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ニューイングランドを拠点とするシンガーソングライター、Halley Neil(ハリー・ニール)がニューアルバム『Letter For a Friend』を9月12日にリリースしました。アルバムのタイトル曲のリリックビデオが公開されていますので、アルバムのストリーミングと合わせて確認してみてください。

 

彼女を形成し、影響を与え、インスピレーションを与えてくれた人々への個人的な手紙の集大成として書かれたアルバムは、ナッシュビルで録音され、彼女のこれまでで最も親密で物語性豊かな作品となっています。


彼女は次のように語っています。「深く個人的な内容でありながら、このアルバムは普遍的な人間性を帯びています。つながりが与える側と受け取る側の両方を変容させることを思い出させてくれるのです」 『Letter For a Friend』は、手を差し伸べ、私たちを変えた人々を称え、心の内を伝えるのに完璧な瞬間を待つ必要はない——今、ただ伝えるべきだという招待状なのです」

 

 「Letter For a Friend」


ハリー・ニールは、温かさ、前向きさ、そして平和を放つ音楽で知られる受賞歴のあるフォークシンガー兼ソングライターです。ナッシュビルを経てボストンを拠点とするハリーは、叙情的で心温まる楽曲と、高らかな歌声、そして活気に満ちたブルーグラス風の楽器演奏を融合させています。アップライトベースとフィドルのトリオを伴って演奏することが多く、彼女のライブは親密で高揚感あふれる体験であり、率直な歌詞と自然に表現力豊かな歌声が際立っています。


アメリカーナとフォークシーンで存在感を増すハレーは、全米ツアーを行い、全国のリスニングルームやフォーク会場で演奏してきた。カービル・フォーク・フェスティバル、ロッキーマウンテン・フォークス・フェスティバル、テルライド・ブルーグラス・フェスティバルなど主要なフェスティバルのステージにも立った。 キャリアのハイライトとして、グラミー賞受賞アーティスト、サラ・バレイルズのオープニングアクトを務め、デュエットパフォーマンスで共演した経験は、彼女の才能と現代フォーク界における認知度の上昇を如実に物語っている。


2022年に批評家から絶賛されたアルバム『Beautiful and Blue』の成功を受け、ハレーの最新フルアルバムはこれまでで最もパーソナルな作品となった。彼女を形成し、影響を与え、インスピレーションを与えてくれた人々への個人的な手紙の集大成として書かれた『Letter for a Friend』はナッシュビルで録音され、彼女の最も親密で物語性豊かな作品となっている。


本作はコンセプトアルバムとして制作され、『Letter For a Friend』と題されている。「アルバムの全曲は、私の人生に深い影響を与えた人々への手紙として書かれました。非常に個人的で意図的な楽曲集であり、世界と共有できることを心から楽しみにしています」と彼女は語る。 


さらにハリーは次のように打ち明けています。「言えなかった言葉——送らなかったメッセージ、書き残せなかった手紙——について考えたことはあるでしょうか?『Letter For a Friend』はこの問いと、最古の友人エミリーが私の人生に与えた影響を綴った曲から生まれました」 アルバムの各トラックは手紙だ——友人へ、愛する人へ、見知らぬ人へ、そして自分自身へ。感謝や記憶、大切な言葉を口にする勇気を捉えている。奥深く個人的でありながら、このアルバムは普遍的な人間性を帯びている。繋がりが与える側と受け取る側の両方を変容させるという事実を思い出させてくれるのです。 『Letter For a Friend』は、手を差し伸べ、私たちを変えた人々を称え、心に秘めた言葉を伝えるのに完璧な瞬間を待たず——今、ただ伝えるための招待状なのです」

 

 Big Thief  『Double Infinity


Label: 4AD

Release: 2025年9月5日

 

Listen/ Stream 

 

 

Review

 

 昨年、ニューヨーク市のパワー・ステーションで録音された『Double Infinity』は、ビックシーフの代表的なアルバム『Dragon New Warm Mountain〜』の続編となっている。 彼らは、ブルックリンとマンハッタンを自転車で移動しながら、毎日のように9時間に及ぶ録音を行った。ドム・モンクスがプロデューサーを務め、アンビエント/ニューエイジの音楽家Laraajiが参加している。録音は同時にトラックを録音しながら、即興でアレンジを組み立て、最小限のオーバーダビングが施されている。基本的なアルトフォークの方向性に大きな変更はないが、先行シングルのコメントを見るとわかる通り、ニューエイジ思想のようなものが込められている。従来のエレクトロニックの要素は維持されている一方で、普遍的なフォーク・ミュージックやボーカルメロディーの良さが強調されている。 ビッグ・シーフの中では最も渋いアルバムと言える。

 

アルバムのオープナーを飾る「Incomprehensible」は宇宙的なサウンドスケープが敷き詰められ、壮大な序章のような印象をもたらす。Pear Jamの最新アルバム『Dark Matter』のような映画的なイントロ。しかし、その後に始まるのはサイケのテイストを漂わせるビックシーフらしいアルトフォーク。流れるようなバンドサウンドにシンセの効果的なシークエンスが加わり、飄々としたディランタイプの音程をぼかしたようなボーカル。音楽的な手法は従来と変わらずだが、そこにはウィルコのような2000年代以降のインディーフォークサウンドが付け加えられている。


”生きている美しさとは、真実以外の何物でもないのだろうか” この曲のなかでエイドリアンヌは、子供の頃の思い出の品々を未来に突きつけながら問いかける。従来とは打って変わって、哲学的な歌詞が歌われている。ある意味では、この曲の中にある陶酔的な感覚が、これらの玄妙なフォークサウンドと融合し、ビックシーフとしての新たな視点が加わっている。

 

Words」は爽やかで牧歌的なイメージを呼び覚ますアコースティックギターから始まり、ボーカルの逆再生等の遊び心のあるアレンジを加えたアルトフォークである。 ギターやドラムのアレンジはかなり複雑で込み入っているが、ⅠーVーⅣの和声進行がこの曲にわかりやすさをもたらしている。ボーカルは王道のポピュラー/フォークなので、あまり言われないことだが、この曲には繊細な感覚、それはより脆い感覚が漂い、それらがエモに近い雰囲気を添えている。この曲では、従来よりも繊細な自己が歌われているような気がした。ドラムの演奏/ミックスが素晴らしく、背景となるギターと重なり合い良質なハーモニーを形成している。曲の途中にはエレキギター風のシンセも登場したりというように、これまであまり試されてこなかった前衛的な音楽性が取り入れられているのにも注目だ。「Los Angels」はスタンダードなフォーク・ソングに依拠しているが、ゴスペル風のコーラスを取り入れたりと、様々な工夫が凝らされている。

 

All Night All Day」ではエイドリアンヌ節が炸裂し、こぶしの効いたビブラートを聴くことが出来る。旧来のBTのファンは違和感なく楽しめるはずだ。特にこの曲を聴くとわかるように、リズムトラックに力が入れられている。これはベーシストのマックスが脱退した影響なのかもしれない。この曲のサビ(コーラス)の部分では、ビックシーフらしい大陸的なロマンを込めた音楽性が登場する。そしてやはり、こういったわかりやすい部分にこのバンドにシンパシーを持ち、思わず口ずさんでしまう。ゆったりしたドラム、ボーカルの多重録音、メロディーを縁取るベースラインなど、コンパクトな構成であるが、アルバムの中では傑出した曲と言えるだろうか。特にメインボーカルとサブボーカル(ソプラノの音域)の組み合わせは息を飲むような美しさがある。これほど練度の高いフォーク/カントリーの歌唱が出来る歌手は他にいない。

 

タイトル曲「Double Infinity」はブルージーな味わいを持つフォークロックである。ニューヨーカーの古き良き南部的なロマンチズムを表した曲とも解釈出来る。The Byrdのような渋い一曲であるが、この曲に聴きやすさやとっつきやすさをもたらしているのが、やはりエイドリアンヌの高い音域にあるボーカルである。そしてこの曲では、アンセミックなコーラスを強調し、ポピュラー・ソング寄りのアプローチも取り入れられている。フォークロックをよりオーバーグラウンドな領域にお仕上げたいという思いが、この曲の中に込められているという気がする。

 

今回のアルバムではItascaのようなサイケフォークのサウンドが取り入れられていて、それが一つの核のようになっている。また、スタジオ録音でしか得られないジャム・セッションの醍醐味を続く「No Fear」で追求したりしている。器楽的なスタジオセッションをもとにした曲だが、その音楽からは抽象的なアンビエンスが立ち上り、心地よさをもたらす。この曲ではベースが曲の中心となっている。また、ニューエイジの象徴的なミュージシャン、Laraajiが参加した「Grandmother」では古典的なフォークロックに挑戦しており、70年代のバーバンクサウンドに近い雰囲気がある。ララージのボーカルは後半に登場し、かなり渋い雰囲気を添えている。

 

アルバムの終盤の2曲は従来のビックシーフの延長線上にあるサウンドと言えるだろうか。軽快なアコースティックギターのストロークで始まる「Happy With You」はダンサンブルなフォークロックの印象を押し出し、アルバムの中では軽快に聞こえる。しかし、歌詞の側面で少し歌うべきテーマを探しあぐねているという印象があった。また、全体的なバンドサウンドとしても斬新なアイディアが出てくるまでには至っていないような気がした。これは全体的に忙しない感じがあり、ハードワークが過ぎた面もあったのかもしれない。冗長な録音セッションから思わぬ名作が出てくることもまれにあるので、ゆったりした録音スケジュールを取ってみてもよかったのではないか。

 

ただ、最後には聴き応えのある曲を収録しているのが流石といえ、これぞビックシーフのプロフェッショナリティである。「How Could I Have Seen」は融和的な感覚をバンドとして表現し、その中には、アメリカの大陸的なロマンが叙情的なサウンドに乗り移っている。アルバムでは、ビックシーフの性質が最も強いトラックではないだろうか。


個人的な私見に過ぎないが、『Double Infinity』はニューヨーカーによるロサンゼルスに対する賛歌が込められているのではないか。カルフォルニアの砂漠地帯のような幻想的なサウンドスケープが彼らのフォークロックサウンドから立ち上ってくることがあった。 まとまりがつかなかった部分もあるが、力作であることは間違いない。


 

82/100 

 

 

 

 「Incomprehensible」


今週最後のシングルとしてご紹介するのは、ロサンゼルスを拠点とするシンガーソングライター、Gal Musette(ガル・ミュゼット)によるインディー・フォーク・シングル「Broken Clock」です。

 

「Broken Clock」は古典的なアメリカーナの郷愁に誘いつつも、現代的なポピュラー感覚を維持しています。上品で聞かせどころ満載のフォークポップソングです。この楽曲は、至福のハーモニーと繊細なアコースティックギターが織りなす、美しい音の抱擁。彼女はこのニューシングルについて次のように語っています。


「『壊れた時計でも一日に二度はある』という古いことわざが、昔の彼氏が私を『盲目』と呼んだ時に心に刺さったの。 その時、思ったの——たとえ盲点があっても、あの関係を断ち切った自分の直感は正しかったと」


ガル・ミュゼットはザ・マグネティック・フィールズ、ギャビー・モレノ、ドナヴォン・フランケンライターとのツアー経験を持ち、ルーファス・ウェインライトとのコラボレーションも実現させている。ミュゼットは2作のアルバム『Backward Lullaby』(2021)、『Pendulum』(2023)を発表している。

 


「Broken Clock」


 

This week's final single is “Broken Clock,” an indie folk track by Los Angeles-based singer-songwriter Gal Musette.

