ユタ/ソルトレイクシティのインディーロックバンド、The Moss(ザ・モス)がニューシングル「Darkness」をリリースした。バンドの音楽は、オーガニックインディーロックと呼ばれる。

 

ディスコなどのダンスミュージックをベースとしながらも、イーグルスのバラードソングのように哀愁を感じさせる楽曲である。リリックビデオが公開されているので下記よりご覧ください。

 

S-Curve Records(Yola、Andy Tonglenをルースターに持つ)からリリースされたこのシングルは、輝く曲調、ユニークなビジョン、オーガニックなインディーロックで知られるThe Mossの1年以上ぶりの楽曲となる。 "Darkness "は、彼らの待望の次作EPからのリリースだ。 


タイク・ジェイムス(ヴォーカル/ギター)とアディソン・シャープ(ギター)は、10代の仲間としてオアフ島の海岸からユタ州のグレート・ソルト・レイクに移り住み、ウィリー・ファウラー(ドラムス)、カイデン・ジャクソン(ベース)と共にザ・モスを結成した。 グループの主要ソングライターであるタイクは、自身の個人的な経験や情熱をザ・モスの晴れやかで陽気な楽曲に注ぎ込んでいる。 


バンドの洞察に満ちた楽曲と記憶に残るライブ・ショーにより、ザ・モスはAlternative Press、Under The Radar、The Alternative、LADYGUNN、Earmilk、Atwood Magazine、OnesToWatchなど、世界中の音楽メディアから高い評価を得ている。 ニューシングル "Darkness "は、待望のEPからのリリース。 

 

バンドのタイク・ジェイムスは、「"Darkness"は、誰かを深く思いながらも、自分の感情を整理するために相手から離れる必要があるという、この循環的な思考として書かれている」と打ち明けている。

 

The Mossは7500万回以上のストリーミングを記録し、Alt Pressから "Rising Artist To Watch "として高い評価を受けている。 バンドは2025年にアメリカで50以上のヘッドライナー公演を行い、8月にはマウント・ジョイと共演する。 最近、バンドは、BottleRock、Levitateなどに出演している。今後の活躍が楽しみなロックバンドだ。

 

 

 「Darkness」

 

 

【Feature+】 Your Future Ghost、ニューアルバム『Impatient for the Dream』をリリース   ~黙示録的な世界の混沌の中で、楽しみ、パーティー、避難所を見つける~

 


Your Future Ghost(ユア・フューチャー・ゴースト)は、ビルボードにチャートインするシンガー・ソングライター、ミュージシャン、女優のケイト・ヴォーゲルと、ソングライター、プロデューサー、作曲家、俳優と多方面で活躍するマイケル・グラブスの新しいシンセ・ポップ/ロック音楽プロジェクトである。

 

Your Future Ghostは2023年頃に1度話題を呼んだデュオである。マイケル・グラブスとケイト・ヴォーゲルのコンビは、まさに陰と陽の性質を持つが、表側に出てくるのは、どこまでも痛快なポップバンガーだ。デュオは今週、ニューアルバム『Impatient for the Dream』をリリースした。


ケイトとマイケルが最初に出会ったのは、The CW(The CW Television Network: Waner系列の放送局)の人気ヒットTVシリーズ『One Tree Hill』の撮影現場だった。 急接近した友情と相互のクリエイティヴな尊敬の念を抱いた2人は、パンデミックの最中、ズーム越しに音楽的なコラボレーションを始めた。 

 

「テキサス州オースティンで行われた数ヶ月にわたるスタジオ・セッションの後、にぎやかな裏庭でのタコスの休憩を織り交ぜて、意気投合したとき、Your Future Ghostのプロジェクトが誕生した」とケイト・ヴォーゲルは、2人のクリエイティヴな融合のきっかけについて語っている。 

 

2人はすぐにマイアミで開催された国際的に有名なアート・バーゼル・フェスティバルで、彼らの特徴であるダーティーなインディー・シンセ・ポップを披露し、圧倒的な反響を得た。


ニューアルバム『Impatient for the Dream』には、陽気でワイルド、そしてダークなポップ・ソングが収録されている。  大きなギター、轟音ドラム、印象的なシンセサイザーのパワフルなブレンドで、Your Future Ghostは、ヴォーゲルによれば、"ポスト黙示録的な世界の混沌の中で、楽しみ、パーティー、避難所を見つける "ことにインスパイアされたアルバムを作り上げた。 

 

彼女はさらに、「このアルバムは、ちょっとお荷物で、悪いタトゥーや疑わしい考えを持っているけれど、いつもどんなハング(抱擁)も忘れられないものにしてくれる友達」だと語っている。 また、マイケルは、「このアルバムは、ケイトと僕のありのままの姿でもあるんだ。 夜中の1時にバーで、大胆不敵で、楽しい時間に酔っぱらっていて、完全に気が狂っているような感じだ。でも、それこそ僕らの姿なんだ」と話す。


「リード・シングルの "We've Got Places "は、世の中で起こっているどんなノイズからも逃れられる場所、それが実際の場所であれ、人であれ、何か他のものであれ、混沌から逃れて自分らしくいられる場所は誰にでもあることだと思う」とケイトは打ち明ける。 この曲は、重なり合うハーモニーとみずみずしい楽器の音色が魅力的だ。


ハイライト曲「I'm Like Money』は、自己表現と臆面もない完全な独自性の宣言である。 「この曲は、ありのままの自分でいることの喜びを味わうことを自分自身に許可している証なの」とケイトは述べている。 

 

「ある意味では、この曲は自分がワルであることを祝い、自分がワルであることを自覚することを歌っている。 音楽業界やエンターテインメント業界で働く女性として、私はこのようなことをよく経験してきました。人々は、あなたがどのような人間であってほしいか、どのようにあなたを型にはめ、そのように形作るかという、とても具体的な考えを持っている。 この曲は、パワーを取り戻すこと、自分の価値と自分がもたらすものを知ること、そして必要なときには "自分に触らないで "と言うことを恐れないことについて歌っているんだ」

 

骨太でハードなギター・リフ、パンチの効いたインストゥルメンテーション、そして止まらないポップ・フックを持つ "I'm Like Money "は、爽快で大胆不敵な自己愛バンガーだ。 


このアルバムには、社会から課せられた制限を掘り下げ、個人の多次元性を強調した「Oh La La (Animal)」などの追加シングルが収録されている。 この力強い物語は、「セクシュアリティを理由にパワフルな女性が悪者にされること」をテーマにしている、とグラブスは打ち明ける。 自信に満ちたヴォーカルとブリブリとしたハーモニーは、このカタルシスをもたらす重低音のインディートロニカ・トラックで際立っている。 


一方、爆発的なインディー・ダンス・パーティー・アンセム "PRITTY "は、ニュー・ウェーブ、パンク、エレクトロ・ポップを融合させ、夢中になる魅力と、誰かの乱雑な行動を許容するために私たちがどこまでやるかを探求する、酔わせるようなブレンドを生み出している。


コミュニティ、スポットライトを浴びた経験、正真正銘に堂々と生きる自由からインスピレーションを得たYour Future Ghostは、魅惑的なパラドックスを体現している。  グラブスは次のように語っている。 「それは簡単なことじゃないんだ。 僕はサッドボーイのようなエモい男で、ケイトはシンガーソングライターのポップ・スターなんだ」  彼らの音楽は、ユア・フューチャー・ゴーストの無限の才能と奔放な創造性を見せつけ、大きな反響を呼ぶに違いない。



「I'm Like Money」 

 

 

Your Future Ghost 『Impatient for the Dream』- New Album Out Now!! 

 


 

 



9m88 / Phum Viphurit
 

バンコクのシンガーソングライター、Phum Viphurit、台湾のネオソウル・アーティスト9m88がコラボレーションシングル「Sleepless on the plane(失眠航班)」をリリースした。同楽曲は、中国の音楽プラットフォーム”Netease Cloud Music”が主催するコライト・キャンプ・プログラムの一貫として杭州にて製作されました。


先日リリースされたPhum Viphurit & 阿克江Akin名義のシングル「幸福回忆 Sweet Memories」と同様、Phum Viphuritと新疆ウイグル自治区出身のアーティスト阿克江Akin、中国のフュージョン・バンド布朗尼(The Brownie Band)の黄子健(Brownie)とLAのプロデューサー/エンジニアのRafael Manuel Alvarez(Different Sleep)の4名による共作です。


88rinsigに所属するロサンゼルスのシンガー、NIKIとの「Strange Land」、坂本龍一が生前にその才能を賞賛した韓国のポップシンガーソングライター、So!YoON! (SE SO NEON)との「Wings」など、女性アーティストとのコラボの相性の良さには定評があるPhum Viphurit。9m88との英語/中国語のツイン・ヴォーカルは抜群の心地よいチルアウトトラックとなっています。

 

リリックビデオが公開されていますので、下記よりご覧ください。

 


「Sleepless on the plane(失眠航班)」




Phum Viphurit & 9m88 「Sleepless On The Plane(失眠航班)- New Single 


 

ストリーミング:

https://lirico.lnk.to/sleeplessontheplane



Basic Channel傘下のChain Reactionから2001年にデビュー以来、10年以上の沈黙を経て、2014年以降、UK・マンチェスターのレーベルDDSよりコンスタントにリリースを重ね、ダブテクノ/ミニマル等のクラブオーディエンスのみならず、全世界の熱心な音楽ファンを魅了する電子音楽家【Shinichi Atobe】。


本日、Shinichi Atobeが自身のプライベートレーベル【Plastic & Sounds】を設立したことを発表した。さらに、第一弾となるリリース「 A.Whispers into the Void | AA.Fleeting_637」が12INCH(45RPM/Limited Press)レコードとデジタルでリリースされた。この曲のテースターは下記より。


今回、発売された12インチには、ミニマルなシンセとリズムから、流麗なピアノのリフレインの導入と共に徐々に禁欲的に展開する「Whispers into the Void」、そして、BPM125前後のフロアライクな没入ミニマル・ダブテクノ「Fleeting_637」が収録。マンチェスターのModern Loveのカタログのようなダンスミュージックとしてお楽しみ下さい。

 

レコードのプレッシングにもこだわりがある。マスタリング/レコード・カッティングには、Shinichi Atobeの作品を多数手がけてきたベルリンのRashad Becker(ラシャード・ベッカー)が担当した。



After more than 10 years of silence since his debut in 2001 on Chain Reaction subsidiary of Basic Channel, he has been consistently releasing music since 2014 on DDS label in Manchester, UK, attracting not only the club audience of dub techno / minimal but also the enthudieatic music fans around the world. Electronic musician Shinichi Atobe has established his own private label Plastic & Sounds.

