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©︎Kacey Makal

Jordana(ジョルダナ)が、10月18日にグランド・ジュリーからリリースされるアルバム『Lively Premonition』のプレビューを公開した。今回のミュージックビデオではアーティストが宇宙飛行士に扮し、カルフォルニアかどこかを歩き回るというユニークな内容となっている。

 

この曲は「Anything for You」というタイトルで、以前に公開された「We Get By」と「Like a Dog」のフォローアップとなる。ジャスティン・テイラー・スミス監督によるミュージックビデオは以下よりご覧ください。


「”Anything For You”は別れについての曲よ」とジョーダナは声明で説明している。「誰かがあなたの魂にあったエネルギーを枯渇させた後、もう一度自分自身を見つけようとする歌なの。新しい自分を探したり、かつてそこにあったものを取り戻そうとしている」



「Anything For You」



 


ニュージーランドのシンガーソングライター、Fazerdaze(アメリア・マレー名義)は、ニュー・アルバム『Soft Power』を発表した。


このアルバムは11月15日にsection1/Partisan Recordsとオーストラリア/ニュージーランドではButtrfly Recordsからリリースされる。リード・シングル「Cherry Pie」は、フランシス・カーターとの共同監督によるビデオとともに本日公開された。


「『Cherry Pie』は、10年近く前に初めてLAに海外旅行した時に、携帯電話の歌詞から始まった。31歳になった今、この曲は様々な自分を旅してきた。フランシスと私は、一人旅をするキャラクターを中心にビデオを制作し、もう役に立たないものを手放して、ついにハンドルを握り、次の時代へと舵を切った」


Fazerdazeの2017年のデビュー作『Morningside』と2022年の『Break EP』に続く新作を紹介し、彼女はこう語った。


 「ソフト・パワーへようこそ。これは、私の人生で最も暗く、孤独で、波乱に満ちた数年間に私が作り出したものです-女性として、世界、音楽業界、そして愛だと思っていたものをナビゲートしてきました。私の最も恐ろしい瞬間において、このアルバムは希望、目的、そして光を与えてくれる錨だった。『ソフト・パワー』をようやく皆さんと分かち合うことができて、とても安心し、満足しています」


「Cherry Pie」


Fazerdaze 『Soft Power』


Label: Parstisan
Release: 2024年11月15日

Tracklist:


1. Soft Power

2. So Easy

3. Bigger

4. Dancing Years

5. In Blue

6. A Thousand Years

7. Purple

8. Distorted Dreams

9. Cherry Pie

10. Sleeper

11. City Glitter


【Interview】 Peel Dream Magazine   ~ジョセフ・スティーヴンスが新作アルバムを解説  「ミディアム・ファイ+ 」からの卒業~

Peel Dream Magazine

 

 

LAを拠点に活動するPeel Dream Magazineは、米国のポップミュージックに新たな意義をもたらす。グループは、Topshelf Recordsと契約を結び、ニューアルバムの制作に着手した。現在、PDMは西海岸を拠点に活動をしているが、シンガーソングライターでグループの支柱的な存在であるジョセフ・スティーヴンスさんは、ニューヨークのセントラルパークにほど近い地域で育ったという。

 

ニューアルバム『Rose Main Reading Room』では、前作とは対象的に「ニューヨーク的な作風になった」とスティーヴンスは説明する。本作にはNYの都市の洗練性や歴史的な文化性が反映されているほか、ウォーホールのポップアートのように「音楽自体をどのように見せるべきか?」というイデアが従来のスタイルとは違うニュアンスをもたらしたことは疑いがない。

 

『Rose Main Reading Room』は発売後、世界の熱心な音楽ファンの間で少なからず注目を集めている。事実、米国のオルタナティヴ・ポップの潮流を変えてもおかしくない画期的なアルバムだ。

 

今回のQ&Aのインタビューでは、ジョセフ・スティーヴンスさんに最新アルバムを解明してもらうことが出来ました。その中では、”「ミディアム・ファイ+ 」からの卒業”というテーマが浮かび上がってきた。また、話の中では従来の「ポスト世代の音楽からの脱却」という考えも垣間見えるような気がする。日本語、英語の両方のエピソードを下記よりお読みいただくことが出来ます。

 

 

ーー9月4日に4枚目のフルアルバム『Rose Main Reading Room』が発売されました。前作から2年ぶりのアルバムですが、先行シングルを聴いたかぎりでは、見違えるように良くなっている感じがします。曲作りや制作過程で何か大きな変化はありましたか?



Peel Dream Magazine(ジョセフ・スティーヴンス):それについてはイエスでもありノーでもあるかな。レコードを出すたびに、曲作りのアプローチを少しずつ見直しているような気がするけど、今回の曲では、これまでの曲と劇的に違うアプローチは取らなかった。

 

私はたいてい自宅で1人で作曲して、実際のレコーディングの出発点となるデモを作り上げることが多いんだ。『Pad』では主にオルガンで作曲し、今回のアルバムでは主にギターで作曲した。新譜のハーモニー感覚は、ミッドセンチュリーのバロック・ポップ/ボサノヴァ的な感触が強かった『Pad』よりもずっとストレートなんだ。

 

今までのアルバムでは、すべて自宅で作業をやっていたんだけど、今作ではLA近郊のスタジオをいくつか回って特定の楽器を録音したり、ドラムや雑多なものをバレー(LAの一部)にあるドラマーのイアンの実家のガレージで生録音したりした。また、レコーディング中にオリヴィアとリアルタイムでボーカル・パートをたくさん作ったので、そうでなければ生まれなかったような自然発生的な展開もあった。


このアルバムは間違いなく、これまでで最も共同作業が多かった。それと同時に、ピール・ドリーム・マガジンのアルバムの中で最もライブ・レコーディングの音が多くなっている。テーマの多くは、これまでよりも個人的で直接的なものだった。すべてを難解なものにしたくなかった。シンプルな思い出や、ニューヨークを取り巻く温かい感情について表現したいと思ってたんだ。




American Museum of Natural History

ーーこのアルバムの主なテーマはニューヨークの歴史文化、より厳密に言えば、''アメリカ自然史博物館''のようです。 「Central Park West」のミュージックビデオもジョン・レノンが登場したり、古いセントラルパークの映像がとても印象的ですよね。この歴史的な興味やインスピレーションはどこからやって来たのでしょう? 音楽やビデオで表現したかったことは何ですか?


Peel Dream Magazine(ジョセフ・スティーヴンス):  実は、セントラル・パークには赤ん坊の頃から通っていたから、私にとって本当に特別な意味が込められているんだ。あの場所はニューヨークの不思議な渦に包まれているけど、同時に、私自身の人生全般にもそれは当てはまると思う。私は、かねてからニューヨークという都市が人類史上の他の大都市と肩を並べるような「古代性」を携えているのがずっと好きだったんだ。

 

現在、この施設は無料で一般に公開されていて、人々の生活を豊かにし、歴史や芸術の断片を伝えるのに役立っている。これらの施設をぼんやり眺めていると、そこには驚きがあって、民主的であり、そして、時には楽観的な気持ちになることがある。現代社会においては、芸術や文化はとても安っぽく、危ういものに思えることがあるんだけど、世界の偉大な文化の中心地を訪れることができれば、時代を超えて信頼できる形で芸術や文化に触れることができるはずさ。

 

私はいつも、驚きと洗練された楽しさに満ち溢れた人生を送りたいと思っているんだけど、ニューヨークはそのための「素晴らしい手段」でもある。ニューヨークやアメリカ自然史博物館を題材にした曲がいくつかあるんだけど、リスナーをニューヨークの小さなツアーに連れて行きたかった。『セントラル・パーク・ウェスト』は、私がニューヨークの素晴らしい文化施設のいくつかを散策している様子を一人称で描いたものです。ミュージック・ビデオでは、NYのストリートを縦横無尽に行き交う、さまざまな種類の人々という人間の大海原を伝えたいと思った。それから、ドライで楽しい方法で、この街の風変わりさと試金石を紹介したかったんだ。


 

「Central Park West」 MV



ーー今回のレコーディングでは、オリヴィアのヴォーカルが加わったことで、楽曲がより華やかな雰囲気になったように思いました。ニューアルバムに関して、彼女の最大の貢献を挙げるとしたら何でしょう??



Peel Dream Magazine(ジョセフ・スティーヴンス) :  男性ヴォーカルと女性ヴォーカルの二重性は、シューゲイザーとイングリッシュ・トゥイーに根ざしたサウンドの中心的な要素だと思う。オリヴィアが参加してくれたおかげで、『Oblast』のような瑞々しいヴォーカル・バッキング・パートを作ることができたし、私のヴォーカル・レンジがメロディに合わない曲でも、彼女がリード・ヴォーカルを取るか、デュエットのような形で歌うことができた。彼女の最大の貢献は、その音楽性と多才さにあるだろうね。


 
ーー Peel Dream Magazineがデビューした当初、あなたはYo La Tengo(ヨ・ラ・テンゴ)のようなローファイ・スタイルのロックをやっていましたよね。2018年頃からバンドのスタイルが少しずつ変わっていきましたが、これは当時のあなたの音楽的な好みを反映したものだと考えてよろしいですか?



