PJ Harvey 『I Inside the Old Dying Years』



Label: Partisan

Release: 2023/7/7

 

 

Review

 

PJ Harveyは、近年、音楽家という形に拘らず、舞台俳優等、様々な形の芸術表現を追求してきた。 ミュージシャンとして豊富なキャリアを持つ彼女は、昨年、詩集『Orlam』を出版したことも記憶に新しい。この書籍は、ドーセット州にあるアイラ=エイベル・ロウルズという少女の一年を追っている。その中には、英国文学らしい幽霊のモチーフが導入され、イギリス南北戦争、兵士の幽霊、そういった古典的な文学の主題、及び、副主題を魅力的に散りばめ、その中に幽霊との恋という、エバーグリーンなストーリー性が織り交ぜられている。イギリス/アイルランド文学では、オスカー・ワイルドの「カンタベリーの幽霊」や、ハーバート・ジョージ・ウェルズの作品をはじめ、幽霊の主題が古くから取り入れられてきたが、ハーヴェイの作風はそれらの古典的な題材を継承し、石にまつわる民間伝承のミステリーを複数書いたアーサー・マッケンのようなフォークロアの影響を付加している。これは、近頃では、ウィリアム・ブレイクの詩集を愛読していたと語るPJ Harveyの文学的な才能が遺憾なく発揮された瞬間となった。


これまでは長らく音楽という形式がポリー・ジーン・ハーヴェイの人生の中心にあったものと思われるが、それが近年では、ウィリアム・ブレイクのように複数の芸術表現を探求するうち、音楽という形式が人生の中心から遠ざかりつつあるとハーヴェイさんは考えていたらしい。もちろん、それは音楽だけが人生ではないのだから、悪いこととも言えない。しかし、音楽というものがいまだにこのアーティストにとっては重要な意味を持つということが、少なくとも最新作を聴くと理解出来る。一見すると遠回りにも思え、ばらばらに散在するとしか思えなかった点は、このアルバムで一つの線を描きつつある。詩集『Orlam』の詩が、収録曲に取り入れられていること、近年、実際にワークショップの形で専門の指導を受けていた”ドーセット語”というイングランドの固有言語、日本ふうに言えば”方言”を歌唱の中に織り交ぜていること。この二点が本作を語る上で欠かさざるポイントとなるに違いない。

 

それらの文学に対する真摯な取り組みは、タイトルにも顕著な形で現れていて、現代詩のような意味をもたらしている。「死せる旧い年代のなかにある私」とは、なかなか難渋な意味が込められており、息絶えた時代の英国文化に現代人として思いを馳せるとともに、実際に”ドーセット語”を通じ、旧い時代の中に入り込んでいく試みとなっている。これは昨年のウェールズのシンガーソングライター、Gwenno(グウェノー)が『Tresor』において、コーニッシュ語を歌の中に取り入れてみせたように、フォークロアという観点から制作された作品とも解釈出来るだろう。この旧い時代の文化に対するノスタルジアというものが、音楽の中に顕著に反映されている。それはイギリスの土地に縁を持つか否かに関わらず、歴史のロマンチシズムを感じさせ、その中に没入させる誘引力を具えているのである。

 

アルバムを制作する上で、 フォークロアという考えに加え、民謡を意味するフォーク音楽が本作の重要な素地を形成している。ところが、制作者は、ステレオタイプのフォーク音楽を作りたくはなかったと語っているのを考慮すると、オルタナティヴフォーク作品として位置づけてもおかしくはない。だが、それと同時に、フォークという枠組みに収まるような音楽とも言い難い。その中には、パティ・スミスのように、''詩というフィルターを通じてのポピュラー・ミュージック''という形がこの音楽の中に、ぼんやりと浮かび上がってくる。ロック色はほとんどない。クランチなギターもなければ、歪んだボーカルもない。ここには、フォーク音楽と対峙するような形で、ハーヴェイの瞑想的なソウルフルなボーカルが宙を舞い、それは時に華やかな印象をもたらす時もある。アルバムの中で、ハーヴェイは舞台俳優の経験を活かし、複数のキャラクターを演じているという指摘もある。しかし、日本の古典芸能の一つである落語での名人芸がそうであるように、アルバム全体の収録曲の中で、声色をわかりやすく変更させることはほとんどない。世に傑出した噺家というのは声色を変更しないのにも関わらず、別の人物を演じていると錯覚させる力を備えているが、それと同じように、PJ Harveyもまたこのアーティストがその歌をうたっていると聞き手に自覚させながら、その歌の持つキャラクターや性質を楽曲ごとに様変わりさせ、複数の人物やキャラクターが登場すると思わせる場合もある。この点について実際、多くの優れた俳優の演技から学ぶべきものがあったとハーヴェイは説明している。

 