It evokes the nostalgia of classic Americana while maintaining a contemporary pop sensibility. A refined folk-pop song packed with memorable moments. Certified as this week's best track.


Gal Musette is a singer-songwriter from Los Angeles whose upcoming third album, Our Day in the Sun, marks a quiet rebellion and a coming-into-self. Known for her delicate, introspective sound, Gal steps into new power with this record, an intimate ode to loss, endings, and the unraveling of old ideals. Vulnerability becomes a strength here, as she sheds the need to please and embraces a raw, unfiltered voice. The album also features a collaboration with Aaron Marsh (of Copeland), who composed the lush string and woodwind arrangement for one of its most poignant tracks.


Her latest single "Broken Clock" is a stunning folk embrace featuring blissful harmonies and delicate acoustic rhythms. She shares, "‘Even a broken clock is right twice a day’ is an old saying that caught my attention when an old boyfriend called me ‘blind.’ I thought then—even with my blind spots, I knew my gut was right in leaving that relationship behind."


In recent years, she’s toured and recorded with artists like Vacations, Jazzie Young, and Georgia Gets By (of Broods), released music with her trio Tin Angel, and opened for Rufus Wainwright and Gaby Moreno. 

 

Her music has received acclaim by the likes of KCRW, Consequence, The Line of Best Fit and LADYGUNN to name a few.



 

ロンドンの実験的なロックバンド、Honeyglazeが「Turn Out Right」を公開した。先鋭的なイメージが目立った前作アルバムであったが、このバンドの持ち味である安らぎに満ちた優しげでナチュラルなフォークソングである。

 

今回のリリースは、オパス・キンク主催のコンピレーションアルバム『A Hideous Collective』から2曲目として発表された楽曲です。同アルバムは全24曲を収録し、ミュージック・ヴェニュー・トラストとUKアーティスト・ツーリング基金を支援するための資金調達を目的としている。


ハニーグレイズのボーカリスト/ギタリスト、アニウスカ・ソコロウは次のように語っている。「これは『Real Deal』に収録されなかった曲の、本当に骨組みだけのデモ版です。アルバムの他の曲と同様に、憂鬱でありながら皮肉を込めた、しかし最終的には希望に満ちたテーマを持っています」


「インディペンデント・ミュージック・ヴェニューを巡るツアーとはこういうものです。 最も情熱的な主催者たちは、わずかな資金で運営し、たった一度の不振で崩壊しかねない状況にある。こうした会場と人々への支援は、寄付や認知度向上、MVTのような団体の活動を通じて、灰の中からかすかに光り始めている」

 

「残念ながら、この国の草の根ライブ音楽文化の壊滅を本当に食い止めるには、業界からより根本的でトップダウンの支援を引き出す必要も、相変わらずあるのだ。 それまでの間、彼らを育んだ場所を存続させるアーティストたちの音を楽しんでほしい。そしてこのレコードを購入し、あなたもその一助となってほしい」とオパス・キンクは本作について語る。

 

近年、イギリス国内の小規模のライブハウスが経営難に陥っているという統計が出ている。ハニーグレイズは、今回、こういった出来事を受けて、慈善的な活動に乗り出した。ミュージシャンとして素晴らしい行動に称賛を送りたい。


『A Hideous Collective』は9月5日、バンド自身のレーベル、Hideous Mink RecordsとSO Recordingsの提携によりリリース予定。

 


「Turn Out Right」

 



Greg Frieman(グレッグ・フリーマン)は本日、待望のセカンド・アルバム『Burnover』のリリースを控えた最終シングル『Salesman』をリリースしました。(ストリーミング試聴はこちらから)


同アルバムは8月22日にTransgressive Records/Canvasback Musicから発売されます。このトラックにはガイ・ゾザック監督によるミュージックビデオが付属し、以前にリリースされた『Gallic Shrug』『Curtain』『Point and Shoot』に続くシングルです。これらのシングルは、ローリング・ストーン、ステレオガム、ペイスト、ブルックリン・ベジアン、コンシクエンスなどから早期の賛辞と支持を受けています。  


「『Salesman』は技術的には悲しいテーマを扱った真剣な曲です」とフリーマンは説明します。「しかし、アルバムの中で最もアップビートな曲の一つでもあります。また、この曲はほぼ完全にライブで録音した唯一の曲で、私のツアーバンドと共に録音しました」  


フリーマンは間もなくアメリカを離れ、エンド・オブ・ザ・ロード・フェスティバルに出演し、ヨーロッパツアーを続けます。ロンドン・レクサントンでのソールドアウト公演を含むドイツ、デンマーク、スウェーデン、オランダでのヘッドライナー公演も予定されています。また、12月にはグランドアディとアメリカツアーを行い、西海岸ではソロツアーも予定されています。


フリーマンが2022年にデビューLP『I Looked Out』を静かにリリースした際、PRキャンペーンやレーベル、音楽業界のプロモーションは一切なかったにもかかわらず、著名な批評家から称賛を浴びました。

 

UPROXXのステファン・ハイデンは「2023年に発見した2022年の私の最も好きなアルバム」と評し、Paste Magazineは2020年代の25のベスト・デビュー・アルバムの一つに選出しました。そのリリースによる口コミの成功により、フリーマンは過密なツアースケジュールをこなすことになった。



「Salesman」

 

 

UK/EU TOUR:

 

・AUGUST

30th End of the Road Festival, DORSET, UK

 

・SEPTEMBER

1st    The Albert, BRIGHTON, UK

2nd    The Lexington, LONDON *SOLD OUT*, UK

3rd Rough Trade East, LONDON, UK

5th    Brudenell Social Club, LEEDS, UK

6th    The Hug and Pint, GLASGOW, UK

7th    The Workmans Club, DUBLIN, IE

9th    YES, MANCHESTER, UK

10th   Clwb Ifor Bach, CARDIFF, UK

11th   Hare and Hounds, BIRMINGHAM, UK

13th   Ekko, UTRECHT, NL

14th   Blue Shell, COLOGNE, DE

15th   Molotow, HAMBURG, DE

17th   Bar Brooklyn, STOCKHOLM, SW

18th   Vega, COPENHAGEN, DK

19th   Lark, BERLIN, 

 


Wilcoのフロントマン、Jeff Tweedy(ジェフ・トゥイーディ)が、9月28日に発売されるトリプル・アルバム『Twilight Override』の最新のプレビューとして新曲「Feel Free」をリリースしました。ゆったりとしていて、くつろげるようなフォークミュージックです。


「この曲で私が言及している自由は、小さなものも大きなものも両方あります。それは、私の人生で最も自由を感じられる瞬間に私のもとへやってきます。それは、友人たちとレコードを作り、過去、現在、未来の一部だと感じる曲を歌うことなのです」と、ジェフ・トゥイーディは曲について語っている。


「Feel Free」のリリースに合わせ、トゥイーディは曲の最後の歌詞「終わらない曲」をモチーフにしたファンからの歌詞投稿プロジェクトを発表した。リスナーからの投稿を基に、彼は後日に自身のサブスタック「Starship Casual」でリリースする拡張バージョンを録音する予定。


『Twilight Override』は、トゥイーディがシカゴのスタジオ「The Loft」でセルフプロデュース。トム・シックがエンジニアリングとミキシングを担当。同曲には、シカゴ在住の友人や家族が参加している。ジェームズ・エルキンソン、シマ・キャンベル、マシー・スチュワート、リアム・カザール、そしてトゥイーディの子供たち、スペンサーとサミーが参加しています。



「Feel Free」

Weekly Music Feature: Marissa Nadler


 

ナッシュヴィルのシンガーソングライター、Marissa Nadlerは、アメリカの首都、ワシントンD.C出身である。マリッサ・ナドラーは、これまで9作のアルバムを発表してきましたが、ほとんどのアートワークは白と黒の色調でデザインされ、モノトーンで統一され、ゴシックの世界観を打ち出して活動してきたといえる。同時に、ナドラーは歌手の他にも学生時代から絵画を専攻し、画家として活動を行っている。アーティストの公式サイトで絵画を購入することが出来る。

 

本日、マリッサ・ナドラーは、記念すべき10作目のアルバム『New Radiations』をリリースします。『New Radiations』を通じて、ナドラーは11曲の異世界的な楽曲からなる粗くも親密で息を飲むようなコレクションを提供しています。最初の一つの音から、ナドラーの豊かなボーカルと複雑なフィンガーピッキングが全面的に押し出されている。彼女は、エバリー・ブラザーズ風のハーモニーを夢のような孤独なサウンドスケープ——ファズのかかった歪んだディストーション、ハモンド・オルガン、そしてシンセサイザー——に重ねあわせて、その温かい脆弱性をテクスチャーと雰囲気により高めようとする。各トラックは、人生の一場面のようなエピソードとして展開され、カーテンが引き上げられたことで「強く響く」感情の重みを届けようとする。


『New Radiations』を通じて、甘いキャッチーなメロディと暗く生々しい歌詞の対比が深く刻にこまれている。「Light Years」において彼女は回想する。「昔は、あなたが流行の頂点だった。彼女を催眠術にかけることができた頃…、あなたは彼女の中に何光年を見ることができた。あなたは彼女と共にいたのだった」「You Called Her Camellia」では、語り手が嘆く。「これが取引ではなかった!(彼女の消えゆく姿)」と嘆いたかと思えば、『Smoke Screen Selene』では「私のように彼女に破壊されないように」と警告する。宇宙的な殺人バラード『Hatchet Man』では、寒気を感じさせるホテルシーンが描かれる。「天使が彼にそうさせた。そして彼は、私に見せた——彼は誰も彼女が消えたことに気づかないと思っていた」語り手は夜へと逃れていく。


このアルバムは、ナッシュビルのHaptown Studiosで友人のロジャー・ムートノットの協力を得て、彼女の自宅スタジオでレコーディングされた。ミキシングは、ランドール・ダン(アース、サン・オー)が手掛け、長年のコラボレーターであるミルキー・バーグスの繊細で没入感のあるアレンジが主な特徴となっている。うっとりするようなスライドギター、催眠的なシンセサイザー、荒々しいリフが折り重なり、音楽全体が海洋的な強度で波打つがごとく展開される。

 

マリッサ・ナドラーの過去2作のゲストアーティストを多く起用した作品とは対照的に、『New Radiations』は内省的で個人的なビジョンを提示している。ポップ、フォークをはじめとするジャンルを超越しつつも、彼女独自のスタイルを体現し、世界の騒音を美しさと荘厳さの瞬間に聞き手をとどまらせる。『New Radiations』は、単なるアルバムではないかもしれない——それはキャリアのハイライトであり、マリッサ・ナドラーの唯一無二のビジョンと芸術性の証でもある。

 

 

 

『New Radiations』 - Sacred Bones/ Bella Union

 

  

最近は、国内外を問わず、マイナー・スケール(単調)の音楽というのが倦厭されつつある傾向にあるように思える。暗い印象を与える音楽は、いわば音楽に明るいイメージを求める聞き手にとっては面食らうものがあるのかもしれない。


