複製装置に反抗し、光の消えゆくことに抗うことができる」


新作アルバムについて彼はこう語る。「『Against the Dying of the Light』は、人間が繁栄する道を自ら閉ざす姿への省察だ。人々が『知っているふりをする連中』に盲従し、頑なに教条的なイデオロギーにしがみつく現実を映し出している。 これらは、個人と集団の両レベルで人類を繁栄へと導く方法についての楽曲。音やハーモニー、リズムだけで楽しむこともできるが、歌詞は人々が協力して集団的問題を解決するために行動を起こすよう促す意図で書かれている」


『光が消えゆくことに抗って』は、人間が繁栄する道を阻む障壁を、いかに我々が自ら作り出しているかを考察した作品だ。それは、自分が知らないことを知っているふりをする男たちに盲従する、頑なに固執する教条的なイデオロギーに起因する。  


これらの楽曲は、個人と集団の両レベルで人類を繁栄へと導く方法についての歌だ。音やハーモニー、リズムそのものを楽しむだけでも構わないが、歌詞は人々が協力して集団的問題を解決するために行動を起こすよう促す意図で書かれている。」


ホセは若い頃ハードコアバンドで演奏する一方で、合唱団での歌唱も楽しんだ。当時を振り返りこう語る。「本当に楽しかった。全然クールじゃなかったけど、本当に楽しかったんだ。 様々な音階や発声技法も学んだ。20人がただ歌いながら共に立つという行為は、人間の根源的な何かを物語っている。年を重ねた今、その普遍的な側面を受け入れる時だと感じている」。 無神論者であるホセは、現在パートナーが地元の「インディー/教会合唱団」で歌う姿を見ることを楽しんでいる。


ホセのこれまでのキャリアはまさに画期的だ:23年間で4枚のソロアルバムをリリース。全世界で100万枚以上の物理的販売枚数に加え、10億回以上のストリーミング再生を記録。英国、オーストラリア、ニュージーランドでプラチナディスクを獲得。2021年にはスウェーデン・グラミー賞「年間最優秀シンガーソングライター賞」を受賞し、2024年にはスウェーデン音楽殿堂入りを果たした。


ホセは最近「10%誓約」に参加。これはGiving What We Canを通じて極度の貧困と戦う効果的な慈善団体に収入の10%を寄付する公約だ。彼の誓約クラブのメンバーはこれまでにヘレン・ケラー・インターナショナル、マラリア撲滅財団、ニュー・インセンティブ、ギブウェル・トップ・チャリティーズ・ファンドなどの慈善団体に寄付している。

 

「Against The Dying of The Light」



Jose Gonzales 『Against The Dying Of The Light』 

Label: City Slang

Release: 2026年3月27日


Tracklist:


1. A Perfect Storm

2. Etyd

3. Against The Dying Of The Light

4. For Every Dusk

5. Sheet

6. Pajarito

7. Losing Game (Sick)

8. Ay Querida

9. U / Rawls Slöja

10. Gymnasten

11. Just A Rock

12. You & We

13. Joy (Can’t Help But Sing)

 

▪Pre-order: https://josegonzalez.lnk.to/ATDOTL 

 

 

Jose Gonzales:

 

1978年、 スウェーデンのヨーテボリ生まれ。両親はアルゼンチン人。2004年、 デビューアルバム『Veneer』が北欧で大ヒットを記録する。 プレスやラジオ局からの大絶賛、素晴らしいライヴを重ねてベースが出来上がった。2005年 にSONY BRAVIAのCMにデビュー・アルバム収録曲「Heartbeats」 が起用され、彼の音楽はヨーロッパのみならず全世界に飛び火し た。シンプルながら美しいサウンド、基本的にアコースティック・ギターとヴォーカルというスタイルながらグルーブ感のある演奏、その低く豊かなヴォーカルに世界中が夢中になった。

 

2007年3月 に初の単独来日公演を実施し、 同年サマーソニックでも出演を果たした。2007年9月、 2ndアルバム『In Our Nature』をリリー ス。前作をよりスタイリッシュに発展させたアルバムとなり、またマッシヴ・ア タックの「Teardrop」 も収録し前作に続き、世界的な成功を収めた。

 

2013年、 ベン・スティラー主演映画『LIFE!』 (原題:The Secret Life Of Walter Mitty / 1947年 公開の映画『虹を掴む男』のリメイク版)に主題歌「Step Out」を提供 した。2014年、エイズで1992年 に亡くなったアーサー・ラッセルのトリビュート・アルバム『Master Mix: Red Hot + Arthur Russell』 に「This Is How We Walk On The Moon」 を提供している。

 