アルバムの収録曲は、アーティストの制作した曲をスピーカーやイヤホンを通して聴くという形式の範疇に留まらない。それは舞台で歌う何者かの歌をスピーカーやイヤホンを通じて聴くといった印象を制作の中で構築していく試みであるとも解釈することが出来る。それは旧来の音楽形式のアーティストと需要者との距離を縮めるという概念を反転させ、逆にそれを遠ざけるというような手法により、作品が組み上げられていく。音楽そのものは表向きにはそれほど新しさを感じさせないものの、反面、手法による斬新さがアーティストが潤沢なキャリアの中で培ってきた音楽的な経験と密接に結びついた作品であるとも考えられる。また、音楽性のバリエーションも少なからず込められており、ドーセット語を取り入れた「Lwonesome Tonight」では、アイリッシュ・フォークを基調とした音楽に取り組み、また、「The Nether-Edge」においてはアヴァン・ポップに近いアプローチも取り入れられている。更に、タイトル曲では、スロッピング・グリッスルのアート・パンクの影響も取り入れている点を見ると、ほとんどジャンルレスに近い複雑な内容により構成されている。また、「All Souls」では、トリップ・ホップやネオソウルの影響も取り入れている。音楽ジャンルの広汎さには白旗を振るよりほかなくなる。

 

アルバムの収録曲の中で一番聞きやすい「A Children's Question,August」は、前作の2016年の作品の中で、アーティストがジャーナリストとして活動していた時代の経験が表れており、アフガニスタン、コソボといった紛争地域、ワシントンDCの貧困地域をジャーナルの視点を持って歩いた経験を活かし、世界的な問題に対する洞察を曲の中に織り交ぜようとしているように思える。ただ、世界的な問題の中にある暗さや困難に焦点を置くのではなくて、愛情という観念により、自らの思想を音楽と結びつけようとしているとハーヴェイは主張する。それこそが社会問題の中に内在する暗さに少しの救いを見出すきっかけになると考えているようだ。


それは実際の曲の中にもはっきりとした形で表れており、ハイライトとも称すべき瞬間が『I Inside The Old Dying Years』に見出せる。「August」では、ダブステップを、モダンなポップネスという観点から把捉している。「A Children's Question,July」では、本作の中で最も実験的な瞬間が表れている。さらにエンディング曲「A Noiseless Noise」では、デヴィッド・ボウイの実験音楽の要素を捉え直している。 このアルバムの収録曲は、アーティストの数年間の人生経験が色濃く反映されているような気がし、表面上の音楽的なヘヴィネスではなく、内側の観念的なヘヴィネスとして、我々の耳にグッと鋭く迫ってくる場合がある。



81/100

 

 


ベサニー・コセンティーノ(Bethany Cosentino)がソロ・デビュー・アルバムからの新曲を発表した。「Natural Disaster」は7月28日にConcord Recordsからリリースされる。ブッチ・ウォーカーのプロデュースのもと、ナッシュビルとロサンゼルスで書き下ろされたこのアルバムから「For A Moment」を公開した。


「For A Moment "のアイデアは、ある朝ナッシュヴィルへ作曲旅行に行った時に浮かんだの」とベサニーは説明する。「知人のパートナーの突然の死という悲劇的なニュースで目が覚めた後。ベッドに横たわりながら、あっという間にすべてがなくなってしまうこと、そして、ここにいる間に愛と弱さに寄り添うことがいかに大切かを考えていた。たとえそれが一瞬であったとしても。


「ケイト・ヨーク、マディ・ディアス、サラ・バクストンにアイデアを持ち込んだら、コラボレーションと曲作りの魔法が流れ込んできた。マンドリン、ペダル・スティール、巨大なハーモニーに満ちた、美しくみずみずしい曲にしたいと思った。また、シンガーとしての私の音域を存分に発揮できた曲でもある。この曲では、文字通り、そして比喩的にも、ためらいはなかった。


「Far A Moment」

 

©Bryan Lamb

シカゴのラッパー、Mick Jenkins(ミック・ジェンキンス)がニューアルバム「The Patience」を8月18日にリリースすると発表しました。後日、掲載した特集記事、Weekly Music Featureもあわせてご覧ください。

 

ミック・ジェンキンスはシカゴのオープンマイクシーンとも関わりを持つ。2021年に発表したアルバム「Elephant In The Room」は当サイトの2021年のベスト・アルバムに選出されている。ラップには一家言を持つイギリスの音楽メディア、CLASH誌は、ミック・ジェンキンスを高く評価し、レビュアーであるニール・スミスさんは次のように絶賛している。「ミック・ジェンキンスは、ニュアンスと重層的なサブテキストの達人だ。アルバムは、ヴィンテージ・ソウル・レコードの基礎と、リリックに長けたアルト・ヒップホップ・アルバムにしか見られない、悲痛で残酷な正直さを融合させている」前作はジェンキンスが家族との記憶に焦点を当て、彼の命題であるビンテージ・ソウルとモダン・ラップの融合に音楽的な根幹が置かれていた。

 

さて、8月発売のニューアルバム『The Patience』の最初のニュー・シングル「Smoke Break-Dance」はアトランタのラッパー、JIDが参加している注目作。「Smoke Break-Dance」はマリファナへのラブソングで、ジェンキンスはシンコペーションのビートに乗せて、マリファナを愛用し、それがいかに良い気分をもたらすかを表現している。「ほんのちょっとのマリファナで、彼は深みにはまっていくことはない」とJIDはヴァースで付け加えている。ミュージックビデオはアンドレ・ミューアが監督を務めた。こちらも下記よりご覧下さい。

 

