トロ・イ・モイはケヴィン・アブストラクトとレヴとタッグを組み、ブロークン・ソーシャル・シーンの「Anthems for a Seventeen Year-Old Girl」のサンプルを挿入した新曲「Heaven」を発表した。この曲はリードシングル「Tuesday」に続く、Toro y Moiの次のアルバム『Hole Erth』のプレビュー第2弾となる。インディア・スリーム監督によるビデオは以下より。
Toro Y Moi による『Hole Erth』は9月6日にDead Oceansからリリースされる。
Toro Y Moi Tour Date:
8/9 – Vancouver, BC @ Vogue Theatre 8/10 – Seattle, WA @ Thing Fest 8/11 – Portland, OR @ The Best Day Ever Festival 8/13 – Berkeley, CA @ Greek Theatre (with Aminé) 9/20 – Los Angeles, CA @ Hollywood Forever with Zack Fox (DJ Set) 10/3 – Queens, NY @ The Knockdown Center 10/18 – 10/19 – Miami, FL @ III Points Festival
2008年の世界的な経済破綻をきっかけに、Toro y Moiはチルウェイヴとして広く知られるサブジャンルの旗手として頭角を現した。その後10年間、彼の音楽とグラフィック・デザインは、その特別な呼称をはるかに、はるかに凌駕してきた。偉大なレーベル、Carparkとの9枚のアルバムを通して、彼はサイケ・ロック、ディープ・ハウス、UKヒップホップ、R&B、そしてその枠を超え、むしろ象徴的で明るくきらめくToro y Moiの指紋を失うことなく探求してきた。
ラマーは6月下旬、故郷のロサンゼルスで6月1日に開催されたポップ・アウト・コンサートの後に「Not Like Us」を撮影した。その中で「Not Like Us」を6回演奏した!?
「Not Like Us」
Childish Gambino announce their sixth studio album, "Bando Stone & The New World
Childish Gambino
カルフォルニア出身のミュージシャン、ラッパーでもあるドナルド・グローヴァーことチャイルディッシュ・ガンビーノ(Childish Gambino)が、6枚目のスタジオアルバム「Bando Stone & The New World」を7月19日にRCAからリリースすることを発表した。このアルバムはチャイルディッシュ・ガンビーノ名義の最後の作品となる。(プリセーブ/プレアドはこちら)
Sun Aug 11 – Oklahoma City, OK – Paycom Center * Mon Aug 12 – Kansas City, MO – T-Mobile Center * Wed Aug 14 – Milwaukee, WI – Fiserv Forum * Thu Aug 15 – Columbus, OH – Schottenstein Center * Sat Aug 17 – Detroit, MI – Little Caesars Arena * Sun Aug 18 – Toronto, ON – Scotiabank Arena * Tue Aug 20 – Pittsburgh, PA – PPG Paints Arena * Wed Aug 21 – Philadelphia, PA – Wells Fargo Center * Fri Aug 23 – Boston, MA – TD Garden * Sat Aug 24 – Uncasville, CT – Mohegan Sun Arena * Mon Aug 26 – Brooklyn, NY – Barclays Center * Tue Aug 27 – Brooklyn, NY – Barclays Center * Thu Aug 29 – Washington, D.C. – Capital One Arena * Fri Aug 30 – Raleigh, NC – PNC Arena * Sun Sep 1 – Nashville, TN – Bridgestone Arena * Mon Sep 2 – Atlanta, GA – State Farm Arena * Wed Sep 4 – Tampa, FL – Amalie Arena * Thu Sep 5 – Sunrise, FL – Amerant Bank Arena * Sat Sep 7 – New Orleans, LA – Smoothie King Center * Sun Sep 8 – Houston, TX – Toyota Center * Tue Sep 10 – Austin, TX – Moody Center * Wed Sep 11 – Dallas, TX – American Airlines Center * Fri Sep 13 – Denver, CO – Ball Arena * Sat Sep 14 – Salt Lake City, UT – Delta Center * Mon Sep 16 – Phoenix, AZ – Footprint Center * Wed Sep 18 – Los Angeles, CA – Crypto.com Arena * Thu Sep 19 – Los Angeles, CA – Crypto.com Arena * Sat Sep 21 – San Francisco, CA – Chase Center * Mon Sep 23 – Vancouver, BC – Rogers Arena * Tue Sep 24 – Portland, OR – Moda Center * Wed Sep 25 – Seattle, WA – Climate Pledge Arena * Fri Sep 27 – Calgary, AB – Scotiabank Saddledome * Sun Sep 29 – Edmonton, AB – Rogers Place * Wed Oct 2 – St. Paul, MN – Xcel Energy Center * Thu Oct 3 – Chicago, IL – United Center *
