マンハッタンの切り込み隊長、cumgirl8(カムガール8)が単独シングル「quite like love」をリリースした。4ADのアーティスト写真は過激過ぎて掲載することが出来ない。いつもぎりぎりを攻める四人組の新曲はアメリカでの一連のヘッドライン・ライヴ、L7やBratmobileとのサポート・デートに続いて到着。cumgirl8はこの新曲で、彼らの感染力を証明する。不穏でインダストリアルな空気を持つこのバンドは、キャバレー・ヴォルテールに近い、ゴシック・ポップとスカスカのダンス・パンクにムラムラするような散文をちりばめた''Pitchforkスタイル''に触れている。
UKパンクのムーブメントはアンダーグラウンドではその後も、『PUNKS NOT DEAD』と息巻く連中もいたし、そしてその後も続いていくのだが、 結局のところ、オリジナルパンクは、75年に始まり、77年から78年に終焉を迎えたと見るべきだろうか。その間には、ダムド、クラッシュ、スージーアンドバンシーズがデビューし、パンクバンドが多数音楽誌で紹介されるようになった。76年にはダムドが「New Rose」をリリース、同年に、セックス・ピストルズは「Anarchy In The UK」でEMIからデビューした。彼らは最初のテレビ出演で、放送禁止用語を連発し、これが話題となり、パンクそのものがセンセーショナル性を持つに至った。
パンクの象徴的なアルバムではありながら、ギタリストのスティーヴ・ジョーンズのロックンロール性に重点が置かれている。(後のソロ・アルバムではよりロック性が強い)それに加え、ドイツのNEU!に触発されたジョン・ライドンのハイトーンのボーカルは、のちのP.I.Lにも受け継がれていくことになる。しかし、このアルバムの最大の魅力は、パンクではなくポピュラリティーにある。ノイジーな音楽を、どのアルバムよりも親しみやすい音楽性に置き換えたクリス・トーマスのプロデュースの手腕は圧巻である。「Anarchy In The UK」、「God Save The Queen」といったパンクのアンセムは当然のことながら、「Holiday In The Sun」、「EMI」のシニカルな歌詞やメッセージ性は、今なお普遍的な英国のパンクの魅力の一端を担っている。
『Sandanista』は少しパンク性が薄れてしまうが、このアルバムはそういった音楽的なバリエーションとパンク性が絶妙な均衡を保つ。「Spanish Bombs」では政治的な意見を交えて、時代性を反映させ、痛快極まりないポピュラー・ソングを書いている。またロンドンのリアルな空気感を表したタイトル曲から、最後のボブ・ディラン風のナンバー「Train In Vain」に至るまで、パンクを越えてロックの伝説的な名曲が収録。
The Damned 『The Damned』
ニューヨークからもたらされたパンクというジャンルに英国独自のオリジナリティーを加えようとしたのがDamned。Mott The Hoople、New York Dollsにあこがれていたブライアン・ジェイムズを中心に結成された。
ピート・シェリー擁するBuzzcocksの名盤はオリジナル・バージョンとしては『Another Music In Different Kitchen』が有名であるが、このアルバムだけを聴くだけでこのバンドやシェリーのボーカルの本当の凄さは分からない。つまり、最初期のメロディック・パンクというジャンルの基礎を作り上げただけではなく、のちの70年代後半からのニューウェイブやポスト・パンク、そしてシンセ・ポップまですべてを網羅していたのが、このマンチェスターのバンド、バズコックスの本質だった。ベスト盤とも称すべき『Singles Going Steady』には、このバンドがどのような音楽的な変遷を辿っていったのか、そして、パンクの10年の歴史が魅力的にパッケージされている。
「I Want The Moon」、そして苛烈なパンクのアティチュードを込めた「I Don't Wanna Be The One You Say」等メッセージ性のあるパンクロックソングが多い。他にもニューウェイブサウンドとの融合を、造船や鉱山で知られるサンダーランドの都市性と融合させた「Dead Industrial Atmosphere」、POLICEのパンクカバー「Message In The Bottle」等名曲に事欠かない。
Leatherfaceには無数のフォロワーがいる。日本のメロディックパンクにも影響を及ぼしたほか、アメリカでもフォロワーを生み出し、Jawbreaker,Hot Water Music、Samiamなど秀逸なメロディーメイカーを持つバンドへ、そのDNAが受け継がれていく。
