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Blink182が10月20日のリリースに先駆けて、再結成アルバム『ONE MORE TIME...』から2曲の新曲を発表した。


アルバムのタイトル曲である 「ONE MORE TIME」は、内省的なバラードで、バンドのキャリアのアーカイブ映像を使った同様のテーマのミュージック・ビデオが付属している。一方、「MORE THAN YOU KNOW」はクラシックなポップ・パンク・アンセムだ。両曲の試聴は以下からどうぞ。


1『ONE MORE TIME...』は、ブリンクにとって2019年の『NINE』以来のアルバムであり、シンガー・ギタリストのトム・デロンゲとは2011年の『Neighborhoods』以来のアルバムとなる。今日のシングルは、マーク・ホッパスとトラヴィス・バーカーがデロンゲとの再結成を発表した2022年のトラック「Edging」に続く作品だ。


今月初め、Blink-182は、妻のコートニー・カーダシアンが緊急の胎児手術を受けたため、バーカーが一緒にいられるよう、長かったワールドツアーの日程をいくつか延期した。ヨーロッパ・ツアーはその後再開され、10月中旬まで公演が予定されている。その後バンドはアメリカに戻り、ラスベガスで開催される『When We Were Young Festival』のヘッドライナーを務める。来年、バンドはオーストラリア、ニュージーランド、メキシコをツアーする。

 

「MORE THAN YOU KNOW」

 

 

  「ONE MORE TIME」

 

 

©Jack Bridgland

 

トム・デロンゲ、マーク・ホッパス、トラヴィス・バーカー。オリジナルのラインナップで復活を遂げる。

 

00年代のメロディック・パンクのムーブメントの象徴であるBlink 182が、ニューアルバム『ONE MORE TIME...』のリリースを発表した。今年3月、バンドは復帰ツアーで世界を驚かせたばかりだ。

 

トム・デロンゲ、マーク・ホッパス、トラヴィス・バーカーというオリジナルのラインナップで復活。2011年の『Neighborhoods』以来となる3人でのアルバムは、10月20日にコロンビアからリリースされ、タイトル曲は10月21日(木)午前10時(東部標準時)にリリースされる。バンドのZane Lowe(ザック・ロウ)とのインタビュー映像を含むティーザー・トレイラーは以下より。


バーカーのプロデュースによる『ONE MORE TIME...』は、4月のコーチェラでのサプライズ・セットで幕を開けたブリンク182の2023年再結成ツアー中にレコーディングされた。プレスリリースによると、このアルバムには17曲の新曲が収録されており、「悲劇、勝利、そして最も重要な兄弟愛というテーマを重ね合わせながら、バンドを最高の状態で捉えている」という。今のところ、昨年10月にリリースされた「Edging」でプレビューされている。


『Neighbourhoods』に続き、ブリンク182はギタリストのマット・スキバと2016年の『California』と2019年の『Nine』という2枚のアルバムを制作した。 

 

Trailer



Blink-182  『ONE MORE TIME…
 


Label: Columbia
Release: 2023/10/20


Tracklist:
 

1. Anthem Part 3
2. Dance With Me
3. Fell in Love
4. Terrified
5. One More Time
6. More Than You Know
7. Turn This Off!
8. When We Were Young
9. Edging
10. You Don’t Know What You’ve Got
11. Blink Wave
12. Bad News
13. Hurt (Interlude)
14. Turpentine
15. Fuck Face
16. Other Side
17. Childhood


来年初頭、ポップ・パンクを大衆に知らしめたグリーン・デイの『Dookie』が30周年を迎える。グリーン・デイは、記念すべき年に先駆け、『ドゥーキー』のボックスセットの再発を今月末にリリースする。リイシューには、『ドゥーキー』のセッションでレコーディングされたアウトテイクが数曲収録されている。今回、グリーン・デイは、そのうちの3曲を同時公開した。


ただ、これらのアウトテイクは、新たに発掘された原石というわけではない。もし、グリーン・デイが1993年に書いた曲でリリースされなかった宝の山があるとしても、多くのファンはまだその全貌を知らないだけなのだ。新しいアウトテイクには、グリーン・デイのLook Out!の在籍時代の曲のカヴァー1曲と再録ヴァージョン2曲が含まれている。どれも一聴の価値がある。


再レコーディングに関しては、『ドゥーキー』の大ヒット曲「Welcome To Paradise」は、グリーン・デイが1991年に発表したアルバム『Kerplunk』をもっとローファイな形で再収録した。グリーン・デイは明らかに、それらのインディーズ・レコードの中に金脈があることに気づいており、他のいくつかの古い曲にも同じ処理を施したという。


今回新たに公開されたアウトテイクでは、グリーン・デイが『Kerplunk』の「Christie Road」と、1990年のEP『Slappy』に収録された「409 In Your Coffeemaker」に同じ類のサウンド処理を施している。3曲のアウトテイクはすべて以下で聴くことができる。

 

これらの再レコーディングされた曲も、マスタリング次第ではヒット曲になり得たかもしれない。ただ、『Kerplunk!』で『Dookie』のサウンドの原型は出来上がっていたが、まだ機が熟していなかっただけなのだろう。


そして、面白いもので、『Kerplunk!』で大ヒットを記録していたら、彼らは息の長い活躍をすることはなかっただろう。この年、彼らはヨーロッパツアーで研鑽を積んでいる。当時のドイツ・ツアーについて、フロントマンのビリー・ジョーは「いざ行ってみると、急に不安になった。いくつかのショウは滅茶苦茶怖かった。ツアー中のバンドが正気を失い、再び人生を意味あるものにするために、互いを見つけなければならないような状況だった」と振り返っている。