 

The first release on Plastic & Sounds includes two tracks: ‘Whispers into the Void’, which gradually and ascetically develops from minimal synths and rhythms with the introduction of a flowing piano refrain, and the floor use ‘Fleeting_637’, which develops immersive minimal dub techno at around 125 BPM. Mastering / record cutting was done by Rashad Becker in Berlin, who has worked on many of Shinichi Atobe's productions.



 

 

▪Shinichi Atobe「A.Whispers into the Void | AA.Fleeting_637」- New Single (12 Inch Version)



 

12INCH (3,500Yen+Tax Incl.) | 2025.07.25 Release | DDJB-91257 (P&S001)

Released by Plastic & Sounds | AWDR/LR2

[ https://plasticandsounds.bandcamp.com ]



A.Whispers into the Void AA.Fleeting_637


Sounds:Shinichi Atobe

Mastering & Cutting:Rashad Becker

Design:Satoshi Suzuki



Digital Releases




Shinichi Atobe「Whispers into the Void」

Digital | 2025.07.25 Release | DDJB-91257_1

Released by Plastic & Sounds | AWDR/LR2

[ https://ssm.lnk.to/whispersintothevoid ]

[ https://plasticandsounds.bandcamp.com ]



Shinichi Atobe:


埼玉を拠点に活動する電子音楽家。ダブ・テクノ、その後の00年代の一大潮流"ミニマル"にまで至る90年代のカルト・レーベルBasic Channel傘下のChain Reactionからリリースされた12インチ「Ship-Scope」(2001年)でデビューを果たす。その10年後となる2010年代初頭、マンチェスターのデュオDemdike Stareの働きかけによりレーベルDDSから初のフル・アルバム「Butterfly Effect」(2014年)をリリース。

それ以来同レーベルからコンスタントに「World」(2016年)、「From The Heart, It's A Start, A Work of Art」(2017年)、「Heat」(2018年)、「Yes」(2020年)、「Love of Plastic」(2022年)、「Discipline」、EP「Ongaku 1」(2024年)をリリース。クラブオーディエンスだけでなく多くの音楽リスナーを獲得し、多様な音楽媒体からも定評を受けている。


伝説化されたChain Reactionからのデビュー、DDSからのリリースをきっかけに世界に知れ渡ることになるものの、謎めいた稀有な存在として注目をされ続けている。2025年には自身のプライベート・レーベル【Plastic & Sounds】を設立。



Shinichi Atobe is a Electronic Producer based in Saitama/Japan. 

 

He made his debut with the 12-inch “Ship-Scope” (2001) released on Chain Reaction, a sub label of Basic Channel, a 90s cult label leading to dub techno and then the “minimal” trend of the 00s. 


A decade later, in early 2010s, he released his first full-length album, “Butterfly Effect” (2014) on DDS label by lobbying of Manchester duo Demdike Stare.


Since then, he has consistently released “World” (2016), “From The Heart, It's a Start, a Work of Art” (2017), “Heat” (2018), “Yes” (2020), “Love of Plastic” (2022),  “Discipline” and the EP ‘Ongaku 1’ (2024). He has garnered a large number of music listeners as well as club audiences and has received acclaim from various music media.


Although his debut on the legendary Chain Reaction and his releases on DDS have brought him to the attention of the world, he has remained an enigmatic and rare entity.In 2025, he established his own private label, "Plastic & Sounds". 



『Precipice』は”絶壁”を意味する。そして、これはアーティストがかなり厳しい局面にあることを暗示する。しかし、果たして、これは誇張的なタイトルなのだろうか? 野生の空間が手招きしているような、高い岩棚に立っている瞬間がある。 その瞬間、本能がかき立てられる。もし飛び降りたら? それは「虚空の呼び声」と表現され、感情や衝動よりもどこか原始的な体験である。 


『Precipice』で、インディゴ・デ・スーザは創造的かつ精神的な崖の上を見つめ、ただ飛び降りる。 そして、その覚悟はすでに彼女に備わっている。ノースカロライナ出身の彼女は、多作で詩的なシンガーソングライターであり、わずか7年の間にすでに3枚のアルバムと4枚のEPを発表している。

 

最新のフルアルバム(2023年発表の『All of This Wild End』)は、その大胆なボーカルとスリリングなソングライティングで絶賛を浴びた。 しかし最新作では、デ・スーザは空虚な呼びかけを聞き、呼び戻し、ポップな大げささと日記的な明瞭さによって困難な記憶や帯電した感情をコントロールし、より強い自分を見出している。

 

「人生とは、それが何なのかわからないまま、何かの淵に立たされているようなものだ」とシンガーソングライターは言う。 「音楽はその感覚を生かす方法を与えてくれる。 新しい方向に突き進むための方法をね」


アルバムのタイトル曲で、デ・スーザは変化という潜在的な暗闇に立ち向かい、身を委ねることに希望を見出す。 "崖っぷちまで来て/命がけで踏ん張って/世界を眺めて/何もかもが暗くなってしまった"。 このような感情的な大胆さは、デ・スーザにとって決して新しいものではないはずだ。 

 

元々、彼女のカタログには、揺るぎない正直さと、揺るぎないパーソナルなソングライティングが溢れている。 「何か恐ろしいこと、あるいは何か美しいこと、良くも悪くも私の人生を変えるようなこと、そんな崖っぷちに常にいると感じている」とデ・スーザはつぶやく。 

  

そのために『Precipice』はデ・スーザの未曾有の世界を開拓する。 新たな挑戦として、このソングライターは、ロサンゼルスでのブラインド・スタジオ・セッションに挑み、協力者の広がりと音楽に集中できることを喜ばしく思った。 

 

「以前から、もっとポップな音楽に取り組みたいと思っていたので、ロサンゼルスに来たときは、それを実現する手助けをしてくれる人たちに会うようにしました」と彼女は言う。 「一緒に踊りながら、心が幸福感で満たされるような音楽を作りたかったのです」


そのセッションの中で、彼女はプロデューサーのエリオット・コゼルと素早く深い絆で結ばれた。彼はSZAやYves Tumorのようなミュージシャンのプロデュースやコラボレーションを手がけてきた人物で、フィニアスでテレビ番組の音楽を担当したことは言うまでもない。 デ・スーザとコゼルは、このアルバムの制作の目処がつくと、すぐにハイライト「Not Afraid」の制作に取りかかった。 

 

「Not Afraid」はアルバムの未知への大胆な挑戦の布石となった。 この曲はまた、長く重要なコラボレーションの始まりを告げるものだった。つまり、このハイライト曲を中心にフルレングスが組み上げられていく。アルバムの制作は驚くほどスムースに進んでいった。「エリオットは、歌のために自分自身をさらけ出すスペースを与えるのが本当に上手なので、私は音楽的にも個人的にも、とてもよく見てくれていて、尊重されていると感じた」とデ・スーザは言う。 「この曲は、私がこのアルバムをどうしたいかの羅針盤になった。意味とフィーリングを持ったポップ・ソング、リアルな人間性を表現した歌詞のポップ・ソングを制作することになった」


リードシングル「Heartthrob」は、その象徴となりえる。2人が見出した恍惚とした二面性、即効性のあるエネルギーと思慮深い深さの両方をもたらす方法を例証している。 この曲は、若者を搾取したり、食い物にする人々への牙を剥いた非難であり、パノラマ的なインディーロックの輝きで表現されている。 マルチ・インストゥルメンタリストのジェシー・シュスターのギターのリフがデ・スーザの歌声を押し上げ、彼女の声は痛みと怒りの間で揺れ動く。 "神様、私が大人になったら/満杯のカップを持ちたい/真のハートフルボディになりたい"。 「私は過去に有害な経験をしてきたため、音楽を介し、その感情を処理するのに役立っている」とデ・スーザは言う。 これまでどのような評価がなされようとも意に介さず、コンスタントに良作を発表しつづけ、多作なミュージシャンとして知られてきたスーザ。音楽を制作することは、大きな意味があるという。「私にとって音楽制作というのは、自分がまだ完全な人間であることを思い出させる方法なのです」とデ・スーザは言う。それはおそらく、音楽制作によって人間的な成長を遂げるための一つの道しるべのようなものなのだ。

 

 