しかし、どのような物事も陰陽の性質から成立していて、つまり、光と影を持ち、明るさを感じる光というのも、それを何らかの対象物に映し出す影から生じる。音楽もまた、明るい印象を持つだけで真善美に到達出来ない。ダークな曲を恬淡に書き上げ、ブライトな曲と併置させるのが本物のシンガーソングライターである。

 

さて、ナッシュビルを拠点に活動を行うマリッサ・ナドラーは古き良きフォークシンガーの系譜に属する。彼女は、レナード・コーエン、ジョニ・ミッチェルのような普遍的な音楽を発表してきたミュージシャンに影響を受けてきた。暗い感情をそのまま吐露するかのように、淡々と歌を紡ぐ。歌手は、物悲しいバラッドを最も得意としていて、それらの曲を涼しげにさらりと歌う。全般的には、このミュージシャンの表向きにイメージであるモノトーンのゴシック調の雰囲気に彩られている。


ただ、そのフォークバラッドに内在するのは、暗さだけではない。その暗さの向こうから静かに、そしてゆっくりと癒やされるようなカタルシスが生じることがある。ナドラーのキャリアハイの象徴的なアルバム『New Radiations』は光と影のコントラストから生じている。学生時代から絵画を専門に専攻し、絵をサイドワークに据えてきた人物らしい抜群のコントラストーー色彩感覚がこのアルバムのハイライトになっているのである。

 

音楽という分野は紀元前から存在しており、それほど浅いものではない。年を経るにつれて、様々な見えなかった事実や印象が明らかになってきて、理解できなかったことがなんとなく分かるようになる。そのとき、ぼんやりと音楽という存在の正体が掴めてくる。それは理論的に解釈するというよりかは、ようやく腑に落ちたという感覚である。そして、それらの音楽に対する深遠な理解を、実際の作品に反映させてこそ、本当の音楽になりえる。多くの時代を超えた音楽家たちは、断片的であるにせよ、自分たちの理解を作品に真摯に込めてきた。 『New Radiations』は、時代を超えた魅力を持つアルバムで、ミッチェルの『Blue』に比するフォークバラッドの傑作である。一度聴いただけで、すべてが理解出来るアルバムは、多くの場合、大したものであったことは多くない。時間が経つと徐々に形骸化していってしまう。その点で、アートワークのイメージと合致するように、このアルバムにはミステリアスな謎が残されている。


ただアーティストが言うように難解な音楽ではなく、一度聴いただけでその魅力は伝わってくる。しかし、アルバムに込められたメッセージを掴むためには、音楽を待っているだけでは不十分で、聞き手が音楽や制作者の方に近寄っていかないといけない。「インスピレーションは待っているだけではやってこない。棍棒を持って追いかける」と言ったのは、船乗りの作家、ジャック・ロンドンであったが、本当に優れた音楽を本当に楽しむためには、時折、名画を鑑賞するときのように、作品の方に自分から背伸びをして近づかないといけないのかもしれない。

 

今作には単調の曲がきわめて多く、その合間を縫うように長調の曲が点在する。ぼんやり聴いていると、ナドラーの歌声が永遠にどこかに続いている気がする。アルバムの入り口から出口までを聞き手は歩いていくことになるが、その出口を出た後も、音楽的な情景がどこかにやきついているような気がする。アルバムを聞き終わってもまだ、聴覚の奥には、ボーカルがわだかまっている。そして、音の余韻に浸らせるというよりかは、外側の感覚が抜け落ちたような奇異な脱力感を覚えさせる。音楽そのものがだんだんと途絶えていき、最後には何も残らない、というとても珍らかな手法である。本で喩えれば、読後の独特なエモーションが残るという点で、きわめて文学的なアルバムと言えるかもしれない。残念ながら、ここでは、歌詞について注釈を設けて詳述するのは出来ないが、音楽的な方向から、アルバムのミステリアスなベールの向こう側に迫っていければと思っている。まず、マリッサ・ナドラーの音楽的なストリーテリングの手法とは、”すべてを明らかにせず、含みをもたせる”ことにある。アーティストの言葉を借りれば、”聞き手側に想像する余地をもたせる”ということになろう。

 

 

「It Hits Harder」は他の収録曲の指針や基礎となる楽曲である。いってみれば、このアルバム全体の音楽性を決定づけ、紹介するようなイントロダクションである。イントロはアコースティックギターのフィンガーピッキングを中心とした優しい歌声のフォークバラッドで始まる。精妙な感じで始まるが、背景にシンセサイザーのシーケンスが敷き詰められ、フォークミュージックの背後にはアンビエント的な空気感が優勢になり、ドラマティックな質感を増していく。その音楽的なストラクチャーを強化するのが他でもない、ナドラーの歌声である。この曲の場合は、ボーカルを重ねることで、その声の印象はコラール風のチャントへと変わり、賛美歌のような印象を持つようになる。ボーカルの2つの録音を対比し、十分な空間的な奥行きのあるリバーブ/ディレイを用い、音楽の印象を広やかにし、音像全体を少しずつ拡大させていく。そして、その間には、ファジーなロックギターがアレンジで取り入れられ、フレーズの節目の調性や和音の縁取りを行っている。静けさと騒がしさが混在する奇異な音楽が、アルバムの最初のイメージを形成している。そして音楽的には、この曲は単調で始まるが、細かなセクションの中で、長調に変わったり、単調に戻ったりというように、幅広い和声感覚が発現している。基本的な音楽は、単調だけで終わることもなければ、長調だけで終わることがない。いわば音楽やポピュラーソングの基本的なルーツに回帰したような素晴らしいオープナーだ。

  

日本には、かつて”ムード歌謡”というジャンルがあった。戦後、アメリカの文化が日本に紹介される中で、映画音楽と演歌のスタイルをかけ合わせるというものだ。シティポップなどの音楽には明確にムード歌謡の影響がどこかに残っている。このアルバムには、いくつかそういった類の音楽が見いだせる。二曲目「Bad Dream Summertime」は、映画音楽とポピュラーの融合体で、ムードたっぷりの曲である。 どちらかと言えば、大瀧詠一や細野晴臣のような音楽性を微かに彷彿とさせる。この曲は、ハワイアン音楽のようなリゾートの雰囲気に包まれ、スライド・ギターがムードたっぷりに鳴り響き、その枠組みの中で、ナドラーらしい音楽が繰り広げられる。アコースティックギター、ボーカル、スライド・ギターを重ね、それらの音楽的な枠組みとして、幻想的なボーカルを披露し、バカンスやトロピカルなムードを強調している。ヴァース→コーラスというシンプルな構成だが、コーラスの箇所では曲の夢想的な感覚があらわとなる。その中で、心地よさと悪夢が混在する微妙な感覚が感情を込めて歌い上げられている。

 

三曲目の「You Called Her Camilla」は、レナード・コーエンの系譜にある、古き良きタイプのフォークソングである。アコースティックギターの分散和音が涼し気に鳴り響き、そして、ナドラーはメロディーを丁寧に歌い上げようとしている。その中には、ビートルズの主要曲のような王道のポピュラーの和声進行も含まているが、特にコーラスの箇所に琴線に触れるものがある。そのムードと呼応するように、スライドギターのような楽器が入ってくる。音楽がどのような感情性を呼び起こすのかを歌手は熟知しており、その感覚の発露に合わせて、使用する楽器も変わってくる。楽器が感情を表現するための媒体であるということを歌手は理解しているのである。また、この曲も同様に、イントロからヴァースにかけては長調が優勢であるが、徐々に曲風が変わり、コーラスの箇所では半音階進行の単調のスケールが顕著となり、和声の解決やカデンツアに向かい、切ない余韻を残しながら、ほんわかするような安堵感をもたらす。この曲を聴けば、ナドラーの人生観のようなものを読み解くことが出来るのではないだろうか。

 

四曲目「Smoke Screen Selene」は、20世紀のフランスの古典的なモノクロ映画のようでもあり、また、 「ゴッドファーザーのテーマ」のようなピカレスク・ロマンが反映されているように思える。ここでは、音楽そのものがよりミステリアスな雰囲気を帯び、映画音楽のオーケストラストリングスが模擬的に導入され、そして映画館の暗闇の中で古典的な映画を鑑賞するような雰囲気が出現する。その煙の向こうにあるスクリーンには何か見えるのか。アコースティックギターはミステリアスな音楽性を反映させ、そしてボーカルはそのアトモスフィアを助長させる。

 

特に中盤のハイライト曲として「New Radiations」を挙げておきたい。 ゴシック的な雰囲気もあるが、フォーク・バラッドの歴代の名曲と言っても良いかもしれない。ダークでミステリアスなイメージから一転して、空を覆っていた分厚い霧が晴れわたるようにアコースティックギターとボーカルがイントロから続く。その中で、曲は、明るさと暗さの間にあるミステリアスな領域をさまよい、そして、ナドラーのボーカルは浮遊するかのようにふわふわしたような印象を抱かせる。しかし、この曲はアルバムの中で最もシリアスな雰囲気をどこかにとどめている。この曲でも2つのボーカルを対比させて、明るさと暗さのコントラストをうまく描いている。


全般的なアルバムの作風の共通点として、「同じ人間が作っているので........」と断っているナドラーではあるが、一つの曲の中で、別の人物を登場させるような多義的なボーカルが傑出している。そして、歌手の記憶に向けて歌われるかのようなコーラスの部分は、過去の自分に向けたレクイエムのような悲しげな興趣を持つ。過去の自分へのささやかな別れを告げるような感覚は、このアルバムの最初の曲、そして最後の曲の共通のテーマである''惜別''という考えと合致する。そして、実際に、そのボーカルを聴いて確かめてもらいたいが、じっくり聴くと、迫真ともいうべきハイライトとして聞き手の脳裏に残りつづける。歌手としての迫力を感じさせる。そして、その歌声の後、間奏の箇所では、シンセサイザーのソロが深い物悲しさを漂わせる。

 

 

 「New Radiations」

 

 

 

アルバムは二部形式で構成される。5曲目までが第一部で、6曲目以降は、第二部として聴くことが出来るはず。一つの作品なので、大きく音楽性は変わるわけではない。しかしダークなイメージを持つが、その中に現れる心温まる感覚が後半では強調され、アルバムの終盤部に向かって繋がっていく。「It's An Illusion」も素晴らしい一曲で、牧歌的なフォークバラッドを通じて、悲しみや喜びを始めとする複雑な感情の機微を丹念に物語ろうとする。一貫して物悲しさも感じるが、ときに、ほろりとさせる琴線に触れるフレーズが登場することもある。さらにその感覚を引き立てるかのように、ファジーなギター、ロマンティックなハモンドオルガンのシンセ、スライドギターなどが、シンガーの歌をミューズのごとき印象で縁取る。最短距離でバンガーの曲を書こうとするのではなく、作品をじっくりと作り上げていったことが、こういった良質な楽曲を完成させる要因になったのかもしれない。このあたりのいくつかの曲はミュージシャンとしての完成ともいうべき瞬間なのではないか。驚くべき聴き応えのある曲である。 

 