「Christie Road」

 

 「409 in Your Coffee Maker」

 

 

「Walking The Dog」

©︎Ken  Scales

1992年、グリーン・デイは、時代を決定づけた決定的なブレイクスルー・アルバム『ドゥーキー』でパンクロックの様相を一変させ、オレンジカウンティを中心とするメロディックパンクムーヴメントを呼び込んだ。アルバムは、『Basket Case』、『She』、『Welcome To Paradise』、『When I Come Around』といった不朽の名曲の数々とともに、永遠のメガヒット『バスケット・ケース』を世に送り出した。


オルタナティヴ・ミュージックの歴史において最も重要なレコードのひとつである30年を記念して、グリーン・デイは未発表デモ、アウトテイク、そして1994年のウッドストックと1995年のバルセロナでのライブ音源を完全収録した30周年記念デラックス・エディションを発表した。


ストリーミング・プラットフォームで配信されるだけでなく、この拡張版『ドゥーキー』は6LPと4CDの限定ボックス・セットで発売される。


『Dookie』の30周年記念デラックス・エディションは9月29日発売される。





Dookie 30th Anniversary Edition 


Tracklist:


Disc 1 – Dookie:


01. Burnout

02. Having A Blast

03. Chump

04. Longview

05. Welcome to Paradise

06. Pulling Teeth

07. Basket Case

08. She

09. Sassafras Roots

10. When I Come Around

11. Coming Clean

12. Emenius Sleepus

13. In The End

14. F.O.D.

15. All By Myself


Disc 2 – Dookie Demos & Outtakes


Dookie 4-Track Demos

01. Burnout

02. Chump

03. Pulling Teeth

04. Basket Case

05. She

06. Sassafras Roots

07. When I Come Around

08. In The End

09. F.O.D.

10. When It’s Time


Dookie Cassette Demos

01. When I Come Around

02. Basket Case

03. Longview

04. Burn Out

05. Haushinka

06. J.A.R.

07. Having A Blast


Dookie Outtakes

01. Christie Rd.

02. 409 In Your Coffeemaker

03. J.A.R.

04. On The Wagon

05. Tired of Waiting for You

06. Walking The Dog (demo)


Disc 3 – Live at Woodstock (1994)


01. Welcome to Paradise (live)

02. One Of My Lies (live)

03. Chump (live)

04. Longview (live)

05. Basket Case (live)

06. When I Come Around (live)

07. Burnout (live)

08. F.O.D. (live)

09. Paper Lanterns (live)

10. Shit Show (live)


Live In Barcelona (June 5 ’94)


01. Welcome to Paradise (live)

02. One of My Lies (live)

03. Chump (live)

04. Longview (live)

05. Burnout (live)

06. Only Of You (live)

07. When I Come Around (live)

08. 2000 Light Years Away (live)

09. Going to Pasalacqua (live)

10. Knowledge (live)

11. Basket Case (live)

12. Paper Lanterns (live)

13. Road to Acceptance

14. Dominated Love Slave (live)

15. F.O.D. (live)

16. Christie Rd. (live)

17. Disappearing Boy (live)



 Snooper  『Super Snooper』 

 

 

Label: Third Man

Release: 2022/7/14

 

 

Review 

 

ジャック・ロンドンのレーベルからの注目作をご紹介しよう。SxE(Straight Edge)の音楽性を継承するテネシー、ナッシュビルの期待のハードコアバンド、 Snooperのデビュー作である。snooperは既にサウス・バイ・サウス・ウエストにも出演経験があり、ライブパフォーマンスの魅力については織り込み済みのバンドと言える。

 

デビュー作にはドラムの4カウントから始まる性急なパンクハードコアという形式は確かに存在するが、オリジナル世代のストレイジ・エッジの思想性はほとんどない。どちらかといえばニューウェイブやポップパンクを主体に置き、キッシュなパンク性を追求し、ライブパフォーマンスを志向するバンドという印象。特徴は、ガーリーなボーカルが性急なビートの上を軽やかに舞う。 

 

オープニング曲「Streching」はニューウェイブとスケーターパンクを融合させつつも、Silver Appleの「I Have Known Love」の打ち込みの要素を取り入れた電子ドラムをイントロに導入している点を見ると、プロトパンクの要素を彼らは兼ね備えている。加えて、ヘンリー・ロリンズ擁するオレンジカウンティのBlack Flag、同じく、Descendents、これらUSパンクのオリジナル世代の1980年代に登場したロサンゼルスのガーリーなロカビリーパンクバンド、Xの影響をわずかにとどめている。Xは、映画「Major League」に楽曲を提供したことで、かなりの人気を博すことに。

 

Snooperの音楽は、複数のクロスオーバーがなされている。ハードコア、ニューウェイブ、ガレージパンクが鮮烈な印象を放っている。例えば、「Bed Bug」において、ニューウェイブとハードコアをかけ合わせ、新鮮味あふれる音楽性を生み出たかと思えば、「Pod」では、Xのガーリーなロカビリー性を基底に置き、疾走感のあるパンクアンセムに導く。「Fitness」、「Powerball」は、次世代のポストパンクソングとして位置づけられてもおかしくない。かなり楽しめるはずだ。

 

