現代アンビエント・シーンの注目株であるUKのThe Vernon Spring(ザ・ヴァーノン・スプリング)のニューアルバム『Under a Familiar Sun』が5/9リリース決定。(配信の予約はこちらから)
本日アルバムからの先行シングルとして、作家のMax Porterのポエトリーリーディングをフィーチャーした「The Breadline (feat. Max Porter)」と、その姉妹曲「Requiem For Reem」が配信開始されました。(ストリーミング配信はこちら)
ノース・ロンドン出身で、ブライトン在住のアーティスト/作曲家/ピアニスト/プロデューサーのザ・ヴァーノン・スプリング)ことサム・ベステ。大きな飛躍を遂げる可能性に満ちた待望のニュー・アルバム『Under a Familiar Sun』がついにリリース。2025年のアンビエント・シーンで大きな注目を集める可能性があります。
そして「プロセスを重視する」という指針は、「Building 500」、「Blood On The Boulders」に色濃く反映されている。ベースラインとギターラインのバランスを図ったサウンドは、従来のスクイッドの楽曲よりも研ぎ澄まされた印象もあり、尚且つ、即興演奏の側面が強調されたという印象もある。いずれにしても、ジャジーな印象を放つロックソングは、彼等がジャズとロックの融合という新しい節目に差し掛かったことを意味している、というように私自身は考えた。
続く「Blood On The Boulders」では、ダークな音楽性を通して、アヴァンギャルドなアートロックへと転じている。ハープシコードの音色を彷彿とさせるシンセのトリルの進行の中で、従来から培われたポストパンクというジャンルのコアの部分を洗い出す。この曲の中では、女性ボーカルのゲスト参加や、サッドコアやスロウコアのオルタネイトな性質を突き出して、そしてまるで感情の上がり下がりを的確に表現するかのように、静と動という二つのダイナミクスの変遷を通じて、スクイッドのオリジナルのサウンドを構築するべく奮闘している。まるでそれは、バンド全体に通底する”内的な奮闘の様子”を収めたかのようで、独特な緊張感を放つ。また、いっとき封印したかと思えたジャッジのシャウトも断片的に登場することもあり、これまで禁則的な法則を重視していたバンドは、もはやタブーのような局面を設けなくなっている。これが実際的な曲の印象とは裏腹に、何か心がスッとするような快感をもたらすこともある。
ヘレナ・デランドはカナダのシンガーソングライター。これまでに5枚のEPをリリースしている。『 Drawing Room』(2016年)、『From the Series of Songs 「Altogether Unaccompanied」 Vol.I, II, III & IV』(2018年)は彼女が作詞・作曲したもの。2020年10月15日に1stフルアルバム『Someone New』をリリース。
セカンド・フル・アルバム『おやすみサマーランド』は2023年10月13日にリリースされた。デランドは現在、世界ではルミネール・レコーディングス(ゴリラ VS ベア&ファット・ポッサム・レコードが設立したレーベル)、カナダではチヴィ・チヴィと契約している。キャリア初期からカナダ、アメリカ、ヨーロッパでコンスタントにツアーを行っている。
「SABLE」がプロローグだとすれば、「fABLE」は一冊の本であり、「SABLE, fABLE」はアルバムである。夢中になること、そしてそれがこれらの曲にもたらす強烈な明晰さ、集中力、正直さ、祝福には、紛れもない癒しがあるのかもしれない。「Everything Is Peaceful Love "は、恋に落ちる相手に出会って幸福感に打ちひしがれる男の肖像である。しかし、SABLEの影はまだ迫っており、リセットして再出発しようと努力しても、古い感情が戻ってくることがある。
寓話のように、それぞれの曲は教訓を植え付けている。fABLEは、他者や恋人と関わるときに必要とされる無私のリズム、つまり、より良くなるためのペースを見つけるための忍耐強いコミットメント、そして一体感について歌っている。i,i』や『22, A Million』でジャスティン・ヴァーノンの声を守っていた、回避的で濃密な音の層はもうない。SABLE,fABLE』は、真実を剥き出しにしたキャンバスなのだ。
BON IVER 『SABLE, FABLE』
Label: jagujaguwar
Release: 2025年4月11日
Tracklist:
THINGS BEHIND THINGS BEHIND THINGS
S P E Y S I D E
AWARDS SEASON
Short Story
Everything Is Peaceful Love
Walk Home
Day One (feat. Dijon and Flock of Dimes)
From
I’ll Be There
If Only I Could Wait
(feat. Danielle Haim)
There’s A Rhythmn
Au Revoir
Lucy Dacus(ルーシー・ダカス)が3月28日にGeffenからニューアルバム『Forever Is a Feeling』をリリースする。3作目のシングル「Best Guess」のミュージックビデオが公開された。ビデオは1990年代のカルバン・クラインの広告を引用し、ナオミ・マクファーソン、カーラ・デルヴィーニュ、トワ・バード、ERファイトマスターらが出演している。PVは以下より。
