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 Fucked Up 『One Day』

 

 


Label: Merge Records

Release :2023/1/28



Review 

 

2001年にカナダ/トロントで結成され、USインディー・ロックの総本山”Matador”,Promise Ringを輩出したエモ・コアの名門レーベル”Jade Tree”を渡り歩いてきたFucked Upの通算5作目となるフル・アルバム『One Day』は、近年のパンクシーンにあって鮮烈な印象を放つ傑作となっている。今作のリスニングは多くのパンクファンの熱狂性を呼び覚ます機会を与えるはずだ。

 

「One Day」と銘打たれた5thアルバムは、文字通り、一日で録音されたコンセプト・アルバムとなる。ただ、バンドの一発取りではなく、トラックごとに分けられて、八時間ごとの三つのセクションに分割してレコーディングが行われ、2019年と2020年の二回にわたって制作された作品であるが、それらの個別のトラックは正真正銘、「一日」で録音されたものだという。これはポスト・ハードコアバンドとして20年以上の長いキャリアを積むバンドの一つの高い山へのタフな挑戦ともなった。

 

Fucked Upは、プロフィールとしてポスト・ハードコアという形で紹介される場合が多いが、その内実はエモーショナル・ハードコア・バンドに近い音楽性を擁している。それは近年あまり見られなくなった形ではあるが、彼らの哀愁に充ちたハードコア・サウンドはどちらかといえば、メロディック・ハードコア・バンド、Hot Water Musicに近いものである。ボーカルについてはニュースクール・ハードコアの範疇にあり、かなりゴツさのあるメタリックなデス・ヴォイスが展開されている。これらは旧来のボストンのハードコアバンド、Negative FX、またはデトロイトのNegative Approachに匹敵する無骨な雰囲気に満ちている。その反面、この屈強なメイン・ボーカルに対するコーラスワークは明らかにエモに近い質感が込められており、サウンドのバランスが絶妙に保たれている。そして曲の全般においてシンガロング性が強いという側面、また、ライブサンドに重点を置くサウンドという側面では、マサチューセッツのDropkick Murphysのように力強く痛快なサウンドの特徴も併せ持つ。今作で繰り広げられるパンクロックサウンドはパワフルであるだけでなく、爽快な雰囲気が漂い、さらに繊細性をも兼ね備えているのだ。

 

「一日」というシンプルなタイトルには、バンドがファンに伝えておきたい趣旨がすべて集約されている。


パンク・ロックに長い時間はいらず、ただ、言いたいことの核心を叩きつければよく、余計な言葉や音を徹底的に削ぎ落とした表現がパンクの核心と言える。しかし、このアルバムは必ずしも勢いに任せたハードコア・サウンドとはいえない。実際の収録曲は綿密に作り込まれている。レコーディング以前からスタジオで演奏を通じて曲の原型となるアイディアを練り上げて行った感もある。つまり、これらの曲の制作に費やした時間は1日ではあるが、その中には気の遠くなるような時間が内包されている。そして、20年のキャリアを誇るバンドとしての豊富な経験に裏打ちされた信頼感と聞き応えのある名曲がこのレコードには数多く収録されているのである。

 

近年では、アメリカには、Turnstile等の勢いのあるハードコアバンドが数多く登場し、これらはNew York Timesの記事でも紹介されていた。そこには、ハードコアは、ニューヨークの文化でもあると記されていた覚えもある。そして、カナダのファックト・アップもまた、米国の現代的なハードコア・サウンドに良い刺激を受けつつ、上記のHot Water Musicのような往年のメロディック・ハードコアやエモーショナル・ハードコアの良い影響を受け、それらをシンプルでキャッチーな楽曲として提示している。Fucked Upのパワフルな音楽性は、大衆にわかりやすいように作り込まれ、拳を突き上げ、共にシンガロングせずにはいられないアジテーションが内包されている。そして、何より、アルバムの収録曲は聴いていると不思議と元気が漲り、気分が明るくなってくる。もう、それでパンクロックソングとしては百点満点といえるのではないか。

 

