3月31日にThirty TigersのPositive Jamsからリリースされる9枚目のスタジオアルバム「The Price Of Progress」に先駆けて、The Hold Steadyが最新シングル「Sixers」を公開しました。


「Sixers "はパンデミックの最初の数日間に書かれた曲で、フロントマンのCraig Finnは次のように語っています。

 

「基本的には、隣人を知ろうという歌なんだ。2人の若い社会人が金曜の夜遅くに自分たちのビルで待ち合わせ、週末を一緒にパーティーで過ごす。でも、彼らは愛のつながりを見つけようとするが、なかなかうまくいかない。仕事が厳しいと、なかなか友達もできない。そこでタッドとスティーブが美しいギターハーモニーで素敵なチャイムを鳴らすんだ」

 

The Lemon Twigs

 

60、70年代の古き良きロックンローラーのような渋い佇まいが強烈な異彩を放つ、ブライアン/マイケルのダダリオ兄弟で構成されるインディー・ロックバンド、The Lemon Twigsは、は、先日、NYのインディペンデント・レーベル”Captured Tracks”と契約を結び、同時にドリーミーなシングル「Corner Of My Eye」を発表し、レーベルとの新たな契約を祝福している。

 

昨日、続いてザ・レモン・ツイッグスは『Everything Harmony』を同レーベルからリリースすると発表した。ニュー・アルバムはマンハッタン、ブルックリン、サンフランシスコのハイド・ストリート・スタジオで作曲/録音/制作/エンジニアリングを全てバンドが行った。バンドの巻き返しになるのかに注目。アルバムのアートワーク、及び収録曲は下記よりご覧ください。


バンドは、この次作アルバムに収録される2ndシングル「Any Time Of Day」を公開し、プロモーションを拡大している。心に響く歌詞と豊かなメロディーの組み合わせによる痛快なサンシャイン・ポップ・バラードについて、ザ・レモン・ツイッグスは次のような声明を提出している。

 

 「僕たちは、架空の70年代の兄弟バンドを題材にしたインタラクティブなテレビ番組に出演するために雇われたんだ。サウンドトラックのためにKISSタイプの曲をたくさん書いて、それにこの曲も書いたんだ。この曲は番組にはちょっと合わなかったから、抑えたんだ。2019年の1ヶ月間、全8話の撮影を行いました。Quibiに対して会社が取った注目の訴訟の影響で、番組は棚上げされ、スペースを確保するために完全に消去されないまでも、誰かのハードドライブに残っています。この曲は人生の循環性について歌っている。すべては続いていく。古きを捨て、新しきを得るんだ」


このテーマに沿って、ディレクターのAmbar Navarroは、レトロをテーマにしたMVを撮影しており、60年代や70年代初期の有名な”The Smothers Brothers Comedy Hour”や”Dick Clark's American Bandstand”のビデオ・クリップを彷彿とさせる。「カーペンターズ、トム・ペティ、特にモンキーズのテレビ番組と、その時代の不条理でシュールなコメディを参考にしています」と監督は語る。ノスタルジア満載のビデオも合わせて下記よりチェックしてみてください。


「Any Time Of Day」





The Lemon Twigs  『Everything Harmony』



 
Label:  Captured Tracks

Release Date: 2023年5月5日



Tracklist:

1.When Winter Comes Around
2.In My Head
3.Corner Of My Eye
4.Any Time Of Day
5.What You Were Doing
6.I Don’t Belong To Me
7.Every Day Is The Worst Day Of My Life
8.What Happens To A Heart
9.Still It’s Not Enough
10.Born To Be Lonely
11.Ghost Run Free
12.Everything Harmony
13.New To Me

©︎Mike Bridavskx

サンフランシスコのインディーロックバンド、Deerhoodが新作アルバム『Miracle Level』から新曲「Wedding, March, Flower」を公開しました。この先行曲は「Sit Down, Let Me Tell You A Story」に続く最新シングルです。この新作はバンドのキャリア初となる全編日本語歌詞で歌われたフルレングスです。

 

ニュー・シングルでは、普段のパートが変更となり、松崎さとみがドラムを担当し、ドラマーGreg Saunierがリードボーカルを務め、松崎が書いた日本語の歌詞を歌う。本日のバレンタインデーにぴったりのラブソングで、Deerhoofのスタンダードな型から逸脱した、意外性に富んだバラードとなっています。Greg Saunierさんのしっとりとした日本語のボーカルに注目です。


ボーカルを務めたGreg Saunier(グレッグ・ソーニア)のコメントは下記の通り。

 

パートナーのソフィーといちゃつきながら、鼻歌を歌いながらピアノを弾く動画を送っていたんだ。Deerhoofは次のレコードのために曲を集め始めていた。誰も優しいピアノバラードが必要だとは言っていなかったのですが、ソフィーに説得され、とりあえずバンドメンバーに見せることにしました。

彼らがその曲を気に入ったとき、私はとても感動しました。本当に嬉しかったのは、サトミが歌詞を書いてくれたことだ。日本語の歌詞だったので、最初にリハーサルをしたときは、自分が何を歌っているのかよくわからなかったんです。