Mick Jenkins(ミック・ジェンキンス)は、この新作アルバムについて、次のように説明している。「私は、自分の状況を変えるため、自分の力の及ぶ範囲内であらゆることをする人間なんだ。 ある程度の一貫性があれば、その行動は必然的に待たなければならないポイントにたどり着く場合もあるんだ。それで、 自分を前進させるために必要なことが、もはや自分の手には負えない時点であることさえある。 筋肉が断裂し、修復され、芸術的な意図とは無縁の瞬間に、そのコンセプトをはっきり理解する。 私が忍耐に対し最も苛立ちを覚えるのは、このような瞬間なんだ」

 

 

©Martin Doležal

 

チェコ・プラハを拠点に活動する気鋭のポストパンクバンド、Alpha Strategy(アルファ・ストラテジー)が4曲収録の新作EP『Staple My Hand To Yours』を本日(6/8)リリースします。バンドの音楽は、Birthday Party(Nick Cave)、Gilla Band、The Jesus Lizard等が引き合いに出される。チェコでのライブ映像が公開されていますので、下記よりチェックしてみて下さい。

 

今回リリースされたEP『Staple My Hand To Yours』はオーディオ・スタジオにてスティーヴ・アルビニ(Steve Abini)とともにレコーディングされ、その後、シカゴのマスタリングサービスでボブ・ウェストンがマスタリングを手掛けています。

 

『Staple My Hand to Yours』には、前作『The Gurgler』(スティーヴ・アルビニがレコーディングを担当)がポーランドのレーベル、”Antena Krzyku”からリリースされた2018年以来となるアルファ・ストラテジーの新曲が収録されている。バンドのフロントマンである
Rory Hinchey(ローリー・ヒンチー)は、このEPについて、次のようなメッセージを添えてくれました。

 

『The Gurgler』のリリース以降、バンドの状況はかなり変化した。2019年、私(ローリー・ヒンチー)、ジェイムズ・マクアダムス、エヴァン・シダウィ、ダン・エドワーズのオール・ラインナップが、カナダのトロントからベルリンに一時的に拠点を移し、ヨーロッパ12カ国をツアーした後、彼らは最終的に全員バンドを脱退し、カナダに戻った。

 

私は、2011年にソロ・プロジェクトの一貫としてアルファ・ストラテジーを始めたので、このまま活動を続けたいと思い、一緒に続けられる新しいクルーを探すことを選んだ。

 

2019年末、プラハに住むようになって間もなく、Martin Doležal(guitar - Très, Bazdesh, ex-Stinka)、Filip Miškařík(drums - Hothouse, Très)、Ondřej Červený(bass - ex-Stinka)が加わり、彼らは、現在、私と共に現在のグループを形成している。

 

スティーヴ・アルビニとの『Staple My Hand to Yours』のレコーディングに加え、過去3年間でヨーロッパとカナダで50回以上のコンサートを行い、2024年にはさらに海外での公演を予定している。

 

彼らはまた、私の”Aww Man Radio & Concerts”に定期的に貢献しており、プラハで国内外のバンドのライブを企画し、毎月ライブ・ストリーム・ラジオ番組/ポッドキャストを配信している。

 

Alpha Strategy, an up-and-coming post-punk band based in Prague, Czech Republic, is releasing a new four-song EP, "Staple My Hand To Yours," today (June 8). The band's music is cited by Birthday Party (Nick Cave), Gilla Band, The Jesus Lizard, and others. A live video of the band's performance in the Czech Republic has been released, which you can check out below.

 
The EP "Staple My Hand To Yours" was recorded with Steve Abini at Audio Studios and mastered by Bob Weston at Mastering Services in Chicago.


Staple My Hand to Yours" includes the first new music since 2018, when the previous album "The Gurgler" (recorded by Steve Albini) was released on the Polish label "Antena Krzyku". It features new music from Alpha Strategy. Rory Hinchey, the band's frontman, added the following message about the EP.


    Since the release of The Gurgler, things have changed quite a bit for the band: in 2019, the entire lineup of myself (Rory Hinchey), James McAdams, Evan Sidawy, and Dan Edwards temporarily relocated from Toronto, Canada to Berlin and toured 12 European After touring in 12 countries, they eventually all left the band and returned to Canada.

    I started Alpha Strategy in 2011 as part of a solo project and wanted to keep it going, so I opted to find a new crew to continue with.

    At the end of 2019, shortly after I started living in Prague, Martin Doležal (guitar - Très, Bazdesh, ex-Stinka), Filip Miškařík (drums - Hothouse, Très) and Ondřej Červený (bass - ex-. Stinka) joined us and they now form the current group with me.
 
    In addition to recording "Staple My Hand to Yours" with Steve Albini, they have played over 50 concerts in Europe and Canada in the past three years, with more international dates planned for 2024.

    They are also regular contributors to my "Aww Man Radio & Concerts," which organizes live performances of national and international bands in Prague and provides a monthly live stream radio show/podcast.