EUROPE/UK 2024
Thu, Oct 31 – Lyon, FR – LDLC Arena # Sat, Nov 2 – Milan, IT – Unipol Forum # Mon, Nov 4 – Cologne, DE – Lanxess Arena # Wed, Nov 6 – Hamburg, DE – Barclays Arena # Fri, Nov 8 – Oslo, NO – Oslo Spektrum # Sun, Nov 10 – Copenhagen, DK – Royal Arena # Tue, Nov 12 – Prague, CZ – O2 arena # Wed, Nov 13 – Berlin, DE – Uber Arena # Tue, Nov 19 – Paris, FR – Accor Arena # Thu, Nov 21 – Munich, DE – Olympiahalle # Sat, Nov 23 – Brussels, BE – ING Arena # Sun, Nov 24 – Amsterdam, NL – Ziggo Dome # Tue, Nov 26 – Manchester, UK – AO Arena # Thu, Nov 28 – Glasgow, UK – OVO Hydro # Sat, Nov 30 – London, UK – The O2 # Sun, Dec 1 – London, UK – The O2 # Tue, Dec 3 – Birmingham, UK – Utilita Arena # Thu, Dec 5 – Dublin, IE – 3Arena #
AUSTRALIA 2025
Tue, Jan 28 – Auckland, NZ –Spark Arena # Sat, Feb 1 – Brisbane, QLD – Brisbane Entertainment Centre # Tue, Feb 4 – Sydney, NSW – Qudos Bank Arena # Wed, Feb 7 – Melbourne, VIC – Rod Laver Arena # Sat, Feb 11 – Perth, WA– RAC Arena #
本作には、Lil' Leise But Gold、鈴木真海子(chelmico)、Ole、環ROYが参加している。クペルチーノらしい西海岸のくつろいだチルウェイブをベースにしたヒップホップは、2023年のシングルリリースの作風とは対象的だ。ボサノヴァ、J-POP、J-Rap、アーバンフラメンコなど複数のコラボレーターの参加ごとに異なるテイストが味わえる。主役を務めるジョー・クペルチーノが、部分的には脇役に徹することで、コラボレーターの持つキャラクターを引き出そうと試みた、かなりユニークなアルバムである。
Lyrics : Joe Cupertino, Lil' Leise But Gold / Music : Ryuju Tanoue
3. わがまま feat. 鈴木真海子
Lyrics : Joe Cupertino, 鈴木真海子 / Music : T-Razor
4. Soup feat. Ole
Lyrics : Joe Cupertino, Ole / Music : Joe Cupertino
5. Benidorm
Lyrics : Joe Cupertino / Music : T-Razor, Seal Beats, Ganzy Beats
6. 再生 feat. 環ROY
Lyrics : Joe Cupertino, 環ROY / Music : T-Razor
7. sadjoeaido
Lyrics : Joe Cupertino / Music : Joe Cupertino
8. Destroy
Lyrics : Joe Cupertino / Music : Joe Cupertino
All Songs Mixed and Mastered by T-Razor
Joe Cupertino/ Lil' Leise But Gold : Press
古今東西、様々な音楽ジャンルを越境する、アメリカ生まれのバイリンガルMC、Joe Cupertiono(ジョー・クペルティーノ)の再生をテーマにした新作「RE:」が6月19日にリリース決定。「RE:」より、Lil' Leise But Goldをfeat.した「Ruby feat. Lil' Leise But Gold」が本日配信。下記よりテースターを確認してみてください。
5月15日にリリースにされた「わがまま feat. 鈴木真海子」に続き、Lil' Leise But Goldをfeat.した「Ruby feat. Lil' Leise But Gold」は本日配信。この2曲は新作アルバムに収録される。
「Ruby feat. Lil' Leise But Gold」は、Ryuju Tanoue(w.a.u)をプロデューサーに迎えた楽曲でCDプレーヤーなどで見る「再生」に焦点を当てている。
