Water From Your Eyesは、『It's A Beautiful Place』を引っ提げ、北米とヨーロッパで大規模なヘッドライン・ツアーを行う。 前者は9月22日にフィラデルフィアでスタートし、ニューヨークのバワリー・ボールルーム、ロサンゼルスのロッジ・ルーム、シカゴのスリーピング・ヴィレッジを含む11月2日のデンバーまで続く。 後者は11月13日にロンドンのヴィレッジ・アンダーグラウンドでスタートし、12月7日にリスボンのミュージックボックスで終了する。
キャロラインのロック/フォークソングは、ブルータリズム建築のようにごつごつしているが、その中には賛美歌のような趣を持つ優雅で甘美なクワイアが入り、独唱を中心に組み立てられていく。ブルックリンのシンガー、ポラチェクをフィーチャーした「Tell Me I Never Knew That」は、『OK Computer』のソングライティングを踏襲し、それらをフォーク・ミュージックに置き換え、さらに賛美歌のような精妙なクワイアを追加している。聴き方によれば、UKロックであり、クラシックでもあり、さらに民謡でもある。イギリスの音楽の様々な側面を多面体のように映し出す。聞き手は各々の価値感により、別の音楽の側面を聴いたり体感することになるだろう。
前作と同じように、コーラスワークの美しさ、そしてフィドル(ヴァイオリン)やチェロのような弦楽器の使用、ケルト民謡からの影響等、キャロラインらしさが満載である。しかし、こういった中で、なぜかエモの影響を織り交ぜた楽曲が印象に残る。「Song 2」はアメリカン・フットボールをより前衛的にした感じだ。「When I Get Home」ですら、エモとして聴いてみると、アメリカン・フットボールの『LP1』のデモトラックのように聞こえて来る。もし、相違点があるとすれば、キャロラインの音楽は遅れてやってきた人生の青春期の感覚に浸されている。90年代のエモのオリジネーターと共鳴する点があるとすれば、音が感覚派であること、8人組それぞれのエモーションが、それぞれの楽器を介して緩やかに流れていくという感触である。
また、音量的なラウドとサイレンスを巧みに行き来し、「U R UR ONLY ACHING」ではコレクティブのセッションとして盛り上がる瞬間を捉えられる。ボーカルにオートチューンをかけたり、突然音がフェードアウトしたりと、実験的な要素が満載だが、この曲はキャロラインの本来の魅力が出てきたかどうかはわからない。セッションがスパークする直前で踵を返すような感じがあり、前衛的な領域には足を踏み入れていない。そのため、曲全般がどっちつかずな印象を与える場合もある。 他方、アルバムの発売直前にリリースされたツインのリードボーカルを擁する「Coldplay Cover」はキャロラインらしい美麗なボーカルを楽しむことが出来るはずだ。アルバムの終盤でも、実験的な気風は衰えず、様々な音楽的なマテリアルが混在している。
ポストロック風のアプローチも登場する。「Two Riders From Down」ではマスロックに傾倒している。アルバムは以降、フォークミュージックに近づき、クライマックスを飾る「Beautiful Ending」では、ノイズ、フォーク、ロックをシームレスに行き来している。ただ、問題点は、楽曲の流れが淡々としていて、アルバムの最後に至っても、クライマックスが来たという実感がわかないことだろう。全般的にはデビューアルバムのような、鮮烈で感動的で壮大な感覚、そして器楽的な精密な構成力は薄れている。また、インプロヴァイゼーションは、次に何が起こるか分からず、驚くべき化学反応が起こる点に面白さがある。しかし、『Caroline 2』は、大所帯のグループとしての驚くようなケミストリーが発生するまでには至らず、全般的には、音楽が枠組みの中に収まりきり、心なしか予定調和の印象が目立った。これはプロデュース的な側面に重点を置いたのが主な理由かもしれない。キャロラインは現在、商業音楽と前衛音楽の間で迷い、揺れ動いているという気がした。個人的にはキャロラインのニューアルバムにはひとかたならぬ期待を込めていたが、この点だけが少し残念だった。
生き生きとしたリードボーカルが曲を活性化させる。特にフリーマンが "My thoughts die out slowly on the blood swept plains where I see you every night / And to the lonely hours, it's like burning the furniture to keep the house bright at night "と歌っている。("僕の思いは、毎晩君を見かける血に塗れた平原でゆっくりと死に絶え/ 孤独な時間には、夜、家を明るく保つために家具を燃やすようなものだ'')
‘Curtain’ is the new single from Greg Freeman and the second to be revealed from his forthcoming album ‘Burnover’, set for release on 22nd August via Transgressive Records/Canvasback Music. The single arrives following Freeman’s packed out set at The Great Escape earlier this month.