2015年2月、8年振りに3枚目のアルバム『ヴェスティジズ &ク ローズ』をリリース。その後、ライブ盤『Live In Europe』を発表し、2021年には『Local Valley』を発表している。また彼は、スウェーデンのバンド、ジュニップ(Juip)のメンバーでもある。


本日、バンクーバーを拠点とするシンガーソングライター、Ora Cogan(オラ・コーガン)がSacred Bones Recordsからのデビュー作『Hard Hearted Woman』を発表した。


本作は、幽玄なフォーク、サイケデリック・ロック、陰影を帯びたカントリーを融合させ、カタルシスが豊潤かつ生命力に満ちた領域へと導く、宝石のような輝きを放つレジリエンスへの賛歌である。


先行シングル「Honey」は、温かな弦楽器と緩やかなパーカッションを基盤に、ゆっくり燃え上がるような曲だ。コーガンの声は安定感と煙のような質感で、本作の核となる「冷酷な女」に語りかける。優しさを損なうことなく強さを放つこの楽曲には、印象的な歌詞が刻まれている。


「冷たい心の女よ // 銃身の笑み // 胸を閉ざし // スタイルを守る」パロマ・ルイス=エルナンデス監督によるミュージックビデオでは、コガンが友人や見知らぬ人々を渦巻くように魅了し、混沌とした歓喜のダンスへと誘う様子が描かれ、孤立と集団的な渇望の交錯を探求している。


サリッシュ海の島でボヘミアンな家庭に育ったコーガンの歩みは決して直線的ではなかった。15歳で銀細工師の徒弟となった経験から、バンクーバーのノイズシーンでの活動、環境正義に捧げた年月まで、彼女の音楽は好奇心に満ちた人生によって形作られている。


 デイヴィッド・パリー(ラヴィング)と、クリストファー・バウリング(オーヴィル・ペック)らをフィーチャーしたバンドと共に録音された『Hard Hearted Woman』は、冷たい水への飛び込みやブリティッシュコロンビア州の田舎を走る長いドライブの記憶がぼんやりと混ざり合う中で生まれた。


本作のリリースを記念し、コーガンはカナダ、イギリス、アイルランドを巡る春のツアーを開始する。3月13日バンクーバーのザ・パールでのリリース・ショーを皮切りに、各地で公演を行う。

 

『ハード・ハーテッド・ウーマン』は、分断された世界で芸術を創造する奇妙な力への献身的な作品だ——最も壊れやすい自己が生き延びるために育まれた殻である。先行シングルが下記より視聴可能だ。

 


「Honey」


・2nd Single  「Division」


「Division」は先月リリースされた先行シングル「Honey」に続く楽曲で、オーラ・コーガンが「分裂に屈すること」と戦う姿を描いている。彼女はこの分裂を予期せぬ苦味として捉えている。


同時にミュージックビデオも公開。自身とマイカ・ヘンリー、パロマ・ルイス=エルナンデスが共同監督を務め、映像は古風なホラー・ファンタジーからスタイル的なインスピレーションを得ている。


テーマについてコーガンは語る。「この映像はリロエットで撮影されました。この世界には三つの存在がいます。人間、預言者、そして悪魔です。人間は孤独な世界で内なる葛藤と戦っています。彼らは内なる苦痛からの解放を求めています。悪魔は人間の最悪の傾向を体現した存在です。預言者は語り部であり、人間に理解を見出し、内なる戦いを乗り越える道を見つけるよう促す」



 「Division」

 



Ora Cogan 『Hard Hearted Woman』

Label: Sacred Bones

Release:  2026年3月13日


 Tracklist

1. Honey 

2. The Smoke 

3. Division 

4. Bury Me 

5. Limits 

6. Love You Better 

7. River Rise 

8. Believe in the Devil 

9. Outgrowing 

10. Too Late 

 

▪Pre-order: https://oracogan.lnk.to/Hardheartedwoman 

 

フォークポップのシンガーソングライター、Dash Hammerstein(ダッシュ・ハマーシュタイン)の新曲「The Hammer」をリリースした。「ザ・ハンマー」は、不確実性と共に生きることをテーマにした、風変わりで爽やかな曲です。    


ダッシュはこう語る。「この曲の核心にある問いは『ハンマーを引き戻せるのか、それとも曲がり角の先で列車を待っているのか?』。これがスタートピストルのハンマーか実銃のハンマーかは意味を大きく(そして暗く)変え、議論の余地がある。レースはまさに始まろうとしているのか、それとも終わろうとしているのか——それは未知の曲がり角の先に何があるか次第だ」 


このシングルは、奇妙でありながら魅惑的なユニークなミュージックビデオと共に公開されている。 


ダッシュはNetflix、Hulu、HBO、PBSなど数多くのプロジェクトで音楽を手がけている。さらにキンクスの影響を受けたフォークポップ・アルバムやネオクラシック音楽をリリースしており、アディダスやトヨタなど国際的な商業キャンペーンでライセンス供与されている。 