ガールズパンク/ポップ・パンクとして聴くと、一定の熱狂性を呼び起こしそうな曲も収録されている。主要な曲は、ライブでも多くのファンの支持を獲得しそうな気配もある。例えば、「Xerox」において、Snooperはガーリーなパンクの真骨頂をみせ、ティーネイジャーパンク風の勢いとアンセミックな響きを生み出す。アルバム全体を聴く中で、癒やされる瞬間でもある。

 

ロックンロール性を引き出した「Fruit Fly」も終盤にかけて、スチームパンク風のニューウェイブへと曲調を鋭く変化させ、勢いだけが魅力のパンクバンドではないことを示す。また、ドラムのスティックの4カウントで始まるSxE(Straight Edge)の系譜にある「Investory」は、Teen Idlesに近いハードコア性を呼び起こす。またニュースクールのノイズコアを部分的に抽出し、少なからずの熱狂性を呼び起こしている。曲の終盤のカオティックなギターソロに関しても、それらのエナジーを引き上げる。セッションにおける熱狂性をレコーディングに持ち込んだ一曲となっている。 

 

「Town Topic」において「ガールズ・ハードコア」とも称すべき真骨頂を見出そうとしている点については賞賛すべきか。リンダ・リンダズのガールズパンクのトレンドを受け継ぐ「Music For Spies」に関してもアンセミックな響きがあり、一定のパンクファンを惹きつけるかもしれない。

 

特筆すべきは、終盤の「Unable」において、ニューウェイブやガレージ・パンクを取り入れた煌めきとエッジの鋭さを見せる。ここに、ジャック・ホワイトのサードマン・レコードのレーベルカラーの真骨頂が垣間見える。それはパンクに内包されるニューウェイブ/メタリックな要素とも称すべきだろう。これが今後どのような形で完成形を迎えるのか期待させる余地もあり。

 

 

76/100




 

©Emily Marcovecchio


Wet Legの次はこのアーティストに注目。ワイト島のシンガーソングライター、Lauren Hibberd(ローレン・ヒバード)がニューシングル「Honda Civic」をリリースした。この曲には、ジャック・リリーによるビデオも公開されています。下記からチェックしてみてください。

 

「ヒバードは声明の中で、"この過程で他の自動車メーカーが傷つけられたわけではないことを最初に言っておきたい。『ホンダ・シビック』は、僕がこれまで付き合ってきた人、これから付き合おうと思った人、そしてこれから付き合う可能性のある人への中指だ。この曲は、昨年デビュー・アルバム『Garageband Superstar』をリリースした後、再び音楽をリリースするための重い、うまく着地したジャンプのように感じる。みんながいつも言っていることだけど、私は本当にそう思っている。僕は今、今まで書いた中で最高の曲を書いている。気分が違うんだ。Honda Civic』を聴いて、歯医者の指を噛みちぎるような強い気持ちになってほしい」。


ローレン・ヒバードのデビュー・アルバム『Garageband Superstar』は昨年リリースされた。

 

「Honda Civic」

 Militalie Gun -『Life Under The Gun』

 

Label: Loma Vista

Release: 2023/6/23

 


 

Review

 

イアン・シェルトン擁するロサンゼルスを拠点に活動する五人組パンクバンド、Militalie Gun(ミリタリー・ガン)は、このデビュー・アルバムでクラシカルなパンクの魅力を再現しようとしている。イアン・シェルトンは、パンデミック時まで、Radional Justice Centerというバンドで活動していたものの、この年代の社会情勢がバンドの存続を危ぶむことになった。続いて、彼が結成したMilitalie Gunは、そういった悔しさから立ち上がって組まれたハードコアパンクバンドだ。かれらのパンクサウンドの中には、Hot Water Musicのような哀愁が込められている。それは轟音の向こうにほのかに感じられるエモーションという形でリスナーの心を捉えてやまない。

 

オープニングを飾る「Do It Faster」は、前のバンドからMilitarie Gunへと移行した後に最初に書かれた彼の思いが詰まったパンクアンセムである。 「Do」というフレーズにシェルトンは強いアクセントを込め、骨太でキャッチーなパンクロックを提示する。そのサウンドの中には00年代のポップ・パンクムーブメントに対する親和性も込められている。この年代には雨後の筍ともいうべき形で、数多くのポップパンクバンドが台頭したが、彼らはこれらのムーブメントを振り返り、その中に潜んでいたメロディーの良さや明るいノリをこのアルバムで再現しようとしている。

 

ただ、Militalie Gunが掲げるパンクサウンドは確かにポップパンクに属するが、それほど古びた印象を聞き手に与えることはない。彼らは現在のロンドンのポストパンクバンド、Shameのような音楽性、つまり、90年代から00年代にかけてのUSのオルタナティヴロックの影響を交えることにより、これらのパンクサウンドにモダンな風味をもたらしている。それは3曲目「Will Logic」に見ることが出来る。ここには、90年代のグランジや、その後のヘヴィ・ロックが台頭した時代のUSロックのDNAが引き継がれているが、それが、このデビュー・アルバムに鮮烈性を与えている理由でもある。イアン・シェルトンのボーカルには、軍用銃のようなパンチ力があり、前のめりに歌うフロントマンの姿が音源を介してありありと伝わってくる。若さゆえの無謀さーーそれは確かにそうなのかもしれないが、実際は、若い時にしか出来ない音楽というのもある。彼らはその年でしかできぬことをこのデビュー作に全力で込めようとしているのだ。