 

 



Alpha Strategy 『Staple My Hand To Yours』EP



Tracklist:

 

1.Mr. Wobbles

2.Steel Hair

3.The Caressing Cloth

4.Mosquito Generation Point

 


 

©Justin Broadbent


Metric(メトリック)は、昨年のアルバム『Formentera』に続くアルバム『Formentera II』を発表した。このアルバムは10月13日にMetric Music International/Thirty Tigersからリリースされる予定だ。

 

ファースト・シングル「Just The Once」は、ドリュー・ジュレカが作曲・編曲し、スチュアート・ホワイトがミックスしたストリングスをフィーチャーしている。試聴は以下からどうぞ。


リード・シンガーのエミリー・ヘインズは、「『Just The Once』を表現する唯一の方法は、後悔ディスコと呼ぶこと。「この曲は、自分をきれいに踊りたいときのための曲。キラキラした表面の下には、多くの意味を持つシンプルな言葉の叙情的な探求がある。onceは相反するゲームをする言葉だ。Onceは、一度だけという意味で、過去のある瞬間を指すこともあれば、いつか、何かが起こったらという意味もある。そして、一度しかやらないことと、たまにしかやらないことに関しては、この2つの違いがどれほど大きいかは、誰もが知っていることだと思う」

 

「Just The Once」




Metric  『Formentera II』



Label: Metric Music International/Thirty Tigers

Release: 2023/10/13


Tracklist:

 
1. Detour Up


2. Just The Once


3. Stone Window


4. Days Of Oblivion


5. Who Would You Be For Me


6. Suckers


7. Nothing Is Perfect


8. Descendants


9. Go Ahead And Cry


 


Depeche Mode(デペッシュ・モード)が、最新アルバム『メメント・モリ』に収録されている「Wagging Tongue」のリミックスを公開した。このリミックスは、ダニエル・エイブリー、キッド・モキシーなどのアーティストによるリワークの一部となっています。試聴は以下からどうぞ。


 


テイラー・スウィフトが3枚目の再録アルバムを7月8日にリリースした。Fearless (Taylor's Version)』、『Red (Taylor's Version)』に続く『Speak Now (Taylor's Version)』には、2010年のアルバムに収録された16曲の新バージョンに加え、フォール・アウト・ボーイとパラモアのヘイリー・ウィリアムスをフィーチャーした「From the Vault」トラックが収録されている。試聴はこちらからどうぞ。


「このアルバムは、私が18歳から20歳の間に若い女性として過ごした気まぐれ、空想、心の痛み、ドラマ、そして悲劇について一人で書いたものです」とスウィフトはインスタグラムに書いている。


「トラックリストに次ぐトラックリストを作り、ストーリーを語る正しい方法に執着したのを覚えている。私は自分の選択に冷酷にならざるを得なかったし、今でも揺るぎない誇りを持てる曲をいくつか残した。というわけで、From The Vaultは6曲!このアルバムをレコーディングしたのは私が32歳の時で(今はまだ成長途中だが)、その思い出が私を懐かしさと感謝の気持ちでいっぱいにしてくれた。人生に対して、あなたに対して、自分の作品を取り戻すことができたことに対して。100万回ありがとう」


スウィフトは最近、プライム・ビデオの『The Summer I Turned Pretty』の新シーズンの予告編で「Back to December (Taylor's Version)」をプレビューした。今年初め、彼女は2022年のLP『Midnights』の新しいデラックス・バージョンをリリースした。


また、テイラー・スウィフトが、リリースされたばかりの『Speak Now (Taylor's Version)』に収録されている「From the Vault」トラック「I Can See You (Taylor's Version)」の新しいビデオを8日に公開した。スウィフトはテイラー・ロートナー、ジョーイ・キング、プレスリー・キャッシュと共に、自ら監督したこの映像に出演しており、現在進行中のErasツアーの一環として、ミズーリ州カンザスシティのアローヘッド・スタジアムで初披露した。以下でチェックしてほしい。



ロサンゼルスのインディー・ロック・グループ、ローカル・ネイティヴスが最新アルバム『Time Will Wait For No One』をLoma Vista Recordingsからリリースした。


このリリースを記念して、バンドは最近、様々なレコード店で南カリフォルニア・ツアーの日程を発表した。7月11日には、カリフォルニア州ハリウッドのアメーバ・レコードで彼らを見ることができる。翌日はロングビーチのフィンガープリンツ。7月15日にはエンシニータスに向かい、Lou's Recordsで演奏する。


バンドは当初、この特別公演の日程を発表した際、レコードの最新シングル "NYE "のライブ・パフォーマンス・ビデオも公開した。


Time Will Wait For No One」は、バンドの特徴的なソーカル・ハーモニーを披露するもので、グラミー賞受賞プロデューサーであるジョン・コングルトン(エンジェル・オルセン、デス・キャブ・フォー・キューティー、セント・ヴィンセント、シャロン・ヴァン・エッテン)、マイケル・ハリス(ラナ・デル・レイ、ファイスト)、ダニー・ライシュ(サン・ジュン、アザー・ライヴス)と共に、歴史あるLAのレコーディング・スタジオでレコーディングされた。


ロサンゼルスを拠点とする彼らは、4枚のフルアルバム『Gorilla Manor』[2009年]、『Hummingbird』[2013年]、『Sunlit Youth』[2016年]、『Violet Street』[2019年]を通してサウンドを進化させてきた。1年の間に、バンドはジミー・キンメル・ライブに2回出演した!最初のパフォーマンスでは、シャロン・ヴァン・エッテンの伴奏で『Sour Lemon EP』からの「Lemon」を演奏した。


2021年の最後には、ポール・ラッドとウィル・フェレル主演のアップル・オリジナル・シリーズ『The Shrink Next Door』への出演に合わせたEP『Music From The Pen Gala 1983』から、ロキシー・ミュージックの「More Than This」を演奏した。

 


 