Indigo De Souza 『Precipice』 - Loma Vista


インディゴ・デ・スーザは、崖から海に飛び降りるかのように、大幅に音楽性を変更している。従来はインディーロックシンガーの立場に甘んじることが多かったが、それらのジャンルの境界を打ち破り、この作品では、テクノポップを中心とするポピュラーシンガーへと劇的に転身している。


今回の大胆な音楽性の転換は、アーティストの評価を大きく左右する可能性もあるかもしれない。フィニアスへの楽曲提供を見ても分かる通り、この人は元来ヒットソングを書く才能に恵まれている。絵画的な印象は相変わらず。アートワークのドクロ。それらは、ある種のトラウマ的な感覚から出発しているが、このアルバムではそれらが変容しつつある。印象主義だが、錯綜とした印象を持つニューサイケともいうべき派手なアートワークの印象。これまでとは対象的にポリネシア的な明るさ。それから海のような爽快なテーマが見え隠れする。これはポリネシア的なイメージに縁取られたミレーの「落ち穂拾い」のモチーフの継承でもあろうか……。

 

音楽的にも、それらのポリネシア的なイメージ、海と太陽、そして、Human League、a-haの系譜にあるテクノ・ポップ/エレクトロ・ポップが組み合わされ、最終的にはバイラルヒットを見込んだポップソングと結びつく。アンセミックなフレーズを唄うことを恐れず、これ以上、ニッチなアーティストとしてとどまることを忌避するかのようだ。さらに、このアルバムの原動力となったのは、内側から沸き立つ怒りの感情であった。それらはいくつかのハイライト曲の歌詞でも暗示されている。しかし、怒りを建設的なパワーに変換させ、世界への批評的な精神にシフトチェンジする。要するに暗い感情を明るい感情に変換させるというのが、このアルバムの目論見だった。それは達成されたのか。それらをひとつずつ丹念にときあかしてみたいと思う。

 

 

「Be My Love」は、アルバムの重要なインタリュード。インディゴ・デ・ソーザが得意とする旋律のラインが引き継がれている。しかし、従来のようなロック的なイディオムで繰り広げられるわけではない。パワフルなシンセがボーカルと共鳴しながら、決意表明のような形で音楽そのものが展開されていく。ボーカルをモーフィングしたシンセパッドが楽曲の全体的なストラクチャーを決定付け、それらに対してアカペラ風の歌唱が披露されたあと、デ・スーザのボーカルがアンセミックに鳴り響く。そして、青い海や海岸の風景を縁取るかのように、清涼感に満ちたソロボーカルが続く。 また、メインのボーカルに対して、シンセサイザーがフーガ(追走)の形式を図り、カノン(輪唱)のように続く。


ディレクションとして大胆なこの曲は、ミューズ的な優雅な響きがあり、雄大なイメージを持つ。アルバムのタイトルと呼応するかのように、崖の上に立つシンガーが午後の太陽の照り返しを受けながら、また、水しぶきを感じながら歌を紡ぐような印象的なオープニングである。そして、スーザのボーカルの旋律進行が徐々になだらかな起伏を描きながら上昇していく箇所は圧巻だ。旋律の中では、ヨナ抜き音階を登場させ、東洋的な響きを持ち合わせている。まるでエナジーをかき集めるかのように、デ・ソーザの歌はパワフルでエネルギッシュな印象を帯びる。

 

「Crying Over Nothing」は、”ヒットメイカーによるヒットメイカーのための教科書”である。イントロでは、ジャジーな響きを持つエレクトリックピアノが演奏され、シンセのシークエンスがそれらの情感を引き上げ、YMOのようなアジアンテイストのテクノポップがその後に続く。このあと、どんな音楽が続くのか読めない。そして、デ・スーザのボーカルの印象は、従来とは変化し、感情的ではあるが、静かで落ち着いた人格的に円熟味のある雰囲気を帯びている。これまでに控えめだったソウルフルな歌唱が加わり、その歌には淑やかさがほとばしる。はたして、デ・スーザの以前のアルバムで、こういった慈愛的な歌声を聴くことが出来ただろうか。


そして、ヴァースからブリッジを経て、コーラス(サビ)の箇所へ移行する瞬間、ダンスポップの珠玉の名曲へと変貌する。口ずさみやすいキャッチーなメロディー、乗りやすいリズム/ビート、シンセのきらびやかな対旋律、これらが三位一体のように、珠玉のポップソングを作り上げるための礎となっている。(イントローヴァースーブリッジーコーラス)という基本的な構成であるが、その明快さを強調することで、むしろ曲の完成度を高めている。次いで、ブリッジからサビ(コーラス)への音量的な変化もまた、バンガーの性質を高める要因となった。構造的にも、最後まで手を抜かずに、シンセサイザーが簡素だが華麗なアウトロを形成している。最近は、構成を度外視したポップソングが多い印象を受ける。けれど、そもそもポップソングほど形式主義の音楽は存在しない。あらためて、この曲の構成的な美しさを確かめてみてほしい。

 

 

三曲目に収録されている「Crush」は前曲の音楽的な気風を受け継いでいる。しかし、バンガー風の「Crying Over Nothing」とは対象的に、イントロは、Human League、a-ha、Culture Clubの系譜にあるレトロな80年代前後のテクノポップ。そして、モジュラーシンセでユニークな音色を施したあと、絶妙なタイミングでボーカルが入り、音楽が進展してゆく。楽曲の背景となる音楽は、レトロな雰囲気に満ちたシンセポップなのだが、それとは対象的にスーザのボーカルはビリー・アイリッシュ/フィニアスのモダンなポップソングの範疇に類する。軽やかな感覚を持ち、それほどシリアスにならず気軽に楽しめるという点で、夏のプレイリストに欠かせない良曲だ。


夏の海やビーチ、パラソルを彷彿とさせる爽やかさ、海のさざ波、太陽を体現するかのように、風通しが良く、健康的なポピュラーワールドを構築していく。この曲では、レトロとモダンを混在させ、見事なコントラストを描く。何より、デ・スーザのボーカルと打ち込みのドラムが心地よいアンサンブルを形成する。ここには、現代社会を象徴付ける機械的な概念と人間的な概念の混合が捉えられる。曲の後半では、ディープハウスのダンスビートに変化し、ダンサンブルなリズムが強調される。これほどまでにダンスミュージックを強烈に意識した曲はスーザとしては珍しい。音楽に季節感があり、夏の暑さを和らげるような清々しさを兼ね備えている。

 

ハイライト「Not Afraid」は、ビリー・アイリッシュの系譜のあるポップソングだが、実際的にはそれほど難解ではあるまい。

 

この曲では、恐れから始まり、それとは対極にある勇気の領域へと足取りを進めるシンガーソングライター、デ・ソウザの軌跡がなかば暗示的に描かれていると思う。海のように透き通った雰囲気を演出するシンセサイザーのイントロ、ナイーヴでセンチメンタルな感覚を持つボーカルが続く。シンセポップによるバラード風のヴァースでは、ドラムのミュートの小刻みな奏法が心地良く響き、リズムの代わりを務め、スーザの歌声の雰囲気を上手い具合に盛り上げている。

 

この曲でも、旋律の抑揚がなだらかに上昇し、サビ(コーラス)で頂点を迎えるという、王道の作曲技法が取り入れられている。曲のイントロからヴァース全体を通じて、デ・ソーザのボーカルが純粋な感じがして、じっくり聞かせるものがある。ときおり、トリッピーなシンセも登場することもあるが、それは曲の表情付けに過ぎず、雰囲気を損ねることはない。ある意味では、美しい旋律とノイズという、アンビバレントな印象を交えながら、この曲は異なる性質を併存させて進行していく。曲のタイトルのフレーズが歌われる時、インディゴ・デ・スーザのミューズ的な歌唱が圧巻の風格を持ち、パワフルな印象を持つポップソングにより、聞き手と勇気を共有する。最終的には、ロックシンガーの気質が、バンガー調のポップソングと絶妙なバランスを保っている。一定のノイズ性を備えた上で、カタルシスを携えながら、アウトロでは静けさに帰る。この曲では、表面的な音楽的な要素と合わせて、マクロコスモスの音楽が発露する。

 


「Not Afraid」

 

 

 

「Be Like a Water」では、テクノ・ポップやエレクトロ・ポップをベースにした落ち着いた曲に戻る。ただ、この曲の音楽性を決定づけているのは、形式論でもなければ方法論でもない。従来のアルトロックシンガーとして培ったロック的な性質、ポリネシア的な民族音楽の要素、次いでソウルミュージックからの影響である。 それらが他者が真似できない絶妙な形で混在しているため、音楽的にも洗練されている。それはまた、いかなる流行の音楽にも揺り動かされぬ自立心を意味する。


別の見方をすれば、音楽というのは、制作者や共同制作者の音楽的な文化観の集積なのである。そもそも、文化的な感性の集積がなければ、上質な作品を作り上げられることは難しいと思う。


それらの微細なマクロの要素が、全体のミクロを作り上げる。デ・スーザは、これまでに水というテーマを何度か書いてきた覚えがある。それは考え方によっては、シンガーの民族的なルーツが海や水であり、彼女のルーツを辿るような趣旨があるのかもしれない。それが最終的にはアメリカのカルチャーというレンズを通して、音楽そのものが発露する。

 

 

