【あら恋(あらかじめ決められた恋人たち)】 京都CLUB METROにて2年ぶりのワンマンライブ開催決定! 「Come/あらかじめ決められた恋人たちへ 2025/01/18「Dubbing15」Live@shibuya www」ライブ動画も公開!!


太鼓芸能集団「鼓童」の木村佑太をゲストに迎えたデジタルEP「火の子」のリリースも記憶に新しい「あらかじめ決められた恋人たちへ」。


2026年2月08日(日)に京都CLUB METROにてワンマンライブの開催が決定した。ゲストボーカルに「ゆーきゃん」を迎え、「シグナレス」(池永とのユニット)楽曲の演奏も予定されている。


本日、11月02日よりチケット先行メール予約が開始される。120分超えのシネマティックなワンマンライブショー「Dubbing16」にぜひ足を運んでほしい。また、ライブ動画「Come」も同日に公開された。


このイベントに際して、''あらかじめ決められた恋人たちへ''の池永より以下のコメントが寄せられている。


久々、京都にてワンマンライブを行います! 2年ぶり?2年が早いです。。。

相変わらずややこしい事ばかりですが、日々の機微がふっと体を軽くしたり、聞こえてくる笑い声に泣きそうになったり、友達が遠くになっちゃったり、新しいメンバーと仲良くなれて嬉しかったり、映画観てグッときて、音楽聴いて打ち震えたり、相変わらず演奏下手くそで緊張しいでライブ慣れへんな〜、おうてへんのんちゃうんって何年やってんねん?

26年?7年?分からんけど、でもやっぱライブは楽しくてええな〜、やっててよかったです。なんの話か分かりませんが、なんだかんだで楽しくやってます。日々。

ライブは140分くらいのライブセットになりそうです。なんか色々考えてます。面白くなりそう。超久々、ゆーきゃんとも演奏します。むちゃくちゃ楽しみです。是非、遊びに来てください。やっていきましょう!!


ー池永正二(あらかじめ決められた恋人たちへ)



「Dubbing 16」あらかじめ決められた恋人たちへ ワンマンライブ



2026年2月08日(日)@ Club METRO


Guest:ゆーきゃん

Dub Mix:石本 聡


Open 17:00 / Start 17:30 / Advance ¥4,000+1D


<チケット先行メール予約受付>

11月02日(日)18:00~11月16日(日)23:59

氏名枚数をご記入の上 arakajime@gmail.com までメールお送り下さい。

公演当日、METRO受付にて前売料金で対応致します。

当日開場時間より、メール予約頂いたお客様から優先入場となります。

先着順での入場となりますので会場受付にてお名前を仰ってください。


<metro 前売りチケット>11月17日(月)10:00〜発売開始!

[ https://www.metro.ne.jp/schedule/260208 ]

<e+前売チケット>11/17 (水) 10:00〜発売開始!

e+ [ https://eplus.jp/sf/detail/4429390001-P0030001 ]



「Come/あらかじめ決められた恋人たちへ 2025/01/18「Dubbing15」Live@shibuya www」

 


YouTubeでのご視聴[ https://youtu.be/TV3E5Z-zEpI ]


  あらかじめ決められた恋人たちへ PROFILE:


1997年 、池永正二のソロ・ユニットとして誕生した、叙情派シネマティック・ダブ・ユニット。現在はバンド編成。


 鍵盤ハーモニカによるノスタルジックなメロディと、ニュー・ウェーブやUK DUB、 さらには 90’ s オルタナティブに影響を受けたサウンドが持ち味。フジロック等、幾多の大型フェスに出演。


 2024年、アルバム「響鳴」、「HAZARD OF DUB」曽我部恵一VSあらかじめ決められた恋人たちへ シングル「Nokuoto feat.山内真紀」をリリース。2025年、太鼓芸能集団「鼓童」の木村佑太をゲストにEp「火の子」をリリース。

     

「DALLJUB STEP CLUB」「礼賛」etc.のGOTO、「MUSIC FROM THE MARS」の藤井友信、「DALLJUB STEP CLUB」のBENCH.をはじめ、メンバーの個人活動が多彩なのもあら恋の特徴。リーダーの池永は映画の劇伴、トラックメーカー、コンポーザーとしても活動中である。


主な作品に「1122 いいふうふ」(24/今泉力哉監督)、「ゼンブオブトーキョー」(24/熊切和嘉監督)、「0.5の男」(23/沖田修一監督)、「宮本から君へ」(19/真利子哲也監督)、「味園ユニバース」(15/山下敦弘監督)、ヒプノシスマイク楽曲提供、その他、REMIX、CM音楽も多数手掛けるなど多岐にわたる活動を行っている。2025年現在、ニューシングル制作中である。


Web:http://arakajime.main.jp

Listen:https://lnkfi.re/nKuO6t


ゆーきゃん PROFILE:



シンガーソングライタ。いつだってよい音楽を創りたいと思っているけれど、ときどきはひどいライブもする。駄作も書いた。浮いたり沈んだり、妬んだり焦ったり、人前に立つのも嫌な日さえ、ときどきある。


それでも、聞くこと、聴くこと、書くこと、読むこと、見ること、見えること、忘れては思い出して、 眠っては目覚め、歩いては立ち止まり、流れては澱み、生きること、言い切ること、そういうこと、こういうこと、すべてを指してゆーきゃんと言うのだと思う。

▪️デザインの「今」を網羅する新たなプラットフォーム『tokyo design season | 季節』がローンチ。


この度、クリエイティブ・コレクティブ『FLOW』は、新たなプラットフォーム『tokyo design season | 季節』をローンチいたします。


都内のデザインイベントの開催情報を一覧したオンラインプラットフォームと、デザインの新たな潮流やその背景にあるストーリーにフォーカスした出版物を通して、東京のデザインの「今」を発信します。


オンラインプラットフォーム『tokyo design season』は、都内を中心に開催されるデザイン関連のイベント等を垣根なく集約した、ノンバイアスなデータベースです。「タグシステム」を中心とした検索機能を採用することで、オープンな情報設計に。AIアルゴリズムに偏らないことで、ユーザーが自らの関心を広げる手助けをします。今回ローンチしたβバージョンでは、2025年秋に東京を中心に開催される様々なデザインイベントの展示情報を垣根なくリストアップしています。







出版物『季節』では、デザイナーやクリエイターはもちろんのこと、デザインシーンの舞台裏や街づくりに関わる人にも焦点を当て、東京のデザインムーブメントの背景にあるストーリーを多角的に発信します。


プレローンチとなる『季節』issue 00は、フリーペーパーとして発行。東京を代表するデザインフェアのディレクター陣が、東京のデザインの今後について語った対談などを掲載。『季節』issue 00はデザインフェア会場を中心に、都内各所に設置予定です。







▪️クリエイティブ・コレクティブ『FLOW』について


編集者、デザイナー、クリエイターによって構成される運動体。領域や分野の枠を超えて、デザインの可能性を拡張し、日本から新たな“流れ”を世界へと生み出すことを目指す。感性・思想・実践を横断するプロジェクトを通じて、未来の文化と社会をデザインする。



・お問い合わせ先


press@tokyodesignseason.jp


Website:tokyodesignseason.jp

Instagram:https://www.instagram.com/tokyo.design.season/

デビュー35周年を迎える、孤高のバンド、LITTLE CREATURES。35周年を記念し、MIDI時代の旧作を発売順に最新リマスタリング音源で配信スタート。1stシングル「THINGS TO HIDE」の新装アナログ化。そして、5年前の無観客ライブパフォーマンス映像を期間限定公開。

 
青柳拓次、鈴木正人、栗原務による不動のトリオ、LITTLE CREATURES。若手のミュージシャンを発掘し、対外的に紹介するオーディション番組「イカ天」(TBS)で注目され、ミディからデビューを果たした。その後、フェイス、ビクター、P−VINEなど、名物的なレーベルを渡り歩いてきた。その途中には、プライベートレーベルなどを発足させ、活動を継続してきました。最近は活動実態がありませんが・・・、明日(11月1日)にデビュー35周年をひっそり迎えます。


35周年を記念し、11月21日に1990年の同日にリリースされた、1st EP『Little Creatures』を最新リマスタリング音源で配信。続く11月26日には、デビューシングル『THINGS TO HIDE』を新装ジャケットで、7インチ・シングルとしてリリースします。今後、MIDI時代の作品を発売順にリマスター配信し、アナログ化も予定しています。

 

また、5年前の2020年11月1日、デビュー記念日に行われた無観客/生配信ライヴ<LIVESTREAM SESSION>を、LITTLE CREATURES のYouTubeチャンネルにて11月1日(土)16:00より期間限定公開。さらに、LITTLE CREATURES STORE では35周年記念セール(最大70%OFF!)も開催予定。

 

過去20年、5年ごとに新作を発表してきた彼ら。前作『30』のリリースから、沈黙──というより、音沙汰がありません。果たして、新作は出るのか?出ないのか?どうぞご期待ください!!!