「Forever Is A Feeling』は、2021年にマタドールからリリースされたアルバム『Home Video』に続く作品。2023年には、ジュリアン・ベイカーとフィービー・ブリジャーズとともにダカスをフィーチャーしたスーパーグループ、boygeniusの一員としても同アルバムをリリースしている。
1. Mr. Predictable 2. Big Pink Bubble 3. Chasm 4. Tunnel Vision 5. Clueless 6. Pixie Cut 7. Vertigo 8. Violence 9. Just Around the Corner 10. Cycles
カルト的な人気を誇るノッティンガムのアートロックバンド、Panchikoのニューアルバム『Ginkgo(ギンコ)』の日本盤のリリースが決定した。本作は4月4日に発売される。二曲の先行シングル、「Ginkgo」、「Shandy In The Graveyard」が公開されていますので、下記よりご試聴ください。
「今回のプロダクションはこれまでの10倍のスケールになった」とライトは語る。注目すべき楽曲 「 Shandy In The Graveyard(墓場のシャンディ)」 では、ラッパーのBilly Woods(ビリー・ウッズ)をフィーチャー、バンドが自身の青春時代とライブに集まる若い観客層に思いを馳せる。彼らの若々しいスピリットは楽曲のサウンドの随所に表れている。とりわけトリップホップとオーケストラ・フォークを自在に行き来するプロダクションが新鮮な音の対比を生み出す。
最新アルバム『GNX』から「Luther」をデュエットしたほか、『Black Panther(ブラックパンサー)』のサウンドトラック「All the Stars」を披露した。 コンプトンのラッパーは、サミュエル・L・ジャクソンをアンクルサムとして登場させ、ドレイクの元恋人であるセリーナ・ウィリアムズがサイドステージで「Not Like Us」を踊った。 パフォーマンスのリプレイは以下から。
『GNX』から「man at the garden」と「peekaboo」をライヴデビューさせ、SZAを連れてきて、「Not Like Us」のフルパフォーマンスに突入した。ドレイクへのディストラックとして有名になったことによるものか。 「本当にやるの?」とダンサーが言うと、ラマーは新しいヴァースで応えた。
「これは音楽よりも大きなことだ。彼らはゲームを不正に操作しようとしたが、影響力を偽ることはできない」 彼はカメラを直視し、"Say, Drake, I hear you like 'em young. "とラップした。 最後に、DJマスタードは「tv off」のクロージング・パフォーマンスにカメオ出演した。
また、今回のスーパーボウルのハーフタイムショーでは、ラッパーの発言に注目が集まった。とくに、ギル・スコット・ヘロンの1971年の詩「The Revolution Will Not Be Televised」に言及し、1960年代の公民権運動に触れている。さらに、ケンドリックは大観衆の前で次のように語った。
ピーター・クリストファーソン(COIL)、コージー・ファンニ・トゥッティ、アブール・モガード(COH Meets Abul Mogard)とのコラボレーションや、ラスター・ノトーン、エディションズ・メゴといった高名なレーベルからのリリースは、アヴァンギャルドなエレクトロニック表現への彼の影響力と、コラボレーションにおける彼の卓越した能力の両方を裏付けている。
『Sudden Fruit』で、CoHと平野みどりは没入感のあるキメラ的な作品を発表した。 1曲目の「Wave to Wave」から、オーガニックとデジタルの微妙なバランス、自然の流動性、そして平野のピアノが体現する詩情と、イワン・パブロフの機械の低周波の重厚さが並置されているのが感じられる。
平野みどりは、現代のデジタルサウンドをベースにし、モジュラーシンセを中心とする電子音楽、フィールドレコーディングを用いた実験的な作風で知られている。ピアノ作品としては、『Mirrors
In Mirrors』(2019)、『Invisible
Island』(2020)がある。ハロルド・バッドの音楽にも通じる澄んだ響きを持つ作品集。
グランジやスロウコアを生み出したシアトル/アバディーンとならび、中西部のシカゴは、Tortoise,Cap N' Jazz,Ministry、スティーヴ・アルビニを輩出したことからも分かる通り、アメリカのアンダーグラウンドミュージックの発信地でありつづけてきた。古くはTouch & Go、現在はPolyvinlの本拠地だ。他でもなく、近年、自分が最も注目してきたのは中西部である。また、その中には、地理的には異なる北部に該当するが、(ボストンや)ペンシルベニアなどのラストベルトの地帯にも注目していた。この地域は、工業地帯で、NINなどインダストリアルな響きを持つ音楽が出てくる。ただ、印象としては、工業的な生産などが下火になるにつれて、トレント・レズナーのような天才は出てこなくなった。そして、アイオワなどのより田舎の地域に音楽のシーンは変遷していった。なぜなら、工業的な音が街から徐々に消えてしまったからである。