ダッシュ・ハマースタインは、現代的な制作理念とムーンドッグやブライアン・イーノのような個性派アーティストの荒削りなメロディックさを融合させた楽曲で知られる作曲家兼映画音楽家である。彼の作品はサンダンス映画祭、トライベッカ映画祭、DOC NYCで初披露され、Netflix、Hulu、HBO、PBSなど数多くのプロジェクトの音楽を手がけている。  


さらに、キンクス風のフォークポップとネオクラシック音楽を融合したスタジオアルバムを10枚リリースしており、その楽曲はアディダスやトヨタなど国際的な商業キャンペーンに使用されている。近年ではニューヨークの演劇シーンに深く関わり、開発中のミュージカル作品の数々で脚本執筆やコンサルティングを担当している。



「The Hammer」は、新たな創造的節制と実験の時期を経て生まれた、自身の名を冠したアルバム『Dash Hammerstein』からの先行曲だ。この楽曲群は彼のキャリアで最も率直な作品群である。Dashは語る。


「言葉のサラダのようなサイケデリックはもう終わりだ。各曲は死、不確実性、古い友人、新たなバイオテクノロジーなど、特定の意味を持つ何かについて歌っている」 

 

節制を心がける中で、作曲時間は夜から朝へと移り変わり、アルバム収録曲の多くはコーヒーを飲みながら瞬時に書き上げられた——まさに『最初の考えが最良の考え』と言える作品群だ。素晴らしいゲスト参加も多数——マイケル・サックスが木管楽器と金管楽器を、ジョルディ・ヌスが弦楽器を、アルデン・ハリス=マッコイがゲストギターを担当している。全曲、ブルックリン周辺のスタジオ数ヶ所で私自身が録音・ミックスを手掛けた」 


 『Dash Hammerstein』は2月13日、全世界でリリース予定。ミュージックビデオがまもなく公開予定。

 


「The Hammer」




▪EN

Dash Hammerstein is a songwriter and film composer known for crafting scores that blend a modern production ethos with the ramshackle melodicism of idiosyncratic artists like Moondog and Brian Eno.  His work has premiered at Sundance, Tribeca Film Festival and DOC NYC, and he has scored projects for Netflix, Hulu, HBO, PBS and many more. 
 

 In addition, he has released ten studio albums of Kinks-inflected folk pop and neo-classical music, which has been licensed for international commercial campaigns by brands including Adidas and Toyota.  In recent years, he's gotten more involved in NYC's theatre scene, writing and consulting on a number of musicals in development.

 
His latest single is entitled "The Hammer" and is a quirky and breezy tune all about living with uncertainty.  Dash confides, "The question at the center of the song is: 'Can I pull back the hammer or am I waiting on a train around the bend?'  Whether this is the hammer of a starter pistol or an actual pistol changes the meaning drastically (and darkly), and is up for debate.  The race is either on the verge of beginning or on the verge of ending, depending on what's around the bend, which is unknown." The single is shared alongside a unique and mesmerizing music video. 
 

"The Hammer" is off of his forthcoming self titled album Dash Hammerstein which came out of a period of newfound creative sobriety and experimentation. The collection of songs is his most honest to date. Dash shares, "No more word salad psychedelia - each song is about something specific and meaningful, be it death, uncertainty, old friends or new biotech.  With sobriety, my songwriting hours shifted from the night to the morning and much of what is on the album was written very quickly over coffee - a lot of first thought/best thought material.  There are some wonderful guest contributions on there as well - Michael Sachs plays woodwinds and brass, Jordi Nus plays strings and Alden Harris-McCoy plays some guest guitar.  Everything recorded and mixed by me in a few studios around Brooklyn." 
 

 Dash Hammerstein is set for release February 13th worldwide. 
 
 


 


ビル・キャラハンからのサプライズ・ギフト。今年を締めくくる新曲を仲間たちへ届ける。「Lonely City」は、2026年2月27日にリリースされるニューアルバム『My Days of 58』からのセカンドシングルだ。 


ドラムがじわじわと時間をかけて盛り上げる中、キャラハンは6弦を慈しむようにかき鳴らし、私たちが「家」と呼ぶ、馴染み深くも刻々と変わる場所へと歌声を届ける。「君のもとに戻ったら/まず最初に/歩き回って新しいものを探すんだ」 ジェリー・デイヴィッド・デチッカのタンバリンも聴ける。


「Lonely City」のミュージックビデオは、著名なストリートフォトグラファー、ダニエル・アーノルドが制作。ダニエルは15年以上にわたる自身の写真群から素材を抽出し、ビルの楽曲が紡ぐ視覚世界を鮮烈に描き出した。ビルは次のように説明している。