ニューヨークとならんでヒップホップのもうひとつのメッカであるコンプトンのイメージは、(私のラップの定義が00年頃で止まっているせいもあってか)、NWAやアイスキューブという巨大な存在もあってか、ラディカルでアグレッシヴ、そしてときにはデンジャラスであるとばかり考えていた。それはこの西海岸の地域がニューヨークとならんで、もうひとつのヒップホップの発祥地であるがゆえ、同地のラッパーは東海岸のラップをライバル視してきたという点と、80年代ごろの音楽産業の発展や拡大、それに関連するドラッグやレーベルの問題、サンプリングのライセンス問題など様々な出来事が折り重なり、ギャングスタラップというスタイルが生み出された同地域の由縁にある。『Americas Most Wanted』というアイス・キューブの傑作があるが、それはまだヒップホップがストリートの中にあり、バッド・ボーイという観念に絡め取られていたことを意味していた。
それから、およそ四十年近くが経過し、 同じくコンプトンから登場したヴィンス・ステープルズの前作アルバム『Ramona Park Broken Heart』は、(個人的には)そういったコンプトン=バッド・ボーイというイメージを払拭するものがあった。前作においてラッパーが込めたテーマであるホームという考えはなんとなく慈愛的で、そして傷つきやすさや脆さを隠していたNWAやアイス・キューブの時代と比べると、ミュージシャン/リリシストとしての表現性も大分変化したものだと思わずにはいられなかった。ヴィンス・ステープルズのラップは、むしろみずからの脆弱性を隠そうともせず、それらをシンプルに吐露するような印象を個人的には抱いたのである。
そして、ニューヨークやボストン周辺のアブストラクト・ヒップホップとは異なる前衛的な試みも取り入れられている。それは、アルバムの冒頭に収録されている「Close Your Eyes and Swing」での鳥の声のフィールド・レコーディングやモダンクラシックの音楽性を反映させたアーティスティックな表現、つまり旧来のラップのイメージを一新するということにある。しかし、先鋭的な音楽を選んだからといえ、オールドスクールを捨てたというのは極論となるかもしれない。ターンテーブルのスクラッチのチョップやブレイクビーツの技法を巧みに取り入れつつ、旧来のギャングスタやバッドボーイの表現をレゲエのリズムから解釈することによって、音楽そのものにマイルドさをもたらしている。言葉やリリックで表現によって差別的な表現やカルチャーの内奥に踏み入れるのではなくて、音楽やビート、アシッド・ハウスのような濃厚なグルーヴの流れやビートの渦のなかで、彼はシンプルにラップし、ストレートな表現を和らげながら、オーバーグラウンドのラップミュージックとは少し異なるオルタネイトな感覚をもたらしている。これは、言葉やリリックというものが先鋭的になりすぎた現代社会において、音楽性によって過激な印象を和らげるという手法が用いられているのかもしれない。そして「Black & Blue」、「Children's Song」に見いだせるような音楽性は、むしろヴィンス・ステープルズの音楽がサザンソウルのような旧来のR&Bの系譜にあるものなのではないかと思わせるものがある。これらのトラックはカニエ・ウエストほどにはサイケではなく、絶妙な均衡が保たれている。
ヴィンス・ステープルズの音楽にはチルウェイブに加え、ローファイやサイケからの反映もあり、「Shame on The Devil」や、「Justin」、「Radio」にそれらのフィードバックを捉えることが出来る。「Liars」では、語りのスポークンワードのサンプリングを織り交ぜる現行のヒップホップのトレンドを踏襲している。こういったややマニア向けの音楽性も含まれる中、ステープルズのラップはオーバーグラウンドに近づく場合もある。「Etoufee」は、ドリルをポピュラーなボーカルトラックとして解釈し、ドレイクを思わせるクールなフロウを披露している。特に個人的に最もクールだと思ったのが、「Nothing Matters」である。UKのベースラインのビートを取り入れ、それをエレクトロニックの側面に解釈し、アメリカのヒップホップにインターナショナルな要素をもたらしている。近年の売れ線のラップは、グリッチでハイエンドのリズムを刻むことが多いが、アコースティック風のドラムの演奏を取り入れ、ハイハット、バス、タム、スネアが作り出すドラムンベースやベースラインを吸収したダンスチューンとして昇華される複合的なトラックメイクが、最近の米国のラップのトレンドとは一線を画しているように感じられる。これはどちらかと言えば、英国のSquarepusher、Loraine Jamesがダンスミュージック/エレクトロニックという領域で志向する電子音楽と生楽器の融合を、ラップというフィールドでやってのけている。少なくとも、ラップミュージックに新しい風を呼び込むような素晴らしいトラックだ。
LA/コンプトン出身のラッパー、Vince Staples(ヴィンス・ステイプルズ)が待望のニューアルバム『Dark Times』を発表した。2022年の『Ramona Park Broke My Heart』に続くこのアルバムは半ばサプライズのような形で今週金曜日、5月24日にリリースされる。この発表に伴い、ラッパーは新曲「Shame on the Devil」のビデオを公開した。以下よりチェックしてほしい。
“Close Your Eyes and Swing” “Black & Blue” “Government Cheese” “Children’s Song” “Shame On the Devil” “Étouffée” “Liars” “Justin” “‘Radio’” “Nothing Matters” “Little Homies” “Freeman” “Why Won’t the Sun Come Out?