その後、このアルバムの音楽の世界は、シカゴの最深部に向かうのではなく、シアトルのアバディーンに少し寄り道をする。三曲目の「Wish Defense」では、例えば、Jesus Lizard、Melvins、それよりも古い、Green River、Mother Love Boneといったハードロックやメタルの範疇にある最初期のグランジを踏襲して、ベースを中心に構成が組み上げられていく。この曲では、例えば、デイヴィッド・ヨウのような90年代のメタリックなシャウトは登場しないが、楽節の反復ごとに休符を強調させる間の取れたミニマリズムの構成の中に、一貫して怜悧で透徹したブライアンのスポークンワードがきらめく。それは、暗闇の中に走る雷の閃光のようなものである。
そして、同じフレーズを繰り返しながら、バンドサウンドとしての熱狂的なポイントがどこかを探ろうとする。結果的には、昨年の秋頃、当サイトのインタビューバンドとして紹介したベルリンのバンド、Lawns(Gang of Fourのドラマー、トビアス・ハンブルが所属している)に近いサウンドが組み上げられていく。これらは、アルビニ/コングルトンという黄金コンビのエンジニアリングによって、聴いているだけで惚れ惚れしてしまうような艶やかな録音が作り上げられている。デイヴ・グロールのドラムのオマージュも登場し、バス、タムの交互の連打という、Nirvanaの曲などでお馴染みのドラムのプレイにより、曲のエナジーを少しずつ引き上げていく。少なくとも、このバンドの司令塔はドラムであり、アンサンブルを巧みに統率している。
アルバムの多くの曲は、似通った音楽のディレクションが取り入れられている。また、FACSのメンバーにせよ、録音の仕上げに取り組んだエンジニアにせよ、楽曲自体のバリエーションを最重視しているわけではないと思う。ところが、同じタイプの曲が続いたとしても、飽きさせないのが不思議である。そして、最も大切なのは、バンドのメンバーの熱量がレコーディングに乗り移っているということ。「A Room」では、Fugaziのようなサウンドをモチーフにし、ポストロックの曲が組み上げられる。しかし、Fugaziやその前身であるOne Last Wish、Rites Of Springに近いテイストがある一方、ギターのアルペジオにはミッドウェスト・エモや、それ以前のオリジナル・エモの影響が感じられる。従来のセンチメンタルな感覚ではなく、それとは対極的なNINのようなダークなフィーリングによってエモーショナルな質感が生みだされる。さらにバンドサウンド全般は、Sonic Youthの最初期のようにアヴァンギャルドということで、アメリカの多角的な文化的な背景や音楽観が無数にうごめくような一曲となっている。まさに、ワシントンDC、シカゴ、ニューヨークの従来のミュージックシーンが折り重なったような瞬間だ。
なお、シャバカ・ハッチングスはさらにもう1曲「High and Wide」にも尺八で参加している。アルバムからはすでに「A House, A City」のミュージックビデオが公開されている。同楽曲は、エリオットにとっての最初のピアノで弾いた最後の即興演奏をiPhoneで録音したものから始まり、その後、彼の家と成長期の思い出にインスパイアされた個人的で繊細なソロ曲へと発展していく。
Side-A 1. A House, A City 2. From Beneath 3. Still Under Storms 4. Gold Bright (Feat. Shabaka Hutchings) 5. Stone Houses Side-B 1. High And Wide (Feat. Shabaka Hutchings) 2. In Concentric Circles 3. As If By Weapons 4. Giants Corrupted 5. Fell Broadly 6. These Walls
8曲入りのコレクション(新しくリパッケージされた『Take Your Aim』)は、Pitchfork、Rolling Stone、Stereogum、Brooklyn Vegan、Paste、Consequenceから賞賛を受け、バンドはNMEで初のカバーストーリーを獲得した。
その勢いのまま、バンドは2024年の多くをツアーに費やした。RIDE、Sunny Day Real Estate、Silversun Pickupsといった象徴的なバンドや、Julie、Bar Italia、Hotline TNTといった同業者のオープニングを務めた。 バンドは、Pitchfork London & Paris、Bumbershoot、Best Friends Foreverなど、世界中のフェスティバルのステージに出演した。
先月、ピクシーズのフランク・ブラックのオープニングアクトをカリフォルニアで務めた後、ロケットは「Take Your Aim」のリリースを記念し、今週末(2月8日)にロサンゼルスのZebulonでライヴを開催する。
ロケットの新曲「Take Your Aim」は、オルタナティヴロックの普遍性を思わせるものがある。90年代のヘヴィロック、2000年代以降のメロディックパンクを下地に、現代的なロックのテイストを付け加えている。彼らのサウンドはロックソングの永遠性が込められている。
バンドのサウンドには、Pearl
Jam、Alice In
Chiansに象徴されるグランジのオリジナル世代の幻影がちらつく。全体的なサウンドはストーナーの影響下にあり、トニー・アイオミの系譜にある重厚なギターリフ、それとは対象的なエモーショナルなボーカルがロケットのサウンドの土台になっている。バンドの象徴的なナンバーが登場したと言っても過言ではないかもしれない。