「『Lonely City』は何十年も前から書きたいと思っていた曲だった。ずっと胸に秘めていた。僕は人間と内なる精神に焦点を当てて書く傾向がある。だからコンクリートや鋼鉄について書くのは無理だと思った。次に車の歌でも書く? だがもちろん、都市は人間によって築かれたものだからそれ自体も人間的。 君は都市と関係を持つ、友達のように。 駐車違反切符を切られた時は怒り、美味しい食事を提供してくれた時は愛おしく思う。 全てを認める歌」


『My Days of 58』では、ビルの信頼するツアーバンドによる情熱的な演奏が聴ける。マット・キンジー(ギター)、ジム・ホワイト(ドラム)、ダスティン・ローレンツィ(サックス)。 リチャード・ボーデン(フィドル)、パット・スラッシャー(ピアノ)、クリス・ヴリーランド(ベース)、マイク・セントクレア(トロンボーン)、ビル・マッカロー(ペダル・スティール)、イヴ・サールズ(バック・ボーカル)も参加している。


「Lonely City」

 


ノースカロライナ州を拠点とするシンガーソングライター、Anjimileが新曲「Auld Lang Syne II」をリリースし復帰を果たした。

 

2023年に4ADからリリースされたデビュー・アルバム『The King』を通じて、チタンボは個人的・社会的な激動の中で黒人でありトランスジェンダーであることの存在を深く掘り下げ、不快感を解放への手段として受け入れるという勇気ある姿勢を再確認した。(レビューを読む)


アンジマイルは2023年に『The King』を携えてツアーを行い、全米でのヘッドライン公演に加え、ロンドンとパリで開催されたピッチフォーク・ミュージック・フェスティバルにも出演した。

 

『オールド・ラング・サインII』のリリースはアンジミレにとって新たな時代の幕開けを告げる——変化と変容を受け入れつつも優しさと脆さを失わないことで生まれた、喜びと自由の時代だ。この新曲に満ちるエネルギーが物語るように、アンジミレは問いを投げかけて帰還する:手放し、愛を受け入れたら何が起こるのか?

 

アンジミレ・チタンボは、揺るぎない内省と深い誠実さを特徴とする独自の音楽的道を切り拓いてきた。ノースイースタン大学在学中にボストンの活気あるインディーシーンから登場したアンジマイルは、真摯なソングライティング、繊細な音響テクスチャー、祈りと祝祭を思わせるパフォーマンスで聴衆を魅了した。2018年にNPRの「Tiny Desk Concert」コンテストに応募した作品がボストン地区最優秀と評価されたことで、その名声は一気に高まった。その後も批評家の称賛は続いた。

 

2020年のアルバム『Giver Taker』はローリング・ストーン誌が年間ベストアルバムの一つに選出。精神性、アイデンティティ、解放という普遍的なテーマを探求する魅力的な声として彼の地位を確立した。ジェイ・ソム、ササミ、ロメルダらによるカバー曲集『Reunion』(2021年)を発表後、アンジマイルはホセ・ゴンザレス、チューン・ヤーズ、ハレイ・フォー・ザ・リフ・ラフなどの前座を務めながら、新曲をツアーで試した。


「『オールド・ラング・サインII』は元々、数年前に結婚した親友への結婚祝いのようなものとして構想していました。しかし制作過程で、友人夫婦だけでなく私自身や家族、親しい人間関係にとっての時間の流れの甘酸っぱい本質についての思索へと変化していったのです」とアンジマイルは語る。


ブラッド・クックがプロデュースしたこの楽曲は、2023年のアルバム『The King』以来となるリリース。不屈の精神と苦闘の末に掴んだ自由について、自らへの優しいメッセージを綴った前作の続きを紡ぐ作品となっている。

 

 

 「Auld Lang Syne II」


ロサンゼルスの新進気鋭のシンガーソングライター、 Haylie Davis(ヘイリー・デイヴィス)が、宇宙的なアメリカン・ミュージックの最新のシングル、心からのバラード「Country Boy」をFireからリリース。前作のシングル「Golden Age」の豊かなメランコリックなポップに続く作品だ。このカントリーポップのアプローチの中で、デイヴィスはノスタルジックで素晴らしい歌声を披露している。


「Country Boy」は、大都市で直面する、失われたアウトサイダーたちへの痛ましい哀歌である。ある意味で、ジャーニーの「ドント・ストップ・ビリーヴィング」への答えであり、リンダ・ロンシュタットのクラシックアルバム『シルク・パース』のアウトテイクのように、嘆きに満ちたスチールギターが鳴り響く。