しかし、続くミニアルバム『Learning To Swim On Empty』では一転して、エレクトロニック・ジャズ、ラップ、レゲエ/ダブ、コンテンポラリー・クラシックと、意外性に富んだ作風へとシフトチェンジした。
発売日を迎えた昨夜、BBC RadioでもオンエアされたEP『Learning To Swim On Empty 』はきわめてコンパクトな構成でありながら、フルアルバムのごときボリュームがある。UKミュージックの卓越した魅力を示すとともに、ポスト・パンクやジャズで飽和しかけたロンドンの音楽を次の世代へと進める役割を持つ。このアルバムでウー・ルーは飽和した音楽業界に革新をもたらそうとしている。
「Learning To Swim On Empty 」は、タイトルもシュールだが、実際の音楽はもっとシュール。スマイルの最新作『Wall Of Eyes』に近いタイトな構成を持つ全7曲は、それぞれ音楽の異なる魅力の側面を示唆しており、各々の曲は違うジャンルで構成されているが、そこには一貫性があり、中核となる箇所は普遍的な意義を持つ。たとえ、アウトプットの手段が流動的で分散的であるとしても、彼の音楽は破綻をきたす寸前のところで絶妙なバランスを保ちつづけている。
ミニアルバムの冒頭を飾る「#1 Young Swimmer」は、エレクトリック・ピアノ(ローズ・ピアノ)を用いて、メロウなR&Bのムードを呼び起こす。そしてその後、フランスのヒップホップグループ、Jazz Liberatorzを彷彿とさせるジャズ/ヒップホップのクロスオーバーが続く。この曲のスポークンワードで録音に参加した詩人として世界で活動するRohan Ayindeは、ミック・ジェンキンスのアブストラクトヒップホップの系譜にあるメロウな音楽性と文学性、そして曲そのものから醸し出されるテイストに物憂げな風味を添える。従来のトリップホップのようなメロウさは、Wu-Luの新しいスタイルを表していると言えようか。短いフレーズの反復的な響きの流れの中を漂うフロウのニュアンスには奥行きがあり、ロンドンのLoyle Carner(ロイル・カーナー)からのフィードバックもありそうだ。しかし、それらは、やはりこのアーティストの持つ個性によって縁取られ、表面の音楽性とその裏側にある音楽という二つの側面を生み出す。また、この曲はインタリュードのような形で収録され、音楽のムードを引き立てるのである。
EPの中盤に収録されている「#4 Mount Ash」は、驚くべきスケールを持つ楽曲で、彼の新しいチャレンジが示唆されている。Nilufer Yanyaの「Like I Say」と合わせて、オルタナティヴのニュースタンダードが誕生したと言えるのではないか。グランジを思わせる暗鬱なアコースティックギターから、曲の中で、ジャンルそのものが変化していくような奇妙な感覚に縁取られている。それは舞台俳優のようなイメージを活かして登場した、Benjamin Clementine(ベンジャミン・クレメンタイン)のような劇伴音楽の形式、つまり、舞台芸術やバレエ音楽のような役割を通じて、音楽におけるストーリーテリングの要素を巧みに引き出す。そして、そのドラマ性やダイナミックな感覚を引き立てるのが、ピアノ、ストリングベス・ギボンズの音楽性に見受けられるようなクラシックのオペラを意識した、アーティスティックな雰囲気のボーカルである。ストリングの微細なパッセージーースタッカートーーを通じて、曲はにわかに緊張感のある展開へ続き、リバーブの効果を巧みに用いながら、音像が持つ奥行きを徐々に拡大していく。
一瞬、EPの音楽は、現代音楽やクラシカルな世界へと聞き手を誘うが、それらのモーメントはつかの間。彼は、再び”WU-LU”というアーティストを生み出すきっかけとなったサウスロンドンのストリートカルチャーの中へと舞い戻る。 これは大型のコンサートホールで緊張感のあるひとときを過ごしたあと、街にふらりと飛び出し、スケートパークに足を踏み入れるときの安らぎを感じさせる。そして彼は、最近のロンドンやその近郊のラップで主流派とも言えるグリッチを用いたUKドリルではなく、古典的なブレイクビーツを用いたヒップホップへと回帰し、自らのスペシャリティを示そうとしている。しかし、確かに、De La Soul(デ・ラ・ソウル)の時代から引き継がれるLPの音飛びのような効果を用いたチョップの技法を多少意識していると仮定したとしても、モダンな印象が前面に押し出されている。それは制作者が”ラップの中のヒップホップ”という考えではなく、”ポピュラーソングの中のヒップホップ”という考えを重視しているからなのかもしれない。少なくとも、この曲はアブストラクトな印象を持つ前曲が少し理解しづらかったというリスナーにとって、かなり親しみやすいものとなるのではないだろうか。