Circle JerksとDescendentsが両者の名曲をカバーしたスプリット7″がTrust Recordsよりリリースされた。DescendentsはCircle Jerksの "Red Tape"、"I Just Want Some Skank"、"Beverly Hills "を、Circle JerksはDescendentsの "Kabuki Girl "と "Hope "をカバーしている。
このスプリットはレコードのみで入手可能。マイロ・オーカーマン、キース・モリス、ロック・フォトグラファーのエドワード・コルヴァー、スケートボーダーのスティーヴ・オルソン、イアン・スヴェノニウスなどが出演する「YOU GOT YOUR DESCENDENTS IN MY CIRCLE JERKS」というヴィンテージ・スタイルの面白いCMを制作し、スプリットのスニーク・ピークを少し見せている。タイムズ紙が制作したもので、下記からチェックできる。7″はこちらから。
Circle JerksはDescondents、Adolscentsとともにアメリカツアーを3月から4月にかけて行う。ツアーは3月16日のアリゾナ公演ではじまり、4月13日のブルックリン公演で日程を終える。
カナダのパンクバンド、METZが4年ぶりとなるアルバム『Up On Gravity Hill』を発表し、「99」と「Entwined (Street Light Buzz)」の2枚のニューシングルを発表した。アルバムは4月12日にSub Popから発売。
『The Same Ordinary』についてネッドは、「歌詞が先走り、曲に合うようにアレンジし直した後に生まれた」と述べている。「最終的に、フレーズの最後に、ちょっとしたタグのように省略した小節を入れてみることにしたんだ。結局のところ、目的の追求がいかに単調で、たとえそれに批判的であったとしても逃れられないものであるかを分析する歌詞は残したかったんだ」
「The Same Ordinary」
Glittererの新作アルバム『Rationale』はANTIから2月23日に到着する。先行シングルとして「Just A Place」、「Plastic」が公開されている。下記よりテースターをチェックしてみよう。
Snõõper
ナッシュヴィルの新進気鋭のパンクバンド、Snõõperは大晦日に2023年を締めくくるべく、カオティックなトラック 「for yr love 」を公開した。この曲はサイケロック風のリミックスソングで、エリック・クラプトン、ジェフ・ベック、ジミー・ペイジが在籍したヤードバーズの代表曲。彼らのビンテージロックに対する愛着がターンテーブルのようなミックスと融合を果たした。
「エリックがCOVID-19を発症し、彼の祖父が他界し、それからバンドはショーに出演することになった。リリックの「Simple Projections」は、人生の不確実性とレコードの全体的なトーンの多くを要約している。5枚目のアルバムのタイトルのように、"No One Said This Would Be Easy"(誰もこれが簡単だとは言わなかった)。もちろんそうだったんだけれど、バンドはそれを実現させたんだ」
要チェックのエモコアバンドがニューヨーク/ロチェスターから登場する。SideOneDummyと契約したばかりのCarpoolがデビューアルバム『My Life In Subtitles』の制作を発表した。本作はジェイ・ズブリッキー(Every Time I Die、Save Faceなど)がレコーディングを担当した。
「”Nothing
Like”は純粋なファンタジーに基づいている」とフロントパーソンであるマリサ・ダバイスはプレスリリースで説明している。「元々は、6年前に『バフィー・ザ・ヴァンパイア・スレイヤー』のエピソードで、バフィーは恋人のエンジェルが世界を破壊する前に殺さなければならなくなる。この曲は、昨年、最終形になるまで、断片的に存在していた。Nothing
Like は、新しい恋の軽やかな感情と執着がもたらす深みの両方のバランスを混ぜ合わせようとした」
バンドの新作は1993年の『Fumble』以来、全体としては2011年のEP『Complete Control Recording Sessions』以来となる。2021年、スクリームはキックスターターを立ち上げ、このプロジェクトに資金を提供したが、それは結局、ジエンタラが歴史的な場所から追い出される前にインナー・イヤーでレコーディングした最後の作品のひとつ。
もし、Johnny Cashがパンク・ロックと出会ったら? Social Distortionに変化する。今回、Craft Recordingsは、Social Distortionの影響力あるデビュー作『Mommy's Little Monster』の40周年を記念し、ヴァイナルとデジタル・リイシューを11月10日にリリースする。オリジナルのアナログ・テープからリマスターされ、180グラム・レコードにプレスされた。