Peel Dream Magazine (ジョセフ・スティーヴンス):うん。そうかもしれないね。私にはまったく違う種類の音楽を作りたくなる時期があるし、自分の感覚に従って好きなものを作ることがとても重要なんだ。たとえば、最初のレコードを作ったときは、ヴェルヴェッツ(ヴェルヴェット・アンダーグラウンド)、ニック・ドレイク、ステレオラボ、ベル・アンド・セバスチャン、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインに強い影響を受けた。

 

私が過去に作った音楽は意図的にローファイにしたわけではなく、私がホームレコーディストであるという理由によるもので、言ってみれば「ミディアムファイ」の感じの仕上がりになっていると思う。昔は自分が何をやっているのか無自覚だったんだけど、それ以来、制作についてかなり多くのことを学んだから、もはや「ミディアム・ファイ+α 」を卒業したと言えるだろうね。


 

ーー他の文化やメディアからの影響についてはどうですか? ニューエイジ思想やネイティブアメリカンの伝統主義に興味があるそうですね?



Peel Dream Magazine(ジョセフ・スティーヴンス): ニューエイジやネイティブ・アメリカンについてのPDMの曲もあるから、そう思われるのはわかる。それでも、時々、私は「ヒッピーの時代精神」に少し乗っかってみたくなる時がある。そして、私に直接インスピレーションを与えてくれる文化や媒体について思いを馳せることがあるんだ。

 

例えば、あらゆる種類の芸術形態が同じようなものかもしれない。なぜなら、(アートは)私たちの音楽と同じように、実験的なテーマを無防備な人々に見せることができるポップなメディアなのだから......。そうやってアートを通して楽しい会話ができるというメリットもあると思うし。それから、私はよく歴史と政治にインスパイアされることがある(奇妙なことに......)。現在に新しい文脈を授けてくれたり、私の脳裏にあったある種の定説に挑戦してくれたりする過去の物語に刺激を受けているよ。 

 


ーーこのアルバムの制作過程で最も重要だった点は? また、3rdアルバムとの決定的な違いは何だと思いますか?



Peel Dream Magazine(ジョセフ・スティーヴンス): 制作プロセスで最も重要だったのは、できるだけアコースティックの演奏に頼り、MIDIやバーチャルなものが必要ないときは、それを使用しないようにしたことだったと思う。


だから、ドラム、ピアノ、マレット楽器、木管楽器はほとんど生演奏で、もちろんギターも生演奏なんだ。クラシック・ギターも、ボッサ的なパートではなく、フォーキーなインディー・ロック的なものを選んだ。


アルバムはLAにある2つのスタジオとガレージで録音したんだ。そのすべてが、僕をベッドルームから連れ出し、ヴァーチャル・インストゥルメントの習慣から遠ざけ、自分の頭脳からも遠ざけてくれた。これは、自宅で大量のバーチャル・インストゥルメントを使って録音した『Pad』とは決定的に違う点でもある。オリヴィアのボーカルもまた、『Pad』から大きく制作をシフトチェンジさせてくれたよ。



ーーさて、バンドメンバーは現在、LAにいますか? ピール・ドリーム・マガジンの音楽にロサンゼルス的なものを探すとしたら、それは何でしょう?



Peel Dream Magazine(ジョセフ・スティーヴンス): そうだね、バンドは今、間違いなくLAを拠点にしているよ。正直なところ、僕の音楽にあからさまにロサンゼルスっぽいものがあるかどうかはわからない。たぶんね!!

 

私は音楽を作るときにそういうことはあまり考えないし、世界中のさまざまな場所、さまざまな時代のさまざまな音楽シーンに愛着を感じている。

 

『Pad』は、文字通りフリンストーンズのようなミッド・センチュリーのヤシの木のようなエネルギーに満ちているから、おそらく最もLAにインスパイアされたレコードだったと思う。それでも、あのレコードを作った時、ロンドンで全部の音楽を作っていたショーン・オヘイゲンにインスパイアされたから不思議だった。『Rose Main Reading Room』は、自分にとってはロサンゼルスっぽくないかなあ。どちらかというと、かなりニューヨークっぽいかもしれない!! 

 

 

■ Peel Dream Magazine 『Rose Main Reading Room』  Launched on September 4 via Topshelf


Tracklist:

Dawn

Central Park West

Oblast

Wish You Well

Wood Paneling, Pt. 3

R.I.P. (Running In Place)

I Wasn't Made For War

Gems and Minerals

Machine Repeating

Recital

Migratory Patterns

Four Leaf Clover

Lie In The Gutter

Ocean Life

Counting Sheep





■Episode In English

 

LA-based Peel Dream Magazine brings a new concept to the idea of pop music in the United States. The group is newly signed to Topshelf Records and has begun work on a new album. PDM is currently based on the West Coast, but Joseph Stevens, songwriter and a pillar of the group, grew up in the area near Central Park in New York City.


The songwriter recalls that the previous album, “Pad,” had a Los Angeles feel, but the new album, “Rose Main Reading Room,” has a New York style. Like Andy Warhol's pop art, the theme of “how to present the music itself” has definitely brought a different nuance to this album. ''Rose Main Reading Room” has attracted the attention of avid music fans around the world, and is, in fact, a landmark album that will change the tide of alternative pop in the United States.


The songwriter recalls that their last album, “Pad,” had a Los Angeles feel to it, but with their new album, “Rose Main Reading Room,” they have tackled a New York style album. There is no doubt that the theme of “how the music itself is presented,” like Andy Warhol's pop art, brings a different nuance to this work. Rose Main Reading Room has garnered attention from avid music fans around the world, and in fact, it is a groundbreaking album that will change the tide of alternative pop in the United States.
 

In this Q&A interview, we were able to ask Joseph Stevens to elucidate his latest album. In the process, the idea of “graduating from medium-fi + alpha” emerged. Furthermore, I felt that I could catch a glimpse of the theme of “breaking away from the music of the post generation” in the conversation. You can read the episode in both Japanese and English below.



--”Rose Main Reading Room”, fourth full-length album, was released on September 4. It has been two years since your last album, but from what I have heard of the preceding singles, I feel that the album has improved as if it were different. Were there any major changes in the songwriting or production process?



Peel Dream Magazine(Joseph Stevens): Yes and no. I feel like I am always re-working my songwriting approach a bit with every record, but I didn’t take a dramatically different approach with these songs than anything I’ve done in the past. I write alone, usually at home, and build out demos that serve as starting points for the actual recordings. 


On ''Pad'' I wrote primarily on organ, and on this record I primarily wrote on guitar. The harmonic sensibility of the new record is much more straight-forward than it was on Pad, which had more of a mid-century baroque pop / bossa nova feel. On most of my previous records, I did every single thing at home, but on this one I went into a few studios around LA to record specific instruments, and we also recorded drums and miscellaneous things live at our drummer Ian’s parents’ garage in the Valley (a part of LA). 


I also worked on a lot of vocal parts in real time with Olivia when we were recording, which led to some spontaneous developments that wouldn’t have occurred otherwise. This record is definitely the most collaborative record to date, and has the most live-recorded sounds of any Peel Dream Magazine record yet. A lot of the subject matter is more personal and direct than it has been in the past. I didn’t want everything to be esoteric, I wanted to talk about some simple memories, and some warm feelings I have surrounding New York City.


--The main theme of the album seems to be the history and culture of New York City, especially the ''American Museum of Natural History.'' The music video for ''Central Park West'' also features John Lennon and impressive images of old Central Park. Where did this historical interest and inspiration come from? What did you want to express in your music and video?



Peel Dream Magazine:I’ve been going to Central Park since I was a baby, so it has a really special significance to me. It’s wrapped up in the wondrous whirlwind of New York City but it’s also wrapped up in my own life.


 I have always liked the way New York City carries an “ancient-ness” that puts it on par with other great cities throughout human history. There’s a wonderment there, and a democratizing, optimistic feeling when you see all of these institutions that are available to the public for free, helping to enrich peoples’ lives and pass along pieces of history and art. I think art and culture sometimes seem so cheap and perilous in the modern age, but when you’re able to visit these great cultural capitals of the world, you’re able to interact with art and culture in a way that feels timeless and trustworthy.


I want to lead a life that is full of wonder and sophisticated fun, and New York is a great vehicle for that sort of thing. There’s a few songs that reference New York or the American Museum of Natural History, and I wanted to take listeners through little tours of the city with them. 


Central Park West is just a first person account of me wandering through a few of the city’s great cultural institutions. With the music video, I wanted to convey this endless ocean of humanity that traverses the streets of NY - all different kinds of people - and to showcase the quirks and touchstones of the city in a dry, fun way. 



ーーThe addition of Olivia's vocals this time around seems to have given the songs a more glamorous feel. If you had to name her greatest contribution regarding the new album, what would it be?



Peel Dream Magazine: Well, I think that Peel Dream Magazine is actually best when there are more voices than just mine - and I think the male-female vocal duality is really central to the overarching sound, which is rooted in shoegaze and english twee, where male-female vocals are always a cornerstone. 


Having Olivia on the record allowed us to create these lush vocal backing parts such as on ''Oblast'', and it allowed us to include songs where my vocal range wasn’t really suited to the melody, because she could either take the lead vocal or do a duet kind of thing. Her greatest contribution is that musicality and versatility.


--When Peel Dream Magazine first debuted, you were doing lo-fi style rock like ”Yo La Tengo”. the band's style has changed a bit since around 2018, is it safe to assume that this is a reflection of your musical taste at that time?


Peel Dream Magazine:  Yea definitely. I have phases where I’m compelled to make completely different kinds of music, and it’s important to me that I just follow my nose and make what I want. When I made the first record, I was very influenced by the Velvets, Nick Drake, Stereolab, Belle and Sebastian, My Bloody Valentine, and to a lesser extent yea, Yo La Tengo. 