しかし、サトミさんは結婚式をテーマにしたラブソングを書いていた。私とサトミは10年以上前に結婚を解消しており、バンドを続けるのは簡単なことではありませんでした。私たちの歌は、私たちがお互いに気持ちを処理する一つの方法だったのです。「結婚行進曲の花」を彼女と共作し、演奏したことは、本当に強烈だったな。

 

Deerhoofの新作アルバム『Mirale-Level』は3月3日にJoyful Noiseから到着します。


 「Wedding, March, Flower」

  


リアーナは、2月12日、アリゾナのステート・ファーム・スタジアムで開催された2023年スーパーボウルのハーフタイム・ショーのパフォーマンスを行った。


彼女は、ステージに降りる前に「Bitch Better Have My Money」で今回のショーをスタートさせた。その後、「Where Have You Been」、「Only Girl (In the World)」、「We Found Love」、「Rude Boy」、「Work」、「Wild Thoughts」、「Pour It Up」、「Umbrella」、「Diamonds」などヒット曲をメドレーで披露している。。キャリアを振り返るセットはこちらよりご覧いただけます。


リアーナはパフォーマンス中、赤いジャンプスーツを着用し、お腹をさすっているところを見せたため、第2子を妊娠しているのではないかという憶測を呼びました。その後、彼女の代理人がを確認しました。


この夜、クリス・ステイプルトンはイーグルスのコーチ、ニック・シリアンニを涙させた米国国歌を披露し、ベビーフェイスは「America the Beautiful」を、アボット・エレメンタリーのシェリル・リー・ラルフは「Lift Every Voice and Sing」を歌い上げました。


一方、U2はスーパーボウルの新CMで噂されていたラスベガスでのライブを発表した。U2:UV Achtung Baby Live At the Sphere」は今秋、ネバダ州ラスベガスのベネチアンにあるMSGスフィアで開催される。

 


De La Soulの伝説的存在であり、TrugoyやPlug Twoとして知られるDavid Jolicoeurへの追悼の言葉が音楽業界全体から寄せられています。この記事を書いている時点では、死因は確認されていない。AllHipHop.comが最初に報じたこのニュースを、Rolling Stoneが独自に確認した。


PosdnuosとMaseoと共にDe La Soulの3分の1を務めたTrugoyは、『3 Feet High And Rising』や『De La Soul Is Dead』といった名作を通じてヒップホップに与えた影響は強調しすぎることはなく、80年代後半から90年代前半のこのジャンルにおける音的、美的、知的革命に貢献した。実際、2011年に『3 Feet High And Risng』は、米国議会図書館によって「文化的、歴史的、美学的に重要」とみなされ、National Recording Registryに登録された。


トゥルーゴイの死去のニュースは、悲しいことに、グループが自分たちのカタログが初めてストリーミングサービスに登場するのを見るという夢を実現したと発表したわずか数週間後にもたらされたものである。


ヒップホップ・トリオは以前、2019年にDSPで配信されることが決まっていたが、結局レーベルのトミー・ボーイと仲違いしてしまった。その後、同社はReservoirに買収され、グループのカタログはReservoir傘下のChrysalis Recordsが配信することになった。2021年のTommy Boy買収後、ReservoirとChrysalisのチームはDe La Soul、および彼らのレコードレーベルであるAOIと協力し、彼らの音楽をデジタルストリーミングサービスに提供することになった。 


デ・ラ・ソウルの最初の6枚のアルバム - 3 Feet High and Rising(1989)、De La Soul Is Dead(1991)、Buhloone Mindstate(1993)、Stakes Is High(1996)、Art Official Intelligence(1996)。Mosaic Thump』(2000年)、『AOI: Bionix』(2001年)が、2023年3月3日に発売される予定です。


彼の死に際して、多くのラッパー、アーティスト、ジャーナリスト、DJなどがTwitterでスターに敬意を表しています。


 

Kelela(ケレラ)は一昨日の夜に放送された米国の人気トーク番組”The Tonight Show Starring Jimmy Fallon”の音楽ゲストとして出演し、2月10日に発売されたばかりの2ndアルバム『Raven』から「Enough for Love」をピックアップしています。

 

「この瞬間が現実になるとは思ってもみなかったわ」とケレラはTwitterに書いている。パフォーマンスの模様は下記でご覧ください。


ケレラは、ビョーク、ゴリラズ(デーモン・アルバーン)、ソランジュも絶賛する次世代のシンガーソングライター。『Raven』は、Kelelaの2017年のデビュー・アルバム『Take Me Apart』に続く作品です。「Enough for Love」に加え、これまでにリリースされたシングル「Contact」、「Washed Away」、「On the Run」、「Happy Ending」が収録されている。



 

Wiiliam Basinsky

 

米国のアンビエント・プロデューサー、ウィリアム・バシンスキーが1979年に録音したものの長年お蔵入りとなっていた幻の音源『The Clocktower at the Beach(1979)』を発表しました。このアルバムは3月3日にLINEより発売される予定です。また発表に合わせて先行シングルが公開されていますので、下記よりご視聴ください。


「The Clocktower at the Beach(浜辺の時計台)」は、伝説的なプロデューサー、ウィリアム・バシンスキーがサンフランシスコに住んでいた1979年に作曲・録音された42分の未発表アーカイブ。ある時はかすかに、ある時は轟々と、広大な霧のようなドローンは、潮の満ち引きのようなエネルギーに満ちている。