■リリース情報  

 1st EP『Little Creatures』


 


配信開始日:2025年11月21日 ※最新リマスタリング

7インチ・シングル『THINGS TO HIDE』
収録曲:1. THINGS TO HIDE / 2. POINT OF VIEW
発売日:2025年11月26日
規格番号:MDJL-1021 / 価格:¥2,310(税込)


■2020年の無観客ライブ映像を期間限定公開


LITTLE CREATURES「LIVESTREAM SESSION」

 

 

・ライブ映像のリンク: https://youtu.be/P5nJ6NfKCsk

 

*配信期間:11/1 (土)16:00〜終了日時未定


■祝!35周年記念セール開催中!!


LITTLE CREATURES STORE(https://littlecreatures001.stores.jp



■LITTLE CREATURES

 
青柳拓次(Vo/G)、鈴木正人(Bass/Key)、栗原務(Dr/Per)の3人で87年、高校在学中に結成。新宿、渋谷を中心にストリートライヴを繰り広げながら人気を博し、90年にシングル「THINGS TO HIDE」でデビュー。デビュー2ヶ月後に、青柳はスコットランド、鈴木はアメリカへ語学兼音楽留学のため旅立つ。91年に1stアルバム「VISITA」をリリース。

 

97年、3rdアルバム「little creatures meets future aliens」リリース以降は、"KAMA AINA"(青柳ソロ)、10人編成のエスペラント楽団 "Double Famous"(青柳・栗原)、鈴木はベーシスト、プロデューサーとしての活動など各々のソロ活動を行う。2000年、レーベル移籍を機にプライベート・レーベル「CHORDIARY」を設立。

 

2010年には、デビュー20周年を記念して、レーベルの枠を越えた初のオールタイム・ベスト「OMEGA HITS!!!」、2011年1月には LITTLE CREATURES をリスペクトする豪華アーテイストが参加したカヴァー・アルバム「Re:TTLE CREATURES」をリリース。2020年にデビュー30周年を迎え、約5年ぶりの新作『30』をリリース。孤高の存在としてマイペースに活動中。


・LITTLE CREATURES オフィシャルサイト:

http://littlecreatures.jp/

Bridie Fizgerald
 

ビクトリア州の海岸沿いの町/フランクストン出身の4人の友人(メイジー、マイク、ジミー、デヴ)で構成されるザ・ベレア・リップ・ボムズは、グループの強い絆と友情によって結ばれた、心温まるキャッチーなインディーロックソングを紡ぎ出す。オーストラリアの最重要グループだ。


メイジー・エヴァレット(ボーカル、ギター)を中心に2017年に結成。この頃まだ彼らは学校を卒業したばかりだった。メルボルンで活動を開始し、テレヴィジョンやローリング・ストーンズの古典的なロックを参照しながら、現代のインディーロックの要素と融合させ、独自のサウンドを追求してきた。ライブ活動を通じて、レディホーク、スペイシー・ジェーン、スローリー・スローリー、タイアード・ライオン、ティーン・ジーザス・アンド・ジーン・ティーザーズ、ブリティッシュ・インディアなど地元アーティストのサポートを務め、支持を集めた。


2018年にはデビュー作となるセルフタイトルをリリース。6曲収録のEPは、ラウドロックの影響と90年代グランジのギターサウンドが特徴だった。2019年には『Songs to Do Your Laundry To』でサウンドを拡大。3曲構成のこのEPでは、インディーロックとポップのサウンドを探求している。すでに現在のリップ・ボムズのサウンドの萌芽をこの時代に捉えることが出来る。


2020年を通じてサウンドを洗練させたザ・ベレア・リップ・ボムズは、初期の傑作トラック「Blah Blah Blah」と「Golden  Skin」の成功を受け、2021年にシングル「Out of Here」を発表した。切実で恋患いのロックソングは、キャッチーで洗練され、誠実なポップソングを書くタレントを象徴づけていた。サウンド的に多様で刺激的な初期活動で経験を積んだ彼らは、2023年の『Lush Life』で決定的な声明をおおやけにした。この作品は、憧れ、新たな地平の探求、満足と自己実現への新たな道発見といった物語を、喚起力ある探求で紡ぎ出す。 デビューアルバムが入り口、第一印象となるなら、ザ・ベレア・リップ・ボムズの初作品は、バンドが真に自らの音を見出していく過程を、鮮やかで情感豊かな肖像画として描き出している。


当初オーストラリアのレーベル、Cousin Will Recordsからリリースされた『Lush Life』は、海を渡り、米国のジャック・ホワイトのThird Man Recordsを通じて再発され、同レーベル初のオーストラリア作品となるだけでなく、バンドとレーベル間の新しい関係の始まりを告げた。ボーカルのメイジーは、「他のレーベルはストリーミング再生数を尊重するが、Third Manはそうではなかった」と語る。バンドの本質的な魅力を見抜いたレーベルへ尊敬を示している。


『Lush Life』リリース後、バンドはオースティンのSXSWフェスティバルや英国のThe Great Escapeなど、世界中でパフォーマンスを披露した。 オーストラリア国内では2024年、ザ・ベレア・リップ・ボンブスはレーンウェイ・フェスティバルやゴールデン・プレインズに出演した。さらに、ホッケー・ダッド、ミリタリー・ガン、ブロンズシェルらをサポートする全国ツアーも実施した。また、オーストラリア、ニュージーランド、英国/EUでのヘッドラインツアーを多数展開し、ロンドン、メルボルン、ブリスベンなどでソールドアウト公演を達成している。


現在、ザ・ベレア・リップ・ボムズは、ギタリスト/ボーカリストのメイジー・エヴァレット(パンクトリオ「CLAMM」ではベースも担当)、ギタリストのマイク・ブラドヴィカ、ベーシストのジミー・ドラウトン、ドラマーのリアム・デ・ブルイン(自身の名義でメルボルンのレーベル「Heard & Felt」からエレクトロニックミュージックもリリース)で構成されている。


本日、Third Manより発売される待望の二作目のアルバム『Again』は、「パンチのある、フック満載のロック・レコード…。サウンドはストレートだが、その構築はほとんど完璧である」とガーディアンに評されたデビューアルバムに続く作品である。 『Again』は、オーストラリアの隠れた名物的なバンドにとって新たな章の始まりとなる。結成8年目を迎えた彼らは、真摯な姿勢と強烈に耳に残るパワーポップの楽曲構成で、地元に確固たるファン層を築いてきた。


10年の記念すべき節目を迎えるにあたって、ザ・ベレア・リップ・ボムズは情熱的でキレのあるシングル曲を通じて、ボーカル兼ギタリストのメイジーが「恋慕ロック」と表現する独自の美学を磨き上げている。『Again』の制作にさいして、バンドはこれまで以上に個々の影響を融合させ、スキップなしのストレートなインディーロック・アンセム集を創り上げた。 10曲の躍動感あふれる新曲群は、バンドのDIYインディーロックスタイルを力強く洗練させている。


セカンドアルバム『Again』はバンド自身のメンバーに加え、ナオ・アンザイ(ザ・テスキー・ブラザーズ)、ジョー・ホワイト(ローリング・ブラックアウト・コースト・フィーバー)がプロデュースを担当した。ベルエア・リップ・ボンブスがプロデューサーと初めてタッグを組んだ作品となった。



 The Belair Lip Bombs 『Again』- Third Man 



The Belair Lips Bombs(べレア・リップ・ボムズ)のセカンド・アルバム『Again』は、気軽に楽しめるインディーロックアルバムで、比較的多くのリスナーに支持されそうな気配がある。音楽性こそ異なるが、このレーベルのボスのホワイト・ストライプスのデビュー当時のようなシンプルなロックの魅力を伝えるバンドでもある。セカンド・アルバムの音楽は、同じくオセアニア圏のThe Bethのスタイルに近似するが、べレア・リップ・ボムズの場合はよりポップソングに傾倒している。そのサウンドの中には、パンクやパワー・ポップの要素も含まれているが、ボーカルそのものはかなり現代の米国のポップの主流アーティストに近く、サブリナ・カーペンターのようなトレンドのポップソングを思い浮かばせる。また、その中には、それ以前の2000-2010年代のポップソングの影響もあるかもしれない。いずれにしても、そのサウンドには、Yumi Zouma、Middle Kidsのようなキャッチーなサウンドが織り交ぜられている。