ロンドンのエレクトロニック・トリオ、PVAがドイツのReeperbahn Festivalが主宰するセッションに登場し、デビュー・アルバム『BLUSH』から2曲を披露したほか、Clack Croud’sのカバー「Drab Measure」を披露した。デビューアルバム『BLUSH』はDORK誌が満点をつけて高評価している。また当サイトでもWeekly Music Featureとして紹介し、満点をつけている。このライブセッションの模様はサブスクリプションでもリリースされている。パフォーマンスの模様は下記よりご覧下さい。

 

ダークな雰囲気を封じ込めたサウンドでありながら、無条件にキャッチーであるPVAは、エレクトロクラッシュとEBM、アシッド・ハウスとパンク、ダンスフロアとヘッドスペースを調和させた音楽を創り出す。それどころか、デビュー・アルバム『BLUSH』以来、ロンドンの3人組は、一見相反する要素を難なく融合、発展させる独自の音楽的なボキャブラリーを確立してきた。その結果、都会的でありながら不吉な、まるで2033年から直接送られてきたかのようなインダストリアルなサウンドを生み出している。

 

REEPERBAHN FESTIVAL COLLIDEでは、PVAサウンドをオーディオ・ビジュアル体験に変換し、アーティストのミシェル・ボッカーによる脈動するビジュアルを通し、音と映像が巨大なLEDウォール上で融合する。幾何学的なヴィジョンは、アンダーグラウンド・カルチャーや「BLUSH」のジャケット・アートワークの要素にインスパイアされた、より流動的な要素と融合する。

 

PVAは、デビュー・アルバムからの2曲「Bunker」と「Kim」を披露し、クラック・クラウドのカヴァー「Drab Measure」は、オマージュであると同時に、グループの音楽的特質をすべて融合させた完全オリジナル作品となる。ひとつはっきりしていることは、PVAの現代的なプロダクション・トリックと奔放な実験への愛は、視覚的にも聴覚的にも、いかなる慣習にも縛られないということだ。


Reeperbahn Festivalは、ヨーロッパ最大のクラブ・フェスティバルであり、国際的なポップカルチャーと音楽業界のためのヨーロッパ最大のプラットフォームである。2006年以来、毎年9月20日から4日間にわたり開催される、ドイツのハンブルクにあるレーパーバーンは、国際的な音楽界の中心地で、アーティスト、一般市民、業界関係者、社会が持続的に交流する場となっている。カンファレンスのプログラムは、世界中の音楽業界のあらゆる分野からプロの来場者を対象として開催される。

 

 

 「Bunker」

 

「Kim」

  

 「Drab Measure」

 


©Alexa Viscius

 

Deeperは、Sub Popからのデビュー作となるニューアルバム『Careful!』を9月8日にリリースすると発表した。

 

バンドはシカゴのパリセイド・スタジオで、プロデューサー/エンジニアのデイヴ・ヴェトライノの協力を得てレコーディングを行った。リード・シングル「Build a Bridge」は、オースティン・ヴェセリーが監督したビデオとともに本日公開された。


「”Build a Bridge”は、『Careful!』の作曲プロセスを定義することになる新しいフォーマットで、リモート作業で書かれた最初の曲だったんだ」とDeeperは声明で説明している。「バンドの初期には、練習スペースの壁にクソを投げつけて、何が引っかかるかを見ていた。鍵がかかっている間、アパートメントに滞在することを余儀なくされたことで、曲に対してより意図的に取り組むことができ、一曲一曲を本当に分解することができた」


「オースティン・ヴェセリー(チャンス・ザ・ラッパー、ホイットニー)と一緒に、バンドが機械に繋がれ、別次元の自分たちの別バージョンを交互に操作するビデオを制作した。このシークエンスは、それぞれが失敗しながら繰り返されるが、それぞれの試みは、最終的に精神を打ち負かすことに成功するために、これらの前の失敗からより多くの知識を私たちに備え付けることになった」

 

 

「Build a Bridge」



DEEPER 『Careful!』

 

Label: SUB POP

Release: 2023/9/8

 

Tracklist:


1. Build a Bridge
2. Heat Lamp
3. Glare
4. Tele
5. Bite
6. Pilsen 4th
7. Sub
8. Fame
9. Everynight
10. Airplane Air
11. devil-loc
12. Dualbass
13. Pressure



©Zak Watson
 
 
Art School Girlfriend(アート・スクール・ガールフレンド)が『Soft Landing』の最新シングル「Real Life」を発表した。以下よりチェックしてほしい。

ポリー・マッキーは声明の中で、「『Real Life』はアルバムの中で最も気に入っている曲のひとつです。「人生に行き詰まり、意味がないと感じていた時期から前に進むことを歌っている...でも、愛する人によって青空のような現実に引き戻された。ストリングスやヴォーカルを重ねることで、多幸感と映画的な終わり方をしたかった。

2020年の『Is It Light Where You Are?』に続く『Soft Landing』はFictionから8月4日にリリースされる。
 

「Real Life」


 

©Donald Milne


ティーンエイジ・ファンクラブ(Teenage Funclub)は、次作アルバム『Nothing Lasts Forever』の最新曲「Tired of Being Alone」を公開した。リード・カット「Foreign Land」に続くこの曲は、ノルウェーのエガースン近郊にあるヴィッベロッデン灯台でドナルド・ミルが撮影したミュージック・ビデオとともに到着した。このバンドらしいネオアコ/ギターポップのナンバーです。以下よりチェックしてみて下さい。