I would say the music I’ve made in the past hasn’t really been lo-fi by design - it’s more just that I’m a home recordist so they usually turn out kind of “medium-fi”. In the past I really had no idea what I was doing, but I’ve learned a lot about production since then, and I would say I’ve graduated to “medium- fi plus”



--What about influences from other cultures and mediums? I understand you are interested in New Age thought and Native American traditionalism?


Peel Dream Magazine:   I can see why you might think that here and there about New Age and Native American stuff from some PDM songs - but other than some historical interest and curiosity, I wouldn’t really say that’s true. Sometimes I like to play off the “hippy zeitgeist” a bit, which kind of involves those things. 


I’m trying to think of cultures and mediums that do directly inspire me, though. All kinds of art, for sure. Really good film is always inspiring because, like my music, it’s a pop medium that can be used to play out experimental themes to unsuspecting people. 


And you can have a fun conversation through art in that way. I’m really inspired by history and politics (weirdly), and I’m always inspired by stories from the past that provide new context to the present, or challenge some kind of set idea that was in my brain. 



--What was the most important aspect of the production process for this album? And what would you say are the crucial differences from your third album?


Peel Dream Magazine:  I would say the biggest aspect of the production process was trying to rely on live performances as much as possible and step away from MIDI/virtual stuff when I didn't need it. So mostly live drums, piano, mallet instruments, woodwinds, and of course live guitars. Also the choice of classical guitar - not for bossa-ish parts but more for folky indie rock kind of stuff. 


And going to a few outside places to record - two studios in LA and this garage we recorded in. All of that took me out of my bedroom, and out of my virtual instrument habits, and out of my own head. That’s all crucially different from ''Pad'', which was done completely at home and with tons of virtual instruments. Olivia’s voice also presented a big production shift away from ''Pad''.



--Are the band members in LA right now?  If you were to look for something Los Angeles-like in the music of Peel Dream Magazine, what would that be?



Peel Dream Magazine: Yea the band is definitely LA-based right now. I’m not sure if there is anything that is overtly Los Angeles-like about my music, to be honest. Maybe!!


I don’t think about that sort of thing when I make music, and I feel attached to different music scenes in different places all over the world, and from different time periods. 


''Pad'' is probably the most LA-inspired record because it literally has Flinstones-y mid-century palm tree energy - but it’s funny because I was very inspired by Sean O’Hagen when I made that record, who was making all of his music in London. ''Rose Main Reading Room'' isn’t super LA-ish to me. If anything, it's pretty New York-like!!

 

 

(INTERVIEWED:  MUSIC TRIBUNE  PRESS   2024. September 6th)

 

©Bảo Ngô


米国のベッドルームポップ界の象徴的なアーティスト、mxmtoonは、11月1日にAWALからリリースされるニューアルバム「liminal space」を発表した。アルバムはこのアーティストとしては珍しくシリアスなテーマが織り交ぜられている。日々転変する世界でどのようにあるべきか、mxmtoonは音楽制作を通じて真摯に探ろうとしている。アルバムのタイトルは外側の世界を指し示し、そして対外的な世界が自分という存在とどのような関係にあるのかを詳らかにする。その中には社会的な概念が要請する女性というイメージを覆すという意図も含まれている。

 

新作アルバムの発表と同時に、このシンガーソングライターはイギリスのポップ・グループ、ケロケロ・ボニートとのコラボレーション「the situation」を公開した。(ストリーミングはこちら)「2枚目のレコードをリリースしてからのこの2年間の混乱の中で、私はしばしば果てしなく感じられる一過性の風景の中で宙吊りになっているように感じていた」とmxmtoonことマイアは説明している。

 

「自分がほとんど理解していないことに囚われたと感じるのは簡単なことで、人生は私に質問の嵐を投げかけてきた。だから、未知の世界に宙ぶらりんのまま、私はこれらの曲を書いた。自分の人生で与えられた役割をどのように果たすことを選択してきたか、そしてある時はどのようにそれについていけなかったかを解き明かそうとしたんだ」


「”liminal space”は、苦いものを浴びながら、終わりのない廊下を彷徨う自分自身を見失うような、主体性を理解するのに苦労している人たちのためのアルバムです」と彼女は付け加えた。


アルバムの最初のリードカット「the situation」について、mxmtoonはこう語っている。


「私たちは年を取り、そしてやがて死ぬ! このアルバムに収録されている曲の多くは、少女時代と人生のサイクルというコンセプトを直接的に扱っている。「the situation」を書いたとき私は23歳で、20代前半が人生で一番ホットで楽しい時期だという考えで育ったような気がする。社会全体が、女性はピークに達した後、残りの人生を転落していくという物語を押し付けていると思う。感情的になりがちな曲を書いているときは、いつも皮肉を織り交ぜるのが好きなんだけど、『the situation』は、それがいかに馬鹿げたことかを揶揄する絶好の機会だった」

 

「特に、この曲でケロ・ケロ・ボニートと仕事ができたことは、夢のような出来事だった。KKBは2013年から聴いていて、サラのヴォーカルは『Intro Bonito』以来、私の頭にこびりついている。この曲への彼女の貢献はとても完璧で、楽しくて、全体が死ぬことについて歌っているのに、外面的に陽気であることが本当にこの曲を艶やかにしている! 彼女は本当に素晴らしい」


「the situation」




リミナル・スペース

 

「リミナル・スペース」は、スラングやサブカルチャーの概念を指し示し、2020年代始めにインターネットから唐突に出てきた言葉である。

 

私達がいつも目にする何の変哲のない光景がある瞬間を期に、それとは全く別の意味を帯びることを意味する。これは本来の設計の意図とは別の意味を持つ「副次的な建築性」、「意図せぬ建築性」というきわめて斬新な建築学的な興味をもたらすとともに、社会学としても注目すべき概念であり、社会構造に生み出された「空虚な空間」や「穴」のようなものを象徴付ける。それは都市設計に発生した経済的な失敗であり、損失でもある。しかし、それらの負の遺産や瑕疵が現代社会の中で重要な意味を持つということを、リミナル・スペースは示唆している。

 

日本の作家で、無類のジャズ愛好家でもあった中上健次は、これに近い思想を持っていた。彼の場合は「ウツホ」という概念の中にリミナル・スペースを見出していた。生前の中上は、路地裏や裏通りといった日本独自の風景の底に、空虚さと得難い魅力が混在することを主張していた。これらの概念は、西岸良平の漫画そして後に映画化された「三丁目の夕日」などにも出てくる。

 



mxmtoon   「liminal Space」

Label: AWAL

Release: 2024年11月1日 


収録曲は未公開

 

©Frank Hamilton


ボルチモアのシンセ・ポップバンド、Future Islands(フューチャー・アイランズ)は、新しいワンオフ・シングル「Glimpse」を発表した。

 

この曲は、2024年初めにリリースされたバンドの最新アルバム『People Who Aren't There Anymore』のセッション中にレコーディングされた。フューチャー・アイランズとスティーヴ・ライトが共同プロデュースし、クリス・コーディとスティーヴ・ライトがミックスした。ジェイラ・スミスが制作したアニメーション・ビデオは以下からご覧下さい。

 

今年初め、4人組は7枚目のスタジオ・アルバム『People Who Aren't There Anymore』(4AD)をリリースした。批評家からも絶賛されたこのアルバムは、バンド史上初の全英トップ10入りを果たした。

 

20年近いキャリアを持つにも関わらず、自分たち自身とお互いに挑戦し続けるフューチャー・アイランズにとって、この最新作は新たな章の到来を告げるものだった。これまで彼らは、高いエネルギーのアンセムを追求してきたが、今回は内側に向き直り、新たなレベルの獰猛さを解き放った。



フューチャー・アイランズは今月末、バンクーバーでのソールドアウト2公演を皮切りに北米を回り、ニューオーリンズで幕を閉じる。

 


「Glimpse」

 

 

JUSTICEに見出され、Thundercatの全米ツアーやFlying Lotusのオンラインライブ企画「Brainfeeder THE HIT」に出演するなど、海外でカルト的な人気を誇る三宅亮太と丸山素直によるシンセサイザー・デュオが、80’sポップスへの様々なオマージュが散りばめられた、切なくてやるせないテクノ歌謡な新作アルバム「In A Cocktail Glass」を9/25に発売。


本日先行シングル「彼女のオートバイ、彼の島」がリリースとなります。ティーザー映像は下記よりご覧下さい。


奔放なアート系女子に振り回されるひと夏のラヴ・ヴァケイションをテーマにした、情熱的なデュエット曲に仕上がっている。

 

 

「彼女のオートバイ、彼の島」


 

■ CRYSTAL - In A Cocktail Glass



タイトル:In A Cocktail Glass

アーティスト:CRYSTAL

DIGITAL発売日:2024年9月25日

LP発売日:2024年10月9日


tracklist:

1. Winter Forever


2. Autumn Story


3. Ballad of a Handsome Man


4. One More Chance 


5. 少しだけCelebration


6. Polygon Beach


7. 彼女のオートバイ、彼の島


8. Summer Forever



ストリーミング: https://flau.lnk.to/CRYSTAL-CocktailGlass


◾️東京のシンセデュオ、CRYSTAL 「ONE MORE CHANCE」をリリース TRFとNEW ORDERのシンセポップサウンドを変幻自在にクロスオーバー

 Molly Payton 『Yoyotta』

 

 

Label: Molly Payton

Release: 2024年8月30日

 

Review   ◾️ニュージーランドの気鋭のシンガーソングライターのデビュー作

 