 

しかし、このバンドのサウンドの最も個性的な箇所は、スコットランドの民謡の要素にある。メイジー・エヴァレットはスコットランドにルーツを持つらしく、ケルト民謡の要素が、フィドルの弦楽器の断片的な影響や実際的な演奏で明らかにされる。 これらは、ボストンなどの地域では、Dropkick Murphysのような豪快なパンクハードコアと融合されるわけなのだが、べレア・リップ・ボムズの場合は、少なくとも、ポップロックやポップパンクの要素が強調されている。

 

そのサウンドの中には、米国西海岸の2000年代のNew Found Glory、あるいは、南部のテキサスのBowling For Soupからのメロディックパンクの影響も感じられるが、疾走感は全体的に抑えめで、ミドルテンポの楽曲が多いため、ハードロックやパワー・ポップの印象が強い。べレア・リップ・ボムズのロックソングのスタイルは、ギターソロが明確に強調される場合もあるため、Goo Goo Dolls、Bryan Adamsといった、いわゆる北米のロックの代表格の音楽に準じたシンプルな内容である。これらは楽曲そのものの掴みやすさをもたらす一方で、彼らのオルタナティヴからの影響、グランジやパワーポップからの影響が、コアでニッチなリスナーにも共鳴するサウンドを発現させるのである。また、同時に、そのロックサウンドには網羅性があり、ペット・ショップ・ボーイズのようなシンセ・ポップの要素も含まれている。これらの多彩な音楽性が結びつき、現在のべレア・リップ・ボムズの音楽性が成立している。また、ヤング兄弟ほど天才的ではないにせよ、AC/DCの系譜にあるブギーのギターリフ、それからロカビリーとパンクが結びつくと、Social Distortionのような硬派なパンクソングに変化することもある。

 

「最近まであまりメルボルンの音楽は世界的に紹介されてこなかった」と不満をあらわにするボーカリスト、メイジーであるが、同時に、最近では、パンク勢を中心に世界的な知名度を持つバンドも出てきた。Amyl & The Sniffers、Middle Kids、Coutney Bournettに続く存在が彼らであり、ジャック・ホワイトのサードマンからのリリースによりワールドワイドなバンドとなるチャンスをつかもうとしている。このセカンドアルバムは、その可能性を十分にはらんでいる。現在、絶対的な存在が不在の中、キャッチーなインディーロックソング、時折、キャンディーのように甘い感じを持つ恋愛を中心にしたロックソングは若い世代の心を捉えそうだ。

 

アルバムの冒頭を飾る「Again and Again」はイントロはロカビリー風のパンクで、ローファイな感じに満ちたサウンドで始まるが、その後、スコットランド民謡を元にした祝祭的なロックソングが始まりを告げる。AC/DCがボン・スコット在籍時のデビューアルバムの「It's A Long Way To The Top」において明確にスコットランドのバグパイプのサウンドを強調付けたように、どことなくイギリス的な風土の雰囲気を簡素なロックソングを通じて強調させる。 これらは華やかな印象を持って、イギリスからの移民の多いオーストラリアの文化性を象徴付ける。しかし、従来の男臭い感じのロックのスタイルは時代の変遷を経て、よりフェミニンなロックのスタイルへと変貌している。また、同時に、この曲に個性味をもたらしているのが、フォーク・ソングやロカビリーの要素である。厳密に、オーストラリアにフォークソングが存在するのかは不明であるが、これらの音楽的な性質が、どことなく泥臭く渋い音楽性を発露させる。しかし、一貫して、ボーカルのメロディーはポップで、一般受けをする内容となっている。

 

正確に言えば、デビューしたてのロックバンドとは言えないかもしれないが、アメリカでの最初のデビューということもあり、鮮烈なイメージに満ち溢れた楽曲が中心となっている。その中には、ウルル(エアーズ・ロック)のような雄大な印象に満ちたロックサウンドもあり、時々、今や解散してしまった、Camp Copeのような哀愁を漂わせることもある。アメリカナイズされていないとはいえないし、イギリスからの影響もないわけではないが、べレア・リップ・ボムズの主要なサウンドには、”オーストラリアのバンド”としての矜持を見出すことが出来るのである。ジャグリーなロックソングはその後も続き、心地よいエナジーを発生させる。「Don't Let Them Tell You」では、このバンドの最初の出発点である、ローリング・ストーンズやテレヴィジョンといったブルースロック/ブギーロックのサウンド、あるいはニューヨークのプロトパンクやガレージロックの原点をなすラフなサウンドを参照しつつ、カラフルな印象に満ちたロックソングを提供している。特に、ブルースのギタリストとしては(現在も)世界最高峰であるキース・リチャーズのリフからの影響がひときわ強いことは、この曲のギターリフを聞いていただければ、瞭然ではないだろうか。これらは、ごきげんな感じのブギー・ロックの系譜にあり、奥深い箇所では、ブルース・ロックの要素がどこかで共鳴していることがわかる。しかし、全体的なサウンドとしては、チープであるがユニークな印象を与えるシンセ、それから対旋律的な効果をもたらすベースなど、全体的なロックソングの枠組みの中で、多角的な音楽的要素が混在している。また、これらのバンド・アンサンブルは、曲の終わりまで性急になることなく、丹念に作り込まれており、バンド全体で心地よいサウンドの公約数が導き出される。おのずとボーカルにせよ、リズムにせよ、全体的なアンサンブルにせよ、小気味良いサウンドが構築される。勿論、現在のべレア・リップ・ボムズの温和な空気感も一つの醍醐味となる。

 

 「Don't Let Them Tell You」

 


イントロにおけるベースとギターのフィードバックノイズが強固な印象を持つ「Another World」は、このアルバムの序盤の収録曲のハイライトの一つ。オセアニア圏のThe Beths、カナダのAlvvaysのような現代的なポップ・パンク/オルタナティヴロックのサウンドとも共鳴しながら、このバンドしか持ち得ないオリジナリティを探る。ギターはドラムとユニゾンを描き、裏拍のリズムを強調させるが、一方でベースは2つのパートとは異なる独立した旋律を象りながら、ボーカルのフレーズを強調付ける直前で同じユニゾンを形成する。これらは簡単なようでいて、相当緻密に作り込まれたサウンドである。しかし、そういった難易度を感じさせない、ボーカルの気さくな親しみやすいポップソングを基調としたフレーズが、この曲の完成度を高めている。ヴァースの箇所では、職人的なサウンドを構築するが、サビ/コーラスは、それらの玄人好みのサウンドを封印し、どこまでも純粋で澄んだポップパンクへと変化する。これらの玄人性と素人性を相携えたサウンドは、バンドとしての練度や高い潜在力を感じさせる。こういったサウンドを制作するのには、やはり10年くらいは必要となるか。特に、この曲のギターワークには素晴らしい箇所があり、哀愁のあるメロディアスなサウンドを作り上げている。これらはロック、メタル、パンクなどジャンルを問わず、多くのファンの心を掴みそうだ。

 

「Cinema」はシングルのB面曲のような雰囲気があるが、このアルバムの中では注目曲の一つである。ギターサウンドが曲のベースになっているが、同時にシンセ・ポップやAORのようなサウンドを参照しつつ、The 1985、The Bleachersのようなライトな感じのポップロックを提供している。しかし、同時に、このバンドは女性ボーカルにより、それらのサウンドを探求し、少しフェミニンな要素を添えるのである。それらがやや淡いエモーションに縁取られると、どことなく繊細で切ないような感覚に縁取られる。全体的には、Don Hanleyのような80年代の軽い感じのポップ・ロックが展開される中で、郊外のモーテルや海岸筋の情景のトロピカルな雰囲気など、情景を感じさせる瞬間がある。これらのバブリーな雰囲気を通じて、ハリウッドのサンセットブルバードの音楽や映画の名産地としての空気感をかたどってみせるのである。 また、同時に80年代のディスコサウンドを彷彿とさせるラグジュアリーな雰囲気もある。これらは、若い世代による過去へのノスタルジックな憧れを反映していると言えるかもしれない。

 