このレコードの中には、パンク・ソングとして傑出した曲が複数収録されている。#4「Lords Of Kensington」は、新時代のメロディック・パンクの名曲であり、ここには近年のハードコアバンドが実際の音楽を生み出す上で見過ごしてきたエモーションと哀愁が曲全体に押し出されている。もちろん、線の太い迫力満点のボーカルと、それと相対する清涼感のあるコーラスワーク、ポップパンクのキャッチーなメロディー、いかにもこのバンドらしいキャラクター性に彩られた激情ハードコアサウンドは一連のコンセプトアルバムとして緊密に紡がれていくのである。

 

他にも続く、#5「Broken Little Boys」では、Dropkick MurphysやSocial Distortionのようなロックンロール/ロカビリーサウンドを反映させながら現代的なパンク・ロックアンセムを生み出している。#7「Failing  Right Under」も、エバーグリーンな雰囲気を持った硬派なニュースクール・ハードコアとして聞き逃せない。さらにアルバム発売直前にリリースされた#9「Cicada」はひときわ強い異彩を放っている。他のメンバーがメインボーカルをとり、Hüsker Dü/Sugar(Bob Mould)を彷彿とさせる哀愁溢れるメロディック・パンクを聴かせてくれる。


近年、さらに細分化しつつあるハードコア・パンク界隈ではあるが、『One Day』を聴いて分かる通り、本来、パンクロックに複雑性はそれほど必要ではないように思える。それは、複雑化して難解になったプログレッシブ・ロックやハード・ロックのアンチテーゼとして、音楽に詳しくない人でも親しめるものとして、この音楽ジャンルは70年代に登場した経緯があるからである。


現在、あらためて多くのファンから望まれるのは、パンクロックの原点にある痛快さ、明快さなのだろう。そして、Fucked Upは、頼もしいことに、そのパンクの本義を『One Day』で見事に呼び覚ましてくれたのだ。意外にも、現代のパンクとして多くのファンの心の掴む鍵は、時代を経るごとに細分化されていったマニア性にあるのではなく、パンク・ロックの簡素な音楽性に求められるのかもしれない。まだ、2023年始めなので、断定づけるのはあまりに性急のように思えるが、『One Day』は今年度のパンクロックの最高傑作となる可能性が非常に高い。

 

100/100 (Masterpiece)

 

 

©︎Pamela Littkey

「Love From The Other Side」のリリースからほどなくして、このシカゴ・ポップパンクの人気バンドが、早くも新たなシングルを発表しました。「Heartbreak Feels So Good」です。アルバム『So Much (For) Stardust』からの最新曲は、Fall Out Boyのポップな一面を垣間見ることができます。


今日、Fall Out Boyは、シカゴのMetro Clubで小さなホームタウン・ライヴを行う予定だ。また、彼らは近日中にさらなるビッグニュースが飛び込んでくることを約束している。


Fall Out Boyのニューアルバム『So Much (For) Stardust』は、Fueled By Ramen/DCD2より3/24にリリース予定です。アルバムのプレセーブはこちらから。

 

ELVINA VLADI KVISLE


ノルウェイのパンクバンド、Sløtfaceがニューシングル「Nose」を公開しました。この新曲は、2月24日にPropeller Recordingsからリリースされる新作EP「AWAKE / ASLEEP」の収録曲となる。


「Nose」は、一般的な「Sløtfaceの不安」と呼ぶべき曲で、私がいつも戻ってくる反復的なテーマなんだ」とHaley Sheaは語っている。

 

「Nose」は、私と愛する人との会話で、不安を経験していない人に不安がどのようなものかをイメージで説明しようとしている。小さなことでも、それが引き金となって、止めることが不可能な思考のスパイラルに陥ってしまう。そしてコーラスは、私が愛する人が私に呼吸をするように思い出させてくれる。パートナーや家族、愛する人たちが正しい方法で行えば、通常、私の思考を落ち着かせるのに役立つ戦術なのです。


"Nose "は、2022年の3月にベルゲンのスタジオにOdd Martinを訪ね、何曲か書いた時に始まった。結局、初日だけで7種類ほどのデモを書き、2日目にはその中から数曲を選んで肉付けするという超生産的な2日間になった。その2日目の最後に試した曲が「Nose」だった。