「Hachest Man」は、ピカレスクロマンの曲である。「天使が彼にそうさせた。そして彼は、私に見せた——彼は誰も彼女が消えたことに気づかないと思っていた」という歌詞を織り交ぜ、ミステリー映画のような音楽を出現させる。それはまるでマリッサ・ナドラーという人物を中心に繰り広げられる一連のミステリアスな群像劇のようでもある。この曲もイントロはダークな雰囲気だが、コーラスの箇所「I was in over my head(どうしようもなかった)」という箇所では、長調に変わり、切ない雰囲気を帯びる。そして、単調と長調を巧みに織り交ぜつつ、曲はつづら折りのように続き、アウトロに向かっていく。その感情の発露がすごく簡素なものであるから、胸に響くものがある。アウトロではシンセサイザーのストリングスが入り、ふと涙ぐませるものがある。歴代のポピュラーソングと比べても遜色がない素晴らしい楽曲となっている。

 

アルバムの後半に向かうにつれて、このアルバムの音楽は荘厳な雰囲気に包まれ、天上的な音楽性が出現する。「Light Years」は文句なしのフォークミュージックの名曲である。ナドラーはこの曲において、ジョニ・ミッチェルの全盛期に匹敵する音楽性を作り上げた。牧歌的なフォークミュージックの系譜を受け継いだ上で、ロマンティックな雰囲気を添えている。ゆったりとしたアコースティックギターとボーカル、楽園的な趣を持つスライド・ギター、その全体的な音楽の枠組みを印象づけるシンセサイザー等、すべてが完璧に混在し融合している。ミックスなどの側面も傑出しているが、何より曲そのものが素晴らしく、非の打ち所がない。


ナドラーの全般的なソングライティングは、サイモン&ガーファンクルが「Sound Of Silence」を書き上げた時とほとんど同じように、個人的な出来事やパーソナリティから出発しているが、それが社会的な性質と直結していることに感動を覚える。「Weightless Above The Water」は、このアルバムの中で最もダークな曲である。サイモン&ガーファンクルのように茫洋的なロマンスに満ち溢れた良曲である。それは以前の男性的な視点から女性的な視点へと変化している。これは時代の変化とともに、フォーク・ミュージックがどのように変化したのかを知るためのまたとないチャンスである。

 

マリッサ・ナドラーが''一番重要な曲である''と指摘する「To Be The Moon King」は、先にも述べたように、ロケット工学の父にちなんだ一曲である。この曲は、アルバムの最後の曲「Sad Satellite」と連動するような機能を果たし、アルバムの最初の曲、そして最後の曲とも呼応しながら、悲劇的な側面を暗示している。同時に「バラッド」という音楽形態が、ヨーロッパの中世時代の一般階級の女性を中心とした「恋歌」から生じているのを考えると、これほど理にかなった音楽は存在しない。しかし、その中で、最も音楽を強固にしているのが、それらの歌詞が基本的には、''個人的な出来事から出発している''ということ。時にそういった個人的なことを歌った方が、社会的な意義を持つという先例はいくつも存在する。 こういった曲は、個人的な感覚に共感を誘うような意味もあり、広義における社会を俯瞰するためには不可欠な音楽と言える。仮に社会という形態が個人意識の集積体であることを考えれば。

 

アルバムの終曲「Sad Satellite」は悲歌の寂しいような感覚を単調のフォークミュージックで縁取っている。そしてやはり、アルバムの冒頭部のように賛美歌のようなボーカルワークが顕著である。思い出の中にある悲しみを浄められた感情で鎮めようとするためのある種の儀式。しかし、基本的には暗い感覚に満ちているが、その向こうには、それとは対象的な音楽の世界が満ち広がっている。このアルバムは''悲歌という形式の真髄''を意味するが、それと同時に、対照的な楽園的な世界を描出している。これは実は、画家ナドラーの絵画には見受けられない作風なのが面白いと思う。耳を澄ますと、美しく、どこまでも澄明な音楽の世界が無限に広がり、そして、それはときおり絵画的な領域に差し掛かることがある。アウトロのフェードアウトを聴いて、なにか脱力感があるのは、その音楽の持つ世界が息を飲むほど美しいからなのだろう。

 

 

 

95/100

 

 

 

 

 

「Light Years」

 

 

 

Marissa Nadlerのニューアルバム『New Radiations』は本日、Sacred Bones/Bella Unionから発売されました。ストリーミングはこちらから。

Weekly Music Feature: Tommy WA


ガーナ/アクラのシンガーソングライター、Tommy WÁは、2025年新作をリリースした中で最も才能を感じさせる。トミーはコンテンポラリーなアフリカンフォーク、インディー、レトロなソウルを融合させ、アフリカ大陸の広大なサウンドスケープを通して、唯一無二の芸術的なサウンドを確立している。 彼の音楽のカクテルは、トミー・WÁのルーツであるナイジェリアを効率よく巡り、彼が拠点を置くガーナのコスモポリタン、アクラの音楽的な欲求に応えてみせる。


トミー・WÁの音楽には多彩な世界が満ち広がっている。 このアーティストの主要な音楽は、ボン・イヴェールやマイケル・キワヌカのきらびやかな雰囲気を想起させるが、そのルーツは20世紀半ばのアフリカ民謡に求められる。 原始的なフックと鮮やかなストーリーテリングによって表現される彼の音楽は、時代、スタイル、大陸を跨いでいるが、その核心には普遍性がある。 ハチミツのような魅力的な歌声と、即効性のあるフックを得意とするソングライターである。


新作EPの題名『Somewhere Only We Go』は、このシンガーと彼のコミュニティがガーナで立ち上げたフェスティバルの名前だという。シンガーソングライターは、ブライトンの「グレート・エスケープ」の名前を聞き、勘違いをして、田舎の隠れ家を想像し、このプロジェクト名を思いついた。「このイベントには逃避行というテーマがあった」と彼は説明する。奇遇にも、彼はそのフェスティバルでダーティ・ヒットに才能を見出され、2024年に契約にこぎつけた。

 

今日、10年前から彼が温めていたアイディアがようやく日の目を見ることになる。今回のEPで、彼がガーナのみならずアフリカのことを伝えようと試みている。トミー・WÁは次のように回想する。「すべては良いタイミング、つまり神のタイミングで出来事が起こる。その人生を生き抜くために十分な時間が私には与えられた。そして、もちろん、それを分かち合うことも出来た。生きていない人生を私は分かち合いたいのではない。私はアフリカが真実であることをよく知っている。それは私が偶然見つけたものではなかった。何年もかけて作り上げたものだ」

 

彼は言う。「私はいつも”自分の周りの人のこと”を音楽として書いてきた。デビュー作に向けて取り組んできたが、デビューというのを気にしないで取り組んだつもりです。内省的な曲も結構書きますが、トミー・WAという自己だけにポイントを絞った内省的な考えはまだ明らかに出来ていないという気がしています」 また、彼は、自分だけのために音楽を作っているのではない。「子供が”自分”として生まれてくるのではなく、家族の一員として生まれてくるのを思うと、自分の真実を語る以前に、家族の視点から物語を語る方が良いと感じています」トミー・WAの考えは、もちろん、コミュニティを越え、より大きい国歌的な視点に至る場合もある。アフリカの現状、それからアフリカの真実について物語るため、彼の音楽は実在する。「多くの人がアフリカやアフリカに住むことについて狭い考えしかもっていないのではないかと思う。他の現実が存在するんだということを伝えなければ、ひどく損をするような気がする」

 

ミュージシャンにとって音楽をやることはどんな意味が込められているのか。トミー・WAは次のように明かす。「ある種のストーリーを共有することです。また、人々が自由に生きたり、自分の一部を隠そうとせず、正直に生きるように動機づけすることを手助けするものであると思っています。私の友人の幾人かは、私の音楽を家やドライブのような場所で楽しんでくれています」 

 

このシンガーソングライターにとって、音楽とは、それほど非日常的なものではなく、暮らしの中にある当たり前のものとして存在してきたことを伺わせる。それを裏付けるかのように、トミー・WAは次のように語る。「たとえば、歯ブラシで歯を磨くことを異常だとは考えないでしょう? それと同じく、音楽は私にとって生活に欠かせないものだ。それについては特に深く考えもしなかった。ガーナ、ナイジェリアのフェスティバルやショーで、多くの人がアフロビートやポップソングを演奏する中、僕はギターを抱えて、ただ、ステージに突っ立って、『やあ、僕はトミー・ワー。これは普通のことだ。みんな楽しんでくれ!』なんて言っていた。それがすべて。僕の出演の後は、ハードコアなヒップホップや流行のポップソングになった。でも、それで良かった。自分はショーのスターターとしてフェスティバルに出演していた」


淡々と音楽活動を行っていたトミーだが、近年では以前に比べて音楽に対する見方が鋭くなった。「今年、私は30歳になります。時間が増え、責任も減った。生き方がより冒険的になり、リスクを冒すこともいとわなくなった。私と同じくらいの年代に至った人々は、別のプロジェクトが用意されている。次のプロジェクトは、彼らのためのもの。私達はみな異なる国に引っ越し、私自身はイギリスでのショーを行うようになり、人間関係に変化が生じた。友人や家族と過ごす時間が減ってしまった。音楽にじっくり取り組んでいた頃から今に至るまで状況が著しく変化している。このプロジェクトでは人生がどう変化したのかを強調づけたかったんだ」

 

 


Tommy WÁ  『Somewhere Only We Go』EP - Dirty Hit

 
 
植民地化された国家は長い敗戦の時代を送ることを余儀なくされる。それは時折、100年もの月日を植民地化された国家として費すことになる、という意味でもある。19世紀から20世紀にかけて、ガーナは長い植民地支配に甘んじていた。ケニア、ウガンダを始めとする地域に大英帝国の支配の手が及び、この土地全般では、一般的な市民を啓蒙するための活動が行われていた。特に、この基幹的な産業として開始されたのが、「バンドゥー映画ユニット」だった。これはアフリカの都市部に映画産業を発展させ、経済発展を成長させようという目論見であった。
 
 
20世紀を通じて、ガーナ/アクラはその映画産業の一大拠点となり、「ゴールド・コースト・フィルム・ユニット」と呼ばれる映画施設が設立された。これは「ガーナ版ハリウッド」ともいうべき、国際的な映画産業で、地元の俳優も育成された。これらの産業は一度は成長したが、結局のところ、宗主国から義務付けられたものに過ぎず、地元の人々には根付かなかった。


ガーナの市街地には、多くの映画館が建設され、一時は殷賑をきわめたものの、20世紀の末葉には、それらの商業施設は次々と閉鎖していった。結局のところ、自発的な文化を成長させぬかぎり、その文化が土地に定着したり根付くことはない。これらは、ナショナリズムのように見えるかもしれないが、実はまったく似て非なるものである。21世紀に入り、長い植民地化の時代を越え、ガーナ、ひいてはアフリカ全体は真に独立した文化を構築しようとしている。
 
 
2025年はアフリカをルーツとするミュージシャンの活躍が目立っている。かつてのジャポニズムのように、物珍しさによる視線がアフリカに向けられたという意味ではない。これはおそらく、現時点の世界情勢を如実に反映しているのかもしれない。単一の覇権国家が世界を牛耳る支配構造は衰退し、多極主義が今後の世界の主流となりうるのではないかということは、多くの国際政治学の研究者の指摘している。アフリカ諸国はBRICSと足並みを揃えながら、今後は独立し、独自的な発展を遂げていくことが予測される。そんな中で、リリース元はイギリスのDirty Hitということで因縁を感じるが、Tommy WÁのようなミュージシャンが出てきたのは時代の要請とも言え、必然的な流れを汲んでいる。彼は、新しい時代のアフリカの体現者でもある。
 