バンドのフロントパーソンである、メイジー・エヴァレットの歌手としての個性が花開く「Back of My Hand」を聞き逃すわけにはいかない。本作の中でも最も華々しいイメージに縁取られる。この曲には、オーストラリアのバンドらしい純粋な感じがあり、それらが軽快なロックソングとして昇華されている。Paramoreのヘイリー・ウィリアムズのようなサウンドを参照しながら、それらをジャグリーなロックソングへと変換させる。この曲に感じられるようなほどよいバンドの親近感のようなものも、このアルバムを聞くときの醍醐味に鳴るに違いない。また、現時点のところ、ストリーミング再生数で好調を維持している「Hey You」は「Another World」とならんで、このアルバムのベストトラックの一つである。この曲でもシンセの演奏を中心として、軽快でキャッチーなポップロックソングが提供されている。アンセミックでメロディアスなロックソングという、このアルバムの核心となる音楽性が味わえるはずだ。

 

 

「If You’ve Got The Time」は米国・西海岸のポップパンクやメロディックパンクとも共鳴するような一曲で、それらをよりパンクからロックの方向へと転換させている。ボーカルのメロディーの運びには既視感もあるが、それらのフレーズには、一般的な感覚があり、アンセミックな印象をもたらす場合もある。やや形骸化しつつある音楽性を参照しているのが気がかりな点ではあるが、このバンドの持ち味である純粋なエモーションがそれらの難点を帳消しにしている。これは、誰でも楽しめるような一般的なロックソングを探求した結果とも言えるだろう。「Smiling」は、バンドのメロディメイカーとしてのセンスが発揮される瞬間。中盤の楽曲に続き、恋愛をモチーフにした甘酸っぱいポップセンスは、全体的には、80年代のロックソングや、パワー・ポップ/ジャングルポップの形と結びついて、均されている。特に、他のメルボルンのバンドと同様に、サビやコーラスを大切にしているという点では、旧来の90年代のブリット・ポップ勢や、日本のJ-POPとも相通じる感覚があるかもしれない。また、オーストラリアのバンドは年代を問わずメインストリームのアーティストを良く聞いているという印象。

 

「Burning Up」はアリシア・キーズ、テイラー、サブリナへと続くポップシンガーを彷彿とさせるポップバラードで、それらをTikTokのカルチャーとクロスオーバーさせ、心地よい楽曲に昇華している。この点の言及については、まったく自信がない。 しかし、いずれにせよ、インディーズロック・バンドらしからぬ上昇志向がどのような印象をもたらすかは不明であるが、このアルバムの一つの聞き所となるのは間違いない。本作では最も感傷的でナイーブな印象を持つ楽曲で、他の曲とは異なる叙情的なポップソングで聞き手をうっとりとさせる。最初に述べた、Camp Copeのようなサウンドはアルバムの最後の収録曲に見出すことが出来る。この曲に満ち溢れる大陸的な雄大さを持った「Price Of A Man」は、彼らのアメリカでのデビュー、そして一般的な知名度を獲得するための重要な道筋となるに違いない。 パワーポップの趣を持ったロックソングであり、他の主要曲と同様、甘酸っぱい雰囲気を持ち合わせている。

 

 

80/100 

 

 

「Hey You」 

 

▪The Belair Lip Bombsのアルバム『Again』は本日、Third Manから発売。ストリーミングはこちらから。 


アメリカの著名なシンガーソングライター、アーティスト、ミュージシャン、Doctor Noizeのニューシングル「1-2-3-4-5-6-7 A Song」がストリーミング/ミュージックビデオと同時に配信された。

 

ベートーヴェンとテイラー・スウィフトに共通点がある?? それは「曲の書き方を知っている」ということ。 世界一クールなオーケストラが奏でる楽曲構成を学ぶ子供たちの純粋な喜びをご覧ください。


この新曲は、著名な監督シドニー・カリナンによる、純粋に温かくほっこりとしたノスタルジックなミュージックビデオと共に公開され、ドクター・ノイズの15年以上にわたるショーやレコーディングの映像が使用されています。ドクター・ノイズは「このビデオは、私がレコーディングやパフォーマンスを共にする特権を与えられた人々への、大きなラブレターのようなものです」と語っています。 


ドクター・ノイズはスタンフォード大学卒の気さくな感じのパパであり、チャートトップのミュージシャン、舞台・映像作品の委嘱作曲家、作家、受賞歴のある教師、講演者、スタジオオーナー、そしてユーモア作家というように、職業の概念にとらわれない多彩な表情をもつ人物である。鮮やかな楽曲、参加型ワークショップ、インタラクティブなパフォーマンスで想像力を刺激し、子どもから楽しむことを好む人々に喜びをもたらす。対照的でありながら協力し合う視点を持つ、力強い男性・女性・多様なキャラクターを特徴とし、その作品は万人に開かれている。


最新曲&ミュージックビデオ「1-2-3-4-5-6-7 A Song」は、曲の作り方をテーマにした楽曲! 世界一クールなオーケストラが彩る楽曲構成の学びから、子どもたちが純粋な喜びを得る様子をご覧ください。


音楽・作詞・編曲は、ドクター・ノイズ。演奏はドクター・ノイズ、アントン・シュワルツ、コロラド児童合唱団、プラハ市フィルハーモニー管弦楽団。このシングルは、彼の近々リリース予定の回顧アルバム『Positive Energy!』からの先行曲であり、ドクター・ノイズ自身の誕生日である10月30日にリリースされます。


「1-2-3-4-5-6-7 A Song」は、著名な監督シドニー・カリナンによる、純粋に温かくほっこりとしたノスタルジックなミュージックビデオと共に公開され、ドクター・ノイズの15年以上にわたるショーやレコーディングの映像が使用されています。ドクター・ノイズは「このビデオは、私がレコーディングやパフォーマンスを共にする特権を与えられた人々への、大きなラブレターのようなものです」と語っています。 

 

 

「1-2-3-4-5-6-7 A Song」

 

 
▪️EN


Doctor Noize is a Stanford-educated father, chart-topping musician, commissioned composer for stage and screen, author, award-winning teacher, speaker, studio owner and humorist. 


He ignites imaginations with vibrant songs, engaging workshops, and interactive performances, sparking joy for children and anyone who likes to have fun. Featuring strong male, female, and diverse characters with contrasting and collaborating perspectives, his work is for everyone.


His latest song and music video "1-2-3-4-5-6-7 A Song" is a song all about how to write a song! Watch the pure joy kids get from learning about song structure featuring the world's coolest orchestras. Music, lyrics & orchestration by Doctor Noize Recording performed by Doctor Noize, Anton Schwartz, the Colorado Children's Chorale & the City Of Prague Philharmonic Orchestra. The single is off of his upcoming retrospective album Positive Energy! and is released on Doctor Noize's own birthday, October 30th.


"1-2-3-4-5-6-7 A Song" is shared alongside a purely warm fuzzy nostalgia music video by acclaimed director Sidney Cullinan and features footage from 15+ years of Doctor Noize shows and recordings. Doctor Noize confides, "The video is like a big love letter to the people I have the privilege of recording and performing for and with." 
 
 



株式会社パルコは、”渋谷PARCO 4F PARCO MUSEUM TOKYO”(パルコ・ミュージアム・トーキョー)にて、2025年11月14日(金)~12月1日(月)の期間、イラストレーション、絵画、彫刻、インスタレーション、写真、映像、書籍、衣類、デザインオブジェなど、ジャンルや形式を横断する幅広い表現で知られるフランス人アーティストジャン・ジュリアン(Jean Jullien)による新作個展、Jean Jullien Exhibition「PURPLE PONY」を開催いたします。

 

PARCO MUSEUM TOKYOでは、4年ぶり2度目の開催となる今回の個展では、現実と虚構の境界を曖昧にし、観客を優しく惑わせ、楽しませるジャン・ジュリアンの創造のプロセスを表現。日本での日常生活に目を向け、自身が見て、感じ、愛するものを描いた19点の新作を展示いたします。


また、会場では、本展のキービジュアルが施された記念グッズに加え、 NANZUKA ART INSTITUTE(上海)で開催中の展覧会《JUJU’s Castle》にて販売中のグッズや、ジャン・ジュリアンの所属する韓国発のクリエイティブレーベル「NOUNOU(ヌーヌー)」のグッズなど、多数の商品も販売。さらに、11月21日(金)には、ジャン・ジュリアンによるサイン会も開催予定です。


やさしく、穏やかで、まるでラブレターのような展覧会を、ぜひお楽しみください。

会 場 :PARCO MUSEUM TOKYO

  東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷PARCO 4F

会 期 :2025年11月14日(金)~12月1日(月)