ヘビーでリズミカル、ベースにフォーカスしたヴァースと、ビッグでレイヤー、ポップなコーラスのミックス、そしてサックス奏者のAksel Rønningがトラック全体にスパイスとグリットと深みを加えている。EPの中でも絶対にお気に入りの1曲になりました。


 

©︎Pamela Littkey


Fall Out Boyがパンク・ファン待望のニュー・アルバム『So Much (For) Stardust』のリリースを発表しました。新作は3月27日にFueled By Ramen/Elektraより発売される。アートワークは下記より、収録曲は現在公開されていません。

 

さらに、この発表と同時に最初の先行シングル「Love From The Other Side」が公開となった。


「テクノロジーのおかげで、最近は、簡単に素早くレコードを制作できるようになった。それは悪いことではないし、その自発性はエキサイティングなことでもあるよね」とバンドのパトリック・スタンプは語る。

 

「でも、僕たちはかつてのようなやり方に戻りたかった。愛情を込めてじっくり作り上げ、忍耐強く導いてくれるような、また、誰かが繊細な料理を作ってくれるようなレコードを作りたかった。僕は正直あまり自慢できる男じゃないけど、このレコードはかなり自慢できるんだ」

 

さらに、「Fall Out Boyは、この20年にわたり継続的なアート・プロジェクトとして存続してきた」とピート・ウェンツは言う。

 

「その旅の途次には多くの分岐点があったことも知っているよ。そして、Fueled By Ramen/Elektraは、僕たちにとって復帰するために完璧なホームのように思えたんだ」


『So Much (For) Stardust』は、Fall Out Boyは、直近の3枚のフル・アルバム(「From Under the Cork Tree」、「Infinity on High」、「Folie à Deux」)で共に仕事をしているNeal Avronにプロデュースを依頼している。パトリック・スタンプはニールについて次のように語っている。

 

「ニールは、僕らにレコードの作り方を教えてくれたにとどまらず、時間をかけてレコードに集中するユニークな能力を持っている。そして、彼は快く承諾してくれたんだ」 



「Love From The Other Side」




Fall Out Boy 『So Much (For) Stardust』


 
Label: Fueled By Ramen/Elektra
 
Release Date: 2023年3月27日
 

Pre-save:


 

Green Day 

 

Green Dayが、1997年の『Nimrod』のデモ制作中に録音されたElvis Costelloの「Alison」の未発表カヴァーを公開しました。原曲は、エルヴィス・コステロが1977年に発表した代表作『My Aim Is True』に収録されています。


この曲は、「You Irritate Me」に続く、『Nimrod』のボックスセットからの2曲目のシングルとなります。このオリジナル盤の25周年を記念したボックス・セットは1月27日に発売予定です。

 

一方のロックシンガー、エルヴィス・コステロは、新たなプロジェクト、Elvis Costell & The Impostersを結成し、昨年、新作アルバム『The Boy Named If (Alive at Memphis Magnetic)』を発表しています。このアルバムには日本のラップ・デュオ、Chermicoが参加している。

 

 

Green Day 1991


ご存知のように、カルフォルニアのパンクバンド、グリーン・デイは、1994年に『Dookie』で世界的なブレイクを果たし、大きな成功を手にした。このアルバムは世界で天文学的な売上を記録した。その後のオレンジ・カウンティを中心とするメロディック・パンクのムーブメントは2000年以降まで続き、彼らのフォロワーが数多く出現する。New Found Glory、Blink-182、Bowling For Soup、Sugarcult等は、その2ndジェネレーションの代表格と言える。

 

グリーン・デイの最初の成功作としては『Dookie』が有名だが、それ以前に彼らは素晴らしいパンク・アルバムをリリースしていることはマニアなら知っているはず。そして2ndでグリーン・デイはヨーロッパツアーを敢行している。既に『Dookie』以前にブレイクの予兆はあった。

 