アルバムの中盤には、パンク/ハードコアというより、00年代のオルタナティヴロックの核心を捉えたようなミドルテンポの楽曲が続き、アルバム全体に緩急をもたらしている。突っ走るのみが彼らの本領なのではなく、その中にも聴かせる何かを潜在的に秘めていることがわかる。特に、中盤で異質な光を放っている「Return Policy」に注目していただきたい。ミュートのリズムギターと爽やかなシェルトンのボーカルは、80/90年代に立ち返ったかのような雰囲気だ。

 

彼らは、細分化したポスト・ハードコアバンドとは距離を置き、シンプルなパンクサウンドの核心のみを叩きつける。特にサビでの痛快なメロディーは古き良きポップパンクサウンドを想起させる。彼らは簡潔性を通じ、Saves The Dayに近い音楽性を追い求める。三分以上の曲は必要ないとばかりに、ほとんどが一分台か、長くても、二分強のパンクロックソングだけをストレートに提示し続ける。その硬派なパンクロックに対する強固な姿勢は、Bad ReligionのDNAを受け継いでいると言っても過言ではない。それに続く、「Seizure Of Assets」も同じくオレンジ・カウンティを中心とするパンク黎明期を思い起こさせる清々しいソングだ。シェルトンは相変わらず自らバンド名を体現するかのような屈強なボーカルを披露しているが、その無骨なパンクサウンドの背後に、独特な哀愁と切なさが漂う。スリコードを主体にしたギターリフと8ビートの融合を通じて、パンクにとどまらずロックミュージックの本来の魅力に迫ろうとしている。

 

その後、「Never Fucked Up Once」では、よりダイナミックなドラムに下支えされ、エモーショナル・ハードコアに近い展開に繋がっていく。一見するときわめて不器用にも思える。でも、バンドのひたむきさ、パンクに対する熱情が録音にほとばしり、その熱量はシェルトンのボーカルに乗り移り、独特なエモーションを生み出している。Hot Water Music、Samiam、Face To Faceを想起させる哀愁がこれらの曲には顕著な形で反映されている。Strike Anywhereほど過激ではないが、もちろんそれに比するパンチ力やスパイスは十分に感じとってもらえるはずなのだ。

 

Militalie Gunは、デビューアルバムを通じて、USパンクバンドらしい直情性を示そうとしているが、ちょっとした遊び心も付け加えている。「See You Around」は、メロトロンの音色を配した「Strawberry Fields Forever」のオマージュとなっているが、この曲は、パンクバンドとは異なるオルトロックバンド寄りの姿を垣間見れる。更に続く、タイトル曲では、直情的なハードコア・パンクサウンドに回帰している。聞き終えた後にはスカッとした清々しさすら覚える。

 

Foo Fightersの最新作『But Here We Are』の爽快な音楽性にも近いものがあるが、そのサウンドをよりディープなハードコアへと転化したのが、『Life Under The Gun』の正体と言えそうだ。これらのエモーショナルなパンクサウンドが今後どのような変遷を辿っていくのか、今からたのしみ。真面目な話、パンクロックとしては結構良いアルバムです。かなりおすすめです。



  


85/100

 

Featured Track  「Do It Faster」

 

©Sydney Tate


ブルックリンの今をときめくパンクロックデュオ、THICKが新曲「Doomer」をEpitph Recordsからリリースしました。この新曲はバンドが昨年8月に同レーベルから発売した『Happy Now』に続くニューシングルです。



プロデュースはWill Yip、ドラムはMannequin PussyのKaleen Readingが担当しています。パンキッシュでありながら、オルト・ロックやエモの影響も感じさせるナンバーです。こちらも今週のHot New Singlesとして読者の皆様にご紹介します。

 

「この曲は疲労を叫んでいる。それはあなたが誰かのために何ができるかを知っているが、あまりにも燃え尽きていないことについてです」とバンドのニッキー・システィは、プレスリリースで述べています。

 

「それは自己放棄の反対で、多くを与えるのをやめることを選択し、相手が自分の中で仕事をし、成長することを見つけることができることを望んでいる」


「Dommer」



 

Manchester Orchestra

Jimmy Eat WorldとManchester Orchestraは、今年7月から共同のヘッドライナー・ツアーを始める準備を着々と整えていますが、それに先駆けて、両バンドにリスペクトを捧げるためにお互いの曲のカバーを公開した。マンチェスター・オーケストラは『Crarity』のオープニング「Table For Glasses」をカバー、一方のジミー・イート・ワールドはマンチェスター・オーケストラの2021年の名盤『The Million Masks of God』から「Telepath」をピックアップしています。

 

マンチェスター・オーケストラのフロントマンのアンディ・ハルは、「大好きなバンドのひとつとカバーの交換をするのは、絶対的に名誉なことでした。我々はオリジナルに敬意を払いながらカバーに取り組み、その広々とした隅々まで探検して楽しんだよ」とこのシングルについて述べた。

 

Manchester Orchestra 「Telepath」

   

 

Jimmy Eat World「Table For Glasses」

 

 

 

以前、日本でも公演を行っているロカビリー・パンクバンド、Social Distortion(ソーシャル・ディストーション)は、6月末から米国で夏のツアーを開始する予定でしたが、フロントマンのMike Ness(マイク・ネス)が扁桃腺癌の手術に専念するため、ニューアルバムのリリースとツアーの延期を発表しました。

 

ソーシャル・ディストーションは昨年、フランスのHell Festにも出演し、年末にはラスベガスでの公演を行い、パワフルなパフォーマンスを披露しました。リリースとツアーの延期は残念ですが、ファンにとってはもうしばらくの辛抱となり、フロントマンの完全な回復を祈るしかありません。

 

「人生は計画通りに進むと思っていたが、そうとは言いがたい瞬間もある」と、マイクは声明の中で書いています。


「プリプロダクションの最中に、私はステージ1の扁桃腺がんと診断された。手術の前日まで、スタジオでのレコーディングを続けられるほど体調は良かった。バンドと私は、この曲を作ることにとてもインスピレーションを受け、興奮していた!