 

パートナーのアーティスト、ジェームス・エレインがヘイト・ストリートの疎らなアパートで路上から拾ってきたオリジナルの夜勤の工場録音と、壊れた1950年代のテレビのテープループから作曲された「The Clocktower at the Beach」は、バシンスキーの最も初期の不気味な作品の一つ。この特別な作品が、彼の将来の音の探求と作曲にどのように影響したかを振り返っています。

 

「オープンリールのデッキを持っていたことは、私の初期の作品の多くで役に立ちました」とバシンスキーは述べている。

 

「4つのスピードを持つこの頑丈な機械は、隠れた、聞いたことのない音を発見するのを助けてくれました。私の魔法の機械。この作品は、私の最も(重要な)初期のドローン作品の一つです。私の作品はどれも、ある種の閃きから始まる特異な実験なんですが、「Clocktower」では、空間を作り出し、時間を歪ませる長尺の作品を最終的に追求することを重視しました」



ジェームス・エレインがレコード店の仕事から持ち帰る中古レコードの数々に魅了されたバシンスキーはこう宣言する。「ジェイミーは何でも持っていたし、手に入れたんだ...。しかもすぐにね! 私の音楽学マスタークラスの師で、最初のチャンピオンがジェイムス・エレインなんだ」


佐藤聡明の「エメラルド・タブレット」(1978年)、ジャン・クロード・エロイの「学問の道」(1979年)、エリアン・ラディゲの1960年代後半から70年代の一連のフィードバック作品と同じ軌道にあるバシンスキーの「The Clocktower at the Beack(1979)」は、海辺のジョルジオ・デ・キリコを思い起こさせる音で描かれた不思議な空のクレパスのような不可思議な作品となっている。


ウィリアム・バシンスキーは、これまでLINEからリシャール・シャルティエとのコラボレーション作品「Untitled 1-3」(2008年)、「Aurora Liminalis」(2013年)を発表している。「The Clocktower at the Beach」は、10年ぶりのLINEからの復帰作となる。また昨年、バシンスキーはイギリスの実験音楽家、Jenek Schaeferとのコラボ・アルバム『…on reflection』を発表している。 

 

 

 

 

 William Basinsky 『The Clocktower at the Beack(1979)』

 


Label: LINE

Release : 2023年3月3日

 

Tracklist:

 

1.The Clocktower at the Beack(1979) (excerpt 1)

2.The Clocktower at the Beack(1979) (excerpt 2)

3.The Clocktower at the Beack(1979) (excerpt 3)

 

 

William Basinsky

 

 
ウィリアム・バシンスキー(1958年生まれ)は、クラシック音楽の教育を受けた音楽家、作曲家であり、ニューヨークとカリフォルニアで40年以上にわたって実験的なメディアで活動している。旧式のテクノロジーとアナログ・テープ・ループを使用した、心にしみるメランコリックなサウンドスケープは、人生の時間性を探求し、記憶の残響と時間の神秘に響くものである。

 

4枚組の大作「The Disintegration Loops」は国際的に高い評価を受け、Pitchfork Mediaによって2004年のトップ50アルバムに選ばれた。2012年に発売されたTemporary ResidenceのデラックスLPボックスセットのリイシューは、その年のベストリイシューに選ばれ、ピッチフォークでは10点を獲得している。


 

Lizzo

LizzoがSZAを起用し、「Special」のリミックスをリリースしました。ストリーミングはこちら。試聴は以下より。


Lizzoは先日、第65回グラミー賞で「Special」を披露、同名のアルバムに収録されている別の楽曲「About Damn Time」とともにレコード・オブ・ザ・イヤーを受賞している。12月には、SZAが待望のCTRLの後続作『SOS』を発表し、Lizzoがクレジットされずにゲスト参加している。

 

また、リゾはフジロック 23'でのライブを今年予定しています。フェスに参加予定の方は是非チェックしてみてください。


 


U2が今年の秋、ラスベガスのMSG Sphereでライブを開催すると発表。この会場は球体をかたどった前衛的なデザインを擁する17500人収容のスタジアムである。


アイルランドのロックバンドU2は、NFLのスーパーボウルで「U2:UV Achtung Baby Live at the Sphere」というコマーシャルを流し、ラスベガスの上空に巨大な球体で浮かぶ赤ちゃんの頭をバーチャルで描いて、"achtung "という言葉を発する、という形でライブの宣伝を大々的に行った。



MSGスフィアでの公演は、バンドにとって4年ぶりとなる。ドラマーのLarry Mullen Jr.は手術を受け、回復するために休暇を取るので不参加。ライブの日程やチケットの詳細については、こちらで告知されています。

 

「それはドラムシートの私たちのバンドメイトなしでスフィアに近づくために持っているすべてのものを出し切るつもりですが、ラリーは彼自身の権利の力であるブラム-ヴァン-デン-ベルクを歓迎するために私達に参加してくれました」とバンドは声明で述べています。「"実は、スフィア "の公演は長い間、計画されていたんだ。我々は人々を失望させたくない、特に我々の観客を...彼らが我々がいなくて寂しいように見えるのと同じくらい、我々も彼らがいなくて寂しいというのが本当のところたんだ...我々の観客は常にバンドの5番目のメンバーだった」と述べた。