  11:00-21:00 

  ※入場は閉場の30分前まで

  ※最終日18時閉場

入 場:500円 ※小学生以下無料

主 催:PARCO

キュレーション:NANZUKA

■ サイン会


会場にてグッズを税込1,000円以上お買い上げの方を対象に実施いたします。詳細は公式サイトをご確認ください。


・開催日時:2025年11月21日(金) 18:00~19:00予定 ※状況によっては整理券を配布する場合がございます。

・場所:PARCO MUSEUM TOKYO会場内 ※展覧会へのご入場が必要となります。


 

▪展示作品

 





本展では、ジャン・ジュリアンが日本での日常生活に目を向け、自身が見て、感じ、愛するものを描きながら、なぜそれに惹かれるのかを静かに問いかけます。現代社会では、フィクションは本や映画といったメディアの中に閉じ込められ、嘘はフェイクニュースや人工的な現実のように、否定的な形で扱われることが多くなっています。そのような状況の中で、ジュリアンはフィクションを「現実からの逃避」としてではなく、身近な世界を愛おしむためのまなざしとして受け入れ、そこにある風景や感情を、新たな視点でやさしく見つめ直そうとしています。



東京という街は、想像と日常が混じり合う舞台です。そこでは、街にも人々にも、そして溢れるイメージの中にもフィクションが染み込み、まるで現実そのものが少し広がって、夢に触れたように感じられます。



「PURPLE PONY」は、そんな“現実”と“想像”のあいだを自由に行き来しながら、愛情や想像力、そして「生きる」というシンプルな行為についての親密な省察を描き出します。



現在NANZUKA ART INSTITUTE(上海)で開催中の《JUJU’s Castle》で描かれた冒険や逆境の物語から一歩離れ、「PURPLE PONY」では、よりやさしく、穏やかで、まるでラブレターのような展覧会が広がります。

 

 

・「Purple Pony」 記念グッズ

 







 


・NANZUKA ART INSTITUTE(上海)《JUJU’s Castle》記念グッズ






▪ジャン・ジュリアン/Jean Jullien





1983年フランス生まれ。現在パリ在住。


2008年にロンドンのセントラル・セント・マーチンズを卒業後、2010年にロイヤル・カレッジ・オブ・アートで修士号を取得。イラストレーション、絵画、彫刻、インスタレーション、写真、映像、書籍、衣類、デザインオブジェなど、ジャンルや形式を横断する幅広い表現で知られるフランス人アーティスト。



2011年には弟のニコラ・ジュリアンとともに映像制作ユニット「Jullien Brothers」を設立。2016年には、Jae Huhと共にソウルを拠点とするライフスタイルブランド「NOUNOU」を立ち上げ、衣類やオブジェ、ラグ、アートトイなどを展開。



2022年には、Phaidon Pressより初の包括的作品集を刊行。また、彫刻作品シリーズ《Paper People》《Paper Society》は、DDP(ソウル)、MIMA(ブリュッセル)、GINZA SIX(東京)、ル・ボン・マルシェ(パリ)などで展示され、国際的に注目を集める。



現在は一時的に東京を拠点として制作を行っており、2025年5月には大阪・関西万博でタラ オセアン財団のための特別インスタレーションを発表。2026年3月1日まで、NANZUKA ART INSTITUTE(上海)にて《JUJU’s Castle》を開催中。



▪PARCO HAPPY HOLIDAYS


パルコの毎年恒例となる「HAPPY HOLIDAYS」企画。今年のキービジュアルはジャン・ジュリアンによる新作として特別に制作されました。中心となるキャラクターは食いしん坊のカエル《ポール》。日本ではカエルが縁起物として親しまれていることを知ったジャン・ジュリアンが豊かさと遊び心の象徴として描き出しました。カエルの口からあふれ出すキャラクターたちは、日本のマンガやアニメ、玩具文化から着想を得たもので、日本的な想像力へのオマージュにもなっています。さらにCMのアニメーションでは、個性豊かなキャラクターたちがジャン・ジュリアンのナレーションと共に、特別なホリデーシーズンを演出します。

 


・特設サイト:https://parco.jp/happy-holidays/


・期間    :11月1日(土)より全国15店舗のPARCOで順次展開。

 

UK/マンチェスターを拠点とする3人組バンド、The Orielles(ザ・オリエルズ)が、新曲「スリー・ハーフズ」のリリースと共に、次作アルバム『Only You Left』を発表した。2026年3月13日、Heavenly Recordingsより発売される。

 

新曲「Three Halves」についてバンドは次のように語っている。「新作制作初期段階で興味を持ったアイデアを引用した『Three Halves』は、その名の通り不条理な対比の間を行き来する。ドローンを効かせたオルガン、ギター、チェロのサウンドスケープを基盤に、ノイズと虚無、精密さとカタルシスの間を漂い、それぞれの半分の展開が次へと導いていく」


ハンブルクと自動車通行禁止のギリシャ・イドラ島で録音され、長年のコラボレーターであるジョエル・アンソニー・パチェットがプロデュースした本作は、前作『Tableau』(2022年)の実験性をさらに発展させている。


アルバムアートワークは、ルイ・モリスが特別に制作した三連作で、「Three Halves」のテーマを引き継いでいる。 「アルバムアートワークを物理的なオブジェ、撮影用の彫刻的形態として制作しました。蝶番付き木製パネルで構成され、14世紀のオリジナルを現代風に再現したレプリカのように見えるように設計されています。この三連祭壇画が経年劣化を続け、保管する中で不完全さや時の経過を浮き彫りにしていくことを願っています」とバンドは説明しています。

 

 「Three Halves」

 

 

The Orielles 『Only You Left』 


Label: Heavenly Recordings

Release:  2026年3月13日


Tracklist:

1.Three Halves

2.Shadow of You Appears

3.Tears Are

4.Embers

5.Tiny Beads Reflecting Light

6.The Woodland Has Returned

7.All in Metal

8.You are Eating a Part of Yourself

9.Whenever (I May Not Feel So Close)

10.Wasp

11.To Undo the World Itself

 

Pre-save: https://ffm.to/theorielles-onlyyouleft

  


フランスのシンガーソングライター、Melody's Echo Chamber(メロディーズ・エコー・チェンバー)が新曲「Eyes Closed」を公開した。本日リリースされたこのシングルは12月5日にDominoから発売予定のアルバム『Unclouded』に収録される。

 

アーティストは声明で、現実と寓話の境界領域を探求し、その過程でサイケデリック・ポップのエッセンスに新たな要素を注入している」と述べている。

 

新曲「Eyes Closed」は、幻覚的なサウンドの雲を漂わせ、シューゲイザー的な漂流感あふれるアレンジが、マルコム・カトの尽きることのないドラミングによって推進されている。


カルト的人気を誇る英国のフューチャーファンク・グループ、ザ・ヘリオセントリックスの中心人物である彼は、マッドリブやDJシャドウともコラボレーションしており、その経歴はまさに圧巻だ。時に『Eyes Closed』は、形を持たず、かつ無限に魅惑的な、失われたクラウトロックのジャムセッションを彷彿とさせる。

 

「目を閉じるのは否定のためではなく、捧げもののため——鮮やかな記憶へ、人間の感情の複雑さへ、より深く見据えるために」とメロディは語る。「また、儚いものの美しさと、その無常がもたらす甘く切ない感情を強調する、しなやかな美学に駆り立てられているのです」

 


「Eyes Closed」 


2025年、Phoebe Rings(フィービー・リングス)は、台湾、韓国、日本、オーストラリア、ニュージーランド国内でのツアーに加え、ミスティック・ラブ&ダブやアジアン・ポップ・フェスティバルへの出演、そしてジャパニーズ・ブレックファストやザ・ベスのサポートアクトを務めた。 初の米国ツアーを控えた故郷タマキ・マカウラウ(オークランド)で、彼らはスタジオに戻り2曲のカバーを録音した。


その第一弾がビーチ・ハウスの2008年セカンドアルバム『Devotion』 に収録されている「Astronaut」である。ペダル・スティール、オムニコード、豊かなボーカルで再構築され、両バンドに共通するドリームポップのDNAと天体をテーマにした世界観が際立っている。


デビューアルバム『Aseurai』をCarparkからリリースしたバンドは、同レーベルのアーティストやディスコグラフィーを調査する中で、ビーチ・ハウスの初期2作に出会った。「メンバー数人にとって、ビーチ・ハウスの最初の2枚のアルバムは非常に影響を受けた作品として際立っている」とドラマーのアレックス・フリーアは語る。