第三部の序章となる「#6 Last Night With You」はアーティストにしては珍しく日常的なアバンチュールを想起させるもので、それはホーンセクションとシャッフルのリズムを用いたドラミングという形で、デビューアルバムの頃のアグレッシヴな音楽性を呼び覚ます。そしてジャズとラップの融合というエズラの手法を踏まえ、よりそれらをリズミカルに解釈している。エレクトロニックとジャズ、その上にソウルとレゲエの要素を散りばめ、軽快なナンバーを書いている。
年明けにリリースされたアルバムの先行シングル「Tea Over Henny」は、BNTとしてご紹介している。ミュージックビデオも素晴らしかった。スポーツカーの周りに、サンテとそのグループがスポーツカーでドリフトをかけながら、火花を散らす。少なくとも、UKドリルの属するヒップホップは、単なる宣伝材料になるのではなく、リアルな音楽として昇華されている。彼のリリックには精細感があり、内的な落ち着きがある。ヒップホップをモンスターのように捉えるのではなく、身近な表現手段、あるいはリベラルアーツの一貫としてサンテは体現しようと試みる。それをかつてのヴァンダリズムのような手段で、シンプルに、そして誰よりもダイナミックに表現する。この曲のサンテのリリック/フロウには、ニュアンスがあり、節回しも絶妙だ。
その後はまるで車のラリーやドライブのあとに、クラブフロアに立ち寄るかのようである。同じくEDMを間奏曲として解釈した「Changing Me Interlude」、「Fancy」はアルバムの中盤になだらかな起伏を作る。チルウェイブ/EDMの寛いだトラックはクラブフロア的な心地良さがある。アルバムの序盤のトラックと同様に上記もまたラッパーの日常的な生活が反映されているように感じられる。またそれは自分だけではなく、レスターの若者の日常の代弁する声でもある。この曲の後、再びトラップを基調としたグリッチのヒップホップに舞い戻り、都会的な感覚を表す。この曲もまたストームジーのようなトラックとして楽しめること請け合いである。
サンテのラップはそれほどUKのメインストリームの音楽とはかけ離れていない。そしてかつてのブリストルサウンドのように、なぜか夜のシーンが音楽そのものから浮かんでくることがある。そして、その後の収録曲では得難いほどに深淵な音楽へと迫る瞬間がある。「Love Is Deep」は、かなりピクチャレスクな瞬間が立ち表れ、サンテのなめらかで流麗なリリック、フロウ捌きの連続......、それはやがて都会的なビル、その合間に走るレスターの曲がりくねった国道、夜の闇にまみれた通りを疾走していくスポーツカーのイメージに変化していく。サンテが表現しようとするもの、それは人間的な情愛に限らず、フレンドシップにまつわる友情に近いものもありそうだ。そして、それを彼はナイーブでディープなラップによって表現している。泣かせるものはないように思える。ところが、そこには奇妙なペーソスがある。リズム的にもドラムンベースの影響を付加し、ローエンドが強く出るエレクトロサウンドを生み出す。メインストリームのラップとは一線を画しており、このあたりに"ローカルラップ"の醍醐味がありそうだ。
アーマンド・ハマーがベンジャミン・ブッカーと組んだ「Doves」は、ラップ・デュオの最新アルバム『We Buy Diabetic Test Strips』のボーナス・トラックとしてリリースされた。ケニー・シーガルのプロデュースによる没入感は、まさにトリップそのものであり、ソングライターのベンジャミン・ブッカーによるゲスト・ヴォーカルは異なるエネルギー感覚を注入する。
1. Daydream Marker 2. FAMILY RESTAURANT 3. Take It Easy 4. SURF'S UP 5. BUBBLE FACTORY 6. FLASH 7. Soulful World 8. BOSSA TIME (interlude) 9. BOSSA TIME 10. dig up dig down 11. 4 season feat. Campanella 12. Looking 4u