 手術からの回復は一日一日の積み重ねで、3週間後には放射線治療が始まりますが、これが私に必要な最後の治療となるでしょう。医師団は、この治療が終われば、治癒と回復のプロセスを開始できると確信してます。私たちは、私が長く生産的な人生を送ることができるよう、完全な回復を期待しています。


 ツアーやアルバムの発売を延期するのは心苦しいですが、体調の回復には時間が必要です。辛抱強く待ってくれているファンの皆さんには、感謝の言葉もありません。もう少しだけ、時間がかかるかもしれません。でも、必ずや皆さんの期待を上回るものをお届けすることをお約束します」


「私は、このプロジェクトによって、まったく新しい闘いに目を向けることができたことを、皆さんに知っていただきたいと思います。皆さんや皆さんの大切な人が個人的に経験していることだと思いますが、私はこの重い経験から、それがどのようなことを意味するか知ったのです。

 

 私は友人や家族の愛とサポートに囲まれています。特に、素敵な妻と素晴らしい息子たち(そして、3匹の犬と子猫も忘れないでください)。♥️ 私たちはこれを乗り越えることができるはずだ...」

 

 



ロンドンのポップパンクトリオーーDream Wife(ドリーム・ワイフ)は、近日発売予定のアルバム『Social Lubrication』から最新シングル「Orbit」のMVを公開しました。この曲は、前作「Leech」「Hot (Don't Date a Musician)」に続く。Sophie Websterが監督した映像は、以下よりご覧下さい。

 

"一緒にジャムって、手足の生えた宇宙時代の生物のようにグルーヴにロックする喜びを通して書かれた「Orbit」は、New Young Pony ClubやYeah Yeah Yeahsといったバンドの90年代初期のダンスロック的なエッジを持っている "とバンドは声明で説明している。

 

リリックでは、ロックダウン後のロンドンが息を吹き返し、友情とコミュニティを通じて空間を共有することにインスピレーションを得た。毎日、何が待ち受けているか分からないし、見知らぬ人が、1日、心拍数、位相、または一生、あなたの身近な人になることもあるんだ。

 

 

Dream Wifeのニューアルバム『Social Lubrication』は、6月9日にLucky Numberから発売される予定です。

 

「Orbit」

 

©Alice Baxley


カリフォルニア州の港湾都市サンタクルーズの五人組パンクバンドScowlが、来月上旬にリリース予定のEPからアンセミックなタイトルトラック「Psychic Dance Routine」をドロップしました。

 

先行公開されたシングル「Opening Night」と「Shot Down」に続き、この曲はギタリストのMalachi Greeneが監督、Bridget Smithが振り付けを担当したミュージック・ビデオ付きで公開されました。下記よりご覧ください。


Psychic Dance Routine」について、ボーカルのKat Mossは声明で次のように説明しています:


私は、「パフォーマンス」している自分自身のバージョンとして消費されるという視点が劇的に変化し、同時に、常に真剣に受け止めてくれない世界で女性アーティストであることの経験に取り組んできました。


リリックで視点を前後させるのは、私が伝えようとしているメッセージに最もインパクトがあると思ったからです。彼女はあなたの動物にはなれない、彼女には彼女だけの地獄がある。

 

一番シンプルな形では、誰も私を自分の認識で追い詰めることはできないし、私は私自身のクソに対処しなければならないということを説明しているんだ。「She」を使うことで、私も女性的な経験について話していることを明確にしているのです。「あなたのコントロールに耐えられない、私が与えるであろう愛を考えなさい」というのは、リスナーが私に対して持っている支配力を放棄することを私が懇願しているのであり、私が本当の意味で真面目で弱い人間であることを許してくれるかどうかを問いかけているんだ。


 『Psychic Dance Routine』 EPは、4月7日にFlatspot Recordsからリリースされます。

 

「Psychic Dance Routine」


ニュージーランド/オークランドのミュージックシーンの未来を担う四人組パワーポップバンド、The Beths(ザ・ベス)はNPRのTiny Desk Concertに出演し、さらに、2023年最初のシングル 「Watching The Credits」を発表しました。アルバムのジャケットでも魚のイラストでしたが、今回のシングルワークもやはり魚のイラスト。今後のバンドのモチーフとなっていきそうな予感もあり。


このニューシングルは、昨年9月に発売された『Expert In A Dying Field』以来となる音源です。アルバムのセッション中に録音されましたが、最新作には収録されなかったものだという。

 

さらに、新曲のリリースと同時に、NPRタイニーデスクコンサートの映像が到着した。バンドは最新アルバムの代表曲「Expert in a Dying Field」に加え、「Jump Rope Gazers」、「Out of Sight」、「When You Know You Know」の3曲を取り上げ、ライブパフォーマンスを行っている。

 

ぜひ下記よりチェックしてみて下さい。

 

 

「Watching The Credits」

 

 

 Tiny Desk Concert

 

 

Taking Meds

米国のパンクバンド、Taking Medsがニューシングル「Memory Lane」をリリースして帰ってきました。Kurt Ballouがプロデュースしたこのトラックは、2021年のLP『Terrible News From Wonderful Men』のリリース以来、バンドにとって初めての新曲となる。以下、ご視聴下さい。