 
ただ、彼はアフリカの負の部分に脚光を当てようというのではない。アフリカの原初的な魅力、今なお続く、他の土地から見えない魅力を、自然味に溢れた歌声で伝えるためにやってきた。Tommy WÁの素晴らしい歌声は、オーティス・レディング、サム・クック、ジェイムス・ブラウンのような偉大なソウルシンガーのように、音楽の本当の凄さを伝えるにとどまらず、それ以上の啓示的なメッセージを伝えようとしている。高度に経済化された先進国、そして、頂点に近づこうとする無数の国家の人々が散逸した原初的なスピリットと美しさを持ち合わせている。 

 
今年レビューした中で、『Somewhere Only We Go』は最も素晴らしい作品だ。アフリカの夕陽のように澄んだ輝きを持つ「Operation Guitar Boy」は、アコースティックギターの弾き語りで繰り広げられる簡素なフォークミュージックである。最初の一秒から音楽に魅了されずにはいられず、ボブ・マーレーに匹敵する劇的な歌声が披露される。イントロからヴァースを通じて短いフレーズが淡々と歌われ、繊細でセンチメンタルな歌声が披露される。一方で、コーラス(サビ)のオクターヴ上のファルセットは、どこまでも雄大だ。ジャケットのアートワークと呼応するかのように、水辺の小さな船で親しい家族や友人を目の前にして歌うアフリカ独自のフォークミュージックが展開される。親しみやすくて、崇高さがあり、大きな感動を誘う。アコースティックギターの演奏にも感嘆すべき箇所があり、スライドギターのようにフレットの間をスムースに滑るフレーズが、和音の演奏の合間に組み込まれ、それが奥行きのあるボーカルと絶妙に融和している。”Never Never Never Gonna Away”と歌われるコーラスの箇所は、まことに圧倒的であり、息を飲むような美しさが込められている。ボーカルの音量的なダイナミックな変化も大きな魅力となる。ビブラートの微細なトーンの変化を通し、勇壮さや切なさを表現する。サウンドプロダクションの方向性やプロデュースに依存しない本物のボーカルである。
 
 
一曲目は音楽そのものの自然さを体現している。二曲目「Celestial Emotions」では、エレクトロニックのサウンドをイントロに配している。アンビエント風のイントロから始まり、その後はジャック・ジャクソンのように緩やかなフォークミュージックが始まる。とりとめのないように思えるギターの演奏は、一転してアルトの音域にある歌声によって、音楽性そのものがぐっと引き締まる。その後、現代的なネオソウルの音楽に近づき、エレクトロニックとアコースティックを混在させたムーディーなフォーク・ミュージックが繰り広げられる。ドラムのリズムが心地よく響くなか、トミーは、間の取れたボーカルを披露している。この曲を聴けば、Tommy WÁの音楽が必ずしも古典性だけに焦点を絞ったものではないということをご理解いただけるはず。また、歌い方にも特徴があり、独特の巻き舌の発音が音楽に独自性を与えている。アフリカの伝統音楽には独特な発音方法があり、それを巧みに取り入れている。そして音楽的な構成にも工夫が凝らされている。途中からボンゴの演奏によって変拍子を取り入れ、音楽が一挙にアグレッシヴになり、舞踏的な音楽に接近していく。アフリカ音楽は、ポリリズムの複合的なビートが特徴であるが、それらの要素を取り入れ、華やかなコーラスが音楽を決定づける。トミーを中心とする歌声は、やはりアフリカ大陸の雄大なイメージを呼び起こす。アウトロの渋みのあるボーカルは、往年の名ポピュラー歌手の持つブルージーな感覚が存在する。

 
 
このアルバムの全5曲は、ほとんど同じような音楽形式で展開されるが、その実、実際の音楽性はまったく異なる。タイトル曲「Somewhere Only We Go」は、彼のアクラ時代の友人に向けて歌われている。それらは結局、自分を支えてくれた家族や共同体に対する大きな報恩や感謝である。ドラムで始まるこの曲は、リズムの面白さもあるが、アフロ音楽の色合いが最も強固だ。現地語の訛りのある発音を通じて、友人たちへの惜別が歌われることもある。しかし、トミーの歌声は、湿っぽくならない。友人の旅立ちを祝福し、それらを心から応援するかのような力強さに満ちている。これが友愛的な音楽性を付与し、なにかしら心温まるような音楽性を発現させる。しかし、それはセンチメタリズムの安売りに陥ってはいない。友人の存在を心強く思うたくましさがある。この曲には、ジャマイカのレゲエ音楽の要素も入っているが、それは模倣とは縁遠い。このシンガーの独自の独立した存在感を読み取ることが出来る。この音楽は、おそらくエリック・クラプトンが一時期ソロアルバムでやっていたような渋い内容であるが、それを彼は30歳くらいでやっている。驚きなどという言葉では語りつくすことが出来ない。
 
 
 
 
 「Keep On Keeping On」
 
 
 
 
近年、全般的には、ヒップホップやソウルというジャンルの棲み分けにより、ブラックミュージックそのものが矮小化されていることが多く、それが淋しい。本来ではあれば、ブラックミュージックは、一つの枠組みに収まり切るような小さなものではない。Tommy WÁの音楽は、そういった枠組みやレッテルを覆して超越するような力が内在している。アフロ・フォーク「Keep On Keeping On」は、アフリカの民謡の現代的に伝えている。ボーカルのメロディーには琴線に触れる感覚がきっと見つかるはずである。そして、そのシンプルで美しいメロディーを上手く演出するのが、オーケストラのストリングス、アフリカの独自のコーラスワークである。


ここには、地域という概念を超えた”ヨーロッパとアフリカの融合”という素晴らしい音楽の主題を発見出来る。トミーのボーカルは、録音からも声量の卓越性が感じられ、それは最近のプロデュースが優勢な音楽作品ではついぞ聴けなかったものである。中盤以降のボーカルについては、10年に一度出るか出ないかの逸材の才覚が滲み出ている。和声的にも心に訴えかける箇所があり、4分以降の転調の後、曲はサクスフォンの演奏に導かれるように、ジャジーな空気感を放つ。以降のボーカルのビブラートの美しさは比類なき水準に達し、崇高な趣を持つ。彼は音楽全体を通じて歌唱方法をそのつど変化させ、ものの見事に音楽のストーリーを作り上げていく。それはまた、明文化されることのない、音楽独自のストーリーテリングの手法なのである。
 
 
Tommy WÁの人生観は、様々な価値観が錯綜する現代社会とは対象的に、シンプルに人の生き様に焦点が当てられている。個人が成長し、友人や家族を作り、そして、老いて死んでいく。そして、それらを本質的に縁取るものは一体なんなのだろう。この本質的な事実から目を背けさせるため、あまりに多くの物事が実相を曇らせている。そして、もちろん、自己という観点からしばし離れてみて、トミーが言うように、大きな家族という視点から物事を見れば、その実相はもっとよくはっきりと見えてくるかもしれない。家族という考えを持てば、戦争はおろか侵略など起きようはずもない。なぜなら、それらはすべて同じ源から発生しているからである。


このミニアルバムは、音楽的な天才性に恵まれた詩人がガーナから登場したことを印象づける。「God Loves When You're Dancing」は、大きな地球的な視点から人間社会を見つめている。どのような階級の人も喜ばしく踊ることこそ、大いなる存在が望むことだろう。それはもちろん、どのような小さな存在も軽視されるべきではなく、すべての存在が平らなのである。そのことを象徴づけるかのように、圧巻のエンディングを成している。音楽的には、ボブ・ディラン、トム・ウェイツ、ジプシー・キングスの作風を想起させ、ミュージカルのように楽しく動きのある音楽に支えられている。ボーカルは、全体的に淡々としているが、愛に包まれている。個人的にはすごく好きな曲だ。もちろん、彼の音楽が時代を超えた普遍性を持つことは言うまでもない。このようなすばらしいシンガーソングライターが発掘されたことに大きな感動を覚えた。
 
 
 
 
96/100 
 
 
 「God Loves When You're Dancing」
 
 
▪Tommy WÁ -『Somewhere Only We Go』はDirty Hitから本日発売。ストリーミングはこちら


Rhett Miller(レット・ミラー)が10枚目のアルバム『A lifetime of riding by night』をATOから10月10日にリリースすると発表した。 これまでミラーは数多くの良質なアルバムを発表してきた。有名な作品としては、2002年のフルアルバム『The Instigator』などが挙げられる。

 

三年ぶりのニューアルバム『A lifetime of riding by night』は、オールド97'sのバンドメイトであるマリー・ハモンド(彼のソロ・デビュー作をプロデュース)がプロデュースし、ターンパイク・トラバドゥアーズのエヴァン・フェルカー、ケイトリン・ローズ、ニコール・アトキンス、ジン・ブロッサムズのジェシー・ヴァレンズエラが共作した曲を収録している。


「何十年も前に最初のレコードを作った時、マリーは私のメンターだった。 「彼がどの曲を使うことになるのか、完成したヴァージョンがどんな音になるのかも知らずに。 私はただ身を任せて、マリーを完全に信頼したんだ」


アルバムからのファーストシングルは、フェルカーと共作した「Come As You Are」である。 

 

「この曲は、エヴァンと私が、ツアーに出るために愛する人を置き去りにすることの難しさと格闘していた時に生まれたんだ。 甘い曲なんだけど、悲しさがあって、人間の本当の状態を反映しているように感じるんだ」とリットは言う。 

 

エヴァンのバンド、ターンパイク・トラバドゥアーズがこの曲のヴァージョンをシングルとして数年前にレコーディングしているんだけど、自分のヴァージョンをレコーディングしたいという思いがずっとあった。 共作であるにもかかわらず、「Come As You Are」は本当に個人的な瞬間のように感じる。 とはいえ、エヴァンのハーモニーを聴くとゾクゾクしてしまう。

 

 

「Come As You Are」




Rhett Miller 『A lifetime of riding by night』


Label:ATO

Release: 2025年10月10日 

 

Tracklist: 

1.A Little Song (Prologue)

2.All For You

3.Ellie On The Wharf

4.Come As You Are

5.Be Mine

6.People Are Lifted

7.A Little Song (Interlude)

8.The Bells of St. Mike’s

9.All Over Again

10.Time Again

11.A Lifetime of Riding by Night

12. A Little Song

13.Brand New Heart

 

 

 

Rhett Miller: 

 

レット・ミラーは、人気ロックバンドOld 97’sのフロントマンとして30年以上にわたり活躍し、尊敬される受賞歴のあるテキサス州出身のシンガーソングライター。

 

2枚のインディーズ作品を発表した後、ミラーと97’sはエレクトラ・レコードと契約し、批評家から高い評価を受けた『Too Far to Care』をリリース。彼らの13作目のスタジオ・アルバム『American Primitive』は、2024年春にATOレコードからリリース。オールド・97’sのプロジェクトの合間を縫って、ミラーは8枚のソロ・アルバムをリリースしており、最新作は2022年の『The Misfit』。  


作曲活動に加え、ミラーは文学活動にも熱心で、小説とノンフィクションの執筆にも取り組む。彼は『ローリング・ストーン』『ブックフォーラム』『スポーツ・イラストレイテッド』『マクスイニー』『ザ・アトランティック』『サロン』などに掲載された短編小説、エッセイ、記事の著者であり、リトル・ブラウン・ヤング・リーダーズから2冊の児童書も出版しています。 