The song is accompanied by a music video directed by Carl Elsaesser and uses repurposed footage from one of Carl’s short films. Describing the track as “a love song of sorts,” Freeman noted its spontaneous feel, sharing that the vocals were likely a first take to preserve a free-flowing, unpolished quality. The song features subtle touches like barnyard animal sounds, but Freeman credits Cam and Sam’s performances on soprano saxophone and piano as the elements that “really made the song."
‘Curtain’ follows the previously released single ‘Point and Shoot’ which received acclaim from outlets like Uncut, The Line of Best Fit, Stereogum, Paste, Brooklyn Vegan, and Consequence, building anticipation for the album’s release later this summer.
The last month has been busy for the rising singer songwriter. He started off the month on tour in the US with Hamilton Leithauser (The Walkmen) and just wrapped up a headlining tour in Europe, including festival appearances at The Great Escape & Dot to Dot Festival. Looking ahead, Freeman will be playing with This Is Lorelei at NYC's Knockdown Center on July 19th, followed by another headlining EU tour starting in August, and then will be capping it off with an October U.S. tour supporting Grandaddy.
When Freeman quietly released his debut LP I Looked Out in 2022, it had no PR campaign, label, or music industry promo, but still garnered praise from notable critics, with Steven Hyden of UPROXX calling it “my favorite album of 2022 that I discovered in 2023,” and Paste Magazine naming it among the 25 Best Debut Albums of the 2020s. The word-of-mouth success of that release had Freeman on a relentless tour schedule.
Explosive, unsettling, and undeniable, the 10 tracks presented on Burnover meld energetic indie rock with an ambling twang. The album truly shines when Freeman tweaks the formula, like on today's release, ‘Curtain’. Originally demoed as a meandering guitar jam, the track came to life when pianist Sam Atallah tracked a tack-piano take at the studio. His lively leads invigorate the song, especially as Freeman sings lines like, “My thoughts die out slowly on the blood swept plains where I see you every night / And to the lonely hours, it’s like burning the furniture to keep the house bright at night.” Freeman says, “As soon as Sam laid down the piano, we heard the song for what it was and it came alive.” Burnover is Freeman’s most adventurous and personal yet, cementing him as a singular songwriting talent.