ヘイリーは、彼女も故郷と呼ぶカリフォルニアの天使の街に、これまでの生活を捨ててやって来た、米国中西部および南部のカントリーボーイたち全員にこの曲を捧げている。


ワンテイクでライブ録音されたこの曲は、ヘイリーの華麗な声域と複雑なストーリーテリングを完璧に強調しており、彼女の前作シングル「Golden Age」の忘れがたい憂鬱さをより成熟したソウルメイトとして表現し、2026年にリリース予定のデビューアルバムの2曲目となる。


古典的な吟遊詩人の黄金時代を再び呼び起こす、急成長中のロサンゼルス・シーンの一員であるヘイリーの陶酔的な歌声は、Z世代以降のジュディ・コリンズ、キャロル・キング、エミルー・ハリスといった歌手たちの歌声のどこかに位置している。


ヘイリー・デイヴィスはロサンゼルスを拠点とするアーティストで、2026年にリリース予定のデビューアルバムのキャンペーンをFire Recordsと開始しています。デビューフルアルバムでは、カントリーやフォークからの影響も感じさせながら、ロックンロールやポップの世界にも踏み込んでいます。 ヘイリー・デイヴィスの歌声は、サム・バートンの「Dear Departed」、ドラッグディーラーの「Hiding in Plain Sight」、アレックス・アーメン、シルヴィーなどの「California Blues」など、シーンにおける他の多くのプロジェクトでも聴くことができる。


「Country Boy」

 


米国のソングライター、ビル・キャラハンが先行シングル「The Man I’m Supposed to Be」をリリースしました。この新曲は2026年2月27日発売ニューアルバム『My Days of 58』に収録されます。


ビル・キャラハンの力強い新作アルバムだ。収録された12曲は、比類なき表現の深淵を開き、ビルが今もなお切り拓き続ける最も独創的なソングライティングとパフォーマンスの道を示している。


カントリー調のタイトルが印象的なフォークロックの告白歌「ザ・マン・アイム・ソポーズド・トゥ・ビー」は、ジャンルを超越したビル独自の解釈で、歩んできた人生と歩むべき人生の感情を探求している。


『My Days of 58』は、キャラハンのライブショーが持つ生きた息吹をスタジオ制作に注ぎ込みながら、彼の日常を切り取る描写をさらに研ぎ澄ました作品だ。 


本作の核となるミュージシャンは、2022年『YTI⅃AƎЯ』ツアーに参加したメンバー——ギタリストのマット・キンジー、サックス奏者のダスティン・ローレンツィ、ドラマーのジム・ホワイト——であり、彼らの相乗効果は2024年のライブアルバム『Resuscitate!』で明らか。このツアー経験がビルに「どんな要求にも応えられる」ことを証明したと彼は語り、さらに続けている。


「即興/予測不能/未知なるものこそが、音楽を作り続ける原動力だ。自分と他者の声に耳を傾けることが全てだった。録音の最高の瞬間は往々にしてミスから生まれる——それを強みに変え、人間味あふれる何かへの跳躍台として活用する」


『My Days of 58』は、2022年発表の『YTI⅃AƎЯ』に続くビルの8作目のスタジオアルバム。リチャード・ボーデン(フィドル)、パット・スラッシャー(ピアノ)、クリス・ヴリーランド(ベース)、マイク・セントクレア(トロンボーン)、ビル・マッカロウ(ペダル・スティール)、イヴ・シアーズ(バック・ボーカル)、ジェリー・デチッカ(タンバリン)が参加している。


「The Man I’m Supposed to Be」

来月、リヴァプールのバンド、King Hannah(キング・ハンナ)が新たな限定版7インチシングルをリリースする。

 

「This Hotel Room」と「Look At Miss Ohio」を両面収録した本作は、今年発表された「Leftovers」に続く作品となる。同曲は、昨年リリースされた『Big Swimmer』からのアウトテイク。B面はジリアン・ウェルチのカバー曲である。 

 

本日公開されたA面「This Hotel Room」は、ロック・バンドとしてのキング・ハンナのもう一つのフォークバンドとしての音楽性が際立つ。バンドメイトであるハンナ・メリックとクレイグ・ウィトルの力強いデュエットのハーモニーが特徴のフォークロックのスロージャムである。彼らはジリアン・ウェルチの楽曲に完全にふさわしい演奏ができるバンドのように聞こえる。

 

キング・ハンナは次のようにコメントしている。


「私たちが最も愛するのは共に歌いハーモニーを紡ぐことです。この曲はそれを叶える自作曲であり、時代を超えたノスタルジックな響きを持ち、敬愛するカントリー・フォーク歌手たちへのオマージュでありながら、キング・ハンナならではの共鳴を保つ作品です。 私たちは、常に親密さを捉え、個人的で誠実かつ内省的な方法で書くことを心がけており、「This Hotel Room」も例外ではありません。この曲は、過去と未来について、その両方に、温もりと愛を見出そうとしながらも、そこに内在する悲しみや喪失感を認識することについて歌っています」