レットのポッドキャスト『Wheels Off: Conversations about Creativity』は、芸術のあらゆる分野から著名なゲストを招き、200エピソードを達成しました。レットは映画にも出演しており、最近では『Guardians of the Galaxy Vol. 3』と『Guardians of the Galaxy Holiday Special』に出演し、監督ジェームズ・ガンと共作した曲を披露している。彼の曲は数多くの映画、テレビ番組、CMで使用されている。


ルイヴィルのフォークシンガー、Joan Shelly(ジョーン・シェリー)は、昨年の素晴らしい『Mood Ring EP』に続き、10枚目のソロアルバム『Real Warmth』を9月19日にNo Quarterからリリースする。 

 

このアルバムは、ベン・ホワイトリー(ザ・ウェザー・ステーション)とジェイク・ゼルクセス・ファッセルがエンジニアを務め、トロントで制作された。 このアルバムには、ザ・ウェザー・ステーションのタマラ・リンデマン、カレン・ン、ネイサン・サルスバーグ、マット・ケリー、フィリップ・メランソン、ダグ・ペイズリー、ケン・ホワイトリー、テイラ・ブルーム・サルスバーグも参加している。


「真冬の数日間、この曲、パフォーマンス、関係者、そして政治的な背景で、ある瞬間をとらえなければならないという切迫感があった」とベン・ホワイトリーは言う。 「このアルバムは、綿密に構成されたものではなく、本当に捕らえたもののように感じられる。 ジョーンのコンセプトのひとつは、ある場所に行くだけでなく、その場所のミュージシャンのコミュニティを利用することだった。


アルバムからのファースト・シングルは、素敵な "Everybody "で、ジョーン曰く、"実際の身体の暖かさ、つまり、私たちが直接、また生気のないオンラインの世界でもお互いに見せる見せかけとは対照的な、繋がりと帰属意識 "について歌っている。 試聴は以下から。



 

Joan Shelly 『Real Warmth』


Label: No Quarter

Release: 2025年9月19日

 

Tracklist:

1.Here in the High and Low
2.On the Silver and Gold
3.Field Guide to Wild Life
4.Wooden Boat
5.For When You Can't Sleep
6.Everybody 03:32 
7.New Anthem
8.Heaven Knows
9.Ever Entwine
10.Give It Up, It's Too Much
11.The Orchard
12.Who Do You Want Checking in on You
13.The Hum

 

 

Joan Shelly:

ジョーン・シェリーは、ケンタッキー州ルイビル出身のソングライター兼シンガーです。ギタリストのネイサン・サルズバーグとよく共演し、ジェイク・クセルクセス・ファッセル、ボニー・プリンス・ビリー、リチャード・トンプソン、ウィルコ、マリサ・アンダーソン、ダニエル・マーティン・ムーア、ザ・アザー・イヤーズ、マイケル・ハーレーなどのアーティストと共演しています。

 



オレンジ・カウンティのシンガーソングライター、Levi Robin(リーバイ・ロビン)の新曲「When The Sun Comes Out」 は、「闇と欺瞞に別れを告げ、真実と平和、そして優しさの癒しの力を受け入れる」という内容である。 

 

「When The Sun Comes Out」 は、ボブ・ディラン、サイモン&ガーファンクル、カーペンターズの系譜にある牧歌的なフォークミュージックに加え、ロビンの美しい口笛が登場する。カルフォルニアの広大な土地を想起させる。そして、レヴィ・ロビンのジプシー的な性質も滲み出ている。


この歌は、闇と欺瞞に別れを告げ、真実と平和、そして優しさの癒しの力を受け入れる。 それは、混乱と矛盾の雲が分かれ、正直さが自由に流れ、私たちのハートがオープンに歌う世界が現れる時である。  


リーバイ・ロビンの探求と好奇心の旅は、多くの道を歩んできた。 魂を剥き出しにするフォーク・アーティストの独特の音楽スタイルは、深く個人的で変容的な歌詞と、感情を揺さぶるヴォーカルを組み合わせ、意味とつながりに満ちたサウンドを生み出している。


カリフォルニア州オレンジ郡で育ったリーヴァイは、10代の頃、彼や多くの人が "ベルトコンベアー式の学校システム "と表現するものに深い不満を抱くようになった。 背中のシャツとギターしかなかった彼は、別の道、つまり音楽の道に踏み出した。 家出から東洋のスピリチュアリティとの出会い、サイケデリアから自分自身の古代ユダヤ教的なルーツの発掘にいたるまで、ソングライティングはユニークに統合する不変のものだった」とリーヴァイは打ち明ける。  


ソングライティングは、彼の心の奥底にある感情をメロディと詩へと変換する力強い方法となった。 バッハ、ストラヴィンスキー、ミンガス、ヘンドリックス、ディラン、ベック、ゲイ、ディアンジェロ、レディオヘッドなど、多彩なアーティストからインスピレーションを受け、リーバイ・ロビンは独自のマインドフルでジャンルを超えた音楽作品を生み出している。 


このアーティストが最初に注目を集めたのは2014年で、セルフタイトルのデビューEPのリリースと、それに続くマティスヤフとのツアーだった。 以来、シングルやアルバムを次々と発表し、100万回以上のストリーミングを記録、世界中にファンを獲得した。 2023年、LeviはあるコンサートでプロデューサーのYoel Kreisler、通称'FRAYMES'と出会い、セレンディピティな瞬間を経験した。 


すぐにクリエイティブなつながりと友情が生まれ、ふたりはスタジオに入った。 私たちは音楽と影響を交換し始め、この新しい音楽をレコーディングするための新しい方法を構想し始めた。 この新しいコラボレーションの結果であり、最初の試みがシングル「Whole As A Broken Heart」である。 


シングル「Healing Is Coming」は、降伏と勇気の歌であり、あらゆる障害に立ち向かい、人生の計り知れない真実に立ち向かい、暗闇に立ち向かい、私たちのユニークな魂の光をもたらし、蛇の目を見据える歌です」とリーヴァイは語っている。 


「When The Walls Fall」は、アンセミックなフックとムードたっぷりのサウンドが特徴だ。 「このシングルは、良心の叫びを歌っている。 壁が崩れ落ち、すべてが壊れたように見えるとき、それは魂の深い眠りから目覚めるためのアラームなのです」とリーヴァイは宣言している。 


リーヴァイのニューシングル「When The Sun Comes Out」は、「闇と欺瞞に決別し、真実と平和、そして優しさの癒しの力を受け入れる」ものだ。 それは、混乱と矛盾の雲が分かれ、正直さが自由に流れ、私たちのハートがオープンに歌う世界が現れる時である。  "When The Sun Comes Out "は、美しく魂を揺さぶるストリップダウンのインディーフォークソングである。

 

 

「When The Sun Comes Out」




This song is a triumphant farewell to darkness and deceit, embracing truth, peace, and the healing power of kindness. It speaks of a brighter future—a time when the clouds of confusion and contradiction will part, revealing a world where honesty flows freely and our hearts sing openly.  

Levi Robin's journey of exploration and curiosity has taken him down many roads. The soul-baring folk artist’s distinctive musical style combines deeply personal and transformative lyrics with emotive stirring vocals, creating a sound that is filled with meaning and connection.

Growing up in Orange County, California, as a teenager Levi became deeply dissatisfied with what he and many describe as “the conveyor belt trajectory of the school system.” With nothing but a shirt on his back and guitar in hand, he took a chance on a different path - a musical one. Levi confides, “From being a runaway to encountering eastern spirituality, from psychedelia to unearthing my own ancient Judaic roots, songwriting has been a uniquely integrating constant.”  Songwriting became a powerful way to translate his deepest feelings into melody and verse. Taking inspiration from an eclectic array of artists including Bach, Stravinski, Mingus, Hendrix, Dylan, Beck, Gaye, D'Angelo and Radiohead, and more, Levi Robin creates his own mindful and genre-defying musical releases. 

The artist first attracted attention in 2014, with the release of his debut self-titled EP as well as his subsequent tour with Matisyahu. Since then, he has shared a series of singles and albums, racking up over a million streams, garnering him a fanbase worldwide. In 2023, Levi experienced a serendipitous moment when he met producer Yoel Kreisler, aka 'FRAYMES', at one of his concerts. Sparking up an instant and immediate creative connection and friendship, the duo entered the studio. He shares, “We started trading music and influences, and began conceptualizing new ways of approaching recording this new music.” The result and first taste of this new collaboration is the single “Whole As A Broken Heart”. 

His single "Healing Is Coming", "is a song of surrender and courage, to face all obstacles, to face the ineffable truth of life, to face the darkness, to bring forth the light of our unique souls and look the serpent in the eyes," shares Levi. 

The track "When the Walls Fall" features an anthemic hook over mood-drenched sonics. "The single sings of an uproaring from the voice of conscience. When the walls fall and all seems broken, it's an alarm to wake up from the deep slumber of the soul," proclaims Levi. 

Levi's new single "When The Sun Comes Out" "is a triumphant farewell to darkness and deceit, embracing truth, peace, and the healing power of kindness." He further confides, "It speaks of a brighter future—a time when the clouds of confusion and contradiction will part, revealing a world where honesty flows freely and our hearts sing openly."  "When The Sun Comes Out" is a beautiful and soul-stirring stripped down indie folk embrace. 
 
 


Big Thiefは、2025年9月5日にリリースされる6枚目のスタジオ・アルバム『Double Infinity(ダブル・インフィニティ)』から、2枚の新曲「Grandmother」、「Los Angeles」をリリース。


「Grandmother」は、Big Thiefの3人のメンバー全員が初めて一緒に書いた曲で、世代間の愛と痛みに取り組んでいる。 エイドリアン・レンカーは祖母にこう歌っている。「大丈夫、起こったことはすべて起こったこと/だから、持ちこたえることに何の意味がある? 私たちはみんな狂っている/私たちは愛でできている/私たちは痛みでもできている"。 この曲のサビで、レンカーはこう締めくくっている。 ララアジはバッキング・ヴォーカルとチターで参加している。


クラシックで不動の趣を持つ「Los Angeles」は、過去の恋人たちが友人へと変わる復活の歌である。 「私は永遠にあなたについていく。 見なくても。 あなたは私たちが一緒になることを呼ぶ」とレンカーは歌い、時がいかに愛の形を変えても、それを沈めることはできないかを振り返る。 


サビでは、最初にふたりを結びつけ、今もふたりの人生を編んでいる魔法の呪文を挙げる。「あなたは私のために歌ってくれた。 あなたは私のために歌ってくれた。 この曲は、バンドがこれまでに発表した曲の中で最も即効性のある名曲かもしれない。

 

「Los Angels」 

 



モントリオールを拠点に活動するミュージシャン、Ada Lea(エイダ・レア: 別名アレクサンドラ・レヴィ)は、今週金曜日にニューアルバム『when i paint my masterpeice』をリリースする。

 

このアルバムは、彼女にとってリセット、優先順位と欲望の再評価の役割を果たす。それは、普遍的な不変要素に触れる経験の小話を結びつけ、その瞬間にただ存在することを可能にする。ゆるやかなアコースティック・ワンダリングから、より筋肉質な曲まで、このコレクションはレヴィが人生の方向性を見直すための方法だ。 