1. やり直し #妖怪人間 (prod by hyunis1000) 2. 曲がりくねった道 (prod by hyunis1000 ) 3. KOBE YOUNG ZOMBIE (RAMZA Remix) 4. TOYOTA COROLLA (prod by RAMZA) 5. EarthGear (prod by E.O.U) 6. 森林に行こう(prod by E.O.U) 7. Big No Bang2023 (prod by E.O.U) 8. TANSAN (prod by caroline) 9. コース外 10. Kubozuka feat.anddy toy store (prod by caroline) 11. going up (prod by DJ HIGHSCHOOL) 12. Be all right 13. in earth (poivre Remix) 14. ONE (prod by D.M.C)
Neibiss:
ビートメイカー/DJ/ラッパーのratiff(ラティフ)とラッパーのhyunis1000(ヒョンイズセン)の二人組。共に2000年生まれ、兵庫県神戸市出身。Nerd Space Program。2018年に結成、2020年01月「Heaven」でデビューを果たした。
2022年10月にtofubeats、パソコン音楽クラブ、E.O.Uが参加したEP「Space Cowboy」をリリース。11月には、Campanellaとパソコン音楽クラブを迎え、WWWにてリリース・パーティー「Neibiss Space Cowboy Release Party」を開催した。
2023年5月17日に”どんぐりず”と「DOMBIESS」をリリース。二組が出演するMVも公開され、話題となっている。また、自らの所属するクルー”Nerd Space Program”での活動やソロとしてのリリースも活発に行い、あらゆるカルチャーを巻き込み注目を集める。2024年2月14日アルバム「Daydream Marker」をリリースした。
hyunis1000:
2000年生まれ、神戸を中心に活動するラッパー。トラックメイカー/DJ/ラッパー・Ratiffとのユニット・Neibiss、同世代のコレクティブ・Nerd Space Program、どんぐりずとのユニット・DOMBIESSのメンバーとしても活動中。
SPACE SHOWER TV『BLACK FILE』でのインタビュー動画の公開やRed Bullが企画するマイクリレー『RASEN』への抜擢され、ロンドンを拠点とするパーティー『Keep Hush』の日本公演に出演するなど躍進を続ける。
2022年1月にファーストアルバム『NERD SPACE PROGRAM』、2023年1月にビートメイカー/DJ・carolineとの共作『SNOWDOME』を発表。その持ち前のラップスキルの高さから、全国各地のヘッズや音楽評論家の間で話題となり、一躍注目を集める。2023年11月には神戸のセレクトショップ・EPOCHからセカンドアルバム『KUPTYTH』を発表。全国5都市でのリリースツアーを予定しており、今最も注目すべき若手ラッパーの1人であることは間違いない。
今年、チャンス・ザ・ラッパーが復帰を果たし、2ndアルバム『Star Line Gallery』をドロップする可能性が高い。彼はクリスマスの頃にインスタグラム・ライブで新作アルバムについて明かし、このアルバムを「作曲と芸術的ヴィジョンの面で最も誇れるプロジェクト」のひとつと呼んでいる。
チャンスはツイッターで、新曲 「I Will Be Your (Black Star Line Freestyle) 」を「いくつかの小節と、タイムライン用のソウル・サンプルだけ」と説明している。ソウルのサンプルの素材はわからないが、チャンスに2分42秒間ラップする機会を与えた。彼は曲の冒頭で "Death Cab For Cutie "を "Let's grab a smoothie "と韻を踏む。リリックにはハリー・ポッターへの言及もあるという。
1. Daydream Marker 2. FAMILY RESTAURANT 3. Take It Easy 4. SURF'S UP 5. BUBBLE FACTORY 6. FLASH 7. Soulful World 8. BOSSA TIME (interlude) 9. BOSSA TIME 10. dig up dig down 11. 4 season feat. Campanella 12. Looking 4u
Neibiss「4 season feat. Campanella」-Single
2024.01.31 Release | NSP010 Released by SPACE SHOWER MUSIC