 

「ファンタジーはマイナス面を考慮する必要がないので、現実に不満を感じているときにファンタジーに引きこもるのが好きだ」と、フロントマンのスカイラー・サーキスは声明の中でこの曲について述べている。

 

今のお気に入りは、山奥に引っ越して、もう誰とも話さない。しかし、私にとって最も一般的なものは、常にノスタルジーです。この曲はかなりそれについて歌っている。音楽的には、僕らにとってかなり新しい領域だ。大きなコーラスと大きなリードを書きたかったんだ、それが今僕らが聴きたいものだから。今まで誰も僕らの音楽の分類に同意してくれなかったから、みんな僕らをロックバンドと呼んできた。これでやっと正しいことが言えるようになった。どういたしまして。

 

 Fucked Up 『One Day』

 

 


Label: Merge Records

Release :2023/1/28



Review 

 

2001年にカナダ/トロントで結成され、USインディー・ロックの総本山”Matador”,Promise Ringを輩出したエモ・コアの名門レーベル”Jade Tree”を渡り歩いてきたFucked Upの通算5作目となるフル・アルバム『One Day』は、近年のパンクシーンにあって鮮烈な印象を放つ傑作となっている。今作のリスニングは多くのコアなパンクファンの熱狂性を呼び覚ます機会を与えるはずだ。

 

「One Day」と銘打たれた5thアルバムは、文字通り、一日で録音されたコンセプト・アルバムとなる。ただ、バンドの一発取りではなく、トラックごとに分けられて、八時間ごとの三つのセクションに分割してレコーディングが行われ、2019年と2020年の二回にわたって制作された作品であるが、それらの個別のトラックは正真正銘、「一日」で録音されたものだという。これはポスト・ハードコアバンドとして20年以上の長いキャリアを積むバンドの一つの高い山へのタフな挑戦ともなった。

 

Fucked Upは、プロフィールとしてポスト・ハードコアという形で紹介される場合が多いが、その内実はエモーショナル・ハードコア・バンドに近い音楽性を擁している。それは近年あまり見られなくなった形ではあるが、彼らの哀愁に充ちたハードコア・サウンドはどちらかといえば、メロディック・ハードコア・バンド、Hot Water Musicに近いものである。ボーカルについてはニュースクール・ハードコアの範疇にあり、かなりゴツさのあるメタリックなデス・ヴォイスが展開されている。これらは旧来のボストンのハードコアバンド、Negative FX、またはデトロイトのNegative Approachに匹敵する無骨な雰囲気に満ちている。その反面、この屈強なメイン・ボーカルに対するコーラスワークは明らかにエモに近い質感が込められており、サウンドのバランスが絶妙に保たれている。そして曲の全般においてシンガロング性が強いという側面、また、ライブサンドに重点を置くサウンドという側面では、マサチューセッツのDropkick Murphysのように力強く痛快なサウンドの特徴も併せ持つ。今作で繰り広げられるパンクロックサウンドはパワフルであるだけでなく、爽快な雰囲気が漂い、さらに繊細性をも兼ね備えているのだ。

 

「一日」というシンプルなタイトルには、バンドがファンに伝えておきたい趣旨がすべて集約されている。


パンク・ロックに長い時間はいらず、ただ、言いたいことの核心を叩きつければよく、余計な言葉や音を徹底的に削ぎ落とした表現がパンクの核心と言える。しかし、このアルバムは必ずしも勢いに任せたハードコア・サウンドとはいえない。実際の収録曲は綿密に作り込まれている。レコーディング以前からスタジオで演奏を通じて曲の原型となるアイディアを練り上げて行った感もある。つまり、これらの曲の制作に費やした時間は1日ではあるが、その中には気の遠くなるような時間が内包されている。そして、20年のキャリアを誇るバンドとしての豊富な経験に裏打ちされた信頼感と聞き応えのある名曲がレコードには数多く収録されているのである。

 

近年では、アメリカには、Turnstile等の勢いのあるハードコアバンドが数多く登場し、これらはNew York Timesの記事でも紹介されていた。そこには、ハードコアは、ニューヨークの文化でもあると記されていた覚えもある。そして、カナダのファックト・アップもまた、米国の現代的なハードコア・サウンドに良い刺激を受けつつ、上記のHot Water Musicのような往年のメロディック・ハードコアやエモーショナル・ハードコアの良い影響を受け、それらをシンプルでキャッチーな楽曲として提示している。Fucked Upのパワフルな音楽性は、大衆にわかりやすいように作り込まれており、拳を突き上げ、共にシンガロングせずにはいられないアジテーションが内包されている。そして、何より、アルバムの収録曲は聴いていると、不思議と元気が漲り、気分が明るくなってくる。もう、それでパンクロックソングとしては百点満点といえるのではないか。

 

このレコードの中には、パンク・ソングとして傑出した曲が複数収録されている。#4「Lords Of Kensington」は、新時代のメロディック・パンクの名曲であり、ここには近年のハードコアバンドが実際の音楽を生み出す上で見過ごしてきたエモーションと哀愁が曲全体に押し出されている。もちろん、線の太い迫力満点のボーカルと、それと相対する清涼感のあるコーラスワーク、ポップパンクのキャッチーなメロディー、いかにもこのバンドらしいキャラクター性に彩られた激情ハードコアサウンドは一連のイギリスを題材とするコンセプトアルバムとして緊密に紡がれていくのである。

 