「Heartthrob」は、販売元のLoma Vistaがもう一つのハイライト曲であると指摘する。同時に、フルレングスの制作の指針となった''重要な楽曲''でもある。アルバムの中で、最もギターロック的な性質が強いことが分かる。この曲では、個人的なテーマから離れて、よりよい社会への提言が行われている。それは''若者に対する搾取に対する怒り''がベースになっているというが、明るいエネルギーに変換されている。”歯止めの効かない世界に対する怒り”を表明するデ・スーザ。 それは、表層的な政治や社会現象というより、大きな視点からみた義憤なのかもしれない。


実際的なアーティストの人生とどこかで連動するように、暗示的なメッセージとして心に残る。しかし、少なくとも、この曲は、そういった世界に対する怒りこそあれ、表向きには批判的な内容とはいいがたい。The 1975、ジャック・アントノフのブリーチャーズを彷彿とさせるフラットなロックに根ざしたポップソングは、これまでのシンガーソングライターの軌跡と連動するように、曲の節々で異なる音楽的な印象を放つ。

 

私の知るかぎりでは、デ・スーザの旧来のカタログでは、それほど民族音楽のような音楽性が顕わになることは少なかった印象である。そのせいなのか、「Dinner」はかなり驚かされるものがあった。短い端的な曲であるが、デ・スーザがそういったワールド・ミュージック的な志向を初めて明らかにしている。


これは、このシンガーにとって記念碑的な曲となるかもしれない。ソングライターとして成長するというのは、人間的に成長することと同意義であることが分かる。これはプライベートと職業の二つの顔を使い分ける人々にはたどりつけない場所ではないか。それは背伸びをすることでどうにかなるものではない。人間のゆっくりとした歩みがその人を内面を成長させ、他者の目には映らない。音楽としては、アンビエント風のシンセ、そしてピアノが琴線に触れるバラードソングと融合している。アルバムの全体的なテーマであるオーガニックな印象がより明瞭になる。なぜか最後まで聴くのが勿体ないような楽曲である。ぜひ抑えておいていただきたい。

 

「Dinner」 

 

 

 

さらにアルバムの後半に収録されている「Clean It Up」にも、デ・スーザのヒットメイカーの才覚が滲み出ている。この曲では、親しみやすいメロディー、そして、ビートという基本を踏襲した上で、同じく、エレクトロ・ポップという、アルバムの核心をなす音楽性が一般的な商業音楽として収録されている。今回は、ギターを入れず、間奏のソロをシンセの演奏で代用している。


しかし、こういった曲もシンガーの知られざる一面を体現させているに過ぎない。これまで封印してきた印象もあったボコーダーも登場し、現代的なポピュラーソングの影のように裾野を伸ばす。こういったバイラル的なポップソングを惜しみなく提供していることが、『Precipice』の価値なのだろう。


その中で、やはり、デジタル化される社会の中で、リアルな人間性をどのように保つのかという点が、こういったバンガーでもはっきり提示されているように思える。また、ミュージシャンとしては、自分らしさや正気を保つということでもある。


「Heartbreak」も聴き逃がせない。フォークロックという形で異色を放つ。この曲でもUSロックをベースにし、デ・スーザ節ともいうべき旋律進行が登場する。しかし、そのボーカルには従来のロックソングのような、はつらつとした幼さはない。その歌声は、いよいよ円熟期に差しかかったことを伺わせる。何か渋い感覚を持ち合わせており、じっくりと聞かせるものがある。

  

「Pass It By」は、それとは対象的に軽快なテクノポップである。同じように現代的なテクノロジーと人間性を秤にかけている。ベッドルームポップのスタイルを継承し、疾走感のあるエレクトロポップを提供している。


この曲もまた、現代のポップソングの典型的な模範例となるかもしれない。淡々としたシンプルなヴァースから、多幸感を持つ甘いコーラスに移行するという、お約束の構成がある。部分的にはオートチューンも登場するが、やはり曲の構成に安定感があり、安心して聴いていられる。


オートチューンを用いたシークエンスがそのまま次の曲の呼び水となり、エンディングの導入部となる。「Precipice」は、このアルバムの音楽性の重要なテーマとなる開放的な感覚や海の雄大さのイメージに浸される。それは実際的に、アートワークの印象と音楽がぴったりと重なり合う瞬間なのだ。


インディゴ・デ・スーザのミューズのように迫力がある歌声、波を象徴付けるパーカッシヴなシンセの音響効果に押し上げられて、ダイナミックなエンディングが現れる。音楽が単一の媒体に終始せずに、異なる媒体と連動し広く展開していくことが、このアルバムの最大の魅力ではないか。聴くたびに、驚くほどリスニングの印象が変わりえる。インディゴ・デ・スーザは、この数年を通じて驚くべき成長を遂げている。もはや誰にも彼女を止めることはできない。

 

 

 

90/100

 

 

「Precipice」

 

 

 

▪Indigo De Souzaのニューアルバム『Precipice』は本日Loma Vistaから発売されました。各種ストリーミングはこちら 


イギリス系インドネシア人アーティストのNadia Kadek(ナディア・カデック)が、セカンド・シングル「Lemonade」で鮮烈な復活を遂げた。爽やかな涼風のようなフォークポップソングで、夏の暑さを和らげてくれる。


このインディーアルトポップは、22歳の彼女の明瞭な歌詞、爽やかなプロダクション、そして控えめな感情が炸裂するメロディーを披露している。 ロマンスへの生来の美しい憧れを探求したこの曲は、静かな自信に満ちたソングライターの注目すべき紹介曲となっている。


このリリースには、Pale WavesやMatt Malteseとの仕事で知られ、権威あるBAFTA CONNECTのメンバーでもある、数々の賞を受賞している脚本家兼映画監督のGeorgie Cowan-Turnerが監督した公式ビデオが付属している。下記よりご覧ください。


今日のシングル・リリースについて、ナディアは次のように語っている。


『レモネード』を書いた当時は、ロマンスや親密さとの暑苦しい関係について書いていたの。 それから2年が経ち、この曲は私の人生には馴染まなくなったが、私の周りの多くの人々の中にこの曲があるのを目にするようになった。 


この曲は、憧れを祝福し、それがいかに人間らしい経験のひとつであるかを認めている。 巨大なドラムと何層にも重なったきらびやかなギターでこの曲をレコーディングすることで、私の中の子供が10代のインディーズ・バンドの夢を実現することができました。


ミニマルなアルト・ポップとシンガー・ソングライターの感性がブレンドされたこのデビュー・シングル「Feeling It All」で、ナディア・カデックは瞬く間に人々を魅了する力を証明した。

 

BBC Radio 1で何度も再生されデビュー、BBC 6 Musicでインタビューを受けほか、NME、CLASH、The Line of Best Fit、DIY、Wonderland、COLORS、Music Weekなどのテイストメーカーから早くも支持を得た。


ノーフォークの静かな田園地帯で育ったナディアは、自分自身を「フェスティバル・ベイビー」と表現し、フローレンス+ザ・マシーンやジェフ・バックリーなどのサウンドトラックを聴きながら、キャンプ場までの長い車中泊の旅の中で、初期の音楽的記憶を形成していった。 


フェスティバルを楽しむ仲間たちの肩の上でヒーローを見守り、グラストンベリー2024のエマージング・タレント・コンペティションで準優勝して演奏するまでになった彼女の物語は、すでに一周した瞬間と静かな並外れた決意のひとつである。


現在、ロンドンを拠点に活動するカデックは、ライブ・パフォーマンスの力で着実に熱狂的なファンを増やしている。 彼女の生の才能と粘り強さを見せつけるセルフ・ブッキング・ライブの後、Kadekは、今日最も尊敬され、境界を押し広げるアーティストを育てていることで有名なレーベル、Transgressive Recordsの目に留まった。


「Lemonade」と「Feeling It All」は、ノスタルジア、傷ついた家族の絆、つかの間のロマンス、そして赦しの静かな回復力をナビゲートする、夏の終わりのほろ苦い輝きの中にあるコレクションである。 エイドリアン・レンカー、リジー・マクアルパイン、マギー・ロジャースといったアーティストの明晰な感情を思い起こさせる。

 



「Lemonede」





Nadia Kadec 「Lemonede」-New Single



ナディアの印象的なライブの経歴には、今年のグラストンベリー・フェスティバルでのパフォーマンス、BSTハイド・パークでの見事なセット、グレート・エスケープでの2回のショー、パリス・パロマ、エタ・マーカス、コーデリアのサポート・スロットが含まれる。 今後は、ラティテュードやピッチフォーク・フェスティバルなどへの出演が決定しており、次のロンドン公演は8月14日にザ・ウェイティング・ルームで行われる。 今後のライブ日程は以下の通り。
 


Tour Date:
 
26th July - Latitude Festival
 
27th July - Deer Shed Festival, Topcliffe
 
14th August - The Waiting Room, London (free event)
 
14th-18th October - Wild Paths Festival, Norwich
 
7th November - Mutations Festival, Brighton
 
8th November - Pitchfork Festival, London
 
 
 
Speaking about today’s single release, Nadia shares “At the time I wrote Lemonade, it was about my hot and cold relationship with romance and intimacy. Feeling weak for relying on validation because it was the closest thing to love I could find (classic uni experience). Two years later, this song has grown to fit less into my life but I see it in so many of the people around me. It’s a celebration of longing, acknowledging how it’s one of the most human experiences we can have. Recording this song with huge drums and layers of sparkly guitars allowed my inner child to live out her teenage indie band dreams which was so cool.”