ニュージーランドのモリー・ペイトンのフルレングス・デビューアルバム『YOYOTTA』は、彼女が最も傷つきやすい状態のアーティストを描いた、深く個人的なプロジェクトである。


このアルバムでは、彼女がキャリアで初めてクリエイティブの首座に座り、プロジェクトのサウンドだけでなく、ビジュアル面でも主導権を握った。結果、過去のリリースを結びつけ、アーティストの人生と感情に新たな文脈を与える作品となった。ペイトンは、Beabadoobee、Arlo Parks、Alex G、Tom Odell、Palaceなど数多くのアーティストとのツアー、Primavera、Laneway、Pitchfork Parisでのプレイを経て、2024年後半は8月に「All Points East」でプレイし、アルバム『YOYOTTA』のリリース後、イギリスとヨーロッパでのヘッドライナー・ツアーに乗り出す。


オセアニア圏ではそれ相応の知名度を誇るペイトンのデビュー・アルバムは、世界で支持されるだろうか。少なくとも、全体としては、オルタナティヴロックをベースにしたポップソングが心地よい雰囲気を醸し出している。このアルバムがきっかけとなり、より大きな人気を獲得したとしても大きな不思議ではないだろう。モリー・ペイトンのソングライティングのスタイルは、上記のBeabadoobee、またはアーロ・パークスに近いが、声質がクリアで澄んでいるため、開放的な感覚のポップスとしても楽しむことが出来る。アルバムでは、センチメンタルな感覚が漂い、それがペイトンが10代の頃からソングライティングという形で培ってきたスタイルと上手く合致している。


オープナーを飾る「Asphalt」では、インディーフォーク風のイントロから、オルダス・ハーディングの系譜にあるオーガニックな音楽性、そして、編集的なオルトロックサウンドを織り交ぜたポップスへと展開していく。さほど物珍しさはないものの、良質なポップスと見て差し支えないだろう。


二曲目の「Benchwarmer」では一転して、ギターロックの範疇にあるオルタナティヴロックソングが繰り広げられる。この曲もまた同じく現代的なロックソングであるが、単調のフレーズを部分的に織り交ぜながら、若い年代としてのセンチメンタルな感覚を組み込んでいる。サビでは、求心力のあるギターサウンドをバックグラウンドにして、感染力のあるポップバンガーを書こうとチャレンジしている。これは、大型のライヴツアーをこなすようになったシンガーソングライターの「アリーナで映える曲を書こう」という意識が、こういった曲を生み出すことになったものと推測される。

 

アルバムの中盤では、シンセサイザーをオルガンのように見立てた「A Hand Held Strong」において、深妙なポップスを制作している。繊細な感覚を示すことをためらわず、アーティストなりの神聖な感覚で縁取ろうとしている。若手のシンガーソングライターであるにも関わらず、それほど傲慢にならず、謙虚な姿勢を持つことは、アーティストとして素晴らしい資質のひとつである。音楽に対する敬意を欠かさない姿勢や音楽に対して一歩距離を置いたような控えめな感覚は、実際的に良質な作品を生み出すための入り口となる。モリー・ペイトンは現在のところ、完璧なソングライティングの術を身につけたとまではいいがたいが、音楽に対する真摯な姿勢は、今後、何らかの形で花開く時が来るかもしれない。少なくとも、この曲では、それらがバラードというポピュラーシンガーとしての最初の関門をくぐり抜けるきっかけを与えている。

 

若いシンガーソングライターとして、感情の揺れ動きを曲の中で表現することは、それ以上の年代のミュージシャンよりもはるかに重要な意味が求められる。もちろん、若いリスナーに強いカタルシスをもたらすことはそれほど想像に難くない。現代的な生活の中で、たしかにSNSでもそういったことはできるが、楽曲の制作や録音現場で自分の本来の姿を見つけるということはありうる。


アルバムの中盤では、起伏のあるサウンドが描かれていて、それは開放的で癒やしのあるインディーフォークソング「Thrown Over」、続く「Accelerate」では、パンチとフックのあるオルタナティヴロックソングという対象的なコントラストを形成する。これらの気分の激しい揺れ動きや変調は、単なる衝動性以上の動機が含まれている。例えば、後者の場合は、シンセポップと現代的なロックの融合というフローレンス・ウェルチのようなスタイルを彷彿とさせ、これはスターシンガーとしての道を選んだことの証ともなり得る。実際的には、音楽に既視感があるという弊害を差し引いても、こういった曲が今後どのような特性を持ち得るのかに注目してきたいところだ。

 

同じように、オルトロックシンガーとしての性質と合わせて、繊細な感覚を持つポピュラーソングが本作の終盤に登場する。続く「Devotion」では、オルガンの演奏を背景にして、精妙な感覚を持つポップスを書こうと試みている。果たして、歌手が志すのが、ゴスペルのようなブラックミュージックなのか、教会音楽のような讃美歌なのかまでは分からないが、ここに理想とするポップスの雛形のようなものが暗示されたといえるだろう。また、それに続く「Doing Our Worst」では、映画的なポップスを書いており、「Pretty Woman」の主題歌を持ち前の自虐的なジョークで縁取っている。

 

これらのモダンなポップスはオルダス・ハーディングの系譜や、ヨーロッパの移民系のポピュラーシンガーの脱力感のあるソングライティングの形式を受け継いでいる。全般的には、良質なポピュラー・ソング集として楽しめるが、じっくりと聞かせるものや、核心となるものが乏しいのが懸念事項である。つまり、才能があるのにそれをイマイチ使いきれていないのが惜しい点だ。


「Teenager Bedroom Floor」では、再びクランチなギターロックへと舞い戻り、総仕上げとなるクローズ「Get Back To You」では、アルバムの冒頭と同じように、夢想的なオルタナティヴフォークを最後のテーマに掲げている。しかし、これらは、流行りのサウンドの模倣的な側面を示したに過ぎない。デビューアルバムとしては、一定の力量以上の何かが示されている。しかし同時に、現時点では、「スペシャル・ワン」の存在感が示されたとまでは言いがたい。オセアニア圏のシンガーソングライターとして世界の音楽ファンに何を伝えていくのか、そして、モリー・ペイトンとは一体何者なのか、二作目のアルバムにおいて、それらが明示されることを期待してやまない。

 

 

 

78/100 

 

 


「Asphalt」

 

 

2020年にNYCで結成され、現在はシアトルを拠点に活動中のAndiとKatによるドリームポップ・デュオ、Bubble Tea and Cigaretteが11月1日に2ndアルバム『We should've killed each other』をリリースすることを発表した。
 

 
Bubble Tea and Cigaretteは2022年にリリースしたデビューアルバム『There's Nothing But Pleasure』で作り上げた幻想的なドリームポップとレトロでノスタルジーなムードを融合させた世界観で注目を集め、アメリカ国内だけではなく、来日公演も含んだアジアツアーも大盛況を収めた。バンドへの期待も高まる中で完成させたこの2ndアルバム『We should've killed each other』はBubble Tea and Cigarettesがデビューアルバムで表現したサウンドを継続しつつも、更に魅惑的でノスタルジックな世界を鳴らした作品に仕上がっている。
 

 
日本限定でCDとしてリリースされる他、日本限定のレコードとして10月30日に先行販売されることも決定した。CD/LPの予約は各種ストア、P-VINEオフィシャルストアから可能だ。(ご予約: https://p-vine.lnk.to/YxMrcE)

 


「French Movie」



【リリース情報】 

 Bubble Tea and Cigarettes 『We should've killed each other』
 




Release Date:2024.11.01(Fri.)/ CD/LP先行リリース:2024.10.30(Wed)
Label:P-VINE

Tracklist:
1.Dead Flowers
2.Plane Crash
3.Envelope
4.French Movie
5.Room 907
6.Emi
7.Swallowtail Butterfly
8.Glider


*CD限定ボーナストラック収録予定

 

「Room 907」

 

©︎Alexa Viscius

シカゴのシンガーソングライター、Tasha(ターシャ)は、ニューシングル「Love's Changing」を発表した。アルバム『All This and So Much More』に収録。ミュージックビデオを以下でチェックしてみよう。


「Love's Changing』はアルバムのために書き終えた最後の曲で、完璧なラストノートだと感じている」とターシャは声明で説明している。

 

「このアルバムはある意味、喪失について歌っているけれど、同時に喪失の向こう側で発見される美しさについても歌っていて、この曲にはその暖かさと楽観主義が凝縮されている。この曲のインストゥルメンテーションもビデオも、周囲の愛に身を委ねたときに生まれる爽やかさと安らぎを反映させたかった。痛みの記憶は決して私たちから離れないし、実際、(曲の中で聴けるように)思いもよらないときに忍び寄ることがよくある」



「Love's Changing』

 

 

Tashaのニューアルバム『All This and So Much More』 はBayonetから9月20日に発売予定。

 

ロンドンを拠点に活動するプロデューサーでシンガー・ソングライターのリザ・ローが、「A Messenger」「Confiarme」に続くサード・シングル「What I Used To Do」を発表した。

 

リザ・ローのシングルは、見知らぬ本に出会い、そのページを一枚ごとめくるような楽しさがある。次に何が起こるかわからないし、それぞれ各章ごとに違うストーリーが綴られている。前2作は、アコースティックギターを元にしたナンバーで、メディエーションからネオソウル風のフォークというふうに異なるテイストがあったが、三作目の「What I Used To Do」はインディーポップ風のシングルで、ドラムのアップテンポなビート、シンセリードが織り交ぜられ、楽しく軽妙な感覚が押し出されている。