続けて、「結論から言うと、U2は2019年12月以来ライブをやっていないわけだし、ステージに戻ってファンの顔をもう一度見る必要があるのさ。そして、砂漠にある私たちのために、なんとユニークなステージを作ってくれていることか...。私たちは適切なバンドで、ACHTUNG BABYは適切なアルバム、そしてスフィアは音楽のライブ体験を次のレベルに引き上げるのに適した会場...。これはU2がサテライトステージやビデオインスタレーションでずっと試みてきたことで、最も記憶に残るのは30年前のこの秋に東京で終わった「ZOO TV Tour」の時なんだ」と語っています。「そしてスフィアは単なる会場ではなく、ギャラリーであり、U2の音楽が壁一面に広がることになるよ」


MSGスフィアは、ラスベガス・ストリップのザ・ベネチアンの近くにある、18億ドルかけて建設された2万席のパフォーマンス会場。58万平方フィートのLEDパネル、ビームフォーミング技術を利用して会場の全席に的を絞った音声を届ける17万個の超指向性スピーカー、触覚床システムなど、多くのハイテク機能を備えているのが特徴。


U2は、セント・パトリックス・デーに、バック・カタログから40曲を再構成したニュー・アルバム『ソングス・オブ・サレンダー』をリリースする。これまでに、ファーストシングルの "Pride (In The Name Of Love)" と、1987年のヒット曲 "With or Without You" の新バージョンを発表している。このプロジェクトは、ボノの回顧録『Surrender』のリリースに続く。『40 Songs, One Story』は、U2の40年以上にわたるキャリアの中から40曲を選び、その制作秘話を語っています。


The Golden Dregs  「On Grace & Dignity』

 

 

Label: 4AD

Release Date : 2023年2月10日


 

Review

 

 

週末、4ADから発売されたばかりのザ・ゴールデン・ドレッグスの最新アルバム『On Grace & Dignity』の制作の契機は、フロントマンのベンジャミン・ウッズがパンデミックで職を失い、実家に戻った時期に遡る。 その時期、彼が得られた唯一の仕事は、トゥルーローという町の郊外にある経営状態の悪い建築現場での肉体労働者としての最も過酷な仕事であったという。「腰まで泥まみれになって穴を掘り、廃材の上に芝生を敷いたり、悲惨な冬だった」とこの時の境涯についてウッズは話している。さらに制作過程では、レイモンド・カーヴァー、リディア・デイヴィス、リチャード・ヒューゴーの文学に影響を受けたという。かなり魅力的なアートワークについては、ブリストルに在住する模型作家、Edie Lawrence(エディー・ローレンス)が手掛け、HOスケールの架空のコーンウォール地方の町が建設された。Polgras(ポルグラス)と称されるこの模型には、高架橋、河口、スーパーマーケット、新築の家、工業用ビルが建ち並び、『On Grace & Dignity』のすべての曲が表現されている。

 

ベンジャミン・ウッズの書き上げるポップソング/フォークソングは、例えば、Bon Iverのような雰囲気が漂っている。聞きやすくて口当たりがよくシンガロング性も強いが、そこには独特な渋みが醸し出されている。トラックメイカーとしても、ダンサンブルな要素を込め、それを優れたポップソングとして昇華している。また、近年のシンガーソングライターの労働環境の中で培われたともいえる哀愁が最新アルバム『On Grace & Dignity』には漂っているのである。


ベンジャミン・ウッズが書き上げた渋さと軽快さ、そしてスタイリッシュさを兼ね備えたポップソングには、しかし、しわがれた声、ささやくような心地よいトーン、そして、一種の達観したような大人の余裕すら感じることが出来る。これは上記の旧来の米国の名作家たちがそうであったように、世の中の出来事をワイルドに捉えようという価値観がベンジャミン・ウッズの歌声、ひいては存在そのものに乗り移ったかのように思える。それは彼と同じような苦しい境遇にある人の肩を静かに支え、”気にすることはない”と元気づけるかのようでもある。そのことが往年のR&Bの名シンガーのように、ソウルとブルースの色合いを作品自体に与えている。レコードのほとんどの収録曲は、エレクトロニカのバックトラックやピアノのブルージーな演奏を交えて繰り広げられるが、深い哀愁とワイルドさが温かみをもって胸にグッと迫ってくる。

 

同じようなシンガーとして、米国のトム・ウェイツがいる。そしてベンジャミン・ウッズの歌もウェイツの最初期の時代に近い雰囲気にある。「On Grace & Dignity』の収録曲からは、夜もだいぶ深まった頃、人知れずソングライティングを行うウッズの姿がおのずと目に浮かんできそうだ。もちろん、彼の書き上げる楽曲は必ずしもメインストリームの範疇には位置づけられないかもしれない。しかし、それでも、じっとゴールデン・ドレッグスの音楽に耳を傾けると、深く心にしみるものがある。それはベンジャミン・ウッズが、その時々の正直な感情(時にそれは苦しい境涯である場合もある)を誠実に歌詞に落とし込み、それらを音楽と一体化させていることに拠る。またゴールデン・ドレッグスの音楽は必ずしも取っつきやすいとはいえないかもしれないが、その誠実さと生真面目さ、真心を込めて歌を紡ごうとするウッズの心意気は、彼と同じような真摯で誠実な姿勢にあるならば、しっかりと伝わってくるはずなのだ。