With her recent debut single ‘Feeling It All’ - an evocative blend of minimalist alt-pop and singer-songwriter sensitivity - Nadia Kadek quickly proved her ability to captivate, earning multiple plays and a debut on BBC Radio 1, an interview on BBC 6 Music, and early support from tastemakers including NME, CLASH, The Line of Best Fit, DIY, Wonderland, COLORS, and Music Week.

Raised in the quiet countryside of Norfolk, Nadia describes herself as a “festival baby,” with early musical memories formed on long car journeys to campsites, soundtracked by the likes of Florence + The Machine and Jeff Buckley. From watching her heroes on the shoulders of fellow festival-goers, to playing Glastonbury 2024 after placing runner up in their Emerging Talent Competition, her story is already one of full-circle moments and quietly extraordinary determination.

Now based in London, Kadek has steadily built a devoted following through the power of her live performances. After a string of self-booked live shows that showcased both her raw talent and tenacity, Kadek caught the attention of Transgressive Records, a label renowned for nurturing some of the most respected and boundary-pushing artists of today.

‘Lemonade’ and ‘Feeling It All’ provide a glimpse into a forthcoming project – a collection that sits in the bittersweet glow of late summer, navigating nostalgia, bruised family dynamics, fleeting romances, and the quiet resilience of forgiveness. Her lyricism is both disarmingly honest and delicately poetic, recalling the emotional clarity of artists like Adrianne Lenker, Lizzy McAlpine and Maggie Rogers.


サイバートラックがストリートを席巻している。 もう誰も「売り逃げ」を恥じることはない。 ウェンディーズはあなたの友達になりたがっている。 しかし、ロサンゼルスのAutomaticは、そんな脳内腐敗を切り裂くような逸脱したポップミュージックを制作し、テクノ・ポップの再興の時代を告げる。


ほどよく不遜な態度と鋭い風刺的なコメントの均衡を図りつつ、LAの3人組はダークなユーモアのセンスとスウィングを武器に3作目のアルバムに挑む。 イジー・グラウディーニ(シンセ、ヴォーカル)、ハレ・サクソン(ベース、ヴォーカル)、ローラ・ドンペ(ドラムス、ヴォーカル)の3人は、変革のメッセージにはバックビートと生意気なグルーヴが最適だと信じている。 


「世界が崩壊しているように見え、自分が無力だと感じているのに、どうやって喜びを感じることができるのか」イジーは言う。
 
 
アメリカ市民として、私たちにはマシンを止めるレバーを引く責任があると感じている。 ''Is It Now? "は、このような環境の中で被害者意識を持たないようにしようということです。世界で起こっているあらゆるひどい出来事の中でも、喜びを感じることが大切なんだ。


『Is It Now?』は、オートマティックが初めてプロデューサー、ローレン・ハンフリー(ナイス・アズ・ファック、アークティック・モンキーズ、キャメロン・ウィンター)と組んだ作品である。
 
 
「Is It Now?」

  




Automatic 『Is It Now?』


Label: Stone Throw

Release: 2025年9月26日

Tracklist:
 

1.Black Box
2.mq9
3.Mercury
4.Lazy
5.Country Song
6.Is It Now?
7.Don’t Wanna Dance
8.Smog Summer
9.The Prize
10.PlayBoi
11.Terminal

 


マルチ・インストゥルメンタリストでプロデューサーのジェン・ワズナーのソロ・プロジェクト、Flock of Dimes(フロック・オブ・ダイムズ)は、彼女のサード・アルバム『The Life You Save』を発表し、ファーストシングル「Long After Midnight」を先行公開した。


「私のこれまでのアルバムは、一般的に、私がすでに経験したことをまとめたものだった。 しかし、このアルバムは違う。 私が生きている限り、そこから完全に抜け出すことはないだろう、現在進行中で未完成のプロセスの内側から報告する試みなのだ」


「私は他の人々についてのレコードを作ろうとした。 彼らの問題、葛藤、中毒...。 しかし、この仕事を通して、私はこのすべてから切り離されているわけではないことに気づき始めた。 私は離れたところから自分の役割を果たしてきたけれど、まだ関わっているし、つながっている。 結局のところ、私はこの中に存在している」


「自分が他人を救えるという信念は、内面的には複数の場所から生まれてくる。 最も見やすく、認めやすいのは、愛や善意、ケアやサポートをしたいという純粋な気持ちからくるものだ。 しかし、もっと醜い側面もあり、その部分を見るのは難しい。エゴ、高慢さ、自分は他の誰よりも優れている、強い、何らかの形で他の誰よりもふさわしいという信念だ。 他人の行動をコントロールしようとすることで、どうにかして自分の安全感を確保しようとする」


「私にとっては、それが最終的にすべてを理解するパズルのピースだった。 しかし、そのピースを手にするのが最も困難だった。 他人に対してではなく、自分自身に対して、この真実を認めても壊れないだけの愛を築くには長い時間がかかった。 私は救世主でもヒーローでも、選ばれた者でもない。 私は自分自身の車輪の中で回転しているのであり、他の人たちと同じように、中毒や適応や盲点の束なのだ。 そして、そこにはある種の自由とともに美しさがある......。 結局のところ、このレコードが、私が救うことのできない人々に対する愛の深さの証として存在し、自分自身のために愛し、生きる方法をまだ学んでいる人たちの慰めになればと願っています」 

 


「Long After Midnight」

 

 

 Flock Of Dimes 『The Life You Save』

 



 

Label: Sub Pop

Release: 2025年10月10日 

 

Tracklist:


1.Afraid

2.Keep Me in the Dark

3.Long After Midnight

4.Defeat

5.Close to Home

6.The Enemy

7.Not Yet Free

8.Pride

9.Theo

10.Instead of Calling

11.River in My Arms

12.I Think I'm God


Pre-save: https://music.subpop.com/flockofdimes_thelifeyousave

Madeline Kenney 『Kiss From The Balcony』
 

 

Label: Carpark

Release: 2025年7月18日 

 

Listen/ Stream 

 

 

Review

 

この数年来、カルフォルニア/オークランドのシンガーソングライター、マデライン・ケニーは実験的なポップソングを制作しており、アヴァン・ポップやアブストラクトポップのリーダー的な存在と言っても過言ではない。

 

2023年の『A New Reality Mind』はシンガーソングライターとしての才能が花開いた瞬間だった。前作のリリース後、ベン・スローン、スティーヴン・パトータと一緒にツアーを敢行。そのツアーは音楽的に刺激的だった。3人は異なる都市に住んでいたが、一緒にフルアルバムに挑戦しようと考え、各々のハードドライブに散在していた断片的な曲は、音の探求、ボーカルパフォーマンス、プロダクションスタイル、世界観の構築といった分野で実験へと発展した。孤独、理想化された恋愛、不満、女性性といった歌詞のテーマは、メインテーマの「コラボレーションがアイデアを最大限に成長させ、そして飛翔させる」というメッセージを支える要素となっている。

 

このアルバムは、サウンドコラージュの志向が強く出ている。しかし、分散的にはならず、曲としてまとまりがあって聴きやすい。それは全般的には聴きやすいポップソングの中の枠組みの中に収まっているからなのかもしれない。しかし、それは非常に多彩な形を持つ音楽として現れ、掴みどころがないようでいて、しっかりとした味わいがある。


アルバムの冒頭を飾る「Scoop」はサイケポップバンドのようなカラフルな印象に縁取られ、それがソロシンガーというより、アンサンブル形式で展開される。クルアンビンのようなサイケ性があるが、この曲の場合はレコードのレトロ感覚がある。


それは結局、ベイエリア風のヨットロックやチルアウトのような西海岸の音楽と組み合わされ、それがケニー持ち前のソフィスティポップとバロックポップ、あるいはドリーム・ポップの中間に位置する親しみやすいメロディーラインで縁取られる。 ケニーの歌い方もおしゃれな感じがして素晴らしい。また、このボーカリストの歌声はなぜか奇妙なほど耳に残る。それはとりも直さず、無類の音楽好きとしての性質が反映されているからなのだろうか。


音楽のコンポジションの手法は高度であり、聴く方も一筋縄ではいかない。口をぽかーんと開けていれば良いのではなく、自分から良さを探しにいく必要がある。それは続く「I Never」を聴くと分かる。アフロ・ビートやアフリカの民族音楽、あるいは先鋭的なスピリチュアル・ジャズのような音楽をクロスオーバーさせ、解釈次第では、ヒップホップの系譜にあるローファイの核心に迫っている。


しかし、この曲が単なる音源ではなく、生きた音楽のようになっているのが好ましい点である。特にバンドアンサンブルとしてのキャラクターを押し出し、プログレッシヴジャズのインストとしても聞かせる。しかし、それらの音楽性は必ずしも定着せず、ケニーが得意とするアヴァン・ポップやアブストラクト・ポップのような前衛的なスタイルで縁取られる。ファッションで言えば、服に着られることもない。いわば、音楽を自在に操縦出来ているような感じがして、荒唐無稽な音楽的なアプローチを選ぼうとも、ボーカルが浮いたり、違和感が出ないのが素晴らしい。この曲で、マデライン・ケニーは音楽という波を変幻自在に乗りこなしている。

 

そんな中、ラナ・デル・レイ、エッテン、エンジェル・オルセンのような音楽性を選んだ「Breakdown」の完成度が際立っている。ギター、ドラム、ピアノのようにシンプルな楽器が取り入れられ、特にミックスやマスターの面でかなり力が入っている。オーケストラヒットのように雄大で迫力のあるスネアが、マデライン・ケニーのどことなく夢想的で陶酔感のある歌声を上手い具合に引き立て、この曲のバラードソングとしての性質を否応なく高めるのである。