1.Cutthroat 2.Cowards Around 3.Quiet Life 4.Nothing Better 5.Plaster 6.Spartak 7.To and Fro 8.Lampião 9.After Party 10.Screwdriver 11.Packshot 12.Axis of Evil
2022年発表のアルバム『Songs Without Jokes』はデビュー作であり、リセット作でもあった。『Freak Out City』は彼の次のステップであり、8人編成のバンド、ザ・ステイト・ハイウェイ・ワンダーズとともにニュージーランドとアメリカ全土でライブを行いながら制作された。
8月15日にリリースされるこのアルバムは、ロサンゼルスとニュージーランドの両方でレコーディングされ、ブレットと長年のコラボレーターであるミッキー・ペトラリアが共同プロデュースした。ニュー・シングル「All I Need」は、ビートルズ/ストーンズライクのロックンロール、ソウルファンクとブルースを融合した人生の円熟味を漂わせる楽曲だ。エレクトリックピアノ、ゴスペル風のコーラス、そしてマッケンジーのブルージーな歌声が音楽の合間を変幻自在に戯れる。この曲の温かいエモーションは、妻への愛情やファミリアーを表したものだという。
フライト・オブ・ザ・コンチョーズでの活動により、ブレットはコメディと音楽の両エンターテインメントの世界で確固たる地位を築き、アメリカ映画界への扉を開いた。それ以来、彼は一貫して映画やテレビのプロジェクトに携わっている。2012年にはディズニー映画『ザ・マペッツ』のバラード「Man or Muppet」でアカデミー賞オリジナル楽曲賞を受賞。
この間、ブレットと妻ハンナ・クラークには3人の子供が生まれ、ブレットは家族と一緒にニュージーランドの自宅で過ごせるプロジェクトに集中し始めた。2022年、ブレットはソロアルバム『Songs Without Jokes』をリリースし、パンチラインのない曲作りを探求した。FarOut』誌は、この曲を「カート・ヴォネガットの小説のミュージカル版のようだ」と評した。
Bret Mckenzie 『Freak Out City』
Label: Sub Pop
Release: 2025年8月15日
Tracklist:
1.Bethnal Green Blues 2.Freak Out City 3.The Only Dream I Know 4.All the Time 5.That's the Way That the World Goes 'Round 6.All I Need 7. Eyes on the Sun 8.Too Young 9. Highs and Lows 10.Shouldna Come Here Tonight
Photo: Bobby Doherty
ニューヨークのフォークプロジェクト、Big Thiefがニューアルバムをアナウンスした。『Double Infinity』はグラミー賞にノミネートされた2022年のアルバム『Dragon New Warm Mountain I Believe In You』に続く作品で、昨年の冬にニューヨークのパワー・ステーションでレコーディングされた。
『Evengelist Is a Gun」はかなり毒々しいアルバムになるのでは、と予測していたが、意外とそうでもなかった。そして前作よりもソングライティングとして磨きがかけられ、音楽的な幅広さもましている。その中で、Yeuleらしさというべきか、少し毒々しいイメージのあるボーカルを音楽的なキャンバスに塗り上げる。これらの棘ともいうべきテイストは、前作から引き継がれたものである。アルバムを聴いて分かる通り、2000年前後の日本には結構あった音楽もある。ただ、それらを高いレベルで再現する力量、そしてチャーリーCXCのようなSSWからうまくヒントを掴んで、ポップスのセンスやトラック制作の技術に活かしたりと、新旧の音楽を巧みに織り交ぜる。アルバムの音楽は、アーティストの音楽的な好きを活かし、幅広い世界観を作り上げる。ただ、この音楽的な洗練度は、短期間ではどうにもならず、10年以上熱心に取り組んでいないと、完成されないだろう。Yeuleのやっている音楽は、簡単なようでいて、かなりハイレベルである。
「The Girl Who Sold Her Face」は大胆にも、デヴィッド・ボウイの名曲のオマージュとなっているが、音楽的にはアジアのポストポップに近いスタイルである。その中で、少し毒々しい感覚を交えながら、チャーチズのようなダンサンブルなポップスを展開させている。ただ、明確にサビの構成を作り、バンガー的な響きを作り上げる点については、アジアのポップスに近似する。というように、音楽的には相当、カオスでクロスオーバーが進んでいることがわかる。
アルバムの後半ではエクスペリメンタル/ハイパーポップの性質が強くなる。 これらの多角的な音楽性を作るための"保護色の性質"は、現時点のイェールの強みといえよう。タイトル曲ではロボットボイスをヒップホップ的に解釈し、エレクトロ・ポップに昇華している。これは専門のミュージシャンではないからこそ出来る試みだろう。「Skullcrusher」はホラームービー的で、ダークなアンビエントポップ、もしくはメタリックなハイパーポップともいうべき一曲である。ホラー映画「I Saw the TV Glow」のサウンドトラックを聴いた人であれば、ピンと来るのではないだろうか。これらのホラー要素は現在のアーティストのユーモアセンスの肩代わりとなっている。
84/100
「1967」