King Hannahの最新アルバム『Big Swimmer』の特集記事はこちらからお読みください。

 


「This Hotel Room」

 

Dutch Interior(ダッチ・インテリア)が新曲「Play The Song」を公開した。ロサンゼルスを拠点とするこのバンドは、長年親交のある4人の友人によって結成され、彼らの傑作アルバム『Moneyball』は今年初めにリリースされた。

 

新曲「Play The Song」は鋭い秋の趣を帯びている——霞んだ漂うようなリラックスした雰囲気が、不透明なアメリカン・ルーツ要素を包み込む。実験的な要素もあるが、フォーク調のバラードとして聴かせる一曲となっている。そこにはバンドとしての円熟味すら感じられる。

 

サンフランシスコのハイド・ストリート・スタジオで録音された『Play The Song』は、頭から離れない楽曲への叙情的な賛歌であると同時に、それ自体が耳に残るメロディーとなっている。

 

バンドのノア・カーツはこの新曲について次のように説明している。

 

「時々現れて、特定の方法で説明できないほど心を掴む曲たちへのオマージュとして書いたんだ。不健康な執着や耽溺かもしれないけど、もう無理になるまでリピートし続けるしかないんだよ」

 

「Play The Song」

ロンドンのシンガーソングライター、Clara Mannは音楽業界的には著名な存在だが、まだ一般的な支持を獲得しているかはわからない。しかし、ニューアルバムのリリースをきっかけに、より本格派のシンガーとしての道を歩んでいる。

 

クララ・マンの音楽性の中には、フォーク・ミュージックが高いウェイトを占めていて、このことについて次のように明かしている。

 

「私はいつもフォークミュージックに気を配っています。私は伝統音楽に関する特定のコミュニティにルーツを持っていませんし、セッション文化を中心に育ちませんでした。他の、より経験豊富で、より本物のミュージシャンが占めるべきスペースを取りたくないスペースがあります」


同時にリリースされたダブルシングル「My Life」、「500 Miles」について、クララ・マンは次のように明らかにしている。「軽くて切さで、自分の大きな重い感情を掘り起こしたり、掘りに行ったりする必要のないライブセットの瞬間なので、私はそれが好きなんです」


前者はヘディ・ウェストのバージョンに基づいた伝統的な歌の再考である。後者はアイリス・デメントのバラードのカバーで、いずれのフィドル奏者のオーウェン・スパフォードをフィーチャーしていることから、アイルランドやスコットランドのフォーク・ミュージックの原点に回帰している。


前作アルバム『Lift』の拡張版が発売されることが明らかになった。「リフトが発売されたてから6ヶ月が経ちました。レコードをリリースする時点で、インターネットの空白にそれを打ち上げるように感じたとしても、それは#realでした」とクララ・マン。

 

「聞いてくれて、メッセージを送ってれたり、ショーに来てくれて、そんな気分にさせてくれたみんなに感謝します。それ以来、歌は私にとって古くなってきましたが、私の人生の現在にリフトをもたらすいくつかの音楽を共有できてとても幸せです...。」


音楽のおかげで、私は旅行し、探検し、冒険に出かけることができ、そのことにとても感謝しています。歌の言語、地理、歴史をより文字通りの意味で反映した拡張版の共有でリフトの世界を完成させることができることは喜びです。

 

また、私の親愛なる友人オーウェン・スパフォードが過去1年ほどにわたって、想像力豊かで繊細な演奏でこれらの曲をライブオーディエンスに届ける上で果たした役割を認識することも喜びです。

 

私たちの友情と音楽のコラボレーションは、これらのリフトのライブショーから始まりました。これはほんの始まりだと思います。オーウェン、できるだけ早く確認してください。ありがとうございます。


「3000 Miles」 

 

 

「My Life」 

 


ニューイングランドを拠点とするシンガーソングライター、Halley Neil(ハリー・ニール)がニューアルバム『Letter For a Friend』を9月12日にリリースしました。アルバムのタイトル曲のリリックビデオが公開されていますので、アルバムのストリーミングと合わせて確認してみてください。

 

彼女を形成し、影響を与え、インスピレーションを与えてくれた人々への個人的な手紙の集大成として書かれたアルバムは、ナッシュビルで録音され、彼女のこれまでで最も親密で物語性豊かな作品となっています。


彼女は次のように語っています。「深く個人的な内容でありながら、このアルバムは普遍的な人間性を帯びています。つながりが与える側と受け取る側の両方を変容させることを思い出させてくれるのです」 『Letter For a Friend』は、手を差し伸べ、私たちを変えた人々を称え、心の内を伝えるのに完璧な瞬間を待つ必要はない——今、ただ伝えるべきだという招待状なのです」

 