 

特に「How It Stars」は旧来のポップスやR&Bをモチーフにしていると思われるが、なぜか静かに聞き入ってしまうものがある。この曲には神々しい感覚が漂い、ボーカルのエフェクトや抽象的なコーラスワーク、あるいは、後半部にアレンジとして導入される管楽器のフレーズによって強化されていく。それは聞き手を陶酔した感覚に誘い、心地よい時の中に居続けることを促す。どれほど厳しい時間にあろうとも、音楽に酔いしれている間にはその苦痛から逃れることが出来る。音楽の本来の力をゴールデン・ドレッグスは呼び覚ましていると言える。

 

また、それに続く「Before We Fell From The Grace」も暗示的なタイトル曲に位置づけられるが、軽やかなヴォーカル、喜ばしい雰囲気、そして甘美な管楽器の響きが曲そのもののダイナミックス性を高める。しかし、ありきたりのコーラス・ワークで雰囲気を盛り上げるという手法ではなくて、ウッズの存在感があり渋みと悲哀に溢れた歌声と対比的なインストの旋律が祝福された雰囲気をじわじわ高めていく。さらにその他、現代のエレクトロポップの切り口から解釈したゴスペル曲とも称せる「Eulogy」も聴き逃すことが出来ない。この曲もまたみずみずしい感覚に溢れ、アルバムのアートワークに見られるような、あっと息を飲むような美しさに彩られている。


このレコードの中で聞きやすさのある軽快なエレクトロとフォークを交えたようないくつかの曲が続いた後、エンディングの「Beyond Reasonable Doubt」では、また序盤のように渋さのあるポップソングへと舞い戻る。やはり、ベンジャミン・ウッズの歌声は渋く、聞き手をまったりとした心地よさの中に呼びこむ。序盤よりその声はさらに力強く、ブルージーで、コーラスも奇妙な陶然とした雰囲気に包まれる。そして、エンディングにかけての管楽器とギターの掛け合い、さりげないギターのフェイド・アウトは、この続きを聴きたいと思わせる余韻を持ち合わせている。ゴールデン・ドレッグスの音楽は、コンセプト通りに精巧な模型のように作り込まれ、感情がゆっくり流れては、過ぎ去っていく。そこには否定も肯定もない。ベンジャミン・ウッズはこの数年間の歌を通じ、みずからの感慨をじっと噛み締めているだけなのである。

 

 

82/100



「Before We Felt The Grace」

 

グラミーとブリット・アワードをダブル受賞したハリー・スタイルズ 名実ともにビッグ・スターの仲間入りを果たした


本日(2月12日)、イギリス国内最大の音楽賞、BRIT AwardsがロンドンのO2アリーナで日本時間午前5時に開催され、司会者により栄えある各部門の受賞者が発表された。 2023年度のBRITアワードは開始以来初めて土曜日に開催されることになった。今回の授賞式は、ITVとITVXで独占放送され、設立以来30年の節目を迎えた。昨年は、Adeleのような大物アーティストに加え、Ed Sheeran、Dave、Sam Fender、Little Simzの熱狂的なパフォーマンスにより大成功を収めた。YouTube Shorts、TikTok、Roblox、Serenadeとのパートナーシップを図ることにより、ブリット・アワードはデジタルコンテンツとして近年さらに急速に成長を遂げつつある。

 

数時間前に行われた授賞式では、ブリット・アワードの各部門の授賞者が発表された。中には、今、最も乗りに乗っているワイト島のインディーロック・デュオ、ウェット・レッグや、The 1975,ビヨンセ、といったグラミー受賞者の顔ぶれも見られるが、何と言っても、ハリー・スタイルズが今年の"アワードの顔"に最もふさわしい。彼は、グラミーとブリットの双方で、アルバム・オブ・ザ・イヤーに輝き、さらに3部門を手中に収め、名実ともにポップシンガーとしてスターダムに上り詰めた。 受賞の瞬間の感動的な映像は下記よりご覧いただけます。

 

 

 

もともと、労働階級の出身者であり、パン屋で働いていた時代もあったという苦労人のハリー・スタイルズが一躍トップの座に上り詰めたことは、多くの人々に夢を与えてくれる。一方、来週に来日単独公演を控えているアイルランドの人気オルタナティヴ・ロックバンド、Fontaines D.Cのほか、イギリスのラッパー、AITCHが受賞したことも喜ばしい。2023年度のブリット・アワードの各部門の受賞者は下記にリストアップしておきます。

 

また、この授賞式に合わせて、ウェット・レッグやリゾを始めとするアーティストのパフォーマンスが繰り広げられ、このライブパフォーマンスの模様も同じく下記にてお楽しみください。 



Best Hip Hop/Grime/Rap Act

 

・Aitch

 

International Artist Of The Year

 

・Beyonce

 

Best Dance Act

 

・Becky Hill

 

Best Pop/R&B Act

 

・Harry Styles

 

Best New Artist

 

・Wet Leg

 

Artist Of The Year

 

・Harry Styles

 

International Group Of The Year

 

・Fontaines D.C

 