ギタリストのシメオン・カヴァナ・ヴィンセントは『Heart Of Chambers』と『Astronaut』の2曲を傑出したトラックとして挙げている。 


両アーティストのドリーム/チェンバー・ポップへのアプローチには共通点がある。「Astronaut」は宇宙をテーマにした楽曲(バンド名「Phoebe Rings」は土星の衛星帯「フィービーリング」に由来する)として見事に調和した。オリジナル曲のハーモニーとメロディックなアプローチにも共通点を見出し、「スラッシュコード(分数コード)」と流れるようなメロディを挙げている。


ドラムマシンとオルガンベースをベースギターとドラムに置き換え、ペダル・スティールとキラキラしたオムニコードを加えることで、アレンジをフィービー・リングスのサウンド・ワールドに近づけた。 


ボーカル兼キーボード奏者クリスタル・チョイのボーカルは、ビーチ・ハウスのヴィクトリア・ルグランとは音域が異なるものの、楽曲のクライマックスでは同様の夢幻的な質感で高らかに響き渡り、カヴァナ・ヴィンセントのバックボーカルが見事に調和する。ジュノとギターはオリジナル曲のクロスリズムによる対旋律を奏で、ロックの軽快なベース・フィルが彩りを添える。


ドラムとキーボードはフリーアのマウント・イーデン自宅スタジオで基盤録音され、カヴァナ・ヴィンセントはオークランド中心部で近く作業、ベーシストのベン・ロックはロンドン自宅からリモート録音した。長年の共同制作者トム・ヒーリーが同じく、マウント・イーデンのパキン・スタジオでミックスを担当。 同楽曲の各種ストリーミングはこちらからチェック出来る。

 

「Astronaut」 

 


東京の作曲家/プロデューサー、フクゾノヤスヒコのソロプロジェクト、ausのニューアルバム『Eau』。奥野楽の演奏する「箏」を全面的にフィーチャーし創作した、ausの魅力的な方向転換といえる美しい作品。


思慮深く展開する繊細な技巧、展覧会や実験映画のための魅力的なサウンドデザインで、国内外から篤い支持を受けるアウスは、これまでキーボードやエレクトロニックサウンド作品を主に手がけてきました。


本作『Eau(オー)』は、依然としてエレクトロニックサウンドを維持しつつも、日本の楽器の中で最も特徴的な弦楽器のひとつである箏の音世界を軸に展開する、アウスの魅力的な方向転換といえるアルバムです。繊細でありながら豊かな数々の箏のフレーズと音色は、非常に才能豊かな演奏家、奥野楽(おくの・えでん)が担当。アウスは作品解説の中で、このプロジェクトにおける奥野の演奏とその芸術の重要性を称賛しています。


『オー』の収録楽曲は、箏の微妙に変化するアタック、揺らめく響きの音色と、他の楽器の音色のバランスをとるようにデザインされています。箏の繊細なディケイ(減衰)と韻律の柔軟性は、持続的なシンセサイザーの音色と対位法的に構築されたピアノの旋律に包まれ、引き込まれるような底流と、物憂げで流動的な質感を伴う、流れるようなアンビエンスを生み出しています。


箏の現代史を俯瞰したとき、日本のコンテンポラリー音楽の愛好者は『オー』を聴いて、沢井忠夫がリアライズした吉村弘作曲作「アルマの雲」(1979年)、箏の演奏グループKoto Vortex(コト・ヴォルテックス)が同じく吉村弘の作品を取り上げたアルバム『Koto Vortex I: Works by Hiroshi Yoshimura』(1993年)を思い出すかもしれません。どちらも箏を伝統から引き剥がし、アンビエント~テクノの文脈に配置しようとした先駆的作品で、それらは『オー』にも影響を及ぼしています。また、諸井誠の『和楽器による空間音楽』といった70年代日本の現代音楽作品も『オー』の重要な影響源となっています。


フィジカル版にはアウスによる日本語・英語解説付き。ジャケットデザインは橋本麦、マスタリングは大城真が担当。CD/LP/カセット/デジタルで発売し、CD・デジタル版とLP版はジャケット違いとなります。本作はレーベル《FLAU》とエム・レコードの初のコラボレーション・リリースとなります。アルバムから先行シングルの2曲のミュージックビデオが公開されています。日本の伝統楽器である箏、ピアノ、ボーカルを生かした雅やかなシングルとなっています。



「Orientation」
 



「Tsuyu」


■ aus  『Eau』-New Album



タイトル:Eau

アーティスト:aus

レーベル:FLAU/Em Records

発売日:2025年12月12日


Tracklist:

1. tsuyu

2. uki        

3. variation I 

4. orientation

5. variation II

6. tsuzure

7. shite

8. minawa

9. soko

10. strand



■ ストリーミング/ダウンロード

https://aus.lnk.to/Eau


■ リリース詳細

https://emrecords.shop-pro.jp/?pid=188331291

https://emrecords.bandcamp.com/album/eau


aus:


東京出身。10代の頃から実験映像作品の音楽を手がける。身近に存在する音を再発見し、再構築を繰り返すことによって生見出される彼の音楽は「自然に変化を加えることによって新しい自然を生み出す」と自身が語るように、テレビやラジオから零れ落ちた音、映画などのビジュアル、言葉、長く忘れ去られた記憶、内的な感情などからインスピレーションを受け、世界の細かな瞬間瞬間をイラストレートする。これまでにヨーロッパを中心に世界35都市でライブを行い、国際的にも注目されるレコード・レーベルFLAUを主宰する。


長らく自身の音楽活動は休止していたが、2023年 Seb Wildblood主宰All My Thoughtsより久々となるシングル「Until Then」のリリース、4月にはイギリスの老舗レーベルLo Recordingsより15年ぶりのニューアルバム「Everis」を発表。同作のリミックス・アルバムにはJohn Beltran、Ocean Moonらが参加した。


最新作は、より室内楽へのアプローチを深めた「Fluctor」。Ulla、Hinako Omori、Li Yilei らとのインスタレーションや、Matthew Herbert、Craig Armstrong、Seahawksへのリミックス提供など、復帰後は精力的に活動している。今年箏を中心に据えた新しいプロジェクト/アルバム「Eau」をEM RECORDS/FLAUより発表予定。


 

本日、10月29日(水)新作EP「Motion」のCDリリースを迎えたsorayaが、2026年最初の企画ライブとなる「soraya meets」シリーズ第二弾の開催を発表した。


「soraya meets…」シリーズは、sorayaのフェイバリット・アーティストを迎えるスペシャル対バン企画。今年4月に開催された第一回目はトリプルファイヤーをゲストに迎え、対談やカヴァー曲の演奏、ステージ上でのコラボレートなど、ゲストへの音楽愛を最大限に表現し、互いのファンが熱くなる一夜となった。


第二弾となる今回は、日本国内で絶大な人気を誇るシンガーソングライター、崎山蒼志を迎え、渋谷のライブハウスVeats Shibuyaにて開催される。音楽性の異なる2組の共演がどのような化学反応を生むのか、今から期待が高まる。


チケットは11月16日(日)に草月ホールで行われるsorayaのワンマン公演「VOICE INSIDE」の会場、並びに、同日、21:00よりWEBにて先着先行販売を開始する。来月開催のワンマンライブへもぜひ足を運んで頂きたい。


▪️soraya meets 崎山蒼志 supported by Veats Shibuya

2026.2.05 [Thu]

at Veats Shibuya

Open / Start: 18:30 / 19:15

Act: soraya、崎山蒼志


Ticket: 草月ホール会場先行 / 2025.11.16 [Sun]「soraya VOICE INSIDE」開場後より販売開始 ・1F自由席 早割価格 ¥5,500(税込/ドリンク代別) ・数量限定


オフィシャル早割先着先行:  2025.11.16 [Sun] 21:00_11.26 [Wed] 23:59 ・URL [ https://eplus.jp/soraya_sakiyamasoushi ] ・1F全自由 ¥5,500(税込)ほか各種券種あり


プレイガイド先行(抽選): 2025.11.27 [Thu] 10:00〜12.07 [Sun] 23:59


 一般発売: 2025.12.13 [Sat] 10:00〜


券種(前売): ・一般 1F全自由 ¥6,000(税込) ・U-25 1F全自由 ¥4,000(税込) ・中高生 1F全自由 ¥2,500(税込) ・2F指定席 ¥8,000(税込) ・2F親子ペア指定エリア ¥6,000(税込) ※ドリンク代別途/購入枚数制限:4枚(親子ペアは1組まで)


soraya meets:


「soraya meets」シリーズは、Veats Shibuyaの協力のもと開催される、sorayaのフェイバリット・アーティストを迎える特別企画。普段は着席公演も多いsorayaがスタンディングを意識したバンドセットで挑む。