他にも続く、#5「Broken Little Boys」では、Dropkick MurphysやSocial Distortionのようなロックンロール/ロカビリーサウンドを反映させながら現代的なパンク・ロックアンセムを生み出している。#7「Failing  Right Under」も、エバーグリーンな雰囲気を持った硬派なニュースクール・ハードコアとして聞き逃せない。さらにアルバム発売直前にリリースされた#9「Cicada」はひときわ強い異彩を放っている。他のメンバーがメインボーカルをとり、Hüsker Dü/Sugar(Bob Mould)を彷彿とさせる哀愁溢れるメロディック・パンクを聴かせてくれる。


近年、さらに細分化しつつあるハードコア・パンク界隈ではあるが、『One Day』を聴いて分かる通り、本来、パンクロックに複雑性はそれほど必要ではないように思える。それは、複雑化して難解になったプログレッシブ・ロックやハード・ロックのアンチテーゼとして、音楽に詳しくない人でも親しめるものとして、この音楽ジャンルは70年代に登場した経緯があるからである。


現在、あらためて多くのファンから望まれるのは、パンクロックの原点にある痛快さ、明快さなのだろう。Fucked Upは、頼もしいことに、そのパンクの本義を『One Day』で見事に呼び覚ましてくれた。意外にも、現代のパンクとして多くのファンの心の掴む鍵は、時代を経るごとに細分化されていったマニア性にあるのではなく、パンク・ロックの簡素な音楽性に求められるのか。まだ、2023年始めなので、断定づけるのはあまりに性急のように思えるが、『One Day』は今年度のパンクロックの最高傑作となる可能性がきわめて高い。

  

100/100(Masterpiece)

 

 

©︎Pamela Littkey

「Love From The Other Side」のリリースからほどなくして、このシカゴ・ポップパンクの人気バンドが、早くも新たなシングルを発表しました。「Heartbreak Feels So Good」です。アルバム『So Much (For) Stardust』からの最新曲は、Fall Out Boyのポップな一面を垣間見ることができます。


今日、Fall Out Boyは、シカゴのMetro Clubで小さなホームタウン・ライヴを行う予定だ。また、彼らは近日中にさらなるビッグニュースが飛び込んでくることを約束している。


Fall Out Boyのニューアルバム『So Much (For) Stardust』は、Fueled By Ramen/DCD2より3/24にリリース予定です。アルバムのプレセーブはこちらから。

 

ELVINA VLADI KVISLE


ノルウェイのパンクバンド、Sløtfaceがニューシングル「Nose」を公開しました。この新曲は、2月24日にPropeller Recordingsからリリースされる新作EP「AWAKE / ASLEEP」の収録曲となる。


「Nose」は、一般的な「Sløtfaceの不安」と呼ぶべき曲で、私がいつも戻ってくる反復的なテーマなんだ」とHaley Sheaは語っている。

 

「Nose」は、私と愛する人との会話で、不安を経験していない人に不安がどのようなものかをイメージで説明しようとしている。小さなことでも、それが引き金となって、止めることが不可能な思考のスパイラルに陥ってしまう。そしてコーラスは、私が愛する人が私に呼吸をするように思い出させてくれる。パートナーや家族、愛する人たちが正しい方法で行えば、通常、私の思考を落ち着かせるのに役立つ戦術なのです。


"Nose "は、2022年の3月にベルゲンのスタジオにOdd Martinを訪ね、何曲か書いた時に始まった。結局、初日だけで7種類ほどのデモを書き、2日目にはその中から数曲を選んで肉付けするという超生産的な2日間になった。その2日目の最後に試した曲が「Nose」だった。


ヘビーでリズミカル、ベースにフォーカスしたヴァースと、ビッグでレイヤー、ポップなコーラスのミックス、そしてサックス奏者のAksel Rønningがトラック全体にスパイスとグリットと深みを加えている。EPの中でも絶対にお気に入りの1曲になりました。


 

©︎Pamela Littkey


Fall Out Boyがパンク・ファン待望のニュー・アルバム『So Much (For) Stardust』のリリースを発表しました。新作は3月27日にFueled By Ramen/Elektraより発売される。アートワークは下記より、収録曲は現在公開されていません。

 

さらに、この発表と同時に最初の先行シングル「Love From The Other Side」が公開となった。


「テクノロジーのおかげで、最近は、簡単に素早くレコードを制作できるようになった。それは悪いことではないし、その自発性はエキサイティングなことでもあるよね」とバンドのパトリック・スタンプは語る。

 

「でも、僕たちはかつてのようなやり方に戻りたかった。愛情を込めてじっくり作り上げ、忍耐強く導いてくれるような、また、誰かが繊細な料理を作ってくれるようなレコードを作りたかった。僕は正直あまり自慢できる男じゃないけど、このレコードはかなり自慢できるんだ」

 

さらに、「Fall Out Boyは、この20年にわたり継続的なアート・プロジェクトとして存続してきた」とピート・ウェンツは言う。

 

「その旅の途次には多くの分岐点があったことも知っているよ。そして、Fueled By Ramen/Elektraは、僕たちにとって復帰するために完璧なホームのように思えたんだ」


『So Much (For) Stardust』は、Fall Out Boyは、直近の3枚のフル・アルバム(「From Under the Cork Tree」、「Infinity on High」、「Folie à Deux」)で共に仕事をしているNeal Avronにプロデュースを依頼している。パトリック・スタンプはニールについて次のように語っている。

 