Group Of The Year

 

・Wet Leg

 

International Song Of The Year

 

・Beyonce

 

Best Rock/Alternative Act

 

・The 1975

 

Song Of The Year

 

・Harry Stylees

 

Producer Of The Year

 

・David Guetta

 

Mastercard Album Of The Year

 

・Harry Styles



 Wet Leg

 

 

Cat Burns

 

 

©︎Dana Trippe

オーストラリアのサイケデリックロック・アーティスト、Nicholas Allbrook(ニコラス・オールブルック)は、Spinning Top Recordsより6月9日にリリースされるニューアルバム『Manganese』を発表しました。


Pondのフロントマンとして知られるこのオーストラリア人シンガーは、この発表と同時にニュー・シングル「Jackie」のPVを公開しました。下記よりご覧ください。


「この曲は2021年に亡くなった僕の友人(名前はジャッキーではない)のことを歌っているんだ」とニックは声明で語っている。


彼女は素晴らしい人だったんだけど、その知らせは僕に罪悪感と後悔、そして "なぜもっとこうすればよかった、もっとよく分かっていれば "というおなじみの感情を抱かせたんだ。

 

私は通常、ランニング中に創造的なボルトに襲われることはありませんが、ロンドンで一度運河のそばで、彼女が星に囲まれた黒い湖で、とても傷つき辛かった地球から漕ぎ出し、ついに平和と沈黙を見つけるという希望的なイメージに打たれました。冷たいだけでなく、淡い銀色の光を浴びながら、そんなふうに死について考えるのは気持ちのいいことでした。

 

ナサニエル・ホーホーは、ジャイアントパンダのネイチャードキュメンタリーの音声を奇妙に、そして見事に、うまくいくはずがないのになぜか入れてくれました。



 



Nicholas Allbrook 『Manganese』




Label: Spinning Top Records

Release Date: 2023年6月9日


Tracklist:


1. Commodore

2. Babbel

3. Manganese

4. Jackie

5. The Endless Jetty

6. Vale the Chord

7. Mazda

8. Round Round the Moon and All

9. The Night Before You Flew



 Weekly Recommendation: Yo La Tengo 『This Stupid World』 



Label: Matador Records

Release Date: 2023年2月10日


 ニュージャージ州ホーボーケンのオルタナティヴ・ロックバンド、Yo La Tengoは84年の結成時からおよそ40年にもわたる長いキャリアを持つトリオです。

 

うろおぼえではあるものの、多分同じくらいのキャリアを持つ日本のある有名なロックバンドが、以前、このようにインタビューか何かで話していた記憶があります。「長く良いバンドでありつつづけるために必要なのは、売れすぎないことである」と。これは当事者から見ると、身も蓋もない話であるけれど、売れてしまうとミュージシャンとしての強いモチベーションが失われてしまうことを彼らは身をもって言い表していたように思える。傑出した才能に恵まれながらも熱意を失ってしまった実例を、そのバンドメンバーは実際の目で見てきたのです。そして、伝説的な存在、ヨ・ラ・テンゴが、約40年目にして最も刺激的なアルバムを制作していることを考えると、この良いバンドである続けるための箴言はかなり言い得て妙なのかもしれません。

 

この新作アルバム『愚かな世界』のアートワークが公開された時、熱心なヨ・ラ・テンゴのファンは、すぐ気がついたことでしょう。これは、1993年の『Painful』、そして2000年の『And Then Nothing Turned Itself Inside-Out』の続編のような意味を持つのかも知れない、と。もちろんこれは憶測に過ぎませんが、『This Stupid World』は少なくともヨ・ラ・テンゴのキャリア、そして、ニュージャージーやニューヨークのその時々の音楽ムーブメントとの関わり方を見ると、一つの節目にあたる作品であると共にキャリアを総括するような作品と言えるかも知れません。


プレス・リリースでは、近年、プロデューサーと協力して作品を生み出してきたヨ・ラ・テンゴが最初期のDIYのスタイルに回帰し、完全なインディペンデントな制作を行った作品ということになっています。ところが……、実は、Tortoiseのドラマー、John McEntire(ジョン・マッケンタイア)がロサンゼルスでミックス作業に部分的に関わっているらしい。しかし、それ以外は、プレスリリースに書かれている通りで、ヨ・ラ・テンゴのメンバーがDIYの精神に基づいて制作に取り組んでいます。

 

新作アルバムの発売以前に先行シングルが三曲公開されました。ポップなコーラスを交えたローファイなロックソング「Fall Out」、そして、ヨ・ラ・テンゴのドラマーであるジョージア・ハプレイの和やかな雰囲気を持つ「Aselentine」までは、いつものようなヨ・ラ・テンゴの作品が来るだろうと予想していました。  


ところが、今週始めの最終プレビュー「Sinatra Drive Breakdown」を聴いた時、正直にいうと、今までの作風とは少し何かが違うと考えた。この新作アルバムが従来のヨ・ラ・テンゴのイメージを強化するのではなく、例えば、Sea And Cakeを彷彿とさせるソフトなロック性の印象を引き継ぎつつも、別の側面でそれを覆すような冒険心に溢れる作品であるように感じたのです。