 

最新シングル「bob dylan's 15th haircut」では、彼女は過去と現在に目を向け、インスピレーションと適応の影響を測っている。ザ・バンドとワクサハッチーという、意図と実行が表裏一体となった音楽の歴史を、彼女はフォーク調のトワングで表現している。それは息をのむようなもので、感情の和解と自己発掘のための道として、このアルバムをより確かなものにしている。 

 

「時々、自分が言いたいことと実際に書くことの間にいつもギャップがあるような気分になるんだ」とレヴィは説明する。

 

「その晩の気分は、自分自身をボブ・ディランと比較していた。なぜだろう? ボブ・ディランのような曲は書けない』と言ってしまった自分を立ち直らせるためには、『彼は私のような曲を書けるだろうか』という考えを逆転させなければならなかった。それがいいことなのかどうかは別として、何かあったんだ」

 

 

 「bob dylan's 15th haircut」


 

2024年4月、ジョセフ・シャバソンとニコラス・クルゴヴィッチは、シャバソン&クルゴヴィッチとして初の日本公演となる2週間の日本ツアーに出発した。 7e.p.レコードの斉藤耕治さんは、松本、名古屋、神戸、京都、東京でのツアー中、尊敬する日本人デュオ、テニスコーツのサヤと上野をツアーに同行させ、バックバンドを務めた。


リハーサルは2回しかできなかったが、それだけで十分だった。 彼らのつながりは即座に音楽に反映され、彼らのショーは流動的で弾力性に富み、適度に予測不可能だった。 斎藤はこの相性の良さを予想し、レコーディング・エンジニアを神戸に呼び、築117年のコロニアル様式の邸宅をアーティスト・レジデンスに改装した有名なグッゲンハイム・ハウスに2日間滞在することにした。


曲は何も用意されていなかったが、彼らは即興でメロディーを弾き始め、その自然発生的なものから断片を抜き出して全体像を作り上げた。 サヤとクルゴヴィッチはすぐに、作詞に対するアプローチの近さに気づいた。 


休憩所の上空で雲の愛称(うろこ雲、竜雲、いわし雲、ねむり雲、ひつじ雲)を共有したり、洋服屋でビンの中からお揃いの靴下を探したり、神戸市立王子動物園で老衰のため死んだばかりの愛すべきパンダ、タンタンへの頌歌を作ったりと、ふたりは日常に潜む魔法を探し出し、歌い上げる。


それこそ、この体験が「毎日の魔法」のように感じられるようになった。 一行は作業をしながら、グッゲンハイムハウスの窓から太平洋が前進したり後退したりするのを眺めた。 この2日間で、彼らは8曲を作曲し、レコーディングした。


「このアルバムの素晴らしいところは、この家がレコーディング・スタジオではないので、超ライブ・サウンドだということです。僕にとっては、それがとても魅力的で個性的なんだ」とジョセフは語る。 


「全体が夢のような感じで、あっという間に終わってしまったから、帰国して数週間経つまで、ちょっと忘れていたんだ。 セッションを開いたとき、私たちが特別なことをしたのは明らかだった」


すべてがあっという間だった。 夢のように、彼らはその中に、そしてそこから抜け出していった。 数週間後、録音が郵送されてきたときに初めて、その夢のような状態が記憶として鮮明になり、その瞬間を何度も何度も思い出すことができるようになった。


「Lose My Breath」



Shabason/ Krgovich/ Tenniscoats  『Wao』


Label: Western Vinyl
Release: 2025年8月29日


Tracklist:


1.Departed Bird

2.A Fish Called Wanda

3.Shioya Collection

4.Our Detour

5.At Guggenhein House

6.Ode To Jos'

7.Look Look Look

8.Lose My Breath


 Pre-save: https://lnk.to/skt-wao

 

 

Tenniscoats:


さや (Vocal, Key他)と植野隆司 (Guitar, Sax, Vocal他)が学生時代に出会い、1995年majikickレーベルを始動、自らや多くの友人ミュージシャンの初期〜名作を制作、その後多く活躍。
テニスコーツはさや、植野のシンプルで独自のメロディーに互いの豊富なアイデアを詰め込み、即興も加わる。日本や海外のアーティストとのコラボレーションアルバムでも、その折々に自然発生した音楽の形が捉えられてきた。


これまで、プカプカブライアンズ、Cacoy、にかスープ&さやソース、oneone、Spirit Fest、ざやえんどう、といったバンドでも活動。植野はソロ作品も多数リリース。2020年より、ストリーミングサイトMinnaKikeruをしのっぺん、古川モトカズら仲間と立ち上げ運営、日本のインディアーティストの音楽を広く掲載している。 


 

ミネソタ育ちでバーモント州を拠点とするアーティスト、Lutaloがデビューアルバム『The Academy』のデラックス・エディションの発表と同時に、新曲「Cracked Lip」を発表した。(レビューを読む)

 

「この曲は、自己を見つめ直すことに焦点を当てている。 自分のエゴの変化と矛盾に気づいている。 私の自尊心と自問自答は、若い頃から互いに影響し合ってきた。 私はいつも、自分がいかに平凡な人間であるかを認識する一方で、自分の中にある個性へのコンプレックスを感じていた」 

 

「この絶え間ない流動の中にいることで、私は自らに課した精神的な牢獄の中にいた。 この曲は、その不完全さを認め、それにもかかわらず最高の自分になろうと努力することを歌っているんだ」とルタロは語っている。


奨学金を得て通ったミネソタ州セントポールの学校(F・スコット・フィッツジェラルドが通った学校であり、彼の作品の中で有名に解剖されている)にちなんで名づけられた『アカデミー』は、ルタロにとって再活性化と自己実現の時期であった。 このアルバムには、階級間の格差や特権に関する人間味溢れる見解が含まれており、アカデミーというエリートの世界に紛れ込んだ時期から得た情報がより多く盛り込まれている。

 

 

「Cracked Lip」



Lutalo 『The Academy』- Deluxe Edition

Label: Winspear

Release: 2025年9月19日

 

Tracklist:


1.Summit Hill

2.Ganon

3.Ocean Swallows Him Whole

4.Broken Twin

5.Big Brother

6.Caster

7.3

8.Oh Well

9.About (Hall of Egress)

10.Haha Halo

11.Lightning Strike

12.The Bed

13.I Figured

14.Cracked Lip

15.Daedalus

16.Twin 

 

Pre-save: https://lnk.to/the-academy 

 


マルチ・インストゥルメンタリストでプロデューサーのジェン・ワズナーのソロ・プロジェクト、Flock of Dimes(フロック・オブ・ダイムズ)は、彼女のサード・アルバム『The Life You Save』を発表し、ファーストシングル「Long After Midnight」を先行公開した。


「私のこれまでのアルバムは、一般的に、私がすでに経験したことをまとめたものだった。 しかし、このアルバムは違う。 私が生きている限り、そこから完全に抜け出すことはないだろう、現在進行中で未完成のプロセスの内側から報告する試みなのだ」


「私は他の人々についてのレコードを作ろうとした。 彼らの問題、葛藤、中毒...。 しかし、この仕事を通して、私はこのすべてから切り離されているわけではないことに気づき始めた。 私は離れたところから自分の役割を果たしてきたけれど、まだ関わっているし、つながっている。 結局のところ、私はこの中に存在している」


「自分が他人を救えるという信念は、内面的には複数の場所から生まれてくる。 最も見やすく、認めやすいのは、愛や善意、ケアやサポートをしたいという純粋な気持ちからくるものだ。 しかし、もっと醜い側面もあり、その部分を見るのは難しい。エゴ、高慢さ、自分は他の誰よりも優れている、強い、何らかの形で他の誰よりもふさわしいという信念だ。 他人の行動をコントロールしようとすることで、どうにかして自分の安全感を確保しようとする」


「私にとっては、それが最終的にすべてを理解するパズルのピースだった。 しかし、そのピースを手にするのが最も困難だった。 他人に対してではなく、自分自身に対して、この真実を認めても壊れないだけの愛を築くには長い時間がかかった。 私は救世主でもヒーローでも、選ばれた者でもない。 私は自分自身の車輪の中で回転しているのであり、他の人たちと同じように、中毒や適応や盲点の束なのだ。 そして、そこにはある種の自由とともに美しさがある......。 結局のところ、このレコードが、私が救うことのできない人々に対する愛の深さの証として存在し、自分自身のために愛し、生きる方法をまだ学んでいる人たちの慰めになればと願っています」 

 


「Long After Midnight」

 

 

 Flock Of Dimes 『The Life You Save』

 



 

Label: Sub Pop

Release: 2025年10月10日 

 

Tracklist:


1.Afraid

2.Keep Me in the Dark

3.Long After Midnight

4.Defeat

5.Close to Home

6.The Enemy

7.Not Yet Free

8.Pride

9.Theo

10.Instead of Calling

11.River in My Arms

12.I Think I'm God


Pre-save: https://music.subpop.com/flockofdimes_thelifeyousave


マディ・ディアス(Madi DIaz)は、ANTI-から10月10日にリリースされるニューアルバム『Fatal Optimist』を発表した。 


昨年リリースされた『Weird Faith』に続くこのアルバムは、スローでエモーショナルなニューシングル「Feel Something」がリードしている。


ある交際を解消した後、マディ・ディアスはある島に身を置いた。 「私は自分を島に置いた」とシンガー・ソングライターは日記に書いている。 「私はすでに、自分自身を感情の海で泳ぐ感情的な島だと表現していた。 それは完璧な物理的表現だった。


ディアスはその後、共同プロデューサーのゲイブ・ワックスとともに、彼のインフィニット・ファミリー・スタジオでアルバム制作に取り組んだ。 「スタジオを出た後、そこから逃れようとするのではなく、曲と一緒にこの重い場所にとどまったのは、私のキャリアで初めてのことだった」と彼女は説明した。


「運命的な楽観主義とは、何か不思議なものに対する生来の希望を意味している。 それは、誰かや何かを欲することに伴う明白なリスクがあることを知っていながら、それを後押ししてくれる奇妙な信仰なのです。 結果をコントロールすることはできないけれど、それでも起こる一瞬一瞬を経験すること、自分の心をそこに置くことを選んだ」



「Feel Something」
 


・ Second Single 「AMBIVALENCE」

Madi Diaz(マディ・ディアズ)が、10月10日にANTI-からリリースされる新作アルバム『FATAL OPTIMIST』のセカンドシングル「AMBIVALENCE」をリリースした。アーティスト自身のアコースティックギターの弾き語りによる、ほろ苦いフォークナンバーです。


「アンビバレンス」では、ディアスは嫌な気分を材料に、その4音節の言葉を、''パンくずだけで十分かどうか確信できない''という静かなアンセム的なコーラスに変えています。曲のコーラスで彼女は歌う。

 

ーー私はあなたを頼りにできることが一つだけある // あなたが私の夜を踊り明かしてくれる // あなたが私の夜を踊り明かしてくれる // あなたが私の夜を踊り明かしてくれる、アンビバレンス // アンビバレンスーー


「Feel Something」に続く曲で、「論理を超えた誰かとつながりたいという深い欲望が支配する瞬間について描いた、切迫感と不安に満ちたアコースティックナンバー」とStereogumは評している。