今回は、sorayaからのラブコールを受け、シンガーソングライター崎山蒼志の出演が決定。フェイバリット・アーティストとの共演によって、より濃密で熱量のあるパフォーマンスが期待される。


・前回のライブレポートはこちら

[ https://www.ondoinc.com/label/soraya/meets/report ]



ピアニスト/作曲家・壷阪健登と、ベーシスト/ボーカリスト・石川紅奈によるユニットsoraya。

ファーストアルバムから1年半ぶりとなる6曲入りEP「Motion」。sorayaの演奏のみを楽しめるインストゥルメンタル盤もついた二枚組CDが本日・10月29日に発売決定。


▪️soraya「Motion [2CD]」



[ https://ssm.lnk.to/soraya_motion ]

2CD [4543034053926 / 3,000Yen+Tax] | 2025.10.29 Release

Released by B.J.L. X AWDR/LR2

Disc 1 / 1. Gravity  2. ひらめきを待っている / Intuition  3. Peace  4. Hands  5. 言葉の庭 / Garden of Words  6. 君にも / For You, Too  -Bonus Track-

Disc 2 / 1. Gravity (Instrumental)  2. ひらめきを待っている / Intuition (Instrumental)  3. Peace (Instrumental)  4. Hands (Instrumental)  5. 言葉の庭 / Garden of Words (Instrumental)  6. 君にも / For You, Too  -Bonus Track- (Instrumental)


ソロのジャズ・アーティストとして、共に注目を浴びているピアニストで作曲家の壷阪健登、ベーシストでボーカリストの石川紅奈による国も世代も超えて分かち合うポップスをお届けするユニット【soraya】。ロングセラーを続けるデビューアルバム「soraya」から一年半ぶりの6曲入りEP「Motion」。


本作の核となる「Gravity」は、sorayaの持つジャズの要素に加え、作詞家の高橋久美子による歌詞が加わり、清流のように透明感があって芯のある、強い意志のある曲に仕上がっている。


「ひらめきを待っている」は、これまでのsorayaにはなかった80年代のニューウェイヴ・ポップスのような8ビート・バンドサウンド。作詞はKuro。


「Peace」は、小さな思いやりや、目の前の人への愛が広がり、平和に向けたメッセージになっていくようなイメージを曲に仕上げている。シンガーソングライターUtaによる作詞曲。


「Hands」は先行で配信リリースされていた楽曲。苦しいことも含めHappyに、前向きに生きていくためのsoraya史上、最も多幸感溢れるゴスペル・ソウル。


同じく先行リリースされた「言葉の庭」は、ヴォーカルとピアノのみで創られた静粛の中にも印象派のような色彩を感じさせる。


そして、最後にボーナストラックとして収録している「君にも」は、1時間ほどで書き上げたという曲。ブルージーなアレンジが施されたポップミュージックで壷阪がヴォーカルを努めている。


参加ミュージシャンは、閑喜弦介、菅野知明、Kan、高木大丈夫、高橋直希。録音・ミックスは、葛西敏彦、マスタリングは、Dave Cooley。


ジャズをベーシックとする様々な要素が加わったポピュラーミュージックが収められた全6曲。CDは、sorayaの演奏のみを楽しめるインストゥルメンタル盤もついた二枚組で10月29日に発売する。



soraya:



ジャズフィールドで活躍するピアニストで作曲家の壷阪健登と、ベーシストでボーカリストの石川紅奈によるユニット。2022年より活動開始。


2024年3月にアルバム『soraya』をリリース。リード曲「風の中で」がJ-WAVE TOKIO HOT 100で6位を記録。同年7月にはFUJI ROCK FESTIVALにも出演。その後キネマ倶楽部でのワンマンライブや、トリプルファイヤーを迎えたmeets企画などを開催。


2025年9月には作詞に高橋久美子、Kuro(TAMTAM)を迎えたNew EP「Motion」をリリース、11月には初のホールワンマン公演soraya「VOICE INSIDE」を赤坂 草月ホールにて開催する。壷阪・石川ともにJAZZの名門レーベルVerve Recordsからソロ作品もリリースし、国内外で精力的にライブ活動を展開している。


▪️soraya NEXT LIVE  


・soraya「VOICE INSIDE」



2025.11.16 [Sun] 草月ホール

Open 16:15 / Start 17:00

指定席 ¥5,500 / 親子席 ¥5,500


Ticket: [ https://eplus.jp/soraya ]



崎山蒼志:



2002年生まれ、静岡県浜松市出身のシンガーソングライター。2018年のネット番組出演をきっかけに注目を集め、高校生で大型フェスに多数出演。人気アニメのエンディングテーマなどを担当し、2023年にリリースした「燈」はストリーミング総再生数1億回を突破。現在、雑誌「ギター・マガジン」での連載や、文芸誌「波」でのコラム書籍化など、音楽のみならず幅広い表現活動を展開。2025年10月には初の韓国公演を含む全10都市の弾き語りツアー「ダイアリー」を予定している。

 Hannah Jadagu 『Describe』


 

Label: Sub Pop

Release: 2026年10月26日

 

Listen/Stream 

 

Review

 

ニューヨーク→カルフォルニアのシンガーソングライター、ハンナ・ジャダグ(Hannah Jadagu)は、2020年代中盤以降のインディーポップシーンを象徴するような存在である。元々、iPhoneなどで録音を行っていたハンナ・ジャダグであったが、Sub Popにその才を見初められ、ポップ/ロックシンガーとしての華々しい才能を発揮するに至った。『Apeture』は、フランスで同地のプロデューサーと組んでレコーディングされた。これまで影響を受けてきた、ポップやソウル、そしてロックのエッセンスにヒップホップの話法を取り入れた画期的なアルバムで、ニューヨーク・タイムズ、NPRから称賛を受けた。サブ・ポップの説明によると、セカンド・アルバムは、ミュージシャンとして生きるようになってからの葛藤が描かれている。

 

彼女の開花しつつあるキャリアは、ニューヨークで育まれていた恋愛関係から彼女を引き離した。「愛と感謝を感じつつも、仕事のために離れていることへの罪悪感もあった」と彼女は振り返る。「ミュージシャンであることは時間を犠牲にすることを意味する——そして私の特徴の一つは、質の高い時間を大切にする人間だということ」彼女の広がりを見せるセカンドアルバムでは、その分離と向き合い、物理的な距離を超えた繋がりを見出し、その過程で自身の声を強めている。このセカンド・アルバムは、ソングライターがアイデンティティを確立するための過程を描いている。そして前回はロック調の曲も多かったが、今回はポップソングを中心に構成されている。しかし、メインストリームの音楽とどこかで呼応しつつも、独自のDIYのソングライターとして出発したミュージシャンらしく、インディーズポップが中核に据えられている。また、従来としては、白人のポップとして位置づけられていたアートポップやエクスペリメンタルポップ、ケイト・ルボンのような実験的なポップスへの接近を図った作品でもある。

 

「アナログとモダンを融合できるアーティストにすごく惹かれる」と彼女が語るように、今回のアルバムでは、普遍的なポップソングのエッセンスを取り入れながらも、それが現代的な音楽として通用するのか、もしくは新しいなにかが出てくるのか、その過程のようなものを捉えることが出来るはずである。アルバムの冒頭曲「Describe」を聞けば、そのことがよくわかる。ボーカルにはオートチューンを使用し、現代的なポップソングと呼応してはいるが、同時に、バックトラックでのシンセサイザーは清涼感のあるテクスチャを構成し、AORのようなサウンドに変化する。


1980-90年代と2020年代の商業音楽が入り混じったようなサウンドは、このアルバムのコアの部分を構成し、現在の活動拠点であるカルフォルニアのヨットロックやソフィスティポップのごとき音楽性と呼応する。しかし、必ずしもニューヨーク的な気風が立ち消えになったとまでは言えない。ボーカルのリリックや節回しには、依然として都会的な気風があり、アーバンな空気感が漂う。この曲は、その後、エレクトロニックの音楽性が大々的に強調され、一分半以降はミニマル・アンビエントの音楽性と連動しつつ、ポピュラーソングの未知の領域を開拓する。「Describe」には、その後、ゴスペルやソウルのような要素が追加され、荘厳なポップソングへと移行していく。現代と古典を行き来しながら、未来への希望を物語るかのような一曲だ。

 