 

ビーバドゥービー(UK)、ジュリア・ジャックリン(AU)、メン・アイ・トラスト(CA)など世界的なインディーポップシンガーからインスピレーションを受けたというリザ。そのサウンドは、穏やかなフォーク風のインストゥルメンテーションとインディー・ポップがクロスオーバーする場所にある。オランダでの作曲キャンプで生まれたこのニュー・シングルは、カントリー調の温かみのあるコード進行とレトロ・ポップ調のシンセとベースに乗せ、リザが情熱的なヴォーカルを歌う。従来で最もフックの効いた作品で、彼女のサウンドの新たな広がりを示す。

 




同楽曲の制作プロセスについて、リザは次のように語っている。「私たちは、親しみがありながらも新鮮で、ちょっとパンチのある曲を書きたかったの。一緒に制作したHebe VrijhofとWouter Vingerhoedenと3人で、自分達が影響を受けたアーティストについて話し始め、クレイロ、クレオ・ソル、ディジョンなど様々なアーティストの話をしたわ。この曲のヴァースは、晴れた日にリビングルームでまどろみから目覚めたような感じにしたかったの。

 

 時代が変わり、自分が変わり、成長することで、過去や古い自分を手放すことができる。魔法のような空間が生まれることを思い出させてくれる、自分自身への楽しい小さな手紙のような曲にしたかった。すべてを深刻に受け止めず、ただ変化を受け入れるようにと、やる気を起こさせるために書いた曲なの。人生のとある1日の、良い雰囲気に焦点を当てた、完璧な主人公のフィーリングが込められているわ」


そしてリザは7月にリリースした「Confiarme」のパフォーマンス動画も公開した。こちらも下記より。


「Confiarme」


Liza Lo 「What I Used To」- New Single

Label: Gear Box (London/Tokyo)

Release: 2024年8月29日


ストリーミング: https://bfan.link/what-i-used-to-do



バイオグラフィー:

 

スペインとオランダで育ち、現在はロンドンを拠点に活動するシンガー・ソングライター、プロデューサー、ミュージシャン。親密で詩的な独自の音楽世界を創り出す彼女は、ドーター、マロ、ビリー・マーティンなどからインスピレーションを受け、生々しいヴォーカルと誠実なソングライティングで聴く者を内省と静寂の世界へと誘う。

 

最新EP『flourish』は、Spotifyの「New Music Friday UK」、「NL」、「BE」にセレクトされ、「the most beautiful songs in the world」プレイリストでも紹介された。今年5月にGaerbox Recordsと契約し、これまでに「A Messenger」「Confiarme」「What I Used To Do」の3曲のデジタル・シングルをリリース。現在は、西ロンドンのスタジオ13で、ジョン・ケリー(ポール・マッカートニー、ケイト・ブッシュ)とバンドと共にアルバムの制作に取り組んでいる。

 

©Leanna Kaiser


Kate Bollinger(ケイト・ボリンジャー)が、デビューアルバム『Songs From a Thousand Frames of Mind』から2曲を同時に発表した。「Lonely」と「Sweet Devil」は以下よりチェック。

 

「友人のマット(マシュー・E・ホワイト)と私は、私がヴァージニアに住んでいた頃、2、3週間ごとに集まって曲を書き始めました。2020年の10月2日、彼のスタジオの外にある小さなバスケットボール・コートで、キーボードとアンプを通したボーカル・マイクを持って初めて出会った。”Sweet Devil'と'Lonely'は、私たちの生き残りのコラボレーションのうちの2曲です」


『Songs From a Thousand Frames of Mind』は9月27日にゴーストリー・インターナショナルからリリースされる。

 


「Lonely」

 

 

「Sweet Devil」

 

Japanese Breakfastの再来か ロサンゼルスのLuna Li(ルナ・リー)に注目


つい昨日まですっかり忘れていたのは、このサイトを始めた翌年、なぜかハンナ・ブシエール・キムこと''Luna Li''を紹介していたことだった。


「最初の『jams EP』をリリースしたとき、何に期待していいのかわからなかった」とルナ・リーは回想する。「短いループするインストゥルメンタル曲のコレクションをリリースするのは型破りであると感じたし、確かにこれまでリリースしたものとは違っていた」と。プロデューサーや編曲家のことはさておき、ミュージシャンの才能というのは、たくさん知っていることではなく、「知らない事がたくさんある」ことなのだろうか。


それでは、ハンナ・ブシエール・キムとは何者なのか。カナダ・トロントを拠点に活動するシンガー、ソングライター、マルチ・インストゥルメンタリストは、現在、トロントからロサンゼルスに移住し、ソングライティングを行う。COVID-19の流行初期の数ヶ月間を、キムは未来の希望のために費やしていた。ハープ、キーボード、ギター、ヴァイオリンを演奏する彼女の自宅でのジャム・セッションの一連のビデオがソーシャルメディアで拡散された後、一躍脚光を浴びたのだ。


ハンナ・キムは、元々バンドに所属していたというが、以後、ソロシンガーソングライターに転向した。バンドでは才能を持て余したのか、もしくは初めからそう定められていたのか。”Veins”として作曲を始めた後、2015年に自主盤のレコード『Moon Garden』をリリースした。以降、Luna Liとして活動を始めると、、2017年にデビュー作『Opal Angel』をセルフリリース。AWAL RecordingsとIn Real Lifeと契約後、2021年にパンデミック中に作曲したバイラル・ジャム・セッションのコンピ『the jams extended play』でデビュー。ルナ・リーとしてのデビューアルバム『Duality』は、2022年にAWAL(カナダ)とIn Real Life(その他の地域)からリリースされた。


実際的にJapanese  Breakfast(ミシェル・ザウナー)の名前を挙げたのは、ルナ・リーがザウナーによって知名度を引き上げられた側面があるからだ。これらの2020年の伝説的なビデオは、アーティストとしての成功に欠かせないものであっただけでなく、最終的には800万回以上のストリーミングを記録し、ジャパニーズ・ブレックファストのツアーの帯同にもつながった。キムが自分の気持ちを共有し、「それを本当の形で表現する」ために必要なプロセスだったという。


キムは音楽的に豊かな環境で育った。母親は一緒に音楽教室を経営しており、彼女はそこでバイオリンとピアノの古典的な訓練を受け、後にハープとギターを手にした。もちろん、普通の音楽ファンらしい性質もあった。10代の頃、キムはテーム・インパラとフロントマン、ケヴィン・パーカーに夢中になった。彼女が初めて買ったギターは、パーカーが弾いているのと同じ"Squier J. Mascis"だった。高校卒業後、彼女は、クラシック・ヴァイオリンを学ぶため、マギル大学に進学したが、キャリアを追求するために1学期で中退した。実際的には、バンドをやるためだった。しかし、そのあともしばらくの間、暗中模索が続いた。つまり、依然として、音楽に対する思いやビジョンは不透明なままだった。「私はどんな音楽をやるのだろう、どうやって音楽の仕事をしていくのだろうという疑問が常に念頭にありました」と彼女は振り返る。


子供の頃に聞いた音楽が後の全てを決定づけるという一説がある。ある意味では、ミュージシャンというのは、子供の頃の理想や幻想を追い続けるロマンチストなのだ。そして彼らは、子供が蝶を追いかけるように、山のてっぺんへと登っていき、誰も辿りつけないところまで行く。歳をとり、後天的に才能が花開くケースもあるが、実際的に、私が知っている多くの音楽的な才能に恵まれた人々は、幼い頃、何らかの形で音楽に親しんでいる。子供時代の経験は無駄なことは一つもないのだ。聖歌隊で歌った人々、音楽教育を施された人々、両親が音楽愛好家であり、日頃から良質な音楽に触れる環境があった人々、ストリートでリアルな音楽に触れた人々……。彼女の生涯をかけた輝かしい音楽教育は、クラシックの弦楽器とモダン・ロックのサウンドが融合した音楽のみずみずしいサウンドという形で結実している。デビューアルバム『Duality』を見るとわかるとおり、彼女がビデオで表現しようとしたときの本物の感情が、音楽でも明瞭に表現されている。最初のアルバムの制作には、およそ4年の歳月が費やされ、プロジェクトは様々なムードやテーマに跨ることもあり、また、時には1曲の中で完結することもあった。 

 

 

 SOCAN  Interview  2024

 

 

 

限られた人だけに受けいられるポピュラー音楽ほど不完全なものはない。一部の幸福な人のために音楽は存在するのではないのだから。明日がわからない人、今まさに悲しんでいる人、傷んだ人の心を癒さずして、「スター」を名乗れるのだろうか。ルナ・リーが歩んできた道は、直線ではなかった。むしろギザギザで曲がりくねった道を歩んだ事が、その心に聖なる火を灯すことになった。だから、リーの音楽が不幸な人から幸せな人の心まで響きわたるのはそれほど不思議なことではないのである。「私が曲を書くときは、決してひとつの表現にはなりえないと感じている。たとえ、それがハッピーな曲であっても、私はいつも悲しみの要素を大切にしている」とキム。デビュー・アルバムのタイトル曲は、ギター・ラインの間にドラマチックな間があり、徐々に壮大で爆発的なコーラスへと盛り上がっていくメロウなトラックが特徴だ。