この曲について、バンドのレイモンド・マッギンレーは声明の中でこう語っている。「ロックフィールド・スタジオでのアルバム制作のセッションが終わる頃、夜中に目が覚めた。ベッドの横にギターがあった。それを手に取ると、この曲がスッと出てきた。サビの歌詞はすでにあったんだ。携帯電話でラフ・バージョンを録音し、また寝た。その日のうちにレコーディングしたんだ。バンドとしては、自分たちの直感を信じ、成り行きに任せるのが好きなんだよ。ノーマンの曲「Foreign Land」のように、この曲はスタジオに行ってレコードを作ると決めたからこそ存在する。もし、レコーディングの前に星が揃うのを待っていたら、今もまだ待っていただろうね」


Teenage Funclubのニューアルバム『Nothing Lasts Forever』は9月22日にリリースされる。

 

 「Tired of Being Alone」

コーネリアス(Cornelius) 『夢中夢』


Label: Warner Music

Release: 2023/6/28


Review


平成時代、渋谷系のアーティストとして一世を風靡して以来、小山田圭吾は、高橋幸宏、テイ・トウワを擁するMeta Fiveにもギタリストとして参加、J-Popのニュートレンドを開拓しようと試みた。

 

2018年以来のおよそ五年ぶりと成る今回の復帰作『Dream In Dream』はアーティスト特有のシュールなアイディアをモチーフにして、小山田圭吾の代名詞であるエレクトロニックサウンドを絶妙に配している。今は亡き天才プロデューサー、 Rei Harakamiのエレクトロニカの系譜にある「音のデザイン」とも称するべき作品で、立体的な構成力が多角的なサウンドアプローチを生み出し、アーティストのクリエイティビティーが全編に迸っている。聴き応え十分の一作となっている。

 

先行シングルとして発表された「変わる消える」は、お馴染みのエレクトロニカサウンドに、渋谷系の甘酸っぱいボーカルが魅力の一曲である。あえてボコーダーを使用せず、ロボット風のボーカルを駆使しながら、音楽の世界はシンセ/シーケンスの音の配置によって奥行きをましていく。昔から小山田圭吾の作曲法は、A/Bのメロがあり、そしてサビがあるというクラシカルなJ-Popのスタイルではなく、どちらかと言えば、最初のモチーフを自らの想像力によって膨らましていくのが特徴であったが、今作においても、コーネリアスのスタイルは堅持されている。


ときに、曲の中では、驚くような展開力を見せることもあって、その中にはエレクトロニカの傍流であるチップチューンのサウンドや、ギターのフレーズ、楽曲そのもののセンチメンタルなコード進行も多く含まれている。歌詞にも「まだ終わりじゃない、さみしい」など感覚的な歌詞を交え、抽象的なサウンドを追求している。今ある現実から一歩距離を取り、夢の中を彷徨うような不可思議な感覚がこのアーティストの全盛期からの特徴であったが、そのシュールな感覚はこの先行曲でも健在である。この曲の中に挿入されるシンセサイザーのなめらかなアルペジオの配置はやはり驚異的かつ天才的であり、他のアーティストが到達しえない未曾有の領域に達している。

 

 一転して、Meta Fiveでのギターのカッティングの経験が二曲目の「火花」に顕著な形で現れている。懐かしのシティ・ポップサウンドを基調にしたこの曲は、聞き方によっては、J-Popとも聞こえるし、また、ファンカデリックのようなファンクロックにも聞こえる。聞き手の価値観により、サウンドの風味が180度様変わりする。ディストーションを掛けたシンセリードの音色の配置は、Perfumeの中田ヤスタカのソングライティングを彷彿とさせるものがあるが、やはり小山田圭吾のボーカルは、サニーデイ・サービスのように甘酸っぱい感覚をトラック全体に及ぼしている。


一般的なリスナーにとって、このボーカルがいまいち腑に落ちないという意見も聞かれる場合もあるが、しかしながら、実は、この純粋な感覚こそコーネリアスしか持ちえないものなのだ。曲はポピュラーサウンドを取り巻くようにして、終盤では、ギターロックに近い熱狂性を帯びる。ただ、彼の最高傑作の一つ「Fantasma」の時代からそうであったように、その感覚はシニカルで、斜に構えたような雰囲気によって呼び起こされる。いわば内省的な熱狂性なのだ。

 

今回のアルバムで驚くべきなのは、ワールドミュージックやジャズのコードを取り入れ、それをギター・ポップと融合させていることだろうか。そもそも渋谷系は、小沢健二の音楽を見れば分かる通り、小野リサなどに代表されるブラジルのボサ・ノバ音楽の影響、あるいは、フランスのフレンチ・ポップの影響を取り入れているジャンルだったが、「Too Pure」においてコーネリアスは、その''渋谷系''の源流に迫ろうとしている。スタイリッシュなベースのコード進行、そして涼し気なギターのフレーズはもちろん、平成時代の象徴的なアーティストが、このジャンルの出発からおよそ20年後に、''渋谷系の良さ''をモダンな感じを交え、素朴に再現させてみようとしたとも考えられる。