1991年12月17日、グリーン・デイはセカンド・アルバム『Kerplunk』のレコード盤を手にした。


この寒い冬の夜、グリーン・デイは、イギリス/サウサンプトンの”Joiners Arms”というライブハウスに出演していた。このイベントはすぐに即席のアルバム・リリース・パーティーとなり、三人のミュージシャンたちは、最初のヨーロッパツアーで溜め込んだ服とウィッグをすべて着用し、ビリー・ジョー・アームストロングがステージから落下し、興奮は最高潮に達するという事態になった。


この1991年の時代、グリーン・デイは、ヨーロッパに2ヶ月近く滞在し、とんでもない目にあったという。一説では、バンドは、4人が入場料を払って雪に覆われたライブに向かう途中、火がついたバンで移動したといい、ある晩、彼らは物置でホルムアルデヒドの瓶に入った人間の頭と一緒に寝た。また、コペンハーゲンの会場では、カップルがステージ上で騒がしくセックスしていたという。他にも、ドイツでは、剣呑にも、銃を突きつけられもした。イギリスのウィガンでは、イースター・バニーとサンタクロースを登場させ、トレ・クールが赤ん坊のイエスを演じたキリスト降誕劇を上演した。数日後、3人のメンバーは、クリスマスの日をバースのスクワットでマジック・マッシュルームを摂取し、熱したナイフに乗せたマリファナの煙を吸って過ごした。これらのエピソードはどこまでが本当かわからない話ではあるものの、このバンドの破天荒なエピソードの数々は、ロックスターとしてブレイクする予兆だったと言える。


ヨーロッパ・ツアーが終わる頃には、ビリー・ジョー・アームストロングはドイツに長く滞在していたため、話すスピードが遅くなり、カリフォルニア訛りもほとんどなくなっていた。あまりにツアー自体が劣悪な環境だったため、フロントマンのビリーは全身シラミに感染し、体毛をすべて剃ることを要求されたという話もある。


Green Dayとファン 崩壊後のベルリンの壁を背に

「ヨーロッパに着いたとき、俺たちは何も知らなかったんだ」と、フロントマンのビリー・ジョーは後に語っている。「でも、いざ行ってみると、急に不安になったんだ。いくつかのショウは滅茶苦茶怖かった。ツアー中のバンドが正気を失い、再び人生を意味あるものにするために互いを見つけなければならないような状況だった。だから、みんな辞めちゃうんだよ、おかしくなっちゃうから。狭い車内でピエロの集団になったような気分だったよ。ある意味では最高だったよ」

 

グリーン・デイがサウサンプトンで手にした新作レコードは、ラリー・リバモアが持ってきてくれたものだ。ヒースロー空港で、Look Out! Recordの主宰者は、税関の係官に、「イギリスに持ち込むアルバムはプレゼント用だ」と説得するため、話を聞く人が生きる気力を失うまで話す、というテクニックを駆使したという。もちろん、空港を出るとき、グリーン・デイは自分たちが運んでいる音楽が、そのレーベルで録音する最後の作品になるとは思ってもいなかったという。

 

その2年後、彼らはパンクロックの金字塔『Dookie』をRepriseからリリース、ポップパンク旋風を巻き起こした。今なお輝かしい「Basket Case」を始めとするパンク・アンセムは、彼ら三人を押しも押されぬ世界的なスーパースターへ引き上げることになった。2ndアルバム「Kerplunk」は、以後のブレイク作品に比べると、荒削りなアルバムだが、『Dookie』に見られる淡い青春の雰囲気に満ちたパンク・アンセムの原型は、ほぼ完成に近づいていることがわかる。

 

 

Pale Waves ©︎Pip

今年初めにDirty Hitからリリースされたサード・アルバム「Unwanted」を発表したPale Wavesは、この最新アルバムのタイトル曲のミュージックビデオを新たに公開しました。


「"アンウォンテッドの時代を締めくくるのに、この曲のビジュアルを作るのは正しいことだと思ったんだ」とフロントパーソンのHeather  Baron・Gracie(ヘザー=バロン・グレイシー)は説明している。

 

「このビデオは、5 Seconds of Summerの全米ツアー中に撮影したもので、そのツアーでは最高の時を過ごしたけど、11月に自分たちのUKツアーに参加できることにとても興奮しているんだ」


「Unwanted」のミュージックビデオは下記でご試聴ください。