ルナ・リーのソングライティングにおける考えには大いに共感すべき点がある。音楽の最大の魅力は、それまでなんの関係もなかった、人種、階級、考え、趣味趣向も異なる人々が一つに繋がるということだ。リーの場合は音楽を通じて、"世界の人々と思いをシェアする"ということだった。結局のところ、『Duality』に収録されている曲は、彼女がキャリアをスタートさせてから音楽作りのプロセスがどのように変化したかを反映していた。「駆け出しの頃は、自分のアートは、自分自身を表現するものでしかなく、自分の感情を吐き出す方法だと感じていた。それはセラピーでもあった」とキムは言う。「もちろん、今でもそうなんだけど、今は自分の''音楽で人々とつながることができる''という特別な思いがある。自分の音楽を、他人とつながるための方法であると考えるようになった。感情を分かち合い、エネルギーを分かち合うためにね......」


現在、二作目のアルバム「When a Thought Grows Wings (思考が大いなる翼に育つ時)」のリリースに向けて、ルナ・リーは着実にスターへの階段を昇っている。第二章は、「メタモルフォーゼ」という驚くべき手段によって行われる。それは、八年間連れ添ったパートナーとの別離による悲しみを糧にし、音楽を喜びに変えることを意味する。彼女は過去にきっぱりと別れを告げた。

 

トロントの家族、そして、恋人との辛い別れの後、リーは夢のある都市ロサンゼルスを目指した。映画産業の街、ビーチの美しさと開放感は、彼女の感性に力強い火を灯した。最早、リーのソングライティングにはデビューEPの頃のような迷いはない。彼女は自分がなすべきことをわかっている。自分の音楽が何のために存在するのか、何のためにバンドを飛び出してソングライターになったか。リーは理解している。


世界を制覇するには欠かさざるものが三つある。勇敢さと大胆さ、そして、勢いだ。そのため、今、彼女は、Yaejiのようにオックス(斧)を肩にかけ、世直しの旅を始める。時は来た。ジャパニーズ・ブレックファーストの再来を心から祝福しよう。




Luna Li  「When a Thought Grows Wings」- In Real Life Music / AWAL

 


デビューアルバムではベッドルームポップ/ネオソウルと、AWALに所属するLaufeyを彷彿とさせるソングライティングを行っていたルナ・リーだったが、セカンドアルバムでは、驚くべき転身を果たす。

 

ハープのグリッサンドやエレクトリックピアノの演奏を交え、クレイロやミシェル・ザウナーのようなポスト・バロック・ポップ、西海岸のチルウェイブの象徴的なプロデューサー、Poolsideのようなリゾート感覚を持つダンスミュージック、ネオソウルを中心とするメロウさにドラムのサンプリングを配するブレイクビーツの要素を交え、特異なポピュラーミュージックを築き上げる。

 

まず間違いなく、若者向けのインフルエンサーの意味合いを持つ「AWALらしいポップス」と言えるようが、ミシェル・ザウナーのように、ビートルズからのアートポップの影響、「Hotel Calfornia」の時代のイーグルスのソフィスティ・ポップの影響も加わり、唯一無二の音楽性が組み上げられ、「さすが!」と言わせるような作品に仕上がっている。モダンでスタイリッシュなソングライティングは、2020年代のポピュラーアーティストの象徴的な作風で、ソーシャルメディア全盛期の需要に応えみせたといえる。その反面、一度聴いただけでこのアルバムの全体像を把握することは容易ではない。このアルバムは快活であるが、軽薄ではないのだ。トラック全体の作り込み、ボーカルの多様な歌唱法、対旋律的なフレーズの配置、そして、それらを包み込むゴスペルに比するソウルフルな雰囲気が絶妙に合致している。セカンドアルバムは、聞き手を陶酔させる中毒性と、静かに聞き入らせる深度を兼ね備えた稀有な作品である。もちろん、そこにソングライターとしての観念体系も加わった。「思想の翼が育つ時」というタイトルは大げさではない。シンガーが生まれたトロントを離れ、ロサンゼルスに向かい、その先で新しい生活を築くという人生の重要な期間が音楽によって見事に象られている。そして、それらの人生の一側面を示す音楽が鷹の羽のように大空にゆうゆうと羽ばたいている。

 

シンガーソングライターとしての真価を見る時、大切なのは、ループサウンドを用いる時、次のフレーズを呼び込む創造性が含まれているかどうか。それが前のフレーズから飛躍したものであるほど、その人は現在のところ、「才能に恵まれている」ということになる。そして、アルバムやEPの終盤で音楽が萎んでいくのか、無限に広がっていく感覚がするのかということである。

 

ここで、天才と秀才の決定的な差が判明することがある。音楽だろうが、文学だろうが、映像だろうが、絵画であろうが、天才的な表現者は、次にやってくる何かがあらかじめわかっているように作品を制作する。彼らは、頭の上に創造の源泉を持ち、そこから情報を汲み取るというだけなのだ。そんな人々に自らの頭脳を凝らして制作するタイプの人々が叶うわけもない。そして、最初のイメージを形づくるモチーフを風船のようにふくらませながら、糸を手繰り寄せるかのように、次の展開を呼び起こすフレーズを繋げていく。そして、LEGOのブロックのように呆れるほど簡単に組み上げてしまう。

 

たとえ制作者は否定するとしても、録音現場の環境は、実際的にその作品に少なからず影響を及ぼす。それは状況が実際の音楽に乗り移ることがあるからである。カルフォルニアで制作されたものと、ニューヨークで制作されたものが異なるのは当然のことで、このアルバムには間違いなくロサンゼルスの空気感が反映されている。「1-Confusion Song」では、エレクトリック・ピアノのアルペジオをモチーフにして、コアなブレイクビーツを背景に、多彩な展開力を見せる。背景のビートに乗せられるのは、しかし、AWALのアーティストらしい柔らかく艶めかしいボーカル。ルナ・リーはセカンドアルバムで、ネオソウルの影響を活かし、ボーカルの節回しに巧みなグルーヴを加えている。ヒップホップのグルーヴとR&Bのメロウさ、そしてオルトポップの亜流性が、このアルバムの序盤の印象を決定付ける。スケールやコード感覚も絶妙であり、ほとんど停滞する瞬間はない。スムースな曲の展開の中で、ピクシーズの系譜にあるオルタネイトなコード進行や移調を巧みに交えながら、一部の隙もないオープニングを組み上げる。 

 

 

 「1-Confusion Song」

 

 

 

このアルバムではアジア系のシンガーソングライターとしてのエキゾチズムも遺憾なく発揮されている。「2-Fantasy」では、彼女が幼い頃から慣れ親しんできたハープのグリッサンドの演奏を琴のように見立てて、幻想的なイントロを作る。その後、カラオケのMIDIのようなトラックメイク、そしてアフロジャズ風のフルートを起点として、伸び上がるようにソウルフルな曲調へと繋げていく。従来から培ってきたベッドルーム・ポップのフレーズをオーガニックな雰囲気で包み込んで、現代的なソフィスティポップの理想形を作り上げていく。Poolsideのようなチルウェイブの範疇にある心地よいビートは、バレアリックの要素こそ乏しいが、ダンスミュージックのフロアのクールダウンのような安らぎと癒やし、穏やかさな感覚をもたらす。そして、Laufeyの系譜にあるR&Bの音楽性は、モダンでアーバンな質感を帯びる。コーラスワークも絶妙であり、二つのボーカルの重なりは、夕日を浴びる西海岸の波のように幻想的にきらめく。アルバムの序盤は、こういったチルウェイブに属する心地よさと安らぎに重点が置かれている。「3-Minnie Says」では、シティ・ポップに近い音楽性をトロピカルの要素と結びつける。ルナ・リーは、現実的な人生がたとえ悲しい瞬間があろうとも、楽園的な音楽性を作ることを厭わない。いや、むしろ音楽は、現実とは対極にあるものを作ることができることを示す。



「4-Golden Hair」はピアノのイントロからブレイクビーツを絡めたベッドルームポップへと移行する。オルトポップソングを書くことを念頭においているらしいとはいえ、ボーカルの節回しにはヒップホップのハナシがあり、またニュアンスがある。ここでは、TikTok世代のソングライティングと、Youtubeからキャリアを出発させたリーのヒット・ソングに対する考えを垣間見ることができるはずだ。甘いメロディーのポップ、ブレイクビーツ、R&Bを反映させたメロウさ、これらを三位一体として、アルバムの序盤の3つの収録曲と同じように流動的なフレージングを見せる。同じフレーズにこだわらず、次の展開にすんなり移行するのが、心地よさを呼び覚ます。そして、この曲に満ちるリゾート的な空気感は、二つのヴォーカルのハーモニーによって引き上げられる。驚くべきことに、それは幻想的な夕日と海岸のイメージすら呼び起こすことがある。ここには、カルフォルニアに移住したシンガーの新生活の感動が含まれている。

 

アルバムの中盤の2曲では、眠りの前の微睡みのような瞬間をオルトポップで表現している。「5-I Imagine」、「6−Enigami」では、エレクトロニックピアノの音響を基にして、メロウなアトモスフィアを作り、その背後の枠組の中で、同じようにベッドルームポップやオルトポップの甘いフレーズを歌う。そして前者ではチルウェイブ/チルアウトの作風をベースとして、彼女が信奉するテーム・インパラからのモダン・サイケの影響をバロックポップのソングライティングの枠組みとかけ合わせて、このアーティストにしか作りえないものを提供している。「6−Enigami」はハープの演奏を基にして、それを古典的なジャズをモダンな作風に置き換えている。Bjorkの「Debut」の作風を受け継ぎながら、コーラスを交えて祝福的な感覚を作り上げる。マニュピレーションによる電子音楽と、背景のストリングスの要素は、エクスペリタルポップの範疇にあるが、曲の最後ではイントロでは想像もできないような壮大な美麗さを作り上げる。 