Superchunkは、13枚目のスタジオ・アルバム『Songs in the Key of Yikes』を発表した。 Mergeから8月22日にリリースされるこのアルバムには、先にリリースされたロザリとのコラボ曲「Bruised Lung」に加え、新たに公開されたオープニング・トラック「Is It Making You Feel Something」が収録されている。 アルバムのジャケット・アートワークとトラックリストは以下より。
『Songs in the Key of Yikes』は、2022年の『Wild Loneliness』に続くアルバム。長年のドラマーであったジョン・ワースターが翌年にバンドを脱退して以来のアルバムとなる。 ローラ・キングがツアー・ドラマーとして2年間活動した後、現在はパーマネント・メンバーとなっており、アルバムにはクイヴァーズのベラ・クインランとホリー・トーマス、ツアー・ベーシストのベッツィー・ライトも参加している。
オリヴィア・ディーンがニューシングル『Nice To Each Other』をリリースした。複数のBRIT賞とマーキュリー賞にノミネートされたアーティストのソウルフルなヴォーカルを、爽やかなギターに乗せたこの曲は、リアン・ラ・ハヴァスやピンク・パンテレスなどのアーティストとの仕事で知られるマット・ヘイルズとザック・ナホームと共にレコーディングされ、ジェイク・アーランドが監督したワンテイクショット・ビデオは以下の通り。 ディーンはこう語っています。
"Nice To Each Other "は、デートにおける自分の自立を探ることの押しと引きについて歌った曲だ。 この曲は、今現在の誰かを楽しむこと、そしてそれが軽快で有意義なものになることを歌っているんだ。 この曲とビデオは、私の中の遊び心を表していると思う。
「Nice To Each Other」は、キャピトル・レコードから9月26日にリリースされるディーンのセカンド・アルバム『The Art of Loving』に収録されます。
ディーンはこの夏、ロンドン、ニューカッスル、マンチェスター、エディンバラで開催されるサム・フェンダーのUK公演をサポートし、6月11日にはロンドンのO2シェパーズ・ブッシュ・エンパイアで故郷を祝う新たなギグを行なう。 チケットは6月9日(月)午前10時より一般発売開始。 また、7月6日にはロンドンのBSTハイド・パークでサブリナ・カーペンターをサポートする。 その後、彼女は夏のAcross The Atlantic北米ツアーに出発する。
「Nice To Each Other」
『The Art of Loving』は、2023年のデビュー作『Messy』に続く作品となる。 デビュー・アルバムはイギリスのオフィシャル・アルバム・チャートで4位を記録し、同年のマーキュリー・プライズにノミネートされたが、最終的にエズラ・コレクティヴの『Where I'm Meant to Be』に敗れた。
今年初め、ディーンは『ブリジット・ジョーンズ』でフィーチャーされた「It Isn't Perfect But It Might Be」をリリース。 マッド・アバウト・ザ・ボーイ』でフィーチャーされ、オフィシャルシングルチャート36位にランクインしました。 この曲が今度のアルバムに収録されるかは未定です。
Cory Cullinan is a chart-topping musician, commissioned composer, author, award-winning teacher, speaker, and studio owner. His new release is a cathartic multigenerational multimedia collaboration entitled 2025 Alive. The streaming soundtrack is a high-tech improvisation by himself and his daughter acclaimed singer-songwriter Riley Max, and the film is a cinematic fantasia by his daughter Sidney Cullinan. He shares, "They express the myriad of thoughts and feelings we’ve had during this unconventional cultural year that, regardless of where you stand… feels like a test of some sort. A test of new ideas. Of old ideas in a modern world. Of stamina. Willpower. Intellect. Empathy. Patriotism."
He further confides, "2025 Alive has vocals throughout but only one lyric: “Test.” This word is immediately deconstructed and splintered into pieces, like so much in our modern world. Whether current events are testing your resolve in a culture you loved, or you support those who are testing just how far we can break or reform our norms, this premise is apropos of what you are experiencing in 2025. We hope you find our work meaningful in this amazing and overwhelming year to be alive."