しかし、「Too Pure」は必ずしもスムーズにはいかず、その中には、ひねりが取り入れられ、シューゲイズ・サウンドへのこだわりも読み解ける。ギターロックとしての要素はおそらく、自らの音楽性がオルタナティヴの系譜にある、というミュージシャンの表明代わりとなっているのではないか。曲の後半にかけて、シンセやシーケンスがメインとなっていき、やはり多角的な音の構成力が際立つ。以前よりもはるかに立体的な構造については、「Meta-Pop」とも称することが出来る。これは音のマテリアルがカウンターポイントのように複数の声部を同時に形成していることが驚愕なのである。これは電子音楽における対位法が確立された瞬間かもしれない。

 

4曲目の「時間の外で」はアンビエント風のイントロから、レイ・ハラカミやダン・スナイス(Caribou)風のエレクトロニカへと移行していき、その中に抽象的で器楽的なボーカルが取り入れられ、シュールなアンビエンスを形成していく。ビートの緻密な構成により、この曲はにわかにドライブ感を帯びる。その中に導入されるゲーム音楽を彷彿とさせるチップチューンやエレクトロニカ、さらに抽象的なシーケンスが緻密に絡み合いながら、特異な小山田ワールドを徐々に作り上げてゆく。近未来的な感覚に充ちたこの曲は、恍惚感のあるフレーズによってほのかな叙情性を帯びるようになる。曲の終盤まで来ると、ようやく制作者がダウンテンポを基調にした曲を制作しようとしたことがわかる。そして、曲全体に満ちるドリームポップにも近い感覚はやはり、アーティストが最初期から追求してきたスタイルを継承していると言えるだろう。

 

アルバムの中で、アーティストがアブストラクト・ポップの本質に迫ったのがMeta Fiveでもお馴染みの「環境と時間」となる。


作品の中では、J-Popらしい一曲で聞きやすい。ここでは、平成時代のフレーズの質感を取り入れ、わかりやすい構造の中で素晴らしいエレクトロニカサウンドを確立している。ムーグ・シンセのようなユニークな音色は、二曲目と同様、Perfumeやそれ以前に中田ヤスタカが取り組んでいたゲーム音楽に対するリスペクト代わりとなっている。この曲では日本のエレクトロニカがいかに優れているのかを体感することが出来るはずだ。

 

アルバムの中盤では、「Night Heron」、「蜃気楼」といった楽曲でコーネリアスのシューゲイズやギターロックの他の主要な音楽性であるファンクへの傾倒を読み解くことが出来る。ある意味では、テイ・トウワのテクノとファンクを融合させた音楽性をこれらのトラックを通じて楽しめる。さらに「Night Heron」では、Meta Fiveの系譜にあるファンクロックへの傾倒が見られ、Gang Of Fourのアンディ・ギルのようなポストパンクに近い鋭さを持っている。ただパンクというイメージの強いギルの演奏に比べ、親しみやすいポップを志向するのがコーネリアスの特徴である。続く「蜃気楼」もファンクの要素が強く、ベースラインのグルーブ感がインパクトを放つ。小山田圭吾のボーカルは少し可愛らしい感じでこの曲に親しみやすさを与えている。

 

以前に比べて、センチメンタルな曲が際立つ。その中でも、「Drifts」のような曲は、おそらくMatador Recordsに所属していた時代の「Fantasma」 にはなかった要素ではないかと思われる。自分の感覚に正直なポピュラー・ソングを書くことが出来るようになったのは、近年の活動が危ぶまれかけたアクシデントによるものと思われる。それでもなお、小山田圭吾はそれを自分のクリエイティビティーのために使うことにしたのだ。そのことについては周囲がとやかく言うことではあるまい。自らのクリエイティビティーを最大限に活用することが結果的に他者に喜びをもたらす場合もある。そして、電子音楽をオーケストラのように解釈したこの曲は、アーティストのキャリアの中で類稀なる才質が開花した瞬間である。ゲーム音楽をはじめとする日本の電子音楽の良さをよく知るアーティストは和風のエレクトロニカの真骨頂を見出そうとしている。

 

アルバムの終盤では、タイトルトラック「夢中夢」で近年稀に見る奥深いポピュラーサウンドを確立しようとしている。エンディング曲では、仏教的な概念をタイトルに込めているが、曲自体はジャングリーなポップで、それほど重さを残さず、軽やかな感じでアルバムは終わりを迎える。


これは暗澹たるエンディングではなく、明るい結末をもたらそうとするアーティストなりの配慮が、こういったエンディングを形成したのかもしれない。しかし、本作は以前に比べて繊細な感覚が表現され、音の節々に琴線にふれるものがあるし、ハッと目を覚まされるような瞬間もある。


以前から海外の音楽カルチャーにも詳しく、ラップにも親しんできた小山田圭吾は、2020年代に入り、世界的な文化ではなく、日本の文化の魅力を真摯に伝えようとしている。それは、ここ数年の無念さをはっきり表したものであるとともに、彼自身が日本の音楽家としてシーンを背負って立つ人物という自覚があるからなのかもしれない。