ボーカル自体はクリアであるが、この曲の背景となる様々な要素が煙のようにうずまき、また、夏の幻想のような景色を形作る。どことなく大陸的な雄大さを持つパーカッション、シンセのシークエンス、そして民族楽器のように響く異国的なドラムが複雑に折り重なり、瞑想的でサイケデリックな雰囲気すら持ち合わせている。


また、そういった中で、曲が単調になることはほとんどない。フィルターや逆再生のような音楽的なデザインが施され、この曲の色彩や印象、そして微細なトーンすら曲のランタイムに応じて変化させる。さらに2分後半からは音楽的にはより瞑想的になり、ドアーズ風のロック的なテイストが漂う。

 

「Slap」のような曲を聴けば、ポップソングの新しい形態が台頭したことに気がつくはずだ。いわば、この曲はジャズ的なドラム、トロピカルの要素、あるいはヨットロックやソフィスティポップのような音楽性を組み合わせて、前代未聞のアートポップソングを作り出している。ビートそのものはヒップホップ、ミニマルミュージックなどの要素を絡め、アフリカの民族音楽のようなポリフォニックなリズムを作り出す。そしてマリンバの音階を挟み、曲の後半では、ミニマルテクノへと傾倒していく。これらは一曲の中で、複数のジャンルが入れ替わり、曲のセクションごとに全く別の音楽が現れる。ジャンルを決め打ちしないで、前衛的な側面と商業的な側面のバランスが絶妙な感じで保たれていて、ほとんど飽きさせるものがない。シンガーソングライター、ないしはトリオとしてのバンドの人生的な背景を暗示するかのように、ひとつ所に収まることはない。まるでこれらはジプシーやノマドのポップソングのようである。


「Cue」は、メロディアスで聴きやすいフォーク・ミュージックである。しかし、この曲でもミックスやマスタリングが素晴らしく、ギターの低音を強調したり、まるでその吐息をもらさず拾うかのようなコンデンサーマイクの性能がクリアなサウンドヴィジョンを生み出し、ボーカルが歌われている瞬間にとどまらず、その歌と歌と間に曰く言いがたいような美的なセンスを感じさせる。音楽が鳴っていない瞬間の精細な感覚をとどめているという点で、素晴らしいプロデュースである。実際的に、マデライン・ケニーは、アンビエントフォークのような音楽性を駆使して聞き手を奇妙な陶酔的な感覚へと誘う。この曲もまた、序盤から中盤、それから終盤にかけて、驚くべき展開が用意されている。この曲のクライマックスでは、ギターのアルペジオに並行してシンセサイザーによるトーン・クラスターのような現代音楽の前衛性が登場する。

 

前作とは打って変わって、2000年代頃のエレクトロニック・ミュージックの性質が色濃いのも聴くときの楽しみとなるに違いない。「Semitone」は2020年代の新しいエレクトロ・ポップの登場と言える。しかし、それらは決して精彩味のない音楽にはならないのが驚きだ。重厚でダイナミクスを活かしたドラム、そしてウェイヴのように畝るシンセのアルペジエーター/モジュール、こういった電子音楽的な要素とバンドセットの要素が結びつき、言うなれば音楽のキャンバスの中に組み込まれ、それらを背景にハイセンスなポップソングが歌われている。音程もまたマギー・ロジャースのようにスポークンワードとボーカルの中間にあるニュアンスを活かし、新しい時代のポピュラーミュージックを予見している。おそらく、2020年代後半以降になると、ジャンルというものはさほど意味をなさなくなっていく気配がある。この曲に関しては、ブライアン・ウィルソンの系譜にある独特なトロピカル性、そしてヨットロックのようなまったりとした感覚が組み合わされ、ドリーム・ポップに近い音楽へと接近していく。

 

それを象徴付けるのが続く「Paycheck」である。シカゴドリルやニューヨークドリル、あるいはUKドリルで使用されるグリッチは、もはやヒップホップから離れ、ポピュラーソングの中に取り入れられつつある。しかし、それらの音楽性を決定付けるのはラップではない。バロックポップのような60、70年代のポップソングの系譜に根ざした懐古的な音楽性、キャロライン・ポラチェック以降のアートポップへの飽くなき挑戦を意識付けるボーカルである。この曲のトリッピーな展開はおそらく誰にも予測することは出来ないだろう。また、これらはエレクトロニック風の曲展開の中で、変調を交えたり、変拍子的となったりと、ほとんどカオスな様相を呈する。これはプログレッシヴポップへの新しい扉が開かれた瞬間となるかもしれない。

 

終盤でも良曲に事欠かない。「They Go Wild」は長らく空白が空いていたTOTOの次世代のAORとも言える。また、この曲の民族音楽的な音階、そしてアフリカのゴスペル音楽のような独特な開放感を持つアンセミックなボーカルのフレーズは聴けば聴くほどに面白いものが見つかりそうだ。


アルバムのクローズ曲「All I Need」はフォークトロニカの現代版であり、フィールドレコーディングの鳥の可愛らしい声が収録され、それらがスロウなポップソングの中に組み込まれている。しかし、全般的には前衛的な作風の中でケニーのメロディーメイカーとしての抜群のセンスが際立つ。これらが、それほどアヴァンギャルドなポップソングになろうとも、曲の構造が崩れない要因だろう。言うまでもなく、バンドメイトの演奏面での多大な貢献も見過ごせない。

 

 

86/100

 

 

「Scoop」 



ジーナ・ゾーのニューシングル「I Need to Cry」は、自分の仲間を見つけ、ありのままの自分を受け入れ、感情に身を任せることを歌ったシンセに浸ったサマーアンセム。 


グラミー賞を受賞したティム・ソネフェルドとジャスティン・ミラーとの共作で、バイセクシュアル・アーティスト、ジーナ・ゾーの大胆で陽気なリリースであり、私たちの新しいクィア・サマー・オブセッション。 


フィラデルフィアの郊外出身で、現在はLAで波紋を広げているパワフルなヴォーカリスト、ジーナ・ゾーは、単なるロックポップシンガーソングライターではない。 


2023年のアンセム「Faking It」でバイセクシュアルであることを大胆に宣言したジーナは、個人的な旅をLGBTQIA+コミュニティのための力強い物語へと変貌させ、真のアイデンティティとは型にはまったものに対する反抗の一形態であること、そして自分が本当に所属している場所とは共に走る仲間であることを証明した。 


彼女の旅は、チーム・ブレイクのメンバーとして『ザ・ヴォイス』に出演したことでさらに形づくられた。グウェン・ステファニーの指導により、彼女は自分自身の中にあるユニークな真正性を発見した。


ノラ・ジョーンズのソウルフルな系統からスティーヴィー・ニックスの神秘的な魅力に至るまで、彼女が影響を受けた音楽は、若い頃から彼女の芸術性を形作った。 彼女の青春時代の祖父母との家族のひとときは、懐中電灯をストロボ・ライトにして踊ったり、その場しのぎのマイクに向かって歌ったりした。これは後に彼女のキャリアに火をつける情熱の基礎を築いた。 ジーナの初期は、自家製ビデオと即興パフォーマンスの渦中であり、彼女の不屈の精神の証であった。


わずか18歳で、ジーナはフィラデルフィアのインディ・レーベルと契約し、そこですぐに音楽業界の厳しい現実に直面した。 


そのダークな側面に幻滅し、一度は離れたが、ある別離の後、紛れもない引き戻しを感じ、失われたアイデンティティを探し求めるようになった。 オリジナル・バンドと再会した彼女は、反抗と芸術的自由の追求を体現するロック・バンド、ヴェルヴェット・ルージュを結成した。


2024年にリリースされたヴェルヴェット・ルージュのデビューEPは、ジーナの魂を貫く直感的な旅である。 Lonely Since The Day We Met(逢った日から孤独)」の愛したことのない人と一緒にいることの胸に迫る真実から、「I Don't Know Why(なぜわからない)」の自分が誰なのか、どうあるべきなのかわからないという深い葛藤まで、このEPは生々しく率直な感情に共鳴している。 


尊敬するブライアン・マクティアーとエイミー・モリッシー(ザ・ウォー・オン・ドラッグス、ドクター・ドッグ、シャロン・ヴァン・エッテン)がプロデュースしたこのEPは、2000年代初期のロックと90年代の硬質なエッセンスを取り入れ、自分探しの葛藤と勝利のサウンドトラックとなっている。


ジーナの業界への復帰は、単なるカムバックではなく、革命だった。 ヴェルヴェット・ルージュとともに、彼女は音楽界の女性が直面する制度的障壁に反対し、ステージ上でも舞台裏でも変化を提唱している。 ローレン・シューラーがデザインした2023年のグラミー賞のドレスは、エレガンスと反骨精神の融合を体現し、ファッションを超越したステートメントとなった。


2022年末にフィリーのベスト・ロック・バンドに選ばれ、フィリー・スタイル・マガジンで「フィリーで最もホットなロック・バンド」として賞賛されたヴェルヴェット・ルージュの影響力は否定できない。 XPoNential Fest、MusikFest、Beardfestなどのフェスティバルでのパワフルなパフォーマンス、NPRのNational Public Radio DayやWXPNのFree At Noonでの特集は、ロック・ジャンルの先駆者としての彼らの役割を示している。