 「Letter For a Friend」


ハリー・ニールは、温かさ、前向きさ、そして平和を放つ音楽で知られる受賞歴のあるフォークシンガー兼ソングライターです。ナッシュビルを経てボストンを拠点とするハリーは、叙情的で心温まる楽曲と、高らかな歌声、そして活気に満ちたブルーグラス風の楽器演奏を融合させています。アップライトベースとフィドルのトリオを伴って演奏することが多く、彼女のライブは親密で高揚感あふれる体験であり、率直な歌詞と自然に表現力豊かな歌声が際立っています。


アメリカーナとフォークシーンで存在感を増すハレーは、全米ツアーを行い、全国のリスニングルームやフォーク会場で演奏してきた。カービル・フォーク・フェスティバル、ロッキーマウンテン・フォークス・フェスティバル、テルライド・ブルーグラス・フェスティバルなど主要なフェスティバルのステージにも立った。 キャリアのハイライトとして、グラミー賞受賞アーティスト、サラ・バレイルズのオープニングアクトを務め、デュエットパフォーマンスで共演した経験は、彼女の才能と現代フォーク界における認知度の上昇を如実に物語っている。


2022年に批評家から絶賛されたアルバム『Beautiful and Blue』の成功を受け、ハレーの最新フルアルバムはこれまでで最もパーソナルな作品となった。彼女を形成し、影響を与え、インスピレーションを与えてくれた人々への個人的な手紙の集大成として書かれた『Letter for a Friend』はナッシュビルで録音され、彼女の最も親密で物語性豊かな作品となっている。


本作はコンセプトアルバムとして制作され、『Letter For a Friend』と題されている。「アルバムの全曲は、私の人生に深い影響を与えた人々への手紙として書かれました。非常に個人的で意図的な楽曲集であり、世界と共有できることを心から楽しみにしています」と彼女は語る。 


さらにハリーは次のように打ち明けています。「言えなかった言葉——送らなかったメッセージ、書き残せなかった手紙——について考えたことはあるでしょうか?『Letter For a Friend』はこの問いと、最古の友人エミリーが私の人生に与えた影響を綴った曲から生まれました」 アルバムの各トラックは手紙だ——友人へ、愛する人へ、見知らぬ人へ、そして自分自身へ。感謝や記憶、大切な言葉を口にする勇気を捉えている。奥深く個人的でありながら、このアルバムは普遍的な人間性を帯びている。繋がりが与える側と受け取る側の両方を変容させるという事実を思い出させてくれるのです。 『Letter For a Friend』は、手を差し伸べ、私たちを変えた人々を称え、心に秘めた言葉を伝えるのに完璧な瞬間を待たず——今、ただ伝えるための招待状なのです」

 

 Big Thief  『Double Infinity


Label: 4AD

Release: 2025年9月5日

 

Listen/ Stream 

 

 

Review

 

 昨年、ニューヨーク市のパワー・ステーションで録音された『Double Infinity』は、ビックシーフの代表的なアルバム『Dragon New Warm Mountain〜』の続編となっている。 彼らは、ブルックリンとマンハッタンを自転車で移動しながら、毎日のように9時間に及ぶ録音を行った。ドム・モンクスがプロデューサーを務め、アンビエント/ニューエイジの音楽家Laraajiが参加している。録音は同時にトラックを録音しながら、即興でアレンジを組み立て、最小限のオーバーダビングが施されている。基本的なアルトフォークの方向性に大きな変更はないが、先行シングルのコメントを見るとわかる通り、ニューエイジ思想のようなものが込められている。従来のエレクトロニックの要素は維持されている一方で、普遍的なフォーク・ミュージックやボーカルメロディーの良さが強調されている。 ビッグ・シーフの中では最も渋いアルバムと言える。

 

アルバムのオープナーを飾る「Incomprehensible」は宇宙的なサウンドスケープが敷き詰められ、壮大な序章のような印象をもたらす。Pear Jamの最新アルバム『Dark Matter』のような映画的なイントロ。しかし、その後に始まるのはサイケのテイストを漂わせるビックシーフらしいアルトフォーク。流れるようなバンドサウンドにシンセの効果的なシークエンスが加わり、飄々としたディランタイプの音程をぼかしたようなボーカル。音楽的な手法は従来と変わらずだが、そこにはウィルコのような2000年代以降のインディーフォークサウンドが付け加えられている。


”生きている美しさとは、真実以外の何物でもないのだろうか” この曲のなかでエイドリアンヌは、子供の頃の思い出の品々を未来に突きつけながら問いかける。従来とは打って変わって、哲学的な歌詞が歌われている。ある意味では、この曲の中にある陶酔的な感覚が、これらの玄妙なフォークサウンドと融合し、ビックシーフとしての新たな視点が加わっている。

 