 

 「6−Enigami」

 

 


「美学」と言えば、大げさになるが、美学というのは、すべて観念から生ずる。そしてルナ・リーの音楽的な美学が、すでにこの二作目でちらほらと見え始めている。現代的なシンガーの代表格であるクレイロ、ボリンジャーと同じように、古典的な音楽に対する憧憬が本作の中盤から後半にかけて、「ポスト・バロック」という次世代のスタイルを作り出し、圧巻のエンディングを呼び込む役割を果たす。そう、このアルバムは、一つの水の流れのようにうねりながら、オープニングから中盤、そしてクライマックスへと続き、最後の劇的な音楽への予兆となる。 

 

華麗なハープのグリッサンドからはじまる「That's Life」は、このアーティストがアイスランドのビョークの次世代に位置することを伺わせるが、その後は、60年代や70年代のフォークポップを彷彿とさせる曲調に移行する。いわば、Domino Recordingsの所属アーティストのようなノスタルジックなロックソングやポップに焦点を絞っている。この古典的なサウンドは、Real Estate、Sam Evian、Unknown Mortal Orchestraといった男性ミュージシャンがリバイバルとして復刻しているが、それらの系譜を女性シンガーソングライティングとしてなぞらえようとている。しかし、二番煎じとはいえども、ルナ・リーがもたらすベッドルームポップの旋律の甘さは、奥深いノスタルジアを呼び起こす。同じように古典的なポップスを踏まえた曲が続く。

 

「I Would Let You」では、メロディーズ・エコーズ・チャンバーに代表される、次世代のフレンチ・ポップの系譜を受け継いだ甘くメロウなナンバーとして楽しめる。幽玄なホーン、遊び心のあるハープのグリッサンド、そして弦楽器のピチカートを交えた「Take Me There」はルナ・リーの絶妙な音感から美麗なボーカルとコーラスのハーモニーを生み出される。内省的で抒情性溢れるボーカルについては、mui zyuを思わせるが、やはりその後の展開はやや異なる。ルナリーの場合は、メロトロンを使用したビートルズ風のバロックポップを起点に、やはり懐かしいポップスという現代的なシンガーソングライターの系譜に属する曲を作り上げる。そして現時点では、ハープのグリッサンドがこの歌手の強みであり、曲の後半では、R&Bのコーラスワークに加わるグリッサンドが色彩的な音響性を生み出し、うっとりしたような空気感を生み出す。


アルバムの後半部では、ラナ・デル・レイがお手本を示した映画的なポップスへと移行し、クライマックスへと続いている。アフロ・ビートを思わせるフルートの演奏をクラシック・ストリングスと重ね合わせ、美麗なハーモニクスを構築した上で、オルトポップの範疇にあるボーカルを披露するという面では、現代のトレンドに沿っているが、やはり、ミシェル・ザウナーに影響下にある甘いポップスの雰囲気が、アルバムの後半では色濃くなる。そして、今年のポピュラーの傑作といえそうなアルバムのクローズ曲へのインタリュード代わりとなる。前にも述べた通り、アルバムの中の素晴らしい一曲が、他の全ての難点や弱点を帳消しにしてしまう事例は、従来のポピュラー音楽史でも何度もあったことであると思う。

 

全体的なポピュラー・アルバムとしての評価は別としても、ジャパニーズ・ブレックファーストの系譜にある「11−Bon Voyage」は、今年度のポップスの名曲に挙げても違和感がない。その中には、ギルバード・オサリバンの「Alone Againe」のようなバロック・ポップの強烈な切なさと哀感が込められている。ボーカルのニュアンスには確かに、メロディーズ・エコーズ・チャンバーのような次世代のフレンチポップからの音楽的な影響があり、それが実際的にヨーロッパ的な華やかさを与えている。

 

ハープのグリッサンドとストリングスの駆け上がりの後、アンセミックなサビを通じて、祝福的なポピュラーを構築し、ビートルズ、オアシスの次のスタンダードを劇的に構築している。ビートルズのチェンバーポップ、オアシスのブリットポップの次世代に当たる「ポスト・バロック/ネオ・バロック」というジャンルは、すでにクレイロ、beabadoobeeの最新アルバムにも示されている通り、今後、ポップスターの音楽により多く組み込まれるようになるはずだ。


細々とした説明をするまでもなく、このクローズ曲は、今年聴いたなかで最も圧倒されるものがあった。中途半端な曲をたくさん詰め込むよりも、スペシャルな一曲がある方が俄然評価は高まるのは当然のことなのだ。

 


95/100

 

 

Best Track- 「Von Boyage」

 

 

 

 

*Luna Liの新作アルバム「Whin a Thought Grows Wings」はIn Real Life Music/ AWALから本日発売。ストリーミング等はこちら




 

 

カナダ出身で現在ロンドンを拠点に活動するセルビア系ミュージシャン、Dana Gavanski(ダナ・ガヴァンスキー)が最新アルバム『Late Slap』の同セッションからの新曲「Ought To Feel」を発表した。

 
「強くなるためには、不快なことに慣れる必要があると気づいた」とダナは言う。前作『When It Comes』の作曲中に(文字通り)声を失っていたダナは、『Late Slap』では、逆説的ではあるが、違和感を受け入れることから生まれた新たな自信とエネルギーを、作曲と歌の両面で発揮している。

 

インディー・ポップナンバー「Ought To Feel」は、Delta 5のポスト・パンク・スタイルを彷彿とさせる、シャープでエネルギッシュな雰囲気を持っている。この曲は以下から聴くことができる。

 


「Ought To Feel」

 

Fievel Is Glauque

ブルックリンのアートポップデュオ、Fievel Is Glauqueがセカンドアルバム『Rong Weicknes』を発表した。2022年の『Flaming Swords』に続くこの作品は、Fat Possumから10月25日にリリースされる。リード・シングル「As Above So Below」は本日リリースされ、ミュージックビデオは以下よりチェック。


「As Above So Below」について、デュオのザック・フィリップスは声明の中で次のように述べている。


「このフレーズは、錬金術と後のオカルティズム運動の基礎となった9世紀の秘伝書『エメラルド・タブレット』に由来している。頭でっかちに聞こえる?? 普段はピアノと声だけで即興的に少しずつ書くんだけど、結局、70年代のドラム・サンプリング・レコードのループをフリーソフトでラップトップ・マイクを使って録音し、それをドラマーのガスパール・シックスとパーカッショニストのダニエル・ロッシがスタジオで再解釈して、散らばった曲の部分から『As Above』を構成した」


「2023年の2、3回の作曲旅行で35曲以上書いた後、おそらく今までで最もオーソドックスな曲を完成させたことに驚いた。歌詞は、典型的なポップ・リリシズムを荒らすものとも、同調するものとも言える。(ミュージック・ビデオ・ディレクターの)ジョーイ・アグレスタに、視覚的に何を想像しているかと聞かれたとき、私は「サウンド・オブ・ムジ」としか答えられなかった」



「As Above So Below」




Fievel Is Glauque 『Rong Weicknes』


Label: Fat Possum
Release: 2024年10月25日

Tracklist:

1. Hover
2. As Above So Below
3. Would You Rather?
4. Love Weapon
5. Rong Weicknes
6. Toute Suite
7. It’s So Easy
8. I’m Scanning Things I Can’t See
9. Kayfabe
10. My Oubliette
11. Dark Dancing
12. Great Blues
13. Transparent
14. Eternal Irises
15. Haut Contre Bas

 


マドリッドを拠点に活動するバンド、Hinds(ハインズ)はニューシングル「The Bed, The Room, The Rain and You」を配信した。9月上旬に発売されるニューアルバム『VIVA HINDS』に収録される。心地よいインディーポップソングで、海辺で撮影されたMVもロマンチック。

 

この曲は自主制作のミュージックビデオで公開され、アルバム発売前の最後のシングルとなる。この曲はアルバムの中で唯一、英語とスペイン語の両方で歌われている。ビデオは以下から。


『VIVA HINDS』は、バンドがデュオ編成になってからの最初のアルバムである。ヒンズは2011年にカルロッタ・コシアルズとアナ・ペローテによって結成されたが、キャリアの大半は4人組だった。2022年にアデ・マーティンとアンバー・グリムベルゲンが脱退し、デュオに戻った。


ニューシングルについて、バンドはプレス・リリースで語っている。 「この曲は、相手と一緒にいることや、それが報われるかどうかとは全く関係のないラブソング。私たちが話しているのは最もシンプルなバージョン。愛は、どこにでも持っていける魔法のシェルターのようなものなんだ」

 

「友人たち、バイク、ダンス、ありもしないビジネス、ベックのボディガード、アイスクリーム、ハリウッド、シュールレアリスム、小さな家......。とてもゆっくりと、私たちが本当にしていること、つまり音楽に注意を向けてもらえるよう、皆さんを導きたいと思いました。The Bed, The Room, The Rain and You』では、すべての始まりであるアルバムのレコーディングから物語を終わらせたかった」

 

Hindsのニューアルバム『Viva Hinds』は9月6日にLucky Numberから発売が予定されている。

 

 

「The Bed, The Room, The Rain and You」
Best New Tracks - Katy J  Pearson 「Maybe」(8/14)
Katy J Pearson

グロスターシャー出身のシンガーソングライター、Katy・J・Pearsonが、ニューシングル「Maybe」をリリースした。9月下旬に発売予定のアルバム『Someday, Now』に収録される。イーディ・ローレンスが監督したミュージック・ビデオ付き。以下よりチェックしてみよう。