2025年、ジーナは初のソロ・シングル『Dirty Habits』をリリース。このロック・ポップ・バラードは、夢は現実よりも素晴らしいということを歌っている。 グラミー賞を受賞したジャスティン・ミラー(ジャズミン・サリヴァン、ザック・ブライアン)とティム・ソネフェルド(アッシャー)がプロデュースしたこの曲は、絶賛を浴び、リリース後1週間で3万以上のストリーミングを記録し、彼女の歌声はジャンルを超えて広く響くものとして確固たるものとなった。 


LADYGUNN は、「『Dirty Habits』で、ジーナ・ゾーはルールに縛られないキャリアの基礎を築いた。 それは大胆で、厄介で、深く感じられるもので、そこがポイントなのだ"。 このシングルは、彼女の芸術性における大胆な新章を示すものであり、弱さとアンセム的な力強さが出会うものだ。


彼女のセカンド・シングル "Only Bad Men Make Me Feel This Way "は、強さと弱さが同居した、内省的な別れのアンセムだ。  


ジーナはこの曲でシンガー・ソングライターとしてのルーツに完全に傾倒し、長い間彼女を際立たせてきた叙情的な深みと感情的な明瞭さを披露している。 温かみのあるアコースティック・ギターと揺らめくシンセのテクスチャーを融合させたこの曲は、別れた後の自由のジェットコースター、より良くなったと分かっていながら、まだ去ってしまったものの刺々しさを感じる瞬間を捉えている。


ジーナ・ゾの "I Need to Cry "は、仲間を見つけ、自分らしさを受け入れ、感情に身を任せることを歌ったシンセに浸ったサマー・アンセムだ。 グラミー賞受賞者ティム・ソネフェルドとジャスティン・ミラーとの共作で、バイセクシュアル・アーティスト、ジーナ・ゾーの大胆で陽気なリリースだ。 これは、2023年にカミングアウトして以来、ジーナ・ゾーにとって2曲目のプライド・アンセムである。


LAに住む彼女は、一から料理を作り、シルバーレイク貯水池を散歩し、殺人小説に没頭することに癒しを見出している(元恋人を殺そうと企んでいるわけではないと約束する)。 ジーナ・ゾーにとって、音楽はキャリア以上のものであり、若い女性たちが本当の自分を受け入れ、アイデンティティ、セクシュアリティ、キャリアにおいて自分たちを閉じ込めようとする型にはまることを拒絶するよう鼓舞するプラットフォームなのだ。 大胆不敵な芸術性と不屈の精神を通して、ジーナ・ゾーはルールを塗り替え、ポップ・ロック界の革命をリードしている。 

 

 

「I Need To Cry」 

 


 


モントリオールを拠点に活動するアレクサンドラ・レヴィの名義であるAda Leaはニューシングル「Midnight Magic」をリリースした。

 

同楽曲は、8月8日に発売されるニューアルバム『when i paint my masterpiece』に収録される。エレクトリック・ピアノ/シンセピアノの弾き語りによるバロックポップで、曲の後半ではラグタイムジャズの音色が徐々にフェードアウトする。

 

この曲はレオノーラ・キャリントン、ジェームズ・アンソール、シャルロット・サロモン、マルヤ・マロといった超現実主義アーティストにインスパイアされた。 このシングルと同時に、エイダ・レアは不気味な情景を描き、ヴィジュアル・コラボレーターのクラリス・ハナがそれに命を吹き込んでいる。

 


「Midnight Magic」


ケイシー・ゴメス・ウォーカー率いるシカゴを拠点とするバンド、ケース・オーツが、近日発売予定のデビューアルバム『Last Missouri Exit』からのニューシングル「Nora」をリリースした。

 

「In a Bungalow」に続く、先月の「人々と場所の思い出」をテーマにした作品に続き、「Nora」は60年代を彷彿とさせる、暗くも遊び心のあるトラックです。曲の意外なサビ「I’m glad you are here now / I can see now」は、突然の啓示のような一節で、夜遅くの自己反省に満ちた、知性と優美さが溢れる瞬間です。


Casey Gomez Walkerの「Nora」について次のように説明している。


時々、明らかに元恋人を愛している人と関係を持つことがあります。あなたは自分を欺き、それが真実ではないかもしれない、または彼らがあなたを愛し始めるかもしれないと考えるかもしれません。あなたはそこに留まります。しかし、結局彼らはそうしません。

 

だからこの曲は、私の元恋人の現在の恋人への愛の手紙です。もし彼らが一緒にいるべきなら、怒る意味はありません。私は本当に彼女に感謝しています。あの状況から解放してくれたこと、そして彼女の愛を祝っています。本物の愛に対して怒る理由はありません。それは尊重されるべきものです。だからこの曲では、彼女に「愛している」と伝え、今ここにいることを喜び、今なら理解できると歌っています。


Case Oatsは今夏、ニューヨーク、トロント、シカゴでアルバムリリースライブを複数開催し、さらに2つのフェスティバルにも出演予定。Skokieの「Out of Space」とナッシュビルの「Americana Music Festival」です。10月には、LuciusとSuperchunkの北米ツアーをサポートする。


『Last Missouri Exit(ラスト・ミズーリ・イグジット)』は8月22日にマージ・レコードからリリースされる。

 

「Nora」 





アヴァロン・エマーソンはテクノシーンでは著名なDJ。カルフォルニア出身であり、2014年からはベルリンに活動拠点を移し、ヨーロッパのクラブカルチャーの活性化に貢献してきた。またかつて日本にもDJとして来日しており、そのときはチケット売り切れ続出だったという。現在はニューヨークを拠点に活動している。今年2月には新レーベル、Dead Oceansとの契約を結んだ。


アヴァロン・エマーソンが2曲のハウストラック「Sort Of Like A Dream」、「You're My World」を同時に発表した。このプロデューサーのパーペチュアル・エモーション・マシーンは、継続的なシリーズであり、継続的なスルーラインとして進化を受け入れる彼女の作品の出口である。


「Sort Of Like A Dream」は荒々しいベース・ラインとクランチーなテックプログラミングが特徴で、アヴァロンのプロデュース・ボイスとアヌナクが参加し、「You're My World」にはモントリオールの才能プリオリが参加。トリッピーなエレクトロニクスが光に向かって伸びている。


「Sort Of Like A Dream」

 


「You're My World」

 
©Kalpesh Latigra

 

プロデューサー兼作曲家、Daniel Avery(ダニエル・アベリー)が6枚目のスタジオ・アルバム『Tremor』を発表した。

 

彼のサウンドのあらゆる側面を凝縮した本作は、恍惚とするシューゲイザー、沈み込むテクノ、アンビエントなサウンドスケープ、そしてインダストリアルな至福を織り交ぜた、大胆で没入感のある作品となっている。アベリーらしさは健在ながら、劇的に進化を遂げた作品です。

 

『Tremor』は、LAを拠点とするアーティスト、セシル・ビリーブのエテリアルなボーカルをフィーチャーしたリードシングル「Rapture In Blue」のリリースと共に発表された。 没入感のあるダンスビートに清涼感を持つダニエル・アベリー/セシル・ビリーブのボーカルがマッチしたシングル。

 

 『Tremor』において、アベリーはアリソン・モスハート(The Kills)、ウォルター・シュライフェルス(Quicksand / Rival Schools)、bdrmm、ジュリー・ドーソン(NewDad)、yeule、エリー、Art School Girlfriend、yuné pinku、セシル・ビリーブなど、刺激的なコラボレーションに選んだ。各アーティストは独自の印を残していますが、この作品の真の力は、その核心にある共同体の精神にある。



その精神の最初の兆候は、『Rapture In Blue』で感じられる。このスローモーションのブレイクビートは、セシル・ビリーブの超現実的なボーカルを大気圏外へ運び上げ、ライドの伝説で現在オアシスのメンバーであるアンディ・ベル(RIDE)が天界的なギターを提供しています。このトラックは、トレモールの映画的な力と、アベリーがアンビエントな美しさと轟くような力を融合させる技を完璧に体現しています。



没入型で深くテクスチャードな旅であるトレモアは、明晰な夢のように展開される——広大で協働的な創造物です。「これは生きている集団です」とアベリーは説明している。「最初の録音から、トレモアは空中のスタジオのようなもので、アーティストとして皆が通過できる時間と空間でした」と彼は振り返ります。

 

「これはアシッド・ハウスの歓迎の精神に、私の音楽の旅から影響を受けたあらゆる要素をさらに広げたものです。歪みの温かさ、激しさの中の静けさ、ノイズの超越的な美しさ…これらは常に私の音楽に存在していましたが、今やそれらのアイデアがテクニカラーで伝達されている。これはポスト・レイブのカムダウン世代、ギター愛好家、そして誰であれ、この音楽を求めている人たちのためのレコード」




「Rapture In Blue」

 

 



Daniel Avery  『Tremor』 



Label: Domino

Release:  2025年10月31日

 

Tracklist:

1. ⁠Neon Pulse

2. Rapture in Blue w/ Cecile Believe

3. Haze w/ Ellie

4. ⁠A Silent Shadow w/ bdrmm

5. New Life w/ yunè pinku

6. Greasy off the Racing Line w/ Alison Mosshart

7. Until the Moon Starts Shaking

8. ⁠The Ghost of Her Smile w/ Julie Dawson

9. Disturb Me w/ yeule

10. In Keeping (Soon We’ll Be Dust) w/ Walter Schreifels

11. Tremor

12. ⁠A Memory Wrapped in Paper and Smoke

13. ⁠I Feel You w/ Art School Girlfriend

 