Words」は爽やかで牧歌的なイメージを呼び覚ますアコースティックギターから始まり、ボーカルの逆再生等の遊び心のあるアレンジを加えたアルトフォークである。 ギターやドラムのアレンジはかなり複雑で込み入っているが、ⅠーVーⅣの和声進行がこの曲にわかりやすさをもたらしている。ボーカルは王道のポピュラー/フォークなので、あまり言われないことだが、この曲には繊細な感覚、それはより脆い感覚が漂い、それらがエモに近い雰囲気を添えている。この曲では、従来よりも繊細な自己が歌われているような気がした。ドラムの演奏/ミックスが素晴らしく、背景となるギターと重なり合い良質なハーモニーを形成している。曲の途中にはエレキギター風のシンセも登場したりというように、これまであまり試されてこなかった前衛的な音楽性が取り入れられているのにも注目だ。「Los Angels」はスタンダードなフォーク・ソングに依拠しているが、ゴスペル風のコーラスを取り入れたりと、様々な工夫が凝らされている。

 

All Night All Day」ではエイドリアンヌ節が炸裂し、こぶしの効いたビブラートを聴くことが出来る。旧来のBTのファンは違和感なく楽しめるはずだ。特にこの曲を聴くとわかるように、リズムトラックに力が入れられている。これはベーシストのマックスが脱退した影響なのかもしれない。この曲のサビ(コーラス)の部分では、ビックシーフらしい大陸的なロマンを込めた音楽性が登場する。そしてやはり、こういったわかりやすい部分にこのバンドにシンパシーを持ち、思わず口ずさんでしまう。ゆったりしたドラム、ボーカルの多重録音、メロディーを縁取るベースラインなど、コンパクトな構成であるが、アルバムの中では傑出した曲と言えるだろうか。特にメインボーカルとサブボーカル(ソプラノの音域)の組み合わせは息を飲むような美しさがある。これほど練度の高いフォーク/カントリーの歌唱が出来る歌手は他にいない。

 

タイトル曲「Double Infinity」はブルージーな味わいを持つフォークロックである。ニューヨーカーの古き良き南部的なロマンチズムを表した曲とも解釈出来る。The Byrdのような渋い一曲であるが、この曲に聴きやすさやとっつきやすさをもたらしているのが、やはりエイドリアンヌの高い音域にあるボーカルである。そしてこの曲では、アンセミックなコーラスを強調し、ポピュラー・ソング寄りのアプローチも取り入れられている。フォークロックをよりオーバーグラウンドな領域にお仕上げたいという思いが、この曲の中に込められているという気がする。

 

今回のアルバムではItascaのようなサイケフォークのサウンドが取り入れられていて、それが一つの核のようになっている。また、スタジオ録音でしか得られないジャム・セッションの醍醐味を続く「No Fear」で追求したりしている。器楽的なスタジオセッションをもとにした曲だが、その音楽からは抽象的なアンビエンスが立ち上り、心地よさをもたらす。この曲ではベースが曲の中心となっている。また、ニューエイジの象徴的なミュージシャン、Laraajiが参加した「Grandmother」では古典的なフォークロックに挑戦しており、70年代のバーバンクサウンドに近い雰囲気がある。ララージのボーカルは後半に登場し、かなり渋い雰囲気を添えている。

 

アルバムの終盤の2曲は従来のビックシーフの延長線上にあるサウンドと言えるだろうか。軽快なアコースティックギターのストロークで始まる「Happy With You」はダンサンブルなフォークロックの印象を押し出し、アルバムの中では軽快に聞こえる。しかし、歌詞の側面で少し歌うべきテーマを探しあぐねているという印象があった。また、全体的なバンドサウンドとしても斬新なアイディアが出てくるまでには至っていないような気がした。これは全体的に忙しない感じがあり、ハードワークが過ぎた面もあったのかもしれない。冗長な録音セッションから思わぬ名作が出てくることもまれにあるので、ゆったりした録音スケジュールを取ってみてもよかったのではないか。

 

ただ、最後には聴き応えのある曲を収録しているのが流石といえ、これぞビックシーフのプロフェッショナリティである。「How Could I Have Seen」は融和的な感覚をバンドとして表現し、その中には、アメリカの大陸的なロマンが叙情的なサウンドに乗り移っている。アルバムでは、ビックシーフの性質が最も強いトラックではないだろうか。


個人的な私見に過ぎないが、『Double Infinity』はニューヨーカーによるロサンゼルスに対する賛歌が込められているのではないか。カルフォルニアの砂漠地帯のような幻想的なサウンドスケープが彼らのフォークロックサウンドから立ち上ってくることがあった。 まとまりがつかなかった部分もあるが、力作であることは間違いない。


 

82/100 

 

 

 

 「Incomprehensible」