そして、金曜日に『This Stupid World』の全貌が明らかになった時、その疑いのような奇妙な感覚が確信へと変化した。つまり、明らかにヨ・ラ・テンゴの約40年の中で、VUやソニック・ユースを始めとするNYのオルタナティヴの核心に最も迫り、なおかつ最もヘヴィーでカオティックな作品になったのです。

 

このアルバムはいろいろな解釈が出来るかも知れません。「愚かな世界」と題されたオルタナティヴ・ロックは、客観的な世界を多角的に描き出したとも取れますし、また、それはヨーロッパやアメリカの現代社会に蔓延る分断や歪みをノイズ・ロックという側面から抽象性の高いリアリズムとして表現しているとも解釈出来るわけです。


そして、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの『White Light / White Heat』の代表曲「Sister Ray」に近い、ローファイとカオスを交えたオープニング・トラック「Sinatra Drive Breakdown」で、バンドは、この混沌とした世界を内省的なノイズという観点から克明に描き出そうとしています。


「Sinatra Drive Breakdown」の中では、ある種、禍々しさのあるアイラ・カプランの警告の言葉も囁かれています。「死への準備をせよ/まだ時間が残されているうちに準備しなさい」と歌い、切迫し、いよいよ転変が近い私たちの世界を抽象的に表現する。そして、その人の手により規定された時間の中に居続けることの耐え難さと、その時間から逃れることの願望について歌われています。

 

待って、無視してほしい、無駄にしてほしい、生き続けてほしい、時計の針から目をそらして」とカプランは歌っているが、ヨ・ラ・テンゴの豊富なキャリアにあって、これほど苛烈で厳しい言葉、また、真実の世界をえぐり出した言葉が紡ぎ出されたことが一度でもあっただろうか? これはまさにヨ・ラ・テンゴはこの差し迫った世界を鋭い視点で捉えていると言えるのです。

 

最も衝撃的だったのは、オープニング曲「Sinatra Drive Breakdown」であるのは間違いありませんが、その他にも、これまでのヨ・ラ・テンゴの作風からは予想できない意外な曲もある。いつもフルレングスの中にあって、ふんわりとした癒やしを持つドラマーのジョージア・ハプレイの歌うフォーク・バラード「Aselestine」は、「Let's Save Tony Orlando's House」、「Today Is The Day」といった彼らの代表曲と並べても遜色のない曲で、聞き手を陶酔の中へと誘うことでしょう。


その一方、ジョージア・ハプレイは、これまでにはなかった死の扉にさしかかる友人にさりげなく言及しており、既存の作品の題材とは少し異なるテーマを選び取っている。あまり偉そうなことは言えないものの、これは、多分、ヨ・ラ・テンゴの三者にとっての人生が以前とは変わり、そして、その真摯な眼差しから捉えられる世界が180度変化してしまったことを象徴しているのかもしれません。そう、1993年の世界とも、2000年の世界とも異なり、今日の世界はその起こる出来事の密度や、その出来事の持つ意味がすっかり変貌してしまったのです。

 

もはや、どうすることも出来ない。世界は今も時計の針を少しずつ進め続けており、世界中の人たちは、その現状を静観するよりほかなくなっています。それでも、ヨ・ラ・テンゴはこの世界に直面した際に、どのような態度で臨もうとしているのでしょうか。彼らは決してその愚かしさに絶望しているわけでも、揶揄しようとしているわけでもないようなのです。それは、レコードの中で最も衝撃的で、カオティックなノイズに塗れたタイトル曲「This Stupid World」を聴くと分かるように、この世界に恐れ慄きながらも、その先にかすかに見える希望の光を見据えています。この曲はヨ・ラ・テンゴの既存の作風の中で、ニューヨークのアヴァンギャルド・ミュージックの源流に最接近していますが、それはThe Velvet Undergroundの往年の名作群にも引けを取らないばかりか、聞き手の魂を浮上させるエネルギーを持ち合わせているのです。


 

 97/100

 


Featured Track  「This Stupid World」

 

Paramore


およそ6年間の沈黙を破り、Paramoreはニューアルバム『This Is Why』を発売した。今作は多くのレビュアーから好意的に迎え入れられ、さらにNMEをはじめ各紙のカバーを飾っている。間違いなく今週の話題作の一つ。


6枚目のアルバム『This Is Why』はトリオの復活作となる。アルバムをリリースし、熱狂的なツアーを行う。そして、今後、パラモアはキャリア最大のライブを予定している。春のツアーでは、マディソン・スクエア・ガーデンでの連続公演、ボナルー、ボストン・コーリング、ニュージャージー州アトランティック・シティで開催されるアジャスト・フェスティバルでトップ・ライナーの座を獲得し、来月フェニックスで行われる米国の大人気シンガー、テイラー・スウィフトの大規模なツアーのオープニングを飾る予定であることは言うまでもありません。


ボーカルのウィリアムズ、ギタリストのテイラー・ヨーク、ドラマーのザック・ファロは、彼らのキャリアの中で最も注目を集めるツアーに乗り出す準備をしていますが、バンドは2月10日にリリースされた、主題が明らかに私生活にまつわるものであろうとも、熱烈なロック精神を盛り上げる推進力のある新曲を提供してくれている。週末に盛り上がりたい、そんな欲求を抱えるリスナーにとっては願ってもないリリースとなる。バンドの6thアルバムからの最初の4曲はすべて、34歳のウィリアムズが改心したホームドクターとして、パンデミックの眠りから覚めて、彼女が去ったときよりもいくらか悪化した世界に現れるという興味深い内容になっています。