坂本龍一もなくなり、高橋幸宏もなくなった。ここ数年、日本は代表的な音楽家をたくさん失ったが、まだここにはコーネリアスがいる。もしかすると、彼の掲げるテーマは、最新アルバムのタイトルに示されるように、夢の渦中にあり、茫漠としたもので、なおかつ、はっきりした形にはなっていないかもしれない。しかし、コーネリアスの理想とするサウンドは、この最新アルバムで断片的に示された。音楽の本質を誰よりも理解しているためか、本作は他の作品よりもはるかに重みがある。2023年度のJ-POPの中では最高傑作とも称すべき画期的な作品の登場を祝福したい。

 


90/100 


 

©Emily Marcovecchio


Wet Legの次はこのアーティストに注目。ワイト島のシンガーソングライター、Lauren Hibberd(ローレン・ヒバード)がニューシングル「Honda Civic」をリリースした。この曲には、ジャック・リリーによるビデオも公開されています。下記からチェックしてみてください。

 

「ヒバードは声明の中で、"この過程で他の自動車メーカーが傷つけられたわけではないことを最初に言っておきたい。『ホンダ・シビック』は、僕がこれまで付き合ってきた人、これから付き合おうと思った人、そしてこれから付き合う可能性のある人への中指だ。この曲は、昨年デビュー・アルバム『Garageband Superstar』をリリースした後、再び音楽をリリースするための重い、うまく着地したジャンプのように感じる。みんながいつも言っていることだけど、私は本当にそう思っている。僕は今、今まで書いた中で最高の曲を書いている。気分が違うんだ。Honda Civic』を聴いて、歯医者の指を噛みちぎるような強い気持ちになってほしい」。


ローレン・ヒバードのデビュー・アルバム『Garageband Superstar』は昨年リリースされた。

 

「Honda Civic」

PSP Social

 

 

日本のオルタナティヴロックバンド・PSP Socialが3年振りのフルアルバム『宇宙から来た人』をエスパーキックよりリリースします。20分超えの大曲も収録する大作で、bandcampにはボーナス曲も収録される。特に、スロウコア/エモ/ポストロック好きにチェックしてもらいたいアルバムです。




7月6日、PSP Socialの3年振りとなるフル・アルバム『宇宙から来た人』が”エスパーキック”よりリリースされる。アルバムのご購入/ストリーミングは記事の最下部より。

 

今作は1年以上の期間をもって制作された、日常から超常へと突き抜け感覚の”反転”をもってクライマックスを迎える大作で、オルタナティブロック・スロウコア・シューゲイザー・サイケデリックロック・ニューエイジ・ドゥームなど横断的に影響を受けながらも、PSP Socialの音楽としてまとめあげられた会心の一作となっている。


5曲で46分のアルバム構成は、ピンク・フロイドの傑作『Meddie- おせっかい』をモチーフとしていて、20分を超える大曲「行く人」で締めくくられる。また、今作は”反復/リフレイン”を大きなテーマとし、同じフレーズを執拗に繰り返す曲のみで構成されたコンセプチュアルなアルバムとなっている。





bandcampからアルバムをダウンロードすると、ボーナス・トラック「大巨獣ガッパ」も試聴できる特典付き。アルバムのレコーディングは、”例のK”のヤミニと共に1年間スタジオに入り続けながら行われ、マスタリングは、klan aileen/Jolt! Recordingsの澁谷亮が担当。ジャケットの写真は白岩義行の写真に加え、漫画家の匙田洋平のイラストが載せられている。こちらも注目です。

 






PSP Social 『宇宙から来た人』 New Album




Release: 2023/7/6 


Label :エスパーキック

 

Tracklist:

1.枯葉の街 / kareha no machi
2.素面 / shirahu
3.流れる / nagareru
4.ビジターフロムアウタースペース / a visitor from outer space
5.行く人 / yukuhito

 

 

配信リンク:

 

・bandcamp:

 

https://esperkick.bandcamp.com/album/--3

 

・Apple Music:

 

https://big-up.style/SCfK03ZUYp 

 

 ・その他サブスクリプション/ダウンロード:


https://big-up.style/2WKcJxC2WI



 

 

 

ポートランドのElijah Knutsen(イライジャ・クヌッセン)は、アンビエント・プロデューサーとして、そのキャリアを出発させたが、The Cureのファンであることを表明するかのように、ドリーム・ポップ/シューゲイズへの傾倒をみせつつある。「A Dream」は新しいシューゲイザー・プロジェクト 『Ultracompact』(リリース日未定)からのリード・シングルである。


この曲は、ザ・キュアー、ニュー・オーダー、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインといった00年代初期のバンドのサウンドにインスパイアされた、陽気でほろ苦い曲だ。この曲は、イライジャのリリースの多くに見られる特徴的な憧れとともにのみ思い出される、遠い昔の暖かい夏の思い出を表現している。

 

賑やかなコーラス・ギターがオープニングを飾り、ソフトなオーバードライブ、深くリズミカルなベース、遠くメランコリックなヴォーカルが霞のように広がる。リード・ギターは、ザ・キュアーの2000年のプロジェクト "Bloodflowers "の断片を想起させるシンプルな曲を終始奏でている。

 

ニューシングル「A Dream」は、Elijah Knutsenによる、現代的なヴォーカルと歌詞を含む最初のトラックである。彼のシンプルかつ重層的なプロダクション・スタイルは、この「ハッピー・サッド、ジョン・ヒューズの映画風」な曲で頭角を現したといえよう。いよいよ、Elijah Knutsenがオルタナティヴ・ロックシンガーとして、ミュージック・シーンに名のりを挙げる。