「ニールは、僕らにレコードの作り方を教えてくれたにとどまらず、時間をかけてレコードに集中するユニークな能力を持っている。そして、彼は快く承諾してくれたんだ」 



「Love From The Other Side」




Fall Out Boy 『So Much (For) Stardust』


 
Label: Fueled By Ramen/Elektra
 
Release Date: 2023年3月27日
 

Pre-save:


 

Green Day 

 

Green Dayが、1997年の『Nimrod』のデモ制作中に録音されたElvis Costelloの「Alison」の未発表カヴァーを公開しました。原曲は、エルヴィス・コステロが1977年に発表した代表作『My Aim Is True』に収録されています。


この曲は、「You Irritate Me」に続く、『Nimrod』のボックスセットからの2曲目のシングルとなります。このオリジナル盤の25周年を記念したボックス・セットは1月27日に発売予定です。

 

一方のロックシンガー、エルヴィス・コステロは、新たなプロジェクト、Elvis Costell & The Impostersを結成し、昨年、新作アルバム『The Boy Named If (Alive at Memphis Magnetic)』を発表しています。このアルバムには日本のラップ・デュオ、Chermicoが参加している。

 

 

Green Day 1991


ご存知のように、カルフォルニアのパンクバンド、グリーン・デイは、1994年に『Dookie』で世界的なブレイクを果たし、大きな成功を手にした。このアルバムは世界で天文学的な売上を記録した。その後のオレンジ・カウンティを中心とするメロディック・パンクのムーブメントは2000年以降まで続き、彼らのフォロワーが数多く出現する。New Found Glory、Blink-182、Bowling For Soup、Sugarcult等は、その2ndジェネレーションの代表格と言える。

 

グリーン・デイの最初の成功作としては『Dookie』が有名だが、それ以前に彼らは素晴らしいパンク・アルバムをリリースしていることはマニアなら知っているはず。そして2ndでグリーン・デイはヨーロッパツアーを敢行している。既に『Dookie』以前にブレイクの予兆はあった。

 

1991年12月17日、グリーン・デイはセカンド・アルバム『Kerplunk』のレコード盤を手にした。


この寒い冬の夜、グリーン・デイは、イギリス/サウサンプトンの”Joiners Arms”というライブハウスに出演していた。このイベントはすぐに即席のアルバム・リリース・パーティーとなり、三人のミュージシャンたちは、最初のヨーロッパツアーで溜め込んだ服とウィッグをすべて着用し、ビリー・ジョー・アームストロングがステージから落下し、興奮は最高潮に達するという事態になった。


この1991年の時代、グリーン・デイは、ヨーロッパに2ヶ月近く滞在し、とんでもない目にあったという。一説では、バンドは、4人が入場料を払って雪に覆われたライブに向かう途中、火がついたバンで移動したといい、ある晩、彼らは物置でホルムアルデヒドの瓶に入った人間の頭と一緒に寝た。また、コペンハーゲンの会場では、カップルがステージ上で騒がしくセックスしていたという。他にも、ドイツでは、剣呑にも、銃を突きつけられもした。イギリスのウィガンでは、イースター・バニーとサンタクロースを登場させ、トレ・クールが赤ん坊のイエスを演じたキリスト降誕劇を上演した。数日後、3人のメンバーは、クリスマスの日をバースのスクワットでマジック・マッシュルームを摂取し、熱したナイフに乗せたマリファナの煙を吸って過ごした。これらのエピソードはどこまでが本当かわからない話ではあるものの、このバンドの破天荒なエピソードの数々は、ロックスターとしてブレイクする予兆だったと言える。


ヨーロッパ・ツアーが終わる頃には、ビリー・ジョー・アームストロングはドイツに長く滞在していたため、話すスピードが遅くなり、カリフォルニア訛りもほとんどなくなっていた。あまりにツアー自体が劣悪な環境だったため、フロントマンのビリーは全身シラミに感染し、体毛をすべて剃ることを要求されたという話もある。


Green Dayとファン 崩壊後のベルリンの壁を背に

「ヨーロッパに着いたとき、俺たちは何も知らなかったんだ」と、フロントマンのビリー・ジョーは後に語っている。「でも、いざ行ってみると、急に不安になったんだ。いくつかのショウは滅茶苦茶怖かった。ツアー中のバンドが正気を失い、再び人生を意味あるものにするために互いを見つけなければならないような状況だった。だから、みんな辞めちゃうんだよ、おかしくなっちゃうから。狭い車内でピエロの集団になったような気分だったよ。ある意味では最高だったよ」

 

グリーン・デイがサウサンプトンで手にした新作レコードは、ラリー・リバモアが持ってきてくれたものだ。ヒースロー空港で、Look Out! Recordの主宰者は、税関の係官に、「イギリスに持ち込むアルバムはプレゼント用だ」と説得するため、話を聞く人が生きる気力を失うまで話す、というテクニックを駆使したという。もちろん、空港を出るとき、グリーン・デイは自分たちが運んでいる音楽が、そのレーベルで録音する最後の作品になるとは思ってもいなかったという。

 

その2年後、彼らはパンクロックの金字塔『Dookie』をRepriseからリリース、ポップパンク旋風を巻き起こした。今なお輝かしい「Basket Case」を始めとするパンク・アンセムは、彼ら三人を押しも押されぬ世界的なスーパースターへ引き上げることになった。2ndアルバム「Kerplunk」は、以後のブレイク作品に比べると、荒削りなアルバムだが、『Dookie』に見られる淡い青春の雰囲気に満ちたパンク・アンセムの原型は、ほぼ完成に近づいていることがわかる。