デビューアルバム『Apeture』では、恋愛に関する曲も収録されていたが、「Gimme Time」でもその作風は受け継がれている。プロのミュージシャンになったことによる人間関係の葛藤は、内面をシンプルに吐露するという、伝統的なポップソングのスタイルと言えるが、それと同時に、この曲で垣間見えるのは、一般的なエモーションを巧みに表現したラブソングだ。ベッドルームポップのスタイルを参照しつつ、2020年代に相応しい一曲が書かれている。サウンド面でも、瞠目すべき箇所が数多くあり、ダブのエフェクト、IDMのエレクトロニックの要素等、クロスオーバーの多彩さでは、昨今のミュージックシーンでは群を抜いている。しかし、そういった新しい試みの中でも、ボーカルのメロディーラインは大きく変わっていない。これこそ、ハンナ・ジャダグのソウルやヒップホップを経過した、新しいポップソングの独自のスタイルなのである。ボーカルは、時々、ラップのニュアンスのように音程をぼかしたり、ネオソウルのような歌唱を踏まえながら、独自のポップネスのイディオムを構築している。同時に、白人のミュージックシーンでは一般的なドリーム・ポップのエッセンスも添えられる。つまり、この曲には、夢想的な感覚が織り交ぜられ、半ば陶酔感のある感覚を付与するのだ。

 

分けても、ヒップホップやブレイクビーツが強調づけられると、旋律的な性質が強いジャダグの音楽は、にわかに、先鋭的なアートポップ/エクスペリメンタルポップの表情が強まる。「More」は、シカゴ/ニューヨークのドリルに触発された一曲で、 アメリカ的なサウンドとイギリス的なサウンドが共存している。気忙しいグリッチのビートに合わせて歌うというケンドリック・ラマーを始めとする現代的なラッパーと同じスタイルであるが、ハンナ・ジャダグの場合は、やはりドリーム・ポップのような乙女心を感じさせるメロディーが切ない空気感を帯びる。そして、アルバムの一曲目にも登場した、トラックの背景となるシンセのシークエンスが、清涼感のある空気感を生み出している。前面ではヒップホップやソウル、そしてポップやロックが交差するが、その背後では、ミニマル・アンビエントやエレクトロニックが鳴り響くというものである。これは、実は、率先してダニー・ブラウンが『Quaranta』で試していた前衛音楽だったが、これらを聴きやすく、可愛らしい音楽へと置き換えたのが、この曲の正体なのである。特に、この曲も、後半部分では、ダンス・ミュージックの要素が強まり、踊れる音楽としての性質を帯びる。この点を見ると、このシンガーソングライターにとって、理想的なポップソングとは適度に踊れる、また、リズムに乗れるということが重要であることがわかる。

 

急進的なアートポップ/エクスペリメンタルポップのソングライターとしての一つの成果が続く「D.I.A.A」にはっきりと表れ出ている。ダンスビートとロック、そしてポップの融合が図られ、極大の音像を持ち、シューゲイズやポストロックのような宇宙的な壮大さを持つ全体的なテクスチャーの中で、ハンナ・ジャダグは持ち前のポップセンスをいかんなく発揮してみせる。デビュー・アルバムではまだ初々しさも感じられたが、今回のアルバムのいくつかの曲では、ベテラン歌手のような存在感を発揮する瞬間もある。この曲では、SSWとしての強い生命力やオーラのようなものを捉えることがきっと出来るはずである。特に、ダンス・ミュージックとしては極端なほどにBPMを落として、旋律的な側面を維持し、堂々たるポップソングの印象性を強めようとする。旧来のマイケル・ジャクソンのようなサウンドの影響もあるかもしれないが、それらは結局、どこまでもモダンな印象が強調付けられている。この曲では、テクノ、アンビエントを通過したポップソングで、新しい音楽ジャンルの萌芽を捉えることが出来る。こうした中で、ドローンのような痩せたパンフルートの音色を模したシンセサウンドが取り入れられた「Perfect」では、従来にはなかったミステリアスな音楽性で楽しませてくれている。

 

ハンナ・ジャダグというのは不思議なソングライターで、非常に感覚が鋭い。特に意識したわけでもないのに、現在のトレンドとなる音楽性を上手く捉えている。それはいわば、ミュージシャンとして波に乗っている証拠である。今回のアルバムでは、現代のソフィスティポップやAORのリバイバル運動と呼応するようなサウンドが、解題のためのヒントやキーとなりそうだ。80年代のディスコポップと連動した「My Love」では、ブリブリとしたリズムやビートとネオソウルやヒップホップ的なボーカルが組み合わされ、見事なポップソングが誕生している。その後も、前衛的なポップソングが続き、「Couldn't Call」では、ピアノにモーフィングのエフェクトを加えたサウンド・デザイン的なアートポップソングが登場している。アンビエント的な音像も魅力の一つであるが、ゴスペルに根ざしたボーカルの壮大な印象にも注目したい。この曲では、歌手が子供の時代、ゴスペルを歌っていた頃の経験がモダンなサウンドと共鳴する。「Tell Me That!!!」はスパイス・ガールズやビヨンセのようなサウンドやヒップホップのドリルをポップソングとして昇華しており、聴きやすい一曲として楽しめることうけあいだ。

 

セカンド・アルバムでは、ジャダグのポップセンスの才能的な拡張に加えて、リズムの実験的な試みがいくつも見いだせる。それは実際的に、リズムの側面において、ポリフォニックな革新性を持つに至る場合もある。「Normal Today」は刺激的なビートが特徴で、 ダブステップやUKガラージの派生系であるツーステップ/フューチャーステップのリズムが取り入れられている。 このリズムのセクションに加えて、このアルバムの肝となるソフィスティポップやEnyaのようなヒーリングの要素を持つオーガニックな質感溢れるイージーリスニングの性質が加わり、独自のポップソングの形式が登場している。これはハンナ・ジャダグ以外にはなしえない唯一無二のオリジナリティであり、今後どのような形で成長し、完成されていくのかに注目したい。この曲では、しなるように強固なビートが温和な印象を持つボーカルと見事に融合し、グルーヴィーなポップソングが確立されている。この曲のリズムやウェイブは圧巻とも言える。さらにヒップホップのビートを矢面に突き出して、それらを持ち前のベッドルームポップの要素と融合させた「Doing Now」は、このセカンド・アルバムの隠れたハイライト曲となるだろう。『Apature』の延長線上にあるこの曲。しかし、ギターサウンドにはさらなる磨きがかけられて、ローファイ風のコアなインディーロックソングのスタイルと見事な形で合致している。ベースラインとヒップホップのビート、そしてジャダグのボーカルは、美しいハーモニーを形成している。このあたりに、新しい米国のポップソングの台頭を捉えることが出来るはずだ。

 

ロックとヒップホップの性質が強まる瞬間もある。これらは、ハンナ・ジャダグの影響を受けた音楽のどの側面が強調付けられるかによって、最終的な音楽性が決定されることの証でもある。なおかつ、アルバムを通して聴く際にも、多彩でバリエーションに富んだ音楽性を楽しめるに違いない。今回の最新アルバムでは、デビューアルバムのクローズのようなフランスのエスプリを表したり、映画的なポップソングを制作したのとは対象的に、エポックメイキングな仕掛けは施されていない。しかしながら、これこそ、ハンナ・ジャダグが本格派のシンガーとしての道のりを歩み始めた証拠で、今後の音楽性がどのように変容していくのか楽しみでならない。「Miracle」でのヒップホップ/ブレイクビーツのリズムのクールさは形容のしようがない。また、夢想的な印象を持つドリームポップの要素がこの曲に独特なロマンチシズムを添えている。おそらく、このアルバムでは最終的な結果のようなものが出てきたとは限らない。つまり、潜在的な歌手や作曲者としての才能が無限大で、今後はまだまだ良い曲が出てきそうだ。

 

アルバムをたくさんレビューしていると、フルアルバムの最後、あるいは一箇所において、大きな期待感を抱く瞬間がある。それは間違いなく、新しい何かが登場した瞬間であり、そこに漠然としたロマンを感じる。アルバムの最終曲「Bergamont」では、それがはっきりと感じられる。音楽が、既存の枠組みに窮屈に押し込まれず、無限に広がっていくような感覚がある。音楽とは、既存の枠組みに押し込めるものではなくて、枠組みから解放するためのものなのだ。そしてそこには、威風堂々たる感覚すら捉えられる。これこそ、ハンナ・ジャダグが、今、着実に、優れたミュージシャンとしての階段を上っている最中であることを示唆するのである。望むべくは、アーティストにとって象徴的なトラックが出てくると、最も理想的かもしれない。

 

 

 

85/100

 

 

 

 

「Doing Now」