元来、ケイティ・J・ピアソンは、英国の伝統性を受け継いだオルトフォークを制作していた。しかし、歌手は次なるステップに進もうとしている。二作の先行シングルを聴くかぎり、古典的なポップス/フォークのソングライティングに触発されながらも、ソフィスティポップとバロックポップのクロスオーバーに取り組もうとしている。Tears For Fearsの系譜にある耳障りの良いインディーポップソング「Maybe」により、シンガーソングライターは未知なる境地を切り拓く。

 

「Maybe」についてケイティ・ピアソンは次のように説明している。


「ヒュー・エヴァンス(H. Hawkline)とリハーサルスタジオにいたとき、歌詞の微調整をしてみた。サビの部分は、"Maybe I need your love / to show me that I'm good enough. "という歌詞だったんだけど、彼(ホークライン)は "なんで自分に対してそんな態度を取るの?という感じだった! そして、私は、''ああ、わかった、ありがとう、フェミニストの味方がいてくれて''と思った。スタジオで男性に指図されたりすると、すぐに腰が引けてしまうことがあった。それでも、この曲の歌詞を変更したとき、誰と一緒に部屋にいるのは重要だということに気がついた...」


アーチェリー競技を題材にしたオールドスクールのミュージックビデオについて、イーディ・ローレンスはこう語っている。


「ケイティと私は、私が彼女のために撮影した最後のビデオ『Alligator』の撮影で初めて会った。それ以来、私たちは素晴らしい友人としてコラボレーションできることに興奮している。私たちは互いに、クリエイティブ業界で活躍する他の女性たちをサポートしたいと思っています」

 


「Maybe」

 

Peel Dream Magazine(ピール・ドリーム・マガジン)は、ノスタルジックなチェンバーポップ/バロックポップをエレクトロニックと融合させ、独特な音楽的な世界観を構築する。

 

4枚目のアルバム『Rose Main Reading Room』 のリリースに先駆けて、2曲の新曲「Central Park West」と「Dawn」を公開した。ピール・ドリーム・マガジンのジョー・スティーヴンスはプレスリリースで次のように語っている。

 

「『Central Park West』は、私が一人でマンハッタンを散歩した時の一人称の記録だ。この曲の多くは自然史博物館を題材にしている。自然史博物館は、奇妙なジオラマと静かな低い照明でいつも私を魅了してきた。また、セントラル・パーク、アッパー・ウエスト・サイド、42丁目にあるニューヨーク市立図書館のローズ・メイン閲覧室(このアルバムの名前にちなんでいる)なども歩いた」

 

 

 「Central Park West」

 

 

ミュージック・ビデオでは、アナログの時代のマンハッタンやニューヨーク、そしてバックストリートの情景が映像に収められている。その中には、セントラルパークを闊歩する騎馬兵、広場でスケートをする人々、エンパイア・ステート・ビル、馬に乗ったジョン・レノン、ブロードウェイのネオンサイン、子供を引き連れて歩くジョン・レノン、戦前は億万長者の街だったバワリーにあるCBGB、パンクバンドのステージ、チャイナ・タウン、ダウンタウンにあるヒップホップアート、ストリートに屯する人々をはじめとする、貴重なカットが収められている。 撮影時期は1970年代の終盤の映像であると推測される。ノスタルジックな雰囲気がある。

 

「この曲は、フルート、バンジョー、アコースティック・ギターによる一種の森のサウンド・パレットを想起させ、コスモポリタンなものとの並置が楽しく感じられる。『Central Park West』のバックには、ニューアルバムからのもう1曲、フィリップ・グラスにインスパイアされたような「Dawn」が続く。Dawnは本当にシンプルな曲で、始まりについて歌っているんだ。」

 

「Dawn」はスティーヴ・ライヒの「Octet」の系譜にあるミニマルミュージックにインスピレーションを受けていると推測される。

 

余談として、ライヒは2008年に日本の武満徹作曲賞の審査員を務めた際、無名のテープミュージック制作者に賞を与えた。「Dawn」については、木管楽器をサンプリングし、反復させる。アナログのテープ・ミュージックのようなレトロな音の質感がある。途中からボーカルが入るが、グロッケンシュピールを重ね合わせ、重層的なミニマル・ミュージックを構築している。

 

ライヒの音楽の多くは、モチーフの音形を組み替えたり、リズムの配置を組み替えたりする「variation」の手法により構築されている。電子音楽という側面で後世のミュージシャンに大きな影響を及ぼしたのは自明だが、依然として作曲の観点で学ぶべき点は多いように思える。

 

コードを分散和音として処理したり、連続した駆け上がりの旋律に組み上げたり、音形から一つの音を抜いたり、付け加えたり、音形をスラーで引き伸ばしたり、逆向きに音形を配置したり、主旋律に対して、鏡形式のカウンターポイントを配置したり、装飾音を加えたりという技法はドイツ/オーストリアの古典派の墓にある。その一方、作曲に行き詰まったときに活用できる。

 

 

「Dawn」

 


Peel Dream Magazineの新作アルバム『Rose Main Reading Room』は9月4日にTopshelfからリリースされる。



beabadoobee

ニューアルバム『This Is How Tomorrow Moves』のリリースを控えて、ビーバドゥビーが最後の1曲を公開した。


「Beaches」は、彼女が最近リリースした「Ever Seen」、「Take A Bite」、「Coming Home」に続くもので、アルバムの最新曲のひとつでもある。リック・ルービンのマリブ・スタジオ、シャングリラでのレコーディングの最中に書かれたこの曲は、ボーが体験した周辺地域とビーチに向かう楽しさにインスパイアされたという。


「マリブで初めて海に飛び込んだときのことを、ただ足を入れようと思ったの。でも、みんなが『体ごと入ればいいじゃない。飛び込んで!』って。そしてそれが、このレコーディングの機会全体を象徴するものになった。中途半端な気持ちでやらないで、思いっきりやるのよ!」


明日8月9日(金)にDirty Hitからリリースされるアルバム全体について、彼女はこう語っている。


「このアルバムは大好きよ。このアルバムは、この新しい時代、自分が今いる場所についての新たな理解をナビゲートする上で、他の何よりも私を助けてくれた気がする。それは女性になるということだと思う。この曲では、自分の行動をより意識していると思う」と彼女は付け加え、「以前のレコードでは、一貫して他人の行為に対する自分の反応について、非難合戦のように歌っていた。それでもこのアルバムでは、自分の責任も必然的にあることを受け入れている。幼少期のトラウマであれ、人間関係の問題であれ、何事もタンゴには2人必要なんだ」


「Beaches」

 

©Alexa Viscius

 

シカゴのソングライター、Tasha(ターシャ)がニューシングル「So Much More」をリリースした。「The Beginning」と「Michigan」に続く三作目のシングルとなる。


インディーロック調のイントロからハイパーポップ風のアンセミックなサビに繋がっている。現代の後期資本主義の中で、欠乏感に意識を向けるのではなく、本質的な豊かさを思い出すことの重要性が歌われている。

 

アルバムのタイトル曲「So Much More」は、恐れや自暴自棄になるのではなく、豊かさのマインドセットを持ち続けることを自分に思い出させることを歌っている」とターシャは声明で説明している。

 

「今あるものに感謝しながら、これからもっと良いことが起こる可能性を信じるということについて。私がそれに目を向け、心を開いているとき、不思議と美しさと愛があふれている。資本主義は欠乏マインドを糧とし、失うこと、欠乏すること、あるいは、誰かが自分より「多く」持っていることを恐れ、持っているものを内側にため込むことを奨励している。しかし、この曲は(そして、実際アルバム全体についても)、エンディングの「あなたはこれだけでなく、もっと多くを手に入れることができる」という宣言において、その考え方に抵抗している」

 

ミュージックビデオでは、ターシャがシカゴのマーケットのような場所で弾き語りをする姿が収録されている。映像では、原曲の開放的な感覚と開けていくようなイメージが上手く演出されている。 


Tashaの新作アルバム『All This And So Much』はBayonetから9月20日に発売が予定されている。

 

「So Much More」

 

©Johanna Hvidtved


Jordana(ジョーダナ)が新作アルバム『Lively Premonition』のリリースを発表した。LAを拠点に活動するこのソングライターの『Face the Wall』に続く作品は、10月18日にGrand Juryからリリースされる。

 

このアルバムには、以前に発表された曲「We Get By」と新曲「Like a Dog」が収録されている。


「この曲は、誰かに完全に見惚れてしまい、その人から少しでも注目されると、さらに欲望が強くなってしまうことについて歌っている "とジョーダナは声明の中で「Like a Dog」について語った。「たとえそれが非人道的な扱いを受けることを意味するとしても...犬のように」


『Lively Premonition』は、プロデューサーのエメット・カイと共に2023年にかけて制作された。

 

「愛、失恋、欲望、パーティへの参加、自己受容、人脈、そして何度も自分を再発見するサイクルをテーマにしている」とジョーダナは説明した。このアルバム全体は、生意気な歌詞と楽器の決定がたくさん混ざったトリックのミックスバッグよ。私たちはここでたくさんのリスクを冒している」

 

 

「Like A Dog」
 

 

 

Jordana 『Lively Premonition』


Label: Grand Jury

Release: 2024年10月18日

 

Tracklist:


1. We Get By

2. Like A Dog

3. Heart You Hold

4. This Is How I Know

5. Multitudes of Mystery

6. Raver Girl

7. Wrong Love

8. Anything For You

9. The One I Know

10. Your Story’s End