Pre-save: https://danielavery.ffm.to/tremor 


 Alex G 『Headlights』

 

Label: RCA / SONY MUSIC

Release:  2025年7月18日


Listen/Stream

 

Review

 

『God Save The Animals』から3年を経てリリースされたフィラデルフィアのシンガーソングライター、Alex Gの新作『Headlights』は、近年の男性ミュージシャンの中でも傑出した作品である。この作品を機にイギリスのDominoからアメリカのRCAへとアレックスGは移籍している。前作ではアメリカーナやフォーク・ミュージックをベースに温和なロックワールドを展開させたが、それらの個性的な音楽性を引き継いだ上で、ソングライティングはより円熟味を増している。現代的なポップ/ロックミュージックの流れを踏まえた上で、彼は普遍的な音楽を探求する。

 

前作アルバムはくっきりとした音像が重視され、ドラムがかなり強めに出力されていたという点で、バンド性を重視したアルバムではなかったか。その中で幻想的なカントリー/フォークの要素をもとにした、ポピュラーなロックソングが多かった印象を覚えた。最新作では前作の延長線上を行きながらさらに深い領域に達した。円熟味のあるソングライティングが堪能できるはず。


しっとりとしたアコースティックギターで始まるフォークバラード「June Guitar」はエリック・クラプトンの「Pilgrim」を彷彿とさせる渋く哀愁のあるバラードソングに近い。前作よりもギターの音像がクリアに浮かび上がり、弾き語りの形式でこのアルバムをリードする。ドラムもまたボンゴのような打楽器を使用し、ボーカルやギターのメロディーが浮かび上がるように配慮されている。そして、アレックスGのボーカルが入ると、面白いように音楽の世界が広がっていく。


間奏には蛇腹楽器の音色を取り入れたり、女性ボーカルが入ったりもするが、その中心となっているのは、長調と短調を行き来する巧みなコード進行、そして、商業音楽の基礎的な半音階進行(C#から半音階ずつ降りていく)である。これらが一緒くたとなり、開放的な印象を持つフォーク・ロックの境界線がゆっくりと押し広げられていく。ポピュラーソングのお手本ともいうべき見事な楽曲ではないか。

 

新しい音楽性を垣間見せたあと、「Real Thing」では、『God Save The Animals』の作風の延長線上にある音楽性が選ばれている。しかし、カントリーをベースにしたギターの奏法には磨きがかけられ、ギターの弦でリズムを取る音ですら、調和的な響きに聞こえてくる。しかし、この曲では、明らかに前作とはボーカルスタイルが異なるのに気がつく。繊細性や脆弱性を押し出した男性シンガーにしか紡ぎ得ない哀愁や切ないメロディーをさらりと歌い上げている。

 

二曲目で聞こえるようなフォークロックソングは、落ち着いた印象をもたらしてくれる。また、アコースティックギターの演奏にピアノ/シンセの音色が加わるとき、この曲はバラッド的な性質を持ち、切ないセンチメンタルな性質を帯びる。アレックスのギターロックは夕暮れの国道や幹線道路、パーキング沿いにあるモーテル、そういったアメリカ的な情景をありありと思い浮かばせる。歌も魅力なのだが、同時に、バックストロークのギターの演奏も聞かせるものがある。高音部の繊細なピッキングのアルペジオは、この曲にリズム的な効果を及ぼしている。

 

一転して、ドラムが強めに出力される「Afterlife」は民族舞踊のような音楽性が色濃い。単なるアメリカの伝統音楽というより、ケルト民謡かヨーロッパの舞踏音楽のような陽気さがある。これらは従来のアメリカーナやカントリー/フォークの形式にとどまらず、民族音楽の資質が彼のソングライティングの中に現れた瞬間だ。


バンジョーのように高音域を強調付けるギター、及び、アコースティギターの多重録音は重層的なハーモニーを生み出している。そしてアレックスのボーカルはおそらく、70年代や80年代のロックやポピュラーをベースにした歌唱法であり、これらがこの楽曲に普遍的な意味合いをもたらしている。


アレックスGは音域が広いシンガーで、アルバムの冒頭部からアルトの領域からソプラノに近い音域を華麗に歌い上げる。楽曲の後半では、祝祭的な音楽性が強まり、民族舞踊の要素はAORの要素と組み合わされ、華やかなアウトロを形成している。一つの音楽主題の変遷の流れを楽しめるにちがいない。

 

Alex Gは、自分自身でも比較的高い音域を歌いこなうシンガーであるが、このアルバムでは自分の音域ではカバーしきれない箇所を女性シンガーに任せることがある。対象的に、「Beams Me Up」では、瞑想的なフォークロックを選んでいる。アコースティックギターと歌がメインであるのは事実だが、ピアノのグリッサンドを用いたりと、様々な工夫が凝らされている。これらが北部とも南部とも西海岸ともつかない70年代風のフォーク・ロックの楽曲と組み合わされ、さらに重厚なコーラスが入ると、この曲は次第に瞑想的な領域にまでたどり着く。


自分自身の声に合わせて、どことなく幻想的でファンシーな印象を持つ女性コーラスを背景に、着想を徐々に押し広げていき、ファンタジックな雰囲気を持つフォークソングを作り上げる。この点はアルバムのアートワークのイメージと音楽性が上手くリンクした瞬間だ。また、70年代のフォーク・ロックにとどまらず、90年代のブリットポップのような音楽性が中盤から強まる。部分的にはオアシスのような存在に対するリスペクトが含まれている気がする。そういった中で、2分後半からはアメリカーナやカントリーの印象が強まり、奥深い感覚に到達している。


「Afterlife」

 



続く「Spinning」には深い感銘を受けた。 オアシスの最初期のような憂いにあふれたイントロのギターのアルペジオに始まり、バッキングギターと自身のボーカルのファルセットを中心として次第にダイナミックな展開を辿る。アコースティックギター、そしておそらくエレクトリック二本以上の多重録音については、特にギターサウンドに対するこだわりを感じさせる。そしてアルトの音域のボーカルからソプラノの裏声の音域へと音階跳躍する瞬間に奇妙なカタルシスが発生する。いわば暗い心情から一瞬で切り替わり、祝祭的に鳴り響くサビの導入部が劇的である。サビでは音階が跳躍するという商業音楽の基礎的な作曲技法を踏まえた素晴らしい一曲。また、チープ・トリックの系譜にあるメロディーメイカーの才覚を見出すことも出来る。

 

「Louisiana」では、まるで田舎の小屋で録音したようなローファイでガレージなロックソングを聴くことが出来る。この曲はアルバムの中盤までにかけてアーティストの趣味性が反映されている。マック・デマルコのようなフォーク・ロックとして聴くことも出来るが、全体的にはサッドコアやスロウコアのような音楽性が滲み出ている。この点では、Homeshakeのような音楽性に近接している。また、前衛的なロックミュージシャンとしての姿もわずかに見いだせる。「Bounce Boy」では遊び心あふれる音楽を楽しめる。シンセロックやダンス・ミュージックを宅録のような感じで処理して、果敢なチャレンジを行っている。シーケンサーのサンプリングを徹底して活用した曲で、属に言われる「コラージュ・サウンド」として楽しむことが出来る。

 

その後の収録曲の流れは見事としか言いようがない。再び、アメリカーナやカントリー/フォークを中心とする音楽的な主題に戻り、「Orange」では、アルバムの冒頭で聞けるような幻想的で心地よいフォークサウンド、さらに、アメリカーナの歌唱を維持した上で、続く「Far and Wide」ではストリングスを取り入れ、アメリカの民族音楽的なルーツに迫る。この曲の中には小さい子が聴くようなアメリカの民謡の要素が含まれ、それらがギターロックやオーケストラと融合している。特に、最近のRCAが得意とするフィル・スペクター級のオーケストレーションに注目したい。曲の終盤では弦楽器がレガートからピチカートへと変わり、ダイナミックな変遷を描く。ビートルズの「The Long And Winding Road」のチェンバーポップの進化系が示されている。


そういった流れに導かれるようにしてタイトル曲「Headlight」が現れる。これはまるで暗闇の向こうから車のヘッドライトの照らし出され、不思議な光景が出現するかのようでもある。それらはやはり、アレックスの得意とするカントリー/フォークとロックの合体という形式を見いだせる。しかし、ファジーかつウージーなギターに、マカロニ・ウェスタンのような独特な雰囲気が滲み出ている。まるで現代から西部劇のムービーを見るようなユニークな雰囲気が込められている。それらの雰囲気を湧き立てるように、アコーディオンのような楽器の音色が響く。

 

 アルバムの終盤の二曲も聴き逃がせない。ジャズ風のピアノと女性コーラスをゴスペルのように配置した曲もまた、アレックスの意外性に富んだ音楽性を象徴付けるものである。次から次へと予測しえない音楽が登場するという点において、このアルバムはミュージシャンとしての冒険心のようなものが現れ出た瞬間なのではないかと思われる。本作のクローズ曲にはライブ曲が収録。「Logan Hotel(Live)」では70年代のフォーク・ロックの音楽性が色濃いが、アレックスの曲はそれらの音楽の普遍的な側面にスポットライトを当てている。最近の男性シンガーソングライターの作品の中では傑出している。RCAに移籍して早くも結果を出した形になった。

 

 

 

 

86/100 

 

 

 

「Spinning」