2021年のブレイク作『History of a Feeling』と2024年のグラミー賞2部門ノミネート作『Weird Faith』に続き、ディアスは聴衆に近づいてほしいと訴える。 『Fatal Optimist』は、その峻厳さであなたを悩ませる最も可能性の高いアルバム。 


ディアスの言葉によると、「Fatal Optimismは、魔法のような何かへの先天的な希望だ。それは、誰かや何かを望むことには単純なリスクが伴うことを知りつつも、奇妙な信仰が働く瞬間です。結果をコントロールできないにもかかわらず、起こるすべての瞬間を経験し、全心を注ぐ選択をする時です。」  


かつて結婚を想像していた相手との関係を終わらせた後、ディアスは知っていた全てから離れ、島へ赴きました。その孤独な時間は、力強く洞察に富んだ内省の時期となりました。怒り、恥辱、ロマンティックな悲しみは、内面の統合へと移行し、『Fatal Optimist』のピースが次第に組み合わさっていった。  


共同プロデューサーのゲイブ・ワックス(Soccer Mommy、ザック・ブライアン)のInfinite Family Studioで録音されたこのアルバムは、その孤立を反映する必要があった。「これは私のキャリアで初めて、スタジオを離れた後も曲と共にこの重い場所にとどまり、そこから逃れようとしなかった瞬間でした」と彼女は語る。


バリトンギターやベースの控えめな伴奏は時折聴こえるが、『Fatal Optimist』はディアズがアコースティックギターと共に部屋に一人きりでいる姿に尽きる。シンプルさを追求することは、曲にプロダクションの層を重ねて隠すよりもはるかに難しい。まさにこれらの曲が必要としていたものだった。

  

「AMBIVALENCE」

 


・Third  Single-「Heavy Metal」


マディ・ディアスは『Fatal Optimist』から3作目のシングル「Heavy Metal」を公開した。アコースティックギターによる弾き語りのバラードソングで、ほろりとさせるエモーションが感じられる。等身大のシンガーの姿が歌われているようだ。


「ヘヴィメタル」はディアスは自分が母親に似てきたことに気づくこと、暗い時期を無理やり乗り越えること、そして自分の心をヘヴィメタルに変えていくことを歌う。繊細だけど力強さがある。


彼女は次のようにこのシングルについて説明している。「本当に、私自身がハードコアであるように感じられる曲を書きたかった。 感情的にはヘビーメタルなのに、表に出るのは柔らかいものばかりなの」と語っている。下記よりご視聴下さい。


「Heavy Metal」



Madi Diaz 『Fatal Optimist』

 

Label: Anti-

Release: 2025年10月10日

 

Tracklist: 

1. Hope Less
2. Ambivalence
3. Feel Something
4. Good Liar
5. Lone Wolf
6. Heavy Metal
7. If Time Does What It’s Supposed To
8. Flirting
9. Why’d You Have To Bring Me Flowers
10. Time Difference
11. Fatal Optimist

 

Pre-save:  https://madidiaz.ffm.to/fataloptimist 



Introduction:


2021年のブレイクスルー作『History of a Feeling』、2024年のグラミー賞2部門ノミネート作『Weird Faith』を経て、ディアスは今、聴衆に身を乗り出して接近するよう促す。 『Fatal Optimist』はその圧倒的な迫力で聴く者を力強く魅了する作品だ。


ディアスはこう語る。「『Fatal Optimism』とは、何か魔法のようなものを本能的に望む気持ち。誰かや何かを欲する行為には単純なリスクが伴うと知りつつも湧き上がる、奇妙な信仰心。結果をコントロールできないと分かっていながら、それでも起こる瞬間を全て経験し、全身全霊を注ぐ選択をすること」 


かつて結婚を想像した相手との関係を終えた後、ディアスは知っていた全ての人や物から背を向け、自ら島へと向かった。その孤独な時間は、力強く洞察に満ちた内省の期間となった。怒り、恥ずかしさ、恋愛の悲しみは内なる統合へと変わり、『Fatal Optimist』の断片が次第に形を成していった。  


共同プロデューサーのゲイブ・ワックス(サッカー・マミー、ザック・ブライアン)が所有するインフィニット・ファミリー・スタジオで録音されたこのアルバムは、その孤立感を反映する必要があった。 「スタジオを離れた後も、この重い感情と曲と共にいることを選んだのはキャリア初でした。逃げ出そうとはしなかったんです」と彼女は語る。


ときどき、バリトンギターやベースの控えめな伴奏が聴こえるものの、『Fatal Optimist』の本質は、アコースティックギターを抱えたディアズが独りで部屋にいる姿にある。プロダクションの層で曲を覆い隠すよりも、シンプルさを貫くことの方がはるかに難しい。そしてまさにそれが、これらの曲に必要なものだったのだ。 -Anti Records

 



画家/シンガーソングライターとして活動するUKのミュージシャン、Joanne Robertson(ジョアンヌ・ロバートソン)が新作アルバム『Blurrr』のリリースを発表した。本作はロンドンのレーベルAD93から9月19日に発売される。


『Blurrr』はノエル・サマーヴィルがマスタリングを手がけた。2023年のフルアルバム『 Blue Car』の後、ペインティングの合間に子育てをしながら書かれたという。アルバムの発表と合わせてリードシングル「Gown」がリリースされた。この曲にはコラボレーターとしてOlive Coatesが参加している。『Blue Car』の頃のアコースティックギターのローファイなフォークミュージックの色合いを残しつつも、ストリングスが追加され、ドラマチックな音楽性へと変化している。



Gown」



Joanne Robertson 『Blurrr』


Label: AD93

Release:2025年9月19日


Tracklist:

1.Ghost

2.Why Me

3.Friendly

4.Exit Vendor

5.Joanne Robertson and Oliver Coates - Always Were

6.Peaceful

7.Joanne Robertson and Oliver Coates - Gown 

8.Joanne Robertson and Oliver Coates - Doubt

9.Last Hay


 Pre-save: https://ad93.lnk.to/Blurrr

 


ニューイングランドのシンガーソングライター、Halley Neal(ハレイ・ニール)がニューシングルとミュージックビデオ 「Emily」をリリースした。


ハレー・ニールは受賞歴のあるフォーク・シンガー/ソングライターで、その音楽は暖かさ、ポジティブさ、平和を放っている。ナッシュビルからボストンを拠点に活動するハレーは、叙情的で心のこもったソングライティングと、高らかに歌い上げるヴォーカル、そしてブルーグラスにインスパイアされた躍動的な楽器演奏を融合させている。アップライト・ベースとフィドルのトリオで演奏することが多い彼女のライブは、親密で高揚感に溢れ、彼女の正直な歌詞と楽に表現できる歌声が際立つ。


アメリカーナとフォークのシーンで頭角を現しているハレイは、全国ツアーを行い、全国のリスニング・ルームやフォークの会場で演奏している。カーヴィル・フォーク・フェスティバル、ロッキー・マウンテン・フォーク・フェスティバル、テルライド・ブルーグラス・フェスティバルなどの主要フェスティバルのステージにも立っている。彼女のキャリアのハイライトとしては、グラミー賞受賞アーティストのサラ・ベアリーズのオープニングを務め、デュエット・パフォーマンスでステージを共にしたことが挙げられる。

 

絶賛された2022年のアルバム『Beautiful and Blue』の成功に続き、ハレイは2025年秋に次のフルアルバム『Letter for a Friend』をリリースする。彼女を形成し、影響を与え、インスパイアしてきた人々への個人的な手紙のコレクションとして書かれたこのアルバムは、ナッシュビルでレコーディングされ、これまでで最も親密で物語性のある作品に仕上がっている。



このプロジェクトは『Letter For a Friend』というタイトルのコンセプト・レコードで、仮リリース日は2025年9月。このアルバムの全てのトラックは、私の人生に深い影響を与えたり、影響を与えたりした人への手紙として書かれています。とても個人的で意図的な曲の集まりで、世界と分かち合うことにとても興奮しています」



彼女のニューシングル「Emily」は、みずみずしいアコースティック、見事なヴォーカル、そして至福のメロディーに包まれたフォークポップだ。

 

エミリー 新曲について次のように説明する。「私の最も古い友人のために書いた曲で、私の子供時代を静かに、しかし深く形作ってくれた人なの。この曲は、時間や距離によって離れてしまったとしても、心に永久的な痕跡を残すような絆について歌っている。この曲を書くことで、彼女とだけでなく、彼女が私を信じてくれた自分の一部と再びつながることができた。言いそびれてしまいがちなことを口に出すことがいかに大切かを思い出させてくれる。この曲の核にあるのは、感謝の気持ち、思い出、そしてすべてを乗り越えて続く友情の力についてなんだ」



「Emily」

 

 

 


ニューヨークのフォークバンド、Big Thiefが9月5日に発売される6枚目のスタジオアルバム『Double Infinity』のセカンドシングル「All Night All Day」をリリースする。


 クランチーなサイケ・フォーク・ギター、パーカッションのバイキング、エイドリアン・レンカーの繊細な歌声」が自慢のリード・シングル「Incomprehensible」に続く「All Night All Day」は、恥じることなく愛と欲望を表現している。


レンカーは歌う。 "毒を飲み込む 砂糖を飲み込む/同じ味がすることもある/でもあなたはどちらでもない/愛は名前にすぎない/私たちが一緒になるまでの間、私たちが口にするもの"。 ここで彼女は、愛は苦くも甘くもなく、その両方よりも深いもの、つまり感覚よりも深いものだと主張する。 それは「本質の奥にある目」であり、名前をつけるよりも大きなものなのだ。 愛を育むことは、この名もないものを表現することなのだ。


『ダブル・インフィニティ』は、2022年のグラミー賞にノミネートされたアルバム『ドラゴン・ニュー・ウォーム・マウンテン・アイ・ビリーヴ・イン・ユー』に続く作品である。


 昨年の冬、ニューヨークのパワー・ステーションでレコーディングされた。 3週間にわたり、トリオはブルックリンとマンハッタンを結ぶ凍った道を自転車で走り、パワー・ステーションの温かみのあるウッドパネルの部屋でミーティングを行った。 


アレーナ・スパンガー、ケイレブ・ミッシェル、ハンナ・コーエン、ジョン・ネレン、ジョシュア・クラムリー、ジューン・マクドゥーム、ララアジ、ミケル・パトリック・エイブリー、マイキー・ブイシャスといったミュージシャンたちとともに、彼らは1日9時間演奏し、即興でアレンジを作り、集団的な発見をしながら、同時にトラッキングを行った。 アルバムは最小限のオーバーダビングでライヴ録音された。 プロデュース、エンジニアリング、ミックスは、長年ビッグ・シーフとコラボレートしてきたドム・モンクスが担当した。


"生きている美しさとは、真実以外の何ものでもないのだろうか?"  エイドリアンヌは「Incomprehensible」で、幼い頃の思い出の品とともに未来に向かって鼻先を走らせながら問いかける。 彼女は理解する。"これから私が見るものは、すべて新しいものになる "と。 肩の銀髪も新しい。 しかし、老いに対する恐れは、証明によって打ち砕かれる。 人生は生きることによって形作られる。 生まれること、そしてしばらくとどまることは、最大の謎に包まれている。 エイドリアンヌは自分の場所と時間を主張する。 "理解しがたい存在よ、私をそうさせてほしい"



「All Night All Day」