『This Is Why』は現代社会についてセンセーショナルに書かれた曲が多い。タイトル曲の「This is why」では、インターネット/ソーシャルメディア文化の息苦しさや、浴びせられる中傷について嘆きながら、苛立ちの声を上げている。「意見があるならそれを押し通すべき」と歌う。ウィリアムズの怒りと苛立ちを表現したリードシングルは、Paramoreの先行アルバム『After Laughter』のダンスファンクにエッジを加えることに成功しており、多くの人の共感を呼ぶ内容となっている。


これらのキャッチーなロックソングの中にあって、「The News」は異彩を放っている。ポストパンクの個性を維持し、24時間続くニュース・サイクルを非難している。ウィリアムズはこれを「搾取的、演出的、そしてそのほとんど分かっていない」と一刀両断し、さらに鋭く言及し、「コンピューターの背後では役に立たない気がする」ことを歌っている。また、この曲は、Paramoreの次のツアーのオープニングを飾るBloc Partyのデビュー当時の音楽性に影響を受けていて、リスナーの心をドギマギさせるのである。「この曲は、 "Because I Got High "の続編とでも言うべきもので、時間を遵守することを嫌う人たちのためのアンセムだ」という。


序盤の最後を飾る「C'est Comme Ça」(フランス語で「あるがまま」の意)では、ウィリアムズは何らかのエスプリを込めており、辛辣で自虐的なニュアンスを目眩く様に展開させる。「1年で100歳も老けた/私の社会生活、カイロプラクティックの予約」と私生活について赤裸々に告白している。この曲は、老獪な歌詞とハイテンポなコーラスの対照性が痛快で、また、マイ・ケミカル・ロマンスの "Na Na Na (Na Na Na Na)" を思わせる "Na Na Na "のボーカルの掛け合いも効果抜群である。


これらの曲は核心を捉えたかと思うと、あっという間に過ぎ去っていくが、Paramoreの新作アルバムの中盤以降は、現代人としての日常的な告白に加えて、より思弁的な内容が強められる。ウィリアムズは、日常性を超えて、バンドのレコードの一貫したテーマである権力に対するしたたかな反抗を促す。「Big Man, Little Dignity」は繊細で、バスクラリネットとフルートがTame Impalaのような華やかさを醸し出している。しかし、「You First」と 「Figure 8」の轟音ディストーション、高鳴るフック、そして「カルマはすべて我々に巡ってくる/私は彼女があなたを迎えに来ることを望んでいる」と嘆くウィリアムスの強い精神性が表れ出ている。


「Liar」は、パラモアお約束のバラードソングで映画のような壮大さと悲しみを巧みに表現しようとしている。長年のファンにとっては、2008年のヒット曲「Decode」に似たリフに親しみを覚えるはずである。ウィリアムズの "壊れかけの磁石......壊れかけの人に惹かれる"という静かな瞑想から始まるこの曲は、アリーナのステージでのパフォーマンスに沿った内容となっている。


このプロジェクトは怒りやいらだちを中心に展開されているが、どことなく人間味にあふれていて、それが共感を誘う。またパラモアの音楽は享楽性に根ざしているが、そこには楽しみに溢れたパーティーの後に訪れる何らかの虚脱や悲哀もある。とっつきやすさを用意するとともに奥行きを持ち合わせたアルバムであることは疑いがない。近年、Paramoreがこれほどまでプロダクションに奥行きを与え、さらに、ウィリアムズがクールに音を奏でたことはなかったように思われる。また、快適なポップ性とそれと対比的な尖ったロック性をこれほどバランス良く操るバンドは他を探してもなかなか見当たらない。『This Is Why』はパラモアらしさが十分に引き出された快作といえるでしょうか。今週最も注目すべき新作の一つとしてご紹介しておきます。

 

パラモアの待望のニューアルバム『This Is Why』は2月10日に発売。

 

Big Man, Little Dignity」


 

Regina Spektor(レジーナ・スペクター)が水曜日にLate Night With Seth Meyersに出演し、自身の曲「What Might Have Been」を披露しました。ライブパフォーマンスの様子は以下から。


この曲はレジーナ・スペクターの2022年の最新アルバム『Home And Before After』に収録されています。発売当初に、スペクターは”NPR Tiny Desk Concert”でライブを行い、このレコードのプロモーションを行っています。来月、Spektorは米国ツアーの日程に着手し、トロント、サンフランシスコ、サンディエゴ、アトランタ、ナッシュビルなどの都市を訪れる予定です。

 


サウスロンドンのバンド、Moreish Idolsがニューシングル「Nocturnal Creatures」をリリースした。彼らが自ら監督したこの曲のビデオは以下よりご覧ください。


Dan Carey率いるSpeedy WundergroundからのデビューEP、昨年のFloatに続く作品で、初期のシングル'Speedboat'が収録されている。"夜行性の生き物は、彼らがあなたの宝物を掘り出して骨を埋める場合に備えて、より観察することを教えてくれる "と、バンドは声明で述べています。