ゲートフォールド・ジャケットに収められた『Mommy's Little Monster』には、「The Creeps (I Just Wanna Give You)」、「Another State of Mind」、象徴的なタイトル・トラックなどの名曲が収録されている。
1981年にシングル「Mainliner」を発表した後、Social Distortionが、KROQのDJロドニー・ビンゲンハイマーの耳に留まり、彼は影響力のあるラジオ番組でバンドを宣伝し、彼のコンピレーション・アルバム数枚に「1945」を収録した。1984年の映画『Another State Of Mind』に収録されたユース・ブリゲイドとの北米ツアーは、この注目のおかげで実現した。帰国後、彼らはデビュー・アルバムのレコーディングに取り掛かった。
Mommy's Little Monster』は、カリフォルニア州フラートンの象徴的なCasbah Studioでのマラソン・セッションでレコーディングされた。バンドは、オーナー兼プロデューサー兼エンジニアのチャズ・ラミレスと密接に仕事をし、後にネスがロサンゼルス・タイムズ紙に語ったところによると、彼は 「自分たちを形作り、自分たちのサウンドを実現し、自分たちのキャラクターを実現する手助けをしてくれた」影響力のある人物だった。速く、生々しく、虚無的なアティテュードに溢れた9曲入りのアルバムは28分弱で、「Telling Them」、「Anti-Fashion」、「Moral Threat」といった曲を通して、初期のパンク・シーンを象徴している。
その他のハイライトとしては、バンドが批評家を愚弄する激しいオープニング曲 「The Creeps (I Just Want to Give You) 」や、社会規範を拒絶する2人のティーンエイジャーの物語を歌ったアンセム 「Mommy's Little Monster」などがある。シングル曲「Another State of Mind」は、1982年のツアーにインスパイアされ、ネスがツアー生活の浮き沈みと故郷のガールフレンドを恋しく思う気持ちを歌っている。この曲はすぐにライブの定番曲となり、ファンの人気曲となった。
1983年に、バンド自身の13th Floor Recordsからリリースされた『Mommy's Little Monster』は、Social Distortionをより広いパンク・シーンに押し上げると同時に、マスコミの注目を集めた。1984年、このアルバムをレビューしたトラウザー・プレスは、このアルバムを「インスタント・クラシック」と呼びならわし、「このキャッチーで皮膚病みたいなパンク・ポップは、LAアンダーグラウンドの驚くほど洗練された産物となった。ネスは現在のパンクの優れたソングライターの一人である」と回想している。マキシマム・ロックンロールも、「あの特徴的なヴォーカル、ハーモニー、ロックなギター、そしてメロディックなフックの数々。. . .最近、エキサイティングなパンキーポップはほとんどないが、これはその稀有な例のひとつだ」と自信たっぷりだ。
今日、バンドの影響力のあるカタログには、『Prison Bound』(1988年)、ゴールド認定を受けた『Social Distortion』(1990年)、『Somewhere Between Heaven and Hell』(1992年)、そして、最近の『Hard Times and Nursery Rhymes』(2011年)を含む7枚のスタジオ・アルバムがある。
Koyoがニューシングル「Life's A Pill」をリリースした。シングル「Anthem」と「You're On The List (Minus One)」に続くこの曲は、9月29日にPure Noise Recordsからリリースされるバンドのデビュー・フル・アルバム『Would You Miss It?'』からの最新カットだ。
ヴォーカルのジョーイ・キアラモンテが新曲とビデオについて語った。
"Life's A Pill "はKoyoのお手本のような曲だ。TJはドライブ・アウト・イースト時代にこの曲を書いていた。マサチューセッツ州ローウェルに少し滞在していたときに、Fleshwaterのマリッサの助けを借りてデモ・バージョンのヴォーカルを録音したんだけど、その曲を完成させたときに、言いようのないカタルシスを感じたのを覚えているよ。この曲は、私が初めてのアメリカ・フル・ツアーに参加している間に家族が亡くなり、そのことで私が苦しんだことについて書いたものだ。